JP2002302832A - ポリエステル原着繊維 - Google Patents

ポリエステル原着繊維

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JP2002302832A
JP2002302832A JP2001111379A JP2001111379A JP2002302832A JP 2002302832 A JP2002302832 A JP 2002302832A JP 2001111379 A JP2001111379 A JP 2001111379A JP 2001111379 A JP2001111379 A JP 2001111379A JP 2002302832 A JP2002302832 A JP 2002302832A
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JP
Japan
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polyester
nonwoven fabric
fiber
spun
polyester fiber
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JP2001111379A
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English (en)
Inventor
Wataru Watanabe
渡 渡辺
Junji Ikeda
純二 池田
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Nippon Ester Co Ltd
Original Assignee
Nippon Ester Co Ltd
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  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 柔軟性に優れ、かつ着色され、発色性良好な
不織布を得ることができるポリエステル原着繊維を提供
する。 【解決手段】 ポリエステルを構成する全ジカルボン酸
成分に対して、特定のリン化合物を0.5〜1.5モル
%共重合したポリエステルからなるポリエステル繊維で
あって、着色剤を0.2〜5.0質量%含有してなり、
見かけ初期引張抵抗度が50cN/dtex以下である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリエステル中に
リン化合物と着色剤を含有し、柔軟性の良好な不織布を
得るのに好適なポリエステル原着繊維に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】合成繊維のうち、特にポリエステル繊維
は、その優れた寸法安定性、耐候性、機械的特性、耐久
性、さらにはリサイクル性等の点から、衣料、産業資材
として不可欠のものとなっており、不織布分野において
も多く使用されている。
【0003】従来、柔軟性の要求される不織布には、柔
軟性に優れた繊維、例えば、ポリアミド繊維、ポリトリ
メチレンテレフタレート(PTT)繊維、ポリブチレン
テレフタレート(PBT)繊維などが好ましく用いられ
てきたが、何れもコスト的に高価であり、さらに、ポリ
アミド繊維では耐候性や寸法安定性、PTT繊維では耐
候性に劣り、満足のできる物性を有してはいなかった。
【0004】近年、コストダウンのため、ナイロン繊維
からなる不織布分野においてポリエステル繊維への代替
が進められている。このため、ナイロン繊維と同様の柔
軟性を有したポリエステル繊維への要望が強くなってき
ているが、未だそのような柔軟性を満足するポリエステ
ル繊維は得られていない。
【0005】また、近年、パップ剤の基布に用いる不織
布のように、表面に露出するために、見栄えが要求され
る用途が増えつつある。このような場合には、原綿の段
階から製品となすまでの間に、染色加工を施したり、原
着繊維を用いて不織布としたりするが、通常、ポリエス
テル繊維の染色は高温で行うため、繊維が硬くなり、一
層不織布のソフト性が損なわれる。
【0006】以上のように、ソフトな柔軟性を有し、か
つ発色性に優れた不織布を得ることができるポリエステ
ル繊維は提案されていない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記のよう
な問題点を解決し、柔軟性に優れ、かつ着色され、発色
性良好な不織布を得ることができる原着ポリエステル繊
維を提供することを技術的な課題とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、このよう
な課題を解決するために鋭意検討の結果、ポリエステル
中に特定のリン化合物と着色剤とを含有することによっ
て、上記課題を解決することができるということを見出
し、本発明に到達した。
【0009】すなわち、本発明は、ポリエステルを構成
する全ジカルボン酸成分に対して、下記(1)式で表さ
れるリン化合物を0.5〜1.5モル%共重合したポリ
エステルからなるポリエステル繊維であって、着色剤を
0.2〜5.0質量%含有してなり、見かけ初期引張抵
抗度が50cN/dtex以下であることを特徴とするポ
リエステル原着繊維を要旨とするものである。
【化2】
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明におけるポリエステルとは、エチレンテレフタレ
ートを主たる構成単位としたポリエステルであり、ソフ
ト性を付与するためにリン化合物を共重合し、さらに、
ポリマー中に着色剤を含有するものである。
【0011】リン化合物の共重合量は、ポリエステルを
構成する全ジカルボン酸成分に対して、0.5〜1.5
モル%であることが必要であり、好ましくは0.85〜
1.2モル%である。リン化合物の共重合量が0.5モ
ル%より少ないと、後述する見かけ初期引張抵抗度を5
0cN/dtex以下とすることが困難となり、十分なソ
フト性が得られない。一方、1.5モル%を超えると、
ポリマーが三次元化し、ポリエステルの優れた性質が失
われ、また、紡糸時に糸切れ等のトラブルが生じ、製糸
性も低下する。
【0012】本発明でいうリン化合物は、下記(1)式
で表される構造を有するものである。
【化3】 具体的には、リン酸、ジメチルホスフェート、ジエチル
ホスフェート、ジプロピルホスフェート、ジブチルホス
フェート、ジアミルホスフェート、ジヘキシルホスフェ
ート、トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェー
ト、トリプロピルホスフェート、トリブチルホスフェー
ト、トリアミルホスフェート、トリヘキシルホスフェー
ト等が挙げられる。
【0013】そして、本発明のポリエステル原着繊維に
は着色剤が、0.2〜5.0質量%含有されており、さ
らに好ましくは、0.5〜3.0質量%である。0.2
質量%より少ないと十分な発色が得られない。一方、
5.0質量%を超えると溶融紡糸を円滑に行い難くなり
好ましくない。
【0014】本発明でいう着色剤の具体例としては、カ
ーボンブラック、酸化チタン、弁柄、群青等の無機系顔
料、フタロシアニン系、ポリアゾ系、アンスラキノン
系、ジオキサジン系、ペリレン系、ペリノン系等の有機
系顔料が挙げらる。その他ポリエステル樹脂の着色に使
用しうる耐熱性、耐光性を備えている着色剤であれば、
いずれも使用しうる。
【0015】また、目的とする発色を得るためには、こ
れらの着色剤を適宜選定し、単独または複数をブレンド
して使用すればよい。
【0016】なお、着色剤はポリマーの重合段階から紡
糸されるまでの任意の過程で添加すればよいが、設備の
汚染、制御等取扱性から重合終了後に添加するのが好ま
しい。つまり、添加方法としては、マスターバッチ方
式、リキッドカラー方式等が挙げられるが、溶融紡糸時
の安定性、着色剤の取扱性等より、マスターバッチ方式
が好ましい。
【0017】なお、マスターバッチ方式で繊維を得る場
合、着色剤を添加する時期については、原料ペレットの
段階で計量混合し、溶融紡糸する段階、別々に溶融させ
たポリマーを計量混合し紡糸する段階等があるが、いず
れの方法で行っても差し支えない。また、他に添加剤と
して、艶消し剤、着色防止剤、酸化防止剤、難燃剤等、
本発明の効果を損なわない範囲で各種の添加剤を添加し
てもよい。
【0018】さらに、本発明のポリエステル原着繊維
は、見かけ初期引張抵抗度が50cN/dtex以下であ
る。ここで、本発明でいう見かけ初期引張抵抗度とは、
次のようにして測定するものである。まず、単糸をオリ
エンテック社製UTM−4のテンシロンを用いて、試料
長10mm、引っ張り速度20mm/分の条件で伸長す
る。応力−歪み曲線または強伸度曲線より立て上がりの
接線を引き、任意の伸度時の強力を読みとった。伸度1
00%に換算し、単糸繊度で割った値とする。
【0019】見かけ初期引張抵抗度が50cN/dtex
を超えると、不織布となした時、不織布の柔軟性が損な
われ、好ましくない。見かけ初期引張抵抗度のさらに好
ましい範囲は、15〜35cN/dtexである。
【0020】また、本発明の繊維は不織布剛軟度が60
cN以下であることが好ましい。不織布剛軟度は、JI
S L−1096に基づき、目付け50g/m2、試料
幅100mm、試料長100mmの試料片(不織布)を
3枚準備し、DAIEI KEIKI社製風合いメータ
ー(MODEL FM−2)を使用して測定する。15
mm幅のスリット上に試料片を置いて、アームが試料を
スリット間に押し込む時に、最高何cNの力が必要かを
試料の裏表について、縦横方向の4箇所で測定し、その
合計値を求める。そして、試料片3枚について測定し、
その平均値を不織布剛軟度とする。
【0021】不織布剛軟度が60cNを超えると、得ら
れる不織布は柔軟性に劣るものとなる。不織布剛軟度の
より好ましい値は50cN以下である。
【0022】本発明のポリエステル原着繊維は、以下の
ような方法により製造をすることができる。得られるポ
リエステルに対して、リン化合物をポリエステルを構成
する全ジカルボン酸成分に対し、0.5〜1.5モル%
共重合したポリマーを用い、このポリエステルに顔料の
含有量が0.2〜5.0質量%になるように混合したも
のを常法により減圧乾燥した後、通常の溶融紡糸装置を
用いて紡糸し、未延伸糸を得る。次いで、得られた未延
伸糸を集束してトウとなし、延伸を行い、捲縮を付与
し、次いでカットして短繊維とする。
【0023】
【作用】本発明のポリエステル原着繊維においては、リ
ン化合物を共重合することによって、分子鎖に分岐が生
じ、構造的に立体性が生じる。さらに、着色剤を添加す
ることで繊維の結晶化が阻害されるため、ソフト性が増
し、通常のポリエステル繊維よりも柔軟性に富んだ繊維
となり、さらにこの繊維から得られる不織布もまた、柔
軟性に富み、かつ原着であるため、柔軟性を維持したま
ま発色性良好な不織布を得ることができる。
【0024】
【実施例】以下、実施例をあげて本発明を具体的に説明
する。なお、実施例中の各特性値の測定、評価は次の方
法で行った。 (1)リン化合物の定量 リガク社製のX線スペクトロメーター3270を用い
て、蛍光X線法にて測定した。 (2)見かけ初期引張抵抗度 前記の方法で測定した。 (3)ソフト性 得られた繊維を用いて不織布とし、((4)の不織布剛
軟度の測定に用いたものと同様の不織布の試料片を準
備。)不織布製造メーカーの技術者からなるパネラー1
0人に得られた不織布について肌触り感について10段
階で評価をさせた。そして、その合計点より3段階で評
価した。 A : 86点以上 極めて良好 B : 76〜85点 良好 C : 75点以下 不良 (4)不織布剛軟度 前記の方法で測定した。 (5)操業性 紡糸孔数720孔の丸断面ノズルを用い、紡糸錘数12
で3日間紡糸を行い、1日1錘あたりの糸切れ回数が1
回以下のものを○とし、糸切れ回数が1回を超えるもの
を×とした。 (6)発色性 (3)と同様に得られた繊維を用いて不織布とし、日本
電色工業社製ND−Σ80型測色計を用いて明度(L
値)を測定し、L値が35以下を○とし、35を超える
ものを×とした。
【0025】実施例1 エチレンテレフタレートに対して、リン酸を1.0モル
%共重合した共重合ポリエステル(フェノールと四塩化
エタンとの等重量混合物を溶媒とし、温度20℃で測定し
た極限粘度〔η〕が0.62)を、減圧乾燥した後、カーボ
ンブラックを20質量%練り混んだ黒マスターペレット
を添加した。このとき、繊維全体の含有量が表1に示す
量となるように添加した。次に、孔数720の紡糸口金
を用い、紡糸温度285℃、引き取り速度800m/分
で引き取りながら溶融紡糸した。この未延伸糸を集束
し、11ktexのトウとし、延伸温度60℃、延伸倍
率3.8倍で延伸を行った。その後、165℃で緊張熱
処理を行い、機械捲縮を付与した後、51mmにカット
し、2.2dtexのポリエステル原着繊維を得た。
【0026】実施例2〜3、比較例1〜2 リン酸の共重合量を表1に示すように変更したポリマー
を用いた以外は、実施例1と同様にしてポリエステル原
着繊維を得た。
【0027】実施例4、比較例3〜4 着色剤(カーボンブラック)の含有量を表1に示すよう
に変更したポリマーを用いた以外は、実施例1と同様に
してポリエステル原着繊維を得た。
【0028】実施例1〜4、比較例1〜4のポリエステ
ル原着繊維の各種物性の測定値及び評価結果を表1に示
す。
【0029】
【表1】
【0030】表1から明らかなように、実施例1〜4の
繊維は、初期引張抵抗度が低く、不織布剛軟度も低く、
ソフト性、発色性にも優れた不織布を操業性よく得るこ
とができた。一方、比較例1は、リン酸の共重合量が少
ないために、初期引張抵抗度、不織布剛軟度ともに高
く、得られる不織布はソフト性に劣るものであった。比
較例2は、リン酸の共重合量が多いために、ポリマーが
三次元化したものとなり、紡糸時に糸切れが多く発生
し、繊維を得ることができなかった。比較例3は、顔料
の添加量が少ないため不織布剛軟度が高く、得られる不
織布は発色性に劣るものであった。比較例4は、顔料の
添加量が多いために製糸性が悪く、繊維を得ることがで
きなかった。
【0031】
【発明の効果】本発明のポリエステル原着繊維は、柔軟
性に優れ、かつ着色され、発色性良好な不織布を得るこ
とが可能となる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) D01F 6/92 D01F 6/92 303B D04H 1/42 D04H 1/42 T Fターム(参考) 4J002 CF031 CF061 DA036 DE116 DE136 EQ016 ER006 FD096 GK01 4J029 AA03 AB01 AC01 AE02 BA03 CB06A JC582 4L035 AA05 BB31 BB89 BB91 CC02 CC06 CC20 DD19 EE08 EE20 FF05 HH10 JJ10 JJ28 4L047 AA21 AA29 AB02 AB10 CB01 CB10 CC01

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリエステルを構成する全ジカルボン酸
    成分に対して、下記(1)式で表されるリン化合物を
    0.5〜1.5モル%共重合したポリエステルからなる
    ポリエステル繊維であって、着色剤を0.2〜5.0質
    量%含有してなり、見かけ初期引張抵抗度が50cN/
    dtex以下であることを特徴とするポリエステル原着繊
    維。 【化1】
  2. 【請求項2】 不織布剛軟度が60cN以下である請求
    項1記載のポリエステル原着繊維。
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