JP2002301466A - 汚染物の浄化方法及び浄化装置 - Google Patents

汚染物の浄化方法及び浄化装置

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 塩素系有機化合物を含有する汚染物を微生物
分解反応によって浄化するにあたり、微生物分解反応速
度をより高速化すると共に微生物反応の再現性を確保
し、汚染物中の前記化合物を環境基準値以下に分解する
のにより有効な浄化方法及び浄化装置を提供する。 【解決手段】 ダイオキシン類などの塩素化合物を含む
汚染物を、温度が任意に調整される脱塩素用攪拌槽1に
投入し、至適温度が60℃の脱塩素用微生物によって汚
染物から塩素を除去し、次いで脱塩素微生物によって塩
素が除かれた汚染物を、同じく温度が任意に調整される
化合物分解用攪拌槽2に投入し、至適温度が65℃の化
合物分解用微生物によって前記汚染物に含まれる塩素除
去後の化合物を分解し、汚染物を浄化する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は汚染物の浄化方法及
び浄化装置に関し、より詳しくはダイオキシン類など
の、分子中に多くの塩素を含む有機化合物に汚染された
土壌や水の浄化に好適な浄化方法及び浄化装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】我々の生活や産業活動を通じて排出され
る汚染物のうち、分子中に多くの塩素を含む有機化合物
を汚染物質として含有する汚染物については、土壌等の
固体物であればダイオキシン類対策特別措置法等の施行
により、排水等の液体であれば水質環境基準等により排
出規制が強化され、その排出量が規定されている。
【0003】一方で、現在までに蓄積された、大量のこ
れらの汚染物は、処理の途中で二次的な汚染を発生する
ことのない、安価で確実な技術や方法で処置されること
が待ち望まれている。このような技術や方法としては、
微生物による分解反応で前記汚染物を無害化する浄化方
法が、有効な技術として期待されている。
【0004】微生物を用いる浄化方法では、主に汚染物
に含まれる汚染物質の種類によって、用いられる微生物
の種類や使用法が選択される。例えば分子中に多くの塩
素を含む有機化合物は、一般に化学的にも物理的にも非
常に安定した物質である。このような化合物を分解する
微生物としては、塩素鎖を切断する微生物が用いられ
る。
【0005】塩素鎖を切断する微生物としては、例え
ば、常温菌であり、病原性微生物(緑膿菌)の一種であ
り、かつ嫌気性微生物であるシュードモナス菌が知られ
ている。この他にも、例えば常温菌であるシメジ菌、白
色腐朽菌や糸状菌の一種が、ダイオキシン類等の塩素化
合物を含む汚染物質を分解する微生物として知られてい
る。
【0006】また、この他にも、好気性微生物と嫌気性
微生物との特性の違いを利用し、これらを組み合わせて
効率よく汚染物を分解、浄化しようとする技術が従来よ
り知られている。例えばこのような技術としては、特開
平9−164397号公報に開示されているように、嫌
気槽と好気槽とを組み合わせた嫌気好気法により排水処
理を行う排水処理装置において、空気を原料として酸素
と窒素とを分離し、酸素富化ガスと窒素富化ガスとを発
生する空気分離装置から得られる酸素富化ガスを前記好
気槽の散気ガスとして用いると共に、前記窒素富化ガス
を前記嫌気槽の散気ガスとして用いることを特徴とする
嫌気好気法による排水処理装置が知られている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】シュードモナス菌は塩
素鎖を切断するのに優れた微生物であるが、常温菌であ
り、またこの菌を用いる脱塩素反応では汚染物の分解最
終段階で塩素鎖を切断するため、分解反応に数か月もか
かることがあり、前述の浄化方法に用いても工業的な利
用に耐えられないという問題点がある。また、常温菌で
ある白色腐朽菌等の好気性微生物も分解速度が非常に遅
く、汚染物の浄化方法において工業的に耐えられないと
いう問題点がある。すなわち塩素化合物を含む汚染物の
浄化において、常温菌を用いて塩素化合物の分解を行う
ことは、汚染物の浄化を工業的に行う観点から困難であ
る。
【0008】前記排水処理装置は、嫌気槽には酸素の乏
しいガスを散気ガスとして供給し、好気槽には酸素の富
んだ散気ガスを供給することにより、両槽において好適
な環境を実現するという点で優れた装置であるが、分解
速度が非常に遅く工業的な利用に耐えられないという、
常温菌を用いる浄化方法が有する問題点については、改
善の余地が残されている。
【0009】本発明は、前記事項に鑑みなされたもので
あり、塩素系有機化合物を含有する汚染物を微生物分解
反応によって浄化するにあたり、微生物分解反応速度を
より高速化すると共に微生物反応の再現性を確保し、汚
染物中の前記化合物を環境基準値以下に分解するのによ
り有効な浄化方法及び浄化装置を提供することを課題と
する。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は前記課題を解決
するための手段として、塩素化合物を分解するための至
適温度の高い微生物を用いて、塩素化合物を含む汚染物
を分解する方法及び装置であって、用いる微生物と塩素
化合物との接触確率を高めてより速やかに分解する手
段、及び用いる微生物の特性を利用して塩素化合物を段
階的に、かつ速やかに分解する手段を提供する。
【0011】すなわち本発明は、温度が調整される系内
で、塩素化合物を含む汚染物を微生物により分解して浄
化する汚染物の浄化方法であって、塩素化合物を物理吸
着する吸着成分、及び塩素化合物を分解するための至適
温度が少なくとも60℃以上の微生物を前記汚染物中に
存在させ、この汚染物を前記系内で流動させることを特
徴とする汚染物の浄化方法(以下、この浄化方法を「第
一の浄化方法」ともいう)を提供する。
【0012】前記浄化方法によれば、常温菌に比べて至
適温度の高い微生物を用いることにより微生物分解反応
速度をより高速化することができ、微生物による前記汚
染物の浄化を、工業的に利用できる浄化方法とすること
が可能となる。また、至適温度の高い微生物を用いるこ
とにより常温菌などの雑菌の作用が排除され、至適温度
の高い微生物による分解反応がより純化されることか
ら、微生物反応の再現性を確保することが可能となる。
さらに、塩素化合物を物理吸着する吸着成分が微生物分
解反応系内に存在することにより、微生物が吸着成分に
着床しやすく、また塩素化合物が吸着成分上にて濃縮さ
れ、微生物と塩素化合物との接触確率をより一層向上さ
せることが可能となる。
【0013】また本発明は、温度が調整される系内で塩
素化合物を含む汚染物を微生物により分解して浄化する
汚染物の浄化方法であって、至適温度が60℃以上の脱
塩素用微生物によって汚染物中の塩素化合物を分解し、
汚染物中から塩素を除去する脱塩素工程と、脱塩素工程
で塩素が除去された汚染物中の化合物を、至適温度が6
5℃以上の化合物分解用微生物によって分解する化合物
分解工程とを含む汚染物の浄化方法(以下、この浄化方
法を「第二の浄化方法」ともいう)を提供する。
【0014】前記浄化方法によれば、常温菌に比べて至
適温度の高い微生物を用いることにより微生物分解反応
速度をより高速化することができ、微生物による前記汚
染物の浄化を、工業的に利用できる浄化方法とすること
が可能となる。また、至適温度の高い微生物を用いるこ
とにより常温菌などの雑菌の作用が排除され、至適温度
の高い微生物による分解反応がより純化されることか
ら、微生物反応の再現性を確保することが可能となる。
【0015】また、本発明の浄化方法によれば、脱塩素
工程が化合物分解工程よりも先に行われることから、塩
素の存在による化合物分解用微生物の不活性化を防止す
ることができ、汚染物中の塩素化合物を環境基準以下に
分解する上でより有効である。
【0016】本発明の浄化方法に適用される汚染物は、
土壌等のように固体で構成されるものであっても良い
し、排水等のように液体で構成されるものであっても良
いし、これらの両方を含むスラリー状のものであっても
良い。また、気体状の汚染物は、例えば土壌など、粘土
鉱物を含有する吸着成分や、所定の粒径や表面形状のも
のに分類され、又は加工されたゼオライト等の吸着材に
吸着させる、又は水に吸収させる等の方法により、本発
明で浄化することが可能である。
【0017】汚染物に含まれる塩素化合物は、一般に化
学的及び物理的に安定で、焼却等の通常の処理では好適
に処理することが困難なものが多いが、本発明によれば
好適に処理することが可能である。このような塩素化合
物としては、ダイオキシン類、PCB、トリクロロエチ
レン、パークロロエチレンなど、分子中に塩素を含む有
機化合物を例示することができる。
【0018】本発明において至適温度とは、微生物が生
長するのに最適な温度をいい、微生物分解反応に最適な
温度である。本発明に用いられる微生物の至適温度が上
記の温度よりも低いと、微生物反応速度が低下して工業
的な利用に耐えられなくなることがあり、また雑菌の作
用が介在して微生物反応の再現性が確保できなくなるこ
とがある。
【0019】本発明に用いられる微生物は、塩素化合物
そのものの分解、塩素化合物の脱塩素、及び脱塩素後の
化合物の分解が可能であり、微生物分解反応の高速化や
微生物分解反応の純化等の観点から、至適温度が少なく
とも60℃以上の微生物を、好気性微生物及び嫌気性微
生物のいずれを問わず用いることができる。前記第一の
浄化方法では塩素化合物そのものを分解する微生物が用
いられる。
【0020】前記第一の浄化方法では、汚染物系内に酸
素供給手段によって酸素を供給する条件下で、至適温度
が65℃以上の好気性微生物を用いることが好ましい。
このような浄化方法によれば、嫌気性微生物の使用とは
異なり、系内への酸素の侵入に対する対策を講じる必要
がないことから、浄化装置における構成の簡略化や、浄
化方法における操作の簡略化を実現する上で好適であ
る。上記浄化方法における好適な微生物としては、例え
ばBacillus midousuji等が挙げられる。
【0021】本発明で用いられる吸着成分とは、塩素化
合物を物理吸着する性質を有し、かつ微生物が着床可能
な形態を有するものであり、例えば土壌粒子を挙げるこ
とができ、より具体的には汚染土壌中の土壌粒子や、汚
染土壌を含有するスラリー状の汚染水中の土壌粒子を挙
げることができる。
【0022】本発明では、前記塩素化合物と微生物とを
十分に接触させることができる吸着成分が前記汚染物に
含まれていれば良いが、塩素化合物の吸着や微生物の着
床をより十分に行い、塩素化合物と微生物との接触機会
をより高める上で、微生物反応系内に吸着材をさらに添
加することが好ましい。このような吸着材としては、適
当な表面状態や粒径等の形態を有し、又は分別され、又
は加工された粘土鉱物を挙げることができ、製法、材
質、及び形態等において特に制限されない。好ましい前
記吸着材としては、塩素化合物の分子寸法に対して1倍
以上に相当する孔径分布の細孔を有するゼオライトが挙
げられる。吸着材の形態については後に述べるが、汚染
物の形態や微生物の特性等に応じて種々の形態を採用す
ることが可能である。
【0023】なお塩素化合物の分子寸法は、化学構造式
や分子の立体構造から求められる大きさをいう。また孔
径分布は吸着材表面の細孔の孔径分布であり、本発明で
は孔径分布の中心値で代表される。すなわち前述のごと
き孔径分布の範囲は、孔径分布の中心値がその範囲にあ
ることを意味する。塩素化合物の分子寸法に対する前記
細孔の孔径分布は、吸着材の材質や吸着能力、塩素化合
物との親和性等によって適当な範囲は異なるが、孔径分
布が小さすぎると塩素化合物が吸着材に吸着されず、孔
径分布が大きすぎると吸着材が塩素化合物を捕捉できな
いことがあり、このような観点から本発明により好適な
吸着材としては、例えば前記孔径分布が前記塩素化合物
の分子寸法に対して3〜5倍のである天然ゼオライトが
挙げられる。
【0024】本発明において、塩素化合物の分子寸法
は、化学構造式や分子の立体構造式から求めることがで
きる。また吸着材の前記孔径分布は、吸着等温線図を実
験で求め、吸着等温線に毛細管凝縮理論を適用すること
によって求めることができる。さらに前記孔径分布は、
孔径分布が既知な吸着材の中から、好適な孔径分布のも
のを選択する方法や、適当な孔径分布のものの二種以上
を混合する方法等により調整することが可能である。
【0025】前記第一の浄化方法では、前述した微生物
及び吸着材等の吸着成分を含む状態の汚染物を温度が調
整される系内で流動させる。この流動については、前記
系内の所定の位置を、流動する汚染物が通過することが
好ましい。前記系内の所定の位置とは、例えば吸着材を
系内に固定化した場合における吸着材の固定位置や、後
述する気体接触器等が挙げられる。
【0026】前記第一の浄化方法では、前記微生物とし
て好気性微生物を用いた場合に、気体接触器内に汚染物
を流動させることが、微生物分解反応に影響する系内の
酸素濃度を最適化する上で好ましい。この気体接触器に
ついては後に述べるが、流動物と気体との接触性を高め
る通路を形成するものであれば特に限定されない。
【0027】前記第二の浄化方法では塩素化合物の脱塩
素を行う脱塩素用微生物と、汚染物中の化合物を分解す
る化合物分解用微生物とが用いられる。前記脱塩素用微
生物は、至適温度が60℃以上であり、汚染物中の塩素
化合物を分解する微生物であれば、嫌気性微生物又は好
気性微生物のいずれかを用いることができる。また、前
記化合物分解用微生物は、至適温度が65℃以上であ
り、塩素が除去された汚染物中の化合物を分解する微生
物であれば、好気性微生物又は嫌気性微生物のいずれか
を用いることができる。なお、前記第二の浄化方法にお
ける汚染物中の化合物とは脱塩素工程により前記塩素化
合物から塩素が除かれた構造の化合物をいう。
【0028】ところで、好気性微生物は酸素の存在下で
ないと活動できないが、嫌気性微生物は酸素の存在下で
はその活動が不活性化する傾向にある。したがって本発
明における第二の浄化方法では、各工程で嫌気性微生物
と好気性微生物とを使い分ける(例えば一方の工程で嫌
気性微生物を用いたらもう一方の工程では好気性微生物
を用いるなど)と、滅菌等の工程を行うことなく微生物
分解反応を次工程に進めることができ好ましい。また微
生物の特性に着目した場合、脱塩素反応については嫌気
性微生物を用いることが有利であり、化合物分解反応で
は好気性微生物を用いることが有利であることが知られ
ており、このような観点からも各工程で嫌気性微生物及
び好気性微生物を使い分けることが好ましい。
【0029】これらの観点から、前記第二の浄化方法で
は、前記脱塩素工程は脱塩素用微生物に嫌気性微生物が
用いられ、かつ酸素除去手段により酸素が除去される系
内で汚染物中の塩素化合物を分解する工程であり、前記
化合物分解工程は化合物分解用微生物に好気性微生物が
用いられ、かつ酸素供給手段により酸素が供給される系
内で前記化合物を分解する工程であることが、前記汚染
物を浄化する上でより好ましい。
【0030】なお、両工程において同様(すなわち嫌気
性と嫌気性、又は好気性と好気性)の微生物を用いる場
合では、両工程の間に加熱処理などの滅菌工程を行うと
良い。
【0031】脱塩素用微生物としては、塩素化合物中の
塩素鎖を切断できる微生物が用いられ、例えば嫌気性微
生物であればClostridium pastorianum等を例示するこ
とができる。
【0032】化合物分解用微生物としては、前記化合物
に含まれる、塩素以外の元素の組成等により異なるが、
先に例示した塩素化合物を分解する場合では、酸素架橋
やベンゼン環開裂、及びアルキル基開鎖の分解等を行う
微生物を好適に用いることができる。前記第二の浄化方
法に用いられる化合物分解用微生物としては、例えば嫌
気性微生物であればClostridium pastorianum等を例示
することができ、好気性微生物であればBacillus midou
suji等を例示することができる。
【0033】前述した本発明の浄化方法では、微生物分
解反応に伴い排出されるガスを処理する排ガス処理工程
を含むことが好ましく、脱塩素工程で排出されるガスを
処理する排ガス処理工程を含むことが特に好ましい。本
発明の浄化方法において排出されるガスとしては、例え
ば、塩素を含有するガスや、脱塩素反応に伴い発生する
他のガス、例えばメタン等の低級炭化水素や、塩素、炭
素、及び水素等、塩素化合物を構成する元素の一種又は
二種以上と酸素とが結合した分子等を挙げることができ
る。
【0034】したがって排ガス処理工程は、これらのガ
スを無害化できる処理であることが好ましく、塩素ガス
であればアルカリとの反応で塩に固定化処理する工程が
望ましく、また炭酸カルシウム等の吸着剤に吸着させる
工程などを例示することができ、低級炭化水素であれば
回収工程や燃焼工程、ニッケル等の触媒存在下での分解
工程、活性炭等の吸着剤を用いた吸着工程等を例示する
ことができる。
【0035】なお本発明では、前述した排ガス処理工程
で処理されたガスの一部又は全部を微生物分解反応系内
に還気しても良く、例えば脱塩素工程の排ガスに対する
排ガス処理工程で処理されたガスを脱塩素反応系に還気
する構成とすると、反応系における環境を維持する上で
好ましい。
【0036】また、本発明の浄化方法は、前述した工程
の他にも、例えば塩素化合物が分解された土壌や排水等
を加熱や紫外線照射等により滅菌する滅菌工程や、汚染
物中の微生物個数濃度、基質濃度等を測定するサンプリ
ング工程など、他の工程を含むものであっても良い。
【0037】なお、本発明の浄化方法では、前記第二の
浄化方法における脱塩素工程や化合物分解工程におい
て、前述した吸着材や、例えば前述した化合物を物理吸
着するのに適当な孔径分布を有する他の吸着材を用いて
も良いし、また、前記第二の浄化方法における化合物分
解工程では、前述した気体接触器を用いても良い。
【0038】本発明は、前述した第一及び第二の浄化方
法を実現する好適な構成として、以下に示す浄化装置を
提供する。すなわち本発明は、前記第一の浄化方法を実
現する好適な構成として、塩素化合物を含む汚染物を微
生物により分解して浄化する汚染物の浄化装置であっ
て、汚染物中の塩素化合物を分解する微生物、汚染物、
及び汚染物を物理吸着する吸着成分を少なくとも収容し
て汚染物を分解する分解反応槽と、分解反応槽内の温度
を調整する温度調整手段と、分解反応槽内において汚染
物を流動させる流動手段とを有し、微生物は、至適温度
が少なくとも60℃以上の微生物である汚染物の浄化装
置(以下「第一の浄化装置」ともいう)を提供する。以
下この浄化装置について説明する。
【0039】<第一の浄化装置>前記第一の浄化装置
は、分解反応槽及び温度調整手段を有することから、温
度が調整される系内を形成し、流動手段を有することか
ら、微生物及び吸着成分の存在下で汚染物を前記槽内に
て流動させることが可能となる。これにより、至適温度
で塩素化合物の分解が可能となり、また吸着成分への塩
素化合物の吸着及び吸着成分への微生物の着床が促進さ
れ、効率の良い微生物分解反応が行われる。
【0040】前記第一の浄化装置は、分解反応槽内に酸
素を供給する酸素供給手段をさらに有し、微生物は至適
温度が65℃以上の好気性微生物であることが、微生物
分解反応における好条件を実現し、かつ装置の構成や浄
化操作の簡素化を実現する上で好ましい。
【0041】また前記第一の浄化装置は、流動物と気体
との接触性を高める通路を形成する気体接触器をさらに
有し、流動手段は少なくとも気体接触器の通路内に汚染
物を流動させる手段であることが、好気性微生物を用い
る場合において、系内の酸素濃度を高める上で好まし
い。
【0042】前述したような第一の浄化装置は、浄化対
象である汚染物の形態に応じて、種々の好ましい形態を
取り得る。例えば汚染物が汚染土壌である場合では、槽
内において水平方向に設けられた回転軸と、この回転軸
に対して直交して設けられる筒状体と、この筒状帯内に
流動土壌と気体との接触性を高める通路を形成する固気
接触器とを有する構成が挙げられ、さらにこれらの構成
の形態によって、種々の好適な形態を取り得る。
【0043】より具体的には、汚染物が汚染土壌である
場合の第一の浄化装置としては、両端が開放されている
前記筒状体を用い、この筒状体への汚染土壌の、分解反
応槽からの供給及び分解反応槽への排出を繰り返す構成
が挙げられ、前記流動手段は少なくとも分解反応槽内に
おいて水平方向に設けられる回転軸及びこの回転軸に直
交して設けられ回転軸の回転に伴って槽内の汚染土壌を
端部ですくう筒状体であり、前記気体接触器は筒状体内
に前記通路を形成する固気接触器である構成が挙げられ
る。
【0044】また汚染物が汚染土壌である場合の第一の
浄化装置としては、両端が閉塞されている前記筒状体を
用い、この筒状体内において汚染土壌を流動させる構成
が挙げられ、前記流動手段は少なくとも水平方向に設け
られる回転軸であり、前記分解反応槽は前記回転軸に直
交して設けられ端部が閉塞しておりかつ内部に汚染土壌
を収容可能(例えば端部が開閉自在な構成等)な筒状体
であり、前記気体接触器は筒状体内に前記通路を形成す
る固気接触器である構成が挙げられる。
【0045】前述したように、本発明では塩素化合物と
微生物との接触性を高める観点から、塩素化合物を物理
吸着する吸着材を用いることが好ましいが、汚染物が汚
染土壌である場合では、このような吸着材は、汚染土壌
と共に流動する形態、例えば粒子状の吸着材であること
が好ましく、さらには微生物を表面に有する状態で汚染
土壌に添加される粒子状の吸着材であることがより好ま
しい。
【0046】また汚染物が汚染水である場合の前記第一
の浄化装置としては、前記流動手段は酸素供給手段に接
続され分解反応槽の底部から気体接触器の通路内に向け
て気泡を発生する気泡発生手段であり、前記気体接触器
は汚染水中に前記通路を形成する気液接触器であり、前
記吸着材は分解反応槽内に固定され気液接触器から出た
汚染水の流れを通過させる層状の吸着材である構成が挙
げられる。
【0047】また前記第一の浄化装置では、前記吸着材
は、塩素化合物の分子寸法に対して1倍以上に相当する
孔径分布の細孔を有するゼオライトであることが、塩素
化合物の吸着及び微生物の着床を促進する上で好まし
く、より具体的には塩素化合物の分子寸法に対して3〜
5倍に相当する孔径分布の細孔を有する天然ゼオライト
が挙げられる。
【0048】前記分解反応槽は、汚染物の形態や物性、
及び吸着材の形態等に応じたものであり、収容される微
生物の至適温度、収容される微生物の至適環境(嫌気環
境や好気環境等)などの、微生物分解反応における至適
条件を実現できるものであれば特に限定されない。この
ような分解反応槽としては、例えば気密自在な反応槽や
回転反応槽等が挙げられる。
【0049】前記温度調整手段は、分解反応槽内の温度
を任意に調整でき、分解反応槽に収容される微生物の至
適温度を実現できる手段であれば特に限定されない。こ
のような温度調整手段としては、例えば温水や蒸気等の
熱媒や、冷水等の冷媒の通路を分解反応槽の外周面に有
するジャケットや、槽内に設けられるヒータ、槽内に温
水、温風、蒸気等の熱媒を供給する加熱手段等が挙げら
れ、従来より知られている種々の構成を好適に用いるこ
とができる。
【0050】前記流動手段は、分解反応槽内全域又は一
部の区域において汚染物を所定の方向に流動させる手段
であれば特に限定されない。このような流動手段として
は、汚染物の形態に応じて選択することが好ましく、例
えば汚染物が液状である場合では、所定の方向に向けて
汚染物の流れを形成するノズル等が挙げられ、例えば汚
染物が土壌等の流動性を示す固体状である場合では、分
解反応槽において水平方向に設けられる回転軸及びこの
回転軸に直交して設けられ回転軸の回転に伴って槽内の
汚染土壌を端部ですくう筒状体等のように、両端が開口
している流動通路が周壁によって形成され、この流動通
路に汚染物を供給可能かつ傾斜自在な構成や、端部が閉
塞され汚染土壌を収容可能な筒状体を自在に傾斜させる
構成等が挙げられる。なお前記筒状体の断面形状は円形
に限定されず、例えば非円形、矩形、多角形等、種々の
形状であっても良い。
【0051】前記吸着材は、前記吸着成分の物性や、汚
染物の形態に応じて種々の形態で分解反応槽に収容する
ことができる。吸着材の形態としては、汚染物が流動し
て吸着材中を通過する形態であっても良いし、汚染物と
ともに吸着材が流動する形態であっても良い。汚染物が
流動して吸着材中を通過する形態としては、例えば吸着
成分を少なくとも表面に有する球状の吸着材を互いに固
着(例えば接着や焼結等)し、互いの隙間を汚染物の流
路とする層状の多孔質体に形成された吸着材や、セラミ
ックペーパーで形成されたハニカム構造体等の支持体の
表面に吸着粒子が担持された吸着材等が挙げられる。ま
た汚染物とともに吸着材が流動する形態としては、例え
ば顆粒や粉等の粒子状の吸着材などが挙げられる。
【0052】前記酸素供給手段は、分解反応槽内に酸素
を供給することができる手段であれば特に限定されな
い。このような酸素供給手段としては、酸素のみを分解
反応槽内に供給する手段であっても良いし、空気のよう
に酸素を含む気体を分解反応槽内に供給する手段であっ
ても良い。酸素のみを分解反応槽に供給する手段として
は、例えば通気路によって分解反応槽内と接続される酸
素ボンベ等が挙げられる。また、酸素を含む気体を分解
反応槽に供給する手段としては、例えば通気路によって
分解反応槽内と接続されるコンプレッサ等の送風手段な
どが挙げられる。酸素供給手段は、汚染物との接触性を
高める観点から、分解反応槽内に直接酸素又は酸素を含
む気体を供給する手段であることが好ましい。
【0053】前記気体接触器は、流動物(汚染物)と気
体(酸素や空気等)との接触面積や接触時間を大きくす
る手段であれば特に限定されない。汚染物と気体との接
触面積を大きくするための構成としては、汚染物又は気
体(気泡)のいずれかを微細化する構成が挙げられ、汚
染物と気体との接触時間を大きくするための構成として
は、微細化された汚染物又は気体の流動を遅らせる構成
が挙げられ、本発明に用いられる気体接触器は、これら
の両方を有することがより好ましい。
【0054】汚染物を微細化する構成としては、汚染物
の流動通路において汚染物の流動方向を横切る方向に延
出するように設けられる部材が挙げられ、例えば汚染物
の流動通路の断面に沿って設けられる格子状部材や網状
部材、及びこれらの部材を流動方向に沿って複数段設け
る構成等が挙げられる。気泡を微細化する構成として
は、複数の細孔を有する気体吹き出し口等の気泡発生手
段が挙げられる。
【0055】微細化された汚染物又は気体の流動を遅ら
せる構成としては、汚染物の流動通路において汚染物の
流動方向に対して斜め方向に延出するように設けられる
部材が挙げられ、例えば汚染物の流動方向に対して斜め
に設けられる前記格子状部材、網状部材及び邪魔板等の
部材や、これらの部材を流動方向に沿って複数段設ける
構成、及び流動通路の壁面を流動方向に対する斜面とす
る構成等が挙げられる。
【0056】前記気体接触器の具体例としてはクーリン
グタワーの充てん材を例示することができ、第一の浄化
装置では前述した構成の一つ以上を有する気体接触器を
用いることにより汚染物と気体との接触性が高まり、汚
染物中において塩素化合物を分解する微生物に十分な酸
素を供給し、微生物分解反応における好適な条件を整え
る上でより一層好ましい。
【0057】前記排ガス処理手段は、微生物分解反応に
伴い発生するガスを無害化することができる手段であれ
ば特に限定されず、塩素化合物や汚染物に含まれる他の
物質等に応じて適切な手段を選択することが好ましい。
排ガス中の有害成分を排ガス中から除去するための手法
としては、凝集や溶解、吸着、燃焼等の公知の手法を利
用することができる。
【0058】このような排ガス処理手段としては、例え
ば、排ガスを冷却するコンデンサ(冷却器)、排ガス中
の所定の成分を分離する気液分離器(例えばアルカリト
ラップなど)、排ガス中の所定の成分を吸着する吸着剤
(例えば活性炭など)が充填されている吸着器等を有す
る構成が挙げられる。
【0059】前記ヒートポンプは、熱媒と冷媒とを同時
に生成することのできる手段であれば特に限定されない
が、媒体としては一般に水が用いられる。ヒートポンプ
で生成した熱媒及び冷媒の用途は特に限定されないが、
熱媒は主に分解反応槽の温度調整に用いられ、冷媒は主
に前記コンデンサの冷却液に用いられることが好まし
い。このようなヒートポンプとしては、例えば炭酸ガス
をポンプ用冷媒とし、90℃の温水と14℃以下の冷水
とを同時に生成するヒートポンプが挙げられる。
【0060】また第一の浄化装置では、分解反応槽で発
生するガスの一部を分解反応槽に還気しても良い。この
ような構成としては、例えば分解反応槽と前記酸素供給
手段の通気路とを接続する還気用通気路等が挙げられ
る。このような構成によれば、微生物分解反応系内にお
ける気体の条件を維持する上で好ましい。
【0061】また第一の浄化装置では、微生物分解反応
の進行の監視や好適な条件を維持する観点から、分解反
応槽内における汚染物の温度を検出する温度検出手段
や、汚染物のpHを検出するpH検出手段や、汚染物中
の溶存酸素濃度を検出する酸素濃度検出手段等の各種検
出手段を汚染物の形態等に応じて設けても良い。なお第
一の浄化装置では、後述する第二の浄化装置における酸
素除去手段を利用することで、嫌気性微生物によって汚
染物を浄化することが可能である。
【0062】本発明は、前記第二の浄化方法を実現する
好適な構成として、塩素化合物を含む汚染物を微生物に
より分解して浄化する汚染物の浄化装置であって、汚染
物中の塩素化合物を分解する脱塩素用微生物及び汚染物
を少なくとも収容して汚染物から塩素を除去する脱塩素
用攪拌槽と、脱塩素用攪拌槽内の温度を調整する脱塩素
用温度調整手段と、塩素が除去された汚染物中の化合物
を分解する化合物分解用微生物及び塩素が除去された汚
染物を少なくとも収容して前記化合物を分解する化合物
分解用攪拌槽と、化合物分解用攪拌槽内の温度を調整す
る化合物分解用温度調整手段とを有し、脱塩素用微生物
は至適温度が60℃以上の脱塩素用微生物であり、かつ
化合物分解用微生物は至適温度が65℃以上の化合物分
解用微生物である汚染物の浄化装置(以下、「第二の浄
化装置」ともいう)を提供する。
【0063】<第二の浄化装置>前記第二の浄化装置
は、脱塩素用攪拌槽と脱塩素用温度調整手段とを有する
ことから、脱塩素工程を所望の温度条件下で行うことが
可能となる。また、前記第二の浄化装置は、化合物分解
用攪拌槽と化合物分解用温度調整手段とを有することか
ら、化合物分解工程を所望の温度条件下で行うことがで
き、用いる微生物の至適温度に応じた脱塩素工程及び化
合物分解工程を行うことが可能となる。
【0064】また前記第二の浄化装置は、嫌気性微生物
を用いた脱塩素工程と好気性微生物を用いた化合物分解
工程とを実現する手段として、脱塩素用微生物が嫌気性
微生物であり、かつ前記化合物分解用微生物が好気性微
生物であり、脱塩素用攪拌槽内の酸素を除去する酸素除
去手段と、化合物分解用攪拌槽内に酸素を供給する化合
物分解用酸素供給手段とを有することが好ましい。
【0065】前記構成によれば、酸素が除去される所望
の温度条件下で脱塩素工程を行うことができることか
ら、嫌気性微生物を用いた脱塩素工程を好適に実現する
ことが可能となる。また、前記構成によれば、酸素が十
分に供給される所望の温度条件下で化合物分解工程を行
うことができることから、好気性微生物を用いた化合物
分解工程を好適に実現することが可能となる。
【0066】また、前記第二の浄化装置は、前記脱塩素
用排ガス処理工程を実現するための手段として、脱塩素
用攪拌槽から排出されるガスを処理する脱塩素用排ガス
処理手段を有することが好ましい。このような構成によ
れば、脱塩素工程に伴い発生する塩素ガスなどの有害ガ
スに起因する環境への影響等を防止することが可能とな
る。
【0067】また、前記第二の浄化装置は、脱塩素用攪
拌槽内の温度を検出する脱塩素用温度検出手段と、脱塩
素用攪拌槽内の酸素濃度を検出する脱塩素用酸素濃度検
出手段とを有することが、脱塩素工程における脱塩素反
応を追跡し、脱塩素反応の好適な反応条件を確認し、好
適な脱塩素反応を再現する上で好ましい。
【0068】また、前記第二の浄化装置は、汚染物が汚
染水である場合では、脱塩素用攪拌槽内のpHを検出す
る脱塩素用pH検出手段をさらに有することが、脱塩素
反応の好適な反応条件を確認し、好適な脱塩素反応を再
現する上でより好ましい。
【0069】また、前記第二の浄化装置は、化合物分解
用攪拌槽内の温度を検出する化合物分解用温度検出手段
と、化合物分解用攪拌槽内の酸素濃度を検出する化合物
分解用酸素濃度検出手段とを有することが、化合物分解
工程における分解反応を追跡し、化合物分解反応の好適
な反応条件を確認し、好適な化合物分解反応を再現する
上で好ましい。
【0070】また、前記第二の浄化装置は、汚染物が汚
染水である場合では、化合物分解用攪拌槽内のpHを検
出する化合物分解用pH検出手段を有することが、化合
物分解反応の好適な反応条件を確認し、好適な化合物分
解反応を再現する上でより好ましい。以下、前記第二の
浄化装置について、さらに詳しく説明する。
【0071】前記脱塩素用攪拌槽は、汚染物及び脱塩素
用微生物を収容して、好適な反応が行われるようにこれ
らを攪拌する攪拌手段を有する反応槽であれば良い。脱
塩素用攪拌槽は、脱塩素工程に用いられる微生物の種類
等によって適切な構成のものを用いれば良く、酸素が除
去された条件下で嫌気性微生物を用いて脱塩素工程を行
う場合では、気密性を有するものが好ましい。
【0072】また、脱塩素用攪拌槽における攪拌手段
は、汚染物と脱塩素用微生物とを十分に攪拌できるもの
であれば良い。この攪拌手段は、汚染物の形態によって
適切なものを選択することが好ましい。攪拌手段には、
かい型、タービン型、プロペラ型などの攪拌羽根を有す
るものを例示することができ、汚染物の形態によって、
固体物同士の混合や液体の攪拌、スラリーの攪拌、気液
の攪拌等、攪拌対象に好適な攪拌手段を選択すれば良
い。なお攪拌手段には前述した流動手段を用いても良
い。
【0073】前記化合物分解用攪拌槽も、脱塩素用攪拌
槽と同様の構成とすることができ、化合物分解工程に用
いられる微生物の種類や汚染物の形態等によって適切な
構成のものを用いれば良い。
【0074】前記脱塩素用温度調整手段は、脱塩素用攪
拌槽内の温度を、用いる脱塩素用微生物の至適温度に調
整できる手段であれば特に限定されず、第一の浄化装置
における温度調整手段を用いることができる。また、化
合物分解用温度調整手段も、化合物分解用攪拌槽内の温
度を、用いる化合物分解用微生物の至適温度に調整でき
る手段であれば特に限定されず、第一の浄化装置におけ
る温度調整手段を用いることができる。
【0075】前記酸素除去手段は、攪拌槽内の酸素を除
去できる手段であれば良い。このような酸素除去手段に
は、従来より知られている種々の手段を用いることがで
き、例えば、槽内を減圧する真空ポンプ等の減圧手段、
酸化鉄等の脱酸素剤を槽内に投入するホッパ等の脱酸素
剤投入手段、槽内の雰囲気を窒素ガスやアルゴン等の不
活性ガスなどに置換するガス導入手段等を例示すること
ができ、これらを単独で、又は二種以上を用いることが
できる。
【0076】前記化合物分解用酸素供給手段は、攪拌槽
内に酸素を供給することができる手段であれば良い。こ
のような化合物分解用酸素供給手段は、前述した酸素供
給手段と同様、酸素ボンベと攪拌槽を接続するなど酸素
のみを供給する手段であっても良いし、攪拌槽内に空気
を送るコンプレッサ等の送風手段であっても良い。ま
た、化合物分解用酸素供給手段は、汚染物の攪拌を補助
する手段を兼ねていても良く、このような化合物分解用
酸素供給手段としては、攪拌槽の底部付近に開口する酸
素吹き出し口を有する手段を例示することができる。
【0077】なお、酸素除去手段における窒素ガスのパ
ージや、化合物分解用酸素供給手段のように、気体を槽
内底部付近から供給する場合では、汚染物の攪拌にも利
用することが可能となり、槽内の雰囲気をより均一にす
る上で好ましい。
【0078】前記脱塩素用排ガス処理手段は、脱塩素用
攪拌槽から排出される排ガスを無害化することができる
手段であれば良く、排出されるガスの種類によって適切
なものを用いれば良い。このような脱塩素用排ガス処理
手段としては、例えば前述した排ガス処理手段と同様の
構成を用いることができ、排出されるガスの種類によっ
て前記吸着剤等を適宜選択すれば良い。
【0079】前記脱塩素用温度検出手段は、脱塩素用攪
拌槽内、すなわち微生物反応による脱塩素が行われてい
る系内の温度を検出する手段であれば特に限定されず、
公知の手段を用いることができるが、汚染物の形態によ
って適当なものを選択することが好ましい。また、前記
化合物分解用温度検出手段も化合物分解用攪拌槽内、す
なわち微生物反応による化合物分解が行われている系内
の温度を検出する手段であれば良く、脱塩素用温度検出
手段と同様の構成を用いることができる。
【0080】なお本発明において温度検出手段について
は槽内に設けられることが好ましいが、必ずしも槽内に
設けられていなくても良く、例えば汚染物が汚染土壌等
の固体物である場合では、排ガスの温度変動を起こす構
成要素(例えば排ガス処理用の冷却器等)よりも上流側
であれば槽内より下流側の任意の位置に設けても良い。
【0081】前記脱塩素用酸素濃度検出手段は、脱塩素
用攪拌槽内の酸素濃度を検出する手段であれば特に限定
されない。ここで本発明では槽内の酸素濃度とは系内の
酸素濃度をいい、汚染物が土壌等の固体物である場合で
は槽内の酸素濃度をいい、汚染物が汚水等の液体である
場合では汚染物中の溶存酸素濃度をいう。したがって脱
塩素用酸素濃度検出手段は、汚染物の形態によって適当
な手段を選択することが好ましい。また、前記化合物分
解用酸素濃度検出手段も化合物分解用攪拌槽内の酸素濃
度を検出する手段であれば良く、脱塩素用酸素濃度検出
手段と同様の構成を用いることができる。
【0082】なお本発明において酸素濃度検出手段につ
いては槽内に設けられることが好ましいが、必ずしも槽
内に設けられていなくても良く、例えば汚染物が汚染土
壌等の固体物である場合では、排ガス中の酸素濃度に変
動を起こす構成要素(例えば排ガス中における所定の成
分を吸着する吸着器等)よりも上流側であれば槽内より
下流側の任意の位置に設けても良い。
【0083】前記脱塩素用pH検出手段は、汚染物が汚
水等の液状である場合に好適に用いられ、脱塩素用攪拌
槽内のpHを検出する手段であれば特に限定されず、ガ
ラス電極を用いるpHセンサ等の公知の手段を用いるこ
とができる。また、前記化合物分解用pH検出手段も、
化合物分解用攪拌槽内のpHを検出する手段であれば良
く、脱塩素用pH検出手段と同様の構成を用いることが
できる。
【0084】前記第二の浄化装置では、脱塩素用攪拌槽
と化合物分解用攪拌槽とがそれぞれ独立して設けられて
いることが浄化作業を連続して効率良く行う上で好まし
く、一方では浄化装置の小型化の観点から、一体の攪拌
槽を脱塩素用攪拌槽及び化合物分解用攪拌槽として用い
ることも可能である。また前記第二の浄化装置における
攪拌槽には、前述した第一の浄化装置と同じ又は同様の
吸着材を収容しても良い。
【0085】なお、前述した本発明の浄化装置には、前
述した手段等の他にも、分解反応槽から次段へ、又は脱
塩素用攪拌槽から化合物分解用攪拌槽へ汚染物を搬送す
る搬送手段や、分解によって浄化された汚染物を滅菌す
る滅菌手段、分解反応槽や攪拌槽内の圧力を検出する圧
力検出手段等を適宜設けることが好ましい。
【0086】搬送手段としては、汚染物が土壌等の固体
物である場合ではスクリューコンベアなどの固体物搬送
手段、汚染物が汚水等の液体である場合ではポンプなど
の液体搬送手段を例示することができる。また、滅菌手
段については、例えばオゾン注入による殺菌手段、次亜
塩素酸ナトリウム溶液などの殺菌剤注入による殺菌手
段、加熱や乾燥、紫外線等の照射などにより汚染物を除
菌する手段を用いることができ、好適な手段としては、
マイクロウェーブ加熱滅菌乾燥装置等を例示することが
できる。圧力検出手段については、系内の雰囲気によっ
て適当な材質のものを選択することが好ましく、ブルド
ン管圧力計等の公知の手段を例示することができる。
【0087】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を説明
する。まず、浄化装置として前述した第二の浄化装置を
用い、脱塩素用微生物として嫌気性微生物を用い、化合
物分解用微生物として好気性微生物を用い、汚染物とし
てダイオキシン類等の塩素化合物を含有する汚染土壌を
浄化するための本発明の一実施の形態について説明す
る。
【0088】<第1の実施の形態>本実施の形態におけ
る浄化装置は、図1に示すように、脱塩素用攪拌槽1と
化合物分解用攪拌槽2と、マイクロウェーブ加熱滅菌乾
燥装置3とが設けられている。脱塩素用攪拌槽1と化合
物分解用攪拌槽2は搬送手段であるスクリュー型コンベ
ア4で接続されており、脱塩素用攪拌槽1から化合物分
解用攪拌槽2へ汚染土壌を搬送するように構成されてい
る。また、化合物分解用攪拌槽2とマイクロウェーブ加
熱滅菌乾燥装置3はスクリュー型コンベア5で接続され
ており、化合物分解用攪拌槽2からマイクロウェーブ加
熱滅菌乾燥装置3へ土壌を搬送するように構成されてい
る。
【0089】脱塩素用攪拌槽1には、槽内の温度を調整
する温度調整手段6と、槽内の汚染土壌を攪拌する固相
用攪拌装置7と、脱塩素用攪拌槽1内を窒素に置換する
ための窒素供給手段8と、脱塩素用攪拌槽1から排出さ
れるガスを処理するための脱塩素用排ガス処理手段9
と、槽内の温度を検出する温度検出手段10と、槽内の
酸素濃度を検出する酸素濃度検出手段11とが設けられ
ている。
【0090】化合物分解用攪拌槽2には、槽内の温度を
調整する温度調整手段6と、槽内の汚染土壌を攪拌する
固相用攪拌装置7と、化合物分解用攪拌槽2内に空気を
導入するための空気供給手段14と、化合物分解用攪拌
槽2から排出されるガスを処理するための化合物分解用
排ガス処理手段15と、槽内の温度を検出する温度検出
手段10と、槽内の酸素濃度を検出する酸素濃度検出手
段11とが設けられている。
【0091】脱塩素用攪拌槽1及び化合物分解用攪拌槽
2は、共に気密性を有し密閉自在な槽である。脱塩素用
攪拌槽1は、脱塩素微生物として嫌気性微生物を用いる
ことから、系内の雰囲気を保持し系内への酸素の流入を
防止するために気密性を有する構造とされている。ま
た、化合物分解用攪拌槽2は、化合物分解用微生物とし
て好気性微生物を用いることから、外部からの空気の流
入があってもさほどの影響を受けないが、系内の酸素濃
度を一定に保つことが好ましい観点から気密性を有する
構造とされている。
【0092】マイクロウェーブ加熱滅菌乾燥装置3は、
処理土壌中の化合物分解用微生物を滅菌するための手段
である。したがって化合物分解用微生物を滅菌できる手
段であれば、上記の装置に限定されない。
【0093】温度調整手段6は、脱塩素用攪拌槽又は化
合物分解用攪拌槽の外周に設けられたジャケットであ
り、温水又は蒸気を通して攪拌槽内の汚染土壌を加熱す
るための手段である。
【0094】窒素供給手段8は、脱塩素用攪拌槽1内の
酸素を除去するための酸素除去手段の一つであり、窒素
ボンベ8aと、窒素ボンベ8aに接続され脱塩素用攪拌
槽1内の底部に開口する窒素供給管8bと、窒素ボンベ
8a及び窒素供給管8bの間に介在するエジェクタ8c
とを有している。
【0095】脱塩素用排ガス処理手段9は、脱塩素用攪
拌槽1から排出されるガスを処理して無害化するための
手段であり、コンプレッサ9aと、排出ガスを冷却する
冷却器(コンデンサ)9bと、排ガス成分を液体と気体
とに分離するための気液分離器9cと、脱塩素剤又は脱
塩素部材(例えばアルカリ剤添着フィルタ等)が充填さ
れた吸着器9dと、処理ガスを加湿する加湿装置9eと
を有している。加湿装置9eとエジェクタ8cとは接続
されており、加湿後の処理ガスを脱塩素用攪拌槽1へ供
給する構成とされている。
【0096】なお、加湿装置9eは、脱塩素用微生物に
嫌気性微生物を用いること、及び嫌気性微生物が湿潤環
境を好むことから、系内を所定の湿度に保つための加湿
手段であり、系内を所定の湿度に保つことのできる加湿
手段であれば特に限定されず、従来より知られている種
々の加湿手段を用いることができる。
【0097】温度検出手段10は、脱塩素用攪拌槽1内
に収容された汚染土壌の温度、及び化合物分解用攪拌槽
2内に収容された汚染土壌の温度を検出するための温度
計である。
【0098】酸素濃度検出手段11は、脱塩素用攪拌槽
1内の酸素濃度、及び化合物分解用攪拌槽2内の酸素濃
度を検出するための酸素センサである。
【0099】空気供給手段14は、化合物分解用攪拌槽
2内に酸素を供給するための化合物分解用酸素供給手段
であり、空気供給源14aと、空気供給源14aに接続
され化合物分解用攪拌槽2内の底部に開口する空気供給
管14bと、空気供給源14a及び空気供給管14bの
間に介在するコンプレッサ14cとを有している。な
お、空気供給源14aは、空気(酸素)が充填されたボ
ンベであっても良いし、大気中から空気(酸素)を取り
入れる空気取り入れ口であっても良い。
【0100】化合物分解用排ガス処理手段15は、化合
物分解用攪拌槽2から排出されるガスを処理するための
手段である。化合物分解用排ガス処理手段15は化合物
分解用攪拌槽2と接続されており、必要に応じて排出ガ
スを処理、又は放出する。化合物分解用排ガス処理手段
15からの排気経路は、空気供給手段14のコンプレッ
サ14cよりも上流側に接続しており、排気ガスの一部
を化合物分解用攪拌槽2へ供給する構成とされている。
【0101】次に、本実施の形態における浄化装置を用
いて、汚染土壌を浄化する本発明の浄化方法(前記第二
の浄化方法)における一実施の形態を説明する。まず、
脱塩素用攪拌槽1に汚染土壌を投入する。
【0102】汚染土壌を脱塩素用攪拌槽1に投入した
ら、温度調整手段6によって脱塩素用攪拌槽1内を、用
いる嫌気性微生物の至適温度まで加熱し、脱塩素用攪拌
槽1内を前記至適温度に維持する。脱塩素用攪拌槽1内
の温度は温度検出手段10によって測定する。温度検出
手段10による槽内の温度測定は、加熱開始から脱塩素
反応終了まで行われる。
【0103】脱塩素用攪拌槽1内が至適温度に維持され
たら、脱塩素用攪拌槽1内に脱酸素剤(例えば酸化鉄な
ど)を投入し、固相用攪拌装置7を作動して攪拌しなが
ら槽内の酸素を排除する。脱塩素用攪拌槽1内の酸素濃
度は酸素濃度検出手段11によって測定する。酸素濃度
検出手段11による槽内の酸素濃度測定は、脱酸素剤を
槽内に投入したときから脱塩素反応終了まで行われる。
なお脱酸素剤の投入により発熱を伴う場合では温度調整
手段6の昇温加熱量を抑えることで槽内の温度調整を行
う。
【0104】なお脱酸素は脱塩素用攪拌槽1を減圧にす
ることで行っても良い。このような場合では図示しない
真空ポンプ等の減圧手段によって脱酸素が行われる。こ
の減圧手段は、脱塩素用攪拌槽1に直接接続されていて
も良いし、脱塩素用排ガス処理手段9内に組み込まれて
いても良い。この場合では攪拌槽を気密に構成する必要
がある。
【0105】脱酸素の後に、窒素供給手段8から脱塩素
用攪拌槽1内に窒素を供給し、槽内に窒素をパージして
槽内を窒素雰囲気に置換する。このとき槽内の圧力が外
気に比べてわずかに加圧となるように窒素を供給する。
窒素の供給は、脱塩素反応終了まで行われ、その間系内
を無酸素雰囲気に維持する。
【0106】脱塩素用攪拌槽1内の圧力は、脱塩素用攪
拌槽1に設けられた圧力計(図示せず)によって測定す
る。この圧力測定は、槽内への大気の侵入防止を確認す
る上で行われる。この圧力計による槽内の圧力測定は、
窒素供給の開始から脱塩素反応終了まで行われる。
【0107】温度、酸素濃度が所望の条件に整ったら、
嫌気性微生物(例えばClostridiumpastorianum、至適温
度:60℃)を培地(例えばおがくずと酢酸等)と共に
脱塩素用攪拌槽1に投入する。嫌気性微生物の投入によ
り、汚染土壌の脱塩素反応が開始する。
【0108】脱塩素反応に伴い、脱塩素用攪拌槽1で
は、窒素ガス、水蒸気成分、塩素ガス及びメタンガス等
のガスが発生する。これらのガスは脱塩素用排ガス処理
手段9で処理される。排ガス処理の一例を挙げるなら
ば、水蒸気成分は冷却器9bで冷却され、凝結した水分
や、気液分離器9cに収容される液体に吸収される所定
のガス成分が気液分離器9cで分離される。塩素ガスは
吸着器9dで脱塩素剤に吸着される。メタンガスはアミ
ン類に吸収させることができるが、本実施の形態ではメ
タンガスに対する処理手段は特に設けていない。
【0109】処理ガスは加湿装置9eで加湿され、エジ
ェクタ8cから窒素供給手段8に供給される。このよう
に脱塩素工程の排ガスは処理されて再び系内に還気され
る。再利用のサイクルで損失された窒素ガス分を窒素ボ
ンベ8aから補充する。
【0110】所定時間毎など、必要に応じて脱塩素用攪
拌槽1内の汚染土壌をサンプリングし、サンプル土壌中
の脱塩素用微生物の個数濃度及び基質濃度(塩素化合物
濃度)を測定し、基質分解率を解析する。
【0111】汚染土壌の脱塩素反応の終了が確認された
ら、スクリュー型コンベア4を作動させ、脱塩素用攪拌
槽1から化合物分解用攪拌槽2に脱塩素処理した汚染土
壌を搬送する。化合物分解用攪拌槽2への土壌の搬送が
終了したら、脱塩素用攪拌槽1が空になったことを確認
し、新規の汚染土壌を脱塩素用攪拌槽1に投入し、上記
の操作を繰り返す。
【0112】化合物分解用攪拌槽2に汚染土壌が搬送さ
れたら、温度調整手段6によって化合物分解用攪拌槽2
内を、用いる好気性微生物の至適温度まで加熱し、化合
物分解用攪拌槽2内を前記至適温度に維持する。化合物
分解用攪拌槽2内の温度は温度検出手段10によって測
定する。温度検出手段10による槽内の温度測定は、加
熱開始から分解反応終了まで行われる。
【0113】化合物分解用攪拌槽2内が至適温度に維持
されたら攪拌を開始し、化合物分解用攪拌槽2内へ空気
供給手段14によって空気を圧入して槽内の酸素濃度を
気圧成分値で維持する。化合物分解用攪拌槽2内の酸素
濃度は酸素濃度検出手段11によって測定する。酸素濃
度検出手段11による槽内の酸素濃度測定は、空気の圧
入から分解反応終了まで行われる。
【0114】また、化合物分解用攪拌槽2内の圧力は、
化合物分解用攪拌槽2に設けられた圧力計(図示せず)
によって測定する。この圧力計による槽内の圧力測定
は、脱塩素用攪拌槽におけるそれとは異なり大気の侵入
防止の意義はないが、槽内の酸素濃度を確認する意味で
行われ、空気の圧入から分解反応終了まで行われる。
【0115】至適温度が確立し、酸素濃度が大気圧成分
濃度になったことを確認したら、好気性微生物(例えば
御堂筋菌、至適温度:65℃)と培地(例えばおがくず
又は米ぬかなど)を化合物分解用攪拌槽2に投入する。
好気性微生物の投入により、汚染土壌中の前記化合物の
分解反応が開始する。
【0116】分解反応に伴い、化合物分解用攪拌槽2で
は、空気や水蒸気成分などのガスが発生する。これらの
ガスは化合物分解用排ガス処理手段15(例えば活性炭
が吸着剤として充填されている吸着器など)で処理し、
一部を大気中に排出し、大部分の処理ガスを空気供給手
段14に還気する。
【0117】所定時間毎など、必要に応じて化合物分解
用攪拌槽2内の汚染土壌をサンプリングし、サンプル土
壌中の化合物分解用微生物の個数濃度及び基質濃度(前
記化合物濃度)を測定し、基質分解率を解析する。
【0118】所定の分解率を確認した後、スクリュー型
コンベア5を作動して、処理土壌を化合物分解用攪拌槽
2からマイクロウェーブ加熱滅菌乾燥装置3に搬送して
滅菌、乾燥し、浄化処理土壌として排出する。以上の操
作を繰り返し、連続して汚染土壌を浄化する。
【0119】本実施の形態における浄化装置は、脱塩素
用微生物に至適温度が60℃の嫌気性微生物を用い、化
合物分解用微生物に至適温度が65℃の好気性微生物を
用いることから、微生物による塩素化合物を含む汚染土
壌の浄化速度がより向上し、前記汚染土壌の工業的な浄
化が可能である。また、常温菌に比べて至適温度の高い
微生物を用いることから、雑菌の作用が除かれ、微生物
反応をより容易に純化することが可能であり、再現性の
高い汚染土壌の浄化が可能である。
【0120】また、本実施の形態における浄化装置は、
脱塩素用攪拌槽1と化合物分解用攪拌槽2を直列に接続
する構成としたことから、脱塩素反応と分解反応を同時
に行うことができ、汚染土壌の連続処理が可能であり、
汚染土壌を効率よく浄化することができる。
【0121】また、本実施の形態における浄化装置は、
脱塩素用微生物に嫌気性微生物を用い、化合物分解用微
生物に好気性微生物を用い、かつ脱塩素工程を化合物分
解用工程よりも先に行うことから、塩素化合物による化
合物分解用微生物の不活化を抑制でき、また工程間にお
いて滅菌工程を設けなくても各工程における微生物反応
を純化することができ、より簡易な工程及び構成で効率
よく汚染土壌の浄化を行うことができる。
【0122】また、本実施の形態における浄化装置は、
脱塩素工程において、窒素パージにより主に酸素が除か
れた系内を形成したが、その際に、窒素ガスの供給によ
り系内を加圧状態に維持するため、外部からの空気の流
入が防止され、嫌気性微生物の活動に好適な環境をより
確実に形成することができる。
【0123】また、本実施の形態における浄化装置は、
脱塩素用及び化合物分解用排ガス処理手段9、15で処
理ガスをそれぞれ窒素供給手段8及び空気供給手段14
に還気する構成としたことから、排ガスの排出による環
境への影響をより低減することができ、かつ排ガスの再
利用をしない場合に比べて微生物の活動に好適な環境を
安定して形成することができる。
【0124】また、本実施の形態における浄化装置は、
脱塩素工程における排ガス処理工程で、処理ガスを加湿
して窒素供給手段8に還気する構成としたことから、脱
塩素用攪拌槽1内の湿度調整が可能になり、脱塩素用微
生物として用いた嫌気性微生物の活動に好適な環境を形
成、維持することができる。なお、供給される窒素ガス
を加湿する本実施形態の構成は、汚染土壌の均一な湿度
調整を行う上でより一層効果的である。
【0125】また、本実施の形態における浄化装置は、
脱塩素工程及び化合物分解工程において、それぞれの槽
内底部から気体を供給する構成としたことから、汚染土
壌の攪拌効率がより向上し、槽内の好適な雰囲気をより
均一に保つのに効果的である。
【0126】また、本実施の形態における浄化方法で
は、脱塩素工程及び化合物分解工程でサンプリングした
サンプル土壌のデータから、微生物による基質の分解に
関するデータを蓄積することができ、このデータから、
微生物による汚染土壌の分解機構を解明することができ
る。またこれを利用することにより、汚染土壌の好適な
浄化の再現性をより一層向上させることができる。
【0127】<第2の実施の形態>本実施の形態では、
浄化装置として前述した第二の浄化装置を用い、脱塩素
用微生物に嫌気性微生物を用い、化合物分解用微生物に
好気性微生物を用い、汚染物としてダイオキシン類等の
塩素化合物を含有する汚染水を浄化するための本発明の
一実施形態について説明する。
【0128】本実施の形態における浄化装置は、図2に
示すように、液体の攪拌に適した液相用攪拌装置27を
有する脱塩素用攪拌槽21と、同じく液相用攪拌装置2
7を有する化合物分解用攪拌槽22とを有している。両
攪拌槽はポンプを介して接続されており、脱塩素用攪拌
槽21から化合物分解用攪拌槽22へ汚染水を送るよう
に構成されている。
【0129】脱塩素用攪拌槽21は、pH検出手段23
と、脱塩素用排ガス処理手段29とを有する他は、前述
した第1の実施の形態における脱塩素用攪拌槽と同様に
構成されている。また化合物分解用攪拌槽22も、pH
検出手段23と、化合物分解用排ガス処理手段25とを
有する他は、前述した第1の実施の形態における化合物
分解用攪拌槽と同様に構成されている。なお、酸素濃度
検出手段11は、槽内における汚染水の溶存酸素濃度を
検出するように設けられている。
【0130】pH検出手段23は、脱塩素用攪拌槽21
内に収容された汚染水、及び化合物分解用攪拌槽22内
に収容された汚染水のそれぞれのpHを検出するための
pHセンサである。
【0131】脱塩素用排ガス処理手段29は、コンプレ
ッサ9aと加湿装置9eを有さず、気液分離器9cで分
離された液体を脱塩素用攪拌槽21に送るように構成さ
れている他は、前述した第1の実施の形態における脱塩
素用排ガス処理手段9と同様に構成されている。また、
化合物分解用排ガス処理手段25は、冷却器9bと、気
液分離器9cとを有し、気液分離器9cで分離された液
体を化合物分解用攪拌槽22に送るように構成されてい
る。
【0132】次に本実施の形態における浄化装置を用い
て汚染水を浄化する、本発明の浄化方法(前述した第二
の浄化方法)における一実施の形態を説明する。まず、
脱塩素用攪拌槽21に汚染水を投入する。
【0133】汚染水を脱塩素用攪拌槽21に投入した
ら、温度調整手段6によって脱塩素用攪拌槽21内を、
用いる嫌気性微生物の至適温度まで加熱し、脱塩素用攪
拌槽21内を前記至適温度に維持する。脱塩素用攪拌槽
21内の温度については、温度検出手段10により、加
熱開始から反応終了まで測定する。
【0134】また、pH検出手段23によって汚染水の
pHを加熱開始から反応終了まで測定する。なお、汚染
水のpHが脱塩素用微生物の活動に不適な場合は、酸や
アルカリ、及び緩衝液などの公知のpH調整剤により、
汚染水のpHを調整しても良い。
【0135】脱塩素用攪拌槽21内が至適温度に維持さ
れたら、脱塩素用攪拌槽21内に脱酸素剤(例えば亜硫
酸ナトリウム水溶液など)を投入し、液相用攪拌装置2
7を作動して攪拌しながら槽内の酸素を排除する。脱塩
素用攪拌槽21における汚染水の溶存酸素濃度について
は、酸素濃度検出手段11により、脱酸素剤の投入から
反応終了まで測定する。
【0136】至適温度が確立し、溶存酸素濃度の低下を
確認後、窒素ガスを攪拌槽内にバブリングして、水と窒
素ガスの密度の差で汚染水をリフト攪拌する。窒素ガス
の供給は反応終了まで行われる。
【0137】なお、汚染水を処理する場合では、汚染水
の溶存酸素濃度が下がれば良いことから、減圧手段を用
いるよりも前述したような脱酸素剤を用いて系内の脱酸
素を行う方が好ましい。また攪拌槽内を特に加圧状態に
しなくても良いが、槽内への酸素の吸い込みを防止する
上で、外気に対して窒素ガスをやや加圧になるように供
給することが好ましい。
【0138】温度、溶存酸素濃度、及びpHが所望の条
件に整ったら、培地(例えば酢酸水溶液など)と嫌気性
微生物(例えばClostridium pastorianum、至適温度:
60℃)を脱塩素用攪拌槽21に投入する。嫌気性微生
物の投入により汚染水の脱塩素反応が開始する。
【0139】脱塩素用攪拌槽21からは、脱塩素反応に
伴い、窒素ガス、溶液のミスト、蒸気成分、及び塩素ガ
ス等のガスが発生する。これらのガスは脱塩素用排ガス
処理手段29で処理される。排ガスは、冷却器9bで冷
却されて蒸気成分などが気液分離する。気液分離した気
体成分は、吸着器9dによって脱塩素がなされ、脱塩素
された気体成分は窒素供給手段8に還気される。一連の
サイクルで損なわれた分については、窒素ボンベ8aか
ら窒素ガスが補充される。気液分離した液体成分は気液
分離器9cで集められ、脱塩素用攪拌槽21に送られ
る。
【0140】所定時間毎など、必要に応じて脱塩素用攪
拌槽21内の汚染水をサンプリングし、サンプル汚染水
中の脱塩素用微生物の個数濃度及び基質濃度(塩素化合
物濃度)を測定し、基質分解率を解析する。
【0141】汚染水の脱塩素反応の終了が確認された
ら、ポンプを作動して、脱塩素用攪拌槽21から化合物
分解用攪拌槽22へ汚染水を送液する。化合物分解用攪
拌槽22への汚染水の送液が終了したら、脱塩素用攪拌
槽21が空になったことを確認し、新規の汚染水を脱塩
素用攪拌槽21に投入し、上記の操作を繰り返す。
【0142】化合物分解用攪拌槽22に汚染水が送液さ
れたら、温度調整手段6によって化合物分解用攪拌槽2
2内を、用いる好気性微生物の至適温度まで加熱し、化
合物分解用攪拌槽22内を前記至適温度に維持する。化
合物分解用攪拌槽22内の温度については、温度検出手
段10により、加熱開始から反応終了まで測定する。ま
た、pH検出手段23によって化合物分解用攪拌槽22
内の汚染水のpHを反応終了まで測定する。
【0143】化合物分解用攪拌槽22内の温度が至適温
度に維持されたら攪拌を開始し、化合物分解用攪拌槽2
2内へ空気供給手段14によって空気を圧入して、汚染
水の溶存酸素濃度を汚染水温度に応じた飽和濃度にす
る。汚染水の溶存酸素濃度については、酸素濃度検出手
段11により、空気供給開始から反応終了まで測定す
る。
【0144】至適温度、pH及び溶存酸素濃度を確認し
たら、培地(例えばトリプトソイなど)と好気性微生物
(例えば御堂筋菌、至適温度:65℃)を化合物分解用
攪拌槽22内に投入する。好気性微生物の投入により汚
染水中の前記化合物の分解反応が開始する。
【0145】化合物分解用攪拌槽22では、分解反応に
伴い空気、溶液のミスト、及び蒸気成分などのガスが発
生する。これらのガスは化合物分解用排ガス処理手段2
5で処理する。排ガスは冷却器9bで冷却され、気液分
離器9bで液体成分と可溶気体成分と気体成分とに分離
される。気体成分は空気供給手段14に還気され、可溶
気体成分を含む液体成分は気液分離器9bから化合物分
解用攪拌槽22へ供給される。
【0146】所定時間毎など、必要に応じて化合物分解
用攪拌槽22内の汚染水をサンプリングし、サンプル汚
染水中の化合物分解用微生物の個数濃度及び基質濃度
(前記化合物濃度)から基質分解率を解析する。
【0147】所定の分解率を確認した後、化合物分解用
攪拌槽22から処理水を排出する。排出された処理水
は、河川等に直接放水される場合などでは、必要に応じ
て滅菌工程や冷却工程などを経て放水される。下水処理
施設へ排水する場合では、特に滅菌工程を行わなくても
良い。以上の操作を繰り返し、連続して汚染水を浄化す
る。
【0148】本実施の形態によれば、第1の実施の形態
と同様に、液状の汚染物である汚染水を好適に浄化する
ことができる。
【0149】また、本実施の形態では、排ガス処理手段
において排ガス中の液体成分を気液分離器9bから攪拌
槽へ回収する構成としたことから、攪拌槽中の汚染水の
濃縮が抑制され、汚染水の各濃度の変動をより抑制する
ことができ、微生物の活動にとって好適な条件を維持す
る上でより一層効果的である。
【0150】<第3の実施の形態>本実施の形態では、
浄化装置として前述した第一の浄化装置を用い、好気性
微生物を用い、汚染物としてダイオキシン類等の塩素化
合物を含有する汚染水を浄化するための本発明の一実施
形態について説明する。なお前述した実施形態と同様の
構成については同じ符号を用い、その説明を省略する。
【0151】本実施の形態における浄化装置は、図3に
示すように、分解反応槽31と、分解反応槽31に収容
される汚染水に酸素を供給する酸素供給手段である空気
供給手段34と、分解反応槽31から排出されるガスを
処理するための排ガス処理手段35と、分解反応槽31
から排出されるガスの一部を空気供給手段34に還気す
る還気用通気路33と、槽内の温度を検出する温度検出
手段10と、槽内の酸素濃度を検出する酸素濃度検出手
段11と、槽内のpHを検出するpH検出手段23とを
有する。
【0152】空気供給手段34は、コンプレッサ14c
よりも下流側の通気路にエジェクタ8cを有し、槽内に
おいて気泡発生手段32に接続されている以外は、前述
した空気供給手段14と同様の構成とされている。ま
た、排ガス処理手段35は、気液分離器9cの液体を槽
内に戻す送液路を有さない以外は、前述した脱塩素用排
ガス処理手段29と同様の構成とされている。また、還
気用通気路33は、通気路中にコンデンサ9bを有し、
分解反応槽31の上部と空気供給手段34のエジェクタ
8cとを接続する通気路として構成されている。
【0153】分解反応槽31は、気密性を有する反応槽
であり、図4に示すように、分解反応槽31の外側に
は、槽内の温度を調整するための温度調整手段6を有
し、汚染水を収容する槽内には、分解反応槽31の底部
に設けられ空気供給手段34に接続される気泡発生手段
32と、汚染水中にあって気泡発生手段32から供給さ
れる気泡と汚染水との接触性を高める通路を形成する気
液接触器36と、気液接触器36の外周側に周設され汚
染水を通水可能な多孔性の吸着材37と、槽内の汚染水
をサンプリングするためのサンプリング管38とを有し
ている。排ガス処理手段35への通気路及び還気用通気
路33は、分解反応槽31の上部に開口している。
【0154】また本実施形態の浄化装置は、温度調整手
段6に送られる温水と、排ガス処理手段35や還気用通
気路33のコンデンサ9bに送られる冷水とを同時に生
成するヒートポンプ(図示せず)を有している。このヒ
ートポンプは、炭酸ガスを冷媒とするものであり、90
℃の温水と14℃の冷水とを同時に生成する。
【0155】気泡発生手段32はエアーレイションノズ
ルであり、分解反応槽31の底部から上方に向けて気泡
を一方向に噴出する手段である。気液接触器36は、分
解反応槽31の底部付近から液面付近まで汚染水の通路
を形成し、かつこの通路には鉛直方向に対して斜めに延
出する斜面が複数形成されている。吸着材37は、例え
ば球状の担体を接着して形成されたドーナツ状の多孔質
体であり、担体の表面には、汚染物質の分子寸法に対し
て1倍以上の孔径分布(例えば孔径分布の中心径が0.
6〜10nm程度)の細孔を有するゼオライトが担持さ
れている。なお前記担体はゼオライトで形成されていて
も良い。
【0156】気液接触器36の好適な例としては、例え
ば図5に示すフィルム型充てん材が挙げられる。このフ
ィルム型充てん材は、流動物の流路に対して複数の斜面
を形成するフィルムを複数枚数重ねたものであり、一枚
のフィルムは、山折りと谷折りとで形成されたある蛇腹
折り部と、谷折りと山折りとで形成された他の蛇腹折り
部と、両方の蛇腹折り部で形成された面同士を、蛇腹折
り部の折り目に対して斜めに形成された面で接続する接
続面部とを有し、このような形状が平面方向に拡がった
構成とされている。この充てん材のフィルム間に気泡を
含む液相を通過させると液相の流速が連続的に変化し、
気泡と液相との接触性が向上する。
【0157】次に本実施の形態における浄化装置を用い
て汚染水を浄化する、本発明の浄化方法(前述した第一
の浄化方法)における一実施の形態を説明する。まず、
分解反応槽31に汚染水を投入する。
【0158】汚染水を分解反応槽31に投入したら、温
度調整手段6によって分解反応槽31内を、用いる好気
性微生物の至適温度まで加熱し、分解反応槽31内を前
記至適温度に維持する。分解反応槽31内の温度につい
ては、温度検出手段10により、加熱開始から反応終了
まで測定する。
【0159】また、pH検出手段23によって汚染水の
pHを加熱開始から反応終了まで測定する。なお、汚染
水のpHが微生物の活動に不適な場合は、酸やアルカ
リ、及び緩衝液などの公知のpH調整剤により、汚染水
のpHを調整しても良い。
【0160】分解反応槽31内の温度が至適温度に維持
されたら、空気供給手段34により微生物の生育に必要
な酸素を汚染水に供給する。この空気の供給により気泡
発生手段32から気泡が発生する。気泡発生手段32か
ら気泡を発生させると、気液接触器36内を上方に向け
て流れる汚染水の水流が形成される。この水流は気液接
触器36を通過した後、気液接触器36の周囲を降下す
る水流となり、吸着材37を通過後、再び気流発生手段
36に到達する。このようにして汚染水の循環流が形成
され、汚染水中の溶存酸素濃度は汚染水温度に応じた飽
和濃度となる。汚染水の溶存酸素濃度については、酸素
濃度検出手段11により、空気供給開始から反応終了ま
で測定する。
【0161】汚染水中では、気泡発生手段32及び気液
接触器36によって所定の水流が形成され、溶存酸素濃
度が飽和濃度の汚染水が吸着材37を通過する。この吸
着材37に汚染水が通過することで、汚染水中の塩素化
合物はゼオライトに物理吸着され、汚染水中における塩
素化合物濃度に比べて、吸着材表面37における塩素化
合物濃度がより高くなる。
【0162】至適温度、pH及び溶存酸素濃度を確認し
たら、培地(例えば大豆タンパクやトリプトソイなどの
養培)と好気性微生物(例えば御堂筋菌、至適温度:6
5℃)を分解反応槽31内に投入する。好気性微生物の
投入により汚染水中の塩素化合物の分解反応が開始す
る。
【0163】好気性微生物は、汚染水の流れに乗って分
解反応槽31内を循環するが、吸着材37を通過する際
に、その一部が吸着材37に着床する。一方で前述した
ように吸着材37の表面には塩素化合物が物理吸着して
おり、吸着材37の表面において塩素化合物の微生物分
解反応が進行する。すなわち、塩素化合物の濃度が比較
的高く、飽和濃度の酸素が供給される状態で塩素化合物
の微生物分解反応が行われる。
【0164】分解反応槽31では、分解反応に伴い空
気、溶液のミスト、及び蒸気成分などのガスが発生す
る。これらのガスの一部は排ガス処理手段35で処理さ
れる。排ガスは冷却器9bで冷却され、気液分離器9b
で液体成分と可溶気体成分と気体成分とに分離される。
【0165】また前記ガスの一部は還気用通気路33を
通り、冷却器9bで冷却され、凝集成分と非凝集成分と
に分けられた後、エジェクタ8cに送られ、分解反応槽
31に再び供給される。
【0166】所定時間毎など、必要に応じて分解反応槽
31内の汚染水をサンプリング管38からサンプリング
し、サンプル汚染水中の微生物の個数濃度及び基質濃度
(前記化合物濃度)から基質分解率を解析する。
【0167】所定の分解率を確認した後、分解反応槽3
1から処理水を排出する。排出された処理水は、前述し
たように、河川等に直接放水される場合などでは、必要
に応じて滅菌工程や冷却工程などを経て放水される。下
水処理施設へ排水する場合では、特に滅菌工程を行わな
くても良い。以上の操作を繰り返し、連続して汚染水を
浄化する。
【0168】本実施の形態によれば、前述した吸着材の
使用及び汚染水の流動によって、汚染物中の塩素化合物
とこれを分解する微生物との接触性が吸着材上にてより
一層高められることから、汚染水を効率よく浄化するこ
とができる。
【0169】また本実施の形態によれば、至適温度の高
い好気性微生物を用いることから、常温菌に比べてより
速く汚染水を浄化することができ、この微生物による分
解反応をより純化でき、さらに系内の雰囲気を維持する
ことがより容易になり、汚染水の工業的な浄化という観
点からより一層効果的である。
【0170】また本実施の形態によれば、前述した気泡
発生手段及び気液接触器を用いることから、微生物分解
反応系内における溶存酸素濃度を高める上でより効果的
であり、また汚染水中における気泡の上昇に伴い発生す
る流れによって汚染水を流動させることから、浄化反応
における動力を省力化する上でより一層効果的である。
【0171】また本実施の形態によれば、排ガス処理手
段におけるコンデンサに供給する冷水、及び温度調整手
段に供給する温水を同時に生成するヒートポンプを有す
ることから、浄化装置の構成を簡略化する上でより効果
的である。
【0172】また本実施の形態によれば、還気用通気路
を有することから、微生物の至適条件の安定化と、浄化
装置の動力の省力化とを実現する上でより効果的であ
る。
【0173】また本実施の形態によれば、一体の反応槽
で汚染水を浄化することができることから、浄化装置の
小型化においてより一層効果的である。
【0174】<第4の実施の形態>本実施の形態では、
浄化装置として前述した第一の浄化装置を用い、好気性
微生物を用い、汚染物としてダイオキシン類等の塩素化
合物を含有する汚染土壌を浄化するための本発明の一実
施形態について説明する。なお前述した実施形態と同様
の構成については同じ符号を用い、その説明を省略す
る。
【0175】本実施の形態における浄化装置は、図6に
示すように、分解反応槽41と、分解反応槽41に収容
される汚染土壌に酸素を供給する酸素供給手段である空
気供給手段44と、分解反応槽41から排出されるガス
を処理するための排ガス処理手段35と、槽内の温度を
検出する温度検出手段10と、槽内の酸素濃度を検出す
る酸素濃度検出手段11とを有する。またこの浄化装置
はスクリュー型コンベア4を介してマイクロウェーブ型
加熱滅菌乾燥装置3と接続されている。
【0176】空気供給手段44は、エジェクタを有さな
い以外は前述した空気供給手段34と同様の構成とされ
ている。
【0177】分解反応槽41は気密性を有する反応槽で
あり、分解反応槽41の外側には、槽内の温度を調整す
るための温度調整手段6を有し、槽内には、ギアドモー
タ等の回転動力源に接続される回転自在な回転軸42
と、この回転軸42に固定される複数の筒状体43とを
有する。回転軸42は槽内において水平に設けられてい
る。それぞれの筒状体43はその長手方向が回転軸42
に対して直交するように設けられており、また軸端から
回転軸42の伸長方向に向けて見たときに、隣り合う筒
状体が重なり合わないように、隣り合う筒状体の軸が所
定の角度(例えば45°など)で交差するように設けら
れている。
【0178】筒状体43は、回転軸42から分解反応槽
41の壁面及び底面までの距離程度の長さがあり、筒状
体43の中央部は前述した気液接触器36と同様の構成
を有する固気接触器46で構成されており、筒状体43
の両端部はフランジを介して接続される円筒部材で構成
されている。なお固気接触器46には、汚染土壌の流動
性等に応じて、例えば前記フィルムの間隔を調整した
り、折り目間隔のより大きいフィルムを使用しても良
い。
【0179】また本実施形態の浄化装置は、温度調整手
段6に送られる温水と、排ガス処理手段35のコンデン
サ9bに送られる冷水とを同時に生成するヒートポンプ
(図示せず)を有している。このヒートポンプは、炭酸
ガスを冷媒とするものであり、90℃の温水と14℃の
冷水とを同時に生成する。
【0180】次に本実施の形態における浄化装置を用い
て汚染土壌を浄化する、本発明の浄化方法(前述した第
一の浄化方法)における一実施の形態を説明する。ま
ず、汚染土壌を分解反応槽41に投入する。
【0181】汚染土壌を分解反応槽41に投入したら、
温度調整手段6によって分解反応槽41内を、用いる好
気性微生物の至適温度まで加熱し、分解反応槽41内を
前記至適温度に維持する。分解反応槽41内の温度につ
いては、温度検出手段10により、加熱開始から反応終
了まで測定する。
【0182】分解反応槽41内の温度が至適温度に維持
されたら、空気供給手段44により微生物の生育に必要
な酸素を汚染土壌に供給する。汚染土壌の溶存酸素濃度
については、酸素濃度検出手段11により、空気供給開
始から反応終了まで測定する。
【0183】一方で、塩素化合物の分子寸法に対して1
倍以上に相当する孔径分布の細孔を有するゼオライトの
粒子の存在下で好気性微生物(例えば御堂筋菌)を予め
培養し、好気性微生物が着床している吸着材を用意す
る。そして至適温度及び槽内の酸素濃度を確認したら、
微生物が着床している吸着材と培地(例えば大豆タンパ
クやトリプトソイ)とを分解反応槽41に投入する。好
気性微生物の投入により汚染土壌中の塩素化合物の分解
反応が開始する。
【0184】槽内の汚染土壌及び吸着材は、回転軸42
の回転と筒状体43の外周壁によって攪拌され、均一に
混合される。汚染土壌と吸着材との混合に伴い、汚染土
壌中の塩素化合物が吸着材に物理吸着し、吸着材の表面
における塩素化合物の濃度が高まる。なお吸着材は、表
面が前記ゼオライトで形成されていればその形態につい
ては特に限定されず、前述した第3の実施の形態で示し
たように、顆粒状等の適当な担体上にゼオライトが担持
されたものであっても良い。
【0185】一方で槽内の汚染土壌及び吸着材は、回転
軸42の回転によって筒状体43の一方の開口端から筒
状体43内にすくわれる。すくわれた汚染土壌及び吸着
材は、回転軸42の回転に伴って傾斜する筒状体43内
を流動し、固気接触器46を通過する。固気接触器46
は、通路の壁面が斜面を形成していることから、流動す
る汚染土壌等の流速が連続的に変化し、流動する汚染土
壌等と槽内の雰囲気との接触性が向上する。
【0186】すなわち本実施形態の浄化装置では、分解
反応槽41内でも分解反応が行われるが、固気接触器4
6を汚染土壌が通過するときに微生物に酸素が十分に供
給されやすく、固気接触器46においてより効率の良い
微生物分解反応が行われる。
【0187】固気接触器46を通過した汚染土壌等は、
回転軸42の回転に伴い筒状体43の他方の開口端に流
動し、一部又は全部が他方の開口端から筒状体外に排出
される。他方の開口端は回転軸42の回転に伴い、分解
反応槽41内の汚染土壌等をすくい、今度は他端から一
端に向けて汚染土壌等が同様に流動する。なお分解に伴
い発生するガスの処理については、前述した第3の実施
の形態と同様である。
【0188】所定時間毎など、必要に応じて分解反応槽
41内の汚染土壌をサンプリングし、サンプル汚染土壌
中の微生物の個数濃度及び基質濃度(前記化合物濃度)
から基質分解率を解析する。
【0189】所定の分解率を確認した後、スクリュー型
コンベア4によって分解反応槽41から処理土壌を排出
する。この処理土壌はマイクロウェーブ加熱滅菌乾燥装
置3によって滅菌され、浄化処理土壌が得られる。以上
の操作を繰り返し、連続して汚染土壌を浄化する。
【0190】なお本実施の形態では、空気供給手段44
又は分解反応槽41に、系内の湿度を調整する加湿手段
を設けても良い。このような加湿手段を設けると、微生
物の生育条件をより整える上で効果的である。
【0191】また本実施の形態では、槽内の汚染土壌を
攪拌するための攪拌羽根を筒状体43同士の間における
回転軸42に固定しても良い。このような攪拌羽根を設
けると、槽内の汚染土壌をより均一に混合し、かつ汚染
土壌と槽内の雰囲気との接触性をより高める上で効果的
である。
【0192】また本実施の形態では、筒状体43の端部
を加工しても良い。例えば筒状体43の端部を、回転軸
42の回転方向側が切り欠かれた形状とすると、槽内の
汚染土壌等をすくうのに好ましい。また、筒状体43の
端部を、回転軸42の回転方向後方側が切り欠かれた形
状とすると、筒状体内の汚染土壌を筒状体内から排出す
るのに好ましい。
【0193】本実施の形態によれば、吸着材及び微生物
が混合した汚染土壌を流動させることによって微生物と
酸素との接触性を高め、汚染物中の塩素化合物とこれを
分解する微生物との接触性が吸着材上にてより一層高め
られることから、汚染土壌を効率よく浄化することがで
きる。
【0194】また本実施の形態によれば、至適温度の高
い好気性微生物を用いることから、常温菌に比べてより
速く汚染土壌を浄化することができ、この微生物による
分解反応をより純化でき、さらに系内の雰囲気を維持す
ることがより容易になり、汚染土壌の工業的な浄化とい
う観点からより一層効果的である。
【0195】また本実施の形態によれば、排ガス処理手
段におけるコンデンサに供給する冷水、及び温度調整手
段に供給する温水を同時に生成するヒートポンプを有す
ることから、浄化装置の構成を簡略化する上でより効果
的である。
【0196】また本実施の形態によれば、一体の反応槽
で汚染土壌を浄化することができることから、浄化装置
の小型化においてより一層効果的である。
【0197】また本実施の形態によれば、筒状体の端部
がフランジによって筒状体本体と接続されていることか
ら、前述したような筒状体端部の加工や、端部の交換、
回転軸42に対する筒状体43の角度の調整、固気接触
器46の交換等のメンテナンスを容易に行うことがで
き、筒状体へ導入される汚染土壌等の量や、分解反応槽
41内における汚染土壌等の攪拌性を制御する上でより
効果的である。
【0198】<第5の実施の形態>本実施の形態では、
浄化装置として前述した第一の浄化装置を用い、好気性
微生物を用い、汚染物としてダイオキシン類等の塩素化
合物を含有する汚染土壌を浄化するための本発明の一実
施形態について説明する。なお前述した実施形態と同様
の構成については同じ符号を用い、その説明を省略す
る。
【0199】本実施の形態における浄化装置は、図8及
び図9に示すように、温度調整槽51と、温度調整槽5
1内に設けられる回転軸52と、回転軸52に対して直
交して設けられる複数の筒状の分解反応槽53とを有し
ている。
【0200】温度調整槽51は、温水や蒸気等の熱媒を
内部に循環供給することにより分解反応槽53内の温度
を調整する手段であり、図8中で紙面に対して垂直方向
に延出し両端が塞がれている円筒体によって構成されて
いる。この円筒体は、図示しないが内部に熱媒を供給す
るための熱媒供給口と、内部から熱媒を排出するための
熱媒排出口とを有し、ヒンジ構造によって開閉自在に設
けられており、例えば軸方向に二分割されこれらがヒン
ジ構造によって結合し、図8中における上半分が上方に
開き下半分が固定されており、回転軸52及び分解反応
槽53に対して不動に設けられている。また開口縁には
パッキンが設けられている。また回転軸52には回転動
力源としてのギアドモータが接続されている。
【0201】分解反応槽53は、回転軸52から延出す
るように設けられ、三つを一段として、回転軸52の軸
方向へ二段設けられており、回転軸52の回転方向に対
して三つが等間隔(それぞれの軸線の角度は120°)
に設けられている。分解反応槽53は、基端は閉塞され
ており、先端は開閉自在な蓋体で密閉されている。また
それぞれの分解反応槽53の内部には固気接触器46が
設けられている。
【0202】次に本実施の形態における浄化装置を用い
て汚染土壌を浄化する、本発明の浄化方法(前述した第
一の浄化方法)における一実施の形態を説明する。ま
ず、分解反応槽53の蓋体を開け、汚染土壌、及び前述
した第4の実施の形態と同様の、微生物を着床させた吸
着材を分解反応槽53に投入する。
【0203】汚染土壌を分解反応槽53に投入したら蓋
体を閉め、温度調整槽51を密閉したのち回転軸52を
回転させ、さらに温度調整槽51に熱媒を導入して槽内
の温度を微生物の至適温度まで加熱し維持する。
【0204】分解反応槽53は回転軸52の回転によっ
て基端部側と先端部側とが交互に下向きになるように傾
斜する。分解反応槽53に投入された汚染土壌と吸着材
は、反応分解槽53内において、固気接触器46を通っ
て、分解反応槽53内の基端側と先端側とを往復する。
【0205】回転軸52の回転に伴う分解反応槽53の
傾斜によって、汚染土壌及び吸着材は十分に混合され、
汚染土壌中の塩素化合物は吸着材と十分に接触し、吸着
材に物理吸着される。また、汚染土壌及び吸着材の混合
物は、固気接触器46中を移動することにより、空気と
十分に接触する。また、温度調整槽51によって微生物
分解反応系内は至適温度に保たれている。したがって、
吸着材表面において微生物による塩素化合物の分解が効
率よく行われる。
【0206】所定時間毎など、必要に応じて分解反応槽
53内の汚染土壌をサンプリングし、サンプル汚染土壌
中の微生物の個数濃度及び基質濃度(前記化合物濃度)
から基質分解率を解析する。
【0207】所定の分解率を確認した後、分解反応槽5
3から処理土壌を取り出す。この処理土壌はマイクロウ
ェーブ加熱滅菌乾燥装置等の滅菌手段によって滅菌さ
れ、浄化処理土壌が得られる。以上の操作を繰り返し、
連続して汚染土壌を浄化する。
【0208】本実施の形態では、分解反応槽53への酸
素供給手段を特に設けなかったが、例えば蓋体等、分解
反応槽53にフィルタ等を備えた通気口を設け、温度調
整槽51の熱媒に蒸気や加熱空気を用いても良い。
【0209】本実施の形態によれば、分解反応槽53内
において微生物分解反応に適した温度が保たれると共
に、汚染土壌及び吸着材と空気とが十分に接触すること
から、温度条件及び酸素濃度条件が十分に確保された系
内で、吸着材表面における汚染土壌中の塩素化合物とこ
れを分解する微生物との接触性がより高まり、汚染土壌
を効率よく浄化することができる。
【0210】また本実施の形態によれば、複数の分解反
応槽53を有することから、汚染物質の異なる少量汚染
土壌の複数種類を微生物によって同時に浄化する上でよ
り一層効果的である。
【0211】
【発明の効果】本発明によれば、温度が調整される系内
で、塩素化合物を含む汚染物を微生物により分解して浄
化する汚染物の浄化方法及び浄化装置において、塩素化
合物を物理吸着する吸着材及び塩素化合物を分解するた
めの至適温度が少なくとも60℃以上の微生物を汚染物
中に存在させ、この汚染物を系内で流動させることか
ら、常温菌の作用が排除された系内で、吸着材上におい
て塩素化合物と微生物との接触性、及びこの微生物に対
する酸素供給性をより高めることができ、より高速かつ
再現性のある浄化を行うことができる。
【0212】さらに本発明では、至適温度が65℃以上
の好気性微生物を用い、かつ酸素供給手段により酸素が
供給される系内で塩素化合物を分解すると、装置や作業
手順の簡略化や、高速かつ再現性のある浄化を行う上で
より一層効果的である。
【0213】さらに本発明では、流動物と気体との接触
性を高める通路を形成する気体接触器を用い、この気体
接触器内に汚染物を流動させると、高速かつ再現性のあ
る浄化を行う上でより一層効果的である。
【0214】さらに本発明では、塩素化合物を物理吸着
する吸着材を汚染物にさらに添加すると、塩素化合物を
物理吸着し、かつ微生物を着床させ、塩素化合物と微生
物との接触性を高め、高速かつ効率よく浄化を行う上で
より効果的であり、塩素化合物の分子寸法に対して1倍
以上に相当する孔径分布の細孔を有するゼオライトを吸
着材として用いると、塩素化合物を物理吸着し、かつ微
生物を着床させ、塩素化合物と微生物との接触性を高
め、高速かつ効率よく浄化を行う上でより一層効果的で
ある。
【0215】さらに本発明では、少なくとも分解反応槽
内において水平方向に設けられる回転軸及びこの回転軸
に直交して設けられ回転軸の回転に伴って槽内の汚染土
壌を端部ですくう筒状体を流動手段として用い、筒状体
内に前記通路を形成する固気接触器を気体接触器として
用いると、塩素化合物を含む汚染土壌を浄化する上でよ
り効果的であり、さらに塩素化合物を物理吸着する吸着
材を反応系内にさらに添加するとより一層効果的であ
る。
【0216】さらに本発明では、水平方向に設けられる
回転軸を流動手段として用い、回転軸に直交して設けら
れ端部が閉塞しておりかつ内部に汚染土壌を収容可能な
筒状体を分解反応槽として用い、筒状体内に前記通路を
形成する固気接触器を気体接触器として用いると、塩素
化合物を含む汚染土壌を浄化する上でより効果的であ
り、さらに塩素化合物を物理吸着する吸着材を反応系内
にさらに添加するとより一層効果的である。
【0217】さらに本発明では、酸素供給手段に接続さ
れ分解反応槽の底部から気体接触器の通路内に向けて気
泡を発生する気泡発生手段を流動手段として用い、汚染
水中に前記通路を形成する気液接触器を気体接触器に用
い、かつ分解反応槽内に固定され気液接触器から出た汚
染水の流れを通過させる層状の吸着材を用いると、塩素
化合物を含む汚染水を浄化する上でより一層効果的であ
る。
【0218】さらに本発明では、分解反応槽から排出さ
れるガスをコンデンサで冷却して排ガスを処理すると、
装置の周辺環境に対する影響を抑える上で効果的であ
り、コンデンサ及び温度調整手段に供給する冷媒及び熱
媒をヒートポンプによって生成すると、装置の構成を簡
略化する上でより一層効果的である。
【0219】また、本発明によれば、温度が調整される
系内で塩素化合物を含む汚染物を微生物により分解して
浄化するに当たり、至適温度が60℃以上の脱塩素用微
生物によって汚染物中の塩素化合物を分解し、汚染物中
から塩素を除去し、次いで脱塩素用微生物によって塩素
が除去された汚染物に含まれる化合物を、至適温度が6
5℃以上の化合物分解用微生物によって分解することか
ら、従来のように常温菌を用いる場合に比べて汚染物の
浄化をより速く行うことができ、さらに雑菌の作用を排
除できることから汚染物の浄化反応を純化することがで
き、再現性のある浄化を行うことができる。
【0220】さらに本発明では、酸素が除かれた系にお
いて、脱塩素用微生物に好気性微生物を用いて脱塩素工
程を行い、次いで酸素が供給される系において、化合物
分解用微生物に好気性微生物を用いて化合物分解工程を
行うこととすると、高速かつ再現性のある汚染物の浄化
を行う上でより一層効果的である。
【0221】さらに本発明では、脱塩素工程で排出され
るガスを処理することとすると、排ガスによる周辺環境
への影響を抑制することができ、さらには処理ガスの再
利用が可能になることから、より安価な浄化を行うこと
ができ、かつ各工程における微生物の活動にとって好適
な環境を維持する上でより効果的である。
【0222】さらに本発明では、各工程における系の酸
素濃度及び温度を検出することとすると、各工程におけ
る微生物の活動にとって好適な環境を維持する上でより
効果的であり、また浄化反応の再現性を確保する上でよ
り効果的である。さらに汚染物が汚染水である場合で
は、各工程における系のpHを検出することとすると、
各工程における微生物の活動にとって好適な環境を維持
する上でより効果的であり、また浄化反応の再現性を確
保する上でより一層効果的である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における第二の浄化装置の一実施形態を
示す概略図である。
【図2】本発明における第二の浄化装置の他の実施形態
を示す概略図である。
【図3】本発明における第一の浄化装置の一実施形態を
示す概略図である。
【図4】図3に示す浄化装置の分解反応槽付近を示す要
部拡大概略図である。
【図5】本発明における気体接触器の好ましい一例の構
造を示す概略構成図である。
【図6】本発明における第一の浄化装置の他の実施形態
を示す概略図である。
【図7】図6に示す浄化装置の回転軸及び筒状体付近を
示す要部概略図である。
【図8】本発明における第一の浄化装置の他の実施形態
を示す概略正面図である。
【図9】図8に示す浄化装置の要部を示す概略側面図で
ある。
【符号の説明】
1、21 脱塩素用攪拌槽 2、22 化合物分解用攪拌槽 3 マイクロウェーブ加熱滅菌乾燥装置 4、5 スクリュー型コンベア 6 温度調整手段 7 固相用攪拌装置 8 窒素供給手段(酸素除去手段) 8a 窒素ボンベ 8b 窒素供給管 8c エジェクタ 9、29 脱塩素用排ガス処理手段 9a、14c コンプレッサ 9b 冷却器(コンデンサ) 9c 気液分離器 9d 吸着器 9e 加湿装置 10 温度検出手段 11 酸素濃度検出手段 14、34、44 空気供給手段(酸素供給手段) 14a 空気供給源 14b 空気供給管 15、25 化合物分解用排ガス処理手段 23 pH検出手段 27 液相用攪拌装置 31、41、53 分解反応槽 32 気泡発生手段 33 還気用通気路 35 排ガス処理手段 36 気液接触器 37 吸着材 38 サンプリング管 42、52 回転軸 43 筒状体 46 固気接触器 51 温度調整槽
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12M 1/00 C12N 1/00 R 4D040 C12N 1/00 B09B 3/00 ZABE (72)発明者 保科 定頼 東京都世田谷区北沢1−30−16 Fターム(参考) 4B029 AA02 BB02 CC01 DB15 DF01 DG10 4B065 AA15X AA23X AC02 BB40 BC06 BC50 CA56 4D004 AA41 AB07 AC04 BA02 CA18 CA19 CA42 CA46 CA47 CB04 CB05 CB21 CB31 CB33 CC07 CC11 DA01 DA03 DA06 DA10 4D024 AA04 AB11 BA07 BB08 BC05 CA06 DA04 DA06 DB06 DB15 DB16 4D028 AB00 AC03 AC09 BA01 BB01 BB02 BC12 BC15 BC24 BC26 CC07 CD01 4D040 BB01 BB42 BB51 BB82 BB91

Claims (24)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 温度が調整される系内で、塩素化合物を
    含む汚染物を微生物により分解して浄化する汚染物の浄
    化方法であって、 前記塩素化合物を物理吸着する吸着成分及び塩素化合物
    を分解するための至適温度が少なくとも60℃以上の微
    生物を前記汚染物中に存在させ、この汚染物を前記系内
    で流動させることを特徴とする汚染物の浄化方法。
  2. 【請求項2】 前記微生物は、至適温度が65℃以上の
    好気性微生物であり、かつ酸素供給手段により酸素が供
    給される系内で前記塩素化合物を分解することを特徴と
    する請求項1に記載の汚染物の浄化方法。
  3. 【請求項3】 流動物と気体との接触性を高める通路を
    形成する気体接触器内に前記汚染物を流動させることを
    特徴とする請求項2に記載の汚染物の浄化方法。
  4. 【請求項4】 前記塩素化合物を物理吸着する吸着材を
    前記汚染物にさらに添加することを特徴とする請求項1
    〜3のいずれか一項に記載の汚染物の浄化方法。
  5. 【請求項5】 前記吸着材は、前記塩素化合物の分子寸
    法に対して1倍以上に相当する孔径分布の細孔を有する
    ゼオライトであることを特徴とする請求項4に記載の汚
    染物の浄化方法。
  6. 【請求項6】 温度が調整される系内で、塩素化合物を
    含む汚染物を微生物により分解して浄化する汚染物の浄
    化方法であって、 至適温度が60℃以上の脱塩素用微生物によって汚染物
    中の塩素化合物を分解し、汚染物中から塩素を除去する
    脱塩素工程と、 脱塩素工程で塩素が除去された汚染物中の化合物を、至
    適温度が65℃以上の化合物分解用微生物によって分解
    する化合物分解工程とを含む汚染物の浄化方法。
  7. 【請求項7】 前記脱塩素工程は、前記脱塩素用微生物
    に嫌気性微生物が用いられ、かつ酸素除去手段により酸
    素が除去される系内で汚染物から塩素を除去する工程で
    あり、前記化合物分解工程は、前記化合物分解用微生物
    に好気性微生物が用いられ、かつ酸素供給手段により酸
    素が供給される系内で前記化合物を分解する工程である
    ことを特徴とする請求項6に記載の汚染物の浄化方法。
  8. 【請求項8】 前記脱塩素工程で排出されるガスを処理
    する脱塩素用排ガス処理工程を含むことを特徴とする請
    求項6又は7に記載の汚染物の浄化方法。
  9. 【請求項9】 塩素化合物を含む汚染物を微生物により
    分解して浄化する汚染物の浄化装置であって、 前記汚染物中の塩素化合物を分解する微生物、前記汚染
    物、及び前記汚染物を物理吸着する吸着成分を少なくと
    も収容して汚染物を分解する分解反応槽と、 前記分解反応槽内の温度を調整する温度調整手段と、 前記分解反応槽内において前記汚染物を流動させる流動
    手段とを有し、 前記微生物は、至適温度が少なくとも60℃以上の微生
    物である汚染物の浄化装置。
  10. 【請求項10】 前記分解反応槽内に酸素を供給する酸
    素供給手段をさらに有し、前記微生物は至適温度が65
    ℃以上の好気性微生物であることを特徴とする請求項9
    に記載の汚染物の浄化装置。
  11. 【請求項11】 流動物と気体との接触性を高める通路
    を形成する気体接触器をさらに有し、前記流動手段は少
    なくとも前記気体接触器の通路内に前記汚染物を流動さ
    せる手段であることを特徴とする請求項10に記載の汚
    染物の浄化装置。
  12. 【請求項12】 前記汚染物が汚染土壌であり、前記流
    動手段は少なくとも前記分解反応槽内において水平方向
    に設けられる回転軸及びこの回転軸に直交して設けられ
    回転軸の回転に伴って槽内の汚染土壌を端部ですくう筒
    状体であり、前記気体接触器は前記筒状体内に前記通路
    を形成する固気接触器であることを特徴とする請求項1
    1に記載の汚染物の浄化装置。
  13. 【請求項13】 前記汚染物が汚染土壌であり、前記流
    動手段は少なくとも水平方向に設けられる回転軸であ
    り、前記分解反応槽は前記回転軸に直交して設けられ端
    部が閉塞しておりかつ内部に汚染土壌を収容可能な筒状
    体であり、前記気体接触器は前記筒状体内に前記通路を
    形成する固気接触器であることを特徴とする請求項11
    に記載の汚染物の浄化装置。
  14. 【請求項14】 前記塩素化合物を物理吸着する粒子状
    の吸着材が前記分解反応槽に添加されていることを特徴
    とする請求項12又は13に記載の汚染物の浄化装置。
  15. 【請求項15】 前記汚染物が汚染水であり、前記流動
    手段は前記酸素供給手段に接続され前記分解反応槽の底
    部から前記気体接触器の通路内に向けて気泡を発生する
    気泡発生手段であり、前記気体接触器は前記汚染水中に
    前記通路を形成する気液接触器であり、前記吸着成分は
    分解反応槽内に固定され前記気液接触器から出た汚染水
    の流れを通過させる層状の吸着材であることを特徴とす
    る請求項11に記載の汚染物の浄化装置。
  16. 【請求項16】 前記吸着材は、前記塩素化合物の分子
    寸法に対して1倍以上に相当する孔径分布の細孔を有す
    るゼオライトであることを特徴とする請求項14又は1
    5に記載の汚染物の浄化装置。
  17. 【請求項17】 前記分解反応槽から排出されるガスを
    冷却するコンデンサを有し分解反応槽から排出されるガ
    スを処理する排ガス処理手段と、前記コンデンサ及び前
    記温度調整手段に供給する冷媒及び熱媒を生成するヒー
    トポンプとを有することを特徴とする請求項9に記載の
    汚染物の浄化装置。
  18. 【請求項18】 塩素化合物を含む汚染物を微生物によ
    り分解して浄化する汚染物の浄化装置であって、 前記汚染物中の塩素化合物を分解する脱塩素用微生物及
    び前記汚染物を少なくとも収容して汚染物から塩素を除
    去する脱塩素用攪拌槽と、 前記脱塩素用攪拌槽内の温度を調整する脱塩素用温度調
    整手段と、 塩素が除去された汚染物中の化合物を分解する化合物分
    解用微生物及び塩素が除去された汚染物を少なくとも収
    容して前記化合物を分解する化合物分解用攪拌槽と、 前記化合物分解用攪拌槽内の温度を調整する化合物分解
    用温度調整手段とを有し、 前記脱塩素用微生物は至適温度が60℃以上の脱塩素用
    微生物であり、かつ前記化合物分解用微生物は至適温度
    が65℃以上の化合物分解用微生物である汚染物の浄化
    装置。
  19. 【請求項19】 前記脱塩素用微生物が嫌気性微生物で
    あり、かつ前記化合物分解用微生物が好気性微生物であ
    り、脱塩素用攪拌槽内の酸素を除去する酸素除去手段
    と、前記化合物分解用攪拌槽内に酸素を供給する化合物
    分解用酸素供給手段とを有することを特徴とする請求項
    18に記載の汚染物の浄化装置。
  20. 【請求項20】 前記脱塩素用攪拌槽から排出されるガ
    スを処理する脱塩素用排ガス処理手段を有することを特
    徴とする請求項18又は19に記載の汚染物の浄化装
    置。
  21. 【請求項21】 前記脱塩素用攪拌槽内の温度を検出す
    る脱塩素用温度検出手段と、脱塩素用攪拌槽内の酸素濃
    度を検出する脱塩素用酸素濃度検出手段とを有すること
    を特徴とする請求項18に記載の汚染物の浄化装置。
  22. 【請求項22】 前記汚染物が汚染水であり、前記脱塩
    素用攪拌槽内のpHを検出する脱塩素用pH検出手段を
    有することを特徴とする請求項21に記載の汚染物の浄
    化装置。
  23. 【請求項23】 前記化合物分解用攪拌槽内の温度を検
    出する化合物分解用温度検出手段と、化合物分解用攪拌
    槽内の酸素濃度を検出する化合物分解用酸素濃度検出手
    段とを有することを特徴とする請求項18に記載の汚染
    物の浄化装置。
  24. 【請求項24】 前記汚染物が汚染水であり、前記化合
    物分解用攪拌槽内のpHを検出する化合物分解用pH検
    出手段を有することを特徴とする請求項23に記載の汚
    染物の浄化装置。
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