JP2002299988A - ダイプレクサ - Google Patents

ダイプレクサ

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JP2002299988A
JP2002299988A JP2001096973A JP2001096973A JP2002299988A JP 2002299988 A JP2002299988 A JP 2002299988A JP 2001096973 A JP2001096973 A JP 2001096973A JP 2001096973 A JP2001096973 A JP 2001096973A JP 2002299988 A JP2002299988 A JP 2002299988A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 共通結線部付近の浮遊容量を小さくして、周
波数特性を改善する。 【解決手段】 プリント基板1にスルーホール挿入タイ
プのコイルL1,L2,L3の共通結線部11aを束ね
て挿入する貫通孔3を設ける。貫通孔3を3本の共通結
線部11aを接合状態に拘束可能な大きさで形成する。
貫通孔3に挿入した共通結線部11aの露出端をプリン
ト基板1の裏側で電気的に接続する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プリント基板上に
複数の誘導性素子を設けてなるダイプレクサに関する。
【0002】
【従来の技術】ダイプレクサは、利用周波数帯域の異な
る複数の伝送信号を結合し、共通の信号伝送路に出力す
る用途等に使用される信号結合器である。図1に示すよ
うに、例えば衛星受信システムで用いられる2600M
Hz対応VU・BS・CSブースタに内蔵されたダイプ
レクサ10は、2つの伝送信号入力部10a,10bと
低域通過フィルタ11と高域通過フィルタ12と結合出
力部10cとを備えて回路構成される。通常、低域通過
フィルタ11及び高域通過フィルタ12の構成素子は、
プリント基板上に配置される。
【0003】従来のダイプレクサにおいては、図8
(a)、(b)に示すように、低域通過フィルタ11の
構成素子であるコイルL1,L2,L3は、両端の結線
部をプリント基板30の3対のスルーホール20に別々
に挿入して、はんだ付けにより実装されていた。そし
て、共通結線部が挿入される3つのスルーホール20
は、プリント基板裏面に印刷形成した配線パターン32
を介して接続されていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、コイルL1,
L2,L3の共通結線部を配線パターン32によって接
続すると、配線パターン32が0.3pF程度の浮遊容
量C0を持ってしまうため、ダイプレクサ10の結合出
力部10cに接続されたコイルL2(インダクタンスL
2=15nH)と直列共振を起こしていた。この結果、
図9に示すように、共振周波数f0=1/(2π×√
(L2×C0))=2372MHz付近にトラップが発
生し、図10に示すように、ブースタの1032MHz
〜2600MHzの使用周波数帯域内で周波数特性が劣
化する問題点があった。
【0005】こうした問題に鑑み、本発明の課題は、共
通結線部付近の浮遊容量を小さくして、周波数特性を改
善できるダイプレクサを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項1の発明によるダイプレクサは、プリント基
板上に複数の誘導性素子を設けたダイプレクサにおい
て、プリント基板に貫通孔を形成し、複数の誘導性素子
の共通結線部を束ねて貫通孔に挿入し、束ねた共通結線
部の露出端をプリント基板の裏側で電気的に接続して構
成される。
【0007】請求項2の発明によるダイプレクサは、貫
通孔を、束ねた共通結線部を接合状態に拘束可能な大き
さで形成して構成される。
【0008】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態を図
面に基づいて説明する。図1及び図2は、本発明に係る
ダイプレクサの一実施形態を示し、図1は使用周波数帯
域を1032MHz〜2600MHzとする2600M
Hz対応VU・BS・CSブースタに内蔵されたダイプ
レクサの回路構成を示す回路図である。図2は、図1の
回路構成素子の内、低域通過フィルタ11のコイルL
1,L2,L3(図1中破線内)をプリント基板に実装
した形態を示す素子配置図であり、(a)は正面図、
(b)は裏面図である。なお各図において同一の構成要
素には同一の符号を付す。
【0009】ダイプレクサ10は、2つの入力部10
a,10bと、入力部10aに入力された伝送信号を濾
波する遮断周波数770MHzの低域通過フィルタ11
と、入力部10bに入力された伝送信号を濾波する遮断
周波数1032MHzの高域通過フィルタ12と、低域
通過フィルタ11からの出力信号及び高域通過フィルタ
12からの出力信号を結合して出力する結合出力部10
cとから構成される。図1において、11aは低域通過
フィルタ11の構成素子であるコイルL1,L2,L3
の共通結線部を示す。
【0010】低域通過フィルタ11のコイルL1,L
2,L3は、入出力リード線を備えたスルーホール挿入
タイプの誘導性素子である。プリント基板1には、コイ
ルL1の入力リード線端、コイルL2の出力リード線端
及びコイルL3の接地側リード線端を別々に挿入する3
つのスルーホール2と、コイルL1の出力リード線端、
コイルL2の入力リード線端及びコイルL3の非接地側
リード線端、つまり3つの共通結線部11aを束ねて挿
入する1つの貫通孔3とが形成されている。貫通孔3
は、3本のリード線の共通結線部11aを接合状態に拘
束可能な大きさの円形に形成されている。そして、コイ
ルL1,L2,L3の共通結線部11aの露出端はプリ
ント基板1の裏側ではんだ付けにより電気的に接続さ
れ、またコイルL1,L2,L3のもう一方のリード線
露出端はスルーホール2にはんだ付けされている。
【0011】この構成によれば、コイルL1,L2,L
3の共通結線部11aを接続するためのスルーホールや
配線パターンをプリント基板10から取り除いて、共通
結線部11a付近に生じる浮遊容量を小さくすることが
できる。したがって、この浮遊容量成分と出力部10c
に接続されたコイルL2との共振周波数を高めることが
でき、図4に示すように、2400MHz付近の使用周
波数帯域内に生じていたトラップを除去し、図5に示す
ように、本ダイプレクサ10を内蔵したVU・BS・C
Sブースタの周波数特性を改善できる。また貫通孔3が
コイルL1,L2,L3の共通結線部11aを接合状態
に拘束しているので、例えば、フローはんだ槽にこのプ
リント基板1をコンベア等の搬送器で搬送して自動はん
だ付けする場合であっても、搬送時の振動や停止の際の
衝撃によってコイルL1,L2,L3がプリント基板1
から抜け落ちたりすることがなく、確実な自動はんだ付
けが可能となる。
【0012】尚、本発明は上記実施形態に限定されるも
のではなく、以下に例示するように、本発明の趣旨を逸
脱しない範囲で各部の形状並びに構成を適宜に変更して
実施することも可能である。 (1)図6に示すように、低域通過フィルタ11のコイ
ルL1,L2とスルーホール挿入タイプのコンデンサC
との3つの共通結線部11aを束ねてプリント基板の貫
通孔に挿入し、その露出端を電気的に接続すること。こ
の変更例は、図1のダイプレクサのコイルL3とコンデ
ンサCとからなる直列回路に関して、それらの接続順序
を変更してなる。この構成によっても、図1のダイプレ
クサと同等の周波数特性が得られる。 (2)図7に示すように、入力部10aを抵抗素子Rを
介して接地したダイプレクサにおいて、コイルL1,L
2,L3の3つの共通結線部11aを束ねてプリント基
板の貫通孔に挿入し、その露出端を電気的に接続するこ
と。この構成によれば、図1のダイプレクサと同等の高
域周波数特性をより簡単な回路構成で得られる。 (3)束ねた共通結線部11aの露出端を、圧着端子等
でかしめたり、捩り処理等により電気的に接続するこ
と。 (4)図3(a)又は(b)に示すように、貫通孔3の
形状を変更すること。 (5)本ダイプレクサを衛星受信システムで使用される
コンバータ等の他の電子機器に組み込むこと。
【0013】
【発明の効果】以上詳述したように、請求項1の発明に
よれば、複数の誘導性素子の共通結線部を束ねて貫通孔
に挿入して電気的に接続したので、この部分のプリント
基板にスルーホールや配線パターンを設ける必要が無く
なり、共通結線部付近の浮遊容量を小さくして、ダイプ
レクサの周波数特性を改善することができる。
【0014】請求項2の発明によれば、貫通孔が複数の
共通結線部を接合状態に拘束するので、自動はんだ付け
が容易になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るダイプレクサの一実施形態を示す
回路図である。
【図2】図1のダイプレクサの基板実装形態を示す素子
配置図である。
【図3】貫通孔の変更例を示す形状図である。
【図4】本ダイプレクサにおける低域及び高域通過フィ
ルタの減衰量の周波数特性を示すグラフである。
【図5】本ダイプレクサを内蔵したブースタの利得の周
波数特性を示すグラフである。
【図6】図1のダイプレクサの変更例を示す回路図であ
る。
【図7】図1のダイプレクサの別の変更例を示す回路図
である。
【図8】従来のダイプレクサの基板実装形態を示す素子
配置図である。
【図9】従来のダイプレクサにおける低域及び高域通過
フィルタの減衰量の周波数特性を示すグラフである。
【図10】従来のダイプレクサを内蔵したブースタの利
得の周波数特性を示すグラフである。
【符号の説明】
1・・プリント基板、3・・貫通孔、10・・ダイプレ
クサ、10a,10b・・入力部、10c・・結合出力
部、11・・低域通過フィルタ、11a・・共通結線
部、12・・高域通過フィルタ、L1,L2,L3・・
コイル。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プリント基板上に複数の誘導性素子を設
    けたダイプレクサにおいて、プリント基板に貫通孔を形
    成し、複数の誘導性素子の共通結線部を束ねて貫通孔に
    挿入し、束ねた共通結線部の露出端をプリント基板の裏
    側で電気的に接続してなるダイプレクサ。
  2. 【請求項2】 貫通孔を、束ねた共通結線部を接合状態
    に拘束可能な大きさで形成した請求項1記載のダイプレ
    クサ。
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