JP2002307082A - 水溶性有機化合物の分解方法 - Google Patents

水溶性有機化合物の分解方法

Info

Publication number
JP2002307082A
JP2002307082A JP2001113036A JP2001113036A JP2002307082A JP 2002307082 A JP2002307082 A JP 2002307082A JP 2001113036 A JP2001113036 A JP 2001113036A JP 2001113036 A JP2001113036 A JP 2001113036A JP 2002307082 A JP2002307082 A JP 2002307082A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
oxide
organic compound
water
soluble organic
cerium
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001113036A
Other languages
English (en)
Inventor
Toshitaka Tanabe
稔貴 田辺
Hideo Sofugawa
英夫 曽布川
Akira Morikawa
彰 森川
Masahiro Sugiura
正洽 杉浦
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Central R&D Labs Inc
Original Assignee
Toyota Central R&D Labs Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Central R&D Labs Inc filed Critical Toyota Central R&D Labs Inc
Priority to JP2001113036A priority Critical patent/JP2002307082A/ja
Publication of JP2002307082A publication Critical patent/JP2002307082A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 処理温度が低温であっても、水溶液中の水溶
性有機化合物を効率よく且つ確実に分解することが可能
な水溶性有機化合物の分解方法を提供すること。 【解決手段】 本発明の水溶性有機化合物の分解方法
は、還元処理により酸素欠陥が導入された酸化物と前記
酸化物上に担持された貴金属とを備える触媒と、水溶性
有機化合物を含有する水溶液とを接触させて、前記有機
化合物を分解することを特徴とするものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水溶性有機化合物
の分解方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、生活排水、灌漑排水、産業排水等
による河川、湖沼、海の汚染が問題となっている。中で
も、これらの排水中に含まれる2−メチルイソボルネオ
ール等の臭気物質や、ホルムアルデヒド等の毒性有機化
合物が人体及び環境に及ぼす影響が懸念されている。
【0003】そこで、排水中に含まれる水溶性有機化合
物を無害化する技術についての検討が進められており、
その一つとして、触媒の存在下で水溶性有機化合物を酸
化分解して無害化する方法が提案されている。例えば、
特開平8−47687号公報には、光触媒として酸化チ
タンを用い、紫外線を照射して水を浄化する方法及び装
置が開示されている。また、特開2000−61266
号公報には機能セラミックの触媒作用を利用した脱臭浄
化及び水触媒処理装置が開示されている。一方、上水に
ついては、塩素化合物等を用いた処理が行われている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来技術において用いられる触媒は必ずしも十分な触媒活
性を有しているとは言えず、気相中の有機化合物を分解
する場合には比較的高い活性を示すものであっても、排
水処理のように液相中の溶存酸素を利用する酸素を利用
する場合には水溶性有機化合物を十分に分解することは
非常に困難である。
【0005】また、光触媒を用いる場合には、光を照射
する際にエネルギーを必要としたり、装置を構成する部
材に光透過性が要求される等、コストが増加するという
課題がある。
【0006】更に、塩素化合物等を用いて上水を処理し
た場合には、特有の味覚又は嗅覚が感じられる場合があ
る。
【0007】本発明は、上記従来技術の有する課題に鑑
みてなされたものであり、処理温度が低温であっても、
水溶液中の水溶性有機化合物を効率よく且つ確実に分解
することが可能な水溶性有機化合物の分解方法を提供す
ることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、水溶液中の水溶性
有機化合物を分解するに際し、酸素欠陥が導入された酸
化物とその酸化物上に担持された貴金属とを備える触媒
を用いることによって上記課題が解決されることを見出
し、本発明を完成するに至った。
【0009】すなわち、本発明の水溶性有機化合物の分
解方法は、還元処理により酸素欠陥が導入された酸化物
と前記酸化物上に担持された貴金属とを備える触媒と、
水溶性有機化合物を含有する水溶液とを接触させて、前
記水溶性有機化合物を分解することを特徴とするもので
ある。
【0010】本発明においては、酸化物に酸素欠陥を導
入することによって酸化物自体が活性化され、その活性
化された酸化物と貴金属との相乗効果によって触媒の活
性が十分に高められる。従って、その触媒を、有機化合
物を含有する水溶液に添加することによって、水溶液中
の水溶性有機化合物を十分に低い処理温度で効率よく且
つ確実に分解することができる。
【0011】本発明においては、前記酸化物が、鉄、マ
ンガン、コバルト、ジルコニウム、セリウム、プラセオ
ジム、ネオジム、サマリウム、ユーロピウム、ガドリニ
ウム、テルビウム及びイッテルビウムからなる群より選
ばれる少なくとも1種を含有することが好ましく、セリ
ウム酸化物又はセリウムとジルコニウムとの複合酸化物
を含有することがより好ましい。このような酸化物を用
いると、酸化物自体の活性化がより高められると共に、
酸化物と貴金属との相乗効果が向上して、より高い触媒
活性が得られる傾向にある。
【0012】また、本発明においては、前記貴金属が、
白金、パラジウム、ロジウム及びルテニウムからなる群
より選ばれる少なくとも1種であることが好ましく、白
金であることがより好ましい。このような貴金属を用い
ると、貴金属が本来的に有する高い触媒活性に加えて、
酸化物と貴金属との相乗効果に起因するより高い触媒活
性が得られる傾向にある。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施形態に
ついて詳細に説明する。
【0014】本発明の水溶性有機化合物の分解方法は、
還元処理により酸素欠陥が導入された酸化物と前記酸化
物上に担持された貴金属とを備える触媒と、水溶性有機
化合物を含有する水溶液とを接触させて、前記水溶性有
機化合物を分解することを特徴とするものであり、処理
温度が低温であっても、水溶液中の水溶性有機化合物を
効率よく且つ確実に分解することを可能とするものであ
る。
【0015】本発明の方法によって分解される有機化合
物としては、水溶性を示すものである限り特に制限され
ないが、具体的には、ホルムアルデヒド、アセトアルデ
ヒド等のアルデヒド類、ギ酸、酢酸等の有機酸類、フェ
ノール、クレゾール等のフェノール類、PCB、トリク
ロロメタン、トリクロロエタン等の塩素系有機化合物、
アルキルアンモニウム、アルキルスルホン酸等の界面活
性剤、2,3,7,8−テトラクロロジベンゾ−p−ジ
オキシンに代表されるダイオキシン類等が挙げられる。
これらの中でも、生活排水や産業排水中に含まれるホル
ムアルデヒド、アセトアルデヒド等のアルデヒド類、フ
ェノール、クレゾール等のフェノール類、PCB、トリ
クロロメタン、トリクロロエタン等の塩素系有機化合物
といった毒性有機化合物を分解して無害化する際に、本
発明の方法は特に有用である。
【0016】なお、ここでいう水溶性有機化合物とは、
25℃における水への溶解度が0.01重量ppb以上
である有機化合物をいう。
【0017】本発明において用いられる触媒は、前述の
通り、触媒還元処理により酸素欠陥が導入された酸化物
及び前記酸化物上に担持された貴金属を備える触媒であ
る。
【0018】ここで、酸素欠陥が導入された酸化物と
は、酸素原子の含有量が、酸化物を構成する遷移金属や
希土類元素等の原子の価数に基づいて得られる値よりも
少ない酸化物をいう。例えば、酸素欠陥が導入された酸
化セリウムとは、酸素原子の含有量がセリウム原子の2
倍モル未満であるもの、すなわち、CeOx(式中、x
は2未満の数を表す)で表されるものをいう。なお、酸
素欠陥が導入された酸化物の組成は、X線回折の測定等
により求めることができる。
【0019】本発明にかかる触媒に用いられる酸化物と
しては、具体的には、鉄(Fe)、マンガン(Mn)、
コバルト(Co)、クロム(Cr)、ニッケル(N
i)、銅(Cu)、イットリウム(Y)、ジルコニウム
(Zr)、モリブデン(Mo)、ニオブ(Nb)、チタ
ン(Ti)等の遷移金属の酸化物や、セリウム(C
e)、プラセオジム(Pr)、ネオジム(Nd)、サマ
リウム(Sm)、ユーロピウム(Eu)、ガドリニウム
(Gd)、テルビウム(Tb)、イッテルビウム(Y
b)等の希土類元素の酸化物等が好ましく用いられる。
これらの中でも、鉄、マンガン、コバルト、ジルコニウ
ム、セリウム、プラセオジム、ネオジム、サマリウム、
ユーロピウム、ガドリニウム、テルビウム又はイッテル
ビウムのうちの1種又は2種以上を用いることが好まし
く、セリウム酸化物又はセリウムとジルコニウムとの複
合酸化物を用いることがより好ましい。
【0020】本発明において用いられる酸化物が酸化セ
リウムであり、その組成をCeOxで表すとき、xは
1.5以上2未満であることが好ましく、1.5以上
1.8以下であることがより好ましい。xが前記の範囲
内であると、特に空気中のホルムアルデヒドに対してよ
り高い触媒活性が得られる傾向にある。また、酸化セリ
ウムが粒子状である場合、表層においてxが1.5以上
1.8以下であることが好ましい。なお、ここでいう表
層とは、表面から深さ100nmまでの層をいう。
【0021】また、本発明にかかる酸化物として用いら
れる酸化鉄の組成をFe2x(式中、xは3未満の数を
表す)で表すとき、xは2以上3未満であることが好ま
しい。xが前記の範囲内であるとより、高い触媒活性が
得られる傾向にある。
【0022】更に、本発明にかかる酸化物として用いら
れる酸化マンガンの組成をMnOx(式中、xは2未満
の数を表す)で表すとき、xは1.5以上2未満である
ことが好ましい。xが前記の範囲内であるとより、高い
触媒活性が得られる傾向にある。
【0023】また、本発明にかかる触媒において、セリ
ウムとジルコニウムとを含有する酸化物を用いる場合、
該酸化物は、酸化セリウムと酸化ジルコニウムとの混合
物又は固溶体、あるいはセリウムとジルコニウムとの複
合酸化物のいずれであってもよいが、固溶体又は複合酸
化物は酸素欠陥の導入が容易となる点で好ましい。この
ような固溶体や複合酸化物は、所定の原料化合物を用い
て共沈法により沈殿物を得、その沈殿物を焼成すること
によって好適に得ることができる。
【0024】本発明に用いられる、セリウムとジルコニ
ウムとを含有する酸化物中のセリウム原子とジルコニウ
ム原子とのモル比は、好ましくは100:1〜1:10
0であり、より好ましくは10:1〜1:10であり、
さらに好ましくは10:1〜1:1である。セリウム原
子とジルコニウム原子とのモル比が前記の範囲内である
と、酸素欠陥を安定に保持することができる傾向にあ
る。前記混合物中のセリウム原子がジルコニウム原子よ
りも多いと、酸化物への酸素欠陥の導入が容易となるの
で好ましい。
【0025】なお、本発明において、酸化物として酸化
セリウム又はセリウムとジルコニウムとを含有する酸化
物を用いる場合、酸化物中に他の成分としてイットリウ
ム、ランタン、ネオジウム、ブラセオジム等の希土類元
素の酸化物や、鉄、マンガン、コバルト、クロム、ニッ
ケル、銅等の遷移金属の酸化物をさらに配合してもよ
い。中でも、他の成分として、酸化イットリウム、酸化
ランタン、酸化鉄、酸化マンガン又は酸化銅のうちの少
なくとも1種を配合すると、より高い触媒活性が得られ
る傾向にある。
【0026】また、本発明にかかる触媒に用いられる貴
金属としては、具体的には、白金(Pt)、パラジウム
(Pd)、ロジウム(Rh)、イリジウム(Ir)、金
(Au)、ルテニウム(Ru)等が挙げられるが、中で
も白金、パラジウム、ロジウム又はルテニウムを用いる
ことが好ましく、白金を用いることがより好ましい。な
お、本発明においては、これらの貴金属のうちの1種を
単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いても
よい。また、これらの貴金属の粒子径は、好ましくは1
0nm以下であり、より好ましくは1nm以下である。
貴金属の粒子径が前記上限値を超えると、触媒活性が不
十分となる傾向にある。
【0027】本発明にかかる触媒を調製するに際し、貴
金属を酸化物上に担持させる方法としては特に制限され
ないが、具体的には、含浸法、蒸発乾固法、超臨界流体
法等が挙げられる。
【0028】ここで、本発明にかかる貴金属の担持量は
酸化物と貴金属との組み合わせによって適宜選択される
が、酸化物として酸化セリウムを用いる場合の貴金属の
担持量は、酸化セリウム150gに対して好ましくは
0.01〜20gであり、より好ましくは0.1〜5g
である。また、酸化物としてセリウムとジルコニウムと
を含む酸化物を用いる場合の貴金属の担持量は、酸化物
150gに対して好ましくは0.01〜20gであり、
より好ましくは0.1〜5gである。いずれの場合にお
いても、貴金属の担持量が前記下限値未満である場合に
は触媒活性が不十分となる傾向にあり、他方、貴金属の
担持量が前記上限値を超えても貴金属の担持量に見合う
触媒活性向上効果が得られず、加えて、高価な貴金属を
多量使用することによりコストが高くなる傾向にある。
【0029】本発明においては、上記の酸化物上に上記
の貴金属を担持させた後、還元処理を行うことによっ
て、酸化物に酸素欠陥が導入された目的の触媒を得るこ
とができる。ここで、本発明にかかる還元処理の方法に
特に制限はないが、例えば、還元ガス気流中、100〜
800℃(より好ましくは200〜600℃)で0.2
〜10時間還元処理することによって酸化物への酸素欠
陥の導入を効率よく且つ確実に行うことができる。な
お、還元処理温度が100℃未満である場合には還元反
応が進行しにくくなり、酸化物への酸素欠陥の導入が不
十分となる傾向にある。他方、還元処理温度が800℃
を超えると、酸化物の比表面積が小さくなり、触媒活性
が不十分となる傾向にある。
【0030】また、上記の還元処理において用いられる
還元ガスとしては、具体的には、水素、一酸化炭素、メ
タン、ホルムアルデヒド等が挙げられるが、還元により
酸化物に酸素欠陥を導入できるものであればこれらに制
限されるものではない。また、上記の方法において、雰
囲気中の還元ガスの濃度は、0.1〜100容量%であ
ることが好ましく、1〜100容量%であることがより
好ましい。
【0031】さらに、上記の方法の他、ヒドラジン、水
素化硼素ナトリウム等の還元性薬剤を用いることによっ
ても、酸化物への酸素欠陥の導入を行うことができる。
なお、本発明においては、還元処理に用いる試料の形状
は特に限定されるものではない。
【0032】このようにして還元処理が施された後の触
媒の比表面積は還元処理温度等の条件によって異なる
が、例えばセリウムとジルコニウムとを含有する酸化物
を用いた場合、500℃での還元処理後の比表面積(B
ET比表面積)は50m2/g以上であることが好まし
く、800℃での還元処理後の比表面積は15m2/g
以上であることが好ましい。
【0033】上記の構成を有する触媒と、水溶性有機化
合物を含有する水溶液とを接触させることによって、水
溶性有機化合物を十分に低温で効率よく分解することが
できる。
【0034】触媒の水溶液への添加量は、水溶液中に含
まれる水溶性有機化合物の種類や濃度、処理条件等に応
じて適宜選択されるが、好ましくは水溶液1lに対して
0.01〜100gである。触媒の添加量が前記下限値
未満であると、水溶性有機化合物の分解が不十分となっ
たり処理効率が低下する傾向にある。他方、触媒の添加
量が前記上限値を超えても、添加量に見合う処理効率の
向上効果が得られなくなる傾向にある。
【0035】また、本発明の水溶性有機化合物の分解方
法は、水溶液中の水溶性有機化合物を十分に低い温度で
効率よく分解することが可能なものであるが、水溶性有
機化合物を分解するときの処理温度は好ましくは0〜1
00℃、より好ましくは5〜80℃、更に好ましくは5
〜50℃である。処理温度が前記下限値未満であると十
分な触媒活性が得られない傾向にあり、他方、前記上限
値を超えても処理温度の上昇に見合う触媒活性向上効果
が得られない傾向にある。
【0036】さらに、本発明においては、酸素を含有す
る雰囲気下で水溶性有機化合物の分解を行うことが好ま
しく、雰囲気中の酸素濃度は1.0容量%以上であるこ
とが好ましい。雰囲気に酸素が含有されると、水溶液中
の溶存酸素が消費されても雰囲気から水溶液に酸素が補
給されるので、水溶性有機化合物の酸化分解を長期にわ
たって効率よく行うことができる。
【0037】
【実施例】以下、実施例及び比較例に基づいて本発明を
更に具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に何ら
限定されるものではない。
【0038】実施例1 先ず、硝酸セリウム(III)434.2gとオキシ硝酸
ジルコニウム53.5gとを水1500gに加え、セリ
ウム原子とジルコニウム原子とを5:1(モル比)で含
有する水溶液を調製した。この水溶液を攪拌しながらア
ンモニア水を滴下して沈殿を生成させた後、水溶液中に
含まれるセリウム原子のモル数の1/2に相当する過酸
化水素を含有する水溶液と、得られる酸化物の重量(理
論値)の10%に相当するアルキルベンゼンスルホン酸
を含む水溶液とを滴下し、これらの混合溶液を攪拌して
スラリーとした。このスラリーを乾燥させ、共存する硝
酸アンモニウムを除去して酸化セリウム−酸化ジルコニ
ウムの固溶体を得た。
【0039】次に、得られた酸化セリウム−酸化ジルコ
ニウムの固溶体150gを、ジニトロジアンミン白金水
溶液の硝酸水溶液(白金含有量:2g)に含浸させ、攪
拌しながら加熱して水溶液を蒸発乾固させた。その残留
物を大気中、500℃で3時間焼成して白金担持酸化セ
リウム−酸化ジルコニウム(以下、Pt/CZという)
を得た。
【0040】更に、得られたPt/CZを、水素と窒素
との混合ガス雰囲気中(水素濃度:10容量%)、50
0℃で3時間還元処理して粉末状の触媒を得た。
【0041】比較例1 還元処理を行わなかったこと以外は実施例1と同様にし
て触媒を調製した。
【0042】(ホルムアルデヒド分解試験)実施例1及
び比較例1で得られた各触媒を用いて、以下の手順でホ
ルムアルデヒド分解試験を行った。
【0043】先ず、市販のホルマリンを1000倍に希
釈して、ホルムアルデヒドを370重量ppm、メタノ
ール(安定化剤)を50〜100ppm含む水溶液を調
製した。この水溶液100mlに触媒1gを加え、大気
下、室温で混合した。
【0044】触媒と水溶液との混合後1、2、4、6時
間経過後に、水溶液の一部をサンプリングし、ホルムア
ルデヒドを誘導化してから高速液体クロマトグラフィー
を用いた測定を行い、各時間におけるホルムアルデヒド
濃度を求めた。水溶液中のホルムアルデヒド濃度と時間
との相関を図1に示す。
【0045】図1に示すように、実施例1においては、
水溶液中のホルムアルデヒド濃度が室温で十分に低減し
ていることが確認された。
【0046】
【発明の効果】以上説明した通り、本発明の水溶性有機
化合物の分解方法によれば、処理温度が低温であって
も、水溶液中の水溶性有機化合物を効率よく分解するこ
とが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例で得られた、水溶液中のホルムアルデヒ
ド濃度と時間との相関を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 森川 彰 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1 株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 杉浦 正洽 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1 株式会社豊田中央研究所内 Fターム(参考) 4D050 AA12 AA13 AA15 AB13 AB14 BC06 4G069 AA03 BA05A BB04A BB06A BB06B BC40A BC43A BC43B BC44A BC51A BC51B BC62A BC66A BC67A BC69A BC70A BC71A BC72A BC75A BC75B CA05 EA01 4H006 AA05 AC13 AC26 BA08 BA10 BA16 BA19 BA20 BA23 BA24 BA25 BA26 BA30

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 還元処理により酸素欠陥が導入された酸
    化物と前記酸化物上に担持された貴金属とを備える触媒
    と、水溶性有機化合物を含有する水溶液とを接触させ
    て、前記有機化合物を分解することを特徴とする水溶性
    有機化合物の分解方法。
  2. 【請求項2】 前記酸化物が、鉄、マンガン、コバル
    ト、ジルコニウム、セリウム、プラセオジム、ネオジ
    ム、サマリウム、ユーロピウム、ガドリニウム、テルビ
    ウム及びイッテルビウムからなる群より選ばれる少なく
    とも1種を含有することを特徴とする、請求項1に記載
    の水溶性有機化合物の分解方法。
  3. 【請求項3】 前記酸化物が、セリウム酸化物又はセリ
    ウムとジルコニウムとの複合酸化物であることを特徴と
    する、請求項1又は2に記載の水溶性有機化合物の分解
    方法。
  4. 【請求項4】 前記貴金属が、白金、パラジウム、ロジ
    ウム及びルテニウムからなる群より選ばれる少なくとも
    1種であることを特徴とする、請求項1〜3のうちのい
    ずれか一項に記載の水溶性有機化合物の分解方法。
  5. 【請求項5】 前記貴金属が白金であることを特徴とす
    る、請求項1〜4のうちのいずれか一項に記載の水溶性
    有機化合物の分解法法。
JP2001113036A 2001-04-11 2001-04-11 水溶性有機化合物の分解方法 Pending JP2002307082A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001113036A JP2002307082A (ja) 2001-04-11 2001-04-11 水溶性有機化合物の分解方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001113036A JP2002307082A (ja) 2001-04-11 2001-04-11 水溶性有機化合物の分解方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002307082A true JP2002307082A (ja) 2002-10-22

Family

ID=18964334

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001113036A Pending JP2002307082A (ja) 2001-04-11 2001-04-11 水溶性有機化合物の分解方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002307082A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN100371071C (zh) * 2005-11-11 2008-02-27 清华大学 Ru/ZrxCe1-xO2颗粒催化剂及其制备方法
WO2009110319A1 (ja) * 2008-03-07 2009-09-11 旭硝子株式会社 水溶性の含フッ素有機化合物の分解方法
CN110314678A (zh) * 2019-07-12 2019-10-11 河北德龙环境工程股份有限公司 一种臭氧催化剂及其制备方法及用于处理工业废水的方法
CN111747503A (zh) * 2020-05-22 2020-10-09 浙江工业大学 过渡金属氢氧化物或氧化物催化零价铁去除水中亚硝基二甲胺的水处理方法

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN100371071C (zh) * 2005-11-11 2008-02-27 清华大学 Ru/ZrxCe1-xO2颗粒催化剂及其制备方法
WO2009110319A1 (ja) * 2008-03-07 2009-09-11 旭硝子株式会社 水溶性の含フッ素有機化合物の分解方法
CN101965320A (zh) * 2008-03-07 2011-02-02 旭硝子株式会社 水溶性的含氟有机化合物的分解方法
US8067661B2 (en) 2008-03-07 2011-11-29 Asahi Glass Company, Limited Method for decomposing water-soluble fluorinated organic compound
JP5402920B2 (ja) * 2008-03-07 2014-01-29 旭硝子株式会社 水溶性の含フッ素有機化合物の分解方法
CN110314678A (zh) * 2019-07-12 2019-10-11 河北德龙环境工程股份有限公司 一种臭氧催化剂及其制备方法及用于处理工业废水的方法
CN111747503A (zh) * 2020-05-22 2020-10-09 浙江工业大学 过渡金属氢氧化物或氧化物催化零价铁去除水中亚硝基二甲胺的水处理方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Ye et al. Influence of the preparation method on the activity of copper-manganese oxides for toluene total oxidation
JP6486360B2 (ja) 一酸化炭素及び/又は揮発性有機化合物の酸化触媒
Palomares et al. Denitrification of natural water on supported Pd/Cu catalysts
CN111185182B (zh) 钙钛矿催化剂及其制备方法和用途
JP2001239161A (ja) 低温有害ガス浄化触媒
Que et al. Application of silver nanoparticles for water treatment
Lin et al. Effective catalysts for wet oxidation of formic acid by oxygen and ozone
Li et al. High-yield synthesis of Ce modified Fe–Mn composite oxides benefitting from catalytic destruction of chlorobenzene
JP2001187343A (ja) 常温浄化触媒およびその使用方法
JP4656353B2 (ja) 常温触媒
JP2002307082A (ja) 水溶性有機化合物の分解方法
JP4268831B2 (ja) 酸化物系触媒及びその触媒を用いた有機物含有排水の無害化方法
Gupta et al. Catalytic wet peroxide oxidation (CWPO) of 2-hydroxybenzoic acid and contaminated industrial effluent using LnMO3 (Ln= La or Pr and M= Fe or Fe-Co)
JP2018203546A (ja) 多孔質機能材料ならびに、その製造方法及び製造装置
Bandara et al. Catalytic oxidation and photo-oxidation of nitrophenols by strong oxidants generated in situ via CuO-aerogel
CN110876943A (zh) 氧化物修饰的Pt-Co双金属催化剂和制备方法及其对CO氧化的应用
JP4427357B2 (ja) アンモニア浄化触媒、並びにそれを用いたアンモニアの浄化方法及びアンモニア浄化装置
JPH09155364A (ja) 廃水処理方法
JP2001058130A (ja) 窒素酸化物分解用触媒
Bai et al. Research on ultrafast catalytic degradation of heterocyclic compounds by the novel high entropy catalyst
JP2002102700A (ja) 常温触媒
Huy et al. Thermal oxidation of carbon monoxide in air using various self-prepared catalysts
CN114570354B (zh) 钙钛矿催化剂及其制备方法
JP2002102322A (ja) 抗菌材
JPH07185569A (ja) 硝酸根含有排水の処理方法