JP2002299917A - 高周波伝送線路 - Google Patents

高周波伝送線路

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JP2002299917A
JP2002299917A JP2001097722A JP2001097722A JP2002299917A JP 2002299917 A JP2002299917 A JP 2002299917A JP 2001097722 A JP2001097722 A JP 2001097722A JP 2001097722 A JP2001097722 A JP 2001097722A JP 2002299917 A JP2002299917 A JP 2002299917A
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dielectric
dielectric layer
line conductors
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Tokuichi Yamaji
徳一 山地
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Kyocera Corp
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    • H01L2223/66High-frequency adaptations
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    • HELECTRICITY
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    • H01L2924/00Indexing scheme for arrangements or methods for connecting or disconnecting semiconductor or solid-state bodies as covered by H01L24/00
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    • H01L2924/1903Structure including wave guides

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 線路導体間におけるクロストークの発生を低
減し、また高密度配線が可能な高周波伝送線路を提供す
る。 【解決手段】 誘電体層2の下面に接地導体層1が形成
されるとともに、上面に接地導体層1と対向させて複数
の線路導体3が形成されて成り、接地導体層1と線路導
体3との間隔以下または線路導体3により伝送する高周
波信号の波長以下の間隔で隣接する線路導体3間におい
て、それら線路導体3の伝送方向に沿って誘電体層2の
一部の誘電率4がその周囲の誘電体層2の誘電率より小
さくされている高周波伝送線路である。線路導体3から
の電界分布の横方向への広がりを小さくすることがで
き、線路導体3間におけるクロストークを低減すること
が可能であり、また高密度配線が可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は高周波電子回路等に
使用される高周波伝送線路に関し、特に複数の線路導体
が近接して配設された場合における線路導体間のクロス
トークを低減することができ、高密度配線が可能な高周
波伝送線路に関するものである。
【0002】
【従来の技術】高周波電子回路等において高周波信号の
伝送に使用される高周波伝送線路としては、従来より例
えば図6に断面図で示すようなマイクロストリップ線
路、または図7に同様の断面図で示すようなストリップ
線路等の構造のものが用いられている。
【0003】図6のマイクロストリップ線路において
は、誘電体層21の下面に接地導体層20が形成されるとと
もに、誘電体層21の上面に接地導体層20と対向させて線
路導体23が形成されている。また図7のストリップ線路
においては、誘電体層21の上下面にそれぞれ接地導体層
20が形成されるとともに、誘電体層21の内部に接地導体
層20と対向させて線路導体23が形成されている。
【0004】このような高周波伝送線路を用いて高周波
電子回路を構成するには、複数の線路導体を近接させて
平行に配置することが必要な場合があるが、このような
場合に、これら複数の線路導体間で一方の線路導体を伝
搬している高周波信号が近接する他方の線路導体に静電
結合もしくは電磁結合により漏洩してクロストークが生
じるという信号伝送上の問題点がある。
【0005】このクロストークを低減させる対策として
は、一般に、誘電率の低い誘電体層を用い、線路導体間
の平行距離を大きく設計して平行に配置される線路導体
間の距離を大きくとり、さらに伝搬させる高周波信号の
パルスの立ち上がりおよび立ち下がりをなるべく緩やか
にする等の対策が考えられている。
【0006】一方、伝送線路の構造面からの対策につい
ても各種の構成が提案されている。例えば特開平8−23
7007号公報においては、図8に斜視図で示すように、誘
電体層1の下面に接地導体層2が形成され、上面に2本
の線路導体3が形成されて成る1対の高周波伝送線路が
間隔をあけて設けられ、この高周波伝送線路の間に線路
導体3に沿って延在するように一体的に電波吸収体4を
配置する構造が開示されており、これによりクロストー
クを低減することが提案されている。
【0007】また、特開平7−202518号公報において
は、図9に斜視図で示すように、誘電体層1の下面に接
地導体層2が形成され、上面に2本の線路導体3が互い
に平行に形成されるとともに、これら線路導体3を高誘
電体層5で覆う構造が開示され、これによりクロストー
クを低減することが提案されている。
【0008】また、特開平7−74442号公報において
は、図10に断面図で示すように、絶縁層6中の回路パタ
ーン1と絶縁層6の上下面に形成された接地層4との間
に、絶縁層6よりも誘電率の高い誘電体7を設けること
でクロストークを低減させることが提案されている。
【0009】一方、高周波伝送線路の高密度配線を実現
するために伝送線路の小型化も要求されており、これに
対して特開平8−154006号公報においては、図11に平面
図で示すように、誘電体層1の線路導体3が配設される
部分のうちの任意の部分1bを、その周囲の部分1aと
は比誘電率の異なる材質により形成し、これにより小型
化を図ることが提案されている。
【0010】
【発明が解決しようとする問題点】しかしながら、特開
平8−237007号公報に提案された構造においては、間隔
をあけて設けられた1対の高周波伝送線路の間に線路導
体3に沿って一体的に設けられた電波吸収体4を備える
ことから、作製工程の複雑化をもたらし、多層構造での
誘電率の不連続部分の存在が線路導体3の高周波特性に
悪影響をもたらすこととなるという問題点があった。
【0011】また、特開平7−202518号公報に提案され
た構造においては、伝送線路の線路導体3を高誘電体層
5で覆う構造のため、線路導体3を伝搬する高周波信号
の伝送損失が増加してしまうという問題点があった。
【0012】また、特開平7−74442号公報に提案され
た構造においては、絶縁層6中の回路パターン1と接地
層4との間に絶縁層6よりも誘電率の高い誘電体7を設
ける構造のため、作製工程の複雑化・平坦な多層構造の
作製の困難化という問題点があった。さらに、絶縁層6
と誘電率の高い誘電体7が別材料となるため、材料間で
の密着力の不足による層間剥離や信頼性の低下が発生す
るといった問題点もあった。
【0013】また、特開平8−154006号公報に提案され
た構造においては、誘電体層1の線路導体3が配設され
る部分のうちの任意の部分1bを、その周囲の部分1a
とは比誘電率の異なる材質から形成することから、線路
導体3に沿った誘電体層1における誘電率の不連続によ
る高周波信号の反射の増加をもたらし、伝搬損失の増加
をもたらすという問題点があった。
【0014】本発明は上記事情に鑑みて本発明者が鋭意
研究に努めた結果完成されたものであり、その目的は、
線路導体間におけるクロストークの発生を効果的に低減
することができ、高密度配線が可能な高周波伝送線路を
提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明の高周波伝送線路
は、誘電体層の下面に接地導体層が形成されるととも
に、上面に前記接地導体層と対向させて複数の線路導体
が形成されて成り、前記接地導体層と前記線路導体との
間隔以下または前記線路導体により伝送する高周波信号
の波長以下の間隔で隣接する前記線路導体間において、
それら線路導体の伝送方向に沿って前記誘電体層の一部
の誘電率がその周囲の誘電体層の誘電率より小さくされ
ていることを特徴とするものである。
【0016】また、本発明の高周波伝送線路は、上記構
成において、前記誘電体層の誘電率が小さくされている
一部は、隣接する前記線路導体間の方向における幅がそ
れら線路導体間の間隔の10%以上80%未満であり、深さ
が前記接地導体層と前記線路導体との間隔の10%以上50
%未満であり、誘電率が周囲の前記誘電体層の誘電率の
95%以下であることを特徴とするものである。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の高周波伝送線路に
ついて詳細に説明する。
【0018】本発明の高周波伝送線路において、誘電体
層としては、従来より高周波伝送線路を形成するのに用
いられる種々の誘電体材料を用いることができ、異なる
誘電率の誘電体材料を組み合わせて一部の誘電率を小さ
くできるものであれば、誘電体材料に対する制限は特に
ない。例えば、結晶材料としてはLiF・NaF・KF
・RbF・LiCl・KCl・KBr・CuCl・Cu
Br・CuO・MgO・Ta25等が、樹脂材料として
はポリイミド・エポキシ樹脂・BCB(ベンゾシクロブ
テン)・シロキサン樹脂・オレフィン樹脂・フッ素樹脂
等が使用できる。
【0019】また、誘電体材料として誘電率異方性を持
つものを用いると、単一の誘電体材料から成る誘電体層
において、所望の一部の誘電率をその周囲の誘電率より
も小さくすることができて、好ましいものとなる。誘電
率異方性を持つ誘電体材料としては、例えばAl23
TiO2・SiO2・CaCO3等がある。
【0020】そのような誘電率異方性を持つ誘電体材料
の中でも、誘電率異方性を持つ液晶ポリマーを用いる
と、液晶ポリマーを溶剤と混合して成膜できることによ
り作製工程が簡単であること、またメソゲン基の配向の
均一な制御が容易であるという有利な効果を有する点
で、好適である。このような液晶ポリマーとしては、例
えば液晶ポリマー骨格主鎖の構造単位の例としてポリア
クリレートやポリメタクリレート・ポリイソシアネート
・ポリメチルシロキサン・ポリエーテル・ポリアミド・
ポリエステル等を有し、メソゲン基としてp−ヒドロキ
シ安息香酸や6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸・4,
4’−ビスフェノール・テレフタル酸等が用いられるも
のがある。
【0021】例えば、図12(a)および(b)にそれぞ
れ断面図で示すように、液晶ポリマーのメソゲン基6の
方向が一方向に揃えられた液晶ポリマーについて、液晶
ポリマーのメソゲン基6の方向と平行な方向の誘電率を
ε‖とし、液晶ポリマーのメソゲン基6の方向と直交す
る方向の誘電率をε⊥とすると、ε‖とε⊥との差Δε
は、Δε=ε⊥―ε‖として表される。この誘電率の差
Δεは、材料のメソゲン基6により、正になる場合およ
び負になる場合がある。また、図12(c)に断面図で示
す状態は、図12(a)と(b)との中間的な状態であ
り、この状態の誘電率はε⊥とε‖との平均値で近似さ
れる。
【0022】なお、図12(a)〜(c)において、7は
液晶ポリマーのメソゲン基以外の部分であり、8は液晶
ポリマーの誘電率の測定のための電極である。また、図
12(a)はメソゲン基6が平行となった場合の液晶ポリ
マーの概略の状態を示し、(b)はメソゲン基6が垂直
となった場合の液晶ポリマーの概略の状態を示し、
(c)はメソゲン基6が(a)と(b)との中間状態の
場合の液晶ポリマーの概略の状態を示している。
【0023】図13に側鎖型液晶ポリマーの各種メソゲン
基の例を示す。また、メソゲン基と骨格主鎖の組み合わ
せによる側鎖型液晶ポリマーの例を図14〜図20にそれぞ
れ化学式で示す。ここで図14〜図20の液晶ポリマーは、
順にメルク社製LCP1・LCP83・LCP93・LCP
94・LCP95・LCP96・LCP105である。
【0024】本発明の高周波伝送線路において、誘電体
層をこのような液晶ポリマーから成るものとしたときに
は、液晶ポリマーを溶剤と混合し成膜できることより誘
電体層の作製工程が簡単であり、メソゲン基の配向の均
一な制御が容易であり、成膜した後に誘電率を変化させ
ることができるため、一部の誘電率を変化させる構造を
異なる誘電体材料により構成する場合に比べて材料間の
密着力の低下がなく、多層構造にした場合でも平坦性を
損なうことがないという多くの有利な効果を有するもの
とできる。
【0025】次いで、本発明の高周波伝送線路の構成に
ついて図面を参照しつつ説明する。
【0026】本発明の高周波伝送線路は、その実施の形
態の一例を図1(a)および(b)にそれぞれ断面図で
示すように、誘電体層2の下面に接地導体層1が形成さ
れるとともに、上面に接地導体層1と対向させて複数の
線路導体3が形成されて成り、接地導体層1と線路導体
3との間隔以下または線路導体3により伝送する高周波
信号の波長以下の間隔で隣接する線路導体3間におい
て、それら線路導体3の伝送方向に沿って誘電体層2の
一部4の誘電率がその周囲の誘電体層2の誘電率より小
さくされていることを特徴とする。
【0027】このとき、誘電体層2のうち誘電率が小さ
くされている一部4は、隣接する線路導体3間の方向に
おける幅がそれら線路導体3間の間隔の10%以上80%未
満であり、深さが接地導体層1と線路導体3との間隔の
10%以上50%未満であり、誘電率が周囲の誘電体層2の
誘電率の95%以下(誘電体層2の誘電率に対する誘電率
の差が5%以上)であるものとすることが好ましい。
【0028】一般に、マイクロストリップ線路構造の高
周波伝送線路により高周波信号を伝送させる場合、誘電
体層の下面の接地導体層と上面に形成された線路導体と
の間には所定の電界を示す電気力線が発生し、この電気
力線はその上面に形成された線路導体の幅よりも広く分
布するため、複数の線路導体が近接して平行に配置され
た場合には、一方の線路導体を伝搬している高周波信号
が隣接する他方の線路導体に静電結合もしくは電磁結合
により漏洩してクロストークが発生する。そのため、従
来の高周波伝送線路では、複数の線路導体間にはクロス
トークの発生しない間隔を設けることが必要であった。
【0029】これに関し、図1(a)および(b)に、
本発明の高周波伝送線路における電気力線の分布を5で
示す。図1(a)に示すように、本発明の高周波伝送線
路においては、誘電体層2の一部4が周囲の誘電体層2
の誘電率よりも小さな誘電率を有していることから、線
路導体3からの電気力線5の広がり、すなわち電界分布
の横方向への広がりが小さくなる。このように線路導体
3からの電界分布の横方向の広がりを抑制することがで
きるため、本発明の高周波伝送線路によれば、従来の高
周波伝送線路に比べて線路導体3間で発生するクロスト
ークを低減することができる。
【0030】また、本発明の高周波伝送線路によれば、
周囲の誘電体層2の誘電率よりも誘電率を小さくした一
部4を所定の間隔以下に近接した線路導体3間に設けた
ことにより、線路導体3からの電界分布の横方向への広
がりを小さく抑えることができるため、図1(b)に示
すように、電気力線5の広がりが狭くなった分だけ複数
の線路導体3の配設間隔を縮めてクロストークを発生さ
せずに従来のものより近接配置することが可能となり、
線路導体3の高密度配線が可能となる。
【0031】次に、本発明の高周波伝送線路について、
その構成の例および製造プロセスの例を図2〜図5に示
した要部断面図に基づいて説明する。なお、線路導体に
ついては複数のうちの1本について示す。
【0032】まず図2に示すように、本発明の高周波伝
送線路の支持基板となるガラス等から成る基板10の表面
に接地導体層1を形成する。基板10は、高周波伝送線路
の支持基板となるとともに、電気配線やV溝等が形成さ
れることにより半導体素子等の高周波電子部品を実装で
きるものである。この基板10には、例えばガラス基板の
他にシリコン基板・アルミナ基板・ガラスセラミックス
基板・ムライト基板・ポリイミド基板等が用いられる。
【0033】接地導体層1は高周波伝送線路において高
周波電気信号の接地導体となる役割を担うものであり、
例えば銅・ニオブ・アルミニウム・タングステン等の金
属を用いることができる。これらの材料により接地導体
層1を形成する場合、基板10上に例えばスパッタ法やC
VD法等によって成膜することによって形成すればよ
い。
【0034】次いで、接地導体層1の表面に、ラビング
法として知られる方法等により配向処理を行なう。この
とき、用いる材料との組み合わせにより、ポリイミド等
の配向材料をスピンコート法等により成膜してから配向
処理を行なってもよい。
【0035】次いで、図3に示すように、接地導体層1
上または接地導体層1上に成膜された配向材料(図示せ
ず)上に誘電体層2を形成する。この誘電体層2は高周
波伝送線路における誘電体層であり、前述のような結晶
・樹脂材料・液晶ポリマー等を用いる。
【0036】この誘電体層2に用いる液晶ポリマーとし
ては、具体的には例えば前述のメルク社製LCP1・L
CP83・LCP93・LCP94・LCP95・LCP96・L
CP105等を用いればよい。これらの液晶ポリマーによ
り誘電体層2を形成する場合は、例えばスピンコート法
等によって基板10上の接地導体層1の表面にコートする
ことによって形成すればよい。
【0037】こうして形成された誘電体層2の液晶ポリ
マーのメソゲン基の向きは、下地の配向処理の効果によ
り一方向に向くこととなる。メソゲン基の向きが接地導
体層1の表面または接地導体層1上に成膜された配向材
料の表面に平行となるか垂直となるかは、用いる液晶ポ
リマーの材料と配向処理とにより定まる。
【0038】次いで、図4に示すように、誘電体層2の
上にスパッタ法を始めとする真空成膜法等により線路導
体3を形成する。この線路導体3は高周波信号を伝送す
るための伝送線路となるものであり、例えば銅・ニオブ
・アルミニウム・タングステン等の金属等が用いられ、
真空成膜法等によりこれらの金属膜が形成された後、通
常のフォトリソグラフィ工程によって所望のパターン形
状に加工を行なうことによって、誘電体層2の上面に接
地導体層1と対向させて形成する。
【0039】次いで、隣接する線路導体3間の誘電体層
2のうちの少なくとも一部4の誘電率を周囲の誘電体層
2よりも誘電率を小さくするため、小さな誘電率を持つ
一部4を形成する部分の誘電率異方性を持つ液晶ポリマ
ーから成る誘電体層2に対し、レーザ光の照射もしくは
加熱等の方法を行なう。
【0040】これにより、レーザ光の照射もしくは加熱
等を受けた誘電体層2の一部4は、接地導体層1または
接地導体層1上に成膜された配向材料に対する配向処理
の効果が打ち消され、液晶ポリマーのメソゲン基の向き
がランダムとなり、このランダムになった状態がレーザ
光の照射もしくは加熱等を停止した後にも継続されるこ
とから、その一部4の誘電率はメソゲン基が垂直な状態
と平行な状態の平均の値に近似される。このとき、この
平均の誘電率の値が周囲の配向された誘電体層2の誘電
率よりも小さくなるように材料の組み合わせを定めてお
くことにより、隣接する線路導体3間において、誘電体
層2の所望の一部4の誘電率を周囲の誘電体層2の誘電
率よりも所望の値に小さくすることができる。
【0041】また、誘電体層2のうち一部4の誘電率を
小さくする領域は、隣接する線路導体3同士が、接地導
体層1と線路導体3との間隔以下または線路導体3によ
り伝送する高周波信号の波長以下の間隔で隣接する線路
導体3間において、それら線路導体3間でのクロストー
クの発生を防止するために、その隣接している線路導体
3の長さに対応する領域に設定する。
【0042】このようにして、誘電体層2の下面に接地
導体層1が形成されるとともに、上面に接地導体層1と
対向させて複数の線路導体3が形成されている高周波伝
送線路において、接地導体層1と線路導体3との間隔以
下または線路導体3により伝送する高周波信号の波長以
下の間隔で隣接する線路導体3間において、線路導体3
の伝送方向に沿って誘電体層2の一部4の誘電率がその
周囲の誘電体層2の誘電率より小さくされていることを
特徴とする本発明の高周波伝送線路が得られる。
【0043】ここで、本発明の高周波伝送線路における
誘電率の小さな一部4の大きさとしては、隣接する線路
導体3間の方向における幅としてそれら線路導体3間の
間隔の10%以上から80%未満の幅であり、誘電体層2の
表面からの深さとして接地導体層1と線路導体3との間
隔の10%以上から50%未満であり、誘電率が周囲の誘電
体層2の誘電率の95%以下(周囲の誘電体層2の誘電率
に対して誘電率の差が5%以上)であることが好まし
い。これにより、線路導体3からの電界分布の横方向の
広がりを十分に抑制することができるため、クロストー
クの低減効果がさらに良好で、高周波信号の伝送損失が
小さなものとなる。これに対し、例えば幅が10%未満で
はクロストークの低減効果が見られなくなる傾向があ
り、80%以上の場合は線路導体3間における電磁界の不
均一により損失が大きくなる傾向がある。
【0044】なお、線路導体3が近接している長さが高
周波信号の波長の1/2未満と短い場合には、クロスト
ークの発生を確実に防止するために、線路導体3による
伝送方向における一部4の長さとして、高周波信号の波
長の1/2以上の長さとしておくことが望ましい。
【0045】また、線路導体3と誘電体層2と接地導体
層1とが多層に積層されて多層構成の高周波伝送線路を
形成する場合は、上記のプロセスを順次繰り返すこと
で、本発明の高周波伝送線路を用いた多層構成の高周波
伝送線路が得られる。
【0046】
【実施例】[例1]次に、本発明の高周波伝送線路の作
製例について説明する。
【0047】まず、支持基板となるアルミナ基板の表面
に、スパッタ法により銅を5μmの厚みに成膜し接地導
体層を形成した。
【0048】次いで、この基板を洗浄した後、(方法・
材料等)可溶性ポリイミドであるAL−1254(日本合成
ゴム社製)をスピンコート法にて成膜し、その後、クリ
ーンオーブンにて100℃で30分加熱した後、270℃で1時
間キュアすることにより厚み0.1μmの配向層を形成
し、その表面にLCP105から成る誘電体層をスピンコ
ート法により20μmの厚みにコートして形成した。
【0049】次いで、誘電体層の上にスパッタ法により
銅を2μmの厚みに成膜し、線路導体となる銅層を形成
した。
【0050】次いで、通常のフォトリソグラフィ工程に
よって銅層を線路導体幅30μm、隣接する線路導体幅の
間隔200μmの高周波伝送線路の形状にパターニングし
て線路導体を形成した。
【0051】次いで、レーザ光の照射により、隣接する
線路導体間における誘電体層に、隣接する線路導体間の
方向における幅として線路導体間の間隔の約50%の幅で
あり、誘電体層表面からの深さとして接地導体層と線路
導体との間隔の約30%であり、誘電率を周囲の誘電体層
の誘電率の約90%(誘電率の差で約10%)と小さくした
誘電体層の一部を形成し、マイクロストリップ線路構造
の線路導体が高密度に近接配置された本発明の高周波伝
送線路を得た。
【0052】以上のようにして作製した高周波伝送線路
において、ネットワークアナライザを用いて線路導体に
よりDC〜110GHzの電気信号を伝送させ、その電気
信号の線路導体間におけるクロストークを測定した。
【0053】その結果、誘電体層に従来の誘電体材料で
ある一様な誘電率のポリイミドを用いた同様の形状の高
周波伝送線路におけるクロストークに比べ、全周波数領
域で本発明の高周波伝送線路が小さなクロストークを示
し、本発明の高周波伝送線路はクロストークの低減に効
果があることが確認できた。
【0054】[例2]次に、例1と同様の材料および条
件にて線路導体のパターニングを行なった後、レーザ光
の照射により、隣接する線路導体間の方向における幅・
線路導体と接地導体層間の方向における深さ・誘電率を
小さくした割合を表1〜表5に示す組合せとして、隣接
する線路導体間において誘電率を周囲の誘電体層の誘電
率より小さくした誘電体層の一部を形成し、マイクロス
トリップ線路構造の線路導体が高密度に近接配置された
高周波伝送線路を得た。
【0055】そして、そのようにして作製した高周波伝
送線路において、ネットワークアナライザを用いて線路
導体によりDC〜110GHzの電気信号を伝送させ、そ
の電気信号の線路導体間におけるクロストークを測定し
た。その結果を表1〜表5にまとめた。
【0056】
【表1】
【0057】
【表2】
【0058】
【表3】
【0059】
【表4】
【0060】
【表5】
【0061】これらの結果より、表1〜表5において○
印で示す、隣接する線路導体間の方向における幅が線路
導体間の間隔の10%以上から80%未満の幅であり、深さ
が接地導体層と線路導体との間隔の10%以上から50%未
満であり、周囲の誘電体層の誘電率との誘電率の差が5
%以上である場合には、従来の誘電体材料であるポリイ
ミドを用いた同様の形状の高周波伝送線路におけるクロ
ストークと比較し、クロストーク低減効果が良好で、高
周波信号の伝送損失が小さく、極めて良好であった。
【0062】一方、表1〜表5において△印で示す、隣
接する線路導体間の方向における幅が線路導体間の間隔
の10%未満または80%以上の幅であり、深さが接地導体
層と線路導体との間隔の10%未満または50%以上であ
り、周囲の誘電体層の誘電率との誘電率の差が5%未満
である場合は、クロストーク低減の効果は、○印の場合
に比べると小さく、高周波信号の伝送損失がやや大きく
なる傾向があった。
【0063】なお、隣接する線路導体間の間隔について
も別途測定を行なった結果、隣接する線路導体間の間隔
が接地導体層と線路導体との間隔以上、または伝送する
高周波信号の波長以上に離れている場合は、発生するク
ロストークの絶対量が小さく、線路導体間の誘電体層の
一部について誘電率を小さくすることの効果もほとんど
現れなかったが、隣接する線路導体間の間隔が接地導体
層と線路導体との間隔以下、または伝送する高周波信号
の波長以下の場合には、線路導体間の誘電体層の一部に
ついて誘電率を小さくすることによるクロストークの低
減効果が確認できた。
【0064】なお、本発明は以上の実施の形態の例に限
定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲
で種々の変更を加えることは何ら差し支えない。例え
ば、隣接する線路導体間に形成する誘電率の小さな一部
は、複数形成してもよく、それらの誘電率を異ならせて
もよい。この場合には、誘電率の小さな部分の形状・大
きさ・個数・誘電率の組合せを最適化することにより、
高周波信号の反射を小さくすることが可能で、伝送損失
をさらに小さくすることができる。
【0065】また、線路導体間において誘電体層に誘電
率の小さな一部を形成する際に、下方から誘電体層全体
もしくは誘電率を小さくしたい一部の付近をあらかじめ
加熱等した状態で、所望の一部の上方からレーザ光の照
射または加熱することにより、工程的に安定した状態で
所望の一部の誘電率を小さくすることができる。
【0066】また、線路導体間において誘電体層に誘電
率の小さな一部を形成する際に、誘電体層の上下からレ
ーザ光の照射または加熱を行ない、深さの合計が上記所
定の範囲内で誘電率を小さくしてもよい。
【0067】
【発明の効果】本発明の高周波伝送線路によれば、誘電
体層の下面に接地導体層が形成されるとともに、上面に
接地導体層と対向させて複数の線路導体が形成されて成
り、接地導体層と線路導体との間隔以下または線路導体
により伝送する高周波信号の波長以下の間隔で隣接する
線路導体間において、それら線路導体の伝送方向に沿っ
て誘電体層の一部の誘電率がその周囲の誘電体層の誘電
率より小さくされていることから、線路導体からの電気
力線の広がり、すなわち電界分布の横方向への広がりを
抑制することができるため、線路導体間で発生するクロ
ストークを低減することができ、電気力線の広がりが狭
くなった分だけ複数の線路導体の配設間隔を縮めてクロ
ストークを発生させずに近接配置することが可能とな
り、線路導体の高密度配線が可能となる。
【0068】また、本発明の高周波伝送線路によれば、
誘電体層の誘電率が小さくされている一部が、隣接する
線路導体間の方向における幅がそれら線路導体間の間隔
の10%以上80%未満であり、深さが接地導体層と線路導
体との間隔の10%以上50%未満であり、誘電率が周囲の
誘電体層の誘電率の95%以下である場合には、線路導体
からの電界分布の横方向の広がりを十分に抑制すること
ができるため、クロストークの低減効果がさらに良好
で、高周波信号の伝送損失が小さなものとなる。
【0069】以上により、本発明によれば、線路導体間
におけるクロストークの発生を効果的に低減することが
でき、高密度配線が可能な高周波伝送線路を提供するこ
とができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の高周波伝送線路の実施の形態の一例を
示す断面図である。
【図2】本発明の高周波伝送線路の製造プロセスを説明
するための要部断面図である。
【図3】本発明の高周波伝送線路の製造プロセスを説明
するための要部断面図である。
【図4】本発明の高周波伝送線路の製造プロセスを説明
するための要部断面図である。
【図5】本発明の高周波伝送線路の製造プロセスを説明
するための要部断面図である。
【図6】従来の高周波伝送線路の例を示す断面図であ
る。
【図7】従来の高周波伝送線路の他の例を示す断面図で
ある。
【図8】従来の高周波伝送線路の他の例を示す断面図で
ある。
【図9】従来の高周波伝送線路の他の例を示す断面図で
ある。
【図10】従来の高周波伝送線路の他の例を示す断面図
である。
【図11】従来の高周波伝送線路の他の例を示す断面図
である。
【図12】(a)〜(c)は、それぞれ液晶ポリマーに
おけるメソゲン基の方向と誘電率を説明するための断面
図である。
【図13】液晶ポリマーの各種メソゲン基の例を示す図
である。
【図14】側鎖型液晶ポリマーの例を示す化学式であ
る。
【図15】側鎖型液晶ポリマーの例を示す化学式であ
る。
【図16】側鎖型液晶ポリマーの例を示す化学式であ
る。
【図17】側鎖型液晶ポリマーの例を示す化学式であ
る。
【図18】側鎖型液晶ポリマーの例を示す化学式であ
る。
【図19】側鎖型液晶ポリマーの例を示す化学式であ
る。
【図20】側鎖型液晶ポリマーの例を示す化学式であ
る。
【符号の説明】
1・・・・誘電体層 2・・・・接地導体層 3・・・・線路導体 4・・・・誘電体層の一部

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 誘電体層の下面に接地導体層が形成され
    るとともに、上面に前記接地導体層と対向させて複数の
    線路導体が形成されて成り、前記接地導体層と前記線路
    導体との間隔以下または前記線路導体により伝送する高
    周波信号の波長以下の間隔で隣接する前記線路導体間に
    おいて、それら線路導体の伝送方向に沿って前記誘電体
    層の一部の誘電率がその周囲の誘電体層の誘電率より小
    さくされていることを特徴とする高周波伝送線路。
  2. 【請求項2】 前記誘電体層の誘電率が小さくされてい
    る一部は、隣接する前記線路導体間の方向における幅が
    それら線路導体間の間隔の10%以上80%未満であ
    り、深さが前記接地導体層と前記線路導体との間隔の1
    0%以上50%未満であり、誘電率が周囲の前記誘電体
    層の誘電率の95%以下であることを特徴とする請求項
    1記載の高周波伝送線路。
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