JP2002299708A - アクチュエータ及び噴射装置 - Google Patents

アクチュエータ及び噴射装置

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JP2002299708A
JP2002299708A JP2001096112A JP2001096112A JP2002299708A JP 2002299708 A JP2002299708 A JP 2002299708A JP 2001096112 A JP2001096112 A JP 2001096112A JP 2001096112 A JP2001096112 A JP 2001096112A JP 2002299708 A JP2002299708 A JP 2002299708A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】荷重変化や温度変化が生じた場合でも、常に積
層型圧電素子の伸縮方向に予荷重が印加された状態で長
期間駆動させることができるアクチュエータ及び噴射装
置を提供する。 【解決手段】積層型圧電素子1と、該積層型圧電素子1
の伸縮方向一端部が固定されたベース部材6と、積層型
圧電素子1が収容されるとともに、一端部がベース部材
6に固定され、他端部が積層型圧電素子1をベース部材
6側に押圧する予荷重印加ケース3と、該予荷重印加ケ
ース3が収容され、一端部がベース部材6に固定された
外側ケース5と、積層型圧電素子1の他端部に設けら
れ、積層型圧電素子1の変位を外側ケース5に伝達する
変位伝達部材23とを具備してなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アクチュエータ及
び噴射装置に係わり、例えば、光学装置等の精密位置決
め装置や振動防止用の駆動素子、自動車用エンジンの燃
料噴射用の駆動素子等に使用されるアクチュエータ及び
噴射装置に関するものである。
【0002】
【従来技術】従来、圧電体は、電圧を印加することによ
り伸縮する逆圧電効果を有している。しかしながら、圧
電体1枚1枚の伸縮量は微量であることから、圧電体を
複数枚積層して形成した積層型圧電素子を作製してい
た。この積層型圧電素子は、圧電体に電圧を印加して数
〜数十μm伸長させ、アクチュエータの駆動力源とする
ものである。
【0003】ところで、従来、外気との遮断を行い、耐
湿性の向上、及びオイルや燃料等の異物の侵入を防止す
るため、積層型圧電素子を金属ケース内に収容してアク
チュエータが構成されており、積層型圧電素子の変位を
金属ケースに伝達し、金属ケース自体を変位させること
が行われている。
【0004】このようなアクチュエータとして、特開平
6−283778号公報に開示されるようなものが知ら
れている。この公報に開示されたアクチュエータでは、
積層型圧電素子を金属ケースに封入することにより、外
気との遮断を行い、耐湿性の向上、及びオイルや燃料等
の侵入を防止している。
【0005】図5は、この公報に開示されたアクチュエ
ータを示すもので、積層型圧電素子51の一端がベース
部材52に固定され、該ベース部材52には、蛇腹(ダ
イヤフラム)53の開口部が嵌入され、これにより、積
層型圧電素子51に変位方向と逆向きの予荷重が印加さ
れている。即ち、蛇腹(ダイヤフラム)53が積層型圧
電素子51への予荷重の印加、及び変位量の伝達を行っ
ている。
【0006】このようなアクチュエータでは、積層型圧
電素子51を全く接着剤を使用せず搭載することが可能
となり、接着剤のアウトガスによる腐食などの不具合を
防止できる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記特
開平6−283778号報に開示されたアクチュエータ
では、蛇腹53により、積層型圧電素子51に予荷重を
印加するとともに、この蛇腹53が変形することにより
変位を伝達していたので、積層型圧電素子51を高速で
長期間変位させると、経時的に蛇腹53が劣化してい
き、予荷重を印加できなくなり、アクチュエータとして
機能しなくなるという問題があった。
【0008】また、このようなアクチュエータでは、積
層型圧電素子51に印加された荷重が除去された場合や
温度変化が生じた場合に、蛇腹53内の積層型圧電素子
51に寸法変化(寸法収縮)が生じるため、組み付け時
に印加された予荷重を設計通りに印加できなくなり、蛇
腹53内にて積層型圧電素子51がフリーな状態とな
り、蛇腹53内にて自由に移動してしまうという問題が
あった。
【0009】また、この荷重フリーな状態で蛇腹53内
にて積層型圧電素子51が動き、傾いた状態にてセット
されると、片当たりの状態が生じ、この状態で駆動を行
った場合、積層型圧電素子51に曲げ応力が加わり、更
に、これが長期に渡ると積層型圧電素子51が破損する
という問題があった。
【0010】即ち、本発明者によれば、積層型圧電素子
は、図6の荷重印加時及び荷重除去時の積層型圧電素子
の積層方向における寸法変化に示すように、積層型圧電
素子は印加荷重の増加に伴い積層方向に収縮しており、
この荷重を除去した場合、元の寸法(0点)に戻らず
に、積層方向の寸法に収縮が生じることを確認した。
【0011】また、近年、アクチュエータは、その使用
目的から、0℃以下の低温下や、200℃前後の高温下
など、様々な幅広い温度下で使用されるようになってき
ている。このような使用環境下においては、図7に示し
た雰囲気温度と積層型圧電素子の積層方向における寸法
変化との関係に理解されるように、温度上昇に伴って積
層方向の寸法が収縮していることを確認した。
【0012】この現象は、積層型圧電素子に使用される
圧電磁器は、分極処理を施すことによって、電圧を印加
した際に逆圧電効果を生じて伸長しているが、分極処理
を施した圧電磁器は、温度上昇に伴いその材料のキュリ
ー温度に近づくにつれ、分極処理によって1方向に向い
ていたドメインが未分極時の状態に戻っていくために発
生しているためである。
【0013】これらの現象から、上記特開平6−283
778号報に開示されたアクチュエータでは、積層型圧
電素子に印加された荷重が除去された場合や温度変化が
生じた場合に、蛇腹内の積層型圧電素子に寸法変化(寸
法収縮)が生じるため、組み付け時に印加された予荷重
がかからない状態となり、金属ケース内にて積層型圧電
素子がフリーな状態となるという問題があった。
【0014】本発明は、外気との遮断を行い耐湿性を向
上でき、オイルや燃料の侵入の防止を行なうことができ
るとともに、荷重変化や温度変化が生じた場合でも、常
に積層型圧電素子の伸縮方向に予荷重が印加された状態
で長期間駆動させることができるアクチュエータ及び噴
射装置を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明のアクチュエータ
は、圧電体と内部電極とを交互に積層してなる積層型圧
電素子と、該積層型圧電素子の伸縮方向一端部が固定さ
れたベース部材と、前記積層型圧電素子が収容されると
ともに、一端部が前記ベース部材に固定され、他端部が
前記積層型圧電素子を前記ベース部材側に押圧する予荷
重印加ケースと、該予荷重印加ケースが収容され、一端
部が前記ベース部材に固定された外側ケースと、前記積
層型圧電素子の他端部に設けられ、前記予荷重印加ケー
スの他端部の貫通孔を挿通し、前記積層型圧電素子の変
位を前記外側ケースに伝達する変位伝達部材とを具備し
てなるものである。
【0016】このようなアクチュエータでは、積層型圧
電素子の変位を外部に伝達する外側ケースと、積層型圧
電素子に予荷重を印加する予荷重印加ケースとが分離さ
れているため、予荷重印加ケースを剛体で作製し、この
予荷重印加ケースに、例えば、積層型圧電素子をベース
部材側に押圧するバネ部材を設けることにより、予荷重
印加ケースが伸縮することなく、積層型圧電素子に予荷
重を印加することができ、荷重変化や温度変化による積
層型圧電素子の寸法変化が生じた場合でも、常に積層型
圧電素子の伸縮方向に予荷重を印加した状態で変位を伝
達することが可能となる。
【0017】また、外側ケースにより、外気との遮断を
行うことができ、これにより耐湿性を向上できるととも
に、積層型圧電素子が外側ケースにより密閉されている
ので、オイルや燃料の侵入を防止できる。
【0018】また、本発明のアクチュエータでは、外側
ケースには、積層型圧電素子の伸縮方向に変形し易い易
変形部が設けられていることが望ましい。特に、外側ケ
ースは金属製筒からなり、側面を蛇腹状に形成して構成
されていることが望ましい。これにより、絞り加工等の
塑性加工により外側ケースを安価に作製することができ
るとともに、外側ケースの易変形部が、積層型圧電素子
の伸縮方向に容易に変形できる。
【0019】また、本発明のアクチュエータでは、積層
型圧電素子の伸縮方向における外側ケースのバネ定数が
30〜100kgf/mmであることが望ましい。これ
により、積層型圧電素子が発生する変位量を低下するこ
となく外部に伝達することができるとともに、積層型圧
電素子が変位する際に易変形部から受ける反力による衝
撃を小さくできるため、耐久性を向上できる。
【0020】本発明の噴射装置は、噴射孔を有する収納
容器と、該収納容器内に収容された上記アクチュエータ
と、該アクチュエータの駆動により前記噴射孔から液体
を噴出させるバルブとを具備してなるものである。この
ような噴射装置では、アクチュエータが、耐湿性を向上
し、オイルや燃料の侵入を防止できるとともに、常に積
層型圧電素子の伸縮方向に予荷重を印加した状態で変位
を伝達することができるため、長期間良好な噴射特性を
維持できる。
【0021】
【発明の実施の形態】本発明のアクチュエータは、図1
に示すように、積層型圧電素子1が予荷重印加ケース3
内に収容され、該予荷重印加ケース3が外側ケース5内
に収容されて構成され、予荷重印加ケース3、外側ケー
ス5の一端部に形成された開口部が、ベース部材6に嵌
入固定されている。
【0022】積層型圧電素子1は、圧電体7と内部電極
9とを交互に積層して構成され、その側面に一対の外部
電極10を有している。また、伸縮方向の両端には、不
活性体13a、13bが形成されている。これらの不活
性体13a、13bは、積層型圧電素子1を機械的に保
持し、発生する力を外部へ伝達するものである。
【0023】具体的には、図2に示すように、内部電極
9の端部には1層おきに絶縁体14が形成され、絶縁体
14が形成されていない内部電極9の端部が、同一の外
部電極10に接続されている。
【0024】圧電体7は、例えば、チタン酸ジルコン酸
鉛Pb(Zr,Ti)O3(以下PZTと略す)或い
は、チタン酸バリウムBaTiO3を主成分とする圧電
セラミック材料などが使用されるが、これらに限定され
るものではなく、圧電性を有するセラミックスであれば
何れでも良い。
【0025】なお、この圧電体材料としては、圧電歪み
定数d33が高いものが望ましい。また、圧電体7の厚
み、つまり内部電極9間の距離は、小型化および高い電
界を印加するという点から0.05〜0.25mmであ
ることが望ましい。
【0026】内部電極9は、焼結時には素子本体の全て
の側面に露出しているが、そのうち2つの側面におい
て、内部電極9端部を含む圧電体7の端部1層おきに溝
が形成され、該溝にガラス、エポキシ樹脂、ポリイミド
樹脂、ポリアミドイミド樹脂、シリコーンゴム等が充填
されて絶縁体14が形成されている。なお、絶縁体14
は低ヤング率の材質、例えばシリコーンゴム等が好まし
い。
【0027】このように、内部電極9は互い違いに1層
おきに絶縁され、絶縁されていない内部電極9の他方の
端面は、予め素子本体の側面に塗布しておいた熱硬化性
導電性接着剤に導電性部材を密着させた状態で、熱硬化
性導電性接着剤を塗布し加熱硬化させることにより、外
部電極10に接続されている。
【0028】また、予荷重印加ケース3には、図1に示
すように、積層型圧電素子1に伸縮方向(圧電体の積層
方向)に荷重を印加する予荷重印加部が設けられてい
る。即ち、予荷重印加ケース3は、筒状のケース本体3
aと、ケース本体3aの内周に嵌合する荷重印加用リン
グ3bとから構成されており、荷重印加用リング3bの
下面には、積層型圧電素子1を下方に押圧するバネ部材
11が当接し、荷重印加用リング3bを反力として、バ
ネ部材11により、積層型圧電素子1がベース部材6側
に押圧されている。予荷重印加部は、荷重印加用リング
3bとバネ部材11により構成されている。
【0029】外側ケース5は、断面が筒状のケース本体
5aと、このケース本体5aの上端部に嵌入された上端
封止部材5bとから構成され、内部の積層型圧電素子1
が気密に収納されている。
【0030】外側ケース5のケース本体5aには、蛇腹
状の易変形部21が設けられている。この易変形部21
は、絞り加工等の塑性加工により安価に作製することが
できるとともに、積層型圧電素子1の伸縮方向に容易に
変形できる。
【0031】易変形部21は、厚み0.1〜0.4mm
のSUS304やSUS401Lなどの金属製円筒を絞
り加工等の塑性加工することにより得られる。尚、本発
明では、ケース本体5a全体が上記材料から構成されて
いる。
【0032】また、積層型圧電素子1の伸縮方向におけ
るケース本体5a(易変形部)のバネ定数は30〜10
0kgf/mmとされている。易変形部21のバネ定数
は、図3に示すバネ定数と積層型圧電素子1の変位量と
の関係から理解されるように、易変形部21のバネ定数
が高くなるに伴い、積層型圧電素子1の変位量が低下し
ているため、積層型圧電素子1の変位を低下させること
なく伝達するために、30〜100kgf/mmである
ことが望ましい。
【0033】また、積層型圧電素子1が変位する際、易
変形部21の反力による衝撃が積層型圧電素子1に加わ
り、特に電圧のパルス印加による連続駆動などでは、こ
の衝撃が繰り返し印加されると、積層型圧電素子1の耐
久性を劣化させるため、バネ定数は、特に30〜60k
gf/mmが望ましい。そして、易変形部21のバネ定
数がバネ部材11より大きくなると、積層型圧電素子1
の発生する変位が、この易変形部21により拘束され、
変位が低下するため、易変形部21のバネ定数は、バネ
部材11よりも小さいことが望ましい。
【0034】尚、易変形部21としては、特にケース本
体5aを蛇腹状に形成して構成することに限定されるも
のではなく、例えば、ケース本体5aの一部を変形し易
い金属材料で形成しても良い。
【0035】ベース部材6には、一対のハーメチックリ
ードピン15が設けられており、これらのハーメチック
リードピン15の一端は、ベース部材6に固定された積
層型圧電素子1の外部電極10にそれぞれ接続されてい
る。
【0036】積層型圧電素子1の不活性部13bには変
位伝達部材23が設けられており、この変位伝達部材2
3は、不活性部13bに当接する拡径部23aと、この
拡径部23aに設けられた棒状体23bとから構成され
ている。棒状体23bは、荷重印加用リング3bの貫通
孔を挿通し、外側ケース5の上端封止部材5bに当接し
ている。
【0037】予荷重印加ケース3の上端内部には、SU
S等の金属製荷重印加用リング3bがレーザー溶接など
の方法で溶接されており、コイルバネや皿バネなどのバ
ネ部材11が荷重印加用リング3bで押すことにより積
層型圧電素子1に荷重印加を行なっているため、このバ
ネ部材11のバネ定数も易変形部21のバネ定数と同様
に、積層型圧電素子1の変位を低下させることがないよ
うに、30〜100kgf/mmが望ましい。
【0038】積層型圧電素子1の封止に用いた、ケース
本体5a、予荷重印加ケース3、荷重印加用リング3
b、ベース部材6、及び上端封止部材5bは、レーザー
溶接などによりそれぞれ溶接されている。この際、各部
材が異種材の場合、各部材の線膨張差の影響により、溶
接後の冷却時に溶接部にクラックが生じるため、気密封
止が困難となるため、これらの部材は同材質とすること
が望ましい。
【0039】本発明のアクチュエータは、先ず、積層型
圧電素子1を作製する。チタン酸ジルコン酸鉛Pb(Z
r,Ti)O3などの圧電体セラミックスの仮焼粉末
と、有機高分子からなるバインダーと、可塑剤とを混合
したスラリーを作製し、スリップキャステイング法によ
り、厚み50〜250μmのセラミックグリーンシート
を作製する。
【0040】このグリーンシートの片面に内部電極9と
なる銀−パラジウムを主成分とする導電性ペーストをス
クリーン印刷法により1〜10μmの厚みに印刷する。
この導電性ペーストを乾燥させた後、導電性ペーストが
塗布された複数のグリーンシートを所定の枚数だけ積層
し、この積層体の積層方向の両端部に、導電性ペースト
が塗布されていないグリーンシートを積層する。
【0041】次に、この積層体を50〜200℃で加熱
を行いながら加圧を行い、積層体を一体化する。一体化
された積層体は所定の大きさに切断された後、400〜
800℃で5〜40時間、脱バインダが行われ、900
〜1200℃で2〜5時間の本焼成が行われ、素子本体
となる積層焼結体を得る。この素子本体の側面には、内
部電極9の端部が露出している。
【0042】その後、素子本体の2つの対向する側面に
おいて、内部電極9端部を含む圧電体7の端部に該2側
面において互い違いになるように、1層おきに深さ50
〜500μm、積層方向の幅50〜300μmの溝を形
成し、該溝にシリコーンゴム等を充填する。
【0043】このあと、素子本体の側面に外部電極ペー
ストを塗布し、乾燥して外部電極10を形成し、積層型
圧電素子1の外周面にデイッピング等の方法により、シ
リコーンゴムを被覆する。その後、外部電極10に0.
1〜3kVの分極電圧を印加し、積層型圧電素子1全体
を分極処理することで、最終的な積層型圧電素子1を得
る。
【0044】この様にして得られた積層型圧電素子1
を、接着剤を用いてベース部材6に固定した後、積層型
圧電素子1の外部電極10とハーメチックリードピン1
5とを半田などで接続する。次に、変位伝達部材23に
皿バネなどのバネ部材11をセットし、変位伝達部材2
3の拡径部23aを積層型圧電素子1の上端に乗せ、荷
重印加用リング3bがレーザー溶接などの方法で溶接さ
れた予荷重印加ケース3を被せ、加圧用プレス器にて5
0〜150kgfの予荷重を印加した状態にて、予荷重
印加ケース3の下端部とベース部材6とをレーザー溶接
などの方法で溶接する。
【0045】その後、外側ケース5を被せ、ケース本体
5aの下端部とベース部材6とをレーザー溶接などの方
法で溶接する。上端封止部材5bをケース本体5aの上
面に乗せ、変位伝達部材23が上端封止部材5bに当接
するように加圧用プレス器にて荷重5〜20kgfを印
加し、この状態でレーザー溶接等の方法で溶接すること
により、本発明のアクチュエータを作製できる。
【0046】図4は、本発明の噴射装置を示すもので、
図において符号31は収納容器を示している。この収納
容器31の一端には噴射孔33が設けられ、また収納容
器31内には、噴射孔33を開閉することができるニー
ドルバルブ35が収容されている。
【0047】噴射孔33には燃料通路37が連通可能に
設けられ、この燃料通路37は外部の燃料供給源に連結
され、燃料通路37に常時一定の高圧で燃料が供給され
ている。従って、ニードルバルブ35が噴射孔33を開
放すると、燃料通路37に供給されていた燃料が一定の
高圧で内燃機関の図示しない燃料室内に噴出されるよう
に形成されている。
【0048】また、ニードルバルブ35の上端部は直径
が大きくなっており、収納容器31に形成されたシリン
ダ39と摺動可能なピストン41となっている。そし
て、収納容器31内には、上記したアクチュエータ43
が収納されている。
【0049】このような噴射装置では、アクチュエータ
43が電圧を印加されて伸長すると、ピストン41が押
圧され、ニードルバルブ35が噴射孔33を閉塞し、燃
料の供給が停止される。また、電圧の印加が停止される
とアクチュエータ43が収縮し、皿バネ45がピストン
41を押し返し、噴射孔33が燃料通路37と連通して
燃料の噴射が行われるようになっている。
【0050】
【実施例】チタン酸ジルコン酸鉛Pb(Zr,Ti)O
3などの圧電体セラミックスの仮焼粉末と、有機高分子
からなるバインダーと、可塑剤とを混合したスラリーを
作製し、スリップキャステイング法により、厚み150
μmのセラミックグリーンシートを作製した。
【0051】このグリーンシートの片面に内部電極9と
なる銀−パラジウムを主成分とする導電性ペーストをス
クリーン印刷法により5μmの厚みに印刷し、導電性ペ
ーストを乾燥させた後、導電性ペーストが塗布された複
数のグリーンシートを400枚積層し、この積層体の積
層方向の両端部に、導電性ペーストが塗布されていない
グリーンシートを10枚積層した。
【0052】次に、この積層体を100℃で加熱を行い
ながら加圧を行い、積層体を一体し、10mm×10m
mの大きさに切断した後、800℃で10時間の脱バイ
ンダを行い、1100℃で2時間の本焼成を行ない素子
本体を得た。
【0053】その後、素子本体の2つの側面において、
内部電極9端部を含む圧電体7の端部に該2側面におい
て互い違いになるように、1層おきに深さ100μm、
積層方向の幅50μmの溝を形成し、絶縁体14を充填
した。この後、絶縁されていない内部電極9の他方の端
面は、予め塗布しておいた導電性耐熱接着剤に厚み0.
5mmの導電性部材の銀箔を密着させた状態で200℃
で加熱し、加熱硬化させることにより、外部電極10を
形成し、この後、外周面にデイッピング法により、シリ
コーンゴムを被覆した後、1kVの分極電圧を印加し、
素子全体を分極処理して積層型圧電素子1を作製した。
【0054】この積層型圧電素子1とSUS304製の
ベース部材6をエポキシ樹脂にて接着した後、ハーメチ
ックリードピン15と外部電極10を半田にて接続し
た。次に、荷重印加部のバネ定数が50kgf/mmと
なるように3直列に並べたJISH4の皿バネを、交互
に重ねて4並列に設定してバネ部材11を形成し、これ
を変位伝達部材23に乗せた後、積層型圧電素子1の上
部へ置いた。
【0055】これに、SUS304製の厚み0.1mm
の円筒に、SUS304製の荷重印加用リング3bをレ
ーザー溶接して作製した予荷重印加ケース3を被せ、加
圧用プレス器予荷重50kgfを印加して、ベース部材
6にレーザー溶接器にて溶接した。
【0056】次に、SUS304製の厚み0.15mm
の円筒を絞り加工にて、バネ定数が30kgf/mmと
なるように易変形部21を形成して作製したケース本体
5aを被せ、ベース部材6にレーザー溶接器にて溶接し
た。
【0057】この後、上端封止部材5bをケース本体5
aに乗せ、変位伝達部材23が上端封止部材5bに当接
するように加圧用プレス器にて荷重5kgfを印加し、
レーザー溶接し、積層型圧電素子1を気密封止して、本
発明のアクチュエータを作製した。
【0058】また、比較の為に、バネ定数30kgf/
mmの蛇腹部を形成した金属ケース内に積層型圧電素子
を収容し、蛇腹を用いて予荷重印加を行う図5に示すア
クチュエータを作製した。尚、金属ケースを溶接する
際、5kgfの荷重を印加してレーザー溶接を行った。
【0059】まず、これらの変位特性を比較するため
に、印加電圧0〜200Vにて電圧・変位特性を測定し
た結果、両アクチュエータともに、変位量40μmを発
生しており、変位特性に差がないことが分かった。
【0060】次に、耐久性を比較するために、雰囲気温
度100℃、湿度90%下で、0Vから+200Vの直
流電界を50Hzの周波数にて印加する耐久試験を行っ
た。その結果、本発明品は変位量40μmで1×109
回でも問題無く駆動するのを確認した。また、耐久試験
終了後に、アクチュエータ外観を観察した結果、長期駆
動によるクラック等の発生がなく、易変形部、及び予荷
重印加部共に劣化がないことを確認した。
【0061】また、比較用のアクチュエータでは、1×
107回にて駆動しなくなった。このアクチュエータを
分解し、封止した積層型圧電素子を観察した結果、不活
性体近傍より、クラックが生じ、この部位を起点に両極
間にてショートしているのが確認された。この不活性体
近傍のクラックは、温度上昇に伴なう積層型圧電素子の
寸法変化により、金属ケース内にて積層型圧電素子が片
当たりの状態となり、曲げの応力が生じたために発生し
た。
【0062】また、図5のアクチュエータにて、長期間
駆動による易変形部の劣化がないか確認するために、寸
法変化が生じても位置ズレが発生しないように、蛇腹を
用いて予荷重50kgfを印加し、レーザー溶接を行
い、比較用アクチュエータを作製した。このアクチュエ
ータを雰囲気温度100℃、湿度90%下で、0Vから
+200Vの直流電界を50Hzの周波数にて印加する
耐久試験を行った。
【0063】その結果、変位量40μmで1×109
でも問題無く駆動するのを確認したものの、蛇腹の外観
を観察した結果、クラックが発生しているのを確認し
た。これは、蛇腹を用いて予荷重50kgfを印加した
ために、長期駆動による蛇腹の劣化が促進されたためと
考えられる。この結果から、本発明品は、予荷重印加部
と易変形部を分けて設けていることから、長期間駆動に
おいても、金属ケースの劣化がなく、耐久性に優れてい
ることが判る。
【0064】
【発明の効果】以上詳述した通り、本発明のアクチュエ
ータでは、積層型圧電素子の変位を外部に伝達する外側
ケースと、積層型圧電素子に予荷重を印加する予荷重印
加ケースとが分離されているため、予荷重印加ケースを
剛体で作製し、この予荷重印加ケースに、例えば、積層
型圧電素子をベース部材側に押圧するバネ部材を設ける
ことにより、予荷重印加ケースが伸縮することなく、積
層型圧電素子に予荷重を印加することができ、荷重変化
や温度変化による積層型圧電素子の寸法変化が生じた場
合でも、常に積層型圧電素子の伸縮方向に予荷重を印加
した状態で変位を伝達することができる。
【0065】また、外側ケースにより、外気との遮断を
行うことができ、これにより耐湿性を向上できるととも
に、積層型圧電素子が外側ケースにより密閉されている
ので、オイルや燃料の侵入を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のアクチュエータを示す縦断面図であ
る。
【図2】積層型圧電素子の一例を示す斜視図である。
【図3】バネ定数と積層型圧電素子の変位量の関係を示
すグラフである。
【図4】本発明の噴射装置を示す説明図である。
【図5】従来のアクチュエータを示す断面図である。
【図6】荷重印加及び荷重除去時の積層型圧電素子の寸
法変化を示すグラフである。
【図7】雰囲気温度と積層型圧電素子の寸法変化の関係
を示すグラフである。
【符号の説明】
1・・・積層型圧電素子 3・・・予荷重印加ケース 5・・・外側ケース 6・・・ベース部材 7・・・圧電体 9・・・内部電極 23・・・変位伝達部材 21・・・易変形部 31・・・収納容器 33・・・噴射孔 35・・・バルブ 43・・・アクチュエータ

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】圧電体と内部電極とを交互に積層してなる
    積層型圧電素子と、該積層型圧電素子の伸縮方向一端部
    が固定されたベース部材と、前記積層型圧電素子が収容
    されるとともに、一端部が前記ベース部材に固定され、
    他端部が前記積層型圧電素子を前記ベース部材側に押圧
    する予荷重印加ケースと、該予荷重印加ケースが収容さ
    れ、一端部が前記ベース部材に固定された外側ケース
    と、前記積層型圧電素子の他端部に設けられ、前記予荷
    重印加ケースの他端部の貫通孔を挿通し、前記積層型圧
    電素子の変位を前記外側ケースに伝達する変位伝達部材
    とを具備してなることを特徴とするアクチュエータ。
  2. 【請求項2】外側ケースには、積層型圧電素子の伸縮方
    向に変形し易い易変形部が設けられていることを特徴と
    する請求項1項記載のアクチュエータ。
  3. 【請求項3】噴射孔を有する収納容器と、該収納容器内
    に収容された請求項1又は2記載のアクチュエータと、
    該アクチュエータの駆動により前記噴射孔から液体を噴
    出させるバルブとを具備してなることを特徴とする噴射
    装置。
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