JP2002303175A - ハイブリッドシステムの制御装置 - Google Patents
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Abstract
ートフィルタを連続再生する際、その再生時間の短縮化
や燃費の低減を図る。 【解決手段】 車両に適用されたハイブリッドシステム
では、運転者の要求する出力に応じてエンジン1を運転
し、その出力で発電機2から駆動用モータ4に給電して
いる。一方、DPF10の再生時にはエンジン1の負荷
を一時的に低下させ、その間に排気の酸素濃度を高めて
DPF10に酸素を供給する。このような低負荷運転を
DPF10の再生中にスパイク状に行い、高い酸素濃度
の排気によってパティキュレートの燃焼を促進する。
Description
電力に変換して駆動用モータを作動させるハイブリッド
システムに係り、特に内燃機関の排気通路に排気を浄化
するためのフィルタを備えたハイブリッドシステムの制
御装置に関する。
置としては、例えば特開平11−210448号公報に
記載されたハイブリッド車の内燃機関制御装置が挙げら
れる。この公知の制御装置は、触媒や空燃比センサ等の
排気浄化設備を活性温度以上に保持するため、例えば触
媒温度が所定温度以下になると電気ヒータに通電し、あ
るいは内燃機関の負荷を通常よりも増加して排気温度を
高めるものとしている。これにより、触媒や空燃比セン
サの温度が適宜活性温度に保たれるので、これら排気浄
化設備の有効活用が図られると考えられる。
関の排気浄化に関しては、公知の制御装置のように触媒
を用いて排気中の有害成分を化学的に転化する場合の他
に、フィルタを用いて排気に含まれるパティキュレート
を物理的に捕集する場合がある。後者の場合、フィルタ
を一定期間連続して使用すると、そこに捕集されたパテ
ィキュレートの堆積量が増えて排気抵抗が増大するた
め、その連続使用のためには再生作業を必要とする。こ
の再生作業を内燃機関の運転時に行うために、例えばフ
ィルタの昇温によるパティキュレートの連続燃焼が行わ
れている。具体的には内燃機関の排気温度を上昇させた
り、あるいは、外部熱源を用いたりしてフィルタを再生
可能温度にまで熱し、その熱でパティキュレートを酸化
させて除去するというものである。
上述した公知の内燃機関制御装置はフィルタを再生可能
な温度にまで昇温させる手段としては利用できるもの
の、パティキュレートの酸化を促進するための手段とし
ては有効ではない。すなわち、フィルタの再生にあって
はその温度条件だけでなく排気中の酸素濃度も重要なフ
ァクタとなるため、単に排気温度を上昇させていても、
その酸素濃度が極端に低い場合はパティキュレートの酸
化が緩慢になり、フィルタの再生には長時間を要するこ
ととなる。このためフィルタ再生時に公知の制御装置を
用いた場合は多くの燃料を消費し、ハイブリッドシステ
ムの燃費悪化を招くおそれがある。
し、ハイブリッドシステムの効率的な運用を実現するこ
とを課題としたものである。
ステムの制御装置(請求項1)は、内燃機関の運転中に
フィルタを再生する場合、フィルタの温度が再生可能な
温度状態にあることを条件として内燃機関の負荷を一時
的に低下させるものである。内燃機関の運転中にその負
荷を一時的に低下させれば、その間に排気の酸素濃度は
一気に増大する。このため一時的にフィルタが高温・高
酸素濃度状態となり、パティキュレートの酸化が大幅に
促進される。また言うまでもなくフィルタの熱容量は充
分に大きいため、負荷の低下によって排気温度が低下し
ても急激にフィルタが冷却されることはない。
プットは、例えば駆動用モータに対する要求出力を賄う
ことが目標となっている。このためシステム内では駆動
用モータに所望の要求出力を発揮させるために必要な電
力を供給するべく内燃機関の負荷が決定されている。上
述のごとく内燃機関の負荷を一時的に低下させること
は、その給電能力の低下を意味することから、その低下
分をバッテリから補償し得る範囲内で上述の制御を行う
ことが望ましいといえる。
テムの制御装置(請求項2)はフィルタの温度状態に加
え、駆動用モータへの要求出力がバッテリからの給電に
より出力可能な範囲にあることを条件として内燃機関の
負荷を一時的に無負荷まで低下させる。この場合、その
システム内でフィルタを通る排気の酸素濃度が最大まで
引き上げられ、パティキュレートの酸化は最も活発とな
る。
は、内燃機関の負荷を一時的に低下させる分、その間の
給電能力の低下をバッテリに依存して補償するものであ
る。このため駆動用モータへの要求出力がバッテリから
の給電により出力可能な最大出力を超えているときは、
その最大出力と要求出力との差分まで出力を低減するべ
く内燃機関の負荷を低下させる(請求項3)。このよう
な制御は特に、システムに大きなアウトプットが要求さ
れていたり、バッテリ容量が低下していたりする場合に
は有効である。
定の時間を要するが、その全体的な所要時間は、パティ
キュレートの酸化を促進するほど短縮可能である。した
がって、フィルタに高酸素濃度の排気を供給する回数や
その1回あたりの時間を増やせば、更に再生時間の短縮
化を図ることができる。このため本発明の制御装置(請
求項4)は、フィルタの温度が高いときほど内燃機関の
負荷を低下させる頻度やその時間を増やすことができ
る。具体的には、所定時間あたりに内燃機関の負荷を低
下させる回数を多くすればその頻度が増え、また、1回
に負荷を低下させる期間を延ばせばその時間が増える。
このような制御が可能となるのは、フィルタ温度はより
高温状態のときほど、排気によって冷却される機会が増
えたとしても再生可能温度以下まで低下しにくくなるこ
とに基づいている。
が堆積していると、その分、再生に要する時間も長くな
る。このような場合には、フィルタの再生を一層促進す
ることで早期に再生を終えることができる。このため本
発明の制御装置(請求項5)はパティキュレートの堆積
量を推定し、その推定した堆積量に応じて内燃機関の負
荷を低下させる頻度を変更することができる。この場
合、堆積量が多いときほど負荷の低下を頻繁に行い、逆
に堆積量が少ないときほど頻度を下げるように制御する
ことが好ましい。
再生時間の短縮につながることは上述した通りである
が、その燃焼熱によってフィルタが過熱すると、極端な
場合は溶損に至るおそれもある。例えば、フィルタの再
生時にパティキュレートの堆積量が極端に多かったり、
あるいはフィルタそのものの温度が極端に高かったりす
る場合、パティキュレートの酸化を大きく促進すると、
かえってフィルタを過熱させる危険性の方が高いともい
える。
は、推定したパティキュレートの堆積量が所定量以上で
ある場合、または、フィルタ温度が所定温度以上である
場合は内燃機関の負荷の低下を禁止し、通常の条件でフ
ィルタの再生を行う。
場合の一実施形態を概略的に示している。このハイブリ
ッド車両のシステムはいわゆるシリーズ式と称されるも
のであり、エンジン1のクランク軸は発電機2のみに接
続されている。エンジン1の出力は発電機2により電力
に変換され、その変換された電力は車両の駆動用モータ
4およびバッテリ6に供給可能となっている。バッテリ
6は二次電池からなり、発電機2から供給される電力を
蓄える一方、駆動用モータ4へ電力を供給可能となって
いる。それゆえ、このハイブリッド車両のシステムで
は、駆動用モータ4は発電機2およびバッテリ6からそ
れぞれ電力の供給を受けて作動する。また駆動用モータ
4の出力軸は、例えば歯車減速機構8を介して車軸に接
続されており、車両の駆動輪Wはモータ出力によって駆
動される。
ンからなり、その排気通路にディーゼルパティキュレー
トフィルタ(以下、単に「DPF」と称する。)10が
配設されている。DPF10はエンジン1の排気に含ま
れるパティキュレート(粒子状物質)を捕集して排気を
浄化する機能を有している。ハイブリッド車両のシステ
ムは、その具体的な作動を制御ユニット(以下、単に
「ECU」と称する。)12によってコントロールされ
ている。例えば、エンジン1の燃料供給系にはコモンレ
ールシステム(図示していない)が採用されており、E
CU12はそのインジェクタに対して作動信号を出力
し、その燃料噴射量や噴射時期等を具体的に制御してい
る。合わせてECU12は発電機2による発電量やバッ
テリ6の充電・放電の動作、駆動用モータ4の出力等を
総合的に制御し、運転者の要求出力に応じたアウトプッ
ト、つまり、駆動輪Wからの駆動力を発生させる機能を
有している。
ョンセンサ14を用いて検出することができ、ECU1
2はアクセルポジションセンサ14からのセンサ信号に
基づいてシステムのアウトプットを制御する。例えば車
両の加速要求等の場合に運転者の要求出力が増加する
と、ECU12はエンジン1の負荷を増やしてその出力
を高め、発電機2から駆動用モータ4への電力供給量を
多くする。この結果、運転者の要求出力の増加分に応じ
たモータ出力の増加が得られ、システムのアウトプット
は要求出力に合致する。また定常的に要求出力が安定し
ている場合、ECU12はエンジン1の負荷を一定に保
持して発電量を安定化させ、あるいはバッテリ6から駆
動用モータ4に給電してシステムのアウトプットを要求
出力に保持する。
した場合の概略的な構成および動作である。ここでEC
U12は更に、ハイブリッド車両の走行中にDPF10
を再生する制御を行う機能も合わせて有している。図1
のハイブリッドシステムにおけるDPF10の再生は、
例えば排気温度の上昇によってその条件を整えることが
できる。この場合、例えばECU12は燃料をポスト噴
射させることにより排気温度を通常負荷よりも上昇さ
せ、その熱でDPF10を昇温させることができる。ポ
スト噴射は例えば、燃料の主噴射後の膨張行程で行わ
れ、このポスト噴射によって供給された燃料は筒内で燃
焼し、その燃焼熱で排気温度を高める。なお、このよう
な制御はフィルタ再生手段の一例といえる。
ていない)を配置している場合は、ポスト噴射によって
未燃HCガスを排気に混入させ、酸化触媒での酸化熱に
よりDPF10の温度を上昇させることもできる。な
お、酸化触媒はDPF10そのものに担持されていても
よい。その他、DPF10を電気ヒータ等により加熱し
て再生を行う態様であってもよい。
生可能な温度に達すると、その温度条件を保持すること
でパティキュレートの酸化が進み、やがて再生作業は終
了する。以上は通常行われるDPF10の連続再生であ
るが、パティキュレートの堆積量が通常よりも多い場合
等は再生時間も長期化する。そこで、ECU12は上述
のようにDPF10の再生を開始すると、次に再生を促
進する必要があるか否かを判断し、その必要があれば再
生促進モードを実施する機能を有している。
例を挙げて説明する。図2は、再生促進モードの実施に
関する制御フローの一例を示している。ECU12はD
PF10の再生制御を開始すると、先ずパティキュレー
トの堆積量を推定する(ステップS1)。堆積量の推定
は例えば、DPF10の出入口間の差圧やエンジン1の
運転継続時間等に基づいて行うことができる。このため
エンジン1の排気通路には、DPF10の前後の位置に
それぞれ排気圧センサ(図示していない)が配置されて
おり、またECU12にはタイマ機能が組み込まれてい
る。排気圧センサを用いる場合、ECU12はそれぞれ
のセンサ信号に基づいてフィルタ差圧を求め、その大き
さからパティキュレートの堆積量を推定することができ
る。またタイマ機能を働かせる場合、ECU12は前回
のフィルタ再生作業が終了した時点から現時点までの経
過時間に基づいて運転継続時間を計測し、その時間的な
長さから堆積量を推定することができる。なお、このよ
うな処理は堆積量推定手段の一例といえる。
いてDPF10の再生促進が必要であるか否かを判断す
る(ステップS2)。例えば、堆積量が通常の再生作業
において許容しうる範囲内にあれば、特に再生促進モー
ドを実行する必要はないと判断できる(NO)。これに
対し、許容範囲を超える量のパティキュレートが堆積し
ている状況にあっては、ECU12は再生促進モードを
実行する必要があるものとして判断する(YES)。な
お、堆積量の許容範囲は、例えば通常の再生時間内で充
分にDPF10の再生が可能なパティキュレートの量を
基準として設定することができる。
は続いてDPF10の温度を検出する(ステップS
3)。図1に示されているように、DPF10には温度
センサ16が設けられており、ECU12はこの温度セ
ンサ16からのセンサ信号に基づいてDPF10の温度
(または雰囲気温度)を検出することができる(温度検
出手段)。
生可能な温度状態にあるか否かを確認する(ステップS
4)。例えば、ECU12はDPF10の温度が所定時
間t1継続して再生可能温度T1を超えていることを確
認した場合(YES)、次に再生促進モードを開始する
(ステップS5)。ここで、再生可能温度T1の具体的
な値としては、例えば約550℃程度を設定することが
できる。また所定時間t1はDPF10の温度が安定し
ていることを判断できる時間として例えば数秒間に設定
することができる。何れにしても、使用するべきフィル
タの仕様に応じて再生可能温度T1や所定時間t1の値
を適宜設定すればよい。
くつかの好ましい実施例を挙げることができ、図2には
第1実施例が示されている。ECU12は再生促進モー
ドを開始すると、運転者の車両要求出力がバッテリ6か
らの給電のみによって駆動用モータ4から出力できる最
大出力の範囲内にあるか否かを判定する(ステップS
6)。なお最大出力の具体的な値はその都度、バッテリ
容量等の条件によって異なったものとなる。
CU12はエンジン1の無負荷運転を開始する(ステッ
プS7)。無負荷運転はエンジン1を負荷のない状態で
運転するものであり、例えばこのとき発電機2による発
電は停止した状態になる。無負荷運転の開始後、所定時
間t2が経過するまでECU12はエンジン1の無負荷
運転を継続する(ステップS8=NO)。そして所定時
間が経過すると(YES)、ECU12はエンジンの無
負荷運転を停止して通常運転に復帰する(ステップS
9)。
後に所定時間t3が経過したかを確認する(ステップS
10)。その所定時間t3が経過していなければ(N
O)、ECU12は次に通常運転へ復帰後に所定時間t
4が経過したかを確認する(ステップS11)。ここ
で、上記の所定時間t2の具体的な値は例えば1秒〜2
秒程度に設定することができる。また、所定時間t3の
値は例えば5分〜10分程度と最も長く、そして、所定
時間t4の値は60秒程度に設定することができる。た
だし、これら時間t2,t3,t4は異なる値に設定す
ることもできるし、また後述のようにDPF10の温度
や堆積量等の条件に応じて変更することもできる。
記の所定時間t4が経過すると(ステップS11=YE
S)ECU12は車両要求出力の判定に戻り(ステップ
S6)、再度エンジン1の無負荷運転を開始する(ステ
ップS7)。図3は、再生促進モードの実行による各種
状態の時間的な変化を示している。図3のエンジン負荷
の変化に示されているように、再生促進モードを開始し
た時点aから上記の所定時間t3が経過するまでの間、
ECU12は所定時間t4の間隔をおいて無負荷運転を
繰り返し実施していることが理解される。また酸素濃度
の変化から明らかなように、エンジン1の無負荷運転が
行われている間(所定時間t2)、DPF10を通る排
気の酸素濃度は一気に高くなっている。このような負荷
または酸素濃度の急激な変化の様子が観察されることか
ら、本発明において一時的にエンジン1の負荷を低下さ
せることを「軽負荷スパイク運転」と称することができ
る。
期間(所定時間t2)は、駆動用モータ4にはバッテリ
6から給電されるので、車両要求出力に対して駆動力が
一時的に低下することはない。なお、「軽負荷スパイク
運転」の間に排気温度が低下するためDPF10の温度
は一時的に低下しているが、DPF10の熱容量が充分
大きいためにDPF10の温度が再生可能温度T1を下
回ることはない。
実施するとDPF10が一時的に高温・高酸素濃度の状
態となり、パティキュレートの酸化が一気に促進され
る。このため「軽負荷スパイク運転」を停止しても、そ
れ以降の酸化が活発となり、DPF10の再生が促進さ
れることになる。「軽負荷スパイク運転」には、上述の
ようにエンジン1を無負荷の状態で運転するだけでな
く、一時的に低負荷で運転する場合もある。具体的に
は、上述した車両要求出力の判定(ステップS6)にお
いて、バッテリ6からの給電により出力可能な最大出力
を超えていると判定されたとき(NO)、ECU12は
演算によりエンジン1の負荷を決定し、その結果に基づ
いてエンジン1の負荷を一時的に低下させる(ステップ
S12)。具体的には、車両要求出力から最大出力を減
算し、その差分の出力に応じてエンジン1の負荷を決定
する。
および発電機2の双方から給電される。このうち、バッ
テリ6からの給電による最大出力と、エンジン1の負荷
に応じた発電による出力との合算により駆動用モータ4
の出力が得られ、結果としてシステムのアウトプットは
要求出力に合致する。なお、制御上は無負荷運転の処理
(ステップS7)を迂回しているので、所定時間t2経
過の判定は低負荷運転を開始した時点から行われる(ス
テップS8)。このような低負荷運転の場合であって
も、エンジン負荷や酸素濃度の変化の様子は無負荷運転
の場合と同様の結果が観測される(図3参照)。
例を示している。この場合、上述した再生促進モードの
開始処理(ステップS5)をサブルーチンとして構成す
ることができる。ECU12はDPF10の温度が所定
温度T2を超えているか否か、あるいは、推定したパテ
ィキュレートの堆積量が所定量Gを超えているか否かを
判定する(ステップS51)。
合、ECU12はDPF10の温度に基づいて上記の所
定時間t2,t3,t4等の値を設定する(ステップS
52)。例えば、DPF10の温度が充分に高ければ、
「軽負荷スパイク運転」の実施によりDPF10が冷却
されてもその温度は再生可能温度を下回らないといえ
る。このため、ECU12はDPF10の温度が高いと
きほど所定時間t2を延長し、あるいは、所定時間t4
を短縮して「軽負荷スパイク運転」の頻度やその時間を
増やすようにする。具体的には、ECU12には予め、
DPF10の温度に応じて「軽負荷スパイク運転」の頻
度および時間を設定するためのマップが与えられてお
り、ECU12はこのマップを検索して所定時間t2,
t4等を設定することができる。また、このとき再生促
進モードを終了するまでの時間t3を合わせて変更する
ようにしてもよい。
を終えると、ECU12は図2のメインルーチンに復帰
し、車両要求出力の判定処理(ステップS6)に移行す
る。図5は、再生促進モードに関する第3実施例を示し
ている。この場合も、同様に再生促進モードの開始処理
(ステップS5)がサブルーチンとして構成されてい
る。
またはパティキュレートの堆積量の条件を判定する処理
(ステップS51)は第2実施例の場合と同様である。
上記の判定が何れも不成立(NO)の場合、ECU12
は推定したパティキュレートの堆積量に基づいて上記の
所定時間t2,t3,t4等の値を設定する(ステップ
S53)。例えば、パティキュレートの堆積量が多い場
合、「軽負荷スパイク運転」を頻繁に実施し、逆に堆積
量があまり多くない場合は「軽負荷スパイク運転」の頻
度を減らしてもよい。
ュレートの堆積量が多いときほど所定時間t4を短縮し
て「軽負荷スパイク運転」を頻繁に実施し、逆に堆積量
が少ないときほど所定時間t4を延長して「軽負荷スパ
イク運転」の頻度を減らすようにする。ECU12には
予め、パティキュレートの堆積量に応じて「軽負荷スパ
イク運転」の頻度を設定するためのマップが与えられて
おり、ECU12はこのマップを検索して所定時間t4
を設定することができる。また、このとき「軽負荷スパ
イク運転」の1回あたりの時間t2や、再生促進モード
を終了するまでの時間t3を合わせて変更するようにし
てもよい。
っては、最初の判定(ステップS51)においてDPF
10の温度が所定温度T2を超えている場合、または、
推定堆積量が所定量Gを超えている場合はその判定が成
立(YES)する。この場合、ECU12は再生促進モ
ードを禁止するものとする(ステップS54)。再生促
進モードの禁止は、例えばDPF10の温度が極端に高
い場合やパティキュレートの堆積量が極端に多い場合に
「軽負荷スパイク運転」の実施を禁止するものである。
これらの場合、「軽負荷スパイク運転」によってパティ
キュレートの酸化が促進されると、その燃焼熱でDPF
10が過熱し、溶損に至る危険性が高いことを考慮した
ものである。なお、所定温度T2や所定量Gの具体的な
値は、実際に使用するべきDPF10の材質やその耐熱
温度等の仕様に応じて適宜決定することができる。
2はそれ以降の処理を終了する。この場合、ECU12
は図2のルーチンを終了し、上述した通常時の制御(ポ
スト噴射等)によりDPF10の再生を続行する。上述
した第1実施例の場合、「軽負荷スパイク運転」の実施
によりパティキュレートの燃焼が活発化し、早期にフィ
ルタ差圧が低下する。このため、DPF2の再生作業に
要する時間を大幅に短縮することができる。なお、再生
作業の終了時期は例えばフィルタ差圧の低下によって判
断することができる。
温度やパティキュレートの堆積量に応じて適切な態様に
より再生促進が実現され、再生時の諸条件の違いを考慮
したきめ細かな制御が可能となる。合わせて再生促進モ
ードの禁止条件を判断しているため、DPF10の信頼
性を大きく向上させている。このようなDPF10の再
生促進により、ハイブリッドシステム全体として再生作
業の実施回数を少なくすることが可能となる。すなわ
ち、1回の再生作業で除去できるパティキュレートの量
を従来よりも多めに見込むことが可能となるため、DP
F10の再生頻度を低減することが可能となる。一方、
再生作業の促進は1回あたりの燃料消費量を低減し、ハ
イブリッドシステム全体としての省燃費化に大きく寄与
する。
ことなく、各種の形態により実施可能である。例えば、
本発明が適用されるハイブリッド車両の形態は乗用車だ
けでなく、トラックやバス等の大型車両にも適合する。
ただし、本発明は車両以外にも適用可能である。再生促
進モードの実施例においては、「軽負荷スパイク運転」
についてエンジン1を無負荷または低負荷の何れか一方
のみに低下させる場合を挙げているが、例えば、車両の
走行過程で運転者の要求出力が過渡的に変動した場合、
その判定結果(ステップS6)に基づいて無負荷から低
負荷へ移行したり、あるいは、低負荷から無負荷へ移行
したりする場合もあり得る(ステップS7,S12)。
は何れも好ましい例示であり、その具体的な処理の内容
や手順等は適宜書き換えて実施可能である。
置(請求項1)は、フィルタの再生に要する期間やその
回数を低減し、システムの省燃費性やその信頼性を大き
く向上する。特に、内燃機関の負荷を無負荷まで低下さ
せる場合(請求項2)、システム内の最も高い酸素濃度
を作り出すことができ、最大の再生促進効果が得られ
る。一方、再生促進時に要求出力を犠牲にすることはな
いので(請求項3)、ハイブリッドシステムの挙動が不
安定化することはない。
ート堆積量等に応じて再生促進の頻度を調節する機能を
有するため(請求項4,5)、ハイブリッドシステムの
利用状態に合わせて好ましい制御が可能となる。更に再
生促進の禁止条件をも合わせて考慮していれば(請求項
6)、安全性や信頼性の面で大きな優位性を誇る。
した一実施形態を表す概略図である。
ーチャートである。
な変化を表すグラフである。
すフローチャートである。
すフローチャートである。
Claims (6)
- 【請求項1】 内燃機関の出力を電力に変換して駆動用
モータおよびバッテリに給電するとともに前記バッテリ
からも前記駆動用モータに給電可能に構成された電力供
給系と、前記内燃機関の排気通路に設けられて排気に含
まれるパティキュレートを捕集するフィルタとを備えた
ハイブリッドシステムにおいて、 前記フィルタの温度を検出する温度検出手段と、 前記内燃機関が運転中で前記フィルタの温度がその再生
可能な温度状態にあるとき、前記内燃機関の負荷を一時
的に低下させる制御手段とを具備したことを特徴とする
ハイブリッドシステムの制御装置。 - 【請求項2】 内燃機関の出力を電力に変換して駆動用
モータおよびバッテリに給電するとともに前記バッテリ
からも前記駆動用モータに給電可能に構成された電力供
給系と、前記内燃機関の排気通路に設けられて排気に含
まれるパティキュレートを捕集するフィルタとを備えた
ハイブリッドシステムにおいて、 前記フィルタの温度を検出する温度検出手段と、 前記内燃機関が運転中で前記フィルタの温度がその再生
可能な温度状態にあり、かつ、前記駆動用モータへの要
求出力が前記バッテリからの給電により出力可能な範囲
内にあるとき、前記内燃機関の負荷を一時的に無負荷ま
で低下させる制御手段とを具備したことを特徴とするハ
イブリッドシステムの制御装置。 - 【請求項3】 内燃機関の出力を電力に変換して駆動用
モータおよびバッテリに給電するとともに前記バッテリ
からも前記駆動用モータに給電可能に構成された電力供
給系と、前記内燃機関の排気通路に設けられて排気に含
まれるパティキュレートを捕集するフィルタとを備えた
ハイブリッドシステムにおいて、 前記フィルタの温度を検出する温度検出手段と、 前記駆動用モータへの要求出力に応じた電力を得るため
に前記内燃機関が運転中であって前記フィルタの温度が
その再生可能な温度状態にあり、かつ、前記駆動用モー
タへの要求出力が前記バッテリからの給電により出力可
能な最大出力を超えているとき、この最大出力と前記要
求出力との差分まで出力を低減するべく前記内燃機関の
負荷を一時的に低下させる制御手段とを具備したことを
特徴とするハイブリッドシステムの制御装置。 - 【請求項4】 前記制御手段は、前記フィルタの温度が
高いときほど所定時間あたりに前記内燃機関の負荷を低
下させる頻度および時間の少なくとも一方を増やすこと
を特徴とする請求項1から3の何れかに記載のハイブリ
ッドシステムの制御装置。 - 【請求項5】 前記制御手段は、前記フィルタに捕集さ
れたパティキュレートの堆積量を推定し、その推定した
堆積量に応じて所定時間あたりに前記内燃機関の負荷を
低下させる頻度を変更することを特徴とする請求項1か
ら3の何れかに記載のハイブリッドシステムの制御装
置。 - 【請求項6】 前記制御手段は、前記フィルタに捕集さ
れたパティキュレートの堆積量を推定し、その推定した
堆積量が所定量以上の場合および前記フィルタの温度が
所定温度以上の場合の少なくとも一方にあっては、前記
内燃機関の負荷を低下させることを禁止することを特徴
とする請求項1から3の何れかに記載のハイブリッドシ
ステムの制御装置。
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