JP2002303144A - 複動式ピストン過給機 - Google Patents

複動式ピストン過給機

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JP2002303144A JP2001104126A JP2001104126A JP2002303144A JP 2002303144 A JP2002303144 A JP 2002303144A JP 2001104126 A JP2001104126 A JP 2001104126A JP 2001104126 A JP2001104126 A JP 2001104126A JP 2002303144 A JP2002303144 A JP 2002303144A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 蓄圧室を備えた複動式ピストン過給機の部品
点数をできるだけ削減する。 【解決手段】 複動式ピストン過給機は、クランクシャ
フト52により一体に作動する一対のピストン62U,
62Lをシリンダブロック54に形成した共通のシリン
ダ54aに摺動自在に支持し、そのシリンダ54aの両
端に形成した一対の圧縮室69U,69Lを蓄圧室73
を介してエンジンの燃焼室に接続してなる。蓄圧室73
をシリンダブロック54の内部に一体に形成したので、
蓄圧室73を別体に形成する場合に比べて部品点数の削
減および寸法の小型化が可能になるだけでなく、圧縮室
69U,69Lおよび蓄圧室73をシリンダブロック5
4の外部に配置したパイプで連通させる必要がなくなる
ため、パイプそのものと該パイプのシール部材とが不要
になって部品点数や組付工数が更に削減される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、一体に作動する一
対のピストンをシリンダブロックに形成した共通のシリ
ンダに摺動自在に支持し、そのシリンダの両端に形成し
た一対の圧縮室を蓄圧室および過給バルブを介してエン
ジンの燃焼室に接続した複動式ピストン過給機に関す
る。
【0002】
【従来の技術】かかる複動式ピストン過給機は、特開2
000−87754号公報により公知である。またエア
クリーナと吸気弁とを接続する吸気通路にスクリューポ
ンプ式の過給機を備えたエンジンにおいて、過給機と吸
気ポートとの間に蓄圧室(リザーバ)を配置するとによ
り過給圧の脈動を防止するものが、特公昭56−104
51号公報により公知である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記特開2
000−87754号公報に記載されたものは、過給機
のシリンダブロックの両端に形成した一対の圧縮室を、
該シリンダブロックの外部に設けた吸入用のパイプおよ
び排出用のパイプで相互に連通させているので、それら
パイプ自体によって部品点数が増加するだけでなく、パ
イプの接続部のシール部材によって更に部品点数が増加
する問題があった。また上記特公昭56−10451号
公報に記載されたものは、過給機のケーシングと蓄圧室
とが別部材で構成されているため、部品点数が増加して
吸気系をコンパクトに構成するのが難しくなるという問
題があった。
【0004】本発明は前述の事情に鑑みてなされたもの
で、蓄圧室を備えた複動式ピストン過給機の部品点数を
できるだけ削減することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に記載された発明によれば、一体に作動す
る一対のピストンをシリンダブロックに形成した共通の
シリンダに摺動自在に支持し、そのシリンダの両端に形
成した一対の圧縮室を蓄圧室および過給バルブを介して
エンジンの燃焼室に接続した複動式ピストン過給機にお
いて、前記蓄圧室を前記シリンダブロックに一体に形成
したことを特徴とする複動式ピストン過給機が提案され
る。
【0006】上記構成によれば、複動式ピストン過給機
のシリンダブロックに蓄圧室を一体に形成したので、シ
リンダブロックに対して蓄圧室を別部材で構成する場合
に比べて部品点数の削減および寸法の小型化が可能にな
るだけでなく、圧縮室および蓄圧室をシリンダブロック
の外部に配置したパイプで連通させる必要がなくなるた
め、パイプそのものと該パイプのシール部材とが不要に
なって部品点数や組付工数が更に削減される。
【0007】また請求項2に記載された発明によれば、
請求項1の構成に加えて、前記シリンダブロックは第1
シリンダブロック半体および第2シリンダブロック半体
をシリンダ軸線方向に結合して構成され、それら第1シ
リンダブロック半体および第2シリンダブロック半体間
に前記蓄圧室を区画したことを特徴とする複動式ピスト
ン過給機が提案される。
【0008】上記構成によれば、シリンダブロックを第
1シリンダブロック半体および第2シリンダブロック半
体に2分割し、両シリンダブロック半体間に蓄圧室を区
画したので、蓄圧室のシールが容易であるばかりか、蓄
圧室の加工およびメンテナンスも容易になる。
【0009】また請求項3に記載された発明によれば、
一体に作動する一対のピストンをシリンダブロックに形
成した共通のシリンダに摺動自在に支持し、そのシリン
ダの両端に形成した一対の圧縮室を蓄圧室および過給バ
ルブを介してエンジンの燃焼室に接続した複動式ピスト
ン過給機において、前記一対の圧縮室の何れか一つに吸
気を導入する吸入ポートを前記シリンダブロックに一体
に形成したことを特徴とする複動式ピストン過給機が提
案される。
【0010】上記構成によれば、複動式ピストン過給機
のシリンダの両端に形成した一対の圧縮室の何れか一つ
に吸気を導入する吸入ポートをシリンダブロックに一体
に形成したので、シリンダブロックの外部に配置したパ
イプで一対の圧縮室を連通させる場合に比べて、パイプ
そのものと該パイプのシール部材とが不要になって部品
点数や組付工数が削減される。
【0011】また請求項4に記載された発明によれば、
請求項3の構成に加えて、前記シリンダブロックの一端
側から一方の圧縮室に吸気を導入するとともに、前記シ
リンダブロックの一端側から前記吸入ポートを介して他
方の圧縮室に吸気を導入することを特徴とする複動式ピ
ストン過給機が提案される。
【0012】上記構成によれば、シリンダブロックの一
端側から一方の圧縮室に吸気を導入し、その一端側から
シリンダブロックに形成した吸入ポートを介して他端側
の他方の圧縮室に吸気を導入するので、各々の圧縮室に
独立して吸気を導入する場合に比べて吸気系の構成を簡
素化することができる。
【0013】また請求項5に記載された発明によれば、
請求項3の構成に加えて、前記吸入ポートを前記シリン
ダの外周を囲むように円弧状に形成したことを特徴とす
る複動式ピストン過給機が提案される。
【0014】上記構成によれば、一対の圧縮室を接続す
る吸入ポートを、シリンダの外周を囲むように円弧状に
形成したので、吸入ポートを設けたことによるシリンダ
ブロックの径方向寸法の増加を最小限に抑えることがで
きる。
【0015】尚、実施例の第1ピストン62Uおよび第
2ピストン62Lは本発明のピストンに対応し、実施例
の第1圧縮室69Uおよび第2圧縮室69Lは本発明の
圧縮室に対応する。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、添
付図面に示した本発明の実施例に基づいて説明する。
【0017】図1〜図11は本発明の第1実施例を示す
もので、図1は エンジンの縦断面図、図2は図1の2
−2線断面図、図3は図2の3方向矢視図、図4は図3
の4−4線断面図、図5は図4の5−5線断面図、図6
は図4の6−6線断面図、図7は図4の7−7線矢視
図、図8は図4の8−8線矢視図、図9は過給機の部分
分解図、図10は弁板およびリード弁の分解斜視図、図
11は過給機の作用を示す、前記図5に対応する図であ
る。
【0018】図1および図2に示すように、単気筒4サ
イクルエンジンEの外郭は、クランクケース11と、シ
リンダブロック12と、シリンダヘッド13と、ヘッド
カバー14とで構成されており、クランクケース11に
一対のボールベアリング15,15で支持したクランク
シャフト16と、シリンダスリーブ17に摺動自在に嵌
合するピストン18とが、コネクティングロッド19を
介して相互に連結される。シリンダヘッド12に燃焼室
20に連通する吸気ポート21、排気ポート22および
過給ポート23が形成されており、それら吸気ポート2
1、排気ポート22および過給ポート23がそれぞれ吸
気バルブ24、排気バルブ25および過給バルブ26に
より開閉される。
【0019】シリンダヘッド13の中央部には1本のカ
ムシャフト27が一対のボールベアリング28,28を
介して支持されており、そのカムシャフト27の一端に
固定した従動スプロケット29と、クランクシャフト1
6に固定した駆動スプロケット30とがタイミングチェ
ーン31を介して接続される。クランクケース11に
は、タイミングチェーン31に張力を与えるためのテン
ションスプロケット32が設けられる。シリンダヘッド
13に固定した吸気ロッカーシャフト33および排気ロ
ッカーシャフト34に、それぞれ吸気ロッカーアーム3
5および排気ロッカーアーム36の中間部が揺動自在に
支持される。吸気ロッカーアーム35の一端はカムシャ
フト27に設けた吸気カム37に当接し、他端に設けた
アジャストスクリュー38が吸気バルブ24のステムエ
ンドに当接する。また排気ロッカーアーム36の一端は
カムシャフト27に設けた排気カム39に当接し、他端
に設けたアジャストスクリュー40が排気バルブ25の
ステムエンドに当接する。また過給バルブ26は、カム
シャフト27に設けた過給カム41により直接的に駆動
される。
【0020】而して、クランクシャフト16の回転が駆
動スプロケット30、タイミングチェーン31および従
動スプロケット29を介して伝達されるカムシャフト2
7がクランクシャフト16の2分の1の回転数で回転す
ると、カムシャフト27に設けた吸気カム37により吸
気ロッカーアーム35を介して吸気バルブ24が開閉駆
動されるとともに、カムシャフト27に設けた排気カム
39により排気ロッカーアーム36を介して排気バルブ
25が開閉駆動され、更にカムシャフト27に設けた過
給カム41により過給バルブ26が開閉駆動される。過
給バルブ26は例えば吸気行程の末期に短期間だけ開弁
し、圧縮された空気を燃焼室20の供給してエンジンE
の出力を向上させる。
【0021】次に、燃焼室20に供給する空気を加圧す
るための過給機Cの構造を、図3〜図10を併せて参照
しながら説明する。
【0022】過給機CはエンジンEのシリンダヘッド1
3に支持したカムシャフト27の一端側の側面(従動ス
プロケット29と反対側の側面)を覆うカバー51(図
2参照)に支持されるもので、カムシャフト27の一端
に同軸にスプライン結合されたクランクシャフト52を
備える。クランクシャフト52を一対のボールベアリン
グ53,53を介して支持するシリンダブロック54
は、クランクシャフト52の軸線を含む平面で上側の第
1シリンダブロック半体55Uと、下側の第2シリンダ
ブロック半体55Lとに分割されており、カムシャフト
27寄りのボールベアリング53の外側にシール部材5
6(図4参照)が挟持される。
【0023】第1シリンダブロック半体55Uの上面
に、薄い金属板で形成された第1吸入リードバルブ57
Uと、金属板よりなる第1弁板58Uと、薄い金属板で
形成された第1排出リードバルブ59Uと、第1シリン
ダヘッド60Uとが積層され、第2シリンダブロック半
体55Lの下面に、薄い金属板で形成された第2吸入リ
ードバルブ57Lと、金属板よりなる第2弁板58L
と、薄い金属板で形成された第2排出リードバルブ59
Lと、第2シリンダヘッド60Lとが積層される。そし
て上方から挿入される4本のボルト61…で、第1シリ
ンダヘッド60U、第1排出リードバルブ59U、第1
弁板58U、第1吸入リードバルブ57U、第1シリン
ダブロック半体55U、第2シリンダブロック半体55
L、第2吸入リードバルブ57L、第2弁板58L、第
2排出リードバルブ59Lおよび第2シリンダヘッド6
0Lが共締めされる。
【0024】シリンダブロック54に形成したシリンダ
54a内部に、上側の第1ピストン62Uおよび下側の
第2ピストン62Lが摺動自在に嵌合する。クランクシ
ャフト52に設けたクランクピン63と第1ピストン6
2Uに支持したピストンピン64とがコネクティングロ
ッド65を介して連結されており、第2ピストン62L
から上方に長く延びるスカート部62aが前記ピストン
ピン64に連結される。クランクピン63とコネクティ
ングロッド65の大端部との間にはニードルベアリング
66が配置され、ピストンピン64とコネクティングロ
ッド65の小端部との間にはニードルベアリング67が
配置される。第2ピストン62Lのスカート部62aが
偏心回転するクランクピン63と干渉しないように、ス
カート部62aにはクランクピン63の長手方向に延び
る開口68(図4および図5参照)が形成される。
【0025】而して、カムシャフト27に直結された過
給機Cのクランクシャフト52が回転すると、クランク
ピン63、コネクティングロッド65およびピストンピ
ン64を介して第1ピストン62Uが駆動され、これと
同時にピストンピン64に接続されたスカート部62a
を介して第2ピストン62Lが駆動される。このとき、
第1ピストン62Uおよび第2ピストン62Lは180
°位相がずれた状態で同期して往復動する。
【0026】第1ピストン62Uの頂面と第1弁板58
Uとの間に第1圧縮室69U(図11参照)が区画さ
れ、第1シリンダヘッド60Uと第1弁板58Uとの間
に第1吸入室70Uおよび第1排出室71Uが区画され
る。また第2ピストン62Lの頂面と第2弁板58Lと
の間に第2圧縮室69L(図5参照)が区画され、第2
シリンダヘッド60Lと第2弁板58Lとの間に第2吸
入室70Lおよび第2排出室71Lが区画される。
【0027】図10には、第1吸入リードバルブ57
U、第1弁板58Uおよび第1排出リードバルブ59U
の形状が示される。第1弁板58Uは、4本のボルト6
1…が貫通する4個のボルト孔58a…と、吸入ポート
連通孔58bと、排出ポート連通孔58cと、吸入孔5
8dと、排出孔58eとが形成される。第1吸入リード
バルブ57Uには、4本のボルト61…が貫通する4個
のボルト孔57a…と、吸入ポート連通孔57bと、排
出ポート連通孔57cと、舌片状の吸入リード57dと
が形成される。第1排出リードバルブ59Uには、4本
のボルト61…が貫通する4個のボルト孔59a…と、
吸入ポート連通孔59bと、排出ポート連通孔59c
と、舌片状の排出リード59dとが形成される。
【0028】第1吸入リードバルブ57U、第1弁板5
8Uおよび第1排出リードバルブ59Uを積層したと
き、各々のボルト孔57a…,58a…,59a…は相
互に重なり合い、各々の吸入ポート連通孔57b,58
b,59bは相互に重なり合い、各々の排出ポート連通
孔57c,58c,59cは相互に重なり合う。そして
第1吸入リードバルブ57Uの舌片状の吸入リード57
dが第1弁板58Uの吸入孔58dの下面に当接可能に
対向し、第1排出リードバルブ59Uの舌片状の排出リ
ード59dが第1弁板58Uの排出孔58eの上面に当
接可能に対向する。吸入リード57dが下方に撓んで吸
入孔58dを開放したとき、吸入リード57dの先端は
第1シリンダブロック半体55Uのストッパ55a(図
11参照)に当接する。また排出リード59dが上方に
撓んで排出孔58eを開放したとき、排出リード59d
の先端は第1シリンダヘッド60Uのストッパ60a
(図5参照)に当接する。
【0029】第1、第2シリンダブロック半体55U,
55Lの内部には吸入ポート72が区画される。吸入ポ
ート72はシリンダブロック54のシリンダ54aの外
周を囲むように円弧状に湾曲した水平断面形状を有して
上下方向に延びており、その上端は吸入ポート連通孔5
7b,58b,59bを介して第1シリンダヘッド60
Uの第1吸入室70Uに連通し、その下端は吸入ポート
連通孔57b,58b,59bを介して第2シリンダヘ
ッド60Lの第2吸入室70Lに連通する。また第1、
第2シリンダブロック半体55U,55Lの内部には排
出ポートを兼ねるび蓄圧室73が区画される。蓄圧室7
3は上下方向に延びており、その上端は排出ポート連通
孔57c,58c,59cを介して第1シリンダヘッド
60Uの第1排出室71Uに連通し、その下端は排出ポ
ート連通孔57c,58c,59cを介して第2シリン
ダブロック半体55Lに形成された第2排出室71Lに
連通する。排出ポートを兼ねるび蓄圧室73は第1、第
2シリンダブロック半体55U,55Lに跨がってお
り、第2シリンダブロック半体55Lに形成された部分
の容積が、第1シリンダブロック半体55Uに形成され
た部分の容積よりも大きくなっている。
【0030】尚、第2吸入リードバルブ57L、第2弁
板58Lおよび第2排出リードバルブ59Lの形状は、
第1、第2シリンダブロック半体55U,55Lの結合
面に対して、第1吸入リードバルブ57U、第1弁板5
8Uおよび第1排出リードバルブ59Uの形状と面対称
であるため、重複する説明は省略する。
【0031】第2シリンダヘッド60Lの第2吸入室7
0Lは、吸入パイプ74(図2および図5参照)を介し
て図示せぬエアクリーナに連通し、第1、第2シリンダ
ブロック半体55L,55R間に区画された蓄圧室73
は吐出口73aおよび過給パイプ75(図2参照)を介
して過給ポート23に連通する。蓄圧室73には吐出圧
を検出する圧力センサ50が設けられる。
【0032】尚、シリンダ54a内に収納した第1、第
2ピストン62U,62Lの摺動部等の潤滑は、第1シ
リンダブロック半体55Uに形成した油路76(図5参
照)を介して供給される潤滑油により行われる。
【0033】次に、上記構成を備えた本発明の実施例の
作用について説明する。
【0034】エンジンEの運転に伴ってクランクシャフ
ト16によりタイミングチェーン31を介してカムシャ
フト27が駆動されると、カムシャフト27に直結した
過給機Cのクランクシャフト52が回転する。クランク
シャフト52が回転するとコネクティングロッド65を
介して第1、第2ピストン62U,62Lがシリンダ5
4a内を一体に上下動する。図5に示すように、第1、
第2ピストン62U,62Lが上動するとき、第1ピス
トン62Uにより第1圧縮室69Uの容積が減少して圧
力が上昇するため、第1排出リードバルブ59Uの排出
リード59dが上方に撓み、第1圧縮室69U内の空気
が第1排出室71Uを経て蓄圧室73に供給される。こ
れと同時に第2ピストン62Lにより第2圧縮室69L
の容積が増加して圧力が低下するため、第2吸入リード
バルブ57Lの吸入リード57dが上方に撓み、第2吸
入室70L内の空気が第2圧縮室69Lに供給される。
【0035】クランクシャフト52が更に回転して第
1、第2ピストン62U,62Lがシリンダ54a内を
一体に下動するとき、図11に示すように、第1ピスト
ン62Uにより第1圧縮室69Uの容積が増加して圧力
が低下するため、第1吸入リードバルブ57Uの吸入リ
ード57dが下方に撓み、第2吸入室70L内の空気が
吸入ポート72および第1吸入室70Uを経て第1圧縮
室69Uに供給される。これと同時に第2ピストン62
Lにより第2圧縮室69Lの容積が減少して圧力が増加
するため、第2排出リードバルブ59Lの排出リード5
9dが下方に撓んで第2圧縮室69L内の空気が蓄圧室
73に供給される。
【0036】このようにして、第1、第2ピストン62
U,62Lの往復動に伴って吸入パイプ74から吸入さ
れた空気は第1、第2圧縮室69U,69Lで交互に圧
縮されて蓄圧室73に蓄圧される。そして過給バルブ2
6が開弁した瞬間に、蓄圧室73の高圧の空気は過給パ
イプ75、過給ポート23および過給バルブ26を経て
燃焼室20に供給され、エンジンEの出力を増加させ
る。第1、第2ピストン62U,62Lの位相が180
°ずれているため、吐出圧の脈動を減少させることがで
き、更に蓄圧室73が圧力緩衝作用を発揮することで、
過給圧の脈動を更に効果的に減少させることができる。
【0037】以上のように、過給機Cのシリンダブロッ
ク54の内部に蓄圧室73を一体に形成したので、その
蓄圧室73をシリンダブロック54と別体に構成する場
合に比べて部品点数を削減することができる。しかも蓄
圧室73を第1、第2シリンダヘッド60U,60Lの
内部に形成した第1、第2排出室71U,71Lを介し
て第1、第2圧縮室69U,69Lに接続することがで
きるので、パイプの取りまわしやパイプの接続部のシー
ルが不要になり、部品点数および組付工数を更に減少さ
せることができる。
【0038】また第2吸入室70Lを第1吸入室70U
に接続する吸入ポート72をシリンダブロック54の内
部に一体に形成したので、その吸入ポート72をパイプ
で構成してシリンダブロック54の外部に配置する場合
に比べて、部品点数や組付工数を削減することができ
る。しかも第1、第2吸入室70U,70Lにそれぞれ
対応して2本の吸入パイプを接続する場合に比べて、吸
気系の構造を簡素化することができる。更に、吸入ポー
ト72の水平断面形状はシリンダ54aを囲むように円
弧状に形成されているため、吸入ポート72を形成した
ことによるシリンダブロック54の寸法増加を最小限に
抑えることができる。
【0039】また蓄圧室73および吸入ポート72は、
第1シリンダブロック半体55Uおよび第2シリンダブ
ロック半体55Lの結合により区画されるので、蓄圧室
73および吸入ポート72の加工やメンテナンスが容易
であるばかりか、第1、第2シリンダブロック半体55
U,55Lを結合するだけで蓄圧室73および吸入ポー
ト72をシールすることが可能となってシール性が向上
する。
【0040】次に、図12および図13に基づいて本発
明の第2実施例を説明する。
【0041】第2実施例は吸入ポート72の構造におい
て第1実施例と異なっている。即ち、図5に示す第1実
施例では、吸入ポート72が第1シリンダブロック半体
55Uおよび第2シリンダブロック半体55Lに跨がっ
て形成されているが、第2実施例では第1シリンダヘッ
ド60Uの左端部に、第1、第2シリンダブロック半体
55U,55Lの側面に沿って下方に延びる側壁部60
bが形成されており、その側壁部60bの下端は第2シ
リンダヘッド60bに当接している。そして第1シリン
ダヘッド60Uの側壁部60bの内部に、第1吸入室7
0Uおよび第2吸入室70Lを接続する吸入ポート72
が形成される。
【0042】而して、本第2実施例によっても、第1実
施例と同様の作用効果を達成することができる。
【0043】以上、本発明の実施例を詳述したが、本発
明はその要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更を行う
ことが可能である。
【0044】
【発明の効果】以上のように請求項1に記載された発明
によれば、複動式ピストン過給機のシリンダブロックに
蓄圧室を一体に形成したので、シリンダブロックに対し
て蓄圧室を別部材で構成する場合に比べて部品点数の削
減および寸法の小型化が可能になるだけでなく、圧縮室
および蓄圧室をシリンダブロックの外部に配置したパイ
プで連通させる必要がなくなるため、パイプそのものと
該パイプのシール部材とが不要になって部品点数や組付
工数が更に削減される。
【0045】また請求項2に記載された発明によれば、
シリンダブロックを第1シリンダブロック半体および第
2シリンダブロック半体に2分割し、両シリンダブロッ
ク半体間に蓄圧室を区画したので、蓄圧室のシールが容
易であるばかりか、蓄圧室の加工およびメンテナンスも
容易になる。
【0046】また請求項3に記載された発明によれば、
複動式ピストン過給機のシリンダの両端に形成した一対
の圧縮室の何れか一つに吸気を導入する吸入ポートをシ
リンダブロックに一体に形成したので、シリンダブロッ
クの外部に配置したパイプで一対の圧縮室を連通させる
場合に比べて、パイプそのものと該パイプのシール部材
とが不要になって部品点数や組付工数が削減される。
【0047】また請求項4に記載された発明によれば、
シリンダブロックの一端側から一方の圧縮室に吸気を導
入し、その一端側からシリンダブロックに形成した吸入
ポートを介して他端側の他方の圧縮室に吸気を導入する
ので、各々の圧縮室に独立して吸気を導入する場合に比
べて吸気系の構成を簡素化することができる。
【0048】また請求項5に記載された発明によれば、
一対の圧縮室を接続する吸入ポートを、シリンダの外周
を囲むように円弧状に形成したので、吸入ポートを設け
たことによるシリンダブロックの径方向寸法の増加を最
小限に抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】エンジンの縦断面図
【図2】図1の2−2線断面図
【図3】図2の3方向矢視図
【図4】図3の4−4線断面図
【図5】図4の5−5線断面図
【図6】図4の6−6線断面図
【図7】図4の7−7線矢視図
【図8】図4の8−8線矢視図
【図9】過給機の部分分解図
【図10】弁板およびリード弁の分解斜視図
【図11】過給機の作用を示す、前記図5に対応する図
【図12】本発明の第2実施例に係る、前記6に対応す
る図
【図13】図12の13−13線断面図
【符号の説明】
20 燃焼室 26 過給バルブ 54 シリンダブロック 54a シリンダ 55U 第1シリンダブロック半体 55L 第2シリンダブロック半体 62U 第1ピストン(ピストン) 62L 第1ピストン(ピストン) 69U 第1圧縮室(圧縮室) 69L 第1圧縮室(圧縮室) 72 吸入ポート 73 蓄圧室 E エンジン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 堤崎 高司 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会 社本田技術研究所内 (72)発明者 新妻 桂一郎 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会 社本田技術研究所内 Fターム(参考) 3G005 EA01 EA19 FA45 FA55 GA02 GB15 GB17 GB46 GB64

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一体に作動する一対のピストン(62
    U,62L)をシリンダブロック(54)に形成した共
    通のシリンダ(54a)に摺動自在に支持し、そのシリ
    ンダ(54a)の両端に形成した一対の圧縮室(69
    U,69L)を蓄圧室(73)および過給バルブ(2
    6)を介してエンジン(E)の燃焼室(20)に接続し
    た複動式ピストン過給機において、 前記蓄圧室(73)を前記シリンダブロック(54)に
    一体に形成したことを特徴とする複動式ピストン過給
    機。
  2. 【請求項2】 前記シリンダブロック(54)は第1シ
    リンダブロック半体(55U)および第2シリンダブロ
    ック半体(55L)をシリンダ軸線方向に結合して構成
    され、それら第1シリンダブロック半体(55U)およ
    び第2シリンダブロック半体(55L)間に前記蓄圧室
    (73)を区画したことを特徴とする、請求項1に記載
    の複動式ピストン過給機。
  3. 【請求項3】 一体に作動する一対のピストン(62
    U,62L)をシリンダブロック(54)に形成した共
    通のシリンダ(54a)に摺動自在に支持し、そのシリ
    ンダ(54a)の両端に形成した一対の圧縮室(69
    U,69L)を蓄圧室(73)および過給バルブ(2
    6)を介してエンジン(E)の燃焼室(20)に接続し
    た複動式ピストン過給機において、 前記一対の圧縮室(69U,69L)の何れか一つに吸
    気を導入する吸入ポート(72)を前記シリンダブロッ
    ク(54)に一体に形成したことを特徴とする複動式ピ
    ストン過給機。
  4. 【請求項4】 前記シリンダブロック(54)の一端側
    から一方の圧縮室(69L)に吸気を導入するととも
    に、前記シリンダブロック(54)の一端側から前記吸
    入ポート(72)を介して他方の圧縮室(69U)に吸
    気を導入することを特徴とする、請求項3に記載の複動
    式ピストン過給機。
  5. 【請求項5】 前記吸入ポート(72)を前記シリンダ
    (54a)の外周を囲むように円弧状に形成したことを
    特徴とする、請求項3に記載の複動式ピストン過給機。
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