JP2002302435A - 多孔性物質およびその製造法 - Google Patents

多孔性物質およびその製造法

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JP2002302435A JP2001391666A JP2001391666A JP2002302435A JP 2002302435 A JP2002302435 A JP 2002302435A JP 2001391666 A JP2001391666 A JP 2001391666A JP 2001391666 A JP2001391666 A JP 2001391666A JP 2002302435 A JP2002302435 A JP 2002302435A
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acid
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Tomohiro Yoshinari
友宏 吉成
Masato Fukuda
誠人 福田
Toshio Yoshioka
敏夫 吉岡
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Takeda Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】溶解速度が著しく改善され、ハンドリングがし
やす生理活性物質の提供。 【解決手段】固状の生理活性物質を超臨界または亜臨界
状態にある二酸化炭素または液体二酸化炭素で処理して
得られる多孔性の当該生理活性物質。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、溶解性、圧縮成形
性が改善された多孔性物質およびその製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】製薬業界において、医薬化合物の溶解速
度改善、圧縮成形性改善の目的で機械的粉砕、晶析速度
のコントロールによって粒子径を細かくすることが知ら
れている。溶解速度は、Noyes-Whitney式:dC/dt=kS(Cs
-C)で表すことができる。ここでCsは溶質の飽和溶解
度、Cは時間tにおける溶質の濃度、Sは溶質である溶解
固体の表面積、kは溶解速度定数である。粒子径を細か
くするという行為は、ここで言う溶解固体の比表面積を
増大させることである。一方、圧縮成形性改善は粒子径
を細かくすることによる結合部位の増大に由来するもの
である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、医薬品
の粒子径を単に細かくすると言う行為は粉立ち、流動性
低下といったハンドリング面に問題を抱えることにな
り、その後の製剤操作を考えると得策ではない。したが
って、これらの問題点を生ずることなく、医薬化合物の
溶解性、圧縮成形性を改善することができる技術が切望
されている。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、生理活性物
質を超臨界または亜臨界状態にある二酸化炭素または液
体二酸化炭素で処理することにより、多孔性にすること
ができることを見出した。さらに、本発明者らは、この
多孔性物質が予想外にも、溶解速度が著しく改善され、
ハンドリングがしやすいことを見出し、これらの知見に
基づいて、さらに研究を行った結果、本発明を完成する
に至った。
【0005】すなわち、本発明は、(1)固状の生理活
性物質を超臨界または亜臨界状態にある二酸化炭素また
は液体二酸化炭素で処理して得られる多孔性の生理活性
物質、(2)重量平均粒子径が約1μm以上で、比表面
積が約1.5m2/g以上の多孔性の生理活性物質、
(3)重量平均粒子径が約10μm以上で、比表面積が
約1.5m2/g以上である上記(2)記載の多孔性の
生理活性物質、(4)結晶性である上記(1)または
(2)記載の多孔性の生理活性物質、(5)生理活性物
質が医薬化合物である上記(1)または(2)記載の多
孔性の生理活性物質、(6)固状の生理活性物質が25
℃で水に対する溶解度が10mg/mL未満の水難溶性
ないし水不溶性物質である上記(1)または(2)記載
の多孔性の生理活性物質、(7)上記(1)または
(2)記載の物質を含有してなる組成物、(8)界面活
性剤または高分子化合物を含有する上記(7)記載の組
成物、(9)高分子化合物が数平均分子量約3,000
〜30,000の高分子重合物である上記(8)記載の
組成物、(10)高分子重合物が(1)ポリ脂肪酸エス
テル、(2)ポリ−α−シアノアクリル酸エステル、
(3)ポリ−ヒドロキシ酪酸、(4)ポリアルキレンオキ
サレート,ポリオルソエステル,ポリオルソカーボネー
ト,ポリエチレンカーボネートおよびポリエチレンプロ
ピレンカーボネートから選ばれるポリカーボネート、
(5)ポリアミノ酸、(6)ポリスチレン、(7)ポリア
クリル酸、(8)ポリメタアクリル酸、(9)アクリル酸
とメタアクリル酸との共重合物、(10)シリコンポリマ
ー、(11)デキストランステアレート、(12)エチルセ
ルロース、(13)アセチルセルロース、(14)ニトロセ
ルロース、(15)ポリウレタン、(16)無水マレイン酸
系共重合物、(17)エチレンビニールアセテート系共重
合物、(18)ポリビニールアセテート、(19)ポリビニ
ールアルコールおよび(20)ポリアクリルアミドから成
る群から選ばれる1種もしくは2種以上の共重合物また
は混合物である上記(9)記載の組成物、(11)高分
子重合物がポリ乳酸、乳酸/グリコール酸共重合物、2
−ヒドロキシ酪酸/グリコール酸共重合物またはこれら
の混合物である上記(9)記載の組成物、(12)高分
子化合物が親水性重合体である上記(8)記載の組成
物、(13)親水性重合体が、(1)ヒドロキシアルキ
ルセルロース、セルロース誘導体、ポリアルケニルピロ
リドン、ポリアルキレングリコールおよびポリビニルア
ルコールから選ばれる水溶性重合体;(2)ヒドロキシ
プロピルメチルセルロースフタレート、ヒドロキシプロ
ピルメチルセルロースアセテートサクシネート、カルボ
キシメチルエチルセルロース、酢酸フタル酸セルロー
ス、メタアクリル酸コポリマーLおよびメタアクリル酸
コポリマーSから選ばれる腸溶性重合体;(3)アミノ
アルキルメタアクリレートコポリマーEおよびポリビニ
ルアセタールジエチルアミノアセテートから選ばれる胃
溶性重合体;(4)カルボキシメチルセルロース;(5)
オイドラギット;(6)カルボキシビニルポリマー;
(7)ポリビニルアルコール;(8)アラビアゴム;
(9)アルギン酸ナトリウム;(10)アルギン酸プロピ
レングリコールエステル;(11)カンテン;(12)ゼラ
チンおよび(13)キトサンから成る群から選ばれる1種
または2種類以上の混合物である上記(12)記載の組
成物、(14)易水溶性シクロデキストリン誘導体を含
有する上記(7)記載の組成物、(15)易水溶性シク
ロデキストリン誘導体が一般式
【化2】 〔式中、qは6ないし12の整数を、R6、R7およびR
8は個々の繰り返し単位中で同一または異なって、それ
ぞれジヒドロキシアルキル基、糖残基、ヒドロキシアル
キル基またはスルホアルキル基を示す。〕で表される化
合物である上記(14)記載の組成物、(16)ジヒド
ロキシアルキル基がジヒドロキシ−C1-6アルキル基
を、糖残基がエリスロシル, トレオシル,アラビノシ
ル,リボシル,グルコシル,ガラクトシル,グリセロ−
グルコ−ヘプトシル,マルトシル,ラクトシル,マルト
トリオシルまたはジマルトシルを、ヒドロキシアルキル
基がヒドロキシ−C1-6アルキル基を、スルホアルキル
基がスルホ−C1-6アルキル基を示す上記(15)記載
の組成物、(17)固状の生理活性物質を超臨界または
亜臨界状態にある二酸化炭素または液体二酸化炭素で処
理することを特徴とする上記(1)または(2)記載の
多孔性の生理活性物質の製造法、(18)超臨界または
亜臨界状態にある二酸化炭素または液体二酸化炭素に他
の溶媒を混和する上記(17)記載の製造法、(19)
(1)耐圧性容器に固状の生理活性物質を入れ、(2)
該耐圧性容器の温度を二酸化炭素の超臨界状態または亜
臨界状態に保ち、(3)該耐圧性容器に、必要に応じて
他の溶媒と混和した二酸化炭素を充填し、(4)該耐圧
性容器内の圧力が二酸化炭素の超臨界状態または亜臨界
状態に達した時点で二酸化炭素の充填を停止し、(5)
二酸化炭素で処理完了後抜圧し、得られた多孔性の生理
活性物質を回収する上記(17)記載の製造法、(2
0)超臨界状態にある二酸化炭素が、二酸化炭素の臨界
圧約7.38メガパスカル(MPa)、臨界温度約30
4.1ケルビン(K)をともに超えた状態にある二酸化
炭素である上記(17)〜(19)記載の製造法、(2
1)亜臨界状態にある二酸化炭素が、二酸化炭素の臨界
圧約7.38メガパスカル(MPa)、臨界温度約30
4.1ケルビン(K)のいずれか一方のみ超えた状態に
ある二酸化炭素である上記(17)〜(19)記載の製
造法、(22)(1)耐圧性容器に生理活性物質を入
れ、(2)該耐圧性容器の温度の臨界点以下に保ち、
(3)該耐圧性容器に、必要に応じて他の溶媒と混和し
た二酸化炭素を充填し(4)該耐圧性容器内の圧力が二
酸化炭素の臨界点以下の状態で二酸化炭素の充填を停止
し、(5)二酸化炭素で処理完了後抜圧し、得られた多
孔性の生理活性物質を回収する上記(17)記載の製造
法、(23)他の溶媒が水、芳香族炭化水素類、エーテ
ル類、有機塩素系有機溶剤、アルキルニトリル類、ニト
ロアルカン類、アミド類、ケトン類、脂肪酸、アルコー
ル類、スルホキシド類またはこれらの混合溶媒である上
記(18)または(19)記載の製造法、(24)他の
溶媒が水;ベンゼン、トルエン、酢酸エチル、シクロヘ
キサンおよびキシレンから選ばれる芳香族炭化水素類;
ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジオキサン、ジ
エトキシエタン、テトラヒドロフランおよび1,2−ジ
メトキシエタンから選ばれるエーテル類;ジクロロメタ
ン、クロロホルム、四塩化炭素および1,2−ジクロロ
エタンから選ばれる有機塩素系有機溶剤;アセトニトリ
ルおよびプロピオニトリルから選ばれるアルキルニトリ
ル類;ニトロメタンおよびニトロエタンから選ばれるニ
トロアルカン類;N,N−ジメチルホルムアミドおよび
N,N−ジメチルアセトアミドから選ばれるアミド類;
アセトン;酢酸、無水酢酸およびオレイン酸から選ばれ
る脂肪酸;メタノール、エタノールおよびプロパノール
から選ばれるアルコール類;ジメチルスルホキシド;ま
たはこれらの混合溶媒である上記(18)または(1
9)記載の製造法、(25)他の溶媒がエタノールまた
はアセトンである上記(18)または(19)記載の製
造法、および(26)他の溶媒の使用量が超臨界ないし
亜臨界状態または液体状態にある二酸化炭素に対して約
1〜50体積%である上記(18)または(19)記載
の製造法を提供する。
【0006】本発明に用いられる生理活性物質として
は、医薬化合物(動物薬を含む)、農薬化合物、肥料、
化粧料、香料、食品材料、飼料、殺菌剤、防ばい剤、防
虫剤、殺虫剤、防錆剤、吸収剤など広い分野から選択す
ることができる。これら生理活性物質の性質は特に限定
されるものではなく、水溶性、水難溶性ないし水不溶性
の固状物質であれば何れであってもよい。また、これら
生理活性物質は結晶性であってもよい。「水難溶性ない
し水不溶性」とは、生理活性物質が、例えば、25℃で
水に対して1000ppm未満、好ましくは10ppm
未満の溶解度を示すこと、または25℃で水に対する溶
解度が10mg/mL未満、好ましくは0.1mg/m
L未満であることを示す。溶解度は常法に従って測定す
ることができる。
【0007】水溶性の医薬化合物としては、以下のもの
が挙げられる。 (1)抗生物質 塩酸テトラサイクリン、アンピシリン、ピペラシリンな
ど (2)解熱・鎮痛・消炎剤 サリチル酸ナトリウム、スルピリン、インドメタシンナ
トリウム、塩酸モルヒネなど (3)鎮咳去痰剤 塩酸エフェドリン、塩酸ノスカピン、リン酸コデイン、
リン酸ジヒドロコデイン、塩酸イソプロテレノールなど (4)鎮静剤 塩酸クロルプロマジン、硫酸アトロピンなど (5)抗潰瘍剤 メタクロプロミド、塩酸ヒスチジンなど (6)不整脈治療剤 塩酸プロプラノロール、塩酸アルプレノロールなど (7)降圧利尿剤 ヘキサメトニウムブロミド、塩酸クロニジンなど (8)抗凝血剤 ヘパリンナトリウム、クエン酸ナトリウムなど
【0008】水難溶性ないし水不溶性の医薬化合物とし
ては、以下のものが挙げられる。 (1)解熱、鎮痛、抗炎症薬 サリチル酸、スルピリン、フルフェナム酸、ジクロフェ
ナック、インドメタシン、アトロピン、スコポラミン、
モルヒネ、ペチジン、レボルファイノール、ケトプロフ
ェン、ナプロキセン、イブプロフェン、オキシモルフォ
ンまたはその塩など (2)精神安定薬 ジアゼパム、ロラゼパム、オキサゼパムなど (3)抗精神病薬 クロルプロマジン、プロクロルペラジン、トリフロペラ
ジンなど (4)抗菌薬 グリセオフルビン、ランカシジン類〔ジャーナル・オブ
・アンチバイオティックス(J.Antibiotics),38,
877−885(1985)〕、アゾール系化合物〔2
−〔(1R,2R)−2−(2,4−ジフルオロフェニ
ル)−2−ヒドロキシ−1−メチル−3−(1H−1,
2,4−トリアゾール−1−イル)プロピル〕−4−
〔4−(2,2,3,3−テトラフルオロプロポキ
シ)〕フェニル−3−(2H,4H)−1,2,4−ト
リアゾロン、フルコナゾール、イトラコナゾール等〕な
ど (5)抗生物質 ゲンタマイシン、ジペカシン、カネンドマイシン、リビ
ドマイシン、トプラマイシン、アミカシン、フラジオマ
イシン、シソマイシン、テトラサイクリン、オキシテト
ラサイクリン、ロリテトラサイクリン、ドキシサイクリ
ン、アンピシリン、ピペラシリン、チカルシリン、セフ
ァロチン、セファロリジン、セフォチアム、セフォチア
ムヘキセチル、セフスロジン、セフメノキシム、セフメ
タゾール、セファゾリン、セフォタキシム、セフォペラ
ゾン、セフチゾキシム、モキサラクタム、チエナマイシ
ン、スルファゼシン、アズスレオナムまたはそれらの塩
など (6)抗腫瘍薬 6−O−(N−クロロアセチルカルバモイル)フマギロ
ール、ブレオマイシン、メトトレキサート、アクチノマ
イシンD、マイトマイシンC、ダウノルビシン、アドリ
アマイシン、ネオカルチノスタチン、シトシンアラジノ
シド、フルオロウラシル、テトラヒドロフリル−5−フ
ルオロウラシル、ピシバニール、レンチナン、レバミゾ
ール、ベスタチン、アジメキソン、グリチルリチンなど (7)抗高脂血症薬 クロフィブラート、2−クロロ−3−〔4−(2−メチ
ル−2−フェニルプロポキシ)フェニル〕プロピオン酸
エチル〔ケミカル・アンド・ファーマシューティカル・
ブレティン(Chem. Pharm. Bull),38,2792
−2796(1990)〕など
【0009】(8)鎮咳・去痰薬 エフェドリン、メチルエフェドリン、ノスカピン、コデ
イン、ジヒドロコデイン、アロクラマイド、クロルフェ
ジアノール、ピコペリダミン、クロペラスチン、プロト
キロール、イソプロテレノール、サルプタモール、テレ
プタリンまたはその塩など (9)筋弛緩薬 プリジノール、ツボクラリン、パンクロニウムなど (10)抗てんかん薬 フェニトイン、エトサクシミド、アセタゾラミド、クロ
ルジアゼポキシドなど (11)抗潰瘍薬 ランソプラゾール、メトクロプラミドなど (12)抗うつ薬 イミプラミン、クロミプラミン、ノキシプチリン、フェ
ネルジンなど (13)抗アレルギー薬 ジフェンヒドラミン、クロルフェニラミン、トリペレナ
ミン、メトジラミン、クレミゾール、ジフェニルピラリ
ン、メトキシフェナミンなど (14)強心薬 トランスバイオキソカンファー、テレフィロール、アミ
ノフィリン、エチレフリンなど (15)不整脈治療薬 プロプラノロール、アルプレノロール、プフェトロー
ル、オクスプレノロールなど (16)血管拡張薬 オキシフェドリン、ジルチアゼム、トラゾリン、ヘキソ
ベンジン、バメタンなど (17)降圧利尿薬 ヘキサメトニウムブロミド、ペントリニウム、メカミル
アミン、エカラジン、クロニジン、ジルチアゼム、ニフ
ェジピンなど (18)糖尿病治療薬 グリミジン、グリプジド、フェンフォルミン、プフォル
ミン、メトフォルミンなど (19)抗結核薬 イソニアジド、エタンブトール、パラアミノサリチル酸
など (20)麻薬拮抗薬 レバロルファン、ナロルフィン、ナロキソンまたはその
塩など (21)ホルモン薬 ステロイドホルモン類、例えば、デキサメサゾン、ヘキ
セストロール、メチマゾール、ペタメサゾン、トリアム
シノロン、トリアムシノロンアセトニド、フルオシノロ
ンアセトニド、プレドニゾロン、ヒドロコルチゾン、エ
ストリオールなど
【0010】(22)脂溶性ビタミン薬 ビタミンK類:ビタミンK1、K2、K3およびK4 葉酸(ビタミンM)など (23)ビタミン誘導体 ビタミンの各種誘導体、例えば、5,6−トランス−コ
レカルシフェロール、2,5−ヒドロキシコレカルシフ
ェロール、1−α−ヒドロキシコレカルシフェロールな
どのビタミンD3誘導体、5,6−トランス−エルゴカ
ルシフェロール等のビタミンD2誘導体など (24)その他 ヒドロキシカム、ダイアセリン、メゲストロール酢酸、
ニセロゴリン、プロスタグランジン類など さらに、虚血性疾患治療薬、免疫疾患治療薬、アルツハ
イマー病治療薬、骨粗鬆症治療薬、血管新生治療薬、網
膜症治療薬、網膜静脈閉塞症治療薬、老人性円板状黄斑
変性症、脳血管攣縮治療薬、脳血栓治療薬、脳梗塞治療
薬、脳閉塞症治療薬、脳内出血治療薬、クモ膜下出血治
療薬、高血圧性脳症治療薬、一過性脳虚血発作治療薬、
多発性梗塞性痴呆治療薬、動脈硬化症治療薬、ハンチン
トン病治療薬、脳組織障害治療薬、視神経症治療薬、緑
内障治療薬、高眼圧症治療薬、網膜剥離治療薬、関節炎
治療薬、抗リウマチ薬、抗セプシス薬、抗セプティック
ショック薬、抗喘息薬、頻尿・尿失禁治療薬、アトピー
性皮膚炎治療薬、アレルギー性鼻炎治療薬なども用いら
れる。
【0011】水難溶性ないし難溶性の固状の農薬化合物
としては、以下のものが挙げられる。 (1)殺虫剤 (a)カーバメイト系 MIPC;イソプロカルブ(isoprocarb)、BPMC;
フェノブカルブ(fenobucarb)、MPMC;キシリルカ
ルブ(xylylcarb)、XMC、NAC;カルバリル(car
baryl)、ベンダイオカルブ(bendiocarb)、カルボフ
ラン(carbofuran)など (b)合成ピレスロイド系 シペルメトリン(cypermethrin)、フェンプロパトリン
(fenpropathrin)、エトフェンプロックス(ethofenpr
ox)、レスメトリン(resmethrin)など (c)有機リン系 EPN、シアノフェンホス(cyanofenphos)、PAP;
フェントエート(phenthoate)、CVMP;テトラクロ
ルビンホス(tetrachlorvinphos)、モノクロトホス(m
onocrotophos)、ホサロン(phosalone)、クロルピリ
ホスメチル(chlorpyrifos-methyl)、クロルピリホス
(chlorpyrifos)、ピリダフェンチオン(pyridaphenth
ion)、キナルホス(quinalphos)、DMTP;メチダ
チオン(methidathion)、サリチオン(dioxabenzofo
s)など (d)有機塩素系 ベンゾエピン(endosulfan)など (e)その他 ベンスルタップ(bensultap)、ブプロフェジン(bupro
fezin)、フルフェノクスロン(flufenoxuron)、ジフ
ルベンズロン(diflubenzuron)、クロルフルアズロン
(chlorfluazuron)、イミダクロプリドなど
【0012】(2)殺菌剤 (a)N−ヘテロ環系エルゴステロール阻害剤 トリフルミゾール(triflumizole)、トリホリン(trif
orine)など (b)カルボキシアミド系 メプロニル(mepronil)、フルトラニル(flutoluani
l)、ペンシクロン(pencycuron)、オキシカルボキシ
ン(oxycarboxin)など (c)ジカルボキシイミド系 イプロジオン(iprodione)、ビンクロゾリン(vincloz
olin)、プロシミドン(procymidone)など (d)ベンゾイミダゾール系 ベノミル(benomyl)など (e)ポリハロアルキルチオ系 キャプタン(captan)など (f)有機塩素系 フサライド(fthalide)、TPN;クロロタロニル(ch
lorothalonil)など (g)硫黄系 ジネブ(zineb)、マンネブ(maneb)など (h)その他 ジクロメジン(diclomezin)、トリシクラゾール(tric
yclazole)、イソプロチオラン(isoprothiolane)、プ
ロベナゾール(probenazole)、アニラジン(anilazin
e)、オキソリニック酸(oxolinic acid)、フェリム
ゾン (ferimzone)など
【0013】(3)除草剤 (a)スルホニル尿素系 イマゾスルフロン、ベンスルフロンメチル(bensulfuro
n-methyl)など (b)トリアジン系 シメトリン(simetryn)、ジメタメトリン(dimethamet
ryn)など (c)尿素系 ダイムロン(dymron)など (d)酸アミド系 プロパニル(propanil)、メフェナセット(mefenace
t)など (e)カルバメート系 スエップ(swep)など (f)ダイアゾール系 オキサジアゾン(oxadiazon)、ピラゾレート(pyrazol
ate)など (g)ジニトロアニリン系 トリフルラリン(trifluralin)など (h)その他 ジチオピル(dithiopyr)など
【0014】本発明の多孔性の生理活性物質(以下、本
発明の多孔性物質と略記する)は、例えば、上記した生
理活性物質を超臨界または亜臨界状態(臨界状態も含
む)にある二酸化炭素または液体二酸化炭素で処理する
ことにより製造することができる。処理の方法として
は、超臨界または亜臨界状態にある二酸化炭素または液
体二酸化炭素に完全に溶解しない処理であれば如何なる
方法でよく、例えば、分散(好ましくは、完全に溶解す
ることなく分散)、湿潤、浸潤、接触、混合などが挙げ
られ、特に分散(好ましくは、完全に溶解することなく
分散)が好ましい。超臨界状態とは、圧力、温度ともに
臨界点を超えた状態である。亜臨界状態とは、圧力、温
度のいずれか一方のみ臨界点を超えた状態である。臨界
点とは、例えば、J. W. Tom およびP. G. Debenedetti
による ”ParticleFormation with Supercritical Flui
ds-A Review”,ジャーナル オブ エアロゾール サイ
エンス(J. Aerosol Sci.),22(5),555-584頁、1991年
のFig.1に詳細に記載されたものをいう。なお、圧力、
温度ともに臨界点を超えず液化した状態を液体と称す。
具体的には、超臨界状態にある二酸化炭素とは、臨界圧
約7.38メガパスカル(MPa)、臨界温度約30
4.1ケルビン(K)をともに越えた状態である。生理
活性物質を超臨界または亜臨界状態にある二酸化炭素ま
たは液体二酸化炭素で処理する場合、用いる容器の大き
さや種類によって異なるが、通常、超臨界状態または亜
臨界状態または液体状態にある約50mL〜2000L
の二酸化炭素中に対して、生理活性物質を約0.5g〜
20kg、好ましくは約10g〜2kgの割合で処理す
る。処理の時間は、通常、約1分〜24時間、好ましく
は約0.05〜12時間、より好ましくは約5〜120
分である。分散などの処理は、通常、耐圧性の容器で行
うのがよい。例えば、超臨界流体抽出システムSCF−
get(日本分光(株)製)(システム構成は、超臨界
CO2送液ポンプSCF−get、全自動圧力調整弁S
GF−Bpq、恒温漕CO−1560からなる)などが
用いられる。処理の温度は原料とする生理活性物質の種
類によって異なるが、通常、約−40℃〜約100℃で
ある。例えば、原料とする生理活性物質がニフェジピン
の場合は、約30℃〜約60℃である。処理の圧力は原
料とする生理活性物質の種類によって異なるが、通常、
約3メガパスカル(MPa)〜約50MPaである。例
えば、原料とする生理活性物質がニフェジピンの場合
は、約15MPa〜約20MPaである。処理の際に
は、二酸化炭素に他の溶媒を混和などして加えることが
できる。他の溶媒としては、水;ベンゼン、トルエン、
酢酸エチル、シクロヘキサン、キシレンなどの芳香族炭
化水素類;例えば、ジメチルエーテル、ジエチルエーテ
ル、ジオキサン、ジエトキシエタン、テトラヒドロフラ
ン、1,2−ジメトキシエタンなどのエーテル類;例え
ば、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、1,
2−ジクロロエタンなどの有機塩素系有機溶剤;アセト
ニトリル、プロピオニトリルなどのアルキルニトリル
類;ニトロメタン、ニトロエタンなどのニトロアルカン
類;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチル
アセトアミドなどのアミド類;アセトンなどのケトン
類;酢酸、無水酢酸、オレイン酸などの脂肪酸;メタノ
ール、エタノール、プロパノールなどのアルコール類;
ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類など;または
これらの混合溶媒などが用いられ、なかでもエタノー
ル、アセトンなどが好ましい。他の溶媒の使用量は、通
常、超臨界または亜臨界状態または液体状態にある二酸
化炭素中に、約0.1〜99.9体積%、好ましくは約
1〜50体積%である。
【0015】より具体的には、例えば、以下の(1)〜
(2)の手順に従って、本発明の多孔性物質を製造する
ことができる。 (1)手順1 耐圧性容器に生理活性物質を入れる。 該耐圧性容器の温度を超臨界状態または亜臨界状態に
保つ。 該耐圧性容器から二酸化炭素を充填する(必要に応じ
て、上記溶媒を混和する)。 該耐圧性容器内の圧力が二酸化炭素の超臨界状態また
は亜臨界状態に達した時点で二酸化炭素の充填を停止す
る。 二酸化炭素で処理完了後、抜圧し、得られた多孔性物
質を回収する。好ましくは、 耐圧性容器に生理活性物質を入れる。 該耐圧性容器の温度を超臨界状態または亜臨界状態に
保つ。 該耐圧性容器に連結したボンベから二酸化炭素を充填
する(必要に応じて、上記溶媒を混和する)。 該耐圧性容器内の圧力が二酸化炭素の超臨界状態また
は亜臨界状態に達した時点で二酸化炭素の充填を停止す
る。 約1分〜24時間(好ましくは約5〜120分間)放
置した後、抜圧し、得られた多孔性物質を回収する。 (2)手順2 耐圧性容器に生理活性物質を入れる。 該耐圧性容器の温度を二酸化炭素の臨界点以下に保
つ。 該耐圧性容器から二酸化炭素を充填する(必要に応じ
て、上記溶媒を混和する)。 該耐圧性容器内の圧力が二酸化炭素の臨界点以下の状
態で、二酸化炭素の充填を停止する。 該二酸化炭素で処理完了後、抜圧し、得られた多孔性
物質を回収する。 好ましくは、 耐圧性容器に生理活性物質を入れる。 耐圧性容器の温度を二酸化炭素の臨界点以下に保つ。 該耐圧性容器に連結したボンベから二酸化炭素を充填
する(必要に応じて、上記溶媒を混和する)。 該耐圧性容器内の圧力が二酸化炭素の臨界点以下の状
態で、二酸化炭素の充填を停止する。 約1分〜24時間(好ましくは約5〜120分間)放
置した後、抜圧し、得られた多孔性物質を回収する。 の操作で約1分〜24時間放置することにより、固状
の生理活性物質に二酸化炭素が浸潤・湿潤する。本発明
の製造法では、原料として用いた固状の生理活性物質の
うち、二酸化炭素に溶解していないものが多孔性とな
る。このようにして得られる本発明の多孔性物質は、通
常、重量平均粒子径が約1μm以上、好ましくは約1μ
m〜約2000μmである。特に好ましくは、重量平均
粒子径が約10μm以上、好ましくは約10μm〜約5
00μmである。重量平均粒子径はレーザー回析法で測
定することができる。本発明の多孔性物質の比表面積
は、通常、約1.5m2/g以上であり、特に上限は限
定されないが、好ましくは約1.5m2/g〜約100
2/g、特に好ましくは約1.5m2/g〜約50m2
/gである。比表面積はBET法で測定することができ
る。本発明の多孔性物質は結晶性であることが望まし
い。本発明の多孔性物質は、使用した生理活性物質の比
表面積が増加しており、溶解速度が改善されている。さ
らに、流動性に富み、ハンドリングがしやすく、製剤操
作が容易である。「水溶解性が改善されている」とは、
例えば、水に対する溶解速度が向上することを言う。具
体的には、例えば、25℃における水に対する溶解速度
が約2倍、好ましくは約5倍、さらに好ましくは約10
倍、より好ましくは100倍以上に向上することを言
う。
【0016】本発明の多孔性物質を含有する組成物(以
下、本発明の組成物)は、活性成分として含まれる生理
活性物質の種類に応じて、適宜使用することができる。
本発明の組成物は、適当な添加剤を含んでいてもよい。
好ましい添加剤としては、多孔性物質の表面を改質でき
る界面活性剤、高分子化合物などが挙げられ、これらの
1種または2種以上を組み合わせて用いることができ
る。界面活性剤としては、非イオン性界面活性剤、アニ
オン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性
剤、天然物由来の界面活性剤などが用いられる。非イオ
ン性界面活性剤としては、高級アルコールエチレンオキ
シド付加物、アルキルフェノールエチレンオキサイド付
加物、脂肪酸エチレンオキサイド付加物、多価アルコー
ル脂肪酸エステルエチレンオキサイド付加物、高級アル
キルアミンエチレンオキサイド付加物、脂肪酸アミドエ
チレンオキサイド付加物、油脂のエチレノキサイド付加
物、グリセリン脂肪酸エステル、ペンタエリスリトール
の脂肪酸エステル、多価アルコールのアルキルエーテ
ル、アルカノールアミン類の脂肪酸アミド、などが用い
られる。非イオン性界面活性剤の中でも、例えば、ソル
ビトールおよびソルビタンの脂肪酸エステル、ポリオキ
シエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリエチレング
リコール脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ポリ
オキシエチレンヒマシ油(polyethoxylated castor oi
l)、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(polyethoxylat
ed hydrogenated castor oil)、ポリオキシエチレンポ
リプロピレングリコール共重合体、グリセリン脂肪酸エ
ステル、ポリグリセリン脂肪酸エステルなどが好ましく
用いられる。ソルビタン脂肪酸エステルとしては、特
に、モノステアリン酸ソルビタン(商品名:SS-10、日
光ケミカルズ(株))、セスキオレイン酸ソルビタン
(商品名:SO-15、日光ケミカルズ(株))、トリオレ
イン酸ソルビタン(商品名:SO-30、日光ケミカルズ
(株))などが好適である。ポリオキシエチレンソルビ
タン脂肪酸エステルとしては、特に、ポリソルベート2
0(商品名:TL-10、日光ケミカルズ(株))、40
(商品名:TP-10、日光ケミカルズ(株))、60(商
品名:TS-10、日光ケミカルズ(株))、80(商品
名:TO-10、日光ケミカルズ(株))などが好適であ
る。ポリエチレングリコール脂肪酸エステルとしては、
特に、モノラウリン酸ポリエチレングリコール(10E.
O.)(商品名:MYL-10、日光ケミカルズ(株))などが
好適である。ショ糖脂肪酸エステルとしては、特に、シ
ョ糖パルミチン酸エステル類(例えば、商品名:S-167
0、三菱化学フーズ(株))、ショ糖ステアリン酸エス
テル類(例えば、商品名:P-1670、三菱化学フーズ
(株))などが好適である。ポリオキシエチレンヒマシ
油(polyethoxylated castor oil)としては、特に、ポ
リオキシエチレングリセロールトリリシノレート35
(Polyoxy 35 Castor Oil、商品名クレモホールELも
しくはEL−P、ビーエーエスエフジャパン(株))な
どが好適である。ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(po
lyethoxylated hydrogenated castor oil)としては、
特に、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油50(Polyoxye
thylene Hydrogenated Castor Oil 50)、ポリオキシエ
チレン硬化ヒマシ油60(Polyoxyethylene Hydrogenat
ed Castor Oil 60)などが好適である。ポリオキシエチ
レンポリオキシプロピレングリコール共重合体として
は、特に、ポリオキシエチレン(160)ポリオキシプロピ
レン(30)グリコール(商品名:アデカプルロニック F-6
8、旭電化工業(株))などが好適である。グリセリン
脂肪酸エステルとしては、モノステアリン酸グリセリル
(MGS シリーズ、日光ケミカルズ(株))などが好適で
ある。ポリグリセリン脂肪酸エステルとしては、特に、
テトラグリセリンモノステアリン酸(MS-310、阪本薬品
工業(株))デカグリセリンモノラウリン酸(Decaglyn
1-L、日光ケミカルズ(株))などが好適である。
【0017】アニオン界面活性剤としては、例えば、硫
酸エステル類(例、高級アルコール硫酸エステル塩、高
級アルキルエーテル硫酸エステル塩、硫酸化油、硫酸化
脂肪酸エステル、硫酸化脂肪酸、硫酸化オレフィン)、
スルホン酸塩(例、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリ
ウム、油溶性アルキルベンゼンスルホン酸塩、α−オレ
フィンスルホン酸塩、イゲポンT型、エアロゾルOT
型)、リン酸エステル類(例、高級アルコールエチレン
オキサイド付加物のリン酸エステル塩)、ジチオリン酸
エステル塩などが用いられる。アニオン性界面活性剤の
中でも、例えば、グリココール酸ナトリウムやデオキシ
コール酸ナトリウムなどの胆汁酸塩類やステアリン酸や
カプリン酸ナトリウムなどの脂肪酸やその塩類、ラウリ
ル硫酸ナトリウムなどが好適である。カチオン界面活性
剤としては、例えば、アミン塩型カチオン界面活性剤
(例、高級アルキルアミンからつくられるアミン塩型カ
チオン界面活性剤、低高級アルキルアミンからつくられ
るアミン塩型カチオン界面活性剤)、第4級アンモニウ
ム塩型カチオン界面活性剤(例、高級アルキルアミンか
らつくられる第4級アンモニウム塩型カチオン界面活性
剤、低高級アルキルアミンからつくられる第4級アンモ
ニウム塩型界面活性剤)などが用いられる。両性界面活
性剤としては、例えば、アミノ酸型両性界面活性剤、ベ
タイン型両性界面活性剤などが用いられる。天然由来の
界面活性剤としては、精製卵黄レシチン(商品名:PL-1
00H、キューピー(株))や水素添加大豆レシチン(商
品名:レシノールS-10、日光ケミカルズ(株))など
のレシチン類などが用いられる。上記の界面活性剤の中
でも、デオキシコール酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナト
リウム、ポリソルベート80、ポリオキシエチレン(16
0)ポリオキシプロピレン(30)、ポリオキシエチレングリ
セロールトリリシノレート35、レシチン類、ポリオキ
シエチレン硬化ヒマシ油類、ショ糖脂肪酸エステル類、
ポリグリセリン脂肪酸エステル類がより好適であり、デ
オキシコール酸ナトリウムがさらに好適である。これら
の界面活性剤は、1種または2種類以上混合して使用し
ても良い。
【0018】高分子化合物としては、高分子重合体、親
水性重合体などが用いられる。高分子重合物の数平均分
子量としては、約3,000〜30,000のものが好ま
しく、さらに約5,000〜25,000のものが好まし
く、約5,000〜20,000のものが特に好ましい。
本明細書における、重量平均分子量および分散度は、ポ
リスチレンを基準物質としてゲルパーミエーションクロ
マトグラフィー(GPC)で測定した値を意味する。測
定は、GPCカラムKF804×2(昭和電工製)を使
用、移動相としてクロロホルムを用いる。高分子重合物
の例としては、例えば生体内分解型として、 ポリ脂肪酸エステル〔例、脂肪酸の単重合物(例、ポ
リ乳酸、ポリグリコール酸、ポリクエン酸、ポリリンゴ
酸等)、2種以上の脂肪酸共重合物(例、乳酸/グリコ
ール酸共重合体、2−ヒドロキシ酪酸/グリコール酸共
重合体等)、これらの混合物(例、ポリ乳酸と2−ヒド
ロキシ酪酸/グリコール酸共重合体の混合物等)、ここ
で、脂肪酸としては、例えばα−ヒドロキシ脂肪酸
(例、グリコール酸、乳酸、2−ヒドロキシ酪酸、2−
ヒドロキシ吉草酸、2−ヒドロキシ−3−メチル酪酸、
2−ヒドロキシカプロン酸、2−ヒドロキシイソカプロ
ン酸、2−ヒドロキシカプリン酸等)α−ヒドロキシ脂
肪酸の環状2量体(例、グリコシド、ラクチド等)、ヒ
ドロキシジカルボン酸(例、リンゴ酸等)、ヒドロキシ
トリカルボン酸(例、クエン酸等)をいう〕、 ポリ−α−シアノアクリル酸エステル、 ポリ−ヒドロキシ酪酸、 ポリアルキレンオキサレート(例、ポリトリメチレン
オキサレート、ポリテトラメチレンオキサレートな
ど)、 ポリオルソエステル、ポリオルソカーボネートあるい
はその他のポリカーボネート(例、ポリエチレンカーボ
ネート、ポリエチレンプロピレンカーボネートなど)、 ポリアミノ酸(例、ポリ−γ−ベンジル−L−グルタ
ミン酸、ポリ−L−アラニン、ポリ−γ−メチル−L−
グルタミン酸など)などが挙げられる。 さらに、生体適合性を有するその他の高分子重合物とし
て、ポリスチレン、ポリアクリル酸、ポリメタアクリル
酸、アクリル酸とメタアクリル酸との共重合物、シリコ
ンポリマー、デキストランステアレート、エチルセルロ
ース、アセチルセルロース、ニトロセルロース、ポリウ
レタン、無水マレイン酸系共重合物、エチレンビニール
アセテート系共重合物、ポリビニールアセテート、ポリ
ビニールアルコール、ポリアクリルアミドなどが挙げら
れる。これらの重合物は1種でもよく、また2種以上の
共重合物、あるいは単なる混合物でもよく、またその塩
でもよい。
【0019】これらの高分子重合物の中で、ポリ脂肪酸
エステル、ポリ−α−シアノアクリル酸エステルが好ま
しい。さらに、ポリ脂肪酸エステルが特に好ましい。ポ
リ脂肪酸エステルの中で、α−ヒドロキシ脂肪酸または
α−ヒドロキシ脂肪酸の環状2量体の単重合物、2種以
上のα−ヒドロキシ脂肪酸またはα−ヒドロキシ脂肪酸
の環状2量体の共重合物あるいはこれらの混合物が好ま
しい。さらに、α−ヒドロキシ脂肪酸の単重合物、2種
以上のα−ヒドロキシ脂肪酸の共重合物あるいはこれら
の混合物がより好ましい。とりわけ、ポリ乳酸、乳酸/
グリコール酸共重合物、2−ヒドロキシ酪酸/グリコー
ル酸共重合物あるいはこれらの混合物が特に好ましい。
これらのα−ヒドロキシカルボン酸において、D−体、
L−体およびD,L−体が存在するものは、そのいずれ
を用いてもよいが、D,L−体が好ましい。上記の高分
子重合物として、乳酸/グリコール酸共重合物を用いる
場合、その組成比は約100/0〜50/50が好まし
く、酪酸−グリコール酸共重合物を用いる場合、その組
成比は約100/0〜25/75が好ましい。乳酸/グ
リコール酸共重合物の重量平均分子量は、約5,000
から約30,000のものが好ましい。さらに約5,00
0から20,000のものが特に好ましい。上記高分子
重合物として例えばポリ乳酸(A)とグリコール酸/2
−ヒドロキシ酪酸共重合物(B)との混合物を用いる場
合、(A)/(B)で表される混合比が約10/90か
ら約90/10(重量比)の範囲で使用される。好まし
くは約25/75から約75/25(重量比)の範囲で
ある。ポリ乳酸の重量平均分子量は約5,000から約
30,000のものが好ましい。さらに約6,000から
約20,000のものが特に好ましい。グリコール酸/
2−ヒドロキシ酪酸共重合物は、その組成が、グリコー
ル酸が約40から約70モル、残りが2−ヒドロキシ酪
酸であるものが好ましい。グリコール酸/2−ヒドロキ
シ酪酸共重合物の重量平均分子量は約5,000から約
25,000のものが好ましい。さらに約5,000から
約20,000のものが特に好ましい。
【0020】親水性重合体としては、例えば、水溶性重
合体、腸溶性重合体、胃溶性重合体などが用いられる。
水溶性重合体としては、例えば、ヒドロキシプロピルセ
ルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等のヒ
ドロキシアルキルセルロース、メチルセルロース等のア
ルキルセルロースなどのセルロース誘導体、ポリビニル
ピロリドン等のポリアルケニルピロリドン、ポリエチレ
ングリコール等のポリアルキレングリコール、ポリビニ
ルアルコールなどが用いられる。腸溶性重合体として
は、例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタ
レート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテー
トサクシネート、カルボキシメチルエチルセルロース、
酢酸フタル酸セルロース、メタアクリル酸コポリマー
L、メタアクリル酸コポリマーSなどが用いられる。胃
溶性重合体としては、例えば、アミノアルキルメタアク
リレートコポリマーE、ポリビニルアセタールジエチル
アミノアセテートなどが用いられる。その他、カルボキ
シメチルセルロース、オイドラギット、カルボキシビニ
ルポリマー、ポリビニルアルコール、アラビアゴム、ア
ルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコール
エステル、カンテン、ゼラチン、キトサンなども用いる
ことができる。これらの親水性重合体は、1種または2
種類以上混合して使用しても良い。
【0021】また、本発明の組成物は、多孔性物質の溶
解性をさらに改善する目的で、易水溶性シクロデキスト
リン誘導体を含んでいてもよい。易水溶性シクロデキス
トリン誘導体は、市販のものを用いてもよいし、自体公
知の方法に従って製造することができる。易水溶性シク
ロデキストリン誘導体としては、好ましくは6〜12個
のグルコース単位からなる環状オリゴ糖のグルコースの
2,3,6位の一部あるいはすべての水酸基の水素を他
の官能基(例えば、ジヒドロキシアルキル基,糖残基,
ヒドロキシアルキル基、スルホアルキル基等)に置換し
た化合物などが用いられる。該易水溶性誘導体は、水に
対する溶解度が約100mg/mL以上、好ましくは約
130mg/mL以上である。
【0022】易水溶性シクロデキストリン誘導体の望ま
しい具体例としては、一般式
【化3】 〔式中、qは6ないし12の整数を、R6、R7およびR
8は個々の繰り返 し単位中で同一または異なって、それ
ぞれジヒドロキシアルキル基、糖残基、ヒドロキシアル
キル基またはスルホアルキル基を示す。〕で表される化
合物が挙げられる。その具体例としては、例えばα−C
yD(q=6)、β−CyD(q=7)、γ−CyD(q
=8)、δ−CyD(q=9)等の水酸基のエーテル誘
導体が挙げられる。これらの中でβ−CyDの水酸基の
エーテル誘導体が好ましい。
【0023】R6〜R8で示されるジヒドロキシアルキル
基としては、例えばジヒドロキシ−C1-6アルキル基
(例、ジヒドロキシメチル、2,2−ジヒドロキシエチ
ル、2,2−ジヒドロキシプロピル,2,2−ジヒドロ
キシペンチル,2,2−ジヒドロキシヘキシル等),好
ましくはジヒドロキシ−C1-4アルキル基(例、ジヒド
ロキシメチル、2,2−ジヒドロキシエチル、2,2−
ジヒドロキシプロピル等)が用いられる。R6〜R8で示
される糖残基としては、例えばC3-24糖残基(エリスロ
シル,トレオシル,アラビノシル,リボシル,グルコシ
ル,ガラクトシル,グリセロ−グルコ−ヘプトシル,マ
ルトシル,ラクトシル,マルトトリオシル,ジマルトシ
ル等),好ましくはC6-24糖残基(例、グルコシル,ガ
ラクトシル,グリセロ−グルコ−ヘプトシル,マルトシ
ル,ラクトシル,マルトトリオシル,ジマルトシル
等),特に好ましくはC6-12糖残基(例、グルコシル,
ガラクトシル,グリセロ−グルコ−ヘプトシル,マルト
シル,ラクトシル等)が用いられる。R6〜R8で示され
るヒドロキシアルキル基としては、例えばヒドロキシ−
1- 6アルキル基(例、ヒドロキシメチル、2−ヒドロ
キシエチル、2−ヒドロキシプロピル,2−ヒドロキシ
ペンチル,2−ヒドロキシヘキシル等),好ましくはヒ
ドロキシ−C1-4アルキル基(例、ヒド ロキシメチル、
2−ヒドロキシエチル、2−ヒドロキシプロピル等)、
特に2−ヒドロキシプロピル基が好ましく用いられる。
6〜R8で示されるスルホアルキル基としては、例えば
スルホ−C1-6アルキル基(例、スルホメチル、スルホ
エチル、スルホプロピル,スルホペンチル,スルホヘキ
シル等)、好ましくはスルホ−C1-4アルキル基(例、
スルホメチル、スルホエチル、スルホプロピル等)、特
にスルホブチル基が好ましく用いられる。
【0024】易水溶性シクロデキストリン誘導体のさら
に望ましい具体例としては、一般式(II)で表される化
合物において、R6〜R8のうち少なくとも一つが糖残
基、ヒドロキシアルキル基またはスルホアルキル基であ
るものが挙げられる。R6〜R8のうち少なくとも一つが
糖残基である化合物(II)としては、例えばグルコシル
−α,β,γ,δ−CyD,マルトシル−α,β,γ,
δ−CyD,マルトトリオシル−α,β,γ,δ−Cy
D,ジマルトシル−α,β,γ,δ−CyD等が挙げら
れる。これらの中で、マルトシル−α,β,γ,δ−C
yD,グルコシル−α,β,γ,δ−CyDが好まし
い。さらにマルトシル−β−CyD(以下、G2−β−
CyDと略記),グルコシル−β−CyDが特に好まし
い。R6〜R8のうち少なくとも一つがヒドロキシアルキ
ル基である化合物(II)としては、例えばヒドロキシプ
ロピル−α,β,γ,δ−CyD等が挙げられる。これ
らの中でも、ヒドロキシプロピル−β−CyDが特に好
ましい。R6〜R8のうち少なくとも一つがスルホアルキ
ル基である化合物(II)としては、例えばスルホブチル
−α,β,γ,δ−CyD等が挙げられる。これらの中
でも、スルホブチル−β−CyDが特に好ましい。
【0025】さらに、易水溶性シクロデキストリン誘導
体としては、分岐シクロデキストリン−カルボン酸を用
いることもできる。この分岐シクロデキストリン−カル
ボン酸には、その遊離カルボン酸のみならず、そのアル
カリ金属(例、リチウム、ナトリウム、カリウムな
ど)、アルカリ土類金属(例、カルシウム、マグネシウ
ムなど)などとの塩が含まれる。これら分岐シクロデキ
ストリン−カルボン酸は、単独でも、2種以上を併用し
てもよく、また、遊離のカルボン酸とその塩が混合した
状態で使用してもよい。該分岐シクロデキストリン−カ
ルボン酸は、少なくとも1つのカルボキシル基を含有す
る有機基を該シクロデキストリン環の少なくとも1つの
グルコース単位の6−O位に有するシクロデキストリン
である。該分岐シクロデキストリン−カルボン酸のシク
ロデキストリン環は、例えば6、7または8個のグルコ
ース単位を有する。好ましくは、該シクロデキストリン
環は7個のグルコース単位を有する。該シクロデキスト
リンとしては、例えば、α−シクロデキストリン、β−
シクロデキストリンおよびγ−シクロデキストリンなど
が挙げられる。上記少なくとも1つのカルボキシル基を
含有する有機基が1〜3個のグルコース単位を有し、か
つ、該有機基中のグルコース単位のヒドロキシメチル基
の少なくとも1つがカルボキシル基に酸化されている場
合が好ましい。
【0026】上記分岐シクロデキストリン−カルボン酸
の具体例としては、6−O−シクロマルトヘキサオシル
−(6→1)−α−D−グルコシル−(4→1)−O−α−
D−グルクロン酸(シクロマルトヘキサオシル−(6→
1)−α−D−グルコピラノシル−(4→1)−O−α−
D−グルコピラノシドウロン酸)(以下、α−CyD−G2
−COOHと略称することもある;以下の化合物の略称
についても同様に括弧内に示す)、6−O−シクロマル
トヘプタオシル−(6→1)−α−D−グルコシル−(4
→1)−O−α−D−グルクロン酸(シクロマルトヘプタ
オシル−(6→1)−O−α−D−グルコピラノシル−
(4→1)−O−α−D−グルコピラノシドウロン酸)(β
−CyD−G2−COOH)、6−O−シクロマルトオク
タオシル−(6→1)−α−D−グルコシル−(4→1)−
O−α−D−グルクロン酸(シクロマルトオクタオシル
−(6→1)−O−α−D−グルコピラノシル−(4→1)
−O−α−D−グルコピラノシドウロン酸(γ−CyD−
2−COOH)、6−O−シクロマルトヘキサオシル−
(6→1)−α−D−グルクロン酸(シクロマルトヘキサ
オシル−(6→1)−O−α−D−グルコピラノシドウロ
ン酸)(α−CyD−G1−COOH)、6−O−シクロマ
ルトヘプタオシル−(6→1)−α−D−グルクロン酸
(シクロマルトヘプタオシル−(6→1)−O−α−D−
グルコピラノシドウロン酸)(β−CyD−G1−COO
H)、6−O−シクロマルトオクタオシル−(6→1)−
α−D−グルクロン酸(シクロマルトオクタオシル−(6
→1)−O−α−D−グルコピラノシドウロン酸)(γ−
CyD−G1−COOH)、2−O−(6−シクロマルトヘ
キサオシル)−酢酸(α−CyD−CH2COOH)、2−
O−(6−シクロマルトヘプタオシル)−酢酸(β−CyD
−CH2COOH)、2−O−(6−シクロマルトオクタ
オシル)−酢酸(γ−CyD−CH2COOH)、3−O−
(6−シクロマルトヘプタオシル)−プロピオン酸(β−
CyD−CH2CH2COOH)、2−ヒドロキシ−3−O
−(6−シクロマルトヘプタオシル)−プロピオン酸(3
−O−(6−シクロマルトヘプタオシル)−2−ヒドロキ
シ−プロピオン酸)(β−CyD−CH2CH(OH)−C
OOH)、7A,7C−ジ−O−[α−D−グルクロニル−
(1→4)−O−α−D−グルコシル]−(1→6)−マル
トヘプタオース(β−CyD−(G2COOH)2)、6−O
−シクロマルトヘプタオシル−O−α−D−マルトシル
−(4→1)−O−α−D−グルクロン酸(シクロマルト
ヘプタオシル−(6→1)−O−α−D−グルコピラノシ
ル−(4→1)−O−α−D−グルコピラノシル−(4→
1)−O−α−D−グルコピラノシドウロン酸)(β-Cy
D−G3−COOH)、およびこれらの上記塩〔例、β−
CyD−G2−COOHのナトリウム塩(シクロマルトヘ
プタオシル−(6→1)−O−α−D−グルコピラノシル
−(4→1)−O−α−D−グルコピラノシドウロン酸ナ
トリウム(同様にβ−CyD−G2−COONaと略称す
る))〕が挙げられる。なかでも、β−CyD−G2−C
OONaが好ましい。
【0027】さらに詳しくは、6−O−シクロマルトヘ
キサオシル−(6→1)−α−D−グルコシル−(4→
1)−O−α−D−グルクロン酸(α−CyD−G2−C
OOH)、6−O−シクロマルトヘプタオシル−(6→
1)−α−D−グルコシル−(4→1)−O−α−D−
グルクロン酸(β−CyD−G2−COOH)、および
6−O−シクロマルトオクタオシル−α−D−グルコシ
ル−(4→1)−O−α−D−グルクロン酸(γ−Cy
D−G2−COOH)は、それぞれα−シクロデキスト
リン(グルコース単位数6)、β−シクロデキストリン
(グルコース単位数7)およびγ−シクロデキストリン
(グルコース単位数8)を含有する分岐シクロデキスト
リン−カルボン酸であり、そのシクロデキストリン環の
1つのグルコース単位にはマルトースがα−(1→6)結
合し、該マルトースの末端グルコースの6位ヒドロキシ
メチル基がカルボキシル基に酸化されてグルクロン酸が
形成されている。また、6−O−シクロマルトヘキサオ
シル−(6→1)−α−D−グルクロン酸(α−CyD−G
1−COOH)、6−O−シクロマルトヘプタオシル−
(6→1)−α−D−グルクロン酸(β−CyD−G1−C
OOH)、および6−O−シクロマルトオクタオシル−
(6→1)−α−D−グルクロン酸(γ−CyD−G1−C
OOH)は、そのシクロデキストリン環の1つのグルコ
ース単位にグルコースがα−(1→6)結合し、さらに該
分岐グルコースの6位ヒドロキシメチル基がカルボキシ
ル基に酸化されてグルクロン酸が形成されている分岐シ
クロデキストリン−カルボン酸である。そして、2−O
−(6−シクロマルトヘキサオシル)−酢酸(α−CyD−
CH2COOH)、2−O−(6−シクロマルトヘプタオ
シル)−酢酸(β−CyD−CH2COOH)、2−O−(6
−シクロマルトオクタオシル)−酢酸(γ−CyD−CH2
COOH)は、そのシクロデキストリン環の1つのグル
コース単位に分岐してカルボキシメチル基が結合した分
岐シクロデキストリン−カルボン酸である。これらの分
岐シクロデキストリン−カルボン酸またはその塩類は、
特開平7−76594号公報や特開平7−215895
号公報に記載されており、例えば、該公報や特開平10
−210996号公報、特開平10−210996号公
報などに記載の方法あるいはそれに準じる方法によって
製造することができる。
【0028】生理活性物質が医薬化合物である場合、本
発明の組成物(以下、組成物A)は、自体公知の経口用
または非経口用組成物の製造法に準じて、医薬化合物と
薬理学的に許容される担体、上記した界面活性剤、高分
子化合物、易溶性シクロデキストリン誘導体などとを混
合することにより、錠剤(糖衣錠、フィルムコーティン
グ錠、口腔内崩壊錠等を含む)、散剤、顆粒剤、カプセ
ル剤(ソフトカプセルを含む)、液剤などの経口用製
剤;注射剤、坐剤、膣剤、舌下錠、パップ剤、経皮剤な
どの非経口用製剤などに成型して、安全に投与すること
ができる。注射剤は、静脈内、筋肉内、皮下または臓器
内投与によって、あるいは直接病巣に投与することによ
って使用することができる。坐剤は、局所投与、直腸投
与などの方法で使用することもできる。
【0029】本発明の組成物Aの製造に用いられてもよ
い薬理学的に許容される担体としては、製剤素材として
慣用の各種有機あるいは無機担体物質が挙げられ、例え
ば、固形製剤における賦形剤、滑沢剤、結合剤、崩壊
剤;液状製剤における溶剤、溶解補助剤、懸濁化剤、等
張化剤、緩衝剤、無痛化剤等が挙げられる。また、必要
に応じて、通常の防腐剤、抗酸化剤、着色剤、甘味剤、
吸着剤、湿潤剤等の添加物を用いることもできる。賦形
剤としては、例えば、乳糖、白糖、D−マンニトール、
デンプン、コーンスターチ、結晶セルロース、軽質無水
ケイ酸等が挙げられる。滑沢剤としては、例えば、ステ
アリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、タル
ク、コロイドシリカ等が挙げられる。結合剤としては、
例えば、結晶セルロース、白糖、D−マンニトール、デ
キストリン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキ
シプロピルメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、
デンプン、ショ糖、ゼラチン、メチルセルロース、カル
ボキシメチルセルロースナトリウム等が挙げられる。崩
壊剤としては、例えば、デンプン、カルボキシメチルセ
ルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム、ク
ロスカルメロースナトリウム、カルボキシメチルスター
チナトリウム、L−ヒドロキシプロピルセルロース等が
挙げられる。溶剤としては、例えば、注射用水、アルコ
ール、プロピレングリコール、マクロゴール、ゴマ油、
トウモロコシ油、オリーブ油等が挙げられる。溶解補助
剤としては、例えば、ポリエチレングリコール、プロピ
レングリコール、D−マンニトール、安息香酸ベンジ
ル、エタノール、トリスアミノメタン、コレステロー
ル、トリエタノールアミン、炭酸ナトリウム、クエン酸
ナトリウム等が挙げられる。懸濁化剤としては、例え
ば、ステアリルトリエタノールアミン、ラウリル硫酸ナ
トリウム、ラウリルアミノプロピオン酸、レシチン、塩
化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、モノステア
リン酸グリセリン等の界面活性剤;例えばポリビニルア
ルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシメチルセ
ルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシメ
チルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロ
キシプロピルセルロース等の親水性高分子等が挙げられ
る。等張化剤としては、例えば、ブドウ糖、 D−ソル
ビトール、塩化ナトリウム、グリセリン、D−マンニト
ール等が挙げられる。緩衝剤としては、例えば、リン酸
塩、酢酸塩、炭酸塩、クエン酸塩等の緩衝液等が挙げら
れる。無痛化剤としては、例えば、ベンジルアルコール
等が挙げられる。防腐剤としては、例えば、パラオキシ
安息香酸エステル類、クロロブタノール、ベンジルアル
コール、フェネチルアルコール、デヒドロ酢酸、ソルビ
ン酸等が挙げられる。抗酸化剤としては、例えば、亜硫
酸塩、アスコルビン酸、α−トコフェロール等が挙げら
れる。
【0030】また、本発明の組成物Aを注射剤として用
いる場合、医薬化合物を無菌の水性液もしくは油性液に
溶解、懸濁または乳化することによって調製される注射
剤用担体としては、例えば、溶剤、溶解補助剤、懸濁化
剤、等張化剤、緩衝剤、無痛化剤などが用いられる。溶
剤としては、例えば、注射用水、生理食塩水、リンゲル
液等が挙げられる。溶解補助剤としては、例えば、ポリ
エチレングリコール、プロピレングリコール、D−マン
ニトール、安息香酸ベンジル、エタノール、トリスアミ
ノメタン、コレステロール、トリエタノールアミン、炭
酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム等が挙げられる。等
張化剤としては、例えば、ブドウ糖、 D−ソルビトー
ル、塩化ナトリウム、グリセリン、D−マンニトール等
が挙げられる。緩衝剤としては、例えば、リン酸塩、酢
酸塩、炭酸塩、クエン酸塩等の緩衝液等が挙げられる。
無痛化剤としては、例えば、ベンジルアルコール等が挙
げられる。かくして得られた注射剤は、必要に応じてパ
イロジェンを自体公知の方法で除去した後、無菌処理し
た凍結乾燥機で凍結乾燥して粉末の状態で保管すること
もできるし、そのまま注射用容器(例、アンプル)に密
封して保管することもできる。
【0031】本発明の組成物Aにおける医薬化合物の含
有量は、製剤の形態によって相違するが、通常組成物全
体に対して約0.01ないし99.99重量%、好まし
くは約0.1ないし50重量%、さらに好ましくは約
0.5ないし20重量%程度である。本発明の組成物A
に界面活性剤、親水性重合体または易溶性シクロデキス
トリン誘導体を用いる場合、その含有量は、製剤の形態
によって相違するが、通常組成物全体に対してそれぞれ
約1ないし99.99重量%、好ましくは約10ないし
90重量%程度である。本発明の組成物Aにおける薬理
学的に許容される担体の含有量は、製剤の形態によって
相違するが、通常組成物全体に対して約1ないし99.
99重量%、好ましくは約10ないし90重量%程度で
ある。本発明の組成物Aは、医薬化合物の種類等に応じ
て、哺乳動物(例、ラット、マウス、モルモット、サ
ル、ウシ、イヌ、ブタ、ヒト等)に投与することができ
る。本発明の組成物Aの投与量は、投与対象、投与ルー
ト、疾患等によっても異なるが、例えば、抗高血圧剤と
して成人(約60kg)に対して経口剤として投与する
場合、抗高血用医薬化合物を約0.1ないし約20mg
/kg体重、好ましくは約0.2ないし約10mg/k
g体重、更に好ましくは約0.5ないし約10mg/k
g体重であって、1日1ないし数回に分けて投与するこ
とができる。本発明の組成物Aが注射剤の場合、静脈
内、筋肉内、皮下または臓器内投与あるいは直接病巣に
投与することができる。注射剤の投与量は、投与対象、
投与ルート、疾患などにより異なるが、例えば、抗高血
圧剤として使用する場合、成人(約60kg)に対し、
1回当たり、抗高血用医薬化合物として約0.1〜50
0mg、好ましくは約1〜100mg、さらに好ましく
は5〜100mgであり、1日1〜数回に分けて静脈内
投与することができる。また、2種以上の医薬化合物を
用いてそれぞれを別々に製剤化し、同一対象に対して同
時に又は時間差を置いて投与してもよい。
【0032】生理活性成分が農薬化合物の場合、本発明
の組成物(以下、組成物B)は自体公知の農薬組成物の
製造法に準じて、農薬化合物と、適当な農薬製剤用担
体、上記した界面活性剤、親水性重合体、易溶性シクロ
デキストリン誘導体などとを混合することにより、乳
剤、液剤、油剤、粉剤、DL(ドリフトレス)型粉剤、
粒剤、微粒剤、微粒剤F、細粒剤F、水和剤、顆粒水和
剤、水溶剤、フロアブル剤、錠剤、ジャンボ剤、噴霧
剤、ペースト剤などに成型することができる。具体的に
は、農薬化合物の1種または2種以上(好ましくは1〜
3種)を使用目的によって適当な液体担体に溶解するか
分散させるか、または適当な固体担体と混合するか吸着
させ、必要に応じて界面活性剤、親水性重合体または易
溶性シクロデキストリン誘導体と混合する。これらの製
剤は、必要に応じ、乳化剤、分散剤、展着剤、浸透剤、
湿潤剤、結合剤、増粘剤などを添加してもよく、自体公
知の方法で調製することができる。
【0033】使用する液体担体(溶剤)としては、例え
ば、水、アルコール類(例、メタノール、エタノール、
1−プロパノール、2−プロパノール、エチレングリコ
ール等)、ケトン類(例、アセトン、メチルエチルケト
ン等)、エーテル類(例、ジオキサン、テトラヒドロフ
ラン、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチ
レングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコ
ールモノメチルエーテル等)、脂肪族炭化水素類(例、
ケロシン、灯油、燃料油、機械油等)、芳香族炭化水素
類(例、ベンゼン、トルエン、キシレン、ソルベントナ
フサ、メチルナフタレン等)、ハロゲン化炭化水素類
(例、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素
等)、酸アミド類(例、ジメチルホルムアミド、ジメチ
ルアセトアミド等)、エステル類(例、酢酸エチルエス
テル、酢酸ブチルエステル、脂肪酸グリセリンエステル
等)、ニトリル類(例、アセトニトリル、プロピオニト
リル等)等の溶媒が用いられる。これらは1種または2
種以上(好ましくは1〜3種)を適当な割合で混合して
使用する。
【0034】固体担体(希釈・増量剤)としては、例え
ば、植物性粉末(例、大豆粉、タバコ粉、小麦粉、木粉
等)、鉱物性粉末(例、カオリン、ベントナイト、酸性
白土、クレイ等のクレイ類、滑石粉、ロウ石粉等のタル
ク類、珪藻土、雲母粉等のシリカ類等)、アルミナ、硫
黄粉末、活性炭、糖類(例、乳糖、ブドウ糖等)、無機
塩類(例、炭酸カルシウム、重炭酸ナトリウム等)、ガ
ラス中空体(天然のガラス質を焼成加工してその中に気
泡を内包させたもの)等が用いられる。これらは1種ま
たは2種以上(好ましくは1〜3種)を適当な割合で混
合して使用する。該液体担体または固体担体は、組成物
全体に対して通常約1〜99重量%程度、好ましくは約
10〜99重量%程度用いることができる。乳化剤、分
散剤、展着剤、浸透剤、湿潤剤等としては必要に応じて
界面活性剤が用いられる。これらの界面活性剤として
は、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル
(例、三洋化成工業(株)製、エマルミン110等)、
ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル(例、三
洋化成工業(株)製、ノニポール85、ノニポール10
0、ノニポール160等)、ポリオキシエチレンラノリ
ンアルコール、ポリオキシエチレンアルキルフェノール
ホルマリン縮合物、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪
酸エステル(例、花王(株)製、トゥイーン20、トゥ
イーン80、第一工業製薬(株)製、ソルゲンTW−2
0、ソルゲンTW−80等)、ポリオキシエチレングリ
セリルモノ脂肪酸エステル、ポリオキシプロピレングリ
コールモノ脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビ
トール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンヒマシ油誘
導体、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、高級脂肪酸
グリセリンエステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ショ
糖脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンポリオキシプロ
ピレンブロックポリマー、ポリオキシエチレン脂肪酸ア
ミド、アルキロールアミド、ポリオキシエチレンアルキ
ルアミン等の非イオン性界面活性剤、アルキルアミン塩
酸塩(例、ドデシルアミン塩酸塩等)、アルキル四級ア
ンモニウム塩、アルキルトリメチル四級アンモニウム塩
(例、ドデシルトリメチルアンモニウム塩等)、アルキ
ルジメチルベンジルアンモニウム塩、アルキルピリジニ
ウム塩、アルキルイソキノリニウム塩、ジアルキルモル
ホリニウム塩、塩化ベンゼトニウム、ポリアルキルビニ
ルピリジニウム塩等のカチオン性界面活性剤、高級脂肪
酸ナトリウム塩(例、パルミチン酸ナトリウム等)、エ
ーテルカルボン酸ナトリウム塩(例、ポリオキシエチレ
ンラウリルエーテルカルボン酸ナトリウム等)、高級脂
肪酸のアミノ酸縮合物(例、ラウロイルサルコシンナト
リウム、N−ラウロイルグルタミン酸ナトリウム等)、
高級アルキルスルホン酸塩、高級脂肪酸エステルスルホ
ン酸塩(例、ラウリン酸エステルスルホン酸塩等)、リ
グニンスルホン酸塩(例、リグニンスルホン酸ナトリウ
ム等)、アルキルスルホサクシネート(例、ジヘプチル
スルホコハク酸ナトリウム、ジオクチルスルホコハク酸
ナトリウム、ジノニルスルホコハク酸ナトリウム等)、
高級脂肪酸アミドスルホン酸塩(例、オレイン酸アミド
スルホン酸塩等)、ドデシルベンゼンスルホン酸塩、ジ
イソプロピルナフタレンスルホン酸塩、アルキルアリー
ルスルホン酸塩ホルマリン縮合物、高級アルコール硫酸
エステル塩(例、ペンタデカン−2−イルスルフェート
等)、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステ
ル塩(例、ポリオキシエチレンドデシルエーテル硫酸ナ
トリウム等)、ポリオキシエチレンアルキルリン酸エス
テル(例、ジポリオキシエチレンドデシルエーテルリン
酸エステル等)、ポリオキシエチレンアルキルアリール
リン酸エステル塩、スチレン−マレイン酸共重合体、ア
ルキルビニルエーテル−マレイン酸共重合体等のアニオ
ン性界面活性剤、N−ラウリルアラニン、N,N,N−
トリメチルアミノプロピオン酸、N,N,N−トリヒド
ロキシエチルアミノプロピオン酸、N−ヘキシル−N,
N−ジメチルアミノ酢酸、1−(2−カルボキシエチ
ル)ピリジニウムベタイン等の両性界面活性剤等があげ
られる。これらのうち1種または2種以上(好ましくは
1〜5種)が用いられる。該界面活性剤は、組成物全体
に対して通常約0.1〜50重量%程度、好ましくは約
0.1〜25重量%程度用いることができる。
【0035】結合剤としては、例えば、デキストリン
(例、日澱化学(株)製、デキストリンND−S等)、
カルボキシメチルセルロースのナトリウム塩(例、第一
工業製薬(株)製、セロゲン5A、セロゲン6A、セロ
ゲン7A、セロゲンPR等)、ポリカルボン酸系高分子
化合物(例、三洋化成工業(株)製、トキサノンGR−
30、トキサノンGR−31A、トキサノンGR−50
L、トキサノンGR−60L;花王(株)製、ポイズ5
30、ポイズ532A等)、ポリビニルピロリドン、ポ
リビニルアルコール、リグニンスルホン酸ナトリウム、
リグニンスルホン酸カルシウム、ポリアクリル酸ナトリ
ウム、アラビアガム、アルギン酸ナトリウム、グルコー
ス、ショ糖、マンニトール、ソルビトール等が用いられ
る。該結合剤は、製剤全体に対して通常約0〜20重量
%程度用いることができる。増粘剤としては、例えば、
ベントナイト鉱物質(例、高純度ソジウムモンモリロナ
イト等)、ポリアクリル酸とその誘導体、カルボキシメ
チルセルロースのナトリウム塩(例、第一工業製薬
(株)製、セロゲン5A、セロゲン6A、セロゲン7
A、セロゲンPR等)、ホワイトカーボン類、天然の糖
類誘導体(例、キサンタンガム、グアーガム等)等が用
いられる。該増粘剤は組成物全体に対して通常約0.0
1〜10重量%程度用いられる。
【0036】本発明の組成物Bにおける農薬化合物の含
有割合は、乳剤、水和剤、顆粒水和剤、液剤、水溶剤、
フロアブル剤等では約1〜90重量%程度が適当であ
り、油剤、粉剤、DL型粉剤等では約0.01〜10重
量%程度が適当であり、微粒剤、微粒剤F、細粒剤F、
粒剤等では約0.05〜10重量%程度が適当である
が、使用目的によってはこれらの濃度を適宜変更しても
よい。乳剤、水和剤、顆粒水和剤、液剤、水溶剤、フロ
アブル剤等では使用に際して水等で適宜希釈増量(例え
ば、約100〜100,000倍)して散布することも
できる。本発明の組成物Bに界面活性剤、親水性重合体
または易溶性シクロデキストリン誘導体を用いる場合、
その含有量は、製剤の形態によって相違するが、通常製
剤全体に対して約1ないし99.99重量%、好ましく
は約10ないし90重量%程度である。本発明の組成物
Bにおける農薬製剤用担体の含有量は、製剤の形態によ
って相違するが、通常製剤全体に対して約1ないし9
9.99重量%、好ましくは約10ないし90重量%程
度である。施用方法は通常の農薬の施用方法と同様の方
法を用いることができ、例えば、空中散布、土壌散布、
茎葉散布、育苗箱散布、側条施用、種子処理等があげら
れる。例えば水田に施用する場合には自体公知の方法
(例、手撒き、動力散布等)により施用される。例え
ば、農薬化合物として除草剤を用いる場合の本発明の組
成物Bの使用量は、適用場面、適用時期、施用方法、対
象草種、栽培作物等により差異はあるが、一般に除草剤
を水田1アールあたり約0.05〜50g程度、好まし
くは約0.1〜10g程度、畑地1アールあたり約0.
05〜50g程度、好ましくは約0.1〜10g程度で
ある。本発明の組成物Bを水田雑草に適用する場合、出
芽前土壌処理あるいは茎葉兼土壌処理剤として使用する
のが好ましい。
【0037】
【発明の実施の形態】以下に実施例を挙げて本発明をさ
らに具体的に説明するが、これらは本発明を限定するも
のではない。
【実施例】
【実施例1】90mLの耐圧容器にニフェジピン約1g
を入れ、容器を60℃に加温し、連結したボンベより二
酸化炭素を充填速度20mL/minで充填して、ニフ
ェジピンを二酸化炭素中に分散した。容器内の圧力が2
0メガパスカル(MPa)になった時点で二酸化炭素の
充填を停止し、約10分間放置した後、抜圧した。得ら
れた製品のSEM写真を図1に、その拡大写真を図2に
示した。処理前のニフェジピンのSEM写真を図3に示
した。
【0038】
【発明の効果】本発明の多孔性物質は、溶解速度が著し
く改善され、ハンドリングがしやすい。
【0039】
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で得られた多孔性物質の走査型電子顕
微鏡写真図を示す。
【図2】実施例1で得られた多孔性物質の拡大走査型電
子顕微鏡写真図を示す。
【図3】ニフェジピンの走査型電子顕微鏡写真図を示
す。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61K 47/36 A61K 47/36 47/38 47/38 47/40 47/40 47/42 47/42 C08K 5/00 C08K 5/00 C08L 5/16 C08L 5/16 101/00 101/00 Fターム(参考) 4C076 AA29 EE03 EE09 EE24 EE26 EE27 EE30 EE31 EE39 EE48 FF06 4H011 AA01 AB01 AC01 BA01 BC19 DA01 DA12 4J002 AA001 AB021 AB031 AB051 BC031 BE021 BF021 BF031 BG011 BG071 BG131 BH021 CF181 CG001 CH021 CK021 CL021 CP031 FD20

Claims (26)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】固状の生理活性物質を超臨界または亜臨界
    状態にある二酸化炭素または液体二酸化炭素で処理して
    得られる多孔性の生理活性物質。
  2. 【請求項2】重量平均粒子径が約1μm以上で、比表面
    積が約1.5m2/g以上の多孔性の生理活性物質。
  3. 【請求項3】重量平均粒子径が約10μm以上で、比表
    面積が約1.5m2/g以上である請求項2記載の多孔
    性の生理活性物質。
  4. 【請求項4】結晶性である請求項1または2記載の多孔
    性の生理活性物質。
  5. 【請求項5】生理活性物質が医薬化合物である請求項1
    または2記載の多孔性の生理活性物質。
  6. 【請求項6】固状の生理活性物質が25℃で水に対する
    溶解度が10mg/mL未満の水難溶性ないし水不溶性
    物質である請求項1または2記載の多孔性の生理活性物
    質。
  7. 【請求項7】請求項1または2記載の物質を含有してな
    る組成物。
  8. 【請求項8】界面活性剤または高分子化合物を含有する
    請求項7記載の組成物。
  9. 【請求項9】高分子化合物が数平均分子量約3,000
    〜30,000の高分子重合物である請求項8記載の組
    成物。
  10. 【請求項10】高分子重合物が(1)ポリ脂肪酸エステ
    ル、(2)ポリ−α−シアノアクリル酸エステル、(3)
    ポリ−ヒドロキシ酪酸、(4)ポリアルキレンオキサレ
    ート,ポリオルソエステル,ポリオルソカーボネート,
    ポリエチレンカーボネートおよびポリエチレンプロピレ
    ンカーボネートから選ばれるポリカーボネート、(5)
    ポリアミノ酸、(6)ポリスチレン、(7)ポリアクリル
    酸、(8)ポリメタアクリル酸、(9)アクリル酸とメタ
    アクリル酸との共重合物、(10)シリコンポリマー、
    (11)デキストランステアレート、(12)エチルセルロ
    ース、(13)アセチルセルロース、(14)ニトロセルロ
    ース、(15)ポリウレタン、(16)無水マレイン酸系共
    重合物、(17)エチレンビニールアセテート系共重合
    物、(18)ポリビニールアセテート、(19)ポリビニー
    ルアルコールおよび(20)ポリアクリルアミドから成る
    群から選ばれる1種もしくは2種以上の共重合物または
    混合物である請求項9記載の組成物。
  11. 【請求項11】高分子重合物がポリ乳酸、乳酸/グリコ
    ール酸共重合物、2−ヒドロキシ酪酸/グリコール酸共
    重合物またはこれらの混合物である請求項9記載の組成
    物。
  12. 【請求項12】高分子化合物が親水性重合体である請求
    項8記載の組成物。
  13. 【請求項13】親水性重合体が、(1)ヒドロキシアル
    キルセルロース、セルロース誘導体、ポリアルケニルピ
    ロリドン、ポリアルキレングリコールおよびポリビニル
    アルコールから選ばれる水溶性重合体;(2)ヒドロキ
    シプロピルメチルセルロースフタレート、ヒドロキシプ
    ロピルメチルセルロースアセテートサクシネート、カル
    ボキシメチルエチルセルロース、酢酸フタル酸セルロー
    ス、メタアクリル酸コポリマーLおよびメタアクリル酸
    コポリマーSから選ばれる腸溶性重合体;(3)アミノ
    アルキルメタアクリレートコポリマーEおよびポリビニ
    ルアセタールジエチルアミノアセテートから選ばれる胃
    溶性重合体;(4)カルボキシメチルセルロース;(5)
    オイドラギット;(6)カルボキシビニルポリマー;
    (7)ポリビニルアルコール;(8)アラビアゴム;
    (9)アルギン酸ナトリウム;(10)アルギン酸プロピ
    レングリコールエステル;(11)カンテン;(12)ゼラ
    チンおよび(13)キトサンから成る群から選ばれる1種
    または2種類以上の混合物である請求項12記載の組成
    物。
  14. 【請求項14】易水溶性シクロデキストリン誘導体を含
    有する請求項7記載の組成物。
  15. 【請求項15】易水溶性シクロデキストリン誘導体が一
    般式 【化1】 〔式中、qは6ないし12の整数を、R6、R7およびR
    8は個々の繰り返し単位中で同一または異なって、それ
    ぞれジヒドロキシアルキル基、糖残基、ヒドロキシアル
    キル基またはスルホアルキル基を示す。〕で表される化
    合物である請求項14記載の組成物。
  16. 【請求項16】ジヒドロキシアルキル基がジヒドロキシ
    −C1-6アルキル基を、糖残基がエリスロシル, トレオ
    シル,アラビノシル,リボシル,グルコシル,ガラクト
    シル,グリセロ−グルコ−ヘプトシル,マルトシル,ラ
    クトシル,マルトトリオシルまたはジマルトシルを、ヒ
    ドロキシアルキル基がヒドロキシ−C1- 6アルキル基
    を、スルホアルキル基がスルホ−C1-6アルキル基を示
    す請求項15記載の組成物。
  17. 【請求項17】固状の生理活性物質を超臨界または亜臨
    界状態にある二酸化炭素または液体二酸化炭素で処理す
    ることを特徴とする請求項1または2記載の多孔性の生
    理活性物質の製造法。
  18. 【請求項18】超臨界または亜臨界状態にある二酸化炭
    素または液体二酸化炭素に他の溶媒を混和する請求項1
    7記載の製造法。
  19. 【請求項19】(1)耐圧性容器に固状の生理活性物質
    を入れ、(2)該耐圧性容器の温度を二酸化炭素の超臨
    界状態または亜臨界状態に保ち、(3)該耐圧性容器
    に、必要に応じて他の溶媒と混和した二酸化炭素を充填
    し、(4)該耐圧性容器内の圧力が二酸化炭素の超臨界
    状態または亜臨界状態に達した時点で二酸化炭素の充填
    を停止し、(5)二酸化炭素で処理完了後抜圧し、得ら
    れた多孔性の生理活性物質を回収する請求項17記載の
    製造法。
  20. 【請求項20】超臨界状態にある二酸化炭素が、二酸化
    炭素の臨界圧約7.38メガパスカル(MPa)、臨界
    温度約304.1ケルビン(K)をともに超えた状態に
    ある二酸化炭素である請求項17〜19記載の製造法。
  21. 【請求項21】亜臨界状態にある二酸化炭素が、二酸化
    炭素の臨界圧約7.38メガパスカル(MPa)、臨界
    温度約304.1ケルビン(K)のいずれか一方のみ超
    えた状態にある二酸化炭素である請求項17〜19記載
    の製造法。
  22. 【請求項22】(1)耐圧性容器に生理活性物質を入
    れ、(2)該耐圧性容器の温度の臨界点以下に保ち、
    (3)該耐圧性容器に、必要に応じて他の溶媒と混和し
    た二酸化炭素を充填し(4)該耐圧性容器内の圧力が二
    酸化炭素の臨界点以下の状態で二酸化炭素の充填を停止
    し、(5)二酸化炭素で処理完了後抜圧し、得られた多
    孔性の生理活性物質を回収する請求項17記載の製造
    法。
  23. 【請求項23】他の溶媒が水、芳香族炭化水素類、エー
    テル類、有機塩素系有機溶剤、アルキルニトリル類、ニ
    トロアルカン類、アミド類、ケトン類、脂肪酸、アルコ
    ール類、スルホキシド類またはこれらの混合溶媒である
    請求項18または19記載の製造法。
  24. 【請求項24】他の溶媒が水;ベンゼン、トルエン、酢
    酸エチル、シクロヘキサンおよびキシレンから選ばれる
    芳香族炭化水素類;ジメチルエーテル、ジエチルエーテ
    ル、ジオキサン、ジエトキシエタン、テトラヒドロフラ
    ンおよび1,2−ジメトキシエタンから選ばれるエーテ
    ル類;ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素およ
    び1,2−ジクロロエタンから選ばれる有機塩素系有機
    溶剤;アセトニトリルおよびプロピオニトリルから選ば
    れるアルキルニトリル類;ニトロメタンおよびニトロエ
    タンから選ばれるニトロアルカン類;N,N−ジメチル
    ホルムアミドおよびN,N−ジメチルアセトアミドから
    選ばれるアミド類;アセトン;酢酸、無水酢酸およびオ
    レイン酸から選ばれる脂肪酸;メタノール、エタノール
    およびプロパノールから選ばれるアルコール類;ジメチ
    ルスルホキシド;またはこれらの混合溶媒である請求項
    18または19記載の製造法。
  25. 【請求項25】他の溶媒がエタノールまたはアセトンで
    ある請求項18または19記載の製造法。
  26. 【請求項26】他の溶媒の使用量が超臨界ないし亜臨界
    状態または液体状態にある二酸化炭素に対して約1〜5
    0体積%である請求項18または19記載の製造法。
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