JP2002302786A - めっき用特殊形状電気ニッケルの製造方法 - Google Patents

めっき用特殊形状電気ニッケルの製造方法

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JP2002302786A
JP2002302786A JP2001108006A JP2001108006A JP2002302786A JP 2002302786 A JP2002302786 A JP 2002302786A JP 2001108006 A JP2001108006 A JP 2001108006A JP 2001108006 A JP2001108006 A JP 2001108006A JP 2002302786 A JP2002302786 A JP 2002302786A
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nickel
electrolytic
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plating
electric nickel
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JP2001108006A
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Tomoshi Matsumoto
智志 松本
Nobuhiro Matsumoto
伸弘 松本
Hideaki Nishihara
秀明 西原
Isao Nishikawa
勲 西川
Nobumasa Iemori
伸正 家守
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Sumitomo Metal Mining Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Metal Mining Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 丸みのある小塊状のような特殊形状を有し、
硫黄を含有しためっき用の電気ニッケルを、Pbなどの
不純物品位の低減を図り、安定して生産性良く製造する
方法を提供する。 【解決手段】 特殊形状の電析が得られるように表面を
マスキングして電着部3を設けたカソード1を用いて電
気ニッケルを製造する際に、その電解給液として、塩化
ニッケル溶液からのニッケル電解採取における脱塩素処
理した電解廃液を用いる。脱塩素処理した電解廃液は、
そのニッケル濃度を70〜80g/lに、及びpHを
3.0〜4.0に調整し、電流密度800〜900A/m
の条件で電解を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、微量の硫黄を含有
する、めっき用の特殊形状の電気ニッケルを製造する方
法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ニッケルをはじめとする金属の電解によ
る精製では、カソードとして、電解採取する金属とは別
種のチタンなど繰り返し使用できる材質の母板を使用
し、所定時間の電解を行った後、電着物を母板より引き
剥がして製造する方法が一般的に行われている。この
時、カソード上に絶縁物でマスキングを行っておくこと
により、任意の特殊形状の電着物を得ることができる。
【0003】例えば、めっき用のアノードとして用いる
電気ニッケルは、使用の際にアノードボックス内での充
填性やハンドリングなどの観点から、角が立たない丸み
のある小塊状の形状が好まれることが多い。そのため、
このような特殊形状の電気ニッケルを電解により製造す
る場合には、表面に多数の円形状の電着部を有するよう
にマスキングしたカソードを用いて電解し、電着物を剥
ぎ取ることにより製造している。
【0004】また、めっき用のアノードとして用いる電
気ニッケルには、硫黄を0.01〜0.1%程度の品位で
均一に分散させることにより、めっきアノードとしての
使用時に溶解しやすくさせているものがある。このよう
な硫黄を含む電気ニッケルの製造には、電解液にチオ硫
酸ナトリウム(ハイポ)などの硫黄源を添加して電解す
る方法が一般的に採用されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記したように、特殊
形状の電析が得られるように表面をマスキングしたカソ
ードを用いて電気ニッケルを製造する場合、電着物が成
長するに伴って、カソード上の導電部の面積が増加し、
電流密度が低下する傾向にある。そのため、特殊形状用
にマスキングしたカソードの場合、一般的な板状のカソ
ードに比べて、ニッケルより優先電着しやすい電解液中
の不純物、特にPbなどが析出しやすくなるという問題
があった。
【0006】一方、電着物中の硫黄の分散を良くするた
めには、電解液中のニッケル濃度は高い方が良いとされ
る。このため、めっき用の電気ニッケルの製造では、高
ニッケル濃度の電解給液として、ニッケル濃度110〜
120g/lの浄液終液、即ちニッケルマットなどの金
属硫化物を塩素浸出して得た塩化ニッケル溶液から不純
物を除去して得られた溶液が一般的に使用されている。
しかし、浄液終液中の不純物濃度は一般的な電解給液で
ある電解純液よりも高いため、電着物の不純物品位を上
昇させてしまうという問題があった。
【0007】本発明は、このような従来の事情に鑑み、
めっき用の硫黄を含有する特殊形状の電気ニッケルを製
造する際に、不純物品位が低い電気ニッケルを安定して
生産性良く製造する方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明が提供するめっき用特殊形状電気ニッケルの
製造方法は、特殊形状の電析が得られるように表面をマ
スキングしたカソードを用いて電解を行う電気ニッケル
の製造において、その電解給液として、塩化ニッケル溶
液からのニッケル電解採取における脱塩素処理した電解
廃液を用いることを特徴とするものである。
【0009】また、上記本発明のめっき用特殊形状電気
ニッケルの製造方法においては、前記脱塩素処理した電
解廃液のニッケル濃度を70〜80g/l、及びpHを
3.0〜4.0に調整し、電流密度800〜900A/m
の条件で電解を行うことを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明においては、めっき用の特
殊形状の電気ニッケルを製造する際に、電解給液とし
て、ニッケルの電解採取工程における電解廃液(アノラ
イト)を脱塩素処理した溶液を使用する。即ち、ニッケ
ルマットなどの金属硫化物を塩素浸出して得た塩化ニッ
ケル溶液から、浄液工程や給調工程を経て得られた電解
純液を用いてニッケルを電解採取する際に、アノードボ
ックスより吸引して、脱塩素処理を行った電解廃液を用
いる。
【0011】一般的に、めっき用の特殊形状の電気ニッ
ケルを製造する場合には、電流密度を高く保つと硫黄が
共析し難くなる。しかしながら、電解液のニッケル濃度
を70g/l以上、pHを3以上、及びハイポ濃度を
0.01g/l程度に調整すれば、溶解性の良い硫黄含
有電気ニッケルが得られることが分かっている。
【0012】一方、通常のニッケル電解採取における電
解廃液(アノライト)を脱塩素処理した溶液の標準的な
液質は、pHが1.9〜2.0、ニッケル濃度が60〜8
0g/lである。従って、本発明方法においては、この
脱塩素処理した電解廃液をニッケル濃度70〜80g/
l及びpH3.0〜4.0に調整し、電解給液として用い
ることが好ましい。
【0013】電解廃液(アノライト)中の不純物濃度
は、ニッケル精錬工程において塩化ニッケル溶液から不
純物を除去した浄液終液や、ニッケル電解採取の一般的
な電解給液である電解純液に比べて低いため、Pbなど
の優先電着を抑制し、不純物品位の低い伝記ニッケルを
得ることができる。
【0014】従って、本発明方法において、脱塩素処理
した電解廃液を電解給液とし、これに硫黄源としてハイ
ポを添加して、電流密度800〜900A/mの条件
で電解を行うことにより、不純物品位が低く、溶解性が
良好であって、丸みのある小塊状のような特殊形状の電
気ニッケルを、安定して生産性良く製造することができ
る。
【0015】
【実施例】図1に示すように、横800mm、縦100
0mm、厚さ5mmのステンレス板2の両面に、片面の
個数が約2000個の円形の電着部3を施し、この電着
部3以外を絶縁塗料でマスキングしてカソード1とし
た。尚、各電着部の直径は12mm、電着部相互の中心
間距離は21mmとした。また、アノードには、カソー
ドと同じ大きさの不溶性電極板を用いた。カソード52
枚とアノード53枚を極間距離が55mmとなるよう
に、約7mの電解槽にセットした。
【0016】この電解槽に、脱塩素処理した電解廃液
(アノライト)を35リットル/分の割合で定量給液
し、尾液は槽外に払い出した。その際の電解給液のニッ
ケル濃度は70〜80g/lであり、pHは苛性ソーダ
にて3.0〜4.0の範囲内に維持し、液温は60℃とし
た。また、電解給液には、硫黄源とてハイポを濃度10
mg/lとなるように給液直前に添加した。電着部での
初期の実電流密度が900A/mに相当するように整
流器を調節し、約150時間の電解を行った。
【0017】その後、カソードを引き揚げ、純水で洗浄
して乾燥した後、ニッケル電着物を剥ぎ取った。得られ
たニッケル電着物は丸みのある小塊状であり、そのPb
品位を分析したところ12ppmであった。
【0018】次に、得られたニッケル電着物の内50個
をチタンボックスに装入してアノードとし、ニッケル板
をカソードとした電解溶解試験を実施した。電解溶解試
験の電解液組成は、NiSO・6HO:240g/
l、NiCl・6H0:45g/l、ホウ酸35g
/lとし、液温は室温(25℃)とした。無撹拌のま
ま、1.25Aの電流で17.6時間通電した結果、溶解
性は良好であり、めっきアノードに適したニッケル電着
物であることが確認された。
【0019】比較例として、上記実施例と同様な電解設
備並びに電解条件でニッケルの電解析出を行った。ただ
し、電解給液としてニッケル濃度110〜120g/l
の浄液終液を用い、塩酸によりpH3.0〜4.0に調整
した。同様に剥ぎ取ったニッケル電着物について、上記
と同様な電解溶解試験を行った結果、溶解性は良好であ
ったが、ニッケル電着物のPb品位は20ppmとな
り、不純物品位が悪化していた。
【0020】電解給液としてアノライトを用いた上記実
施例と、浄液終液を用いた比較例について、各電解給液
のNi濃度及びPb濃度と共に、得られたニッケル電着
物の溶解性及びPb品位を、下記表1にまとめて示し
た。
【0021】
【表1】
【0022】
【発明の効果】本発明によれば、硫黄を含有するめっき
用の特殊形状の電気ニッケルを、Pbなどの不純物品位
を低減して品質の向上を図り、安定して生産性良く製造
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】マスキングにより多数の円形の電着部を設けた
カソードを模式的に示す正面図である。
【符号の説明】
1 カソード 2 ステンレス板 3 電着部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 西原 秀明 愛媛県新居浜市西原町3−5−3 住友金 属鉱山株式会社別子事業所内 (72)発明者 西川 勲 愛媛県新居浜市西原町3−5−3 住友金 属鉱山株式会社別子事業所内 (72)発明者 家守 伸正 愛媛県新居浜市西原町3−5−3 住友金 属鉱山株式会社別子事業所内 Fターム(参考) 4K058 AA11 AA22 BA17 BB04 CA05 CA13 CA22 EB03 EB14 ED01

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 特殊形状の電析が得られるように表面を
    マスキングしたカソードを用いて電解を行う電気ニッケ
    ルの製造において、その電解給液として、塩化ニッケル
    溶液からのニッケル電解採取における脱塩素処理した電
    解廃液を用いることを特徴とする、めっき用特殊形状電
    気ニッケルの製造方法。
  2. 【請求項2】 前記脱塩素処理した電解廃液のニッケル
    濃度を70〜80g/l、及びpHを3.0〜4.0に調
    整し、電流密度800〜900A/mの条件で電解を
    行うことを特徴とする、請求項1に記載のめっき用特殊
    形状電気ニッケルの製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104213150A (zh) * 2014-07-04 2014-12-17 襄阳化通化工有限责任公司 一种用电解法生产的含硫活性镍饼
CN110921787A (zh) * 2019-12-04 2020-03-27 金川集团股份有限公司 一种镍氯化电积阳极液脱除游离氯的方法

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CN104213150A (zh) * 2014-07-04 2014-12-17 襄阳化通化工有限责任公司 一种用电解法生产的含硫活性镍饼
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