JP2002300455A - カメラシステム - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 撮像素子周辺に異物が付着したことを検出す
る場合に、撮影レンズを透過してきた光束を使用する
と、撮影レンズの仕様や撮影条件によって安定した異物
検出ができない。 【解決手段】 撮影レンズ２０の着脱が可能なカメラ本
体１内に設けられた撮像素子１５により画像撮影を行う
カメラシステムにおいて、カメラ本体内に設けられて撮
像素子を照明する照明手段４と、撮像素子への外光入射
を遮断又は制限した状態で照明手段により照明した撮像
素子からの出力信号に基づいて、撮像素子又はその近傍
に異物が付着しているか否かを判別する判別手段１０８
とを設ける。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、撮像素子を用いて
画像撮影を行うレンズ交換式のデジタルカメラシステム
に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】レンズ交換が可能な一眼レフデジタルカ
メラでは、レンズ交換やミラーの駆動、シャッターの作
動によってカメラ内の塵やゴミなどの異物が移動し、撮
像素子のカバーガラス上や撮像素子の近傍に配置された
光学フィルタ（ローパスフィルタや赤外カットフィル
タ）の表面に付着することがある。そして、異物が付着
した状態で撮影を行うと、被写体像とともに異物の影が
撮像素子によって撮像されてしまい、良好な撮影ができ
なくなるという問題がある。

【０００３】このような問題を解決するために、光学フ
ィルタと撮像素子とを離して配置し、光学フィルタと撮
像素子の間をクリーンな密閉空間とすることによって、
撮像素子上に直接異物が付着することを防止する構造が
提案されている。

【０００４】また、特開平１１−２３４５４３号公報に
は、撮像素子の出力信号から撮影レンズの汚れを検出す
るビデオカメラが提案されている。このカメラでは、動
画を撮影しながら撮影画像の中の固定低域成分を検出す
ることによって撮影レンズの汚れを検知するものであ
る。

【０００５】さらに、特開平１１−２４９００４号公報
には、一眼レフカメラなどに使用される位相差検出方式
の光学系に異物が付着した場合の検出方法とイメージセ
ンサの出力信号の補正手段が提案されている。このカメ
ラでは、均一に照明されたイメージセンサの出力信号の
うち隣接する画素からの出力信号の差分値を積分し、こ
の積分値が所定の値より大きいか否かによって異物の検
出を行って、異物が検出されると異物によって低下した
イメージセンサの出力信号が正常な値になるように各画
素の感度補正データを変更するようにしたものである。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、交換レ
ンズのフランジバックが決まっている一眼レフカメラで
は、撮像素子が小さいものでは上記光学フィルタと撮像
素子との間隔を離す対策を採るためのスペースの確保が
可能であるが、近年の高画素化に伴う撮像素子の大型化
によってこのような対策をとるためのスペース確保が困
難になってきている。

【０００７】また、このような異物は付着している場所
と大きさ、さらに撮影レンズの絞り値によっては、この
異物の影が撮像素子上でぼけてしまい、異物による悪影
響が分かりにくくなる場合がある。そして、この場合、
撮影者が異物の付着に気づかずに撮影を続け、撮影後に
撮影条件の異なるシーンでこの異物による悪影響に気づ
くという問題がある。

【０００８】つまり、撮影レンズ内を透過してきた光束
によって発生する異物の影は、撮影レンズの絞り値によ
ってぼけ方が異なり、明るいレンズを開放で使用すると
異物の影は大きくぼけるために、小さな異物は発見でき
ない。一方、絞りを絞ったり暗いレンズを使用したりす
ると、異物の影はあまりぼけないため、比較的小さな異
物の影でも発見できるようになる。

【０００９】このように、撮影レンズを透過してきた光
束を使用して異物の検出を行うと、検出可能な異物の大
きさが、撮影レンズの仕様や撮影条件によって異なり、
安定した異物検出ができない。

【００１０】また、撮影レンズを透過した光束では撮像
素子上に被写体像も結像してしまうために被写体像を異
物と誤判断することがあり、正確な異物検知ができない
という問題がある。

【００１１】このため、撮影前に撮影結果に悪影響を及
ぼす可能性のある異物を簡単で正確に検出する機能の必
要性が高まっている。

【００１２】

【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、本発明では、撮影レンズの着脱が可能なカメラ本
体内に設けられた撮像素子により画像撮影を行うカメラ
システムにおいて、カメラ本体内に設けられて撮像素子
を照明する照明手段と、撮像素子への外光入射を遮断又
は制限した状態で照明手段により照明した撮像素子から
の出力信号に基づいて、撮像素子又はその近傍に異物が
付着しているか否かを判別する判別手段とを設けてい
る。

【００１３】すなわち、カメラ本体内への外光（撮影レ
ンズやファインダー光学系から入射する外光）を遮断又
は制限した状態で主として照明手段からの照明光を受け
た撮像素子からの出力信号に基づいて異物の付着を判別
するようにして、撮影レンズの仕様や撮影条件によって
検出結果が左右されることなく、正確にかつ安定して撮
像素子又はその近傍（例えば、光学フィルタ）への異物
の付着を検出することを可能としている。

【００１４】なお、異物の付着を判別した場合には、撮
影者に異物除去を促す警告動作を行わせるようにすると
よい。

【００１５】これにより、撮影者に異物の除去のための
クリーニングを行わせて、撮影画像に対する異物の影響
を撮影前に未然に防止することが可能となる。

【００１６】また、具体的には、カメラ本体に対して絞
り装置を内蔵した撮影レンズの着脱を可能とするととも
に、カメラ本体内に撮影レンズからの入射光をファイン
ダー光学系に導くミラー部材を有する場合には、絞り装
置を全閉又は小絞り動作させるとともに、ミラー部材を
ファインダー光学系からカメラ本体内への外光入射を遮
断する位置に動作させた状態で上記判別を行うようにす
ればよい。

【００１７】但し、絞り装置を小絞り動作させた場合で
も、絞り装置を通過して撮像素子に入射する外光量が所
定値以上の場合には判別を行わず、警告動作を行うよう
にするのがよい。

【００１８】

【発明の実施の形態】（第１実施形態）図１には、本発
明の第１実施形態であるデジタル一眼レフカメラシステ
ムの構成を示している。

【００１９】この図において、交換式の撮影レンズ（以
下、交換レンズという）２０は、カメラ本体１のマウン
ト部２と交換レンズ２０のマウント部２２とによって接
続固定される。そして、カメラ本体１の接点部３と交換
レンズ２０の接点部２４とが接触することによって電気
的な接続がなされ、これら接点部を介してカメラ本体１
から交換レンズ２０への電力供給や交換レンズ２０を制
御するための信号の通信が行われる。

【００２０】交換レンズ２０内のレンズ系２１および絞
り２３を透過した光束は、カメラ本体１内のメインミラ
ー５に入射する。メインミラー５はハーフミラーとなっ
ており、このメインミラー５で反射した光束は、ピント
板９，ペンタプリズム１１および接眼レンズ１２により
構成されるファインダー光学系へと導かれる。また、メ
インミラー５を透過した光束は、サブミラー７によって
下方へ反射され、焦点検出装置１６へと導かれる。

【００２１】焦点検出装置１６は、レンズ系２１のデフ
ォーカス量を検出し、レンズ系２１が合焦状態となるよ
うにレンズ系２１を駆動するためのレンズ駆動量を演算
し、このレンズ駆動量を上記接点部３，２４を介して交
換レンズ２０側へ送出する。これにより、交換レンズ２
０内に設けられたレンズＣＰＵ２０７（図４参照）は、
フォーカス駆動モーター２０５を制御して、レンズ系２
１を駆動し、焦点調節を行う。

【００２２】メインミラー５はミラー保持枠６に接着固
定されており、ミラー保持枠６に設けられたヒンジ軸６
ａは不図示のミラーボックスにより上下方向に回転可能
に支持されている。

【００２３】また、サブミラー７は、サブミラー保持枠
８に対して接着固定されており、このサブミラー保持枠
８は不図示のヒンジ軸によってメインミラー保持枠６に
より展開・折り畳み回転が可能に支持されている。

【００２４】メインミラー５によってファインダー光学
系へと導かれた光束は、このファインダー光学系を構成
するピント板９に被写体像を結像し、撮影者はペンタプ
リズム１１および接眼レンズ１２を介してこのピント板
９上の被写体像を観察することができる。

【００２５】また、メインミラー５およびサブミラー７
の後方には、シャッタ１３が配置されており、このシャ
ッタ１３におけるシャッタ先幕１３ａは非撮影時は閉じ
た状態になっている。

【００２６】シャッタ１３の後方には、光学ローパスフ
ィルタおよび赤外線カットフィルタを一体化した光学フ
ィルタ１４が配置されている。撮影時には、シャッタ先
幕１３ａが開いたシャッタ１３を通過し、光学フィルタ
１４を透過した光束が、さらにその後方に配置された撮
像素子１５へと入射する。

【００２７】ＬＥＤ（照明手段）４は、カメラ本体１内
におけるメインミラー５の下方（ミラーボックスの下面
側）に配置されており、後述するように異物を検知する
際には、ミラーボックスの下面に形成された開口部を通
じて撮像素子１５を照明するため点灯する。

【００２８】このように構成されたカメラにおいて、比
較的大きな撮像素子１５を搭載する場合、ピント板９や
メインミラー５を小型化することができないために光学
フィルタ１４と撮像素子１５との間隔を広げるような構
成をとることが困難である。このため、光学フィルタ１
４上に付着した塵などの異物と撮像素子１５の距離が近
くなり、異物の影が大きくぼけることなく撮像素子１５
上の被写体像内に写ってしまう。

【００２９】このような状態で撮影した画像は、異物の
黒い影が写り込んだものとなり、画像の品位が大幅に低
下する。このため、このような異物の付着を撮影前に検
知し、必要に応じてクリーニングできるようにする必要
がある。

【００３０】図２には、異物検知を行う際のカメラの動
作状態を示している。異物検知を行うには、ミラーボッ
クス内（つまりはカメラ本体１内）を暗くするために、
まず最初にミラーアップ動作によってメインミラー５と
サブミラー７を撮影光路外に退避させ、メインミラー保
持枠６およびサブミラー保持枠８によって、ファインダ
光学系の接眼レンズ１２からミラーボックス内に入射し
てくる外光を遮断する。

【００３１】次に、カメラ本体１と交換レンズ２０の接
点部３，２４を介した通信によって、交換レンズ２０に
内蔵された絞り２３の絞り羽根２３ａを全閉動作させ、
交換レンズ２０からミラーボックス内に入射する光束を
遮断する。

【００３２】そして、シャッタ１３のシャッタ先幕１３
ａを走行させ、シャッタ１３を開状態にする。

【００３３】こうしてカメラ本体１外からの光がミラー
ボックス内に入り込まないようにするとともに、ＬＥＤ
４と撮像素子１５の間のシャッタ先幕１３ａが開いた状
態になってから、ＬＥＤ４によって撮像素子１５をほぼ
均一に照明する。撮像素子１５はこの状態で電荷蓄積お
よび像信号の読み出しを行い、この像信号から光学フィ
ルタ１４上の異物の有無を判別する。

【００３４】ここで、前述したように、交換レンズ２０
の仕様や撮影条件に応じて交換レンズ２０やファインダ
ー光学系を通って入射する外光が明るいと、異物の影が
撮像素子１５上でぼけてしまうので、本実施形態では、
点光源に近いＬＥＤ４によって撮像素子１５を、少なく
とも上記外光よりも明るく照明することによって、異物
の影をぼけにくくし、小さな異物をも正確に、かつ撮影
レンズの影響を受けずに安定して検出できるようにして
いる。

【００３５】図３には、異物検出原理を説明するため、
撮像素子１５の近傍を拡大して示している。撮像素子１
５は、撮像部１５ａと、セラミックパッケージ１５ｂ
と、カバーガラス１５ｄとから構成されている。

【００３６】図３は、撮像素子１５のカバーガラス１５
ｄの直前に配置された光学フィルタ１４の表面に異物１
９が付着した状態を示している。この異物１９によって
ＬＥＤ４による照明光が遮られ、影１９ａができてい
る。この状態で、撮像素子１５における影１９ａが投影
された部分の出力信号は、周囲の影ができていない部分
の出力信号より低くなる。このため、この出力信号が低
下している部分を検出することによって、光学フィルタ
１４に付着した異物１９を検出することができる。

【００３７】図４には、上記カメラシステムの電気回路
構成を示している。カメラ本体１と交換レンズ２０は、
上記接点３，２４のうち通信用接点１２０，２２０と電
源用接点１２１，２２１によって電気的に接続されてい
る。

【００３８】カメラ本体１には、メインミラー５および
サブミラー７を駆動するミラー駆動回路１０５と、レン
ズ系２１のデフォーカス量を検出する焦点検出装置１６
と、撮影時の露出を決めるために被写体輝度を測定する
測光回路１０４と、シャッタ１３のシャッタ先幕１３ａ
を駆動するためのシャッタ駆動回路１０６とが設けられ
ている。

【００３９】また、カメラ本体１には、光学フィルタ１
４上の異物検知を行う際に撮像素子１５を照明するＬＥ
Ｄ４を駆動するＬＥＤ駆動回路１１８と、撮像素子１５
を駆動して撮像素子１５から撮像信号の読み出しを行う
撮像素子駆動回路１１２と、読み出した撮像信号を記憶
するためのＲＡＭ１１３と、このＲＡＭ１１３に記憶さ
れた撮像信号を所定の画像データに変換する信号処理回
路１１４と、画像データを記憶するためのフラッシュメ
モリ１１５とが設けられている。

【００４０】さらに、カメラ本体１には、カメラ本体１
内の各回路および交換レンズ２０への電力供給を行うカ
メラ電源回路１０９と、これらの回路の制御および交換
レンズ２０側へのレンズ制御信号の通信を行うカメラＣ
ＰＵ１０８とが設けられている。

【００４１】一方、交換レンズ２０には、焦点検出装置
１０３のデフォーカス量に基づいてカメラＣＰＵ１０８
から送信された信号に応じてフォーカス駆動モーター２
０５を制御するフォーカス制御回路２０６と、カメラＣ
ＰＵ１０８から送信された信号に応じて、絞り２３の絞
り羽根２３ａを駆動する絞り駆動モーター２０３を制御
する絞り制御回路２０２と、交換レンズ２０内の各回路
に電力を供給するレンズ電源回路２０８と、カメラＣＰ
Ｕ１０８との通信結果に基づいて上記各回路を制御する
レンズＣＰＵ２０７とが設けられている。

【００４２】ファインダー光学系から入射する外光を遮
断するときには、カメラＣＰＵ１０８がミラー駆動回路
１０５を制御してメインミラー１０１およびサブミラー
１０２をミラーアップ状態にする。

【００４３】撮影レンズ２０１から入射する外光を遮断
するときには、カメラＣＰＵ１０８からレンズＣＰＵ２
０７に対して絞り２３を全閉する命令が送出されると、
これを受け取ったレンズＣＰＵ２０７は絞り制御回路２
０２を制御して絞り駆動モーター２０３を所定量駆動
し、絞り２３の絞り羽根２３ａを全閉位置に駆動する。

【００４４】シャッタ１３を開状態にするには、カメラ
ＣＰＵ１０８にからの信号によってシャッタ駆動回路１
０６を動作させることによってシャッタ先幕１３ａを開
方向に走行させる。

【００４５】異物検知を行うときには、ＬＥＤ駆動回路
１１８によってＬＥＤ４を点灯させて撮像素子１５を照
明し、光学フィルタ１４に付着した異物の影を、撮像素
子１５から読み出した撮像信号から検出する。撮像信号
から異物付着の検出を行うためには、撮像信号を信号処
理回路１１４によって画像データに変換し、この画像デ
ータから輝度成分を抽出する。そして、この輝度成分の
輝度値が、所定値よりも低い場合には、その低輝度成分
を出力している画素又は画素群部分に異物が付着してい
ると判定する。

【００４６】異物の付着が検出されると、カメラＣＰＵ
１０８は、ＬＣＤ駆動回路１１１によって表示用ＬＣＤ
（図示せず）を駆動制御して、異物が付着している旨を
示す情報をＬＣＤに表示し、撮影者に対して異物が付着
していることを知らせる。

【００４７】そして、撮影者はこのＬＣＤ表示を見るこ
とによって、光学フィルタ１４に異物が付着しているこ
とを認識できるので、交換レンズ２０をカメラ本体１か
ら取り外して異物を除去するためのクリーニングを行わ
なければいけないかどうかを撮影前に簡単に知ることが
できる。

【００４８】これによって、従来のように、撮影された
結果の画像を注意深く見てはじめて異物の付着に気が付
くといった、撮影画像への異物の写り込みを未然に防ぐ
ことができる。

【００４９】図５には、上述した異物検出のための主と
してカメラＣＰＵ１０８（判別手段）の動作を示すフロ
ーチャート（通常のカメラ動作を制御するためのメイン
ルーチンに対するサブルーチン）を示している。

【００５０】異物検出のサブルーチンがコールされる
と、カメラＣＰＵ１０８は、ステップ（１０１）に進ん
で異物検出動作をスタートし、ステップ（１０２）へ進
む。

【００５１】ステップ（１０２）では、カメラＣＰＵ１
０８はレンズＣＰＵ２０７に対して絞り２３を閉じ（全
閉）状態に駆動させるための信号を送出し、これを受け
たレンズＣＰＵ２０７は絞り駆動回路２０２を通じて絞
り駆動モーター２０３を制御し、絞り２３の絞り羽根２
３ａを閉じ状態にさせて交換レンズ２０から入射する外
光を遮断する。

【００５２】次に、ステップ（１０３）では、カメラＣ
ＰＵ１０８は、ミラー駆動回路１０５を通じてミラーア
ップ動作を行わせ、ファインダー光学系から入射する外
光を遮断する。

【００５３】次に、ステップ（１０４）では、カメラＣ
ＰＵ１０８は、シャッタ駆動回路１０６を通じてシャッ
タ１３のシャッタ先幕１３ａを開方向に走行させてシャ
ッタ１３を開状態にする。

【００５４】こうして異物検出の準備が整うと、続くス
テップ（１０５）にて、カメラＣＰＵ１０８は、ＬＥＤ
駆動回路１１８を通じてＬＥＤ４を点灯させ、撮像素子
１５を照明させる。

【００５５】そして、撮像素子１５を照明した状態で、
ステップ（１０６）にて、カメラＣＰＵ１０８は、撮像
素子駆動回路１１２を通じて撮像素子１１６を制御し、
受光部の電荷の蓄積を開始する。電荷の蓄積を開始して
から所定時間経過後、ステップ（１０７）にて電荷蓄積
を終了させる。

【００５６】次に、ステップ（１０８）では、カメラＣ
ＰＵ１０８はＬＥＤ４を消灯させ、続くステップ（１０
９）で、撮像素子１５の受光部で蓄積された電荷を転送
路に転送し、各画素の電荷（撮像信号）を順次電圧とし
て読み出し、これをＡ／Ｄ変換器（図示せず）によって
デジタル撮像データに変換し、ＲＡＭ１１３に記憶保存
させる。

【００５７】次に、ステップ（１０９）では、カメラＣ
ＰＵ１０８は、ＲＡＭ１１３に保存された撮像データを
読み出して、続くステップ（１１０）で、その撮像デー
タを信号処理回路１１４に演算処理させ、その結果から
光学フィルタ１４に異物の付着があるかどうかを判別す
る。なお、この演算処理の詳細については後述する。

【００５８】ステップ（１１１）では、カメラＣＰＵ１
０８は、異物検知処理が終了したことによってカメラシ
ステムの状態を初期状態に戻すため、シャッタ駆動回路
１０６を通じてシャッタ１３を閉状態にし、ステップ
（１１２）では、ミラー駆動回路１０５を通じてメイン
ミラー５をダウンさせ、ステップ（１１３）では、絞り
駆動回路２０２を通じて絞り駆動モーター２０３を制御
し、絞り２３を全開状態にする。

【００５９】全ての異物検知動作が終了すると、カメラ
ＣＰＵ１０８は、ステップ（１１４）にて異物検知のサ
ブルーチンをリターン（メインルーチンに復帰）する。

【００６０】図６には、上記ステップ（１１０）にて行
われる異物検出演算を行うためのサブルーチンのフロー
チャートを示している。

【００６１】ステップ（１１０）にて異物検出演算サブ
ルーチンがコールされると、カメラＣＰＵ１０８はステ
ップ（２０１）へ進み、異物検出演算を開始する。

【００６２】ステップ（２０２）では、ＲＡＭ１１３に
保存された撮像データを信号処理回路１１４にて画像デ
ータに変換させる。これにより、各画素の輝度データと
色データとが生成される。

【００６３】次に、ステップ（２０３）では、カメラＣ
ＰＵ１０８は、輝度データと色データとによって構成さ
れる画像データから輝度データだけを抽出する。そして
続くステップ（２０４）では、輝度データの値を所定値
と比較し、輝度データが所定値より低い低輝度エリアの
大きさを抽出する。

【００６４】次に、ステップ（２０５）では、カメラＣ
ＰＵ１０８は、ステップ（２０４）にて抽出された低輝
度エリアの大きさが所定の大きさより大きい場合には光
学フィルタ１４への異物の付着があるものとしてステッ
プ（２０７）へ移行し、そうでない場合には異物の付着
はないものとしてステップ（２０６）へと進む。

【００６５】ステップ（２０６）では、カメラＣＰＵ１
０８は、異物の付着を識別するためのＧＦフラグをリセ
ットし、ステップ（２０８）へと進む。一方、ステップ
（２０７）では、異物の付着を識別するＧＦフラグをセ
ットして、ステップ（２０８）へ進む。ステップ（２０
８）では、異物検出演算サブルーチンを終了してリター
ンする（ステップ（１１１）に進む）。

【００６６】こうして、ステップ（２０７）にてＧＦフ
ラグがセットされたときには、カメラＣＰＵ１０８は、
ステップ（２０７ａ）にてＬＣＤ駆動回路１１１を通じ
て表示用ＬＣＤに警告表示を行わせる。

【００６７】これにより、撮影者に光学フィルタ１４に
異物が付着していることを知らせ、撮影者に光学フィル
タ１４のクリーニングを撮影前に促す。

【００６８】（第２実施形態）上述した第１実施形態で
は、交換レンズ２０の絞り２３が完全に閉じ状態になる
場合について説明したが、本実施形態では、絞り２３が
完全に閉じ状態にならない場合の異物検出について説明
する。なお、本実施形態において、第１実施形態と共通
する構成要素には第１実施形態と同符号を付す。

【００６９】このような交換レンズ２０を用いる場合、
絞りを最小絞り（小絞り）径まで絞っても、外界の輝度
が高い場合には、異物検出のためのＬＥＤ４からの照明
光よりも強い外光が交換レンズ２０から入射してくるた
め、正確な異物検出ができなくなってしまう。

【００７０】そこで、本実施形態では、絞り２３を最小
絞り径まで絞った状態でピント面９上に結像した外界像
の輝度を測光回路１０４にて測光し、このときの測光輝
度（つまりは、撮像素子１５上の輝度）が正確な異物検
知をするのに不適切であると判断した場合には判別不能
である旨の警告表示をＬＣＤに表示させ、撮影者が交換
レンズ２０をレンズキャップで遮光したり外界部分のう
ち低輝度領域に交換レンズ２０を向けたり、手や物で交
換レンズ２０の前を覆って遮光するなどの対処を促した
場合には、正確な異物検出を行えるようにしたものであ
る。

【００７１】図７には、本発明の第２実施形態であるカ
メラシステムにおける異物検出のための主としてカメラ
ＣＰＵ１０８（判別手段）の動作を示すフローチャート
（通常のカメラ動作を制御するためのメインルーチンに
対するサブルーチン）を示している。

【００７２】異物検出サブルーチンがコールされると、
カメラＣＰＵ１０８は、ステップ（３０１）を経てステ
ップ（３０２）へと進み、ステップ（３０２）で、レン
ズＣＰＵ２０７および絞り制御回路２０２を通じて絞り
駆動モーター２０３を駆動し、絞り２３の絞り羽根２３
ａを最小絞り径となる位置まで駆動する。

【００７３】次に、ステップ（３０３）では、カメラＣ
ＰＵ１０８は、交換レンズ２０を透過してきた光束によ
ってピント板９上に結像した外界像の輝度を測光回路１
０４に測光させる。

【００７４】続くステップ（３０４）では、カメラＣＰ
Ｕ１０８は、ステップ（３０３）で測光させた外界輝度
が所定値より低い低輝度かどうかを判別し、異物検出を
行うのに問題とならない低輝度であると判断すると、ス
テップ（３０６）に進む。一方、低輝度ではなく正確な
異物検出ができないと判断すると、ステップ（３０５）
へと移行する。

【００７５】ステップ（３０５）では、カメラＣＰＵ１
０８はＬＣＤ駆動回路１１１を通じて表示用ＬＣＤに警
告表示を出す。これにより、撮影者に正確な異物検出が
できないことを知らせ、交換レンズ２０を手で覆う等、
上述した対処をするように促す。

【００７６】そして、警告表示を出すと、ステップ（３
１７）へ進み、このサブルーチンをリターンする。

【００７７】なお、ステップ（３０６）〜（３１６）
は、第１実施形態におけるステップ（１０３）〜（１１
３）と同じであるため、ここでの説明は省略する。

【００７８】このように、交換レンズ２０から最小絞り
状態の絞り２３を通じて入射してくる外光によって正確
な異物検出が困難な場合には、交換レンズ２０から入射
する光束を減らすように警告を出すことにより、絞りで
完全に外光遮断できない交換レンズでも異物検出を正確
に行うことができ、使用する交換レンズの選択可能な種
類を広くすることができる。

【００７９】（第３実施形態）上述した第２実施形態で
は、絞り２３の最小絞り径の開口から入射した外光の測
光値（輝度）が所定値より明るい場合には、異物付着が
あるかどうかの判別を行わないで異物検出動作サブルー
チンをリターンする場合について説明したが、本実施形
態では、測光値が所定の低輝度以下になるまで測光と警
告表示とを繰り返して、交換レンズ２０にレンズキャッ
プを被せる等して測光値が所定輝度以下となるまで待っ
て異物検出動作を開始するようにしている。

【００８０】図７には、本発明の第３実施形態であるカ
メラシステムにおける異物検出のための主としてカメラ
ＣＰＵ１０８（判別手段）の動作を示すフローチャート
（通常のカメラ動作を制御するためのメインルーチンに
対するサブルーチン）を示している。

【００８１】ステップ（４０１）〜（４０３）は第２実
施形態におけるステップ（３０１）〜（３０３）と同じ
である。

【００８２】ステップ（４０４）では、カメラＣＰＵ１
０８は、ステップ（４０３）で測光させた外界輝度が所
定値より低い低輝度かどうかを判別し、異物検出を行う
のに問題とならない低輝度であると判断すると、ステッ
プ（４０６）に進む。一方、低輝度ではなく正確な異物
検出ができないと判断すると、ステップ（４０５）へと
移行する。

【００８３】ステップ（４０５）では、カメラＣＰＵ１
０８は表示用ＬＣＤに警告表示を出す。これにより、撮
影者に交換レンズ２０に入射する光量を下げる対処をす
るように促し、ステップ（４０３）に戻って再度、測光
を行う。

【００８４】そして、撮影者が交換レンズ２０を手で覆
う等して測光値が所定値より下回ると、ステップ（４０
６）へ移行する。これにより、異物検出動作がただちに
開始される。

【００８５】ステップ（４０６）〜（４１７）は、第２
実施形態におけるステップ（３０６）〜（３１７）と同
様である。

【００８６】なお、上記各実施形態では、撮像素子１５
の近傍に配置された光学フィルタ１４に付着した異物の
検出を行う場合について説明したが、本発明は、光学フ
ィルタを持たない場合や光学フィルタが撮像素子と一体
化されている場合等に、撮像素子自体に付着した異物を
検出することにも用いることができる。

【００８７】

【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
カメラ本体内への外光（撮影レンズやフィルタ光学系か
らの外光）を遮断又は制限した状態で主として照明手段
からの照明光を受けた撮像素子からの出力信号に基づい
て異物の付着を判別するようにしているので、撮影レン
ズの仕様や撮影条件によって検出結果が左右されること
なく、撮影前に正確にかつ安定して撮像素子又はその近
傍（例えば、光学フィルタ）への異物の付着を検出する
ことができる。

【００８８】したがって、異物の付着検出に応じた警告
動作を行うことができ、この警告動作によって撮影者に
撮像素子又はその近傍に付着した異物を除去することを
促して撮影画像への異物の写り込みを未然に防止するこ
とができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１実施形態であるデジタル一眼レフ
カメラシステムの中央断面図である。

【図２】上記第１実施形態のカメラシステムの異物検出
を行う状態の中央断面図である。

【図３】上記第１実施形態のカメラシステムにおける異
物検出原理を説明するための撮像素子近傍の拡大図であ
る。

【図４】上記第１実施形態のカメラシステムにおける電
気回路を示すブロック図である。

【図５】上記第１実施形態のカメラシステムにおける異
物検出動作のフローチャートである。

【図６】上記第１実施形態のカメラシステムにおける異
物検出動作のフローチャートである。

【図７】本発明の第２実施形態であるカメラシステムに
おける異物検出動作のフローチャートである。

【図８】本発明の第３実施形態であるカメラシステムに
おける異物検出動作のフローチャートである。

【符号の説明】

１ カメラ本体 ４ ＬＥＤ ５ メインミラー ７ サブミラー ９ ピント板 １１ ペンタプリズム １２ 接眼レンズ １３ シャッタ １４ 光学フィルタ １５ 撮像素子 １９ 異物 ２０ 交換レンズ

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁷ 識別記号 ＦＩ テーマコート゛(参考） Ｇ０３Ｂ 17/14 Ｇ０３Ｂ 17/14 ５Ｃ０２２ 19/02 19/02 ５Ｃ０２４ Ｈ０４Ｎ 5/335 Ｈ０４Ｎ 5/335 Ｚ Ｆターム(参考） 2H018 AA21 BE06 2H054 AA01 BB04 2H080 CC03 2H081 DD02 2H101 EE08 5C022 AA13 AC18 AC42 AC69 5C024 AX02 BX01 CY17 DX04 EX23 EX31 GY01

Claims (9)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 撮影レンズの着脱が可能なカメラ本体内
   に設けられた撮像素子により画像撮影を行うカメラシス
   テムにおいて、 前記カメラ本体内に設けられ、前記撮像素子を照明する
   照明手段と、 前記撮像素子への外光入射を遮断又は制限した状態で、
   前記照明手段により照明した前記撮像素子からの出力信
   号に基づいて、前記撮像素子又はその近傍に異物が付着
   しているか否かを判別する判別手段とを有することを特
   徴とするカメラシステム。
2. 【請求項２】 前記カメラ本体に対して絞り装置を内蔵
   した撮影レンズの着脱が可能であるとともに、前記カメ
   ラ本体内に前記撮影レンズからの入射光をファインダー
   光学系に導くミラー部材を有しており、 前記判別手段は、前記絞り装置を全閉動作させるととも
   に、前記ミラー部材をファインダー光学系から前記カメ
   ラ本体内への外光入射を遮断する位置に動作させた状態
   で判別を行うことを特徴とする請求項１に記載のカメラ
   システム。
3. 【請求項３】 前記カメラ本体に対して絞り装置を内蔵
   した撮影レンズの着脱が可能であるとともに、前記カメ
   ラ本体内に前記撮影レンズからの入射光をファインダー
   光学系に導くミラー部材を有しており、 前記判別手段は、前記絞り装置を小絞り動作させるとと
   もに、前記ミラー部材をファインダー光学系から前記カ
   メラ本体内への外光入射を遮断する位置に動作させた状
   態で判別を行うことを特徴とする請求項１に記載のカメ
   ラシステム。
4. 【請求項４】 前記撮像素子の光入射側であって前記照
   明手段よりも撮像素子側に、前記撮像素子への光入射を
   制御するシャッタ装置を備えており、 前記判別手段は、前記シャッタ装置を開動作させて判別
   を行うことを特徴とする請求項１から３のいずれかに記
   載のカメラシステム。
5. 【請求項５】 前記判別手段は、前記撮影レンズから前
   記絞り装置を通過して前記撮像素子に入射する光の輝度
   が所定値以上であるときに警告動作を行うことを特徴と
   する請求項３に記載のカメラシステム。
6. 【請求項６】 前記判別手段は、前記撮影レンズから前
   記絞り装置を通過して前記撮像素子に入射する光の輝度
   が所定値以上であるときに判別を行わないことを特徴と
   する請求項３に記載のカメラシステム。
7. 【請求項７】 前記判別手段は、前記撮影レンズから前
   記絞り装置を通過して前記撮像素子に入射する光の輝度
   が所定値以上であるときに、警告動作をして前記撮像素
   子に入射する光の輝度が前記所定値を下回るまで待って
   から判別を開始することを特徴とする請求項３に記載の
   カメラシステム。
8. 【請求項８】 前記判別手段は、前記撮像素子又はその
   近傍に異物が付着していると判別したときは、異物除去
   を促す警告動作を行うことを特徴とする請求項１から７
   のいずれかに記載のカメラシステム。
9. 【請求項９】 前記カメラ本体内における前記撮像素子
   の光入射側に光学フィルタが配置されており、 前記判別手段は、前記光学フィルタに異物が付着してい
   るか否かを判別することを特徴とする請求項１から８の
   いずれかに記載のカメラシステム。