JP2002303355A - 無段変速機用ベルトのエレメント測定方法および測定装置 - Google Patents

無段変速機用ベルトのエレメント測定方法および測定装置

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JP2002303355A
JP2002303355A JP2001108795A JP2001108795A JP2002303355A JP 2002303355 A JP2002303355 A JP 2002303355A JP 2001108795 A JP2001108795 A JP 2001108795A JP 2001108795 A JP2001108795 A JP 2001108795A JP 2002303355 A JP2002303355 A JP 2002303355A
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linear
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belt
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Takenori Matsushita
雄紀 松下
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 板状の複数のエレメントを板厚方向に積層し
て環状のエレメント列を形成し、このエレメント列をリ
ング部材により環状に保持して組み付けた無段変速機用
金属ベルトにおけるエレメントの特性を正確かつ容易に
把握できるようにする。 【解決手段】 多数のエレメント1をその板厚方向に直
線状に積層して形成した直線状エレメント列15を、押
圧ブロック9と被押圧ブロック13との間に挟持させ
る。被押圧ブロック13を、固定ねじ21を緩めて直線
状エレメント列15の配列方向と直交する面上を移動可
能とした状態で、押圧ブロック9を押圧シリンダ23に
より被押圧ブロック13側に向けて前進させて、直線状
エレメント列15に対して圧縮力を付与する。このとき
のエレメント配列方向と交差する方向の直線状エレメン
ト列15の移動量をダイヤルゲージ33で計測する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、板状の複数のエ
レメントを板厚方向に積層して形成した環状のエレメン
ト列をリング部材により環状に保持して組み付けた無段
変速機用ベルトのエレメント測定方法および測定装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】自動車用に搭載される無段変速機(CV
T)は、変速ショックが少なく、加速性能や燃費の点で
優れているため、近年大きな注目を集めている。自動車
用CVTには様々な方式が存在するが、現在実用化され
ているものの殆どは、金属製の圧縮タイプベルトを適用
したものである(例えば、特開昭63−115937号
公報参照)。
【0003】この金属製の圧縮タイプベルトは、板状の
エレメントをその板厚方向に複数積層して環状に形成
し、この環状に配列した複数のエレメントを環状のリン
グで固定して構成している。このような金属ベルトの特
徴は、ゴムベルトやチェーンが張力でトルクを伝達する
のに対し、主にエレメント間に作用する圧縮力でトルク
を伝達する点にある。
【0004】このため、1枚、1枚のエレメントの精度
はもちろんのこと、エレメントを多数整列させた状態で
力を加えたときの特性が大変重要となる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記したよ
うなエレメントの特性を測定する際に、複数のエレメン
トをリングで固定した状態で行った場合には、エレメン
トのみでの特性が出にくく、またCVTユニットに金属
ベルトが組み込まれた状態での測定では、測定自体が困
難であり、エレメントの特性を正確に把握できないもの
となっている。
【0006】そこで、この発明は、エレメントの特性を
正確かつ容易に把握できるようにすることを目的として
いる。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、請求項1の発明は、板状の複数のエレメントを板厚
方向に積層して環状のエレメント列を形成し、このエレ
メント列をリング部材により環状に保持して組み付ける
無段変速機用ベルトのエレメント測定方法において、前
記複数のエレメントを直線状に板厚方向に積層して配列
し、この配列した直線状エレメント列を両端から挟持し
て配列方向に圧縮力を付与した状態で、前記直線状エレ
メント列と交差する方向の前記エレメントの移動量を計
測し、この計測した移動量に基づいてエレメントの性能
を判断するものとしてある。
【0008】請求項2の発明は、板状の複数のエレメン
トを板厚方向に積層して環状のエレメント列を形成し、
このエレメント列をリング部材により環状に保持して組
み付ける無段変速機用ベルトのエレメント測定装置にお
いて、前記複数のエレメントを直線状に板厚方向に積層
して配列した直線状エレメント列を、両端から挟持して
前記配列方向に押圧する挟持押圧手段と、この挟持押圧
手段により押圧された前記直線状エレメント列の配列方
向と交差する方向の移動量を計測する移動量計測手段と
を有する構成としてある。
【0009】請求項3の発明は、請求項2の発明の構成
において、直線状エレメント列の一方の端部に接触する
挟持押圧手段の接触部を、前記直線状エレメント列の配
列方向に直交する面上を移動可能に設けた構成としてあ
る。
【0010】請求項4の発明は、請求項3の発明の構成
において、接触部は、ベアリングを介して直線状エレメ
ント列の配列方向に直交する面上を移動可能である構成
としてある。
【0011】請求項5の発明は、請求項3の発明の構成
において、接触部は、互いに直交するリニアレール上に
移動可能に設置されて、直線状エレメント列の配列方向
に直交する面上を移動可能である構成としてある。
【0012】請求項6の発明は、請求項3ないし5のい
ずれかの発明の構成において、接触部を直線状エレメン
ト列の配列方向に直交する面上の適宜位置にて固定する
固定手段を備えている構成としてある。
【0013】請求項7の発明は、請求項2または6の発
明の構成において、直線状エレメント列を、挟持押圧手
段により挟持した状態から押圧したときの、配列方向の
圧縮量を計測する圧縮量計測手段を設けた構成としてあ
る。
【0014】請求項8の発明は、請求項2ないし7のい
ずれかの発明の構成において、直線状エレメント列の配
列方向に延長されて前記直線状エレメント列の全長より
短く、かつ前記直線状エレメント列の両端の各1枚のエ
レメントをその間のエレメントとともに支持可能で、装
置本体に対して着脱可能なエレメント仮置き台を備えて
いる構成としてある。
【0015】請求項9の発明は、請求項8の発明の構成
において、エレメント仮置き台のエレメント配列方向の
長さは、直線状エレメント列の長さよりエレメント1枚
の厚さ分だけ短く設定してある。
【0016】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、複数のエレメ
ントを直線状に板厚方向に積層して配列した直線状エレ
メント列を、両端から挟持して配列方向に圧縮力を付与
した状態で、直線状エレメント列と交差する方向のエレ
メントの移動量を計測し、この計測値に基づいてエレメ
ントの性能を判断するようにしたため、エレメントの特
性を正確かつ容易に把握することができる。
【0017】請求項2の発明によれば、直線状に板厚方
向に積層して配列した複数のエレメントを両端から挟持
して前記配列方向に押圧する挟持押圧手段と、この挟持
押圧手段により押圧された直線状エレメント列の配列方
向と交差する方向の移動量を測定する移動量計測手段と
を有する構成としたため、エレメントの特性を正確かつ
容易に把握することができる。
【0018】請求項3の発明によれば、直線状エレメン
ト列の一方の端部に接触する挟持押圧手段の接触部を、
直線状エレメント列の配列方向に直交する面上を移動可
能に設けたため、直線状エレメント列の配列方向と交差
する方向の移動量の計測をより的確に行うことができ
る。
【0019】請求項4の発明によれば、接触部は、ベア
リングにより直線状エレメント列の配列方向に直交する
方向に容易に移動させることができる。
【0020】請求項5の発明によれば、接触部は、互い
に直交するリニアレールにより直線状エレメント列の配
列方向に直交する方向に容易に移動させることができ
る。
【0021】請求項6の発明によれば、接触部は、直線
状エレメント列の配列方向に直交する面上の適宜位置に
て固定する固定手段を備えているため、ミスアライメン
トなどの実使用時の状態を設定することができる。
【0022】請求項7の発明によれば、直線状エレメン
ト列を、挟持押圧手段により挟持した状態から押圧した
ときの、配列方向の圧縮量を計測する圧縮量計測手段を
設けたため、エレメントの圧縮量を把握することができ
る。
【0023】請求項8の発明によれば、直線状エレメン
ト列の配列方向に延長されて直線状エレメント列の全長
より短く、かつ直線状エレメント列の両端の各1枚のエ
レメントをその間のエレメントとともに支持可能で、装
置本体に対して着脱可能なエレメント仮置き台を備えて
いるため、本装置への直線状エレメント列のセット作業
を容易に行うことができ、かつ直線状エレメント列を挟
持押圧手段で挟持した後に、エレメント仮置き台を容易
に取り外すことができ、その後の測定作業を確実に行う
ことができる。
【0024】請求項9の発明によれば、エレメント仮置
き台のエレメント配列方向の長さは、直線状エレメント
列の長さよりエレメントの1枚分だけ短く設定してある
ため、直線状エレメント列全体をエレメント仮置き台に
容易にセットすることができ、かつ直線状エレメント列
を挟持押圧手段で挟持した後に、エレメント仮置き台を
容易に取り外すことができ、その後の測定作業を確実に
行うことができる。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態を図
面に基づき説明する。
【0026】図1は、この発明の実施の一形態を示す無
段変速機用ベルトのエレメント測定装置の一部断面を含
む正面図で、図2は、図1のA−A断面図である。この
エレメント測定装置は、図3に示すような、自動車に搭
載される無段変速機用の金属ベルトに対して測定を行う
ものであり、この金属ベルトは、板状のエレメント1
が、その板厚方向に複数(数百個)積層されて、エレメ
ント列3が環状に形成され、このエレメント1の両サイ
ドの隙間1aにリング部材としての環状の積層リング5
が嵌め込まれて構成される。エレメント1の一方の面に
は嵌合凸部1bが、他方の面には図示しない嵌合凹部が
それぞれ形成され、隣接するエレメント1相互の嵌合凸
部1bと嵌合凹部とが嵌合した状態で、複数のエレメン
ト1が積層される。
【0027】そして、この金属ベルトが、図4に示すよ
うに、入力軸10および出力軸20にそれぞれ取り付け
られた駆動プーリPdと従動プーリPsとの間に巻き付
けられて使用される。各プーリPd,Psは、それぞれ
溝幅を無段階に変えられる側板を備え、溝幅を変えるこ
とで金属ベルトの各プーリPd,Psに対する巻き付け
半径が変わり、これにより入力軸10と出力軸20との
間の回転数比、すなわち変速比が連続的無段階に変化す
ることとなる。
【0028】駆動プーリPdと従動プーリPsとの間に
巻き付けられた金属ベルトは、構造上エレメント間に隙
間が存在するので、駆動プーリPdが矢印B方向に回転
する際に、駆動プーリPdから従動プーリPsに移動す
る部分で圧縮力が作用し、従動プーリPsから駆動プー
リPdに移動する部分では圧縮力が作用しない。
【0029】上記したエレメント測定装置は、装置本体
となる基台7の図1中で左側端部の上面に、押圧ブロッ
ク9が図1中で左右方向に移動可能に設置され、押圧ブ
ロック9に対向する図1中で基台7の右側端部上には、
ブロック支持部11が形成されている。ブロック支持部
11は、押圧ブロック9に対向する面に円形の凹部11
aが形成され、凹部11aに円形の接触部としての被押
圧ブロック13が収容配置されている。
【0030】この被押圧ブロック13と前記押圧ブロッ
ク9との間に、前記したエレメント1をその板厚方向に
直線状に積層して配列した直線状エレメント列15がセ
ットされている。押圧ブロック9と被押圧ブロック13
により、直線状エレメント列15を両端から挟持して直
線状エレメント列15の配列方向に押圧する挟持押圧手
段を構成している。
【0031】被押圧ブロック13の外周面と凹部11a
の内周面との間には隙間17が形成されるとともに、凹
部11aの底部と、この底部に対向する被押圧ブロック
13の図1中で右側端面との間には、ベアリング19が
介装されている。このベアリング19により、被押圧ブ
ロック13は、直線状エレメント列15の配列方向と直
交する面上を移動可能となる。被押圧ブロック13がベ
アリング19を介して凹部11aに収容された状態で、
被押圧ブロック13の押圧ブロック9側の端面は、ブロ
ック支持部11の押圧ブロック9側の端面より、押圧ブ
ロック9側に突出している。
【0032】凹部11aの周囲には、円周方向3カ所
に、固定手段としての固定ねじ21が凹部11a内に突
出するようねじ込まれ、3本の固定ねじ21の先端を被
押圧ブロック13の外周面に当接させることで、被押圧
ブロック13が凹部11a内に固定される。
【0033】押圧ブロック9のさらに図1中で左側の基
台7上には、押圧ブロック9を被押圧ブロック13側に
押圧する油圧式あるいは空圧式の押圧シリンダ23が設
置され、押圧シリンダ23のピストン25と押圧ブロッ
ク9との間には、押圧シリンダ23による押圧ブロック
9に対する押圧力を計測するストレインゲージ27が設
けられている。
【0034】また、押圧ブロック9の上部には、上方に
向けて突出する被計測片29が設けられ、この被計測片
29の図1中で右側面には、圧縮量計測手段としてのダ
イヤルゲージ31が設置されている。このダイヤルゲー
ジ31により、押圧ブロック9の被押圧ブロック13側
への移動量、すなわち直線状エレメント列15の圧縮量
が計測される。さらに、直線状エレメント列15の上方
にも、移動量計測手段としてのダイヤルゲージ33が設
置され、このダイヤルゲージ33により、直線状エレメ
ント列15の配列方向と交差する方向(ここでは上下方
向)の移動量が計測される。
【0035】押圧ブロック9とブロック支持部11との
間には、図5に斜視図として示すエレメント仮置き台3
5が、基台7の側面(図1中で紙面手前側)に対して2
本のボルト37により着脱可能となっている。エレメン
ト仮置き台35は、図1のB−B断面図である図6に示
すように、エレメント1を収容するエレメント収容凹部
39を有し、このエレメント収容凹部39の底面から図
1中で紙面手前側へ向けて平面部41が延長して形成さ
れ、さらに平面部41の端部から下方に向けて突出する
取付部43が形成され、この取付部43に設けたボルト
挿入孔45に前記したボルト37が挿入されて基台7に
固定される。
【0036】上記したエレメント仮置き台35のエレメ
ント配列方向の長さは、直線状エレメント列15の長さ
より、エレメント1の1枚の厚さ分だけ短く設定してあ
る。これにより、図1に示すように、両端の各エレメン
ト1については板厚の半分だけ支持しつつ、直線状エレ
メント列15全体を支持可能で、かつこの支持状態でエ
レメント仮置き台35の両端と、押圧ブロック9および
被押圧ブロック13との間には隙間が形成される。
【0037】次に、上記したエレメント測定装置を用い
た測定方法を説明する。まず、エレメント仮置き台35
を基台7にボルト37により固定する。この状態で、複
数(90〜100枚程度)のエレメント1を直線状に配
列した直線状エレメント列15を、エレメント仮置き台
35のエレメント収容凹部39に収容する。このとき、
直線状エレメント列15の両端の各エレメント1は、板
厚のほぼ半分がエレメント収容凹部39に収容されて支
持された状態となる。
【0038】この状態で、押圧シリンダ23を駆動して
押圧ブロック9を前進させ、被押圧ブロック13との間
で直線状エレメント列15を挟持する。直線状エレメン
ト列15が二つのブロック9,13相互間で挟持される
状態が保持されたら、エレメント置き台35を基台7か
ら取り外す。
【0039】エレメント置き台35を基台7から取り外
した後、さらに押圧シリンダ23を駆動して押圧ブロッ
ク9を前進させるが、このとき、3本の固定ねじ21に
より被押圧ブロック13を固定した状態とすると、押圧
ブロック9の前進移動により、直線状エレメント列15
がエレメント1の配列方向に圧縮される。図7は、この
ときのストレインゲージ27の計測値である圧縮力
(N)と、ダイヤルゲージ31の計測値である圧縮方向
変位(圧縮量:mm)との関係を示している。
【0040】通常、エレメント1は、平面度の不良、板
厚精度不良、硬度不足などが発生する場合があり、上記
した押圧シリンダ23による押圧動作によって、直線状
エレメント列15が圧縮変形する。この圧縮変形分は、
実機動作時でのエレメント1相互間の隙間に相当し、こ
の隙間が過大であると、トルクの伝達が効率よくできな
くなる。ここでは、圧縮力が最大3000Nで隙間(圧
縮方向変位)が約0.3mmを越えたものをエレメント
1の性能不良とした。
【0041】したがって、図7にて実線aの計測結果が
得られた直線状エレメント列15は、圧縮方向変位が
0.3mmを下回っているので、トルク伝達が効率よく
できる良品であり、破線bの計測結果が得られた直線状
エレメント列15は、圧縮方向変位が0.3mmを越え
ているので、トルク伝達が効率よくできない不良品であ
るといえる。
【0042】次に、3本の固定ねじ21を緩めてその先
端を被押圧ブロック13から離し、被押圧ブロック13
をエレメント1の配列方向と直交する面上で移動可能な
状態とする。この状態で、上記と同様にして押圧シリン
ダ23により押圧ブロック9を前進させて直線状エレメ
ント列15を押圧した場合のストレインゲージ27の計
測値である圧縮力(N)と、ダイヤルゲージ33の計測
値である半径方向変位(エレメント1の配列方向と交差
する図1中で上下方向の移動量:mm)との関係を示し
たものが図8である。
【0043】なお、図1では、ダイヤルゲージ33は、
直線状エレメント列15の配列方向のほぼ中央に配置し
てあるが、直線状エレメント列15の図1中で右側端部
あるいは被押圧ブロック13の移動を直接計測するよう
にしてもよい。これにより移動量をより確実に計測可能
となる。
【0044】エレメント1は、精密プレス品のため、す
べてのエレメント1が同じ形態をしている。そのため、
エレメント1の各部の板厚の微小な変化分は、そのエレ
メント1を並べた枚数分蓄積されていき、この状態で上
記したエレメント配列方向の押圧作業を行うと、直線状
エレメント列15は、配列方向に対して交差する方向に
移動することになる。例えば各エレメント1の図1中で
上部側が下部側に対して板厚が厚く成形されていると、
直線状エレメント列15は、板厚が厚く形成されている
図1中で上方に移動する。
【0045】上記した図8では、圧縮力が最大3000
Nで半径方向変位が約0.5mmを越えたものを性能不
良としている。したがって、図8にて実線cの計測結果
が得られた直線状エレメント列15は、半径方向変位が
0.5mmを下回っているので、エレメント1に板厚不
良がない良品であり、破線dの計測結果が得られた直線
状エレメント列15は、半径方向変位が0.5mmを上
回っているので、エレメント1に板厚不良が発生してい
る不良品であるといえる。
【0046】板厚不良が発生していると、トルク伝達ロ
スが大きく、また駆動プーリPdと従動プーリPsとの
間での金属ベルトの自由領域(エレメント1が従動プー
リPsから駆動プーリPdに向けて移動する圧縮力の作
用しない領域)で有害な弦振動を起こしやすいことがわ
かっている。
【0047】このように、上記した無段変速機用ベルト
のエレメント測定装置によるエレメント測定方法によれ
ば、エレメント1の特性を簡単な作業で正確に把握する
ことができる。
【0048】また、上記したように被押圧ブロック13
を移動可能とした状態で押圧作業を行った際に、直線状
エレメント列15が斜め上方に移動する場合には、その
方向をエレメント1に対して拘束する積層リング5の負
荷が大きいなどの情報が得られ、その対策を講じること
が可能となる。
【0049】なお、上記した各計測作業では、直線状エ
レメント列15は、押圧ブロック9と被押圧ブロック1
3との間、で水平かつ図1中の紙面に平行な方向となる
よう配置したが、直線状エレメント列15を傾けた状態
に配置することで、ミスアライメントなどの実使用時で
の測定が可能となる。
【0050】なお、上記実施の形態では、被押圧ブロッ
ク13をベアリング19にて移動可能に支持するように
しているが、互いに直交するリニアレール上に移動可能
に設置してもよい。また、ダイヤルゲージ31,33に
代えてレーザ式側長器を使用してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の一形態を示す無段変速機用ベ
ルトのエレメント測定装置の一部断面を含む正面図であ
る。
【図2】図1のA−A断面図である。
【図3】図1の無段変速機用ベルトのエレメント測定装
置で測定する金属ベルトの一部を示す斜視図である。
【図4】図3の金属ベルトが二つのプーリ相互間に巻き
付けられた状態を示す概略図である。
【図5】図1の無段変速機用ベルトのエレメント測定装
置に使用されるエレメント仮置き台の斜視図である。
【図6】図1のB−B断面図である。
【図7】図1の無段変速機用ベルトのエレメント測定装
置による直線状エレメント列に対する圧縮力と圧縮方向
変位との相関図である。
【図8】図1の無段変速機用ベルトのエレメント測定装
置による直線状エレメント列に対する圧縮力と半径方向
変位との相関図である。
【符号の説明】
1 エレメント 5 積層リング(リング部材) 7 基台(装置本体) 9 押圧ブロック(挟持押圧手段) 13 被押圧ブロック(挟持押圧手段、接触部) 15 直線状エレメント列 19 ベアリング 21 固定ねじ(固定手段) 31 ダイヤルゲージ(圧縮量計測手段) 33 ダイヤルゲージ(移動量計測手段) 35 エレメント仮置き台

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 板状の複数のエレメントを板厚方向に積
    層して環状のエレメント列を形成し、このエレメント列
    をリング部材により環状に保持して組み付ける無段変速
    機用ベルトのエレメント測定方法において、前記複数の
    エレメントを直線状に板厚方向に積層して配列し、この
    配列した直線状エレメント列を両端から挟持して配列方
    向に圧縮力を付与した状態で、前記直線状エレメント列
    と交差する方向の前記エレメントの移動量を計測し、こ
    の計測した移動量に基づいてエレメントの性能を判断す
    ることを特徴とする無段変速機用ベルトのエレメント測
    定方法。
  2. 【請求項2】 板状の複数のエレメントを板厚方向に積
    層して環状のエレメント列を形成し、このエレメント列
    をリング部材により環状に保持して組み付ける無段変速
    機用ベルトのエレメント測定装置において、前記複数の
    エレメントを直線状に板厚方向に積層して配列した直線
    状エレメント列を、両端から挟持して前記配列方向に押
    圧する挟持押圧手段と、この挟持押圧手段により押圧さ
    れた前記直線状エレメント列の配列方向と交差する方向
    の移動量を計測する移動量計測手段とを有することを特
    徴とする無段変速機用ベルトのエレメント測定装置。
  3. 【請求項3】 直線状エレメント列の一方の端部に接触
    する挟持押圧手段の接触部を、前記直線状エレメント列
    の配列方向に直交する面上を移動可能に設けたことを特
    徴とする請求項2記載の無段変速機用ベルトのエレメン
    ト測定装置。
  4. 【請求項4】 接触部は、ベアリングを介して直線状エ
    レメント列の配列方向に直交する面上を移動可能である
    ことを特徴とする請求項3記載の無段変速機用ベルトの
    エレメント測定装置。
  5. 【請求項5】 接触部は、互いに直交するリニアレール
    上に移動可能に設置されて、直線状エレメント列の配列
    方向に直交する面上を移動可能であることを特徴とする
    請求項3記載の無段変速機用ベルトのエレメント測定装
    置。
  6. 【請求項6】 接触部を直線状エレメント列の配列方向
    に直交する面上の適宜位置にて固定する固定手段を備え
    ていることを特徴とする請求項3ないし5のいずれかに
    記載の無段変速機用ベルトのエレメント測定装置。
  7. 【請求項7】 直線状エレメント列を、挟持押圧手段に
    より挟持した状態から押圧したときの、配列方向の圧縮
    量を計測する圧縮量計測手段を設けたことを特徴とする
    請求項2または6記載の無段変速機用ベルトのエレメン
    ト測定装置。
  8. 【請求項8】 直線状エレメント列の配列方向に延長さ
    れて前記直線状エレメント列の全長より短く、かつ前記
    直線状エレメント列の両端の各1枚のエレメントをその
    間のエレメントとともに支持可能で、装置本体に対して
    着脱可能なエレメント仮置き台を備えていることを特徴
    とする請求項2ないし7のいずれかに記載の無段変速機
    用ベルトのエレメント測定装置。
  9. 【請求項9】 エレメント仮置き台のエレメント配列方
    向の長さは、直線状エレメント列の長さよりエレメント
    1枚の厚さ分だけ短く設定してあることを特徴とする請
    求項8記載の無段変速機用ベルトのエレメント測定装
    置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2012513000A (ja) * 2008-12-19 2012-06-07 ローベルト ボツシユ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング 駆動ベルト
CN106949810A (zh) * 2017-04-17 2017-07-14 江苏智拓机械有限公司 一种大直径磁轭片叠装检测装置

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