JP4336432B2 - せん断補強用熱可塑性樹脂被覆frp筋、せん断補強用熱可塑性樹脂被覆frp筋の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はコンクリート補強材の中で、せん断補強筋として使用される熱可塑性樹脂被覆繊維強化FRP(Fiber Reinforced Plastic)筋に関する。
【0002】
【従来の技術】
高強度でかつ軽量といった優れた特性を発揮する構造物を構築する要求は建設業界のみならず多方面から高まっている。係る要望に応えるべく現在では特にコンクリート構造物の高強度化及び軽量化等が推進されている。このような状況を示す一例としては、例えばコンクリート梁やコンクリート壁等のコンクリート構造物の補強材として炭素繊維などの新素材からなるFRP補強筋を配筋し活用する動きがある。炭素繊維を補強繊維とした補強筋として、CFRP(Carbon Fiber Reinforced Plastic)が挙げられ、特にシールド工事における発進・到達工法たるNOMST(Novel Material Shield−cuttable Tunnel−wall System)工法などにおけるせん断補強筋として用いられている。
【0003】
このNOMST工法におけるせん断補強筋の役割は、発進・到達立坑の坑口開削時において、係るせん断補強筋が配筋された土留め壁が地下水圧や土圧等に対抗しうる優れた構造強度を備えつつ、係る土留め壁をシールドマシンが開削するにあたってはカッタービットにより簡便確実に切断可能であるといった特性を発揮することにある。上記の如き特性を備えるべく従来から用いられているせん断補強用FRP筋としては、例えば、CFRPプリプレグ(炭素繊維を引き揃えて熱硬化性樹脂を含浸したものを半硬化させたものであるプリプレグを、ストランドとして撚り合わせたもの)を矩形螺旋状に成形したもの、また、同様にして作成したテープ状のプリプレグを金型に巻き付けてリング状に成形したものをロッド状CFRPと組み合わせ、籠状に構成したものなどが挙げられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のせん断補強用FRP筋は次に述べるような課題を有していた。すなわち、係る従来のせん断補強筋はまずその製造に際して多くの課題を有し、前記プリプレグの製造工程、ストランドの撚り工程及び硬化工程と工程数が多く、必要とされる設備、作業時間及び配置される人員等の全ての面で過大な対価コストを強いられ、良好な作業効率と経済性とを確保することは困難であった。また、プリプレグの作成においては各種溶剤が使用される場合が多く、溶剤使用に際して遵守が求められる各種規定等に基づく手順に拘束されることとなって、いたずらに作業の煩雑性を招いていた。 更に、前記硬化工程では、所定の形状を得るためにプリプレグの状態から金型等に巻き付けて固定するため、作業中にプリプレグを軟化させるため適宜熱を加えながら各種作業を実施する必要があり、作業が煩雑となり加工スピードの著しい低下をみることとなった。一方、この硬化工程においてプリプレグの早期硬化を抑制する意味でエポキシ樹脂が使用されることがあったが、係る樹脂の硬化にはかなりの長時間を要し却って生産性に劣る結果となっていた。上述の各種課題のため、従来のせん断補強筋は一般の鉄筋に比して著しくコスト高となり経済的な面において汎用性は低かった。
【0005】
そして、このような各種問題を抱えた工程を経て製造されたプリプレグをスパイラル状、或いは籠状など種々の形状に形成してせん断補強用FRP筋となすとしても、コンクリートの付着性能や引張り強度等を確実に得るために特に定まった構造もなく、せん断補強筋として求められる物性を確実に発現することは困難であった。従って、NOMST工法等の実際の施工を行うにあたり、せん断補強筋として期待される補強効果が曖昧となり、しかもせん断補強筋自体のコストが嵩みいずれの工事においても汎用可能であるとは言えなかった。
【0006】
そこで、本発明はこのような従来の課題に着目してなされたもので、コンクリートとの付着性能に優れ、引っ張り強度等のせん断補強筋としての必要物性を確実に備えると共に、生産性も良好であるせん断補強筋を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この発明は上記目的を達成するためになされたもので、熱硬化性樹脂が含浸され、外周面が熱可塑性樹脂で被覆された補強繊維束であるFRPストランドを用いたせん断補強用熱可塑性樹脂被覆FRP筋であって、少なくとも一本の前記FRPストランドを芯ストランドとし、その外周に6本の外周ストランドがスパイラル状に撚り合わされたFRPロープを、コーナー部半径が該FRPロープ外径の3倍〜5倍となる矩形螺旋状に成形してなることを特徴とする。
【0008】
また、他の要旨として、熱硬化性樹脂が含浸され、外周面が熱可塑性樹脂で被覆された補強繊維束であるFRPストランドを用いたせん断補強用熱可塑性樹脂被覆FRP筋であって、8本の前記FRPストランドを八つ打ちロープ状に編組みした八つ打ちFRPロープを、コーナー部半径が該八つ打ちFRPロープ外径の3倍〜5倍となる矩形螺旋状に成形してなることを特徴とする。
【0009】
更に、前記FRPロープ或いは八つ打ちFRPロープを、硬化時張力(g)/(補強繊維の総重量(g/m)×9000)により定義される硬化時張力係数が0.005以上0.025以下であり、かつ、矩形螺旋状のせん断補強用熱硬化性樹脂被覆FRP筋となすと好適である。
ここで、硬化時張力係数をcで表すと、
張力(g)=補強繊維の総重量(g/m)×9000×c
の関係式が成り立ち、本発明においては係る式中の関係で硬化時張力係数たるcが0.005以上0.025以下の範囲内となるのである。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい実施の形態につき、添付図面を参照して詳細に説明する。図1は本発明のせん断補強用熱可塑性樹脂被覆FRP筋を構成するFRPロープ10を示し、(a)はその断面図、(b)は同側面図である。図2は係るFRPロープ10を用いた、コーナー部半径が該FRPロープ10外径の3倍となる矩形螺旋状のせん断補強用熱可塑性樹脂被覆FRP筋20を示す説明図であり、図3は同せん断補強用FRP筋20のコーナー部R拡大図である。
【0011】
実施例1として、図1に示す様な、補強繊維Fに熱硬化性樹脂13を含浸させその外周面を熱可塑性樹脂14で被覆したFRPストランドAを基本構成要素とし、1本のFRPストランドAを芯ストランド11とし、その外周に6本の外周ストランド12をスパイラル状に撚り合わせたFRPロープ10を、コーナー部半径が該FRPロープ10外径の3倍となる矩形螺旋状に成形してなるせん断補強用熱可塑性樹脂被覆FRP筋20(以下、せん断補強筋と称する。図2、図3参照)について以下に示す。使用材料、設定寸法、設定単位重量、製造条件等は下記の通りである。
【0012】
−−使用材料−−
▲1▼強化繊維(商品名:トレカT700S 12K、東レ株式会社製、12000フィラメント、880dtex)、12本(c.c=55.4vol%)
▲2▼熱硬化性樹脂1(商品名:エスターH2000HV、三井化学株式会社製)、 80ブ
▲3▼熱硬化性樹脂2(商品名:NKエステル3G、新中村化学株式会社製)、20ブ
▲4▼熱硬化性樹脂3(商品名:カドックスB−CH50、化薬アクゾ株式会社製)、4ブ
▲5▼熱硬化性樹脂4(商品名:カヤブチルB、化薬アクゾ株式会社製)、0.5ブ
▲6▼被覆樹脂(ナイロン12、ダイアミド)、80℃ 一昼夜乾燥
−−設定寸法−−
被覆外径4mm、FRP径3.5mm(被覆厚み0.25mm設定)
【0013】
図示しないが、上記の材料を用いてFRPストランドAを製造する実際工程としては、補強繊維Fを供給するロービングスタンドをFRPストランド数だけ(ここでは7箇所)配置し、繊維ガイドを介して未硬化状熱硬化性樹脂(例えば不飽和ポリエステル樹脂等)が貯留された樹脂槽に補強繊維Fを挿通させることで熱硬化性樹脂に含浸させ、しかる後に、これを所定の繊維含有率まで余分な樹脂を絞りながら引き揃えて芯部を形成した後、クロスヘッドダイ内を通過させ、溶融状の熱可塑性樹脂を該芯部外周面に被覆することにより、未硬化状態のFRPストランドAを形成することとなる。
【0014】
次に、未硬化状態のFRPストランドAを、1本の芯ストランド11を中心として6本の外周ストランド12が撚り合わさった計7本撚りの構造をなすFRPロープ10に加工する。本実施例において7本撚りとした撚り構造について、これ以上の本数からなる撚り構造は、撚り工程が複雑になり必要とされる機器類も増加することから実用的ではない。また、構成ストランド数が増加することで断面積が増大し、ねじりやひねり等の素線の乱れも生じやすくなり硬化時の作業性が低劣なものとなりやすい(例えば、19本(1+6+12)撚り等では、硬化時に撚りが乱れやすいことが分かっている)。
【0015】
図示しないが、加工手順として、未硬化状FRPストランドAを巻き取ったボビン7巻をクリールスタンドに固定し、該スタンドから供給されるFRPストランドAを撚り機(例えば回転巻き取り機)にてスパイラル状に撚り合わせることで、7本撚りFRPロープ10(未硬化状)を作成した。ここで、撚りピッチは80mmとし、撚り張力は中央の1本を1.1kg、周囲の6本を1kgとした(係る撚り張力はクリールスタンドが備えるブレーキにて調整する)。
【0016】
次に、巻き取った未硬化状FRPロープ10を図4に示す硬化ジグ40により矩形螺旋状に硬化させ、最終的にせん断補強筋20を製造した。矩形螺旋形状におけるコーナー部Rの半径をFRPロープ10外径の3倍(ここでは36mm)とし、硬化時の張力は10kg(ロープ10の片端末に10kgの重錘を垂下した)とした。この硬化時の硬化張力については構造強度の上で重要であり、以下の計算式により得られる範囲内とする必要がある。
【0017】
T(g)=補強繊維Fの総重量(g/m)×9000×c
c=0.025〜0.005
この値より硬化張力が大きいと前記コーナー部Rが扁平になり、引張り強力が低下する結果となり、逆に小さいとFRPストランドAの弛みが残り、伸びが大きくなって実使用時には歪みが大きくなってしまう上に、直線部の強力も低下する。
【0018】
実施例2
図示しないが、実施例1と同様にして、7本撚りのFRPロープ10を作成し、該FRPロープ10のコーナー部Rの半径が60mm(ロープ外径の5倍)となる硬化ジグ40により曲げ加工を施し、また実施例1と同様の張力(10kg)をかけて硬化させることでせん断補強筋20を得た。
【0019】
比較例1
図示しないが、実施例1と同様にして、7本撚りのFRPロープ10を作成し、該FRPロープ10のコーナー部Rの半径が72mm(ロープ外径の6倍)となる硬化ジグ40により曲げ加工を施し、また上記同様の張力(10kg)をかけて硬化させることでせん断補強筋20を得た。
【0020】
比較例2
図示しないが、実施例1と同様にして、7本撚りのFRPロープ10を作成し、該FRPロープ10のコーナー部Rの半径が24mm(ロープ外径の2倍)となる硬化ジグ40により曲げ加工を施し、また上記同様の張力(10kg)をかけて硬化させることでせん断補強筋20を得た。
【0021】
比較例3
図示しないが、実施例1と同様にして、7本撚りのFRPロープ10を作成し、該FRPロープ10のコーナー部Rの半径が36mm(ロープ外径の3倍)となる硬化ジグ40により曲げ加工を施し、また30kg(c=0.05)の張力をかけて硬化させることでせん断補強筋20を得た。
【0022】
実施例3
図示しないが、実施例1と同様にして、7本撚りのFRPロープ10を作成し、該FRPロープ10のコーナー部Rの半径が36mm(ロープ外径の3倍)となる硬化ジグ40により曲げ加工を施し、また3kg(c=0.005)の張力をかけて硬化させることでせん断補強筋20を得た。
【0023】
実施例4
図示しないが、実施例1と同様にして、7本撚りのFRPロープ10を作成し、該FRPロープ10のコーナー部Rの半径が36mm(ロープ外径の3倍)となる硬化ジグ40により曲げ加工を施し、また15kg(c=0.025)の張力をかけて硬化させることでせん断補強筋20を得た。
【0024】
比較例4
図示しないが、実施例1と同様にして、7本撚りのFRPロープ10を作成し、該FRPロープ10のコーナー部Rの半径が36mm(ロープ外径の3倍)となる硬化ジグ40により曲げ加工を施し、また1.5kg(c=0.0025)の張力をかけて硬化させてせん断補強筋20を得た。なお本実施例では、直線部の引張り試験では、ストランドの弛みのため、負荷がかかる(荷重が立ち上がる)までに2〜3%の伸びが認められた。
【0025】
実施例5
未硬化FRPストランドを8巻準備し、該未硬化FRPストランドを用いて編網機により八つ打ちFRPロープ50を作成した。八つ打ちFRPロープ50の構造を図5に示す。八つ打ちFRPロープ50の作成に引き続き、この未硬化状の八つ打ちFRPロープ50を使用して実施例2と同様に硬化ジグにより矩形螺旋状に硬化させてせん断補強筋20を形成した。硬化時の張力は11.5kg(c=0.022)とし実施例1と同様に引張強力を評価した。
【0026】
以上各実施例及び比較例において引き抜き耐力測定試験を実施し、その結果を表1に示す。引き抜き耐力として、コーナー部Rにおける引張り強度を図6に示す試験装置60により以下の方法にて測定を行った。せん断補強筋20のコーナー部Rをコンクリート基底部C(圧縮強度40N/mm2)内に埋設して引き抜き耐力を主に担う付着部分を設定し、もう片端末を塩化ビニールパイプP内の粘度質CL中に挿通させコンクリート基底部Cとの付着防止を図りつつグラウト定着させるとともにその先端部の定着具61とコンクリート基底部Cとの間に油圧ジャッキ62を設けて該定着具61を押し上げてロードセル63によりコーナー部Rの引張り強度を評価した。
【0027】
【表1】
【0028】
φ4−3.5未硬化状FRPストランドAを7本撚り合わせた、もしくは8本編組みしたせん断補強筋20(実施例1、2、3、5等)は、コーナー部RをFRPロープ10(或いは八つ打ちFRPロープ50)外径の3倍もしくは5倍(36R、60R)として硬化させた場合に、係るせん断補強筋20におけるコーナー部Rの引張強力は約5tonと実用上十分な(カーボンの引張強力から計算した理論引張強力の30%程度)強力が得られることがわかった。一方、その他の場合(FRPロープ10及び八つ打ちFRPロープ50のコーナー部Rの半径が該ロープ10外径の3倍〜5倍の範囲外)においては、十分な引張強力が得られずせん断補強筋20として必要な性能が確保されないこととなった。
【0029】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明のせん断補強用熱可塑性樹脂被覆FRP筋は、熱硬化性樹脂が含浸され、外周面が熱可塑性樹脂で被覆された補強繊維束であるFRPストランドを用いたせん断補強用熱可塑性樹脂被覆FRP筋であって、少なくとも一本の前記FRPストランドを芯ストランドとし、その外周に6本の外周ストランドがスパイラル状に撚り合わされたFRPロープ、もしくはFRPストランド8本を編組みして八つ打ちロープ状にした八つ打ちFRPロープを、コーナー部半径が該FRPロープもしくは八つ打ちFRPロープ外径の3倍〜5倍となる矩形螺旋状に成形してなることを特徴とするものである。更に、本発明のせん断補強用熱硬化性樹脂被覆FRP筋は、前記FRPロープ或いは八つ打ちFRPロープを、硬化時張力係数について0.005以上0.025以下の範囲内と設定して硬化させてなるものである。
【0030】
したがって、本発明のせん断補強用熱可塑性樹脂被覆FRP筋であれば、様々な条件において求められる補強筋形状及び寸法に対応して補強筋としての性能を柔軟に発揮することが可能で、従来より製造工程も縮減可能となったから生産性にも優れる。また、構成素材の有する物性により高い引張り強度等を備えて構造物を確実に補強する一方で、該補強筋の切断はシールドマシーンの備えるカッタービット等によれば比較的容易であり、例えば地下工事等で汎用されるNOMST工法における発進・到達立坑の隔壁付近でのせん断補強筋として適している。
【0031】
更に、本発明の補強筋は全体として比重が約1.4前後で一般の鋼材の約1/5と非常に軽く、取り扱い性に格段に優れる上に、補強筋を覆う熱可塑性樹脂の被覆材が保護膜となって、劣悪な腐食性環境等においても耐候性、耐腐食性、耐アルカリ性に優れ補強筋としての役務を完遂しえるのである。このため、通常の鉄製補強筋を適用すればほぼ確実に問題が生じるであろう、かぶりの浅いコンクリート補強筋としての使用や、海岸などの腐食性環境下での使用にも全く問題がない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のせん断補強用熱可塑性樹脂被覆FRP筋を構成するFRPロープを示し、(a)はその断面図、(b)は同側面図である。
【図2】図1におけるFRPロープを用いた、コーナー部半径が該FRPロープ外径の3倍となる矩形螺旋状のせん断補強用熱可塑性樹脂被覆FRP筋を示す説明図である。
【図3】図2に示すせん断補強用FRP筋におけるコーナー部拡大図である。
【図4】本発明のせん断補強用熱可塑性樹脂被覆FRP筋を構成する未硬化状FRPロープを硬化させる硬化ジグを示す説明図である。
【図5】実施例5における8本編組みした八つ打ちFRPロープを示し、(a)はその側面図であり、(b)は同断面図である。
【図6】引き抜き耐力測定試験を実施する試験装置概要を示す説明図である
【符号の説明】
10 FRPロープ
11 芯ストランド
12 外周ストランド
13 熱硬化性樹脂
14 熱可塑性樹脂
20 せん断補強用熱可塑性樹脂被覆FRP筋(せん断補強筋)
50 八つ打ちFRPロープ
F 補強繊維(補強繊維束)
A FRPストランド
R コーナー部
Claims (4)
- 熱硬化性樹脂が含浸され、外周面が熱可塑性樹脂で被覆された補強繊維束であるFRPストランドを用いたせん断補強用熱可塑性樹脂被覆FRP筋であって、
少なくとも一本の前記FRPストランドを芯ストランドとし、その外周に6本の前記FRPストランドを外周ストランドとしてスパイラル状に撚り合わされた未硬化状のFRPロープを、硬化時張力(g)/(補強繊維の総重量(g/m)×9000)により定義される硬化時張力係数が0.005以上0.025以下の状態で、コーナー部半径が前記FRPロープ外径の3倍〜5倍となる矩形螺旋状に硬化させて成形してなることを特徴とするせん断補強用熱可塑性樹脂被覆FRP筋。 - 熱硬化性樹脂が含浸され、外周面が溶融状の熱可塑性樹脂で被覆された補強繊維束であるFRPストランドを用いたせん断補強用熱可塑性樹脂被覆FRP筋であって、
8本の前記FRPストランドを八つ打ちロープ状に編組みした未硬化状の八つ打ちFRPロープを、硬化時張力(g)/(補強繊維の総重量(g/m)×9000)により定義される硬化時張力係数が0.005以上0.025以下の状態で、コーナー部半径が前記八つ打ちFRPロープ外径の3倍〜5倍となる矩形螺旋状に硬化させて成形してなることを特徴とするせん断補強用熱可塑性樹脂被覆FRP筋。 - 熱硬化性樹脂が含浸され、外周面が熱可塑性樹脂で被覆された補強繊維束であるFRPストランドを用いたせん断補強用熱可塑性樹脂被覆FRP筋の製造方法であって、
少なくとも一本の前記FRPストランドを芯ストランドとし、その外周に6本の前記FRPストランドを外周ストランドとしてスパイラル状に撚り合わせて未硬化状のFRPロープを形成し、
前記FRPロープを、硬化時張力(g)/(補強繊維の総重量(g/m)×9000)により定義される硬化時張力係数が0.005以上0.025以下の状態で、コーナー部半径が前記FRPロープ外径の3倍〜5倍となる矩形螺旋状に硬化させる
ことを特徴とするせん断補強用熱可塑性樹脂被覆FRP筋の製造方法。 - 熱硬化性樹脂が含浸され、外周面が溶融状の熱可塑性樹脂で被覆された補強繊維束であるFRPストランドを用いたせん断補強用熱可塑性樹脂被覆FRP筋の製造方法であって、
8本の前記FRPストランドを八つ打ちロープ状に編組みして未硬化状の八つ打ちFRPロープを形成し、
前記八つ打ちFRPロープを、硬化時張力(g)/(補強繊維の総重量(g/m)×9000)により定義される硬化時張力係数が0.005以上0.025以下の状態で、コーナー部半径が前記八つ打ちFRPロープ外径の3倍〜5倍となる矩形螺旋状に硬化させる
ことを特徴とするせん断補強用熱可塑性樹脂被覆FRP筋の製造方法。
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CN203317811U (zh) | 超高模量聚乙烯纤维增强塑料杆 |
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