JP2002300864A - 水産練り製品の製造法 - Google Patents

水産練り製品の製造法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れた保型性、風味、ジューシー感を有する
水産練り製品を提供すること。 【解決手段】 乳化剤としてポリグリセリン縮合リシノ
レイン酸エステル、グリセリン飽和脂肪酸モノエステル
を使用した油中水型乳化油脂組成物を魚肉すり身に添加
する水産練り製品の製法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、魚肉すり身に油中
水型乳化油脂組成物を加えて得られる、風味に優れ、し
かもジューシーな水産練り製品の製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】かまぼこ、ちくわ、魚肉ソーセージ、さ
つまあげ、はんぺん、つみれなどの水産練り製品は魚肉
練り製品ともよばれ、魚肉を食塩とともにすりつぶし、
これに調味料など副原料を加え加熱して製造される。伝
統的なかまぼこ、ちくわ、魚肉ソーセージなどの水産練
り製品の他に、魚肉すり身を用いた水産練り製品にはす
り身入りたまご焼きや魚肉ハンバーグなどもある。魚肉
すり身は一般に安価であり、製造や入手も容易で、調味
料や配合材料を変えることによりさまざまな味や形態に
することができるため多様な食品に用いられている。こ
のように、魚肉のすり身を主成分あるいは副成分として
用い、加熱して得られる水産練り製品はさまざまな形態
があり、多く食されている。
【0003】通常水産練り製品は製造後、保管、流通な
どのため消費者が喫食するまでにかなりの期間が経過す
る。したがって、魚肉あるいは魚肉すり身に、直接接触
すると時間の経過とともに風味が変化あるいは低下する
ような風味素材、揮散しやすい風味素材や他の素材を添
加した場合、その効果を発揮させることが困難である。
このような風味素材として、例えば、ビーフエキス、チ
キンエキス、ワイン、マスタード、わさびなどをあげる
ことができる。ビーフエキスやチキンエキスはすり身に
添加するとすり身にジューシー感や独特の風味を付与す
ることができるがすり身に接触すると時間の経過ととも
にジューシー感がなくなり風味素材由来の風味がすり身
に拡散するため、風味が低下したり変質したりする。ま
た、マスタード、ワインなどは揮散しやすく水産練り製
品の製造時に添加しても時間の経過とともにその風味は
消失してしまい、ほとんど残存しない。また、例えばお
でん種として水産練り製品を使用した場合、塩濃度の低
いだし汁中に塩濃度の高いおでん種が浸かっている状況
のため、時間の経過とともにおでん種から食塩、エキス
類をはじめ風味成分が塩濃度の低いだし汁の方へ移行し
ておでん種とだし汁とが風味において均質化しまうの
で、おでん種自体の風味が弱くなりおでんとしての商品
性を大きく損ねてしまう。このため、本発明者らはこの
ような風味素材を油中水型乳化油脂組成物の水相に加
え、この油中水型乳化油脂組成物を魚肉すり身に添加す
る水産練り製品を着想した。この水産練り製品では、油
中水型乳化油脂組成物の水相に存在する風味素材はすり
身と直接接触せず、また揮散も起きにくいため、すり身
中への風味の拡散あるいはだし汁等外部への風味の移行
も防止できる。しかし、この水産練り製品の製造時にお
いてすり身を加熱する際に乳化油脂組成物が一部解乳化
する場合があった。また、強力な乳化剤を用いた安定な
油中水型乳化油脂組成物では、水産練り製品の製造時に
おいて解乳化しにくくなるが、その後喫食前の加熱によ
っても解乳化しにくい為、風味素材がすり身中にあまり
滲出せず、その為目的の風味が出せない場合もあった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこのような現
状に鑑み、水産練り製品に特定の乳化剤を使用した油中
水型乳化油脂組成物を加え、製造時の加熱など1回目の
加熱では解乳化しにくく、2回目以降の加熱調理によっ
てはじめて乳化油脂組成物の乳化状態が壊れ、解乳化す
ることにより、ジューシー感と旨味を有し、しかも飛散
しやすい風味を残存させることができる水産練り製品の
製法を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記の目的
を達成するために鋭意研究を重ねた結果、特定の乳化剤
を使用した油中水型乳化油脂組成物を、魚肉すり身を用
いた水産練り製品に添加することにより上記課題を解決
できることを見出し、次の発明を完成するに至った。 (1)乳化剤としてポリグリセリン縮合リシノレイン酸
エステル、グリセリン飽和脂肪酸モノエステルを使用し
た油中水型乳化油脂組成物を魚肉すり身に添加すること
を特徴とする水産練り製品の製造法。 (2)油中水型乳化油脂組成物において、油相と水相の
合計量中油相が30〜70重量%、水相が70〜30重
量%からなることを特徴とする上記記載の水産練り製品
の製造法。 (3)乳化剤として、さらにグリセリン不飽和脂肪酸モ
ノエステル、蔗糖不飽和脂肪酸ポリエステル、ポリグリ
セリン脂肪酸エステルからなる群よりなる1種又は2種
以上を使用した油中水型乳化油脂組成物を用いることを
特徴とする上記記載の水産練り製品の製造法。 (4)魚肉すり身100重量部に対して油中水型乳化油
脂組成物の添加量が1〜30重量部である上記記載の水
産練り製品の製造法。 (5)上記記載の水産練り製品の製造法によって得られ
る水産練り製品。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明につき、さらに詳細
に説明する。
【0007】本発明の水産練り製品は、魚肉をすりつぶ
した魚肉すり身に、必要に応じて調味料など副原料を加
え加熱して製造される食品である。魚肉すり身に用いら
れる魚肉としては、スケソーダラ、ほっけ、鯛、いわ
し、たこ、いか、かに、えび等の魚介類が挙げられる。
水産練り製品の例としては、かまぼこ、ちくわ、魚肉ソ
ーセージ、ハンペン、さつまあげ、ごぼう天、角天、平
天、えびシュウマイ、かにシュウマイ、えび餃子、つみ
れなどをあげることができる。また、すり身入りたまご
焼きや魚肉ハンバーグなど魚肉すり身を一部に用い焼
成、あるいはフライ等により加熱した加工食品も本発明
にいう水産練り製品に含まれる。本発明においては魚肉
すり身を20重量%以上、あるいは30重量%以上、さ
らには50重量%以上含む水産練り製品に好ましく用い
ることができる。
【0008】本発明に使用する油中水型乳化油脂組成物
に用いられる乳化剤は、ポリグリセリン縮合リシノレイ
ン酸エステル、グリセリン飽和脂肪酸モノエステルであ
る。ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステルについ
ては、ポリグリセリン系の乳化剤であって、主としてヒ
マシ油を原料とする縮合リシノレイン酸とポリグリセリ
ンとのエステル化により得ることができる。かかるポリ
グリセリン縮合リシノレイン酸エステルの使用量は、油
中水型乳化油脂組成物100重量%中、0.1〜1重量
%が好ましく、更に好ましい範囲は0.2〜0.8重量
%である。使用量が0.1重量%より少ないと油中水型
乳化油脂組成物自体の乳化が満足に得られない恐れがあ
る。一方、1重量%より多いと、油中水型乳化油脂組成
物自体の乳化が強固になりすぎ、解乳化が起こりにくく
なるだけでなく、乳化剤特有の悪い風味が水産練り製品
に影響する恐れがある。
【0009】本発明においては上記のポリグリセリン縮
合リシノレイン酸エステルに加えてグリセリン飽和脂肪
酸モノエステルが用いられる。グリセリン飽和脂肪酸モ
ノエステルを構成する脂肪酸は炭素数16〜22の飽和
脂肪酸であることが好ましい。かかるグリセリン飽和脂
肪酸モノエステルの使用量は、油中水型乳化油脂組成物
100重量%中、0.02〜0.5重量%が好ましく、
更に好ましい範囲は0.05〜0.2重量%である。使
用量が0.02重量%より少ないと油中水型乳化油脂組
成物の解乳化が満足に得られず、水産練り製品のジュー
シー感など食味、食感が低下する恐れがある。一方、
0.5重量%より多いと、油中水型乳化油脂組成物自体
の乳化安定性が悪化し、水分離の問題が生じる恐れがあ
るだけでなく、乳化剤特有の悪い風味が水産練り製品に
影響する恐れがある。
【0010】本発明においては上記のポリグリセリン縮
合リシノレイン酸エステル、グリセリン飽和脂肪酸モノ
エステルに加えて、ポリグリセリン脂肪酸エステル、グ
リセリン不飽和脂肪酸モノエステル、蔗糖不飽和脂肪酸
ポリエステルからなる群から選ばれる1種又は2種以上
をさらに添加することが好ましい。更には、ポリグリセ
リン脂肪酸エステルとグリセリン不飽和脂肪酸モノエス
テル、或いは、蔗糖不飽和脂肪酸ポリエステルとグリセ
リン不飽和脂肪酸モノエステルの2種を併用して添加す
ることが好ましい。そして、ポリグリセリン脂肪酸エス
テルを構成する脂肪酸は特に限定されず、例えば、オレ
イン酸、エルカ酸、リノール酸などの不飽和脂肪酸、パ
ルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸などの飽和脂肪酸
が挙げられ、これらは1種または2種以上を組み合わせ
て用いることができる。また、グリセリン不飽和脂肪酸
モノエステル、蔗糖不飽和脂肪酸ポリエステルを構成す
る不飽和脂肪酸についても特に限定されず、例えば、オ
レイン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキジン酸、ア
ラキドン酸、エルカ酸等が挙げられ、これらは1種また
は2種以上を組み合わせて用いることができる。また、
グリセリン不飽和脂肪酸モノエステルはグリセリン飽和
脂肪酸エステルと混合しても用いられる。かかるグリセ
リン不飽和脂肪酸モノエステルの使用量は、油中水型乳
化油脂組成物100重量%中、0.1〜0.5重量%が
好ましく、更に好ましい範囲は0.1〜0.3重量%で
ある。使用量が0.1重量%より少ないと乳化物の解乳
化が満足に得られず、水産練り製品のジューシー感が低
下する恐れがある。一方、0.5重量%より多いと、油
中水型乳化油脂組成物自体の乳化安定性が悪化し、水分
離の問題が生じる恐れがあるだけでなく、乳化剤特有の
悪い風味が水産練り製品に影響する恐れがある。蔗糖不
飽和脂肪酸ポリエステルの使用量は、油中水型乳化油脂
組成物100重量%中、0.05〜0.3重量%が好ま
しく、さらに好ましい範囲は0.05〜0.2重量%で
ある。使用量が0.05重量%より少ないと油中水型乳
化油脂組成物自体の乳化が不安定になる恐れがある。一
方、0.3重量%より多いと、油中水型乳化油脂組成物
自体の乳化が強固になりすぎ、解乳化が起こらなくなる
恐れがあるだけでなく、乳化剤特有の悪い風味が水産練
り製品に影響する恐れがある。ポリグリセリン脂肪酸エ
ステルの量は、油中水型乳化油脂組成物100重量%
中、0.05〜0.3重量%が好ましく、さらに好まし
い範囲は0.05〜0.2重量%である。使用量が0.
05重量%より少ないと油中水型乳化油脂組成物自体の
乳化が不安定になる恐れがある。一方、0.3重量%よ
り多いと、油中水型乳化油脂組成物自体の乳化が強固に
なりすぎ、解乳化が起こらなくなる恐れがあるだけでな
く、乳化剤特有の悪い風味が水産練り製品に影響する恐
れがある。
【0011】さらに本発明の水産練り製品に添加される
油中水型乳化油脂組成物には、上記乳化剤の他、さらに
解乳化の制御を行うため、あるいは油中水型乳化油脂組
成物自体の乳化安定性を向上するため、グリセリン有機
酸脂肪酸モノエステル、レシチン、ソルビタン脂肪酸エ
ステル、ステアロイル乳酸カルシウム(CSL)等の乳
化剤を併用することができる。
【0012】本発明に使用する油中水型乳化油脂組成物
に用いられる油脂は、食用に適するものであれば特に限
定されないが、例えば、コーン油、あまに油、桐油、サ
フラワー油、かや油、胡桃油、芥子油、向日葵油、綿実
油、菜種油、大豆油、辛子油、カポック油、米糠油、胡
麻油、玉蜀黍油、落花生油、オリーブ油、椿油、茶油、
ひまし油、椰子油、パーム油、パーム核油、カカオ脂、
シア脂、ボルネオ脂等の植物油脂や、魚油、鯨油、牛
脂、豚脂、乳脂、羊脂等の動物油脂が挙げられ、また、
それらの硬化油、エステル交換油、分別油等から目的に
応じて適宜選択し、これを単独で、あるいは組み合わせ
て使用することができる。
【0013】本発明の水産練り製品に添加される油中水
型乳化油脂組成物の油相としては30〜70重量%が好
ましい。さらに好ましい範囲は40〜60重量%であ
る。油相が30重量%より少ないと、水相が多すぎるた
め油中水型乳化油脂組成物自体の油中水型乳化が不安定
となる恐れがある。一方、70重量%より多いと水相が
少なくなり、商品へのジューシー感の付与が満足にでき
なくなる恐れがある。また、水相としては70〜30重
量%が好ましい。さらに好ましい範囲は60〜40重量
%である。水相が70重量%より多いと、水相が多すぎ
るため油中水型乳化油脂組成物自体の油中水型乳化が不
安定となる恐れがある。一方、30重量%より少ないと
油相が多くなり、水産練り製品へのジューシー感、旨味
の付与が満足にできなくなる恐れがある。
【0014】なお、本発明に用いる油中水型乳化油脂組
成物中には、該乳化油脂組成物を安定化させるためのデ
キストリン類、澱粉類、キサンタンガム、グアーガム等
の増粘多糖類、商品性を向上するための糖類、呈味材、
調味料、エキス類、香辛料等を使用しても何ら問題な
い。また、商品の保水性を高めたり、食感を改良するた
め、セルロース及びその誘導体、ポリデキストロース、
小麦ふすま、大豆繊維等の食物繊維を使用することもで
きる。さらに、香料、着色料、酸化防止剤等も適宜使用
することができる。そして、本発明の水産練り製品に添
加される油中水型乳化油脂組成物は、例えば以下のよう
にして製造することができる。まず、油脂中に乳化剤を
加え、70℃に加熱、溶解したものを油相とする。一
方、水に調味料、エキス類、デキストリン類を加え、十
分混合した後に70℃に加熱して殺菌し、水相とする。
油相中に水相を徐々に加えて油中水型に乳化した後冷却
して油中水型乳化油脂組成物を得る。このようにして得
られた油中水型乳化油脂組成物は、魚肉すり身を主とす
る水産練り製品の材料を混練したものに添加され、更に
混練した後、必要な調理を施して所望の水産練り製品を
製造できる。水産練り製品の種類あるいは期待効果の度
合いによっても異なるが、加熱前の魚肉すり身100重
量部に対して油中水型乳化油脂組成物を好ましくは1〜
30重量部、更に好ましくは2〜10重量部の割合で練
り込んで使用することができる。
【0015】これら魚肉すり身を原料とした水産練り製
品において、油中水型乳化油脂組成物を直接に注入した
り、練り込んだりすることが困難な場合、卵白、カゼイ
ン、カゼインナトリウム、乳清蛋白質等の蛋白素材や、
別の親水性の強い乳化剤を使用して油中水型乳化油脂組
成物を調味液、ピックル液等の水系のものと水中油型に
乳化させて魚肉すり身に対して親和性を高めてから添加
することも可能である。
【0016】また、魚肉すり身は一般に加熱すると収縮
し、水分が押し出されボリューム感やジューシー感がな
くなる傾向がある。この傾向は特に2回目の加熱の際に
顕著である。ところが本発明の水産練り製品では、乳化
物が魚肉組織に浸透して蛋白が癒着しにくいためと推定
されるが、加熱による収縮が小さいという利点があるこ
とも判明した。
【0017】上記のごとく、本発明の水産練り製品にお
いては、添加された油中水型乳化油脂組成物が1次加熱
時には油脂として振る舞うため製造工程を損なわず、2
次加熱以降にはじめて、解乳化を起こして水相部が流出
するためため効率良くジューシー感を付与することがで
きる。さらに、2次加熱されるまで油中水型乳化を保っ
ているので水相部分に揮発性の高い風味素材や飛散しや
すい風味素材を閉じこめておくことができるため、水産
練り製品を製造する際、直接風味素材を添加するよりも
はるかに少量で目的とする風味を効率良く付与すること
も可能となる。また、本発明の水産練り製品では加熱に
よる収縮が小さいという利点もある。
【0018】
【実施例】以下に実施例を示し、本発明をより具体的に
説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定される
ものではない。なお、実施例において部は重量部であ
る。 (実施例1〜2、比較例1〜3)表1に示す配合によ
り、食用油脂にポリグリセリン縮合リシノレイン酸エス
テル、グリセリン飽和脂肪酸モノエステル、グリセリン
不飽和脂肪酸モノエステル、及び蔗糖不飽和脂肪酸ポリ
エステルを加えて混合し、70℃まで加温、溶解したも
のを油相とした。一方、水に食塩、ビーフエキス、チキ
ンエキス等の調味料等を加え、十分混合した後に70℃
に加熱して殺菌し、水相とした。油相中に水相を徐々に
加えて油中水型に乳化した後冷却して本発明の水産練り
製品に添加するための油中水型乳化油脂組成物を得た。
【0019】
【表1】 次に、実施例1〜2、比較例1〜2の油中水型乳化油脂
組成物を用いたえび餃子の使用例を示す。
【0020】魚肉すり身37部に、えび15部、玉葱1
0部、馬鈴薯澱粉10部、キャベツ5部、人参5部、タ
ケノコ5部、水7部、食塩1部、みりん(鐘淵化学工業
(株)製、商品名「味いっぴん」)1部、ごま油0.7
部、砂糖0.5部、グルタミンソーダ0.4部、香辛料
0.4部を添加して混練した後、乳化油脂組成物(比較
例3については、乳化油脂組成物の代わりに豚脂を使用
した)3部を加えさらに混練を行ってあん(具材)を得
た。あんを餃子の皮にて包み、トレイに入れて蒸し加熱
により調理を行い、えび餃子を得た。これを袋に入れて
チルド(5℃)にて5日間保管した。試食による官能評
価に当たっては、トレイからえび餃子を取り出して蒸し
器に移し、再度蒸し加熱調理を行った。評価について
は、10名のパネラーによる官能評価を行った。1点
(非常に悪い、或いは、喫食に耐えたれないほど美味し
くない)〜10点(非常に好ましい、あるいは、非常に
美味しい)の10段階で評価し、10名の平均点を求め
た。評価結果を表2に示した。
【0021】
【表2】 (実施例3、実施例4)表3に示す配合により、菜種油
にポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル、グリセ
リン飽和脂肪酸モノエステル、ポリグリセリン脂肪酸エ
ステルを加えて混合し、70℃まで加温、溶解したもの
を油相とした。一方、水に魚醤、酵母エキスの調味料、
デキストリンを加え、十分混合した後に70℃に加熱し
て殺菌し、水相とした。油相中に水相を徐々に加え、ホ
モミキサーを用いて油中水型に乳化した後冷却して本発
明の水産練り製品に添加するための油中水型乳化油脂組
成物を得た。
【0022】
【表3】 次に、実施例3、実施例4の油中水型乳化油脂組成物を
用いたおでん種(角天)の使用例を示す。
【0023】魚肉すり身53部に、小麦グルテン1部、
馬鈴薯澱粉8部、氷30部、食塩1.5部、みりん(鐘
淵化学工業(株)製、商品名「味いっぴん」)2部、ご
ま油1部、砂糖1部、香辛料0.5部を添加して混練し
た後、本発明の油中水型乳化油脂組成物2部を加えさら
に混練を行い、成形後フライし、角天を得た。なお、実
施例4については、上記原材料に魚醤0.3部、酵母エ
キス0.1部を直接生地に添加して実施例3の魚醤、酵
母エキス相当量に合わせた。評価に当たっては、市販の
おでんのだし汁(塩分1%)と角天(塩分約2%)を耐
熱性袋に入れ密封して85℃、1時間ボイル加熱殺菌を
行った。これをチルドにて2週間保存した後、再度ボイ
ル加熱により調理を行い、官能評価した。その結果、実
施例3、4の角天は、ともに保型性およびジューシー感
が従来のものより良かった。しかし、練り製品としての
風味・旨味に関しては、実施例3の角天は強く、濃く感
じられた。
【0024】
【発明の効果】以上の結果からも明らかなように、本発
明による油中水型乳化油脂組成物を添加したエビ餃子等
の水産練り製品はすぐれた商品自体の保型性、風味、ジ
ューシー感を有する。また、本発明による油中水型乳化
油脂組成物を添加したおでん種等の水産練り製品は、お
でん種のもつ好ましい風味をだし汁中に移行するのを防
止することができる。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 乳化剤としてポリグリセリン縮合リシノ
    レイン酸エステル、グリセリン飽和脂肪酸モノエステル
    を使用した油中水型乳化油脂組成物を魚肉すり身に添加
    することを特徴とする水産練り製品の製造法。
  2. 【請求項2】 油中水型乳化油脂組成物において、油相
    と水相の合計量中油相が30〜70重量%、水相が70
    〜30重量%からなることを特徴とする請求項1記載の
    水産練り製品の製造法。
  3. 【請求項3】 乳化剤として、さらにグリセリン不飽和
    脂肪酸モノエステル、蔗糖不飽和脂肪酸ポリエステル、
    ポリグリセリン脂肪酸エステルからなる群より1種又は
    2種以上を使用した油中水型乳化油脂組成物を用いるこ
    とを特徴とする請求項1〜2いずれかに記載の水産練り
    製品の製造法。
  4. 【請求項4】 魚肉すり身100重量部に対して油中水
    型乳化油脂組成物の添加量が1〜30重量部である請求
    項1〜3いずれかに記載の水産練り製品の製造法。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4いずれかに記載の水産練り
    製品の製造法によって得られる水産練り製品。
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