JP2002306972A - 一酸化炭素選択酸化触媒およびその製造方法 - Google Patents

一酸化炭素選択酸化触媒およびその製造方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 一酸化炭素を含有する水素リッチガス中の一
酸化炭素濃度を従来よりも低減可能であり、また、より
低い温度で充分な一酸化炭素選択酸化活性を実現可能
な、一酸化炭素選択酸化触媒を提供する 【解決手段】 担体上に、Ptを先に、少なくとも一種
の遷移金属を後に担持させて得られる一酸化炭素選択酸
化触媒。担体上にPtとFeを担持させた触媒であっ
て、メスバウアー分光法を用いて分析したときに、分析
結果が、Feは2価の鉄イオン以外の状態で存在するこ
とを示す触媒。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水素に優先して一
酸化炭素を酸化させる反応を促進する一酸化炭素選択酸
化触媒およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】燃料電池における電気化学反応に供する
水素リッチな燃料ガスとして、ガソリンや天然ガスある
いはアルコール等の炭化水素系燃料を改質して得られる
改質ガスが用いられる。このような改質ガスは、通常は
ある程度の一酸化炭素を含有している。しかし、固体高
分子型燃料電池のように白金系の触媒を備える燃料電池
では、供給されるガス中に一酸化炭素が含まれると、上
記触媒が一酸化炭素被毒を受けて電池性能が低下してし
まうおそれがある。そこで、従来は、一酸化炭素濃度低
減装置によって改質ガス中の一酸化炭素濃度を低減した
上で、この改質ガスを燃料電池に供給することによっ
て、燃料電池内の触媒が一酸化炭素被毒を受けるのを防
止していた。
【0003】一酸化炭素濃度低減装置内で進行させる反
応の一つに、水素に優先して一酸化炭素を酸化させる一
酸化炭素選択酸化反応がある。一酸化炭素の酸化反応を
以下の(1)式に示す。
【0004】 CO+(1/2)O2 → CO2 …(1)
【0005】このような一酸化炭素選択酸化反応を促進
する触媒としては種々のものが知られており、例えば、
特開平11−347414号公報では、ゼオライトの一
種であるモルデナイトからなる担体上に白金合金が担持
された触媒が開示されている。この従来技術では、白金
合金における白金以外の金属成分の割合を20〜50原
子%とすることで、一酸化炭素選択酸化触媒としての性
能の向上を図っている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
たような一酸化炭素選択酸化触媒を用いる場合であって
も、燃料電池に供給する燃料ガス中の一酸化炭素濃度を
低減する性能が不十分な場合があった。このため、一酸
化炭素濃度を低減する性能がより優れた一酸化炭素選択
酸化触媒が望まれていた。
【0007】ところで、一般に、触媒が促進する反応の
活性は、反応温度を上昇させることによって向上させる
ことが可能である。しかしながら、一酸化炭素選択酸化
触媒を用いて一酸化炭素選択酸化反応を進行させる際に
は、一般に、反応温度が高いほど水素の酸化反応が活発
化してしまう。この結果、大量に存在する水素中で微量
に存在する一酸化炭素を選択的に酸化するという所望の
反応の効率が低下し、水素が消費されることで燃料の利
用効率が低下してしまうという問題が生じる。また、反
応温度が高いほど、一酸化炭素選択酸化反応の他に、望
ましくない反応、例えば水素をメタン化するメタン化反
応等が活発化して水素を消費してしまい、燃料の利用効
率を低下させてしまうという問題が生じる。したがっ
て、燃料電池システム全体の性能を向上させるために、
一酸化炭素選択酸化触媒の性能としては、(1)一酸化
炭素濃度の低減率がより高いこと、および、(2)より
低い温度で充分な活性を有すること、が求められてい
た。
【0008】本発明は、こうした問題を解決し、改質ガ
スのように一酸化炭素を含有する水素リッチガス中の一
酸化炭素濃度を、従来よりも低減する技術を提供するこ
とを第1の目的とする。また、より低い温度で充分な一
酸化炭素選択酸化活性を実現可能な技術を提供すること
を第2の目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】上
述の目的の少なくとも一部を達成するため、本発明の一
酸化炭素選択酸化触媒の製造方法は、一酸化炭素を含有
する水素リッチガスにおいて、水素に優先して一酸化炭
素の酸化を行なう一酸化炭素選択酸化反応を促進する一
酸化炭素選択酸化触媒の製造方法であって、(a)白金
(Pt)を、所定の担体上に担持させる工程と、(b)
前記(a)工程で白金を担持した前記担体上に、さら
に、少なくとも一種類の遷移金属を担持させる工程とを
備えることをことを要旨とする。
【0010】また、本発明の第1の一酸化炭素選択酸化
触媒は、一酸化炭素を含有する水素リッチガスにおい
て、水素に優先して一酸化炭素の酸化を行なう一酸化炭
素選択酸化反応を促進する一酸化炭素選択酸化触媒であ
って、所定の担体上に白金および鉄を担持しており、メ
スバウアー分光法によって得られる解析結果が、前記担
体上に担持された鉄が2価の鉄イオン以外の状態で存在
することを示すことを要旨とする。
【0011】本発明の第2の一酸化炭素選択酸化触媒
は、一酸化炭素を含有する水素リッチガスにおいて、水
素に優先して一酸化炭素の酸化を行なう一酸化炭素選択
酸化反応を促進する一酸化炭素選択酸化触媒であって、
所定の担体上に白金および鉄を担持しており、前記担体
上に担持させた鉄に関して、メスバウアー分光法による
分析を行なって得られる鉄原子核のすべての状態に関す
る分析結果が、57C(コバルト57)を線源として用
い、純鉄を基準として常温で分析を行なうと、異性体シ
フトδ(mm/s)の値が0.01〜1.0、且つ、四
極分裂Δ(mm/s)の値が0.6〜1.6の範囲に収
まることを要旨とする。
【0012】本発明の第3の一酸化炭素選択酸化触媒
は、一酸化炭素を含有する水素リッチガスにおいて、水
素に優先して一酸化炭素の酸化を行なう一酸化炭素選択
酸化反応を促進する一酸化炭素選択酸化触媒であって、
所定の担体上に、金属成分として白金と鉄とを担持して
おり、前記担体上に担持された金属成分が形成する粒子
を無作為に所定数以上選択して、エネルギー分散型X線
分析によって元素の定量分析を行ったときに、白金量と
鉄量とのモル比の値は、該モル比の値の平均値からの増
減量がいずれも30%以内であることを要旨とする。
【0013】本発明の一酸化炭素濃度低減装置は、水素
リッチガス中に含まれる一酸化炭素を酸化することによ
って、該水素リッチガスにおける一酸化炭素濃度を低減
する一酸化炭素濃度低減装置であって、請求項11ない
し19いずれか記載の一酸化炭素選択酸化触媒を有する
一酸化炭素選択酸化反応部と、前記水素リッチガスを前
記一酸化炭素選択酸化反応部に供給する水素リッチガス
供給手段と、前記一酸化炭素を酸化するために用いる酸
素を、前記一酸化炭素選択酸化反応部に供給する酸素供
給手段とを備えることを要旨とする。
【0014】本発明の燃料電池システムは、水素と酸素
とを用いた電気化学反応によって発電を行なう燃料電池
と、前記燃料電池に対して水素を含有する燃料ガスを供
給する燃料ガス供給装置と、を備え、前記燃料ガス供給
装置は、請求項20記載の一酸化炭素濃度低減装置を備
えており、該一酸化炭素濃度低減装置によって一酸化炭
素濃度を低減した水素リッチガスを、前記燃料ガスとし
て前記燃料電池に供給することを要旨とする。
【0015】本発明の一酸化炭素選択酸化触媒の使用方
法は、本発明の一酸化炭素選択酸化触媒を、100〜2
00℃の温度範囲で使用することを要旨とする。
【0016】本発明の燃料電池システムの運転方法は、
水素を含有する燃料ガスと酸素を含有する酸化ガスの供
給を受け、電気化学反応によって起電力を得る燃料電池
を備える燃料電池システムの運転方法であって、前記燃
料電池に対して前記燃料ガスを供給する燃料ガス供給装
置を備え、前記燃料ガス供給装置は、請求項21記載の
一酸化炭素濃度低減装置を備え、該一酸化炭素濃度低減
装置によって一酸化炭素濃度を低減した水素リッチガス
を、前記燃料ガスとして前記燃料電池に供給し、前記一
酸化炭素低減装置において前記一酸化炭素選択酸化反応
が進行する反応温度が、100〜200℃となるよう
に、前記一酸化炭素低減装置を制御することを要旨とす
る。
【0017】本発明によれば、水素リッチガス中の一酸
化炭素濃度を低減する際に、より高い一酸化炭素低減率
を実現することができる。また、一酸化炭素選択酸化反
応の反応温度をより低く設定しても、充分に高い一酸化
炭素低減率を実現することが可能となる。反応温度をよ
り低く設定しても高い一酸化炭素低減率が実現できるこ
とにより、望ましくない反応の活性が充分に抑えられる
温度で、一酸化炭素選択酸化反応を進行させることがで
き、水素リッチガス中の一酸化炭素濃度を低減する効率
を向上させることができる。一酸化炭素濃度を低減する
効率を向上させることができることで、一酸化炭素選択
酸化触媒を備える装置をより小型化することが可能とな
る。このような本発明の一酸化炭素選択酸化触媒を用い
て一酸化炭素濃度を低減した水素リッチガスを燃料電池
に供給すれば、燃料電池の触媒が一酸化炭素被毒を受け
るのを防止することができ、電池性能を高く維持するこ
とができる。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明の第1の実施形態では、一
酸化炭素選択酸化触媒を製造する際に、白金(Pt)を
所定の担体上に担持させ、Ptを担持した担体上に、さ
らに、少なくとも一種類の遷移金属を担持させる。この
ように、担体上にPtと遷移金属とを担持させるとき
に、Ptを先、遷移金属を後に担持させることによっ
て、Ptと遷移金属とを充分に分散させて担体上に担持
させることができる。Ptと遷移金属とを充分に分散さ
せることで、一酸化炭素選択酸化触媒の性能を向上させ
ることができる。すなわち、より高い一酸化炭素低減率
を実現することが可能となる。また、広い温度範囲で一
酸化炭素低減率を向上させることができ、特に、200
℃以下の低い温度範囲における一酸化炭素低減率を向上
させることができる。このように、より低い温度範囲に
おける一酸化炭素低減率が向上することによって、逆シ
フト反応やメタン化反応といった望ましくない反応の活
性が充分に低くなる温度において、一酸化炭素選択酸化
反応を進行させることが可能となる。
【0019】逆シフト反応とは、二酸化炭素と水素から
一酸化炭素と水を生じる反応であり、一酸化炭素選択酸
化反応を進行させる環境下において進行し得る反応であ
る。この逆シフト反応の活性が高くなると、一酸化炭素
濃度の低減が阻害されると共に、水素が消費されてしま
うという不都合を生じる。ここで、逆シフト反応は、高
温になるほど活性が高まるという性質を有しているた
め、一酸化炭素選択酸化反応をより低温で進行させるこ
とによって、逆シフト反応を抑えることができる。以下
に、逆シフト反応を式(2)として示す。
【0020】 H2 + CO2 → CO + H2O …(2)
【0021】メタン化反応とは、水素からメタンを生じ
る反応であり、この反応が活発化することによって水素
が消費されてしまう。一酸化炭素選択酸化反応を進行さ
せる際の温度が高いほど、メタン化反応などの望ましく
ない反応が進行しやすくなる。このような望ましくない
反応の活性が充分に低い温度範囲(例えば、100〜2
00℃、好ましくは100〜140℃)で、一酸化炭素
選択酸化反応を行なわせることにより、純度の高い水素
リッチガスを得る効率を向上させることができる。
【0022】このような本発明の第1の実施形態におい
て、担体上にPtを担持させるときには、イオン交換法
を用いることとしても良い。イオン交換法を用いること
で、充分に担体上に分散した状態でPtを担体上に担持
させることができる。また、このようにPtを担持させ
た担体を、この上に遷移金属を担持させるのに先立って
焼成する構成も好ましい。
【0023】上記本発明の第1の実施の形態において、
所定の担体はゼオライトである構成も好適である。ゼオ
ライトは、固体酸の一種であり、これを構成する各原子
が、四面体が頂点を共有して作る三次元網目構造を形成
している。Ptを担持する一酸化炭素選択酸化触媒の担
体として固体酸を用いると、触媒表面上でPtの電子密
度が低下する。これによって、Ptと一酸化炭素との間
の結合力が弱まると共に、Ptは酸素とが結びつきやす
くなると推定される。ここで、「Ptの電子密度が低下
する」とは、Ptの電子が微視的に担体側に流れて、P
tが、よりプラスを帯びた状態となることを意味する。
一般に、一酸化炭素は白金への吸着力が強く、白金を備
える触媒は、一酸化炭素の被毒を受けることによって触
媒性能が低下してしまうおそれがある。しかし、上記の
ように固体酸から成る担体を用いると、Ptと一酸化炭
素との結合力が弱まることによって、一酸化炭素選択酸
化触媒が一酸化炭素被毒を受けるのを抑えることができ
ると考えられる。さらに、Ptが酸素と結びつきやすく
なることによって、一酸化炭素選択酸化反応をより促進
することができると考えられる。
【0024】ここで、担体として用いるゼオライトは、
その最大細孔径が0.55〜0.65ナノメートル(n
m)であることも好ましい。ゼオライトを構成する上記
三次元網目構造の内部に形成される空隙は細孔と呼ばれ
る。一酸化炭素選択酸化触媒を用いて、一酸化炭素を含
有する水素リッチガスにおける一酸化炭素選択酸化反応
を促進する際には、細孔内を、一酸化炭素や水素が酸素
と共に通過する。このとき、細孔の大きさが適切な範囲
であれば、分子の大きさが小さい水素は、速やかに細孔
内を通過すると共に、分子がより大きい一酸化炭素およ
び酸素は、細孔内(触媒内)に滞在する時間がより長く
なる。この結果、一酸化炭素が選択的に酸化され易くな
ると考えられる。このように、一酸化炭素の選択酸化性
能に直接関わる要因としては、上記細孔の大きさ、特
に、細孔における最も長い径の長さである最大細孔径の
値が重要であると考えられる。担体における最大細孔径
を上記範囲とすることで、一酸化化炭素の選択酸化性能
を向上させることができる。
【0025】このような最大細孔径を有するゼオライト
として、担体には、フェリエライトあるいはZSM−5
を用いる構成も好適である。フェリエライトが有する細
孔の大きさは、例えば0.43×0.55nmであり、
最大細孔径は0.55nmである。また、ZSM−5が
有する細孔の大きさは、例えば0.54×0.54nm
であり、最大細孔径は0.54nmである。
【0026】上記した第1の実施形態において、担体上
にPtと共に担持される遷移金属は、鉄(Fe)、ニッ
ケル(Ni)、コバルト(Co)、マンガン(Mn)、
銅(Cu)、ルテニウム(Ru)、クロム(Cr)、パ
ラジウム(Pd)、ロジウム(Rh)、イリジウム(I
r)よりなる群から選ばれた一種類または二種類以上の
金属であることが好ましい。
【0027】Ptと共に遷移金属を担体上に担持させる
ことによって、一酸化炭素低減率が向上する。その理由
は、必ずしも明らかになっていないが、酸素と結合する
力が強く、一酸化炭素と結合する力が弱い遷移金属が共
存することによって、Ptへの酸素の供給が容易となる
と共に、Ptが一酸化炭素被毒を受けにくくなる効果が
得られると推定される。ここで、Ptへの酸素の供給を
容易にするという効果をより充分に得るためには、Pt
と共に担持させる遷移金属は、それ自体がより酸化され
やすく、安定な酸化物を容易に作りやすい性質を有して
いることが望ましい。この理由から、遷移金属として
は、上述のように列挙した金属の中から選択することが
好ましい。
【0028】Ptと共に担体上に担持する遷移金属が鉄
(Fe)であるとき、担体上に白金を担持させるために
用いる溶液中の白金量と、担体上に鉄を担持させるため
に用いる溶液中の鉄量とのモル比の値([Pt]/[F
e])は、好ましくは1.5〜7.5、さらに好ましく
は2〜6、最も好ましくは約4とすればよい。
【0029】PtとFeとのモル比の値を上記した値と
することで、より低い温度範囲における一酸化炭素低減
率を向上させることができる。したがって、既述した望
ましくない反応の活性が充分に低い温度範囲で一酸化炭
素選択酸化反応を行なわせ、純度の高い水素リッチガス
を得る効率を向上させることができる。
【0030】本発明の第2の実施形態における一酸化炭
素選択酸化触媒は、所定の担体上にPtおよびFeを担
持しており、メスバウアー分光法によって得られる解析
結果が、前記担体上に担持されたFeが2価の鉄イオン
以外の状態で存在することを示す。
【0031】また、本発明の第3の実施形態における一
酸化炭素選択酸化触媒は、所定の担体上にPtおよびF
eを担持しており、担体上に担持させた鉄に関して、メ
スバウアー分光法による分析を行なって得られる鉄原子
核のすべての状態に関する分析結果が、57C(コバルト
57)を線源として用い、純鉄を基準として常温で分析
を行なうと、異性体シフトδ(mm/s)の値が0.0
1〜1.0、且つ、四極分裂Δ(mm/s)の値が0.
6〜1.6の範囲に収まる。
【0032】上記第2および第3の実施形態の一酸化炭
素選択酸化触媒によれば、より高い一酸化炭素低減率を
実現することが可能となる。また、広い温度範囲で一酸
化炭素低減率を向上させることができ、特に、200℃
以下の低い温度範囲における一酸化炭素低減率を向上さ
せることができる。なお、第3の実施形態で示した条件
でメスバウアー分光法による分析を行なうときに、異性
体シフトδ(mm/s)の値および四極分裂Δ(mm/
s)の値が上記範囲となるならば、担体上に担持される
Feは、3価の鉄イオンあるいは鉄合金の状態で存在す
ると判断することができる。
【0033】また、本発明の第4の実施態様における一
酸化炭素選択酸化触媒は、所定の担体上に、金属成分と
してPtとFeとを担持しており、担体上に担持された
金属成分が形成する粒子を無作為に所定数以上選択し
て、エネルギー分散型X線分析によって元素の定量分析
を行ったときに、白金量と鉄量とのモル比の値は、該モ
ル比の値の平均値からの増減量がいずれも30%以内と
なる。このような第4の実施形態では、担体上で、Pt
とFeとが充分に、且つ、均一に分散している。したが
って、より高い一酸化炭素低減率を実現することができ
ると共に、広い温度範囲、特に、200℃以下の低い温
度範囲における一酸化炭素低減率を向上させることがで
きる。ここでは、Ptが充分に分散していることによ
り、Pt上で進行する一酸化炭素選択酸化反応の反応の
場が充分に確保できると考えられる。また、FeがPt
と均一に混合した状態で分散することにより、Pt上で
一酸化炭素選択酸化反応が進行する際に、Feが近傍に
存在することによる上記した効果を充分に得ることがで
きると考えられる。なお、上記粒子を無作為に選択する
数は、触媒を評価する結果の安定性を確保するために、
充分に多くの数、例えば10以上とすることが望まし
い。
【0034】なお、上記第2ないし第4の実施態様の一
酸化炭素選択酸化触媒は、担体上にPtおよびFeを担
持させる際に、Ptを先にFeを後に担持させることに
より、製造することができる。
【0035】第2ないし第4の実施態様において、所定
の担体は、その最大細孔径が0.55〜0.65ナノメ
ートル(nm)であることとしても良い。このような大
きさの最大細孔径を示す担体を用いることで、既述した
ように、一酸化炭素の選択酸化性能を向上させることが
できる。
【0036】このとき、上記所定の担体は、固体酸であ
る構成も好適である。固体酸を担体として用いることに
よる既述した効果が得られ、一酸化炭素選択酸化触媒の
性能を向上させることができる。これらの条件を満たす
担体として、例えば、フェリエライトあるいはZSM−
5を用いることができる。
【0037】また、第2ないし第4の実施態様におい
て、この一酸化炭素選択酸化触媒を製造する際に、担体
上にPtを担持させるために用いた溶液中のPt量と、
担体上にFeを担持させるために用いた溶液中のFe量
とのモル比の値([Pt]/[Fe])は、好ましくは
1.5〜7.5、さらに好ましくは2〜6、最も好まし
くは約4とすればよい。ここで、上記した溶液中のPt
量とFe量とは、イオン交換法や含浸法等によって担体
上にPtとFeとを担持させる際に、それぞれの担持の
工程で、担体を浸漬させて用いた溶液中に含まれるPt
量およびFe量のことを指す。PtとFeとのモル比の
値を上記した値とすることで、より低い温度範囲におけ
る一酸化炭素低減率を向上させることができる。したが
って、既述した望ましくない反応の活性が充分に低い温
度範囲で一酸化炭素選択酸化反応を行なわせ、純度の高
い水素リッチガスを得る効率を向上させることができ
る。
【0038】第1ないし第4の実施態様の一酸化炭素選
択酸化触媒は、一酸化炭素選択酸化反応が進行する反応
温度が、100〜200℃となるように使用することが
望ましい。上記実施態様の一酸化炭素選択酸化触媒は、
このような温度範囲においても充分に高い一酸化炭素低
減率を示すことができる。したがって、逆シフト反応や
メタン化反応など望ましくない反応の活性が充分に低い
上記温度範囲で用いることにより、一酸化炭素選択酸化
触媒としての性能をより充分に発揮することができる。
【0039】本発明の各実施形態による一酸化炭素選択
酸化触媒は、燃料電池に供給する燃料ガス中の一酸化炭
素濃度を低減するために用いることができる。以下に、
本発明の一酸化炭素選択酸化触媒を用いた燃料改質装置
を備える燃料電池システムについて説明する。図1は、
このような燃料改質装置を備える燃料電池システムの構
成の概略を表わす説明図である。この装置は、燃料電池
18と、それに供給する燃料ガスを生成する燃料改質装
置とを備えている。燃料改質装置は、所定の原燃料を改
質することによって水素を生成する装置であり、改質部
10、冷却器12、シフト部14、CO酸化部16を主
な構成要素とする。原燃料としては、天然ガス、ガソリ
ンなどの炭化水素、メタノールなどのアルコール、ある
いはエーテルやアルデヒドなどの炭化水素系燃料の中か
ら適宜選択すればよい。
【0040】これらの原燃料は、改質部10において、
水蒸気や空気と共に、水蒸気改質反応、あるいは部分酸
化反応と呼ばれる反応に供されて、一酸化炭素を含有す
る水素リッチガスを生成する。生成された水素リッチガ
スは、シフト部14およびCO酸化部16に供給され
て、一酸化炭素濃度の低減が図られる。ここで、改質部
10、シフト部14、CO酸化部16は、それぞれ内部
で進行する反応を促進する触媒を備えており、触媒に応
じた反応温度となるように内部温度が制御される。例え
ば、上記原燃料としてガソリンなどを用いる場合には、
改質反応は900℃程度の温度条件で行なわれるが、シ
フト触媒が促進するシフト反応は、200〜300℃程
度の温度条件で行なわれる。このため、図1に示した装
置では、改質部10で生成された水素リッチガスは、シ
フト部14に供給するのに先立って、冷却器12におい
て冷却される。
【0041】シフト部14は、冷却器12から水素リッ
チガスの供給を受けて、一酸化炭素と水から水素と二酸
化炭素を生じるシフト反応を進行させ、水素リッチガス
中の一酸化炭素濃度を低減する。シフト部14で一酸化
炭素濃度を低減した水素リッチガスは、CO酸化部16
に供給されて、さらなる一酸化炭素濃度の低減が図られ
る。CO酸化部16は、本発明の一酸化炭素選択酸化触
媒を備えており、一酸化炭素選択酸化反応が進行する。
このCO酸化部16は、ペレット状に形成した触媒を容
器内部に充填した構成を有していても良いし、ハニカム
チューブをコーティングした触媒を容器内部に収容した
構成を有していても良い。また、CO酸化部16には、
圧縮空気をCO酸化部16に供給するブロワ22が併設
されている。一酸化炭素選択酸化反応には、ブロワ22
から供給される圧縮空気中の酸素が利用される。このよ
うにして一酸化炭素濃度が充分に低減された水素リッチ
ガスは、燃料ガスとして燃料電池18のアノード側に供
給され、電気化学反応に供される。なお、燃料電池18
のカソード側にはブロワ24が接続されており、ブロワ
24からは、酸化ガスとして空気が供給される。
【0042】このような燃料電池システムは、CO酸化
部16が本発明の一酸化炭素選択酸化触媒を備えてお
り、一酸化炭素選択酸化反応の活性を充分に高く確保す
ることができる。このため、CO酸化部16をより小型
化することが可能であって、装置全体をより小さくする
ことができる。また、一酸化炭素選択酸化反応の活性が
高いことにより、燃料電池18に供給する燃料ガス中の
一酸化炭素濃度を充分に低くすることができ、触媒の一
酸化炭素被毒に起因する燃料電池18の性能低下を充分
に防止することができる。
【0043】さらに、本発明の一酸化炭素選択酸化触媒
を用いることで、充分に一酸化炭素濃度を低減可能とな
る温度範囲が広くなる。この結果、CO酸化部16の内
部温度が変動しても、一酸化炭素濃度を安定して低減す
ることができる。具体的には、例えば、燃料電池18に
接続される負荷の大きさが変動して、CO酸化部16に
おける処理量(供給される水素リッチガス量)が変動
し、それに伴ってCO酸化部16の内部温度が昇降する
場合にも、より安定して一酸化炭素濃度の低減を行なう
ことができる。
【0044】また、本発明の一酸化炭素選択酸化触媒を
用いることで、非所望の反応の活性が充分に低い温度条
件下(例えば100〜200℃)においても一酸化炭素
選択酸化反応の活性を充分に高く確保することができる
ため、原燃料から水素を生成する効率全体をより高くす
ることが可能となる。さらに、本実施例の一酸化炭素選
択酸化触媒が、より低い温度で充分な活性を示すことに
より、燃料電池システムの始動時に、CO酸化部16の
暖機時間をより短くすることができるという効果を奏す
る。燃料電池システムの始動時には、各部を充分に昇温
させて、各部における望ましい運転温度にいち早く達す
ることが重要である。このような始動時には、CO酸化
部16は、通常は上流側から供給される高温の気体によ
って徐々に暖められる。本発明における一酸化炭素選択
酸化触媒は、より低い温度条件下でも一酸化炭素選択酸
化反応を促進可能であるため、より低い温度条件下で一
酸化炭素選択酸化反応、すなわち発熱反応がCO酸化部
16内で進行する。したがって、始動時間をより短縮す
ることが可能となる。
【0045】
【実施例】(A)実施例1、2:実施例1、2では、フ
ェリエライトから成る担体上にPtおよびFeを担持し
た一酸化炭素選択酸化触媒を製造する際に、Ptを先
に、Feを後に担持させた。ここでは、以下に示す
(1)〜(6)の一酸化炭素選択酸化触媒について、そ
の触媒性能の比較を行なった。
【0046】(1)実施例1:フェリエライト担体上
に、Ptを先、Feを後に担持させた触媒([Pt]:
[Fe]=3:0.5); (2)比較例1:フェリエライト担体上に、PtとFe
とを同時に担持させた触媒([Pt]:[Fe]=3:
0.5); (3)実施例2:フェリエライト担体上に、Ptを先、
Feを後に担持させた触媒([Pt]:[Fe]=3:
1.0); (4)比較例2:フェリエライト担体上に、PtとFe
とを同時に担持させた触媒([Pt]:[Fe]=3:
1.0); (5)比較例3:フェリエライト担体上に、Ptを担持
させた触媒; (6)比較例4:Al23の担体上にPtを担持させた
触媒;
【0047】なお、各触媒(1)〜(6)では、Pt
は、担体重量の3%に相当する量を担体上に担持するこ
ととした。また、触媒(1)〜(5)においては、担体
上に担持したPtとFeとのモル比([Pt]:[F
e])は、上記したとおりである。これら触媒(1)〜
(6)は、いずれもペレット状に形成されている。それ
ぞれのペレットを所定の大きさの反応器内に充填し、こ
の反応器に対して、所定の濃度の一酸化化炭素を含有す
る試験ガスを供給し、反応器から排出される排出ガス中
の一酸化炭素濃度(CO濃度)を測定して、触媒性能を
評価した。
【0048】図2は、実施例1の触媒(1)の製造工程
を表わす説明図である。まず、触媒担体として、フェリ
エライト粉末を用意する(ステップS100)。次に、
Pt換算でフェリエライト粉末(担体粉末)重量の3%
に相当するヘキサアンミン白金水酸化塩を含有する溶液
中に、この担体粉末を浸し、フェリエライトが備えるカ
チオンと、上記白金塩溶液中の白金イオンとの間でイオ
ン交換を行なわせることによって、担体粉末上にPtを
担持させた(ステップS110)。その後、空気中で、
120℃で2時間以上乾燥させ(ステップS120)、
250℃で1時間焼成する(ステップS130)。次
に、上記Pt担持担体粉末を、所定量の硝酸鉄([P
t]:[Fe]=3:0.5となる量)を含有する溶液
中に浸漬し、担体粉末に硝酸鉄を含浸させることによっ
てFeを担持させる(ステップS140)。さらに、上
記ステップS120および130と同様に、乾燥(ステ
ップS150)と焼成(ステップS160)を行なう。
次に、このようにPtおよびFeを担持させた担体粉末
を、圧縮成形法(打錠成形)によってペレット状に成形
した(ステップS170)。本実施例では、約0.5×
1.5mmの大きさのペレットに成形した。その後、水
素気流中で350℃2時間還元処理を行ない(ステップ
S180)、一酸化炭素選択酸化触媒を完成する。な
お、還元処理とは、上記ステップS130およびS16
0に示した焼成の工程を行なうことによって酸化された
PtおよびFeを還元するための処理である。もとよ
り、上記各担体上にPtおよびFeを担持させる際に
は、他種の白金塩あるいは鉄塩を用いることとしても良
い。
【0049】上記したように、担体上に担持させるPt
量は、Pt換算で担体粉末重量の3%に相当する白金塩
を含有する溶液中に、担体粉末を浸漬させて担持させた
量である。以下の実施例においても、本実施例と同様に
して同量のPtを担持させた場合には、Ptの担持量は
担体重量の3%、と記述するものとする。また、以下の
実施例において、Ptと共に担体上に担持させる金属の
量をPt量とのモル比で表わす場合には、上記実施例1
と同様に、担体上に担持させるために用いた金属塩溶液
中の金属含有量を表わすものとする。
【0050】実施例2の触媒も、図2に示した製造工程
に従って製造した。実施例2の触媒を製造する際には、
図2のステップS140において、Ptを担持したフェ
リエライト粉末を浸漬する溶液中に添加するFe量を、
実施例1の場合とは異なる量([Pt]:[Fe]=
3:1.0となる量)とした。
【0051】比較例1および2の触媒は、図2に示した
製造工程において、ステップS140〜ステップS16
0を行なう代わりに、ステップS110に対応する工程
において、フェリエライト粉末を浸漬する溶液中に、所
定量の白金塩および鉄塩を同時に添加した。これによっ
て、フェリエライト上に、PtとFeとを同時に担持さ
せた。また、比較例3の触媒は、図2に示した製造工程
において、ステップS140〜ステップS160を行な
う代わりに、ステップS110に対応する工程におい
て、フェリエライト粉末を浸漬する溶液中に所定量の白
金だけを添加して、これを担持させた。比較例4の触媒
は、フェリエライト粉末の代わりに酸化アルミニウム
(Al23)から成る粉末を担体粉末として用いた。こ
の粉末を、Pt換算で担体粉末重量の3%に相当するジ
ニトロジアミン白金硝酸塩溶液中に浸漬して、アルミナ
粉末に白金塩を含浸させ、上記実施例と同様に、乾燥、
焼成、成形、還元処理の工程を行なった。
【0052】このようにして製造した各触媒に対し、次
の条件下で排出ガス中のCO濃度を計測した結果を示す
のが図3および図4である。
【0053】(1)試験ガスの組成: CO=0.5%、CO2=25%; 酸素量(モル比)…[O]/[CO]=3; H2 balance(上記ガス組成の残りが水素): (2)空間速度SV=68,000h-1
【0054】ここでは、入りガス温度(各触媒を充填し
た反応器に供給する試験ガスの温度)を室温から300
℃まで順次上昇させつつ、上記反応器から排出される排
出ガス中の一酸化炭素濃度(CO濃度)を測定した。な
お、上記試験ガスの組成は、一般的な改質ガスの組成に
基づいて設定した。
【0055】図3および図4に示すように、Ptを先、
Feを後に担持させた実施例1、2の触媒は、PtとF
eとを同時に担持させた比較例1、2の触媒に比べて、
入りガスの温度範囲全体で、より充分に一酸化炭素濃度
を低減した。また、実施例1、2の触媒は、比較例1〜
4の触媒に比べて、一酸化炭素濃度を低減する性能が高
い温度範囲が広く、入りガス温度がより低いとき(例え
ば100〜200℃、特に、100〜140℃)には、
一酸化炭素濃度を低減する触媒性能が特に優れていた。
なお、比較例1、2の触媒は、比較例3、4の触媒に比
べると、一酸化炭素濃度を低減する性能が高いという結
果が得られた。
【0056】(B)実施例3:図5は、Ptを先、Fe
を後に担持した触媒と、PtとFeとを同時に担持した
触媒とについて、入りガス温度が130℃のときの一酸
化炭素低減率(CO低減率)と、Fe添加量との関係を
調べた結果を示す。実施例3の触媒は、実施例1および
2の触媒と同様にして製造した。また、比較例5の触媒
は、比較例1および2の触媒と同様にして製造した。実
施例3および比較例5では、担体としてフェリエライト
を用いており、Ptの担持量は、担体重量の3%とし
た。
【0057】また、実施例3では、[Pt]:[Fe]
のモル比が3:0(Fe無し)、3:0.2(PtとF
eとのモル比の値が15)、3:0.5(PtとFeと
のモル比の値が6)、3:0.75(PtとFeとのモ
ル比の値が4)、3:1.0(PtとFeとのモル比の
値が3)、3:2.0(PtとFeとのモル比の値が
1.5)、3:2.5(PtとFeとのモル比の値が
1.2)である触媒を用いた。比較例5では、実施例3
と同様にFe担持量が異なる種々の触媒を用いたが、
[Pt]:[Fe]のモル比が3:0.75(PtとF
eとのモル比の値が4)である触媒は用いていない。
【0058】ここで、CO低減率とは、一酸化炭素選択
酸化反応によってCO2 となったCO量(排出ガス中の
CO量)と、反応前のCO量(試験ガス中のCO量)と
のモル比として表わされている。CO低減率が大きいほ
ど、CO濃度を低減する触媒性能が良好である。各触媒
は、所定の大きさの反応器内に充填して用いた。これら
の触媒を用いて、図3と同様の条件下(試験ガス組成お
よび空間速度)でCO低減率を計測した結果を示すのが
図5である。
【0059】図5に示すように、入りガス温度が130
℃のときには、[Pt]:[Fe]のモル比が3:0.
2(PtとFeとのモル比の値が15)から3:2.5
(PtとFeとのモル比の値が1.2)の範囲におい
て、Fe後担持である実施例3の方が、同時担持の比較
例5よりも、高いCO低減率を示した。上記範囲におい
て、実施例3は、[Pt]:[Fe]のモル比が3:
0.5(PtとFeとのモル比の値が6)から3:1.
0(PtとFeとのモル比の値が3)の間、特に、[P
t]:[Fe]のモル比が3:0.75(PtとFeと
のモル比の値が4)付近のときに、最も高いCO低減率
を実現可能となるという結果が得られた。
【0060】(C)実施例4〜8:図6は、担体上にP
tと共に種々の遷移金属を担持させた一酸化炭素選択酸
化触媒を用いて、CO低減率を調べた結果を示す。実施
例4および比較例6では、Ptと共に担体上に担持させ
る遷移金属としてFeを用いた。実施例5および比較例
7ではニッケル(Ni)、実施例6および比較例8では
コバルト(Co)、実施例7および比較例9ではマンガ
ン(Mn)、実施例8および比較例10では銅(Cu)
を、遷移金属としてそれぞれ用いた。実施例4〜8は、
担体上に担持させる際に、Ptを先、遷移金属を後に担
持させた。製造方法は、既述した実施例1と同様であ
る。比較例6〜10は、担体上に担持させる際に、Pt
と遷移金属とを同時に担持させた。製造方法は、既述し
た比較例1と同様である。
【0061】実施例4〜8および比較例6〜10の触媒
は、フェリエライトを担体として用いている。フェリエ
ライト担体上に担持させるPt量は、担体重量の3%と
した。担持させる各遷移金属量は、Ptとのモル比
([Pt]:[遷移金属])が、3:1となる量とし
た。製造した各触媒は、所定の大きさの反応器内に充填
して用いた。これらの触媒を用いて、図3と同様の条件
下(試験ガス組成および空間速度)でCO低減率を計測
した結果を示すのが図6である。ここでは、入りガス温
度が120℃のときの排出ガス中のCO濃度を測定し、
触媒間で比較した。
【0062】図6に示すように、いずれの遷移金属を用
いる場合にも、遷移金属を後担持とした実施例の触媒の
方が、Ptと同時に担持した比較例の触媒に比べて、高
いCO低減率を示した。実施例4,5,6(遷移金属と
してFe、Ni、Coを用いる場合)は、特に高いCO
低減率を示した。
【0063】(D)実施例9、10:図7は、担体上に
Ptと共にFeを担持させた一酸化炭素選択酸化触媒で
あって、Feを後担持としたものと、Ptと同時に担持
したものとについて、触媒表面に存在するFeの状態を
メスバウアー分光法を用いて分析した結果を示す。いず
れの触媒も、担体としてフェリエライトを用い、フェリ
エライト担体上に担持させるPt量は、担体重量の3%
とした。実施例9、10は、FeをPtの後に担持して
おり、比較例11、12は、FeとPtとを同時に担持
した。また、実施例9、比較例11の触媒は、担体上に
担持させたPtとFeとのモル比が3:1であり、実施
例10,比較例12は、PtとFeとのモル比が3:2
である。
【0064】メスバウアー分光法は、原子核によるガン
マ線の無反跳共鳴吸収の現象を利用しており、Feの分
析方法として周知である。メスバウアー分光法による分
析を行なう際には、線源として57Coを用い、室温、常
圧、大気中で測定を行なった。測定時間は、1試料当た
りの積算時間が約20〜30時間である。図7は、実施
例9、10、比較例11、12の各試料を分析して検出
される各成分について、異性体シフトδ[mm/s]お
よび四極分裂Δ[mm/s]を計測した結果と、これに
基づいて各成分を構成するFeの状態を判定した結果を
示す。また、メスバウアースペクトルのピーク面積に基
づいて、各成分の組成比を算出した結果を、(%Fe)
として示した。
【0065】図7に示すように、実施例9、10では、
Feは、3価の鉄イオンおよび合金の状態としてのみ検
出された。これに対して、比較例11、12では、Fe
は、3価の鉄イオンおよび合金以外に、2価の鉄イオン
としても検出された。
【0066】(E)実施例11:図8〜11は、一酸化
炭素選択酸化触媒の表面に担持される金属成分の様子
を、透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて観察した様子
を示す。図8は、実施例11の触媒の像を示し、図9〜
11は、比較例13の触媒の像を示す。いずれの触媒
も、担体としてフェリエライトを用いている。実施例1
1の触媒は、担体上に、Ptを先、Feを後に担持した
ものであり、比較例13の触媒は、PtとFeとを同時
に担持したものである。また、いずれの触媒も、Ptの
担持量は、担体重量の3%であり、Feの担持量は、P
tとFeとのモル比が3:0.75(モル比の値が4)
となる量である。
【0067】TEMによる像では、担体上の金属成分は
粒子状に観察される。実施例11の触媒では、このよう
な金属成分の粒子が、触媒全体で良好に分散している像
が得られた(図8参照)。比較例13の触媒では、金属
成分の粒子の分散状態が劣っている領域が多く、大まか
に3種類の異なる状態が観察された(図9〜11参
照)。
【0068】図8〜11に示した像において観察される
金属成分粒子を、エネルギー分散型X線分析(EDX分
析)によって解析し、各粒子における組成(金属成分中
でのPtおよびFeの割合と、これらのモル比)を調べ
た結果を、図12に示す。図12(A)は、図8に示し
た像中において無作為に選んだ4つの粒子についてED
X分析を行なった結果を示す。図12(B)は、図9に
示した像中において無作為に選んだ4つの粒子について
EDX分析を行なった結果を示す。図12(C)は、図
10に示した像中において無作為に選んだ4つの粒子に
ついてEDX分析を行なった結果を示す。図12(D)
は、図11に示した像中において無作為に選んだ2つの
粒子についてEDX分析を行なった結果を示す。
【0069】実施例11の触媒について、図8に示した
像中で触媒で選択した粒子におけるPtとFeとのモル
比の値を求めると、3.8〜5.2の範囲となった。こ
れに対して、比較例13の触媒でも同様にPtとFeの
モル比の値を求めると、図9に示した像中で選択した粒
子では、26.8〜42.9、図10に示した像中で選
択した粒子では、4.5〜26.1、図11に示した像
中で選択した粒子では、0.2〜0.3の範囲となった
(図12参照)。
【0070】以上のように、実施例11の触媒では、T
EMによる像において、金属成分粒子が良好に分散して
いるだけでなく、各粒子は、これを構成するPtとFe
との組成比が均一で、いずれも触媒全体における組成に
近い値となった。
【0071】これに対して、比較例13の触媒では、上
記したように大まかに3つの領域が観察されるが、これ
らの各領域では、粒子を構成するPt量とFe量との比
が大きく異なっていた。図9の領域では、図12(B)
に示したように、Ptリッチな(Ptの含有量が、触媒
全体でのPtの割合に比べて多い)粒子が多く存在す
る。図11の領域では、図12(D)に示したように、
Feリッチな(Feの含有量が、触媒全体でのFeの割
合に比べて多い)粒子が多く存在する。この領域では、
粒子の分散状態が悪く、粒子が固まり合って存在する様
子が観察された。図10の領域では、図12(C)に示
したように、Pt量とFe量との比は、上記2つの領域
に比べると、触媒全体での比により近い値であった。し
かしながら、粒子ごとに測定される比の値のばらつきが
大きく、粒子の分散状態も実施例11の触媒に比べると
不十分であった。
【0072】なお、上記各実施例では、Fe後担持と、
PtとFe同時担持との比較の結果だけを示したが、F
eをPtに先立って担体上に担持させた触媒を用いる
と、PtとFe同時担持の触媒と同等以下の触媒性能
(排出ガス中のCO濃度、CO低減率)を示すことが、
本願発明者によって確認されている(図示せず)。
【図面の簡単な説明】
【図1】燃料電池システムの構成を表わす説明図であ
る。
【図2】実施例の一酸化炭素選択酸化触媒の製造工程を
表わす説明図である。
【図3】PtおよびFeの担持順序と触媒性能の関係を
調べた結果を表わす説明図である。
【図4】比較例としての一酸化炭素選択酸化触媒の性能
を調べた結果を表わす図である。
【図5】担持させるFe量を変更して製造した種々の一
酸化炭素選択酸化触媒について、その性能を比較した結
果を表わす図である。
【図6】種々の遷移金属について、担持順序と触媒性能
の関係を調べた結果を表わす説明図である。
【図7】担体上に担持したFeの状態を、メスバウアー
分光法を用いて分析した結果を表わす図である。
【図8】実施例11の触媒についてTEM分析を行なっ
て得られる像を表わす図である。
【図9】比較例13の触媒についてTEM分析を行なっ
て得られる像を表わす図である。
【図10】比較例13の触媒についてTEM分析を行な
って得られる像を表わす図である。
【図11】比較例13の触媒についてTEM分析を行な
って得られる像を表わす図である。
【図12】触媒表面に観察される粒子について、EDX
分析によってPt量とFe量を調べた結果を表わす図で
ある。
【符号の説明】
10…改質部 12…冷却器 14…シフト部 16…CO酸化部 18…燃料電池 22、24…ブロワ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C01B 3/32 C01B 3/32 A 3/38 3/38 H01M 8/04 H01M 8/04 G 8/06 8/06 G // C10K 3/00 C10K 3/00 Fターム(参考) 4G040 EA02 EA03 EB31 4G069 AA03 AA08 BA07A BC29A BC31A BC31B BC58A BC62A BC62B BC66A BC66B BC67A BC67B BC68A BC68B BC70A BC71A BC72A BC74A BC75A BC75B CC21 DA06 EA02Y EC11X EC12X EC27 FA01 FA02 FB14 FB19 FB26 FB30 FB64 FC08 ZA11A ZA13A ZA13B ZD01 ZD06 4G140 EA02 EA03 EB31 4H060 AA01 AA04 BB11 FF02 GG02 5H027 AA02 BA01 BA17 KK31 KK41

Claims (23)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一酸化炭素を含有する水素リッチガスに
    おいて、水素に優先して一酸化炭素の酸化を行なう一酸
    化炭素選択酸化反応を促進する一酸化炭素選択酸化触媒
    の製造方法であって、 (a)白金(Pt)を、所定の担体上に担持させる工程
    と、 (b)前記(a)工程で白金を担持した前記担体上に、
    さらに、少なくとも一種類の遷移金属を担持させる工程
    と を備えることを特徴とする一酸化炭素選択酸化触媒の製
    造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の一酸化炭素選択酸化触媒
    の製造方法であって、 前記(a)工程は、イオン交換法によって白金を担持さ
    せる工程を含む一酸化炭素選択酸化触媒の製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載の一酸化炭素選択
    酸化触媒の製造方法であって、 前記(a)工程は、白金を担持させた前記担体を、焼成
    する工程を、さらに備える一酸化炭素選択酸化触媒の製
    造方法。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし3いずれか記載の一酸化
    炭素選択酸化触媒の製造方法であって、 前記所定の担体は、ゼオライトであることを特徴とする
    一酸化炭素選択酸化触媒の製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項4記載の一酸化炭素選択酸化触媒
    の製造方法であって、 前記ゼオライトは、その最大細孔径が0.55〜0.6
    5ナノメートル(nm)であることを特徴とする一酸化
    炭素選択酸化触媒の製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の一酸化炭素選択酸化触媒
    の製造方法であって、 前記ゼオライトは、フェリエライトあるいはZSM−5
    であることを特徴とする一酸化炭素選択酸化触媒の製造
    方法。
  7. 【請求項7】 請求項1ないし6いずれか記載の一酸化
    炭素選択酸化触媒の製造方法であって、 前記遷移金属は、鉄(Fe)、ニッケル(Ni)、コバ
    ルト(Co)、マンガン(Mn)、銅(Cu)、ルテニ
    ウム(Ru)、クロム(Cr)、パラジウム(Pd)、
    ロジウム(Rh)、イリジウム(Ir)よりなる群から
    選ばれた少なくとも一種類の金属であることを特徴とす
    る一酸化炭素選択酸化触媒の製造方法。
  8. 【請求項8】 請求項7記載の一酸化炭素選択酸化触媒
    の製造方法であって、 前記遷移金属は鉄であり、 前記(a)工程で前記担体上に白金を担持させるために
    用いる溶液中の白金量と、前記(b)工程で前記担体上
    に鉄を担持させるために用いる溶液中の鉄量とのモル比
    の値([Pt]/[Fe])が、1.5〜7.5である
    一酸化炭素選択酸化触媒の製造方法。
  9. 【請求項9】 請求項8記載の一酸化炭素選択酸化触媒
    の製造方法であって、 前記モル比の値([Pt]/[Fe])は、2〜6であ
    る一酸化炭素選択酸化触媒の製造方法。
  10. 【請求項10】 請求項9記載の一酸化炭素選択酸化触
    媒の製造方法であって、 前記モル比の値([Pt]/[Fe])は、約4である
    一酸化炭素選択酸化触媒の製造方法。
  11. 【請求項11】 一酸化炭素を含有する水素リッチガス
    において、水素に優先して一酸化炭素の酸化を行なう一
    酸化炭素選択酸化反応を促進する一酸化炭素選択酸化触
    媒であって、 所定の担体上に白金および鉄を担持しており、 メスバウアー分光法によって得られる解析結果が、前記
    担体上に担持された鉄が2価の鉄イオン以外の状態で存
    在することを示すことを特徴とする一酸化炭素選択酸化
    触媒。
  12. 【請求項12】 一酸化炭素を含有する水素リッチガス
    において、水素に優先して一酸化炭素の酸化を行なう一
    酸化炭素選択酸化反応を促進する一酸化炭素選択酸化触
    媒であって、 所定の担体上に白金および鉄を担持しており、 前記担体上に担持させた鉄に関して、メスバウアー分光
    法による分析を行なって得られる鉄原子核のすべての状
    態に関する分析結果が、57C(コバルト57)を線源と
    して用い、純鉄を基準として常温で分析を行なうと、異
    性体シフトδ(mm/s)の値が0.01〜1.0、且
    つ、四極分裂Δ(mm/s)の値が0.6〜1.6の範
    囲に収まることを特徴とする一酸化炭素選択酸化触媒。
  13. 【請求項13】 一酸化炭素を含有する水素リッチガス
    において、水素に優先して一酸化炭素の酸化を行なう一
    酸化炭素選択酸化反応を促進する一酸化炭素選択酸化触
    媒であって、 所定の担体上に、金属成分として白金と鉄とを担持して
    おり、 前記担体上に担持された金属成分が形成する粒子を無作
    為に所定数以上選択して、エネルギー分散型X線分析に
    よって元素の定量分析を行ったときに、白金量と鉄量と
    のモル比の値は、該モル比の値の平均値からの増減量が
    いずれも30%以内であることを特徴とする一酸化炭素
    選択酸化触媒。
  14. 【請求項14】 請求項11ないし13いずれか記載の
    一酸化炭素選択酸化触媒であって、 前記所定の担体は、その最大細孔径が0.55〜0.6
    5ナノメートルナノメートル(nm)であることを特徴
    とする一酸化炭素選択酸化触媒。
  15. 【請求項15】 請求項14記載の一酸化炭素選択酸化
    触媒であって、 前記所定の担体は、固体酸であることを特徴とする一酸
    化炭素選択酸化触媒。
  16. 【請求項16】 請求項15記載の一酸化炭素選択酸化
    触媒であって、 前記所定の担体は、フェリエライトあるいはZSM−5
    であることを特徴とする一酸化炭素選択酸化触媒。
  17. 【請求項17】 請求項11ないし16いずれか記載の
    一酸化炭素選択酸化触媒であって、 該一酸化炭素選択酸化触媒を製造する際に、前記担体上
    に白金を担持させるために用いた溶液中の白金量と、前
    記担体上に鉄を担持させるために用いた溶液中の鉄量と
    のモル比の値([Pt]/[Fe])が、1.5〜7.
    5である一酸化炭素選択酸化触媒。
  18. 【請求項18】 請求項17記載の一酸化炭素選択酸化
    触媒であって、 前記モル比の値([Pt]/[Fe])は、2〜6であ
    る一酸化炭素選択酸化触媒。
  19. 【請求項19】 請求項18記載の一酸化炭素選択酸化
    触媒であって、 前記モル比の値([Pt]/[Fe])は、約4である
    一酸化炭素選択酸化触媒。
  20. 【請求項20】 水素リッチガス中に含まれる一酸化炭
    素を酸化することによって、該水素リッチガスにおける
    一酸化炭素濃度を低減する一酸化炭素濃度低減装置であ
    って、 請求項11ないし19いずれか記載の一酸化炭素選択酸
    化触媒を有する一酸化炭素選択酸化反応部と、 前記水素リッチガスを前記一酸化炭素選択酸化反応部に
    供給する水素リッチガス供給手段と、 前記一酸化炭素を酸化するために用いる酸素を、前記一
    酸化炭素選択酸化反応部に供給する酸素供給手段とを備
    えることを特徴とする一酸化炭素濃度低減装置。
  21. 【請求項21】 燃料電池システムであって、 水素と酸素とを用いた電気化学反応によって発電を行な
    う燃料電池と、 前記燃料電池に対して水素を含有する燃料ガスを供給す
    る燃料ガス供給装置と、 を備え、 前記燃料ガス供給装置は、請求項20記載の一酸化炭素
    濃度低減装置を備えており、該一酸化炭素濃度低減装置
    によって一酸化炭素濃度を低減した水素リッチガスを、
    前記燃料ガスとして前記燃料電池に供給することを特徴
    とする燃料電池システム。
  22. 【請求項22】 一酸化炭素選択酸化触媒の使用方法で
    あって、 請求項11ないし19いずれか記載の一酸化炭素選択酸
    化触媒を、100〜200℃の温度範囲で使用する使用
    方法。
  23. 【請求項23】 水素を含有する燃料ガスと酸素を含有
    する酸化ガスの供給を受け、電気化学反応によって起電
    力を得る燃料電池を備える燃料電池システムの運転方法
    であって、 前記燃料電池に対して前記燃料ガスを供給する燃料ガス
    供給装置を備え、 前記燃料ガス供給装置は、請求項20記載の一酸化炭素
    濃度低減装置を備え、該一酸化炭素濃度低減装置によっ
    て一酸化炭素濃度を低減した水素リッチガスを、前記燃
    料ガスとして前記燃料電池に供給し、 前記一酸化炭素低減装置において前記一酸化炭素選択酸
    化反応が進行する反応温度が、100〜200℃となる
    ように、前記一酸化炭素低減装置を制御する運転方法。
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