JP2002299640A - 力学量センサ - Google Patents
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Abstract
動及び固定電極の間の容量変化に基づいて力学量を検出
するようにした力学量センサにおいて、電極のたわみに
よるスティッキングを防止する。 【解決手段】 可動電極24及び固定電極31、32に
おける個々の櫛歯の平面形状が、根元部側から突出先端
部側に向かってテーパ状に細くなった形状となってい
る。
Description
と櫛歯状の固定電極とを有し、これら可動及び固定電極
の間の容量変化に基づいて、加速度等の力学量を検出す
るようにした力学量センサに関する。
図6、図7に示す。ここで、図6は平面構成図、図7は
図6中のB−B線に沿った模式的な断面図である。この
ものは、SOI(シリコンオンインシュレータ)基板等
の、第1の半導体層11と第2の半導体層12とが絶縁
膜13を介して積層された積層基板10に対して、周知
の半導体製造技術を施すことにより製造されたものであ
る。
第1の半導体層11及び絶縁膜13には開口部13aを
形成することにより、第1の半導体層11は矩形枠状の
基部として構成され、第2の半導体層12には図に示す
ような梁構造体が形成されている。
は、基部11に対して力学量(加速度等)の印加に応じ
て所定方向(図6中の矢印で示すY軸方向)に変位可能
なように梁部22を介して支持された錘部210と、こ
の錘部210から突出する櫛歯状の可動電極240と、
この可動電極240における個々の櫛歯の側面と離間し
て対向するように基部11から突出する櫛歯状の固定電
極310、320とを備えている。
2の弾性力によって錘部210が、Y軸方向へ変位し、
この変位に伴う可動電極240と固定電極310、32
0との間の検出間隔40の容量変化に基づいて、印加力
学量を検出するようにしている。
た従来の力学量センサにおいては、可動電極240及び
固定電極310、320が櫛歯形状であるため、過大な
力学量の印加によって両電極がY軸方向へたわみ、可動
電極240と固定電極310、320との両電極が必要
以上に接近すると、これら両電極の間の静電気力により
両電極が付着する、つまり、スティッキングが発生する
という問題が生じる。
の可動及び固定電極を有し、これら可動及び固定電極の
間の容量変化に基づいて力学量を検出するようにした力
学量センサにおいて、電極のたわみによるスティッキン
グを防止することを目的とする。
状が長方形である櫛歯状の可動及び固定電極では、上記
Y軸方向(錘部の変位方向)への剛性が不十分であるた
め、電極の平面形状に工夫を施し当該電極の剛性を向上
させることにより、電極のたわみを抑制し、スティッキ
ングを防止することに着目して、なされたものである。
部(11)と、この基部に対して力学量の印加に応じて
所定方向に変位可能なように支持された錘部(20)
と、この錘部から突出する櫛歯状の可動電極(24)
と、この可動電極における個々の櫛歯の側面と離間して
対向するように基部から突出する櫛歯状の固定電極(3
1、32)とを備え、力学量が印加されたときの錘部の
変位に伴う可動電極と固定電極との間の容量変化に基づ
いて印加力学量を検出するようにした力学量センサにお
いて、可動電極及び固定電極の少なくとも一方における
個々の櫛歯の平面形状が、根元部側から突出先端部側に
向かってテーパ状に細くなった形状となっていることを
特徴としている。
なくとも一方における個々の櫛歯の平面形状が、根元部
側から突出先端部側に向かってテーパ状に細くなった形
状(以下、テーパ先細形状という)となっているため、
従来の平面長方形状に比べて、可動及び固定電極の少な
くとも一方の剛性を向上させることができる。
可動電極及び固定電極の少なくとも一方の電極のたわみ
が抑制される。よって、本発明によれば、電極のたわみ
によるスティッキングを防止することができる。
極及び固定電極のうち少なくとも可動電極(24)にお
ける個々の櫛歯の平面形状を、上記テーパ先細形状とし
たことを特徴としている。
え、従来の平面長方形状の可動電極に比べて可動電極の
剛性向上及び軽量化が図れ、結果的に、錘部と可動電極
とを含めた可動部の軽量化を図ることができる。このこ
とにより、次のような利点がある。
号)を印加し、可動部を初期位置から擬似的に所定量変
位させた後、可動部を初期位置へ戻すことにより、その
間の容量変化をモニタし、検出性能を自己診断すること
が行われる。
動電極自身の振動によって、駆動力が、錘部を変位させ
る梁部にまで十分に伝達されず減衰してしまう。また、
可動部が重いと、上記自己診断信号によって可動部が変
位しにくい。そのため、錘部の変位量が正規の変位量よ
りも少なくなり、可動部の初期位置への戻りによる容量
変化も小さくなるので、結果、自己診断における出力が
低下してしまう。
極の剛性向上が図れるとともに、可動部の軽量化を図る
ことができるため、上記自己診断の際に、錘部の変位量
を容易に正規の変位量に確保することができ、自己診断
における出力低下を防止することができる。
極(24)及び固定電極(31、32)の両方における
個々の櫛歯の平面形状を、上記テーパ先細形状としたこ
とを特徴としている。
項2の発明と同様の効果を発揮できることに加え、入力
ダイナミックレンジを拡大することができるという利点
がある。これは、可動及び固定電極の両方をテーパ先細
形状とすることで、これら両電極のたわみを抑制するこ
とができるためである。
も、従来の平面長方形状の様な、たわみやすい形状であ
るとすると、例えば、印加力学量が大きいときに、たわ
みやすい形状の電極がたわむことにより、可動及び固定
電極の間の距離が必要以上に変化する。すると、見かけ
上、実際の印加力学量よりも大きな力学量が印加された
かの様に、両電極間の容量が変化する。このことは、セ
ンサ出力特性の非直線性につながり、好ましくない。
を抑制するようにすれば、より大きな力学量が印加され
ても、その印加力学量に応じた容量変化を実現すること
ができる。そのため、センサ出力特性の非直線性を改善
することができ、入力ダイナミックレンジの拡大につな
がる。
側から突出先端部側に向かってテーパ状に細くなった形
状(テーパ先細形状)は、櫛歯の根元部側から突出先端
部側に向かってテーパ状に細くなった台形形状であるこ
とを特徴としている。
先端部が尖った形状も含まれるが、突出先端部を尖らす
ことは、加工精度の点から困難であるため、突出先端部
を、ある程度幅を持たせた台形形状とすれば、加工しや
すいという利点がある。
する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一
例である。
について説明する。本実施形態は、本発明の力学量セン
サを、例えば、エアバッグ、ABS、VSC等の作動制
御を行うための自動車用加速度センサやジャイロセンサ
等に適用可能な差動容量式の半導体加速度センサについ
て適用したものとして説明する。
ンサという)S1の概略平面構成を示し、図2に図1中
のA−A線に沿った模式的な断面構造を示す。なお、図
1及び図2中、「従来技術」の欄にて述べた上記図6及
び図7と同一部分には同一符号を付してある。
製造技術を用いたマイクロマシン加工を施すことにより
形成される。センサS1を構成する半導体基板は、図2
に示す様に、第1の半導体層としての第1シリコン基板
(本発明でいう基部)11と第2の半導体層としての第
2シリコン基板12との間に、絶縁膜としての酸化膜1
3を有する矩形状のSOI基板10である。
チング等によって溝14を形成することにより、可動部
20、及び、この可動部20と溝14を介して区画され
た固定部30よりなる梁構造体が形成されている。
1のうち上記梁構造体20、30の形成領域に対応した
部位は、犠牲層エッチング等により除去されて矩形状の
開口部13aを形成している。そして、固定部30は、
開口部13aの開口縁部にて、酸化膜13を介して第1
シリコン基板11に支持されている。
た可動部20は、長方形状の錘部21の両端を、梁部2
2を介してアンカー部23a及び23bに一体に連結し
た構成となっている。これらアンカー部23a及び23
bは、酸化膜13における開口部13aの開口縁部に固
定され、第1シリコン基板11上に支持されている。こ
れにより、錘部21及び梁部22は開口部13aに臨ん
だ状態となっている。
連結された矩形枠状をなしており、梁の長手方向と直交
する方向に変位するバネ機能を有する。具体的には、梁
部22は、図1中の矢印Yで示すY軸方向の成分を含む
加速度を受けたときに、錘部21をY軸方向へ変位させ
るとともに、加速度の消失に応じて元の状態に復元させ
るようになっている。
板11に対してY軸方向(所定方向Y)へ変位可能に支
持されており、加速度の印加に応じて、開口部13a上
にてY軸方向へ変位するようになっている。
軸を中心として、錘部21の両側の側面(図1中の左右
両側面)には、それぞれ、複数個(図示例では6個ず
つ)の棒状の可動電極24が、Y軸と略直交する方向へ
突出して延びており、櫛歯状に形成されている。
成されて、開口部13aに臨んだ状態となっている。こ
のように、錘部21と一体形成された可動電極24は、
錘部21とともにY軸方向へ変位可能となっている。
と対向するように第1シリコン基板(基部)11から突
出して延びる複数個の棒状の固定電極31、32を備え
ている。各固定電極31、32は、第1シリコン基板1
1に片持ち支持されて、錘部21の左右一対の櫛歯状の
可動電極24における櫛歯の隙間に噛み合うように対向
して配置されている。
1中の左側に位置する第1の固定電極31と、右側に位
置する第2の固定電極32とより成り、第1の固定電極
31と第2の固定電極32とは、互いに電気的に独立し
ている。個々の固定電極(図示例では左右6個ずつ)3
1、32は、断面矩形の梁状に形成されており、各配線
部31a、32aに片持ち状に支持された状態で、開口
部13aに臨んだ状態となっている。
の電極の側面は、個々の可動電極24の側面と所定の間
隔を存して対向配置されている。ここで、可動及び固定
電極24、31、32の対向する間隔のうち狭い方の間
隔が、加速度検出時において静電容量変化の検出に用い
られる検出間隔40であり、検出間隔40とは反対側の
広い方の間隔は、加速度検出時において静電容量変化の
検出に用いない非検出間隔である。
す様に、可動電極24及び固定電極31、32の両方に
おける個々の櫛歯の平面形状が、根元部側から突出先端
部側に向かってテーパ状に細くなった形状(以下、テー
パ先細形状という)となっている。
24、31、32ともに同じ台形形状としており、例え
ば、突出長さが200μm、根元部の幅が4μm、根元
部よりも細くなっている突出先端部の幅が2μm程度の
ものにすることができる。
向する可動及び固定の両電極24、31、32の側面
は、Y軸方向に対して直角に配置されている。ここで、
両電極24、31、32の側面は、従来同様に長方形で
あり(図2参照)、検出間隔40における対向面積は確
保されている。そして、この検出間隔40の距離は、電
極の根元側から先端部側の全体で均一となっており、例
えば3μm程度にすることができる。
する可動及び固定の両電極24、31、32の側面は、
Y軸方向に対してテーパの分だけ斜めに配置されてい
る。そして、この非検出間隔の距離も、電極の根元側か
ら先端部側の全体で均一となっており、例えば9μm程
度にすることができる。
1a、32a上の所定位置には、それぞれワイヤボンデ
ィング用の固定電極パッド31b、32bが形成されて
いる。また、一方のアンカー部23bと一体に連結され
た状態で、可動電極用配線部25が形成されており、こ
の配線部25上の所定位置には、ワイヤボンディング用
の可動電極パッド25aが形成されている。上記の各電
極パッド25a、31b、32bは、例えばアルミニウ
ムにより形成されている。
反対側に貫通する矩形状の貫通孔50が複数形成されて
おり、これら貫通孔50により、矩形枠状部を複数組み
合わせた所謂ラーメン構造形状が形成されている。これ
により、可動部20の軽量化、捩じり強度の向上がなさ
れている。
第1シリコン基板11の裏面(酸化膜13とは反対側の
面)側において接着剤60を介してパッケージ70に接
着固定されている。このパッケージ70には、後述する
回路手段80が収納されている。そして、この回路手段
80と上記の各電極パッド25a、31b、32bと
は、金もしくはアルミニウムのワイヤボンディング等に
より形成されたワイヤ(図示せず)等により電気的に接
続されている。
極31と可動電極24との検出間隔40に第1の容量
(CS1とする)、第2の固定電極32と可動電極24
との検出間隔40に第2の容量(CS2とする)が、そ
れぞれ形成されている。
ネ機能により、可動部20全体が一体的にY軸方向へ変
位し、可動電極24の変位に応じて上記各容量CS1、
CS2が変化する。そして、上記回路手段80は、可動
電極24と固定電極31、32による差動容量(CS1
−CS2)の変化に基づいて加速度を検出する。
0に対して強制的に信号を印加し、可動部20を初期位
置から擬似的に所定量変位させた後、可動部20を初期
位置へ戻すことにより、その間の容量変化をモニタし、
検出性能を自己診断するようにしている。
出方法および自己診断方法について、具体的に述べる。
図3に、本センサS1に設けられた回路手段80の具体
的な構成を示す。
チドキャパシタ回路)90及びスイッチ回路100を有
する。C−V変換回路90は、可動電極24と固定電極
31、32とからなる容量CS1、CS2の変化を電圧
に変換して出力するもので、演算増幅器91、コンデン
サ92、及びスイッチ93から構成されている。
極パッド25aを介して可動電極24に接続されてお
り、反転入力端子と出力端子との間には、コンデンサ9
2およびスイッチ93が並列に接続されている。また、
演算増幅器91の非反転入力端子には、スイッチ回路1
00を介してV/2の電圧とV1の電圧のいずれかが入
力される。
0における演算増幅器91の非反転入力端子に、図示し
ないそれぞれの電圧源からのV/2の電圧とV1(V/
2とは異なる)の電圧のいずれかを入力するもので、ス
イッチ101とスイッチ102から構成されている。ス
イッチ101とスイッチ102は、一方が閉じていると
きに他方が開くようになっている。
を有しており、この制御回路は、固定電極パッド31b
から、一定振幅Vで周期的に変化する搬送波P1を第1
の固定電極31へ入力し、固定電極パッド32bから、
搬送波P1と位相が180°ずれ且つ同一振幅Vである
搬送波P2を第2の固定電極32へ入力する。また、こ
の制御回路は、上記の各スイッチ93、101、102
の開閉を所定のタイミングにて制御できるようになって
いる。
出する検出信号を印加する状態(通常動作時)につい
て、図4に示す信号波形図を参照して説明する。上記制
御回路から出力される搬送波P1(例えば、周波数10
0kHz、振幅0〜5V)は、図4に示すように、期間
φ1を1周期(例えば10μs)としてハイレベルとロ
ーレベルが変化する一定振幅の矩形波信号となってお
り、搬送波P2は、搬送波P1に対して電圧レベルが反
転した矩形波信号となっている。
1及びP2が各固定電極31、32へ印加されていると
き、スイッチ回路100においてスイッチ101は閉、
スイッチ102は開になっている。それによって、演算
増幅器91の非反転入力端子にV/2の電圧が印加さ
れ、可動電極24にはV/2(例えば2.5V)の一定
電圧(可動電極信号)が印加されている。
い場合には、第1の固定電極31と可動電極24との電
位差、及び、第2の固定電極32と可動電極24との電
位差は、共にV/2となり、第1の固定電極31と可動
電極24との間の静電気力、及び、第2の固定電極32
と可動電極24との間の静電気力は、略等しく釣り合っ
ている。
0において、スイッチ93は、図4に示すタイミングで
開閉される。このスイッチ93が閉のとき(期間φ
2)、コンデンサ92がリセットされる。一方、スイッ
チ93が開のときに、加速度検出が行われる。つまり、
期間φ1のうち期間φ2以外の期間が加速度を検出する
期間である。この検出期間において、C−V変換回路9
0からの出力電圧V0は、次の数式1で示される。
固定電極31及び32の間の電圧であり、Cfはコンデ
ンサ92の容量である。
と第2の容量CS2とのバランスが変化する。すると、
上記数式1に基づき容量差(CS1−CS2)に応じた
電圧が、加速度が印加されていないときの出力V0にバ
イアスとして加わった形で出力V0(例えば0〜5V)
として出力される。この出力V0は、この後、増幅回路
やローパスフィルタ等を備えた信号処理回路(図示せ
ず)にて信号処理され、加速度検出信号として検出され
る。
示す信号波形図を参照して説明する。上記制御回路によ
り、図5に示す様に、一定振幅V(図示例では振幅0〜
5V)の矩形波信号である搬送波P1及びP2が入力さ
れる。ここで、期間φ3(例えば100μs)におい
て、搬送波P1と搬送波P2とは、互いに電圧レベルが
反転した一定電圧信号(例えば搬送波P1が0V、搬送
波P2が5V)となっている。
P1及びP2が各固定電極31、32へ印加されている
とき、スイッチ回路100においてスイッチ101は
開、スイッチ102は閉になっている。そのため、演算
増幅器91の非反転入力端子へ、V/2とは異なるV1
(例えば3V)の電圧が印加され、可動電極24には、
この電圧V1が可動電極信号として印加されている。
記通常動作時における静電気力の釣り合いが崩れ、可動
電極24は、両固定電極31、32のうち可動電極24
との間の電位差が大きい方の固定電極へ引き寄せられ
る。図5に示す例では、第1の固定電極31の方へ引き
寄せられるように、梁部22がたわみ、それと一体的に
錘部21及び可動電極24が擬似的に変位する。
似的に所望量変位させ、可動電極24に擬似的な加速度
を発生させる期間である。なお、期間φ3においては、
C−V変換回路90のスイッチ93は閉であるため、コ
ンデンサ92がリセット状態にある。
記図4に示した期間φ1と同様の信号波形を、可動電極
24と固定電極31、32との間に印加することによ
り、直前の期間φ3にて発生した擬似的な加速度(力学
量)を検出する期間である。
3を開とし、コンデンサ92を加速度検出可能な状態と
同じにし、上記通常動作時と同様の搬送波P1及びP2
を印加する。また、スイッチ回路100においてスイッ
チ101を閉、スイッチ102を開として可動電極24
にV/2(例えば2.5V)の一定電圧を駆動電極信号
として印加する。
固定電極31の方へ引き寄せられていた可動電極24
が、元の位置に戻ろうとするため、この容量変化に応じ
てC−V変換回路90のコンデンサ92に電荷が発生
し、期間φ3にて発生した擬似的な加速度を検出するこ
とができる。
とした自己診断信号(上記搬送波及び可動電極信号)
を、可動電極24と固定電極31、32との間に印加す
ることにより、自己診断が可能となっている。
24及び固定電極31、32における個々の櫛歯の平面
形状を、根元部側から突出先端部側に向かってテーパ先
細形状としたことを主たる特徴としている。それによれ
ば、従来の平面長方形状である可動及び固定電極(上記
図6参照)に比べて、可動及び固定電極24、31、3
2のY軸方向への剛性を向上させることができる。
可動電極24及び固定電極31、32のたわみが抑制さ
れる。よって、本実施形態によれば、電極のたわみによ
るスティッキングを防止することができる。
出先端部側に向かって連続的に細くなっているテーパ先
細形状ではなく、根元部側の方が段部を有して非連続的
に突出先端部側よりも幅広になっている形状(非連続的
先細形状)であると、当該段部にてたわみやすく、剛性
向上の効果は得にくい。本実施形態でいうテーパ先細形
状とは、そのような非連続的先細形状を排除するもので
ある。
状が長方形である櫛歯状の可動及び固定電極に比べて、
電極を軽量化して剛性を向上させることができるため、
軽量化された電極の共振周波数を、可動部20全体の共
振周波数よりも大きくすることができ、ノイズの低減を
図ることができる。
方形状の可動電極に比べて可動電極24の剛性向上及び
軽量化が図れ、結果的に、錘部20と可動電極24とを
含めた可動部20全体の軽量化を図ることができる。こ
のことにより、自己診断時において、次のような利点が
ある。
みやすいと、可動電極24自身の振動によって、駆動力
が、錘部21を変位させる梁部22にまで十分に伝達さ
れず減衰してしまう。また、可動部20全体が重いと、
上記自己診断信号によって可動部20が変位しにくい。
望みうる正規の変位量よりも少なくなり、可動部の初期
位置への戻りによる容量変化も小さくなるので、結果、
自己診断における出力が低下してしまう。
4の剛性向上が図れるとともに、可動部20の軽量化を
図ることができるため、上記自己診断の際に、錘部21
の変位量を、容易に正規の変位量に確保することがで
き、自己診断における出力低下を防止することができ
る。
固定電極31、32の両方における個々の櫛歯の平面形
状を、テーパ先細形状としているため、加速度センサと
しての入力ダイナミックレンジを拡大することができる
という利点がある。これは、可動及び固定電極24、3
1、32の両電極のたわみが、抑制されるためである。
が、従来の平面長方形状の様な、たわみやすい形状であ
るとすると、例えば、印加加速度が大きいときに、たわ
みやすい形状の電極がたわむことにより、検出間隔40
が必要以上に変化する。すると、見かけ上、実際の印加
加速度よりも大きな加速度が印加されたかの様に、両電
極間の容量CS1、CS2が変化する。このことは、セ
ンサ出力特性の非直線性につながり、好ましくない。
2の両方のたわみが抑制されれば、より大きな加速度が
印加されても、その印加加速度に応じた容量変化を実現
することができる。そのため、センサ出力特性の非直線
性を改善することができ、入力ダイナミックレンジの拡
大につながる。
合、電極の突出先端部が尖った形状を採用しても良い。
しかし、本センサS1の様に、半導体製造技術を用いて
製造するセンサの場合、各電極24、31、32の平面
形状は、第2シリコン基板12にトレンチエッチングを
施すことにより画定される。
の露光精度やパターニング精度、更にはエッチング精度
等を考慮すると、突出先端部を尖らすことは、加工精度
の点から困難である。そのため、本実施形態では、電極
の突出先端部を、ある程度の幅を持たせた台形形状とす
ることにより、適切に電極の平面形状を加工できるよう
にしている。
面長方形である櫛歯状電極に対し、電極の平面形状をテ
ーパ先細形状とするだけであるので、その製造方法は、
従来のセンサと変わることなく、周知の半導体製造技術
を適用することができる。
である櫛歯状電極24、31、32の剛性が、従来の平
面長方形である櫛歯状電極と同等で良いならば、テーパ
先細形状の効果によって、本実施形態の電極を、従来に
比べて長くして検出間隔40における容量値を大きくす
ることができる。その場合、感度の向上及び可動部20
の振動のQ値低減が可能となり、センサ特性の向上が図
れる。
は、可動電極24及び固定電極31、32の両方におけ
る個々の櫛歯の平面形状を、テーパ先細形状としている
が、個々の櫛歯の平面形状をテーパ先細形状とするの
は、可動電極24のみか、固定電極31、32のみでも
良い。これらの場合でも、電極のたわみによるスティッ
キングを防止することができる。
1に適用するものに限らず、圧力センサ、ヨーレートセ
ンサなどの容量式の力学量センサにも同様に適用するこ
とができる。
概略平面図である。
る。
構成図である。
に供する信号波形図である。
に供する信号波形図である。
る。
る。
1…第1の固定電極、32…第2の固定電極。
Claims (4)
- 【請求項1】 基部(11)と、 この基部に対して力学量の印加に応じて所定方向に変位
可能なように支持された錘部(20)と、 この錘部から突出する櫛歯状の可動電極(24)と、 この可動電極における個々の櫛歯の側面と離間して対向
するように前記基部から突出する櫛歯状の固定電極(3
1、32)とを備え、 力学量が印加されたときの前記錘部の変位に伴う前記可
動電極と前記固定電極との間の容量変化に基づいて、印
加力学量を検出するようにした力学量センサにおいて、 前記可動電極及び前記固定電極の少なくとも一方におけ
る個々の櫛歯の平面形状が、根元部側から突出先端部側
に向かってテーパ状に細くなった形状となっていること
を特徴とする力学量センサ。 - 【請求項2】 少なくとも前記可動電極(24)におけ
る個々の櫛歯の平面形状が、根元部側から突出先端部側
に向かってテーパ状に細くなった形状となっていること
を特徴とする請求項1に記載の力学量センサ。 - 【請求項3】 前記可動電極(24)及び前記固定電極
(31、32)の両方における個々の櫛歯の平面形状
が、根元部側から突出先端部側に向かってテーパ状に細
くなった形状となっていることを特徴とする請求項1ま
たは2に記載の力学量センサ。 - 【請求項4】 前記根元部側から突出先端部側に向かっ
てテーパ状に細くなった形状は、櫛歯の根元部側から突
出先端部側に向かってテーパ状に細くなった台形形状で
あることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つ
に記載の力学量センサ。
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