JP2004035446A - 微小球体の製造方法およびその製造装置 - Google Patents

微小球体の製造方法およびその製造装置 Download PDF

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玄   丞 烋
Hiroshi O
王    浩
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村 上  正 裕
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Abstract

【課題】従来のマイクロカプセル、ナノスフェアなどの製造方法とは、全く異なる方式に基づく新しい製造方法とそのための装置の開発。
【解決手段】ポリマー中に有効成分が放出可能に含有されている微小球体の製造方法であって、
少なくとも有効成分と溶剤(または分散媒)とポリマーとからなるポリマー溶液(または懸濁液)を、所定温度の下に、
流体中に液滴状に吐出することによって微小球体前駆体を形成し、
この微小球体前駆体を流体中で移送する間に、微小球体前駆体に含まれる溶剤(または懸濁液)を流体中に移行させて、
有効成分を放出可能に含有するポリマーの微小球体を形成する方法、さらにその製造方法のための製造装置を提案する。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の技術分野】
本発明は、従来のマイクロカプセル、ナノスフェアなどの製造方法とは、全く異なる方式に基づく微小球体の製造方法およびその製造装置に関する。さらに詳しくは、ポリマー中に有効成分が放出可能に含有されている微小球体の製造方法およびその製造装置に関するものである。好ましくはその有効成分が薬物であり、本発明は、薬物送達システム(DDS)を意図した微小球体、すなわちDDS用微小球体の製造に好適である。
【0002】
【発明の技術的背景】
生理活性薬物を内包した各種のマイクロカプセル、マイクロスフェアあるいはリポゾームなどの剤型、製法については現在までに多数の提案や報告がなされている。その多くは、薬物送達システム(DDS)の概念に基づき、放出制御、標的指向性、摂取・投与容易性、または効果増強・副作用低減などの機能改善を目指すものである。
【0003】
従来のマイクロカプセル(スフェア)の製造としては、W/O/W型エマルジョンを形成することによる界面沈殿法もしくは液中乾燥法(例えば、特公昭42−13703号公報)、コアセルベーション剤を用いた相分離法(例えば、特開昭57−118512号公報)または界面重合法などが使用されることが多い。しかしながらこれら従来の方法では、カプセル(スフェア)のサイズとその分布の調節が容易でなく再現性に問題があったり、液中乾燥の段階で薬物が外水相に散逸したり、カプセルなどが融着により凝集体になりやすいなどの欠点を有している。また、薬物の過剰な初期放出(いわゆる初期バースト放出)が起こることもあるため、薬物の「ゼロ次放出」により理想的な徐放性を実現するような製剤設計も望まれている。
【0004】
このためマイクロカプセル(スフェア)の構造、性状、特質などにつき、目的とするDDSの機能を真に達成できるものであるかをまず検討する必要がある。さらに優れたマイクロカプセル(スフェア)であっても、その製造に煩雑な工程を必要としたり、生理活性物質の変性、低い歩留まり、安全性などといった問題があれば、製造コストに反映されて実用化の障害になってしまう。
【0005】
このようにマイクロカプセル(スフェア)の形状とそのサイズの均一性、有効成分の種類と包含率、カプセル内部での薬物の存在状態、さらにはその製造方法などを含めた種々の問題について個別的に最適化された系を確立し得ないと、所期のDDSの効果が得られないのが現状である。
上記の実情に鑑み、本発明者らは鋭意研究を進めた結果、従来のマイクロカプセル、ナノスフェアなどの製造方法とは、全く異なる方式に基づく本発明を完成させた。本発明による微小球体の製造方法は、上述の問題点を解決するとともに、様々なマイクロカプセルあるいはナノスフェア、多種多様な有効成分に対応することができ、しかも広範な適用態様において利用できる汎用性を備える方法である。
【0006】
【発明の目的】
本発明は、上記先行技術の有する問題点を解決し、全く異なる方式に基づき簡単な設備で、低コストで高品質の微小球体を容易に製造する方法と、そのための製造装置を提供することを目的とする。本発明は、特にDDS用微小球体の製造方法およびその装置を提案する。
【0007】
【発明の概要】
本発明は、ポリマー中に有効成分が放出可能に含有されている微小球体の製造方法であって、
少なくとも有効成分と溶剤(または分散媒)とポリマーとからなるポリマー溶液(または懸濁液)を、所定温度の下に、
流体中に液滴状に吐出することによって微小球体前駆体を形成し、
この微小球体前駆体を流体中で移送する間に、微小球体前駆体に含まれる溶剤(または懸濁液)を流体中に移行させて、
有効成分を放出可能に含有するポリマーの微小球体を形成することを特徴としている。
【0008】
前記流体は、前記ポリマーが水溶性ポリマーである場合には親油性の流体であり、あるいは前記ポリマーが水難溶性ポリマーである場合には親水性の流体であることを特徴としている。
前記流体は、液体を所定温度の下に降下させてなることが好ましい。
前記ポリマー溶液(または懸濁液)の前記流体中への吐出は、少量ずつ連続して放出されるか、あるいは前記ポリマー溶液(または懸濁液)の前記流体中への吐出が、少量ずつ所定の間隔で間欠的に放出されてもよい。
【0009】
前記ポリマー溶液(または懸濁液)の前記流体中への吐出が、前記流体の流れ方向に対して、45°〜90°の間の所定の角度で行われることを特徴とする。前記ポリマー溶液(または懸濁液)の前記流体中への吐出が、ノズルを介して行われることを特徴とする。
前記微小球体の平均粒径が、0.0001〜5000μmの間にあることを特徴としている方法である。
【0010】
前記有効成分が少なくとも1種以上の生理活性薬物類であるのが好ましい。
前記ポリマーは、ポリビニルアルコール、ポリメチルメタクリレート、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリウレタン、ポリ尿素、ポリアミド、ポリアルキレンオキサレート、ヒドロキシカルボン酸ホモポリマー、ヒドロキシカルボン酸コポリマー、ポリアミノ酸、セルロース誘導体、デキストラン誘導体、ゼラチン、セラック、ワックス類、キチン、キトサンからなる群より少なくとも1つ以上選択されるものである。
【0011】
前記ポリマーの平均分子量が約1,000〜1,000,000であることを特徴としている。
前記ポリマーが生体内分解性の高分子重合物であることが好ましい。
前記溶剤(または分散媒)が、水、アルコール類、エステル類、ハロゲン化炭化水素類、エーテル類、芳香族炭化水素類、炭化水素類およびケトン類からなる群より少なくとも1つ以上選択されるものである。
【0012】
前記ポリマー溶液(または懸濁液)が25℃で50〜10,000cpの範囲内の一定の粘度を有することを特徴とする。
前記の所定温度が、4〜40℃の範囲内の一定の温度であることを特徴としている。
前記流体が、少なくとも、水、アルコール、アセトン、アセトニトリル、流動パラフィンからなる群より選ばれる1以上の液体および0.1〜10(W/V)%界面活性剤からなることを特徴とする。
【0013】
前記流体の移動する速度が、0.1〜500ml/分の範囲内の一定速度であることを特徴とする。
本発明は、ポリマー中に有効成分が放出可能に含有されている微小球体の製造装置であって、
微小球体を作製する微小球体作製装置本体と、
前記微小球体作製装置本体内に液体を流体として一定の速度で移動するように送出する流体供給装置と、
前記微小球体作製装置本体内を移動する流体中に、少なくとも有効成分と溶剤(または分散媒)とポリマーとからなるポリマー溶液(または懸濁液)を吐出するポリマー溶液(または懸濁液)吐出装置とを備え、
ポリマー溶液(または懸濁液)を、所定温度の下に、
流体中に液滴状に吐出することによって微小球体前駆体を形成し、
この微小球体前駆体を流体中で移送する間に、微小球体前駆体に含まれる溶剤(または分散媒)を流体中に移行させて、
有効成分を放出可能に含有する微小球体を形成するように構成したことを特徴としている。
【0014】
前記流体供給装置が、液体送出管を介して、前記微小球体作製装置本体内に液体を送出するように構成されていることを特徴とする。
前記流体供給装置の液体送出管が、複数の所定間隔で離間した液体送出管から構成されていることを特徴とする。
前記ポリマー溶液(または懸濁液)吐出装置が、ポリマー溶液(または懸濁液)吐出ノズルを介して、前記微小球体作製装置本体内を流れる流体中に、ポリマー溶液(または懸濁液)を、前記流体の流れ方向に対して、所定の角度で吐出するように構成されていることを特徴とする
前記ポリマー溶液(または懸濁液)吐出装置のポリマー溶液(または懸濁液)吐出ノズルが、複数の所定間隔で離間したポリマー溶液(または懸濁液)吐出ノズルから構成されていることを特徴とする。
【0015】
前記微小球体作製装置本体と、流体供給装置と、ポリマー溶液(または懸濁液)吐出装置とを、それぞれ4〜40℃の範囲内の一定温度に保持するための温度保持装置を備えることを特徴とする。
前記微小球体作製装置本体の下方に微小球体貯留部を備えるとともに、この微小球体貯留部に貯留された微小球体を含んだ液体を攪拌する攪拌装置を備えることを特徴とする。
【0016】
前記ポリマー溶液(または懸濁液)の前記流体中への吐出が、少量ずつ連続して放出されるように、あるいは少量ずつ所定の間隔で間欠的に放出されるように構成されており、前記流体は、前記ポリマーが水溶性ポリマーである場合には親油性の流体であり、あるいは前記ポリマーが水難溶性ポリマーである場合には親水性の流体であることを特徴としている。
【0017】
前記ポリマー溶液(または懸濁液)の前記流体中への吐出が、前記流体の流れ方向に対して、45°〜90°の間の所定の角度で行われるように構成されていることを特徴としている
前記微小球体の平均粒径が0.0001〜5000μmの間にあるように製造されることを特徴としている。
【0018】
【発明の具体的説明】
本発明は、従来のマイクロカプセル、ナノスフェアなどの製造方法とは、全く異なる方式に基づく製造方法およびその製造方法を実施するための製造装置である。以下、本発明を微小球体、微小球体の製造装置、その製造方法の順に詳細に説明する。
微小球体
本発明により製造される微小球体は、ポリマー中に有効成分が放出可能に含有されている微小球体である。ここで「微小球体」とは、ポリマーからなる微小な球体をいい、マイクロカプセル、マイクロスフェア、マイクロパーティクル、ナノパーティクル、ナノスフェア、ナノカプセルなどを含めた総称を意味する。また、「放出可能に含有されている」とは、投与・適用・施行・摂取後の所与の条件下または時間経過後に有効成分が経時的に放出され、それまでは外部環境から保護される形で内部に保持されていることを意味する。
【0019】
外部への放出が制御可能であるという特性を有する微小球体の用途として、DDSを企図するマイクロカプセル(スフェア)などが好適である。このようなDDS用微小球体において、例えば放出制御、標的指向性、摂取・投与容易性、効果増強・副作用低減などから選択されるDDSの機能は、基本的には使用されるポリマーの種類、構造、性質などに基づく。
【0020】
本発明により製造される微小球体の平均粒径は、通常0.0001〜5000μmの間、好ましくは、0.01〜1000μm、より好ましくは0.1〜500μmの間にある一定の大きさに粒度の揃った、しかも実質的に完全球である微小球体が、本発明の方法および装置により好適に製造できる。
微小球体の粒子径は、徐放性の程度、適用の形態に対応して個別的に望ましい範囲がある。例えば懸濁剤の形態で注射剤に使用される場合、その分散性、通針性を満たすためには、平均粒径として約0.5〜約400μmの範囲が求められ、上記微小球体の範囲は充分にこの要求を満たすものである。同様に他のいずれの適用形態、例えば経粘膜投与剤、経口投与製剤、坐剤、埋め込み剤として使用される場合にも、問題はない。
製造装置
本発明に係る微小球体の製造装置は、ポリマー中に有効成分が放出可能に含有されている微小球体の製造装置であって、
微小球体を作製する微小球体作製装置本体と、
前記微小球体作製装置本体内に液体を流体として一定の速度で移動するように送出する流体供給装置と、
前記微小球体作製装置本体内を移動する流体中に、少なくとも有効成分と溶剤(または分散媒)とポリマーとからなるポリマー溶液(または懸濁液)を吐出するポリマー溶液(または懸濁液)吐出装置とを備え、
ポリマー溶液(または懸濁液)を、所定温度の下に、
流体中に液滴状に吐出することによって微小球体前駆体を形成し、
この微小球体前駆体を流体中で移送する間に、微小球体前駆体に含まれる溶剤(または分散媒)を流体中に移行させて、
有効成分を放出可能に含有する微小球体を形成するように構成したことを特徴としている。
【0021】
本発明に係る製造装置の態様の一例を図1に示す。もっとも本製造装置は、この態様のみに限定されるものではない。
微小球体を作製する微小球体作製装置本体は、その中を流体が移動する筒部と、その筒部および流体の温度を一定に保持する保温装置とから構成されている。筒部の形状は、特に限定されないが、円筒形が好ましい。装置本体内での筒部の向きは流体の流れる方向を規定するが、通常は、流体を降下させるのが好ましく、筒部も直立させる。直立する筒部はいわゆるカラムであるが、その材質は流体である液体に対し安定であれば特に限定されない。カラムの材料として、通常はガラス、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、テフロン(R)樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリスチレン樹脂などが好ましい。カラムの径は、後述する吐出ノズルの数を考慮して選択してもよいが、特に限定されるものではない。カラムの径は、通常、1〜50cm程度、好ましくは3〜5cmである。カラム長は通常50〜300cmの長さであり、充分な長さがあれば特に限定されるものではない。カラム長は、例えば50〜100cmのものが好ましく用いられる。カラムの場合には、流体を保温する装置の一形態として外筒管の構造を有するものであってもよい。
【0022】
さらに必要に応じて前記の微小球体作製装置本体の下方には、その筒部の底に直結する微小球体貯留部を備えるとともに、この微小球体貯留部に貯留された微小球体を含んだ液体を攪拌する攪拌装置、例えばマグネティックスターラーなども配置されてもよい。上記保温装置は、この微小球体作製装置本体のほかに、流体供給装置と、ポリマー溶液(または懸濁液)吐出装置とをそれぞれ一定温度に保持するための温度保持装置として備えてもよい。
【0023】
前記流体供給装置は、液体を送出する液体送出管を介して、前記微小球体作製装置本体内に液体を送出するように構成されていることが望ましい。この流体供給装置の態様として、通常、液体を貯留する容器、その液体を送出する送出機械などで構成されている。液体送出管は、流体供給装置と微小球体作製装置本体とを連結する管であり、その中を通って、液体がポンプなどの適当な送出機械の働きにより供給装置から本体の筒部へ送出される。
【0024】
その流体供給装置の液体送出管は、大量の微小球体を同一の条件下で短時間に製造したい場合には、複数の所定間隔で離間した液体送出管から構成されているようにすればよい。
前記ポリマー溶液(または懸濁液)吐出装置には、通常、ポリマー溶液(または懸濁液)を貯留する容器があり、そこからポリマー溶液(または懸濁液)が、例えば送出管を介してポンプなどの適当な送出機械の働きにより微小球体作製装置本体のほうへ送られる。その送出管の先端には、ポリマー溶液(または懸濁液)吐出ノズルが装備されている。吐出ノズルの形状および内径は、ポリマー溶液(または懸濁液)を液滴状に好適に吐出できるようなものに設計される。該ノズルの口径は、通常は、数μm〜数mmの微小径である。
【0025】
ポリマー溶液(または懸濁液)吐出ノズルを介して、前記微小球体作製装置本体内を流れる流体中に、ポリマー溶液(または懸濁液)を、前記流体の流れ方向に対して、所定の角度で吐出するように構成されている。
そのポリマー溶液(または懸濁液)吐出ノズルの好ましい態様として、複数の所定間隔で離間したポリマー溶液(または懸濁液)吐出ノズルから構成されている。これにより、同一条件下に同時に、短時間で多量の微小球体を製造することが可能である。
【0026】
前記ポリマー溶液(または懸濁液)の前記流体中への吐出は、ポンプなどの適当な送出機械の働きにより、少量ずつ連続して放出することができるように構成されているか、あるいは少量ずつ所定の間隔で間欠的に放出することができるように構成されている。
前記ポリマー溶液(または懸濁液)の前記流体中への吐出は、前記流体の流れ方向に対して、45°〜90°の間の所定の角度で行われるように構成されていることが好ましい。
【0027】
次に、本発明の製造装置を用いて微小球体を製造する際に使用する原材料について説明する。
・ポリマー
微小球体の基材として使用するポリマーとしては、水溶性ポリマーであってもよく、あるいは水に難溶性のものであってもよい。水に難溶とは、高分子重合体の水に対する溶解度が0より大きく1%(W/W)以下であることを意味する。生体適合性を有する高分子重合体が好ましく、高分子重合体は天然または合成のいずれのものであってもよい。
【0028】
本発明に用いられるポリマーとしては、ビニルアルコール、オレフィン、スチレン、塩化ビニル、酢酸ビニル、塩化ビニリデン、ビニルエーテル、ビニルエステル、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、アクリロニトリル、メタクリルニトリルなどのポリマー、ポリカーボネート、ポリウレタン、ポリ尿素、ポリアミド、ポリアクリルアミド、ポリ−α−シアノアクリル酸エステル、無水マレイン酸系共重合体、エチレンビニールアセテート系共重合体、ポリアルキレンオキサレート(ポリトリメチレンオキサレート、ポリテトラメチレンオキサレートなど)、ヒドロキシカルボン酸ホモポリマー、ヒドロキシカルボン酸コポリマー、ポリアミノ酸(ポリ−L−アラニン、ポリ−γ−ベンジル−L−グルタミン酸、ポリ−γ−メチル−L−グルタミン酸)、セルロース誘導体(アセチルセルロース、ニトロセルロース)、デキストラン誘導体、寒天、アルブミン、コラーゲン、カゼイン、ゼラチン、ペクチン、セラック、ワックス類、アルギン酸、天然ガム物質(アラビアゴム、カラムガムなど)、キチン、キトサンなどが挙げられる。
【0029】
これらの高分子重合体の中でも、特に生理活性を持たず、生体内で比較的速やかに分解、消失する生体内分解性のポリマーが、とりわけ好ましい。生分解性のポリエステルとして、上記ヒドロキシカルボン酸ホモポリマー、ヒドロキシカルボン酸コポリマーまたはこれらの混合物、ポリシアノアクリレートなどが例示される。ポリヒドロキシカルボン酸の好ましい具体例として、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、乳酸−グリコール酸共重合体、ポリカプロラクトン、ポリヒドロキシブチレート、ポリヒドロキシイソブチレート、ポリヒドロキシバリレート、ポリγ−ヒドロキシ吉草酸などが挙げられる。特に好ましいポリマーとして、乳酸−グリコール酸コポリマー、ポリ乳酸、乳酸−カプロラクトンコポリマー、キチン、キトサン、ゼラチンである。これらの重合物は、1種類でもよく、または2種類以上の共重合体もしくは単なる混合物でもよく、またはその塩であってもよい。本発明に使用される生体適合性の高分子重合体または生体内分解性の高分子重合体は、一般的な合成法により問題なく合成できる。
【0030】
ポリマーとして乳酸とグリコール酸との共重合体を使用する場合、その組成比は100/0〜50/50(W/W)が好ましい。またその重量平均分子量は約5,000〜30,000のものが好ましく、さらに約5000〜20,000のものがより好ましい。グリコール酸/2−ヒドロキシ酪酸共重合体の組成比は約40/60〜70/30(W/W)が好ましく、グリコール酸/2−ヒドロキシ酪酸共重合体の重量平均分子量は、約5,000〜25,000が好ましく、5,000〜20,000が特に好ましい。酪酸とグリコール酸との共重合体を使用する場合、その組成比は100/0〜25/75(W/W)が好ましい。例えばポリ乳酸(A)とグリコール酸/2−ヒドロキシ酪酸共重合体(B)との混合物を使用する場合、(A)/(B)で表される混合比は、約10/90〜90/10が好ましく、約25/75〜75/20がより好ましい。ポリ乳酸の重量平均分子量は約5,000〜30,000、より好ましくは約6,000〜20,0000の範囲内である。共重合体の共重合の形式は、ランダム、ブロックまたはグラフトのいずれでもよい。またヒドロキシカルボン酸において、D−体、L−体およびD,L−体が存在する場合、いずれも使用できる。なかでもD,L−体が好ましい。
【0031】
本発明に用いられるこれらのポリマーの平均分子量は、約1,000〜約1,000,000のものが好ましく、より好ましくは約5000〜約500,000の範囲から選定される。・溶剤または分散媒
本発明において、前記ポリマーを溶解または分散化させるために用いる溶剤または分散媒としては、ポリマーの良好な溶媒または分散剤であれば特に限定されない。例えば、水、アルコール類、エステル類、ハロゲン化炭化水素類、エーテル類、芳香族炭化水素類、炭化水素類、ケトン類からなる群より少なくとも1つ以上選択されるものである。具体的には水、メタノール、エタノール、プロパノール、酢酸エチル、酢酸ブチル、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、クロロエタン、ジクロロエタン、トリクロロエタン、ジクロロヘキサン、エチルエーテル、イソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、メトキシエチルエーテル、1,4−ジオキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン、n−ペンタン、n−ヘキサン、アセトン、メチルエチルケトン、アセトニトリルなどが挙げられる。特にポリマーとしてポリ乳酸または乳酸−グリコール酸コポリマーを用いる場合には酢酸エチルまたは塩化メチレンが好適である。
・流体
前記流体は、微小球体製造装置の流体供給装置内に収容され、液体送出管を介して、微小球体作製装置本体内の筒部内に送出され、筒部中を所定の流速で流れる。この流体の流れの中に上記ポリマー溶液(または懸濁液)を液滴状に吐出することによって微小球体前駆体が形成される。したがって、該流体はこの微小球体前駆体を移送する間に微小球体前駆体に含まれる溶剤(または懸濁液)を流体中に移行させる役目を担うためキャリヤー、灌流液というべきものである。
【0032】
前記流体は、上記溶媒から、前記ポリマーが水溶性ポリマーである場合には親油性の流体となるように疎水性の溶媒が選択され、あるいは前記ポリマーが水難溶性ポリマーである場合には親水性の流体となるように親水性の溶媒が選択される。このように、本発明の製造方法ではポリマーの性質と流体の性質とを逆の関係となるようにすることで、水難溶性ポリマーからなる微小球体のみならず水溶性ポリマーからなる微小球体をも製造することが可能である。
【0033】
このための流体として、水、アルコール、アセトン、メタノール、エタノール、テトラヒドロフラン、酢酸エチル、アセトニトリル、アセトニトリル、アクリロニトリル、流動パラフィンなどの溶媒が利用される。これらの溶媒から選択する際、上記のように使用するポリマーの性質との関係を考慮する必要がある。扱いやすさなどの面からは、特に、水、エタノール、流動パラフィンなる群より選ばれる少なくとも1以上の液体からなるものが好ましい。安全性、粘度の調整の観点から、水、流動パラフィンが特に好適である。一例を挙げるならば、水溶性であるデキストリンやゼラチンのマイクロスフェアを作成する場合、流体を例えば流動パラフィンとして、温度制御のもとで、微小球体の沈降中に脱水することによりそうしたマイクロスフェアを製造できる。
【0034】
さらに流体は上記溶媒の他に、液滴を形成するために界面活性剤を通常、0.1〜10%、好ましくは1〜3%の割合で添加される。このための界面活性剤は一般に使用されるものであればいずれでもよい。例えば、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ラウリル硫酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、ポルビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、レシチン、カルボキシメチルセルロースなどが挙げられる。
【0035】
流体は、好ましくは流体供給装置および微小球体作製装置本体を一定温度に保持するための上記温度保持装置の働きにより、常に4〜40℃、好ましくは10〜40℃の範囲内の一定温度に保持される。
該流体の移動する流速は、通常は0.1〜500ml/分、好ましくは0.5〜50ml/分の範囲内の一定速度である。
・有効成分
微小球体に内包される有効成分は、薬物が一般的であり、それに付随してさらに助剤、安定化剤などを必要に応じて含めることもできる。薬物は、その用途、目的に応じて、医薬品のほか、農薬、肥料などであってもよい。あるいは封入する有効成分を薬物に限定せず、有機物、無機物に拡張すれば、本発明の微小球体の製造方法は、写真材料、感圧複写紙、接着剤、塗料などの幅広い領域にその応用範囲は広がるであろう。
【0036】
対象となる生理活性薬物としては特に限定されるものではなく、必要に応じて任意の生理活性薬物を微小球体に内包することができる。したがって、水溶性の薬物であっても、水難溶性の薬物でもかまわない。1種の薬物に限らず、複数の薬物を共存させる形で内包することもできる。例えば、胃潰瘍、結核、感冒などの治療において採用される2剤、3剤あるいは4剤併用療法では、複数の薬剤を同時に使用して、組み合わせによる相乗効果、相補的作用を確保している。薬物を具体的に例示すると、抗腫瘍剤抗生物質、解熱鎮痛剤、抗炎症剤、鎮咳去痰剤、抗潰瘍剤、鎮静剤、筋弛緩剤、抗うつ剤、抗てんかん剤、抗結核剤、抗不整脈剤、血管拡張剤、強心剤、抗アレルギー剤、降圧利尿剤、糖尿病治療剤、抗凝血剤、止血剤、ホルモン剤、生理活性ペプチド類、血管新生抑制剤、血管補強剤、麻薬拮抗剤、骨吸収抑制剤抗リウマチ剤、避妊剤、利肝剤、健胃消化剤、整腸剤、ビタミン剤、ワクチン剤、便秘治療剤、痔治療剤、各種酵素製剤、抗原虫剤、インターフェロン誘起物質、駆虫剤、外皮用殺菌消毒剤、寄生性皮膚疾患剤などが挙げられる。さらに具体的に適用可能な薬物を列挙すると以下のとおりとなるが、本発明はこれらの例示に限定されるものではない。
【0037】
抗腫瘍剤として、メソトレキサート、アクチノマイシンD、マイトマイシンC,塩酸ブレオマイシン、塩酸ダウノルビシン、硫酸ビンブラスチン、硫酸ビンクリチン、アドリアマイシン、ネオカルチノスタチン、フルオロウラシル、シトシンアラビノシド、クレスチン、ピシバニール、レンチナン、ベスタチン、レバミゾール、アジメキソン、グリチルリチン、シスプラスチンなどが挙げられる。
【0038】
抗生物質として、塩酸テトラサイクリン、塩酸オキシテトラサイクリン、塩酸ドキシサイクリン、ロリテトラサイクリン、アミカシン、フラジオマイシン、シソマイシン、ゲンタマイシン、カネンドマイシン、ジベカシン、リビドマイシン、トブラマイシン、アンピシリン、アモキシシリン、チカルシリン、ピペラシリン、セファロリジン、セファロチン、セフスロジン、セフォチアム、セフメノキシム、セフメタゾール、セファゾリン、セフォタキシム、セフォペラゾン、セフチゾキシム、モキソラクタム、フルファゼシン、アズスレオナム、チエナマイシン、エトロニダゾール、クラリスロマイシンなどが挙げられる。
【0039】
解熱鎮痛消炎剤として、サリチル酸ナトリウム、スルピリン、ジクロフェナックナトリウム、フルフェナム酸ナトリウム、インドメタシンナトリウム、塩酸モルヒネ、塩酸ピチジン、オキシモルファン、酒石酸レボルファノールなどが挙げられる。
鎮咳去痰剤として、塩酸エフェドリン、塩酸メチルエフェドリン、塩酸ノスカピン、リン酸コデイン、リン酸ジヒドロコデイン、塩酸クロフェジアノール、塩酸アロクラマイド、塩酸ピコペリダミン、クロペラスチン、塩酸イソプロテレノール、塩酸プロトキロール、硫酸サルブタモール、硫酸テレブタリンなどが挙げられる。
【0040】
抗潰瘍剤として、塩酸ヒスチジン、メトクロプラミドなどが、鎮静剤として、プロクロルペラジン、塩酸クロルプロマジン、トリフロペラジン、硫酸アトロピン、臭化メチルスコポラミンなどが、筋弛緩剤として、臭化パンクロニウム、塩化ツボクラリン、メタンスルホン酸プリジノールなどが、抗うつ剤として、イミプラミン、クロミプラミン、ノキシプチリン、硫酸フェネルジンなどが、抗てんかん剤として、塩酸クロルジアゼポキシド、アセタゾラミドナトリウム、フェニトインナトリウム、エトサクシミドなどが挙げられる。
【0041】
糖尿病治療剤として、塩酸フェンフォルミン、グリミジンナトリウム、塩酸フフォルミン、グリピザイドなどが、抗凝血剤としてヘパリンナトリウム、クエン酸ナトリウムなどが、止血剤としてトロンビン、トロンボプラスチン、アセトメナフトン、メナジオン亜硫酸水素ナトリウム、トラネキサム酸、ε−アミノカプロン酸、アドレノクロムモノアミノグアニジンメタンスルホン酸塩、カルバゾクロムスルホン酸ナトリウムなどが挙げられる。
【0042】
抗結核剤としてパラアミノサリチル酸ナトリウム、エタンブトール、。イソニアジドが、不整脈治療剤として塩酸プロプラノール、塩酸アルプレノロール、塩酸ブフェトロール、塩酸オキシプレノロールなどが、血管拡張剤として塩酸ジルチアゼム、塩酸オキシフェドリン、塩酸トラゾリン、ヘキソベンジン、硫酸バメタンなどが、強心剤としてアミノフィリン、テオフィロール、塩酸エチレフリン、トランスバイオキソカンファーなどが挙げられる。抗アレルギー剤として、マレイン酸クロルフェニラミン、塩酸メトキシフェナミン、塩酸ジフェンヒドラミン、塩酸トリペレナミン、塩酸メトジラジン、塩酸クレミゾール、塩酸メトキシフェナミン、塩酸ジフェニルピラリンなどが、降圧利尿剤としてペントリニウム、ヘキサメトニウムブロミド、塩酸メカミルアミン、塩酸エカラジン、塩酸クロニジンなどが挙げられる。
【0043】
ホルモン剤として、リン酸ナトリウムプレドニゾロン、コハク酸プレドニゾロン、デキサメタゾン硫酸ナトリウム、ベタメタゾンリン酸ナトリウム、酢酸ヘキセストロール、リン酸ヘキセストロール、メチマゾールなどが挙げられる。
血管新生抑制剤としてフマギリン、フマギロール誘導体、新生抑制ステロイドなどが、麻薬拮抗剤として塩酸ナロルフィン、塩酸ナロキソン、酒石酸レバロルファンなどが、骨吸収抑制剤として(イオウ含有アルキル)アミノメチレンビスホスホン酸などが挙げられる。 なお、薬物はそれ自体のほか、塩または誘導体の形であってもよい。
【0044】
生理活性ペプチド類として、オリゴペプチド、ポリペプチドいずれでもよく生理活性があれば特に限定されない。分子量約200〜80,000のものが好ましい。具体例として、黄体形成ホルモン放出ホルモンまたはその誘導体、インスリン、ソマトスタチンまたはその誘導体、成長ホルモン、プロラクチン、副腎皮質刺激ホルモン、甲状腺刺激ホルモン、メラノサイト刺激ホルモン、副甲状腺ホルモン、バソプレシン、オキシトシン、カルシトニン、グルカゴン、ガストリン、セクレチン、コレシストキニン、パンクレオザイミン、アンジオテンシン、エンケファリン、タンパク質合成刺激ペプチド、ヒト絨毛性ゴナドトロピン、ヒト胎盤ラクトーゲン、黄体形成ホルモン、卵胞刺激ホルモン、インターフェロン各型、インターロイキン、エンドルフィン、キョウトルフィン、タフトシン、サイモポイエチン、サイモシン、サイモスチムリン、胸腺因子、腫瘍壊死因子、コロニー誘発因子、神経成長因子、サブスタンスP、カリクレイン、モチリン、ダイノルフィン、ボンベシン、セルレイン、ブラジキニン、アスパラギナーゼ、ウロキナーゼ、塩化リゾチーム、ポリミキシンB,コリスチン、グラミシジン、バシトラシン、エリスロポエチン、血小板由来増殖因子、成長ホルモン放出因子、上皮成長因子などが挙げられる。
【0045】
医療薬物の他に、農薬(抗菌剤、除草剤、殺虫剤など)、オーキシン、植物ホルモン、昆虫ホルモン、魚剤などの薬物であってもよい。
これらの薬物粒子の大きさは、ポリマーにより適切に微小球体内に内包されれば特に限定されないが、あらかじめハンマーミル、スクリーンミル、ボールミル、タワーミル、振動ミル、ジェットミル、コロイドミルまたは乳鉢などの方法により微細に粉砕してからポリマー溶液の調製に供するのが好ましい。その粒径は得られる最終の微小球体粒径の1/10以下、好ましくは1/100以下であるのが望ましい。微小球体のサイズを考慮すると通常、粒子径は、0.00001μm〜数十μmの範囲の粒子を用いるのが好ましい。特に10μm以下の粒子径のものを用いると均一で特に微小な球体を得ることができる。
【0046】
ポリマー溶液(または懸濁液)中におけるこれらの有効成分の濃度として、約0.001〜90%(W/W)、より好ましくは約0.01〜80%(W/W)、特に好ましくは約0.01〜70(W/W)である。
製造方法
本発明による製造方法は、ポリマー中に有効成分が放出可能に含有されている微小球体の製造方法であって、
少なくとも有効成分と溶剤(または分散媒)とポリマーとからなるポリマー溶液(または懸濁液)を、所定温度の下に、
流体中に液滴状に吐出することによって微小球体前駆体を形成し、
この微小球体前駆体を流体中で移送する間に、微小球体前駆体に含まれる溶剤(または懸濁液)を流体中に移行させて、
有効成分を放出可能に含有するポリマーの微小球体を形成することを特徴としている。本方法では、流体とポリマーの性質を逆にすることで、水溶性ポリマーからなる微小球体、あるいは水難溶性ポリマーからなる微小球体いずれも製造可能である。
・ポリマー溶液(または懸濁液)
ポリマー溶液(または懸濁液)は、少なくとも有効成分と溶剤(または分散媒)とポリマーとからなるもので、さらに製造の目的あるいは必要に応じて、他の物質、例えば助剤、安定化剤なども含めることも可能である。ポリマーは溶解した状態が好ましく、そうでなく均一に分散化されていてもよい。ポリマーを溶解または均一に分散化するためには、通常、例えばマグネチック・スターラー、プロペラ型攪拌機、タービン型攪拌機などのミキサーによる方法、断続震盪法、コロイドミル法、ホモジナイザー法、超音波照射法などの公知の溶解・分散法を使用することができる。
【0047】
このポリマー溶液(または懸濁液)は、製造装置のポリマー溶液(または懸濁液)吐出装置に収容され、好ましくは上記温度保持装置により一定の温度に保持される。すなわちポリマー溶液(または懸濁液)は、好ましくは4〜40℃、より好ましくは10〜40℃の範囲内の一定温度に保持される。
吐出装置内のポリマー溶液(または懸濁液)は、移動の流速として、通常は0.1〜500ml/分、好ましくは0.5〜50ml/分の範囲内の一定速度で、吐出ノズルへ送出される。
【0048】
ポリマー溶液(または懸濁液)は、上記ノズル孔から上記微小球体作製装置本体内の筒部内を流れる流体に向かって、好適にはその流れ方向に対して、45°〜90°の間の所定の角度をなして吐出される。吐出の角度は、所与の条件で好適な液滴となるように決定すればよい。その吐出は、流体の流れにより微小な液滴が形成されるように少量ずつ、滑らかな流れの状態で連続して放出してもよく、あるいは少量ずつ所定の間隔で間欠的に放出することもできる。しかしながら吐出は、流体中へ液滴が入るようになされなければならず、その液滴は流体中で微小球体前駆体として搬送されながら均一な粒子径を有する微小球体となる。
【0049】
前記ポリマー溶液(または懸濁液)吐出装置のポリマー溶液(または懸濁液)吐出ノズルが、複数の所定間隔で離間したポリマー溶液(または懸濁液)吐出ノズルから構成されておれば、同一条件下に、短時間で同時に多量の微小球体を製造することが可能である。
ポリマー溶液(または懸濁液)中におけるこれらのポリマーの濃度として、1〜50(w/v)%が好ましく、特に10〜40(w/v)%がより好ましい。ポリマー濃度が1(w/v)%未満であると、微小球体中の薬物の包含率が低くなる問題点が生じ、逆に50(w/v)%を超えると微小球体の形成が困難となるなどの問題点が生じる。
この場合、ポリマーと溶剤(または分散媒)との比率は、好ましくは99.9/0.1〜50/50、より好ましくは99/1〜70/30である。これより希薄であると、流体により搬送されている間に起きる微小球体前駆体中のポリマーの増粘化が不充分となり、内包すべき薬物の漏出が大きく、結果的にその内包率が低下してしまう。これより濃厚であると、ポリマー溶液(または懸濁液)の液滴が大きくなりすぎて、やはりポリマーの増粘化が不充分になるおそれがある。
【0050】
また、好適な微小液滴を流体により形成されるためには、ポリマー溶液(または懸濁液)が50〜10,000cp、より好ましくは200〜2,000cpの範囲内の一定の粘度を有することが望ましい。50cpより低粘性であると、ポリマー溶液(または懸濁液)が流体の流れにより微小な液滴とならないおそれがあり、10,000cpより粘稠であると、液滴が大きくなりすぎるおそれがある。
・微小球体前駆体および微小球体の形成
上記ポリマー溶液(または懸濁液)が流体中に液滴状に吐出されるか、あるいは少量ずつ連続して放出されたものが流体の流れにより液滴状のものとされ、流体中で微小球体前駆体として流体中を移送され、その間表面張力の作用により一定サイズの球形粒子となる。さらにその移送の間に、微小球体前駆体に含有される溶剤(または分散媒)は、多かれ少なかれその流体へ移行する。その移行量は、温度、ポリマー溶液(または懸濁液)、流体物質、流体の移動速度などの様々な因子により支配されている。この場合、流体、ポリマー溶液(または懸濁液)は、好ましくは上記温度保持装置の働きにより、常に4〜40℃、好ましくは10〜40℃の範囲内の一定温度に保持される。
【0051】
流体中を微小球体前駆体が移送され、溶剤(または分散媒)が流体へ移行する間に、微小球体前駆体中の、なかでも特にポリマー部分の溶剤(または分散媒)量が減少するために、ポリマー成分の増粘化または固化が起こる。いわばポリマー成分は乾燥硬化もしくはそれに近い状態となって外被を形成し、その内部に有効成分などを内包することとなって、微小球体が完成する。本発明の製造方法によって生成する球体は、実質的に完全球であり、しかもそれらのサイズ分布が狭い範囲内にとどまっている均一な微小球体である。
・生成物の処理
このようにして流体内を搬送される間に形成された微小球体は、微小球体作製装置本体の下方にある微小球体貯留部に集められ、カプセル化(encapsulation)の最後のステップとして、攪拌機で充分に攪拌される。その間に溶剤(または分散媒)がさらに微小球体内から抜かれて、粒径の揃った強度のある微小球体が完成する。かかる安定化のために必要とされる時間は、通常0.5〜2時間ほどであればよく、好ましくは1〜1.5時間である。このような安定化操作を行うことにより、ポリマーはコンパクトに凝集し、溶剤が脱離した後も多孔質にはならず、初期バースト放出が起こりにくい表面構造を有する。
【0052】
生成した微小球体は次いで遠心分離またはろ過により集められ、回収した微小球体は、蒸留水、溶媒などの適当な洗浄液で洗浄する。さらに必要であれば減圧乾燥または凍結乾燥などの方法により微小球体内の溶剤、水分などの除去を完全に行う。
本発明の製造方法により製造される微小球体は、有効成分が水溶性または水難溶性いずれの物質も内包可能であり、使用目的に応じたポリマーを選択することができ、しかも微小球体のサイズの調整も容易であることから幅広い製剤の応用が可能である。例えば医薬として、皮下内、皮内、筋肉内、腹腔、疾患部位内、動静脈内および経口などの多様な形態で投与される微小球体が調製可能である。有効成分を含有する微小球体は、通常、懸濁剤などに分散した後に投与または適用される。また農薬などを徐放させる場合には、微小球体を土壌や葉などに散布することにより用いることができる。
【0053】
本発明の製造方法によれば、微小粒子のサイズ、膜厚の調整も幅広く調整可能であるため、タンパク質、酵素、抗体、遺伝子(DNAまたはRNA)などを含む機能性マイクロカプセル(スフェア)の用途としても有望である。
【0054】
【発明の効果】
本発明の製造方法による微小球体は、サイズが狭い範囲に分布した均一な球体であり、その形状も実質的に完全球である。
本発明による製造方法によれば、微小球体の内部に、生理活性薬物などの有効成分を放出可能にしかも均一に分散するように内包させることができる。これにより、微小球体1個当たりの有効成分の包含量は多く、しかも有効成分を取り込んでいる微小球体の割合も多いため、全体として収率も良好である。
【0055】
本発明の製造方法による微小球体は、有効成分の初期バースト放出が有効に抑制される。したがって、例えば生理活性薬物の体内における放出が長期間にわたり可能となるように好適に制御される。
本発明の製造装置および製造方法によれば、放出可能に有効成分を含有する微小球体が、同一条件下に制御され、簡単な工程で短時間にしかも高品質のものを低コストで製造することができる。さらに本発明の製造装置および製造方法によれば、広い温度範囲において、特に低温下においての製造を可能とする。加えて架橋剤などの有害な物質を使用しないため安全性も確保できる。
【0056】
本発明に係る製造装置は、比較的シンプルな構成であり、工程も単純なため、工業的規模での大量生産にも対応でき、製造コストの大幅な削減が可能である。
【0057】
【実施例】
以下、本発明を、実施例を示してさらに具体的に説明する。本発明はこれらの実施例になんら限定されるものではない。
以下の製造例においては、次の材料、薬剤などを使用している。
分子量18,000のポリ(L−乳酸−グリコール酸)共重合体(PLGA,乳酸75/グリコール酸25)をBMG社(京都)から入手して使用した。ポリビニルアルコール(PVA,ケン化度88%、重合度250)をユニチカ(株)社(大阪)から、タクソール(Taxol)はシグマ社から入手した。HPLCシステムは、東洋曹達(株)社からのものを使用した。
【0058】
【製造例1】
30%PLGAの酢酸エチル溶液、5mlを調製し、タクソールを内包するためにそのPLGA溶液に10%(w/w)タクソール/PLGAとなるように同時に溶解した。図1に示されるような微小球体製造装置において、タクソールを溶解したPLGL溶液は、カセットチューブ・ポンプを用いて、約0.2ml/分の流速で直径0.5mm針を通して吐出した。キャリヤーとなる流体(1%PVA蒸留水)を、PLGA液の流れに90°の角度となるようにポンプを使用して流した。針のノズルから、均一な液滴が、1%PVA水溶液で満たされた1.5mの長さのガラス管中を落下していき、貯留部である回収壜に到達した。回収壜(貯留部)の内容物はマグネチックスターラーで攪拌した。回収した微小球体は、蒸留水で3回洗浄し、凍結乾燥した。
【0059】
【比較製造例1】
酢酸に溶解した8%PLGA溶液、5mlを調製し、タクソールを内包するためにそのPLGA溶液に5%(w/w)タクソール/PLGAとなるように同時に溶解した。タクソールを溶解したPLGA溶液を10%スパン−80の流動パラフィン溶液に混入させた。その溶液を260rpmで攪拌し、溶液の温度を毎分0.1℃の割合で35℃から42℃に上昇させた。48時間、攪拌を継続したのち、微小球体を回収しヘキサンで3回洗浄して、凍結乾燥した。
【0060】
さらにPLGAを溶解する溶剤として、酢酸に代えて、シアン化メチル(CHCN)を用いて上記と全く同様に行って微小球体を製造した。
【0061】
【実施例1】
マイクロスフェア中のタクソール含有量
製造例1および比較製造例1で得られた硬化微小球体は、それぞれ光学顕微鏡で観察することができた。微小球体の懸濁液の数滴をカバーグラスに置いて、光学顕微鏡(ニコン)で観察した。これらの微小球体の表面および多孔性は、金でスパッター・コーティングして、走査型電子顕微鏡(日立、S−4700型)により調べた。それぞれの顕微鏡像を図2および3に示す。
【0062】
タクソールを内封した微小球体は、いずれも滑らかな表面を有する球体粒子であった。しかしながら、実施例1の製造方法で得られた微小球体のサイズ分布は、比較製造例1の微小球体よりも一層狭い範囲に収まっていた(図2参照)。比較製造例1の微小球体は、凝集しやすく、図3からも付着し合ったり、一部融合している微小球体が見られる。
【0063】
【実施例2】
製造例1および比較製造例1において製造されたタクソール内包微小球体のそれぞれの当初封入量を、HPLCにて調べた。正確に秤量した10mgの微小球体は、アセトニトリルに溶解し10mlまで希釈した。逆相HPLC系を使用して、トーソーODS(4.6×250mm)のカラム、移動相はアセトニトリル−水(60:40)の系、検出は、273nmで行い、試料の注入量は、20μlであった。
【0064】
HPLCによる分析の結果を次の表に示す。
【0065】
【表1】
Figure 2004035446
【0066】
【実施例3】
インビトロの放出テスト
製造例1および比較製造例1により製造されたタクソール内包微小球体の放出速度論を調べた。Tween−80を0.1%含有するリン酸緩衝液化生理食塩水(PBS,pH7.4)、10mlに5mgの微小球体をそれぞれ懸濁した。次にこの懸濁液を37℃のインキュベーター内に置いた。30日間にわたり、一定間隔でその懸濁液から100μlのPBSを採取した。その中のタクソールの濃度をHPLCで定量した。測定波長が232nmであること以外は、HPLCの条件は実施例2の場合と同様であった。
【0067】
製造例1および比較製造例1で得られた微小球体からのタクソール放出割合の変化をそれぞれ図4および図5に示す。両図の比較から明らかなように、製造例1の微小球体からは、タクソールが徐々に少量ずつ放出されているのに対し、比較製造例1からの微小球体からは、タクソールが、早い時期から多くの放出が見られ(いわゆる初期バーストの放出)、その放出速度も大きいことがわかった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の微小球体製造装置の一態様を示す。
【図2】製造例1で得られた微小球体の光学顕微鏡写真(向かって左側)および走査型電子顕微鏡写真(右側)を示す。
【図3】比較製造例1で得られた微小球体の光学顕微鏡写真(向かって左側)および走査型電子顕微鏡写真(右側)を示す。
【図4】製造例1で得られた微小球体からのタクソール放出を示す。縦軸は、放出百分率(%)、横軸は時間(日数)である。
【図5】比較製造例1で得られた微小球体からのタクソール放出を示す。縦軸、横軸は図4の場合と同様である。■は、PLGAを溶解する溶剤として酢酸を用いた微小球体の場合、▲は、PLGAを溶解する溶剤としてCHCNを用いた微小球体の場合である。
【符号の説明】
1;流体供給装置
2;ポリマー溶液(または懸濁液)吐出装置
3;スプレーノズル
4;ドレイン
5;流体で満たしたカラム
6;微小球体貯留部(回収壜)
7;マグネチックスターラー

Claims (26)

  1. ポリマー中に有効成分が放出可能に含有されている微小球体の製造方法であって、
    少なくとも有効成分と溶剤(または分散媒)とポリマーとからなるポリマー溶液(または懸濁液)を、所定温度の下に、
    流体中に液滴状に吐出することによって微小球体前駆体を形成し、
    この微小球体前駆体を流体中で移送する間に、微小球体前駆体に含まれる溶剤(または懸濁液)を流体中に移行させて、
    有効成分を放出可能に含有するポリマーの微小球体を形成することを特徴とする微小球体の製造方法。
  2. 前記流体は、前記ポリマーが水溶性ポリマーである場合には親油性の流体であり、あるいは前記ポリマーが水難溶性ポリマーである場合には親水性の流体であることを特徴とする請求項1に記載の微小球体の製造方法。
  3. 前記流体が、液体を所定温度の下に降下させてなることを特徴とする請求項1または2に記載の微小球体の製造方法。
  4. 前記ポリマー溶液(または懸濁液)の前記流体中への吐出が、少量ずつ連続して放出されるか、あるいは少量ずつ所定の間隔で間欠的に放出されることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の微小球体の製造方法。
  5. 前記ポリマー溶液(または懸濁液)の前記流体中への吐出が、前記流体の流れ方向に対して、45°〜90°の間の所定の角度で行われることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の微小球体の製造方法。
  6. 前記ポリマー溶液(または懸濁液)の前記流体中への吐出が、ノズルを介して行われることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の微小球体の製造方法。
  7. 前記微小球体の平均粒径が、0.0001〜5000μmの間にあることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の微小球体の製造方法。
  8. 前記有効成分が少なくとも1種以上の生理活性薬物類である請求項1から7のいずれかに記載の微小球体の製造方法。
  9. 前記ポリマーが、ポリビニルアルコール、ポリメチルメタクリレート、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリウレタン、ポリ尿素、ポリアミド、ポリアルキレンオキサレート、ヒドロキシカルボン酸ホモポリマー、ヒドロキシカルボン酸コポリマー、ポリアミノ酸、セルロース誘導体、デキストラン誘導体、ゼラチン、セラック、ワックス類、キチン、キトサンからなる群より少なくとも1つ以上選択されるものであることを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載の微小球体の製造方法。
  10. 前記ポリマーの平均分子量が約1,000〜1,000,000であることを特徴とする請求項1から9のいずれかに記載の微小球体の製造方法。
  11. 前記ポリマーが生体内分解性の高分子重合物であることを特徴とする請求項1から10のいずれかに記載の微小球体の製造方法。
  12. 前記溶剤(または分散媒)が、水、アルコール類、エステル類、ハロゲン化炭化水素類、エーテル類、芳香族炭化水素類、炭化水素類およびケトン類からなる群より少なくとも1つ以上選択されるものであることを特徴とする請求項1から11のいずれかに記載の微小球体の製造方法。
  13. 前記ポリマー溶液(または懸濁液)が25℃で50〜10,000cpの範囲内の一定の粘度を有することを特徴とする請求項1から12のいずれかに記載の微小球体の製造方法。
  14. 前記の所定温度が、4〜40℃の範囲内の一定の温度であることを特徴とする請求項1から13のいずれかに記載の微小球体の製造方法。
  15. 前記流体が、少なくとも水、アルコール、アセトン、アセトニトリル、流動パラフィンからなる群より選ばれる1以上の液体および0.1〜10(W/V)%界面活性剤からなることを特徴とする請求項1から14のいずれかに記載の微小球体の製造方法。
  16. 前記流体の移動する速度が、0.1〜500ml/分の範囲内の一定速度であることを特徴とする請求項1から15のいずれかに記載の微小球体の製造方法。
  17. ポリマー中に有効成分が放出可能に含有されている微小球体の製造装置であって、
    微小球体を作製する微小球体作製装置本体と、
    前記微小球体作製装置本体内に液体を流体として一定の速度で移動するように送出する流体供給装置と、
    前記微小球体作製装置本体内を移動する流体中に、少なくとも有効成分と溶剤(または分散媒)とポリマーとからなるポリマー溶液(または懸濁液)を吐出するポリマー溶液(または懸濁液)吐出装置とを備え、
    ポリマー溶液(または懸濁液)を、所定温度の下に、
    流体中に液滴状に吐出することによって微小球体前駆体を形成し、
    この微小球体前駆体を流体中で移送する間に、微小球体前駆体に含まれる溶剤(または分散媒)を流体中に移行させて、
    有効成分を放出可能に含有する微小球体を形成するように構成したことを特徴とする微小球体の製造装置。
  18. 前記流体供給装置が、液体送出管を介して、前記微小球体作製装置本体内に液体を送出するように構成されていることを特徴とする請求項17に記載の微小球体の製造装置。
  19. 前記流体供給装置の液体送出管が、複数の所定間隔で離間した液体送出管から構成されていることを特徴とする請求項17または18に記載の微小球体の製造装置。
  20. 前記ポリマー溶液(または懸濁液)吐出装置が、ポリマー溶液(または懸濁液)吐出ノズルを介して、前記微小球体作製装置本体内を流れる流体中に、ポリマー溶液(または懸濁液)を、前記流体の流れ方向に対して、所定の角度で吐出するように構成されていることを特徴とする請求項17から19のいずれかに記載の微小球体の製造装置。
  21. 前記ポリマー溶液(または懸濁液)吐出装置のポリマー溶液(または懸濁液)吐出ノズルが、複数の所定間隔で離間したポリマー溶液(または懸濁液)吐出ノズルから構成されていることを特徴とする請求項17から20のいずれかに記載の微小球体の製造装置。
  22. 前記微小球体作製装置本体と、流体供給装置と、ポリマー溶液(または懸濁液)吐出装置とを、それぞれ4〜40℃の範囲内の一定温度に保持するための温度保持装置を備えることを特徴とする請求項から17から21のいずれかに記載の微小球体の製造装置。
  23. 前記微小球体作製装置本体の下方に微小球体貯留部を備えるとともに、この微小球体貯留部に貯留された微小球体を含んだ液体を攪拌する攪拌装置を備えることを特徴とする請求項17から22のいずれかに記載の微小球体の製造装置。
  24. 前記ポリマー溶液(または懸濁液)の前記流体中への吐出が、少量ずつ連続して放出されるか、あるいは少量ずつ所定の間隔で間欠的に放出されるように構成されており、前記流体は、前記ポリマーが水溶性ポリマーである場合には親油性の流体であり、あるいは前記ポリマーが水難溶性ポリマーである場合には親水性の流体であることを特徴とする請求項17から23のいずれかに記載の微小球体の製造装置。
  25. 前記ポリマー溶液(または懸濁液)の前記流体中への吐出が、前記流体の流れ方向に対して、45°〜90°の間の所定の角度で行われるように構成されていることを特徴としている請求項17から24のいずれかに記載の微小球体の製造装置。
  26. 前記微小球体の平均粒径が0.0001〜5000μmの間にあるように製造されることを特徴とする請求項17から25のいずれかに記載の微小球体の製造装置。
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