JP2002307157A - リブ構造を有する鋳物 - Google Patents

リブ構造を有する鋳物

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JP2002307157A
JP2002307157A JP2001109822A JP2001109822A JP2002307157A JP 2002307157 A JP2002307157 A JP 2002307157A JP 2001109822 A JP2001109822 A JP 2001109822A JP 2001109822 A JP2001109822 A JP 2001109822A JP 2002307157 A JP2002307157 A JP 2002307157A
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ribs
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rib
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Yukio Nakamura
雪雄 中村
Sumio Ichikawa
純男 市川
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ICHIKAWA KINZOKU KK
Honda Motor Co Ltd
Original Assignee
ICHIKAWA KINZOKU KK
Honda Motor Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 鋳物の歪、反り、捩れ等を小さくすることを
目的とする。 【解決手段】 肉盗み構造により形成された外壁(側
壁)7,7,9,9を有するとともに、前記外壁(側
壁)7,7,9,9の内側にリブ(第1リブ5,5、第
2リブ6,6、第3リブ8,8)が形成された鋳造によ
り製造されるリブ構造を有する鋳物において、前記リブ
(第1リブ5,5等)の厚さよりも前記外壁(側壁)
7,7等の厚さが厚いことを特徴とした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はリブ構造を有する鋳
物に関し、特に鋳造時の歪や反り、捩れ等を小さくする
ことができるリブ構造を有する鋳物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、鋳造による工業製品は、鋳造の
後、機械加工して仕上げるのが一般的である。この理由
は、鋳造しただけの鋳物は、寸法の精度が低く、表面も
粗く、形状も捩れや反りが生じていることが多く、製品
としての要件を満たしていないことが多いためである。
特に、砂型で鋳造する場合にあっては、砂型の精度が金
型に比べて低いこと、及び溶湯に圧力をかけることもで
きないことから、出来上がる鋳物の精度も低く、精度が
要求される製品では、鋳造後に機械加工して仕上げる必
要があった。
【0003】ところで、亜鉛合金を材料にした鋳物は鋳
鉄等に比べて精度を出しやすいことが知られており、プ
レス用の金型として使用する場合等は、鋳造後の機械加
工、修正は少ない量で済ませることが可能であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、亜鉛合金を使
用する場合においても、プレス用の金型は鉄板等を曲げ
てプレス製品を製造するための型となるものであるか
ら、相応の強度が必要であるとともに、精度も必要とさ
れる物である。ところが、金型の強度を確保するために
は、金型の肉がなるべく多い方が有利ではあるのに、鋳
造において大きな肉の塊があると、鋳造時の冷却速度に
むらが生じ、速く凝固した部分が先に収縮して歪、反
り、捩れを生ずる一因ともなっていた。このような歪を
取り除くためには、機械加工や手作業による修正が必要
であり、相応の工数がかかって、納期の延長、コストの
上昇の原因となっていた。
【0005】従って、鋳造の現場においては、鋳造時の
歪や捩れ、反り等を可能な限り少なくして、完成形状に
なるべく近い鋳物を得る方法が望まれていた。
【0006】そこで、本発明では、鋳造時の鋳物の歪、
形状の捩れ、反り等を小さくすることができる鋳型、及
び鋳物の製造方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するた
め、本発明では、肉盗み構造にリブが形成された鋳物に
おいて、前記リブの肉厚を変化させることにより、鋳造
時の冷却速度を調整し、鋳物の歪等を小さくするように
した。
【0008】即ち、本発明の請求項1では、肉盗み構造
により形成された外壁を有するとともに、前記外壁の内
側にリブが形成された鋳造により製造されるリブ構造を
有する鋳物において、前記リブの幅方向の厚さよりも前
記外壁の厚さが厚いことを特徴とした。
【0009】一般に、鋳物を鋳造する時には、溶湯を鋳
型に注湯した後、冷却して製造するが、鋳物の中心付近
に比べて、鋳物の端の方ほど速く冷却される。これは、
鋳物の中心付近は、周囲を熱源である溶湯若しくは鋳物
に取り囲まれているので冷えにくいのに対して、鋳物の
端の方は、周囲に熱を持たない型に取り囲まれているた
め、熱が型に奪われ冷えやすいからである。
【0010】従って、肉盗み構造により鋳物に外壁が形
成され、その外壁の内側にはリブが形成されている場合
には、リブの付近よりも、外壁の付近の方が鋳造時に放
熱しやすいのであるが、本発明のように、外壁の厚さを
リブの厚さより厚くすることで、外壁の熱容量を多くし
て冷えにくくし、内側のリブ付近と冷却速度を同程度に
することができる。これにより、本発明の鋳物では、
歪、反り、捩れ等を小さくすることができる。なお、肉
盗み構造とは、鋳物の機能上や強度上必要でない部分の
肉を鋳抜いて材料を省略し、軽量化した構造をいうもの
とする。また、外壁とは、前記肉盗み構造により、鋳物
の外表面からの肉厚が薄くなってできた壁等の板状の部
分をいう。
【0011】なお、本発明において、リブの数は一つで
あっても複数であっても良い。複数ある場合には、厚さ
は内側のものに比べ、外側のものが徐々に厚くなるよう
にしても良いし、鋳物(プレス用金型)の中心付近の複
数のリブは同一の厚さとし、放熱しやすさに差が出てく
るある程度外側の部分や、一番外側の外壁のみについ
て、厚さを厚くしても良い。
【0012】また、本発明の請求項2では、請求項1記
載のリブ構造を有する鋳物において、前記リブは複数形
成されており、前記複数のリブのうち、内側に位置する
リブの幅方向の厚さよりも、外側に位置するリブの幅方
向の厚さが厚いことを特徴とした。
【0013】前記したように、一般に鋳物を鋳造する場
合には、内側より鋳物の外形の稜線や頂点に近い外側の
方が放熱しやすいことから、鋳物の内側の方の熱容量を
小さくし、外側の方の熱容量を大きくすることにより、
冷却速度を全体的に均一にすることができる。従って、
請求項2の発明のように、複数のリブが形成されている
場合には、内側のリブの厚さよりも外側のリブの厚さを
厚くするほうが、外側の方の熱容量を大きくでき、冷却
速度を全体的に均一にすることができる。これにより、
請求項2の鋳物においても、鋳造時の歪、反り、捩れ等
を小さくすることができる。
【0014】鋳物の中でも、特にプレス用金型において
は、材料費及び型の取扱いの点から、必要でない部分の
肉は肉盗み形状等により抜くのが望ましいが、金属板を
プレスするために相当の荷重も掛かるため、肉盗み部分
には、一般にある程度の厚さのリブを設ける必要があ
る。このある程度の肉厚があるリブは、強度面で必要な
ものではあるが、厚くしすぎたり、位置による厚さのバ
ランスが悪かったりすると、鋳造時の冷え方にむらが生
じて歪を大きくする要因となる。
【0015】一方、このリブの厚さは強度が確保できれ
ば、肉盗みの量により厚さを調整することも可能である
ことから、本発明をプレス用金型を鋳造する際の熱量の
分布を調整するのに利用することもできる。即ち、放熱
しにくい内側の部分のリブに対し、放熱しやすい外側の
部分のリブや外壁を厚くすることにより、内側と外側の
冷却速度を近づけ、プレス用金型の歪、反り、捩れを小
さくすることができる。特に、プレス用金型の材料とし
て亜鉛合金を使用する場合には、歪が比較的小さく、肌
がきれいであるという材料の特質と相俟って、鋳造後、
機械加工や手作業による修正を必要とせずに、そのまま
プレス用金型として使用することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態につい
て適宜図面を参照しながら詳細に説明する。図1(a)
は、本発明の実施の形態に係るプレス用金型の斜視図で
あり、(b)は(a)におけるX−X線断面図である。
図1(a)及び(b)に示すプレス用金型1は、外形略
直方体の本体の下面にその縦方向に向けて延びる山形の
突起11等が形成されることにより、下側が鋼板を変形
させるための型表面12とされた金型である。つまり、
図1(a)においては、プレス用金型1の裏面13を上
面にした姿勢で表している。
【0017】プレス用金型1は、材料の削減と重量の軽
減のために、強度上許される範囲で裏面13から余分な
肉が鋳抜かれている。この肉盗み形状により、プレス用
金型1の裏面13には縦方向に4列、横方向に2行の中
央凹部2,2及び両側凹部3,3が並んで形成されてい
る。中央凹部2,2及び両側凹部3,3により、プレス
用金型1の型表面側の肉は薄くなり、底壁15が一定肉
厚で形成されている。なお、これらの中央凹部2,2及
び両側凹部3,3が請求項にいう肉抜き構造に相当し、
プレス用金型1が請求項にいう鋳物に相当する。
【0018】なお、中央凹部2,2及び両側凹部3,3
の肉盗み形状は、上面から見て矩形になっているが、矩
形の角部に隅肉を設けても良いし、図2に示す斜視図の
ように、円形の肉盗み形状として中央凹部2n,2n、
両側凹部3n,3nを形成させて、リブを有するプレス
用金型1nを構成することもできる。このような肉盗み
の形状は、肉盗み形状を鋳抜く中子の形状を変えること
により、適宜変更して実施することができる。
【0019】縦方向に4列に並ぶ凹部により、プレス用
金型1には、3本のリブと、両側壁7,7が形成されて
いる。3本のリブの1つは中央凹部2,2を仕切る中央
の第1リブ5であり、残りの2つは、中央凹部2,2
と、両側凹部3,3とを仕切る第2リブ6,6である。
図1(a)(b)に示したように、これらのリブはそれ
ぞれ厚さが異なり、中央の第1リブ5,5が最も薄く、
この外側の第2リブ6,6が第1リブに比較して若干厚
さが厚く、最も外側の側壁7,7がさらに厚さが厚くな
っている。これは、プレス用金型1を鋳造するときに、
外側の部分ほど放熱しやすいことから、外側に位置する
リブほど厚さを厚くして熱容量を大きくし、冷えにくく
したものである。
【0020】縦方向と同様に、横方向に2行に並んだ凹
部により、プレス用金型1には、中央の第3リブ8と、
側壁9,9とが形成されている。横方向においても、中
央の第3リブ8に対して、外側の側壁9,9は若干厚さ
が厚く形成されている。この理由は、縦方向の場合と同
様外側の方が放熱しやすいため、側壁の厚さを厚くして
熱容量を大きくしたものである。なお、前記側壁7,7
及び側壁9,9は請求項にいう外壁に相当する。
【0021】次に、本発明のプレス用金型1を鋳造する
ための型について説明する。図3は本実施の形態のプレ
ス用金型を鋳造するための砂型及び中子を示す斜視図で
あり、図4は図3の砂型及び中子でプレス用金型を鋳造
している状態を示す断面図である。図3に示すように、
砂型20は、外形が直方体の本体の上面21に、プレス
用金型1の型表面12及び四方の側面を形成する凹部2
3が設けられていることにより、上面21に開口した箱
形形状となっている。前記凹部23から所定間隔離れた
上面21の一部には、凹部23に溶湯を入れるための湯
口24が丸い縦穴として形成されており(図4参照)、
湯口24と凹部23とは、堰25により連通されてい
る。
【0022】中子30はプレス用金型1の裏面13に形
成された8つの凹部を鋳抜くための型である。中央凹部
2,2を鋳抜くために、中央凹部2,2の雄型となる中
央中子片32,32が2行2列に並べられ、中央中子片
32,32の両側に、両側凹部3,3を鋳抜くための両
側中子片33,33が1列ずつ並べられ、これらの中央
中子片32,32と両側中子片33,33が1行ずつ懸
架棒35にボルト39,39,・・・により固定されて
いる。懸架棒35,35にはそれぞれ4つの中子片が固
定されているが、2つの中央中子片32はその間に第1
リブ5が形成できるように、中央中子片32と両側の両
側中子片33,33の間には第2リブ6,6が形成でき
るように所定間隔があけられている。それぞれ1行に並
んだ4つの中子片が固定された懸架棒35,35は、2
つの行の間に形成される隙間で第3リブ8が形成できる
ように、所定間隔で支持棒36,36にボルト39,3
9,・・・により固定されている。
【0023】以上のような中子30は、支持棒36,3
6を砂型20の上面21に載せることにより、凹部23
内に中央中子片32,32及び両側中子片33,33を
吊り下げるようにして使用する。このようにして、砂型
20と、中央中子片32,32及び両側中子片33,3
3との間でプレス用金型1を形成する鋳型空隙部が形成
される。なお、中央凹部2,2と両側凹部3,3を鋳抜
くためには中子によらずとも、同様の形状の突起を有す
る上型を砂型20の上にかぶせるようにしてもよい。
【0024】プレス用金型1は、以上のような砂型20
及び中子30を用いて、次のようにして製造される。砂
型20の上面21の上に、支持棒36,36を合わせる
ようにして載せ、中子30の各中子片が凹部23の中の
所定位置に入るようにする。こうすることにより、鋳型
20と、中子30との間にプレス用金型1を鋳造する雌
型の鋳型空隙部が形成される。
【0025】亜鉛合金等の金属を図示しない炉において
溶融させて溶湯とする。この溶湯を図示しない取瓶に移
し、取瓶から砂型20に形成された湯口24に溶湯を注
湯する。湯口24に入れられた溶湯は、堰25を通って
前記鋳型空隙部内に入り、下から溜まっていく。砂型2
0の上面21いっぱいまで溶湯が溜まったならば注湯を
止め、自然放置して溶湯を冷却する。
【0026】図4においては、プレス用金型1から逃げ
ていく熱の流れを矢印により示した。この矢印に示すよ
うに、例えば砂型20の底の方に逃げていく熱は、下向
きのみならず、両側に向けても逃げていき、特に砂型2
0の外側に行くほど両側に逃げる熱の量が多くなってい
る。これは、熱が温度の低い方へ向かって伝熱するため
であり、両側に温度が低い部分が多いことから、砂型2
0の外側へ行くほど両側へ向かって熱が逃げやすいもの
と考えられる。
【0027】そのため、側壁7,7の付近では、熱が速
く逃げていき、第2リブ6,6、第1リブ5と中央に行
くに従って、熱が逃げるのは遅い。しかし、本実施の形
態では、第1リブ5、第2リブ6,6、側壁7,7と外
側のリブほど肉厚を厚くしていることから、その厚みに
応じて熱容量が大きく、温度は下がりにくくなってい
る。従って、外側は放熱はしやすいが温度は下がりにく
く、内側は放熱しにくいが温度は下がりやすいことか
ら、プレス用金型1全体の冷却速度は均一に近くなる。
このことにより、得られるプレス用金型1は全体的に均
一に収縮し、歪、反り、捩れが小さいものとすることが
できる。
【0028】さらに、本発明において、より鋳物の精度
を上げるためには、次のように、鋳物に余肉部を設ける
と良い。図5(a)は、本発明の鋳物に余肉部を設けた
場合を示した斜視図であり、(b)は余肉部を除去した
状態を示す斜視図である。
【0029】図5(a)に示す、鋳物であるプレス用金
型40は、略直方体の外形から、型表面の裏側に相当す
る上面44から肉盗み形状47,47が形成されること
により、幅方向に3本のリブ49,49が形成されてい
る。この3本のリブ49,49はリブ49,49と平行
な外壁45,45よりも厚さが薄く設定されている。さ
らに、プレス用金型40の四隅には、その端面側に下方
に延びる4本の余肉部48,48,・・・が設けられて
いる。余肉部48,48,・・・は、断面が矩形のピン
であり、余肉部48,48,・・・と型表面43とがつ
ながる部分には矩形の切欠き48a,48aが形成され
ている。
【0030】余肉部48,48,・・・はプレス用金型
40の本体の鋳造と同時に鋳造する。即ち、プレス用金
型40を鋳造する鋳型の鋳型空隙部につなげて、余肉部
48,48,・・・に対応する余肉用空隙部を深さ方向
に突出して形成させておく。
【0031】この鋳型に溶湯を注湯することにより、鋳
型の中で図5(a)に相当する形のプレス用金型40の
本体と、余肉部48,48,・・・の両方の形状が形成
される。これを冷却していくと、他より突出している余
肉部48,48,・・・がまず最初に凝固し始め、続い
て他の部分が凝固し始める。ところが、冷却速度のわず
かな違い等により、プレス用金型40の全体は収縮して
上側に反り返ろうとする。その結果、余肉部48,4
8,・・・が位置する両端部分が鋳型から抜けるように
プレス用金型40が動こうとするが、先に凝固した余肉
部48,48,・・・が支えとなって、変形が抑えられ
る。また、切欠き48a,48aも余肉部48,48,
・・・が鋳型に食いつくように作用して、プレス用金型
40が変形しようとするのを防ぐ役割をする。
【0032】このように、余肉部48,48,・・・を
設けたプレス用金型40によれば、肉盗み形状47,4
7により鋳造時の冷却速度が全体的にほぼ均一になって
歪みが小さくなるのに加えて、余肉部48,48,・・
・によって歪をさらに小さくすることができる。さら
に、余肉部48,48,・・・は、型表面のつながりと
の部分に切欠き48a,48aが形成されていることか
ら、鋳造後は、余肉部48,48,・・・の下方に突出
している部分をハンマー等でたたくことにより、切欠き
48a,48a部分以下を簡単に除去することも可能で
ある。
【0033】以上、本発明の実施の形態について説明し
たが、本発明は前記実施の形態には限定されない。例え
ば、実施の形態においては、鋳物としてプレス用金型を
例に取り上げたが、本発明はプレス用金型に限らず、ダ
イキャスト用金型や工業製品用の部品、家庭用製品等そ
の他の鋳物に対しても同様に適用できる。また、鋳造時
の型も砂型に限らず、金型、石膏型等でも同様に適用可
能である。
【0034】また、実施の形態においては、第1リブ
5、第2リブ6,6、側壁7,7の順に徐々に肉厚を厚
くしていたが、鋳造時の熱の逃げやすさは、外側に近づ
くほどその変化が大きいため、内部の第1リブ5及び第
2リブ6,6については適宜同じ厚さとしても構わな
い。
【0035】
【実施例】次に本発明の効果を確認した実施例について
説明する。図6は、本発明の実施例のプレス用金型及び
プレス用金型を成型する鋳型を示す図であり、(a)が
平面図、(b)が(a)のY−Y線断面図である。
【0036】図6(a)、(b)に示すように、実施例
のプレス用金型50は外形が細長い長さ950mm、幅
250mm、高さ100〜130mmの矩形形状で、そ
の下面にプレスに使用する型表面が形成されている。プ
レス用金型50の上面51即ち金型の裏側となる面に
は、軽量化のための肉盗みが形成されており、この肉盗
み形状の補強として、所定間隔ごとに3本のリブが横方
向に渡されている。この3本のリブ52の肉厚は50m
mであり、両端の横方向に走る外壁53は60mmであ
る。また、プレス用金型50の底部の厚みは50mmで
ある。
【0037】プレス用金型50を鋳造する型には砂型5
5を用いた。砂型55は溶湯を注湯するための鋳型空隙
部に通じた湯口57を有する。また、肉盗み形状につい
ては、実施の形態と同様な図示しない中子により鋳抜く
ようにした。
【0038】プレス用金型20に使用した材料は、亜鉛
に対して主にアルミニウム6.4質量%、銅2.0質量
%、マグネシウム0.037質量%、ベリリウム0.0
10質量%等を添加した亜鉛合金(株式会社市川金属製
AZ−5)を使用した。なお、この亜鉛合金の凝固点は
320℃である。
【0039】炉中で亜鉛合金を520℃で溶解し、これ
を取瓶にとり、湯口57から注湯し、砂型55の上面い
っぱいまで溶湯を満たした。なお、取瓶にとった段階で
溶湯の温度は479℃であり、注湯を終了した時点で鋳
型空隙部内にたまった溶湯の温度は420℃であった。
【0040】その後室温で自然冷却し、約20分後から
ガスバーナーで表面を炙りながら適宜押し湯を行い、冷
却開始から2時間45分後に押し湯を止め、冷却開始か
ら2時間55分後に砂を落としてプレス用金型50を取
り出した。この時のプレス用金型50の温度は240〜
250℃であった。
【0041】冷却開始から3時間15分後にプレス用金
型50の裏面をフライス加工後、矯正を行った。矯正
は、図7(a)に示すようにプレス用金型50を矯正台
61,62の上に載せ、さらに均等に荷重を掛けられる
ようにプレス用金型50の上に敷き板63,63,・・
・を置き、その上から第1矯正ブロック64,64,・
・・、第2矯正ブロック65,65を載せ、第2矯正ブ
ロック65,65を50tのプレス66,66の2基で
押さえつけて行った。矯正を行いながら、風をあてて室
温までの冷却を開始した。
【0042】さらに、矯正済みのプレス用金型(下型)
50に対し、対となる上型を同様の条件で鋳造し、裏面
を上型の裏面をフライス加工した。なお、上型の寸法
は、下型とほぼ同等である。そして、図7(b)に示す
ように、プレス用金型(下型)50の型表面を上向きに
して載置し、その上に、型表面が向かい合うようにして
上型50nを載置した。プレス用金型(下型)50に上
型50nを被せた状態で190〜200℃に昇温した。
さらに均等に荷重を掛けられるようにプレス用金型50
の上に敷き板63,63,・・・を置き、その上から第
1矯正ブロック64,64,・・・、第2矯正ブロック
65,65を載せ、第2矯正ブロック65,65を50
tのプレス66,66の2基で押さえつけて行った。矯
正を行いながら、風をあてて室温までの冷却を開始し
た。この結果、下型のモデルと上型との合わせ面では
0.49mm、上型のモデルと下型との合わせ面では
0.35mmの隙間が測定された。
【0043】《比較例》前記実施例のプレス用金型50
に対し、リブの厚みを50mmから60mmに変更した
場合についても測定した。即ち、外形は長さ950m
m、幅250mm、高さ100〜130mmの細長い矩
形形状で、3本のリブの肉厚は60mmであり、両端の
外壁は60mmである。
【0044】材料としては前記実施例と同じ亜鉛合金を
用い、炉中で亜鉛合金を518℃で溶解した。この溶湯
を取瓶にとり、湯口57から注湯し、砂型55の上面い
っぱいまで溶湯を満たした。なお、取瓶にとった段階で
溶湯の温度は501℃であり、注湯を終了した時点で鋳
型空隙部内にたまった溶湯の温度は454℃であった。
【0045】その後室温で自然冷却し、実施例と同様の
手順で矯正まで行い、室温まで冷却してプレス用金型を
得た。
【0046】得られたプレス用金型(下型)を、対とな
る上型のモデルと合わせ、合口の隙間を測定した。その
結果、上型と、下型の合わせ面において、最大で2.7
0mmの隙間が測定された。
【0047】これらの結果を図8に示す。実施例と比較
例の結果を比較してわかるように、実施例においては、
リブの厚さを外壁の厚さより10mm薄くしたことによ
り、合わせ面の隙間を2.70mmから1.05mmま
で小さくすることができた。
【0048】
【発明の効果】以上詳述した通り、本発明の請求項1の
鋳物によれば、肉盗み構造により形成された外壁の厚さ
よりも、その外壁の内側に形成されたリブの厚さを薄く
して熱容量の分布を調整することにより、鋳造時の冷却
速度を鋳物全体として均一に近づけ、得られる鋳物の
歪、反り、捩れ等を小さくすることができる。
【0049】また、請求項2に記載の鋳物においても、
複数のリブがある場合において、外側のリブの厚さを厚
くすることにより、溶湯の熱容量の分布を調整でき、鋳
造時の冷却速度を鋳物全体として均一に近づけ、得られ
る鋳物の歪、反り、捩れ等を小さくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は、本発明の実施の形態に係るプレス用
金型の斜視図であり、(b)は(a)におけるX−X線
断面図である。
【図2】肉盗み形状の他の形態を示すプレス用金型の斜
視図である。
【図3】本実施の形態のプレス用金型を鋳造するための
砂型及び中子を示す斜視図である。
【図4】本発明の実施の形態に係るプレス用金型を砂型
で鋳造している状態を示す断面図である。
【図5】図5(a)は、本発明の鋳物に余肉部を設けた
場合を示した斜視図であり、(b)は余肉部を除去した
状態を示す斜視図である。
【図6】本発明の実施例のプレス用金型及びプレス用金
型を成型する鋳型を示す図であり、(a)が平面図、
(b)が(a)のY−Y線断面図である。
【図7】(a)は2基のプレスでプレス用金型を矯正し
ている状態を示す斜視図であり、(b)は上下の型を合
わせて矯正している状態を示す斜視図である。
【図8】実施例と比較例の条件と結果である。
【符号の説明】
1 プレス用金型 2 中央凹部 3 両側凹部 5 第1リブ 6 第2リブ 7,9 側壁 8 第3リブ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 市川 純男 岐阜県各務原市鵜沼朝日町1丁目33番地 株式会社市川金属内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 肉盗み構造により形成された外壁を有す
    るとともに、前記外壁の内側にリブが形成された鋳造に
    より製造されるリブ構造を有する鋳物において、前記リ
    ブの幅方向厚さよりも前記外壁の厚さが厚いことを特徴
    とするリブ構造を有する鋳物。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のリブ構造を有する鋳物に
    おいて、前記リブは複数形成されており、前記複数のリ
    ブのうち、内側に位置するリブの幅方向の厚さよりも、
    外側に位置するリブの幅方向の厚さが厚いことを特徴と
    するリブ構造を有する鋳物。
JP2001109822A 2001-04-09 2001-04-09 リブ構造を有する鋳物 Pending JP2002307157A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102107273A (zh) * 2009-12-24 2011-06-29 株式会社古久根 铸造方法及网状消失模型

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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