JPWO2004096281A1 - 溶出性に優れた超難水溶性薬物含有組成物及びその製造法 - Google Patents

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Abstract

平均細孔直径が1〜20nmの範囲内にあり、平均細孔直径の±40%の範囲内に全細孔容積の60%以上が含まれ、かつ、X線回折において、d値が1nm以上に相当する回折角(2θ)の位置に、1本以上のピークを有することを特徴とするシリカ多孔体及び超難水溶性薬物を含有する組成物を、二酸化炭素の超臨界流体又は亜臨界流体を用いて処理することにより得られる超難水溶性薬物含有組成物及びその製造法。 本発明の超難水溶性薬物含有組成物は、超難水溶性薬物の溶出性に優れる。

Description

本発明は、溶出性に優れた超難水溶性薬物含有組成物及びその製造法に関する。
2−ベンジル−5−(4−クロロフェニル)−6−[4−(メチルチオ)フェニル]−2H−ピリダジン−3−オンは優れたインターロイキン−1β産生抑制作用を有し、免疫系疾患、炎症性疾患、虚血性疾患等の予防及び治療薬として有用であることが知られている(特開平12−198776号公報)。しかし、この化合物は極めて水に溶け難い薬物であり、製剤からの溶出性が悪く、改善が求められていた。
難水溶性薬物の溶出性改善法として、薬物の微細化や誘導体の作製等の技術が知られている。しかし、2−ベンジル−5−(4−クロロフェニル)−6−[4−(メチルチオ)フェニル]−2H−ピリダジン−3−オン等の超難水溶性薬物は、微細化では溶出性は改善されず、誘導体にすると薬効が変化するため好ましくない。
また、溶出性の改善方法として、ニフェジピンのような生理活性物質を超臨界状態又は亜臨界状態にある二酸化炭素又は液体二酸化炭素で処理する方法(例えば、特開2002−302435号公報)等が提案されている。しかし、ニフェジピンのような難水溶性薬物の溶出性は改善されるが、2−ベンジル−5−(4−クロロフェニル)−6−[4−(メチルチオ)フェニル]−2H−ピリダジン−3−オンのような超難水溶性薬物は、このような方法によっても溶出性は改善されない。
従って、本発明の目的は、溶出性に優れた超難水溶性薬物含有組成物及びその製造法を提供することにある。
本発明者らは、以上の点を考慮して鋭意検討した結果、平均細孔直径が1〜20nmの範囲内にあり、平均細孔直径の±40%の範囲内に全細孔容積の60%以上が含まれ、かつ、X線回折において、d値が1nm以上に相当する回折角(2θ)の位置に、1本以上のピークを有することを特徴とするシリカ多孔体及び超難水溶性薬物を含有する組成物を、二酸化炭素の超臨界流体又は亜臨界流体を用いて処理すると、超難水溶性薬物の溶出性に優れた組成物が得られることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、平均細孔直径が1〜20nmの範囲内にあり、平均細孔直径の±40%の範囲内に全細孔容積の60%以上が含まれ、かつ、X線回折において、d値が1nm以上に相当する回折角(2θ)の位置に、1本以上のピークを有することを特徴とするシリカ多孔体及び超難水溶性薬物を含有する組成物を、二酸化炭素の超臨界流体又は亜臨界流体を用いて処理することにより得られる超難水溶性薬物含有組成物及びその製造法を提供するものである。
本発明により、溶出性に優れた超難水溶性薬物含有組成物及びその製造法を提供することができる。
本発明で使用する超難水溶性薬物は、25℃の水に対して、溶解度が10μg/mL未満、好ましくは5μg/mL未満、特に好ましくは1μg/mL以下である。
本発明で使用する超難水溶性薬物の種類は特に制限されない。例えば、解熱剤、抗炎症剤、鎮痛剤、精神安定剤、鎮静剤、抗腫瘍剤、抗菌剤、抗生物質、抗高脂血症剤、鎮咳去たん剤、筋弛緩剤、抗てんかん剤、抗潰瘍剤、抗うつ剤、抗アレルギー剤、強心剤、不整脈治療剤、血管拡張剤、降圧利尿剤、糖尿治療剤、抗結核剤、抗リウマチ剤、ステロイド剤、麻薬拮抗剤、ホルモン剤、脂溶性ビタミン剤、抗凝血剤、虚血性疾患治療薬、免疫疾患治療薬、アルツハイマー病治療薬、骨粗鬆症治療薬、血管新生治療薬、網膜症治療薬、網膜静脈閉塞症治療薬、老人性円板状黄斑変性症、脳血管攣縮治療薬、脳血栓治療薬、脳梗塞治療薬、脳閉塞症治療薬、脳内出血治療薬、クモ膜下出血治療薬、高血圧性脳症治療薬、一過性脳虚血発作治療薬、多発性梗塞性痴呆治療薬、動脈硬化症治療薬、ハンチントン病治療薬、脳組織障害治療薬、視神経症治療薬、緑内障治療薬、高眼圧症治療薬、網膜剥離治療薬、関節炎治療薬、抗セプシス薬、抗セプティックショック薬、抗喘息薬、頻尿・尿失禁治療薬、アトピー性皮膚炎治療薬、アレルギー性鼻炎治療薬、化粧料組成物、農薬組成物、殺虫剤、殺菌剤、除草剤、飲食用組成物、動物薬組成物等が挙げられる。
超難水溶性薬物の好ましい具体例としては、2−ベンジル−5−(4−クロロフェニル)−6−[4−(メチルチオ)フェニル]−2H−ピリダジン−3−オン(以下、化合物Aと記載することがある。25℃の水に対する溶解度:0.01μg/mL)等の抗リウマチ剤、吉草酸酢酸プレドニゾロン(25℃の水に対する溶解度:4.0μg/mL)、コレステロール(25℃の水に対する溶解度:0.1μg/mL)、エストラジオール(25℃の水に対する溶解度:3.6μg/mL)及びプロゲステロン(25℃の水に対する溶解度:8.8μg/mL)等のステロイド剤、プランルカスト(25℃の水に対する溶解度:0.9μg/mL)等の抗喘息薬、プランルカスト(25℃の水に対する溶解度:0.9μg/mL)等のアレルギー性鼻炎治療薬等が挙げられ、特に化合物Aが好ましい。
本発明で使用するシリカ多孔体は、平均細孔直径が1〜20nmの範囲内にあり、平均細孔直径の±40%の範囲内に全細孔容積の60%以上が含まれ、かつ、X線回折において、d値が1nm以上に相当する回折角(2θ)の位置に、1本以上のピークを有することを特徴とするシリカ多孔体(以下、本シリカ多孔体と記載することがある)である。
ここで、本シリカ多孔体の平均細孔直径は、ガス吸着法により求めることができ、その測定は、例えば、自動比表面積・細孔分布測定装置TriStar 3000(マイクロメリティックス社製)等により行うことができる。
また、本シリカ多孔体のX線回折において、d値が1nm以上に相当する回折角(2θ)の位置に、1本以上のピークを有するとは、そのピーク角度に相当するd値の周期構造がシリカ多孔体中にあることを意味する。このことは、細孔が1nm以上の間隔で、規則的に配列した構造を反映したものである。従って、本シリカ多孔体は、細孔直径が十分均一なシリカ多孔体である。
なお、X線回折測定は、例えば、自動X線回折計システムMXP3(株式会社マック・サイエンス製)等により行うことができる。
本発明のシリカ多孔体の組成は、純粋なシリカでもよいが、シリカにアルミニウム(Al)、チタニウム(Ti)、マグネシウム(Mg)、ジルコニウム(Zr)、ガリウム(Ga)、ベリリウム(Be)、イットリウム(Y)、ランタン(La)、スズ(Sn)、鉛(Pb)、バナジウム(V)、ホウ素(B)等が混ざったものでもよい。
本発明のシリカ多孔体としては、例えば、金属酸化物の重合した骨格、典型的には、シリケート骨格を有するシリカ多孔体を挙げることができる。本多孔体は、かかる金属−酸素結合が網目状となって、全体として多孔体を構成している。例えば、シリケート骨格におけるケイ素原子に代えて、アルミニウム、ジルコニウム、タンタル、ニオブ、スズ、ハフニウム、マグネシウム、モリブデン、コバルト、ニッケル、ガリウム、ベリリウム、イットリウム、ランタン、鉛、バナジウム等の他の金属原子を有する骨格を有するシリカ多孔体も挙げることができる。また、シリケート骨格あるいは上記他の金属原子と酸素原子との結合を含む骨格中に、上記他の金属原子あるいはケイ素原子を含む、骨格を有するシリカ多孔体も使用できる。
なお、かかる基本骨格を構成する原子に結合する側鎖部分には、各種金属原子、有機官能基、無機官能基が付加されていてもよい。例えば、チオール基、カルボキシル基、メチル基やエチル基等の低級アルキル基、フェニル基、アミノ基、ビニル基等を有するものが好ましい。
本発明のシリカ多孔体の細孔の形態は、1次元的にトンネル状に延びたものや、3次元的に箱状又は球状の細孔が結合したもの等を挙げることができる。また、本発明のシリカ多孔体の細孔構造としては、2次元ヘキサゴナル構造、3次元ヘキサゴナル(P6mm,P63/mmc)、キュービック(Ia3d,Pm3n)、ラメラ、不規則構造等があるが、これらに限定されないで、各種構造のシリカ多孔体を包含する。
このようなシリカ多孔体としてはFSM−C8、FSM−C10、FSM−C12、FSM−C14、FSM−C16、FSM−C18、FSM−C22(いずれも株式会社豊田中央研究所製)、メソポーラスモレキュラーシーブ MCM−41(モービル社製)等が挙げられ、特にFSM−C16、FSM−C12が好ましい。
本発明で使用するシリカ多孔体は、界面活性剤の存在下、骨格原料を縮合させ、その後、該縮合物から界面活性剤を除去することにより製造される。更に詳細には、ケイ酸ナトリウム、シリカ又はアルコキシシラン等の骨格原料を界面活性剤の溶液中で縮合させることによって製造される(製造方法(1))。また、層状のシリケート(カネマイト等)を骨格原料として、界面活性剤の溶液中で縮合させることによって製造される(製造方法(2))。以下、本発明のシリカ多孔体を得るのに好ましい製造方法(1)及び(2)について説明する。
製造方法(1)
骨格原料を、界面活性剤を溶解させた溶媒中で縮合反応させ、生成した沈殿あるいはゲル状態の固形分を濾過、洗浄及び乾燥し、更に、焼成処理又はH置換処理を行うことにより、界面活性剤を除去して製造される。
骨格原料としては、炭素数1〜4のアルコキシ基を3個又は4個有するテトラアルコキシシラン又はアルキルアルコキシシランが挙げられ、炭素数1〜3のアルコキシ基を有するテトラアルコキシシランが好ましく、特にテトラエトキシシラン、テトラメトキシシランが好ましい。これらのアルコキシシランは、1種類又は2種類以上を組み合わせて用いることもできる。
溶媒としては、水又は水とアルコール等の水と混合する有機溶媒との混合溶媒が好ましい。有機溶媒としては、メタノール、エタノール、プロパノール、エチレングリコール、グリセリン等のアルコール類、アセトン、ピリジン、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド等が挙げられ、特に、メタノールが好ましい。
界面活性剤としては、特に制限がなく、一般的には陽イオン性、陰イオン性又は非イオン性の界面活性剤が使用できる。アルキルトリメチルアンモニウム(C2n+1(CH;nは2〜18の整数)、アルキルアンモニウム、ジアルキルジメチルアンモニウム、ベンジルアンモニウムの塩化物、臭化物、ヨウ化物又は水酸化物等の陽イオン性界面活性剤が好ましく、特にヘキサデシルトリメチルアンモニウム及びドデシルトリメチルアンモニウムの塩化物又は臭化物が好ましい。
界面活性剤の濃度は、特に制限はないが、0.05〜0.5mol/Lが好ましい。0.05mol/L未満であると細孔の形成が不完全であり、0.5mol/Lを超えると細孔直径の均一性が損なわれるからである。
反応溶媒のpHの制御は、陽イオン性界面活性剤を配合して、水酸化ナトリウムのようなアルカリ及び塩酸のような酸によって行われる。溶媒を水とした場合、pH10以上で反応させた後、更に酸で中和して、pH9以下(より好ましくは8以下)とすることが好ましい。また、水/アルコール混合溶媒を用いた場合、pH10以上で反応させた後、特に酸で中和しなくてもよく、そのまま反応させることにより、縮合は進行する。
反応時の温度は、−50〜100℃の範囲が好ましく、特に溶媒が水の場合は60〜80℃が好ましい。また、溶媒が水/メタノール混合溶媒の場合は室温でもよい。
反応時間は反応溶媒によって適宜異なり得るが、1〜48時間又はそれ以上の時間行ってもよい。例えば、溶媒が水の場合、pH10以上で1時間以上、pH9以下(より好ましくは、pH8以下)で3時間以上とするのが好ましい。いずれのpH下においても攪拌することが好ましい。
縮合反応後、生成した沈殿あるいはゲル状態の固形分を濾過し、洗浄し、乾燥し、更に、焼成処理又はH置換処理を行うことによって、界面活性剤を除去することによって本シリカ多孔体を得ることができる。
焼成による方法では、固形生成物を300〜1000℃(好ましくは400〜700℃)に加熱する。加熱時間は30分以上が好ましい。完全に有機物を除去するためには1時間以上加熱することが特に好ましい。なお、上記と同様、焼成処理は着火防止のために400℃程度までは不活性ガス(窒素等)雰囲気で行うのが好ましい。
一方、アルコール等でH置換処理する方法では、界面活性剤の溶解度が大きい溶媒に少量の界面活性剤と同電荷のイオン成分を添加した溶液に固形生成物を分散、攪拌した後に固形成分を回収することにより行う。上記溶媒としては例えばエタノール、メタノール、アセトン等が挙げられ、特にエタノールが好ましい。
なお、この製造方法においても、ケイ素以外の元素(例えば金属元素)を含む基本骨格からなるシリカ多孔体を製造することもできる。典型的には、基本骨格を形成する原料物質として上記ケイ酸ナトリウム、シリカ又はアルコキシシランとともに他の元素を含む化合物を加えて上記縮合反応を行うことによって実現される。
製造方法(2)
層状シリケート等の層状体を骨格原料として、界面活性剤を溶解させた溶媒中で縮合反応させ、生成した固形物を濾過、洗浄及び乾燥し、焼成処理又はH置換処理を行うことにより、界面活性剤を除去して製造される。
骨格原料として使用できる層状シリケートとしては、カネマイト(NaHSi・3HO)、ジケイ酸ナトリウム結晶(α,β,γ,δ−NaSi)、マカタイト(NaSi・5HO)、アイアライト(NaSi17・XHO、マガディアイト(NaSi1429・XHO)、ケニヤイト(NaSi20 ・XHO)等からなる群から選択される少なくとも1種又は2種以上を使用することができる。
また、その他の層状シリケートとして、例えば、セピオライト、モンモリロナイト、バーミキュライト、雲母、カオリナイト、スメクタイトのような粘土鉱物を酸性水溶液で処理してシリカ以外の元素を除去したものも使用できる。更に、層状シリケート以外の水ガラス、ガラス、無定型ケイ酸ナトリウム、シリコンアルコキシド(テトラエチルオルトシリケート等)等からなる群から選択される1種又は2種以上を使用することができる。
界面活性剤は特に制限はなく、一般的には、陽イオン性、陰イオン性又は非イオン性である各種の界面活性剤が挙げられ、アルキルトリメチルアンモニウム(C2n+1(CH;nは2〜18の整数)、アルキルアンモニウム、ジアルキルジメチルアンモニウム、ベンジルアンモニウムの塩化物、臭化物、ヨウ化物又は水酸化物等の陽イオン性界面活性剤が好ましい。また、この他、脂肪酸塩、アルキルスルフォン酸塩、アルキルリン酸塩、ポリエチレンオキサイド系非イオン性界面活性剤等が用いられる。なお、界面活性剤は、これらのうち1種類でも、あるいは2種類以上を組み合わせて用いることができる。
層状シリケートと界面活性剤とは、酸又はアルカリ条件下において混合され、層状シリケートが部分的に縮合される。
界面活性剤の濃度は特に制限ないが、0.05〜0.5mol/Lが好ましい。0.05mol/L未満であると細孔の形成が不完全であり、0.5mol/Lを超えると細孔直径の均一性が損なわれるからである。
この反応系を構成する溶媒は、好ましくは水である。他に、水と混合するアルコール等の有機溶媒を混合した混合溶媒も使用できる。
有機溶媒としては、メタノール、エタノール、プロパノール、エチレングリコール、グリセリン等のアルコール類、アセトン、ピリジン、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド等が挙げられ、特に、メタノールが好ましい。
縮合反応は、上記層状シリケートを分散させた溶液を30〜100℃(より好ましくは60〜80℃、更に好ましくは70〜80℃)の加熱条件下で行うことが好ましく、また反応時間は2〜24時間とすることが好ましい。また、加熱反応中は分散溶液を攪拌する方が好ましい。
分散溶液のpHは縮合反応中の初期の段階(典型的には1〜5時間)は10以上に調整するのが好ましく、その後(典型的には1時間以上経過後)は10以下とするのがよい。
pHの制御は水酸化ナトリウムのようなアルカリ及び塩酸等の酸によって行われ得る。このようなpHの制御により、結晶性及び耐熱性に優れるシリカ多孔体を得ることができる。なお、上記カネマイトはアルカリ性であるので溶媒が水の場合には、通常、特に処理を施さずとも分散溶液のpHは10以上となり得る。
このような脱水縮合反応を行うことによって、使用した界面活性剤をテンプレートとした細孔を有する構造体(シリカ多孔体前駆体)が形成される。而して、縮合反応終了後、分散液より固形生成物(シリカ多孔体前駆体)を濾過・回収する。ここで、得られた固形生成物を脱イオン水で繰り返し洗浄することが好ましい。洗浄後、固形生成物を乾燥するとよい。
その後、好ましくは550℃以上の温度で焼成処理するか或いは塩酸/エタノール溶液等によるH置換処理することにより、テンプレートとして前駆体細孔内に取り込まれていた界面活性剤を除去することができる。例えば、陽イオン性の界面活性剤を使用した場合は、少量の塩酸を添加したエタノール中に固形生成物を分散させ、50〜70℃で加熱しながら攪拌を行う。陰イオン性の界面活性剤であれば、陰イオンを添加した溶媒中で界面活性剤が抽出され得る。また、非イオン性の界面活性剤の場合は、溶媒だけで抽出される。なお、上記焼成処理を行う場合には、着火防止のため不活性ガス(窒素等)雰囲気で行うのが好ましい。しかし、この場合でも焼成処理の終期には空気等の酸化雰囲気にしたほうがカーボン等の残存防止の観点から好ましい。
以上の処理工程により、テンプレートが除去された部分がすなわち細孔となり、所望するシリカ多孔体が製造される。
なお、層状体を使用するシリカ多孔体製造方法では、ケイ素以外の元素を含む基本骨格を有する層状体を用いて、このような基本骨格を有する多孔体を製造することもできる。上記多孔体にケイ素以外の元素を添加する方法として、(1)原料である層状シリケート中に予めケイ素以外の元素を組込む方法(即ち他の元素を含む層状シリケートを使用する方法)、(2)シリカ多孔体の合成中に他元素を含む物質を添加する方法が挙げられる。このようなケイ素以外の元素(例えば、アルミニウム)を付与するためには、硝酸アルミニウムやアルミン酸ナトリウム等を用いることができる。
本発明で使用するシリカ多孔体の平均細孔直径は、1〜20nmが好ましく、更に1.5〜10nmが好ましく、特に2〜3nmが好ましい。
本発明で使用するシリカ多孔体の比表面積は、100〜2000m/gが好ましく、更に600〜1800m/gが好ましく、特に800〜1500m/gが好ましい。なお、比表面積は、ガス吸着法により測定することができる。
本発明で使用するシリカ多孔体と超難水溶性薬物の配合重量比は、0.1〜1000:1が好ましく、更に0.5〜100:1が好ましく、特に1〜50:1が好ましい。
本発明で使用する二酸化炭素としては、液体二酸化炭素、気体の二酸化炭素、ドライアイスが挙げられる。
超臨界状態とは、圧力、温度ともに臨界点(二酸化炭素の場合、圧力:約7.38MPa、温度:約31.0℃)を超えた状態をいい、亜臨界状態とは、圧力、温度のいずれか一方のみが臨界点を超えた状態をいう。臨界点とは、例えば、J.W.Tom及びP.G.Debenedettiによる“Particle Formation with Supercritical Fluids−A Review”,ジャーナル オブ エアロゾール サイエンス(J.Aerosol Sci.),22(5),555−584頁,1991年のFig.1に詳細に記載されたものをいう。
本発明で使用する超難水溶性薬物と二酸化炭素の超臨界流体又は亜臨界流体との重量比は1:1〜1000000が好ましく、更に1:10〜100000が好ましく、特に1:50〜50000が好ましい。
本発明で使用する二酸化炭素の超臨界流体又は亜臨界流体による処理時間は1分〜24時間が好ましく、更に0.5〜12時間が好ましく、特に1〜8時間が好ましい。
本発明で使用する二酸化炭素の超臨界流体又は亜臨界流体の処理容器は耐圧性の容器、超臨界抽出システム、超臨界微粉化システム、その他の超臨界流体又は亜臨界流体試験用装置等で行なうことができ、例えば、ポータブルリアクター(耐圧硝子工業株式会社製)、超臨界抽出システムSCF−get(日本分光株式会社製)、超臨界微粉化システム SCスプレーヤー(日機装株式会社製)等が挙げられる。それらの処理容器の構造は、二酸化炭素の超臨界流体又は亜臨界流体を撹拌するために、撹拌機構を有する構造が好ましい。
本発明で使用する二酸化炭素の超臨界流体又は亜臨界流体による処理温度は超難水溶性薬物の種類によって異なるが、−40〜100℃が好ましく、更に0〜80℃が好ましく、特に10〜60℃が好ましい。
本発明で使用する二酸化炭素の超臨界流体又は亜臨界流体による処理圧力は超難水溶性薬物の種類によって異なるが、1〜50MPaが好ましく、更に1〜40MPaが好ましく、特に6〜30MPaが好ましい。
本発明における二酸化炭素の超臨界流体又は亜臨界流体を用いて処理する製造工程は特に限定されないが、例えば、(1)耐圧性の容器に本シリカ多孔体及び超難水溶性薬物を入れ、二酸化炭素を充填し、該容器中の温度、圧力を二酸化炭素の超臨界状態又は亜臨界状態の温度、圧力に保持して処理した後、二酸化炭素を排出し組成物を回収する製造法、(2)耐圧性の容器に本シリカ多孔体及び超難水溶性薬物を入れ、該容器中の温度を二酸化炭素の超臨界状態又は亜臨界状態の温度に保持し、該容器に超臨界状態又は亜臨界状態の圧力となるように二酸化炭素を充填して、超臨界状態又は亜臨界状態を保持して処理した後、二酸化炭素を排出し組成物を回収する製造法等が挙げられる。
このようにして得られる本発明の超難水溶性薬物含有組成物は、通常、重量平均粒子径が1μm以上、更に1〜2000μmが好ましく、特に3〜500μmが好ましい。なお、重量平均粒子径はレーザー回折法等で測定することができる。
本発明のシリカ多孔体と超難水溶性薬物を二酸化炭素の超臨界流体又は亜臨界流体を用いて処理する際に、本発明の効果を妨げない限り、医薬品の添加物として許容される各種成分を所望に応じて添加することが可能であり、例えば、溶剤、高分子化合物、界面活性剤等が挙げられる。
溶剤としては、水;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジオキサン、ジエトキシエタン、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン等のエーテル類;ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン等の有機塩素系有機溶剤;アセトニトリル、プロピオニトリル等のアルキルニトリル類;ニトロメタン、ニトロエタン等のニトロアルカン類;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド類;アセトン等のケトン類;酢酸、オレイン酸等の脂肪酸;メタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール類;ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類;又はこれらの混合溶媒等が挙げられる。
高分子化合物としては、プルラン、カルボキシメチルセルロースナトリウム、アルギン酸ナトリウム、キサンタンガム、ポビドン、カルボキシビニルポリマー、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カラギーナン、寒天、ゼラチン等が挙げられる。
界面活性剤としては、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンラウリルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル(ポリソルベート)、モノステアリン酸ソルビタン等のソルビタン脂肪酸エステル等の非イオン性界面活性剤、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、塩化セチルピリジニウム等の陽イオン性界面活性剤、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ラウリル硫酸ナトリウム等の陰イオン性界面活性剤等が挙げられる。また、アンモニウムカルボキシレートパーフルオロエーテル等のフッ素基を有する界面活性剤等が挙げられる。
本発明の超難水溶性薬物含有組成物は、そのままで医薬用製剤として使用できるが、通常医薬用製剤に使用される添加剤を加えて経口用製剤及び非経口用製剤を製造することもできる。
経口用製剤の添加剤としては、乳糖、結晶セルロース、白糖、マンニトール、軽質無水ケイ酸、リン酸水素カルシウム等の賦形剤;メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、プルラン等の結合剤;クロスカルメロースナトリウム、カルメロースカルシウム、クロスポビドン、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース等の崩壊剤;ステアリン酸マグネシウム、タルク等の滑沢剤;タール色素、三二酸化鉄等の着色剤;ステビア、アスパルテーム、香料等の矯味剤等が例示される。
非経口用製剤の添加剤としては、ベンジルアルコール等の一価アルコール、濃グリセリン、1,3−ブチレングリコール等の多価アルコール、アジピン酸ジイソプロピル、トリアセチン等のエステル類、クロタミトン等のケトン類、オレイン酸、ヒマシ油等の油脂類等の溶媒;ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等のセルロース類、白糖、β−シクロデキストリン等の多糖類、ソルビトール、マンニトール等の糖アルコール類、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸等の合成高分子等の水溶性高分子;ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ラウリル硫酸ナトリウム等のアニオン界面活性剤、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、塩化セチルピリジニウム等のカチオン界面活性剤、モノステアリン酸グリセリン、ショ糖脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル等の非イオン界面活性剤等の界面活性剤;ミリスチン酸イソプロピル等のエステル類、L−メントール、dL−カンフル等のテルペン類、オレイン酸等の高級脂肪酸等の吸収促進剤;パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸プロピル等のフェノール性物質、クロロブタノール、フェニルエチルアルコール等の中性物質、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム等の逆性石けん、ビタミンE、ブチルヒドロキシアニソール等の抗酸化剤、アスコルビン酸、亜硫酸水素ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム等の還元剤、クエン酸又は酒石酸及びその塩、レシチン、エチレンジアミン四酢酸(エデト酸)等のキレート剤等の安定化剤;リン酸、酢酸、ホウ酸、コハク酸、フタル酸及びその塩、グリシン、水酸化ナトリウム等のpH調整剤;ポリアクリル酸(ナトリウム)、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、カルボキシビニルポリマー、ゼラチン、デンプン等の基剤等が例示される。
本発明の製剤の形態としては、例えば錠剤、カプセル剤、顆粒剤、細粒剤等の経口用製剤や注射剤、坐剤、膣剤、舌下剤、インプラント剤、点眼剤、スプレー剤等の非経口用製剤が例示される。
本発明を、実施例及び比較例により更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
化合物A 30mg、FSM−C16(株式会社豊田中央研究所製)300mg及びドライアイス120gを、ポータブルリアクター(耐圧硝子工業株式会社製)に入れ、50℃に加温することにより18MPaに昇圧し、攪拌下、5時間保持した。その後、加温を停止して室温まで静置し、二酸化炭素を排出した後、超難水溶性薬物含有組成物を得た。
化合物A 30mg、FSM−C12(株式会社豊田中央研究所製)300mg及びドライアイス120gを、ポータブルリアクターに入れ、50℃に加温することにより18MPaに昇圧し、攪拌下、5時間保持した。その後、加温を停止して室温まで静置し、二酸化炭素を排出した後、超難水溶性薬物含有組成物を得た。
比較例1
化合物A 30mg、FSM−C16 300mgを乳鉢で混合し、超難水溶性薬物含有組成物を得た。
比較例2
化合物A 30mg及びドライアイス120gを、ポータブルリアクターに入れ、50℃に加温することにより18MPaに昇圧し、攪拌下、5時間保持した。その後、加温を停止して室温まで静置し、二酸化炭素を排出した後、超難水溶性薬物含有組成物を得た。
<溶出性試験>
実施例1〜2、比較例1〜2で得られた超難水溶性薬物含有組成物について、溶出性試験を行った。溶出性試験は、日局一般試験法、溶出試験法第2法(パドル法)に従って行った。超難水溶性薬物含有組成物(化合物A 5mg含有)を、試験液(0.3%ラウリル硫酸ナトリウム水溶液)900mLに投入し、温度37±1℃、パドル回転数50r/minの条件で溶出性試験をした。
5、30、60、120分後の試験液に溶出した化合物Aを、逆相系カラム(Inertsil ODS−2、ジーエルサイエンス社製)を用いた液体クロマトグラフにより定量し、溶出率(%)を算出した。
測定した結果を表1に示す。
Figure 2004096281
化合物Aと本シリカ多孔体とを単に物理的に混合した超難水溶性薬物含有組成物(比較例1)や本シリカ多孔体を含有しないで超臨界二酸化炭素で処理を行った超難水溶性薬物含有組成物(比較例2)中の化合物Aは、ほとんど溶出しなかった。一方、化合物Aと本シリカ多孔体を配合し、更に超臨界二酸化炭素で処理した本発明の超難水溶性薬物含有組成物(実施例1〜2)は、いずれも化合物Aの溶出性が劇的に向上した。
製造例1
実施例1の超難水溶性薬物含有組成物150gを1mmφ口径のスクリーンを取り付けたニュースピードミル(ND−02:岡田精工株式会社製)で整粒した。整粒した超難水溶性薬物含有組成物110g、乳糖(100メッシュ乳糖、DMV社製)42g、結晶セルロース(アビセルPH−102、旭化成株式会社製)100g、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース(L−HPC(LH−11)、信越化学工業株式会社製)45gをV型混合機にて10分混合し、更に、混合物にステアリン酸マグネシウム 3gを加えてV型混合機にて5分間混合した。これを打錠機(AP−38、畑鐵工所製)にて打錠して300mg/錠(化合物A 10mgを含む)の錠剤を製造した。

Claims (20)

  1. 平均細孔直径が1〜20nmの範囲内にあり、平均細孔直径の±40%の範囲内に全細孔容積の60%以上が含まれ、かつ、X線回折において、d値が1nm以上に相当する回折角(2θ)の位置に、1本以上のピークを有することを特徴とするシリカ多孔体及び超難水溶性薬物を含有する組成物を、二酸化炭素の超臨界流体又は亜臨界流体を用いて処理することにより得られる超難水溶性薬物含有組成物。
  2. シリカ多孔体の平均細孔直径が1〜20nmである請求項1記載の超難水溶性薬物含有組成物。
  3. シリカ多孔体の平均細孔直径が1.5〜10nmである請求項1記載の超難水溶性薬物含有組成物。
  4. シリカ多孔体の平均細孔直径が2〜3nmである請求項1記載の超難水溶性薬物含有組成物。
  5. シリカ多孔体の比表面積が100〜2000m/gである請求項1〜4のいずれか1項記載の超難水溶性薬物含有組成物。
  6. シリカ多孔体の比表面積が600〜1800m/gである請求項1〜4のいずれか1項記載の超難水溶性薬物含有組成物。
  7. シリカ多孔体の比表面積が800〜1500m/gである請求項1〜4のいずれか1項記載の超難水溶性薬物含有組成物。
  8. シリカ多孔体と超難水溶性薬物の配合重量比が0.1〜1000:1である請求項1〜7のいずれか1項記載の超難水溶性薬物含有組成物。
  9. 超難水溶性薬物が2−ベンジル−5−(4−クロロフェニル)−6−[4−(メチルチオ)フェニル]−2H−ピリダジン−3−オンである請求項1〜8のいずれか1項記載の超難水溶性薬物含有組成物。
  10. 請求項1〜9のいずれか1項記載の超難水溶性薬物含有組成物を含有する医薬用製剤。
  11. 耐圧性の容器に、平均細孔直径が1〜20nmの範囲内にあり、平均細孔直径の±40%の範囲内に全細孔容積の60%以上が含まれ、かつ、X線回折において、d値が1nm以上に相当する回折角(2θ)の位置に、1本以上のピークを有することを特徴とするシリカ多孔体及び超難水溶性薬物を入れ、二酸化炭素を充填し、該容器中の温度、圧力を二酸化炭素の超臨界状態又は亜臨界状態の温度、圧力に保持して処理した後、二酸化炭素を排出し組成物を回収することを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項記載の超難水溶性薬物含有組成物の製造法。
  12. 超難水溶性薬物と二酸化炭素の超臨界流体又は亜臨界流体との重量比が1:1〜1000000である請求項11記載の超難水溶性薬物含有組成物の製造法。
  13. 超臨界流体又は亜臨界流体による処理温度が−40〜100℃である請求項11又は12記載の超難水溶性薬物含有組成物の製造法。
  14. 超臨界流体又は亜臨界流体による処理圧力が1〜50MPaである請求項11〜13のいずれか1項記載の超難水溶性薬物含有組成物の製造法。
  15. 超臨界流体又は亜臨界流体による処理時間が1分〜24時間である請求項11〜14のいずれか1項記載の超難水溶性薬物含有組成物の製造法。
  16. 耐圧性の容器に、平均細孔直径が1〜20nmの範囲内にあり、平均細孔直径の±40%の範囲内に全細孔容積の60%以上が含まれ、かつ、X線回折において、d値が1nm以上に相当する回折角(2θ)の位置に、1本以上のピークを有することを特徴とするシリカ多孔体及び超難水溶性薬物を入れ、該容器中の温度を二酸化炭素の超臨界状態又は亜臨界状態の温度に保持し、該容器に超臨界状態又は亜臨界状態の圧力となるように二酸化炭素を充填して、超臨界状態又は亜臨界状態を保持して処理した後、二酸化炭素を排出し組成物を回収することを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項記載の超難水溶性薬物含有組成物の製造法。
  17. 超難水溶性薬物と二酸化炭素の超臨界流体又は亜臨界流体との重量比が1:1〜1000000である請求項16記載の超難水溶性薬物含有組成物の製造法。
  18. 超臨界流体又は亜臨界流体による処理温度が−40〜100℃である請求項16又は17記載の超難水溶性薬物含有組成物の製造法。
  19. 超臨界流体又は亜臨界流体による処理圧力が1〜50MPaである請求項16〜18のいずれか1項記載の超難水溶性薬物含有組成物の製造法。
  20. 超臨界流体又は亜臨界流体による処理時間が1分〜24時間である請求項16〜19のいずれか1項記載の超難水溶性薬物含有組成物の製造法。
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