JP2002299530A - 熱伝導板およびその製造方法 - Google Patents

熱伝導板およびその製造方法

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JP2002299530A
JP2002299530A JP2001099936A JP2001099936A JP2002299530A JP 2002299530 A JP2002299530 A JP 2002299530A JP 2001099936 A JP2001099936 A JP 2001099936A JP 2001099936 A JP2001099936 A JP 2001099936A JP 2002299530 A JP2002299530 A JP 2002299530A
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heat
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Hisao Igarashi
久夫 五十嵐
Katsumi Sato
克己 佐藤
Kazuo Inoue
和夫 井上
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 発熱体または受熱体を十分に密着させること
ができ、しかも、高い効率で熱を伝導することができる
熱伝導板およびその製造方法を提供すること。 【解決手段】 本発明の熱伝導板は、金属製の基板と、
この基板における少なくとも一面に一体的に設けられた
熱伝導層とを具えてなり、前記熱伝導層は、柔軟性を有
する高分子材料中に、磁性を示す熱伝導性粒子および非
磁性の熱伝導性粒子が含有されてなり、当該磁性を示す
熱伝導性粒子が、当該熱伝導層の厚み方向に並ぶよう配
向された状態で含有されていることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱伝導板およびそ
の製造方法に関し、更に詳しくは、例えばウエハ等の電
子部品材料に対してスパッター処理、蒸着処理、CVD
処理、プラズマ処理等の微細加工処理を行う際に用いら
れる、電子部品材料を載置するための処理ステージとし
て好適な熱伝導板およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体集積回路装置などの電子部品の製
造においては、ウエハやその他の電子部品材料を微細加
工するために、当該電子部品材料に対して、スパッター
処理、蒸着処理、CVD処理、プラズマエッチング処
理、プラズマCVD処理、プラズマアッシング処理など
の微細加工処理が行われている。このような微細加工処
理においては、電子部品材料に対して高い精度で微細加
工を行うためには、被処理体である電子部品材料の温度
を一定の温度範囲に保持することが肝要である。
【0003】従来、電子部品材料の微細加工処理におい
て、電子部品材料の温度を制御する手段としては、冷却
装置および加熱装置に接続された、熱伝導性の高い金属
板を、被処理体である電子部品材料を載置するための処
理ステージとして用い、この処理ステージを介して被処
理体の放熱(冷却)または加熱を行う手段などが利用さ
れている。このような手段においては、処理ステージで
ある金属板に電子部品材料を十分に密着させることがで
きれば、電子部品材料の放熱または加熱を高い効率で行
うことができ、また、電子部品材料全体にわたって均一
な温度制御を行うことができる。然るに、電子部品材料
例えばウエハには、一般に反りなどが生じており、その
表面が平坦ではないため、処理ステージである金属板に
ウエハを十分に密着させた状態で保持させることができ
ず、従って、金属板とウエハとの間には、その一部の個
所に空隙が形成された状態となる。その結果、金属板と
ウエハとの間において、空隙が形成された個所の熱抵抗
が相当に大きくなるため、ウエハの放熱または加熱を高
い効率で行うことが困難であり、また、ウエハ全体にわ
たって均一な温度制御を行うことが困難である。
【0004】このような問題を解決するため、被処理体
である電子部品材料が載置される処理ステージを、金属
板と、この金属板上に配置された、例えば弾性高分子材
料中にカーボンブラックなどの熱伝導性粒子が分散され
てなる熱伝導シートとにより構成し、この処理ステージ
における熱伝導シート上に電子部品材料を載置して処理
を行う手段が提案されている。このような手段によれ
ば、弾性高分子材料により形成された熱伝導シートが電
子部品材料の表面状態に応じて厚み方向に変形するの
で、当該熱伝導シートに電子部品材料を十分に密着させ
ることが可能となる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな処理ステージを構成する熱伝導シートにおいては、
熱伝導性粒子間に弾性高分子材料が介在する、すなわち
熱伝導が熱伝導性粒子の他に熱伝導性の低い弾性高分子
材料を介して行われ、しかも伝熱経路が複雑なものとな
るので、熱伝導性粒子自体の有する高い熱伝導性を十分
に発揮させることができず、従って、熱伝導シート自体
が必ずしも高い熱伝導性を有するものではない。また、
熱伝導性シートの熱伝導性を高めるためには、弾性高分
子材料中に含有される熱伝導性粒子の割合を高くするこ
とが考えられるが、このような熱伝導シートは、その硬
度が高いものとなるため、被処理体を十分に密着させる
ことが困難となり、また、被処理体の表面に損傷を与え
る、という問題がある。
【0006】本発明は、以上のような事情に基づいてな
されたものであって、その目的は、発熱体または受熱体
を十分に密着させることができ、しかも、高い効率で熱
を伝導することができる熱伝導板を提供することにあ
る。本発明の他の目的は、発熱体または受熱体を十分に
密着させることができ、しかも、高い効率で熱を伝導す
ることができる熱伝導板を製造することができる方法を
提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の熱伝導板は、金
属製の基板と、この基板における少なくとも一面に一体
的に設けられた熱伝導層とを具えてなり、前記熱伝導層
は、柔軟性を有する高分子材料中に、磁性を示す熱伝導
性粒子および非磁性の熱伝導性粒子が含有されてなり、
当該磁性を示す熱伝導性粒子が、当該熱伝導層の厚み方
向に並ぶよう配向された状態で含有されていることを特
徴とする。
【0008】本発明の熱伝導板においては、前記熱伝導
層は、JIS ゴムA硬度が50以下であることが好ま
しい。また、前記熱伝導層の厚みが20〜3000μm
であることが好ましい。また、前記熱伝導層中における
磁性を示す熱伝導性粒子の割合が、体積分率で10〜6
0%であることが好ましい。また、前記熱伝導層中にお
ける磁性を示す熱伝導性粒子および非磁性の熱伝導性粒
子の合計の割合が、体積分率で20〜70%であること
が好ましい。
【0009】本発明の熱伝導板においては、前記熱伝導
層に含有された磁性を示す熱伝導性粒子は、飽和磁化が
0.1wb/m2 以上の磁性体を含有してなるものであ
ることが好ましい。また、前記熱伝導層に含有された磁
性を示す熱伝導性粒子は、磁性体を含有する芯粒子の表
面に、高熱伝導性材料が被覆されてなるものであっても
よく、高熱伝導性材料を含有する芯粒子の表面に、磁性
体が被覆されてなるものであってもよい。また、前記熱
伝導層に含有された磁性を示す熱伝導性粒子の表面に低
融点金属膜が形成されていてもよい。また、前記熱伝導
層を形成する高分子材料が、硬化ゴム組成物、硬化ゲル
組成物または熱可塑性エラストマー組成物であることが
好ましい。
【0010】本発明の熱伝導板の製造方法は、硬化され
て柔軟性を有する高分子材料となる高分子形成材料中に
磁性を示す熱伝導性粒子および非磁性の熱伝導粒子が含
有されてなる熱伝導層用材料層を、金属製の基板におけ
る少なくとも一面に形成し、この熱伝導層用材料層に対
して、その厚み方向に磁場を作用させると共に、当該熱
伝導層用材料層の硬化処理を行う工程を有することを特
徴とする。
【0011】また、本発明の熱伝導板の製造方法は、加
熱溶融された高分子材料中に磁性を示す熱伝導性粒子お
よび非磁性の熱伝導粒子が含有されてなる熱伝導層用材
料層を、金属製の基板における少なくとも一面に形成
し、この熱伝導層用材料層に対して、その厚み方向に磁
場を作用させると共に、当該熱伝導層用材料層を冷却す
る工程を有することを特徴とする。
【0012】また、本発明の熱伝導板の製造方法は、溶
剤中に高分子材料が溶解されかつ磁性を示す熱伝導性粒
子および非磁性の熱伝導粒子が含有されてなる熱伝導層
用材料層を、金属製の基板における少なくとも一面に形
成し、この熱伝導層用材料層に対して、その厚み方向に
磁場を作用させると共に、当該熱伝導層用材料層から溶
剤を除去する工程を有することを特徴とする。
【0013】また、本発明の熱伝導板の製造方法は、硬
化されて柔軟性を有する高分子材料となる高分子形成材
料中に、表面に低融点金属膜が形成された磁性を示す熱
伝導性粒子および非磁性の熱伝導粒子が含有されてなる
熱伝導層用材料層を、金属製の基板における少なくとも
一面に形成し、この熱伝導層用材料層に対して、その厚
み方向に磁場を作用させると共に、当該磁性を示す熱伝
導性粒子の表面に形成された低融点金属膜の融点以上の
温度で、当該熱伝導層用材料層の硬化処理を行う工程を
有することを特徴とする。
【0014】
【作用】上記の熱伝導板によれば、金属製の基板上に設
けられた熱伝導層には、磁性を示す熱伝導性粒子が当該
熱伝導層の厚み方向に配向された状態で含有されてお
り、これらの熱伝導性粒子の連鎖によって熱伝導層の厚
み方向に伸びる伝熱経路が形成され、更に、熱伝導層に
は、磁性粒子の他に非磁性粒子が含有されているため、
磁性粒子の連鎖による伝熱経路以外にも、当該電熱経路
に連なる多数の伝熱経路が形成されるので、熱伝導性粒
子の割合が小さくても、当該熱伝導層の厚み方向に高い
熱伝導性が得られる。また、熱伝導層が柔軟性を有する
高分子材料により形成されており、しかも、熱伝導性粒
子の割合を小さくすることが可能であるため、発熱体ま
たは受熱体によって押圧されることにより、それらの表
面形状に追従して容易に変形する。従って、発熱体また
は受熱体と熱伝導層との間に空隙が形成されることがな
いので、熱伝導層に発熱体または受熱体に十分に密着さ
せることができ、その結果、発熱体または受熱体との間
に生ずる熱抵抗が小さくなり、これにより、熱伝導層自
体が有する高い熱伝導性が十分に発揮される。また、熱
伝導層が容易に変形するため、発熱体または受熱体によ
って熱伝導層を押圧しても、当該発熱体または受熱体に
損傷を与えることがない。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て詳細に説明する。図1は、本発明の熱伝導板の一例に
おける構成を示す説明用断面図である。この熱伝導板1
0は、例えばウエハやその他の電子部品材料などの被処
理体の表面にスパッター処理等の微細加工処理を行う際
に、当該被処理体を保持するための処理ステージとして
用いられるものであって、金属製の基板11と、この基
板の一面(図1において上面)上に一体的に積層されて
設けられた熱伝導層15とにより構成されており、熱伝
導層15における露出する表面(図1において上面)は
平坦面とされている。また、図示の例における熱伝導板
10には、その熱伝導層15の表面に被処理物を吸引吸
着するための貫通孔12が、当該熱伝導板10の厚み方
向に貫通するよう形成されている。
【0016】基板11を構成する金属材料としては、
銀、アルミニウム、銅、鉄、ニッケルおよびアルミニウ
ム合金、銅合金、ステンレス(SUS)、熱伝導性の良
好な銀、金、銅の金属によって表面が被覆されてなるも
のなどを用いることができる。基板11の厚みは特に限
定されるものではないが、例えば0.02〜2mm、好
ましくは0.1〜0.5mmである。
【0017】熱伝導層15は、図2に拡大して示すよう
に、柔軟性好ましくは弾性を有する高分子材料中に、磁
性を示す熱伝導性粒子(以下、「磁性粒子」ともい
う。)Mおよび非磁性の熱伝導性粒子(以下、「非磁性
粒子」ともいう。)Nが含有されて構成されている。こ
の熱伝導層15中において、磁性粒子Mは、熱伝導層1
5全体にわたって当該熱伝導層15の厚み方向に並ぶよ
う配向された状態で含有され、一方、非磁性粒子Nは、
熱伝導層15全体にわたって分散した状態で含有されて
いる。
【0018】熱伝導層15を形成するための柔軟性を有
する高分子材料としては、例えば硬化ゴム組成物、硬化
ゲル組成物、熱可塑性エラストマー組成物を用いること
ができる。
【0019】硬化ゴム組成物を得るために用いることの
できる硬化性のゴム材料としては、種々のものを用いる
ことができ、その具体例としては、ポリブタジエンゴ
ム、天然ゴム、ポリイソプレンゴム、スチレン−ブタジ
エン共重合体ゴム、アクリロニトリル−ブタジエン共重
合体ゴムなどの共役ジエン系ゴムおよびこれらの水素添
加物、スチレン−ブタジエン−ジエンブロック共重合体
ゴム、スチレン−イソプレンブロック共重合体などのブ
ロック共重合体ゴムおよびこれらの水素添加物、クロロ
プレン、ウレタンゴム、ポリエステル系ゴム、エピクロ
ルヒドリンゴム、シリコーンゴム、エチレン−プロピレ
ン共重合体ゴム、エチレン−プロピレン−ジエン共重合
体ゴムなどが挙げられる。以上において、得られる熱伝
導板に耐熱性が要求される場合には、共役ジエン系ゴム
以外のものを用いることが好ましく、特に、成形加工性
および電気特性の観点から、シリコーンゴムを用いるこ
とが好ましい。
【0020】シリコーンゴムとしては、液状シリコーン
ゴムを架橋または縮合したものが好ましい。液状シリコ
ーンゴムは、その粘度が歪速度10-1secで105
アズ以下のものが好ましく、縮合型のもの、付加型のも
の、ビニル基やヒドロキシル基を含有するものなどのい
ずれであってもよい。具体的には、ジメチルシリコーン
生ゴム、メチルビニルシリコーン生ゴム、メチルフェニ
ルビニルシリコーン生ゴムなどを挙げることができる。
これらの中で、ビニル基を含有する液状シリコーンゴム
(ビニル基含有ポリジメチルシロキサン)は、通常、ジ
メチルジクロロシランまたはジメチルジアルコキシシラ
ンを、ジメチルビニルクロロシランまたはジメチルビニ
ルアルコキシシランの存在下において、加水分解および
縮合反応させ、例えば引続き溶解−沈殿の繰り返しによ
る分別を行うことにより得られる。
【0021】また、ビニル基を両末端に含有する液状シ
リコーンゴムは、オクタメチルシクロテトラシロキサン
のような環状シロキサンを触媒の存在下においてアニオ
ン重合し、重合停止剤として例えばジメチルジビニルシ
ロキサンを用い、その他の反応条件(例えば、環状シロ
キサンの量および重合停止剤の量)を適宜選択すること
により得られる。ここで、アニオン重合の触媒として
は、水酸化テトラメチルアンモニウムおよび水酸化n−
ブチルホスホニウムなどのアルカリまたはこれらのシラ
ノレート溶液などを用いることができ、反応温度は、例
えば80〜130℃である。
【0022】このようなビニル基含有ポリジメチルシロ
キサンは、その分子量Mw(標準ポリスチレン換算重量
平均分子量をいう。以下同じ。)が10000〜400
00のものであることが好ましい。また、得られる熱伝
導層15の耐熱性の観点から、分子量分布指数(標準ポ
リスチレン換算重量平均分子量Mwと標準ポリスチレン
換算数平均分子量Mnとの比Mw/Mnの値をいう。以
下同じ。)が2以下のものが好ましい。
【0023】一方、ヒドロキシル基を含有する液状シリ
コーンゴム(ヒドロキシル基含有ポリジメチルシロキサ
ン)は、通常、ジメチルジクロロシランまたはジメチル
ジアルコキシシランを、ジメチルヒドロクロロシランま
たはジメチルヒドロアルコキシシランの存在下におい
て、加水分解および縮合反応させ、例えば引続き溶解−
沈殿の繰り返しによる分別を行うことにより得られる。
また、環状シロキサンを触媒の存在下においてアニオン
重合し、重合停止剤として、例えばジメチルヒドロクロ
ロシラン、メチルジヒドロクロロシランまたはジメチル
ヒドロアルコキシシランなどを用い、その他の反応条件
(例えば、環状シロキサンの量および重合停止剤の量)
を適宜選択することによっても得られる。ここで、アニ
オン重合の触媒としては、水酸化テトラメチルアンモニ
ウムおよび水酸化n−ブチルホスホニウムなどのアルカ
リまたはこれらのシラノレート溶液などを用いることが
でき、反応温度は、例えば80〜130℃である。
【0024】このようなヒドロキシル基含有ポリジメチ
ルシロキサンは、その分子量Mwが10000〜400
00のものであることが好ましい。また、得られる熱伝
導層15の耐熱性の観点から、分子量分布指数が2以下
のものが好ましい。本発明においては、上記のビニル基
含有ポリジメチルシロキサンおよびヒドロキシル基含有
ポリジメチルシロキサンの両者を併用することもでき
る。
【0025】本発明においては、硬化性のゴム材料を硬
化させるために適宜の硬化触媒を用いることができる。
このような硬化触媒としては、有機過酸化物、脂肪酸ア
ゾ化合物、ヒドロシリル化触媒などを用いることができ
る。硬化触媒として用いられる有機過酸化物の具体例と
しては、過酸化ベンゾイル、過酸化ビスジシクロベンゾ
イル、過酸化ジクミル、過酸化ジターシャリーブチルな
どが挙げられる。硬化触媒として用いられる脂肪酸アゾ
化合物の具体例としては、アゾビスイソブチロニトリル
などが挙げられる。ヒドロシリル化反応の触媒として使
用し得るものの具体例としては、塩化白金酸およびその
塩、白金−不飽和基含有シロキサンコンプレックス、ビ
ニルシロキサンと白金とのコンプレックス、白金と1,
3−ジビニルテトラメチルジシロキサンとのコンプレッ
クス、トリオルガノホスフィンあるいはホスファイトと
白金とのコンプレックス、アセチルアセテート白金キレ
ート、環状ジエンと白金とのコンプレックスなどの公知
のものが挙げられる。硬化触媒の使用量は、硬化性ゴム
材料の種類、硬化触媒の種類、その他の硬化処理条件を
考慮して適宜選択されるが、通常、硬化性ゴム材料10
0重量部に対して3〜15重量部である。
【0026】また、硬化性ゴム材料中には、硬化性ゴム
材料のチクソトロピー性の向上、粘度調整、熱伝導性粒
子の分散安定性の向上、或いは高い強度を有する熱伝導
層を得ることなどを目的として、必要に応じて、通常の
シリカ粉、コロイダルシリカ、エアロゲルシリカ、アル
ミナなどの無機充填材を含有させることができる。この
ような無機充填材の使用量は、特に限定されるものでは
ないが、多量に使用すると、磁場による磁性粒子の配向
を十分に達成することができなくなるため、好ましくな
い。
【0027】熱伝導層15を形成するための硬化ゲル組
成物の具体例としては、付加型シリコーンゴム、フロロ
シリコーンゴムなどが挙げられ、例えば信越化学工業株
式会社から市販されている「X−32−1342」、
「X−31−7006」、「KE1051」、「KE1
052」、「KE110Gel」、「KE104Ge
l」、「FE53」などを用いることができる。
【0028】熱伝導層15を形成するための熱可塑性エ
ラストマー組成物の具体例としては、ポリスチレン系熱
可塑性エラストマー、ポリオレフィン系熱可塑性エラス
トマー、ポリ塩化ビニル系熱可塑性エラストマー、ポリ
エステル系熱可塑性エラストマー、ポリウレタン系熱可
塑性エラストマー、ポリアミド系熱可塑性エラストマ
ー、フッ素ポリマー系熱可塑性エラストマー、あるいは
通常のエラストマーに可塑剤を添加したものなどが挙げ
られる。
【0029】熱伝導層15中に含有される磁性粒子の具
体例としては、(1)ニッケル、鉄、コバルトなどの飽
和磁化が0.1Wb/m2 以上の金属磁性体よりなる粒
子若しくはこれらの合金の粒子、ZrFe2 、FeBe
2 、FeRhなどの飽和磁化が0.1Wb/m2 以上の
金属間化合物磁性体またはこれらの金属間化合物磁性体
を含有する粒子、またはこれらの磁性を示す粒子を芯粒
子とし、当該芯粒子の表面に金属または金属以外の高熱
伝導性材料が被覆されてなるもの、(2)化学式:MO
・Fe2 3 〔Mは、Mn、Fe、Ni、Cu、Mg、
Znなどより選択される金属〕で表されるフェライト、
およびこれらの混合物であるMn−ZnフェライトやN
i−Znフェライト、FeMn2 4 などのマンガナイ
ト、化学式:MO・Co2 3 〔Mは、Fe、Niなど
より選択される金属〕で表されるコバルタイトなどの飽
和磁化が0.1Wb/m2 以上の金属酸化物磁性体より
なる粒子またはこれらの金属酸化物磁性体を含有する粒
子を芯粒子とし、当該芯粒子の表面に、金属または金属
以外の高熱伝導性材料が被覆されてなるもの、(3)
銀、アルミウニム、銅、アルミニウム合金、銅合金、ス
テンレス(SUS)などの金属、窒化硼素(ボロンナイ
トライド)、窒化珪素、酸化ベリリウム、酸化マグネシ
ウム、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、炭化珪素
などのセラミックス材料、カーボンブラック、ダイアモ
ンドなどの非磁性の熱伝導性材料よりなる粒子を芯粒子
とし、当該芯粒子の表面に、ニッケル、鉄、コバルトな
どの0.1Wb/m2 以上の磁性体が被覆されてなるも
の、などが挙げられる。
【0030】上記(1)および(2)の磁性粒子におい
て、芯粒子に被覆される高熱伝導性材料としては、熱伝
導率が10W/(m・K)以上、好ましくは50W/
(m・K)以上、さらに好ましくは100W/(m・
K)以上のものを用いることが好ましい。このような高
熱伝導性材料の具体例としては、銀、銅、金、アルミニ
ウムなどの金属、例えば窒化アルミニウム、窒化硼素
(ボロンナイトライド)、窒化珪素、酸化ベリリウム、
酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、窒化アルミニウ
ム、炭化珪素などのセラミックス材料、カーボンブラッ
ク、ダイアモンドなどが挙げられる。また、高熱伝導性
材料として金属を用いる場合には、化学的に安定で変質
しにくい点で金または銀が好ましい。
【0031】芯粒子の表面に高熱伝導性材料を被覆する
手段としては、特に限定されるものではないが、高熱伝
導性材料として金属を用いる場合には、例えば化学メッ
キ法、スパッタリング法などを利用することができ、高
熱伝導性材料としてセラミックス材料を用いる場合に
は、例えば反応性スパッタリング法などを利用すること
ができ、高熱伝導性材料として、ダイアモンドを用いる
場合には、例えばCVD法などを利用することができ
る。
【0032】芯粒子の表面に高熱伝導性材料が被覆され
てなる磁性粒子としては、良好な熱伝導性が得られる観
点から、粒子表面における高熱伝導性材料の被覆率(芯
粒子の表面積に対する金属の被覆面積の割合)が40%
以上であることが好ましく、さらに好ましくは45%以
上である。また、高熱伝導性材料の被覆量は、後述する
製造方法において、磁性粒子の磁場による配向に悪影響
を与えない範囲で多い方がよく、具体的には、芯粒子の
0.5〜50重量%であることが好ましく、より好まし
くは1〜30重量%、さらに好ましくは3〜25重量
%、特に好ましくは4〜20重量%である。
【0033】上記(3)の磁性粒子において、芯粒子に
被覆される強磁性体の被覆量は、芯粒子の40〜90重
量%であることが好ましく、より好ましくは50〜80
重量%、さらに好ましくは55〜75重量%、特に好ま
しくは60〜70重量%である。
【0034】また、磁性粒子としては、表面にはんだ合
金などの低融点金属膜を形成したものを用いることがで
きる。ここで、芯粒子または金属膜の表面に低融点金属
膜を形成する手段については、特に限定されるものでは
ないが、例えば化学メッキまたは電解メッキにより行う
ことができる。
【0035】磁性粒子として、表面に低融点金属膜が形
成されてなるものを用いる場合には、低融点金属の被覆
量は、当該磁性粒子全体の5〜40重量%であることが
好ましく、より好ましくは7〜30重量%、さらに好ま
しくは10〜20重量%、特に好ましくは10〜15重
量%である。このような磁性粒子を用いることにより、
後述する製造方法において、熱伝導層用材料層の硬化処
理が低融点金属の融点以上の温度で行われることによっ
て低融点金属が溶融され、これにより、隣接する磁性粒
子の各々が低融点金属によって連結される結果、磁性粒
子の連結体よりなる伝熱経路が形成されるので、熱伝導
層15の厚み方向に一層高い熱伝導性が得られる。
【0036】磁性粒子の粒子径は、1〜1000μmで
あることが好ましく、より好ましくは2〜500μm、
さらに好ましくは5〜300μm、特に好ましくは10
〜200μmである。また、磁性粒子の粒子径分布(D
w/Dn)は、1〜10であることが好ましく、より好
ましくは1.01〜7、さらに好ましくは1.05〜
5、特に好ましくは1.1〜4である。このような条件
を満足する磁性粒子を用いることにより、良好な伝熱経
路が形成され、所期の熱伝導性を得ることができる。ま
た、磁性粒子の形状は、特に限定されるものではない
が、高分子形成材料中に容易に分散させることができる
点で、球状のもの、星形状のものあるいはこれらが凝集
した2次粒子による塊状のものであることが好ましい。
【0037】また、磁性粒子の含水率は、5%以下であ
ることが好ましく、より好ましくは3%以下、さらに好
ましくは2%以下、とくに好ましくは1%以下である。
このような条件を満足する磁性粒子を用いることによ
り、高分子形成材料を硬化処理する際に気泡が生ずるこ
とが防止または抑制される。
【0038】また、磁性粒子として、その表面がシラン
カップリング剤などのカップリング剤で処理されたもの
を適宜用いることができる。カップリング剤の使用量
は、磁性粒子の熱伝導性に影響を与えない範囲で適宜選
択されるが、磁性粒子表面におけるカップリング剤の被
覆率(芯粒子の表面積に対するカップリング剤の被覆面
積の割合)が5%以上となる量であることが好ましく、
より好ましくは7〜100%、さらに好ましくは10〜
100%、特に好ましくは20〜100%となる量であ
る。
【0039】熱伝導層15中における磁性粒子の割合
は、体積分率で10〜60%であることが好ましく、よ
り好ましくは20〜50%、特に好ましくは25〜45
%である。この割合が10%未満の場合には、当該熱伝
導層15の厚み方向に形成される伝熱経路における熱抵
抗が大きくなるため、高い熱伝導性を有する熱伝導層1
5が得られないことがある。一方、この割合が60%を
超える場合には、当該熱伝導層15には、必要な柔軟性
が得られにくいため、当該熱伝導層15を発熱体または
受熱体の表面形状に追従させて変形させることが困難と
なることがあり、また、熱伝導層15の硬度が高くなる
ため、発熱体または受熱体の表面に損傷を与えることが
ある。
【0040】熱伝導層15中に含有される非磁性粒子の
具体例としては、金、銀、銅、アルミニウムなどの金
属、酸化ベリリウム(BeO)、酸化マグネシウム(M
gO)、酸化アルミニウム(Al2 3 )、窒化硼素
(BN)、窒化ケイ素(SiN)、窒化アルミニウム
(AlN)等の金属酸化物、カーボンブラック、ケイ素
などの無機物質などよりなる粒子を挙げることができ
る。
【0041】熱伝導層15中における磁性粒子および非
磁性粒子の合計の割合は、体積分率で20〜70%であ
ることが好ましく、より好ましくは25〜65%、特に
好ましくは30〜60%である。この割合が20%未満
の場合には、当該熱伝導層15の熱抵抗が大きくなるた
め、高い熱伝導性を有する熱伝導層15が得られないこ
とがある。一方、この割合が70%を超える場合には、
当該熱伝導層15には、必要な柔軟性が得られにくいた
め、当該熱伝導層15を発熱体または受熱体の表面形状
に追従させて変形させることが困難となることがあり、
また、熱伝導層15の硬度が高くなるため、発熱体また
は受熱体の表面に損傷を与えることがある。
【0042】熱伝導層15中には、磁性粒子および非磁
性粒子の他に、各種の充填剤、安定剤、酸化防止剤など
の添加剤を適宜含有させることができる。
【0043】熱伝導層15は、JIS Aゴム硬度は、
50以下であることが好ましく、特に好ましくは30以
下である。熱伝導層15のJIS Aゴム硬度が50を
超える場合には、当該熱伝導層15を小さい押圧力で発
熱体または受熱体の表面形状に追従させて変形させるこ
とが困難となり、そのため、熱伝導層15が発熱体また
は受熱体に十分に密着せず、その結果、発熱体からのま
たは受熱体への熱伝導を十分に達成することが困難とな
ることがあり、また、発熱体または受熱体の表面に損傷
を与えることがある。ここで、熱伝導層15のJIS
Aゴム硬度は、JIS K 6253に基づいて、タイ
プAデュロメーターによって測定することができる。
【0044】熱伝導層15の厚みは、20〜3000μ
mであることが好ましく、さらに好ましくは50〜20
00μm、特に好ましくは100〜1000μmであ
る。熱伝導層15の厚みが20μm未満の場合には、当
該熱伝導層15の表面に発熱体または受熱体を密着させ
ることが困難となることがある。一方、熱伝導層15の
厚みが3000μmを超える場合には、熱伝導層15の
厚み方向に形成される伝熱経路における熱抵抗が大きく
なるため、高い熱伝導性が得られないことがある。
【0045】また、発熱体または受熱体を十分に密着さ
せることができる点で、熱伝導層15は、その露出する
表面が平坦なものであることが好ましいが、具体的に
は、熱伝導層15の表面の表面粗さが、50μm以下で
あることが好ましく、特に好ましくは5μm以下であ
る。熱伝導層15の表面粗さが50μmを超える場合に
は、発熱体または受熱体によって押圧されたときに、熱
伝導層15と発熱体または受熱体との間に空隙が形成さ
れやすく、熱伝導層15の表面に発熱体または受熱体を
十分に密着させることが困難となることがある。
【0046】このような熱伝導板10は、例えば以下の
方法(イ)乃至方法(ハ)のいずれかの方法によって製
造することができる。 <方法(イ)>この方法(イ)は、熱伝導層15を形成
する高分子材料として、硬化ゴム組成物または硬化ゲル
組成物を用いる場合に好ましく利用することができる方
法である。先ず、硬化処理によって柔軟性を有する高分
子材料となる高分子形成材料中に磁性粒子および非磁性
粒子を分散させて流動性の熱伝導層用材料を調製し、こ
の熱伝導層用材料を、図3に示すように、金属製の基板
11の一面に塗布することにより、熱伝導層用材料層1
5Aを形成する。この熱伝導層材料層15Aにおいて
は、図4に示すように、磁性粒子Mおよび非磁性粒子N
は、それぞれ熱伝導層材料層15A中に分散された状態
である。
【0047】次いで、熱伝導層用材料層15Aに対し
て、その厚み方向に平行磁場を作用させる。その結果、
熱伝導層用材料層15Aにおいては、当該熱伝導層用材
料層15A中に分散されている磁性粒子Mが、図5に示
すように、当該熱伝導層用材料層15Aの厚み方向に並
ぶよう配向する。一方、非磁性粒子Nは、熱伝導層用材
料層15A中に分散されたままの状態である。そして、
この状態において、熱伝導層用材料層15Aを硬化処理
することにより、図6に示すように、基板11の一面
に、熱伝導層15が一体的に積層された状態で形成され
る。その後、基板11および熱伝導層15の両方を厚み
方向に貫通する貫通孔を形成することにより、図1に示
す熱伝導板15が製造される。
【0048】以上において、熱伝導層用材料層15Aの
硬化処理は、平行磁場を作用させたままの状態で行って
も、平行磁場の作用を停止させた後に行ってもよい。熱
伝導層用材料層15Aに作用される平行磁場の強度は、
平均で0.02〜2テスラとなる大きさが好ましい。ま
た、平行磁場を作用させる手段としては、電磁石、永久
磁石を用いることができる。永久磁石としては、上記の
範囲の平行磁場の強度が得られる点で、アルニコ(Fe
−Al−Ni−Co系合金)、フェライトなどよりなる
ものが好ましい。熱伝導層用材料層15Aの硬化処理
は、使用される材料によって適宜選定されるが、通常、
加熱処理によって行われる。具体的な加熱温度および加
熱時間は、熱伝導層用材料の種類、磁性粒子の移動に要
する時間などを考慮して適宜選定される。
【0049】また、磁性粒子として、表面に低融点金属
膜が形成されてなるものを用いる場合には、熱伝導層用
材料層15Aの硬化処理を低融点金属の融点以上で行う
ことが好ましく、特に、低融点金属の融点をmp[℃]
とするとき、mp+20〜mp+50℃の範囲で硬化処
理を行うことが好ましい。このような方法によれば、熱
伝導層用材料層15Aの硬化処理において、磁性粒子に
おける低融点金属膜が溶融され、隣接する磁性粒子同士
が低融点金属によって連結されることにより、磁性粒子
の連結体よりなる伝熱経路が形成されるので、一層高い
熱伝導性が得られる。
【0050】貫通孔12を形成する方法としては、ドリ
ル穴加工、パンティング穴加工、レーザー穴加工、エッ
チング穴加工などを利用することができる。
【0051】<方法(ロ)>この方法(ロ)は、熱伝導
層15を形成する高分子材料として熱可塑性エラストマ
ー組成物を用いる場合に好ましく利用することができる
方法である。この方法(ロ)においては、先ず、加熱溶
融された熱可塑性エラストマー中に磁性粒子および非磁
性粒子が分散された状態で含有されてなる流動性の熱伝
導層用材料層を、金属製の基板の一面上に形成する。こ
の熱伝導層材料層においては、磁性粒子および非磁性粒
子は、それぞれ熱伝導層材料層中に分散された状態であ
る。ここで、熱伝導層用材料層を形成する方法として
は、例えば押出機などによって熱可塑性エラストマー、
磁性粒子および非磁性粒子を混練してペレット状または
シート状の熱伝導層用材料を調製し、この熱伝導層用材
料を基板の一面に載置して加熱プレスする方法を利用す
ることができる。
【0052】次いで、この熱伝導層用材料層に対して、
電磁石または永久磁石によって平行磁場を当該熱伝導層
用材料層の厚み方向に作用させる。その結果、熱伝導層
用材料層においては、当該熱伝導層用材料層中に分散さ
れている磁性粒子が、その厚み方向に並ぶよう配向す
る。一方、非磁性粒子は、熱伝導層用材料層中に分散さ
れたままの状態である。そして、この状態において、熱
伝導層用材料層を冷却することにより、基板の一面に、
熱伝導層が一体的に積層された状態で形成される。その
後、基板および熱伝導層の両方を厚み方向に貫通する貫
通孔を形成することにより、図1に示す熱伝導板が製造
される。
【0053】<方法(ハ)>この方法(ハ)は、熱伝導
層15を形成する高分子材料として熱可塑性エラストマ
ー組成物を用いる場合に好ましく利用することができる
方法である。この方法(ハ)においては、溶剤中に熱可
塑性エラストマー組成物が溶解されかつ磁性粒子および
非磁性粒子が分散されてなる流動性の熱伝導層用材料層
を、金属製の基板の一面上に形成する。この熱伝導層材
料層においては、磁性粒子および非磁性粒子は、それぞ
れ熱伝導層材料層中に分散された状態である。ここで、
熱可塑性エラストマー組成物を溶解させるための溶剤の
具体例としては、ヘキサン、トルエン、キシレン、シク
ロヘキサンなどの炭化水素化合物、ジクロロエタン、四
塩化炭素、クロロトルエンなどのハロゲン化炭化水素化
合物、エタノール、イソブチルアルコール、プロパンジ
オールなどのアルコール化合物、ジエチルエーテル、ジ
オキサン、ジエチレングリコールジメチルエーテルなど
のエーテル化合物、メチルエチルケトン、メチルイソブ
チルケトン、シクロヘキサンなどのケトン化合物、酢酸
エチル、酢酸ブチル、などのエステル化合物、アセトニ
トリル、ホルムアミドなどの窒素化合物などが挙げられ
る。
【0054】次いで、電磁石または永久磁石によって、
この熱伝導層用材料層に対して、その厚み方向に平行磁
場を作用させて、磁性粒子を熱伝導層用材料層の厚み方
向に配向させる。一方、非磁性粒子は、熱伝導層用材料
層中に分散されたままの状態である。そして、例えば真
空ポンプ等により熱伝導層用材料層から溶剤を蒸発させ
て除去することにより、基板の一面に、熱伝導層が一体
的に積層された状態で形成される。その後、基板および
熱伝導層の両方を厚み方向に貫通する貫通孔を形成する
ことにより、図1に示す熱伝導板が製造される。
【0055】上記の熱伝導板10は、ウエハやその他の
電子部品材料などの被処理体の表面に微細加工処理を行
う際に、当該被処理体を保持するための処理ステージと
して使用される。具体的には、図7に示すように、被処
理体20が、適宜の吸引手段によって熱伝導板10の貫
通孔12を介して吸引されることにより、熱伝導板10
における熱伝導層15の表面上に吸着されて保持され、
この被処理体20に吸引力が作用する結果、当該被処理
体20によって熱伝導層15が押圧される。このとき、
図8に拡大して示すように、被処理体20が、反りなど
によって表面が平坦でないものであっても、熱伝導層1
5が当該被処理体20の表面形状に追従して容易に変形
し、これにより、熱伝導層15の表面に被処理体20が
十分に密着した状態となる。そして、適宜の冷却装置お
よび加熱装置によって、熱伝導板10を介して被処理体
20の温度制御を行いながら、当該被処理体20に対し
て所要の微細加工処理例えばスパッター処理が施され
る。
【0056】以上のような熱伝導板10によれば、金属
製の基板11上に設けられた熱伝導層15には、磁性粒
子Mが当該熱伝導層15の厚み方向に配向された状態で
含有されており、これらの磁性粒子Mの連鎖によって熱
伝導層15の厚み方向に伸びる伝熱経路が形成され、更
に、熱伝導層15には、磁性粒子Mの他に非磁性粒子N
が含有されているため、磁性粒子Mの連鎖による伝熱経
路以外にも、当該電熱経路に連なる多数の伝熱経路が形
成されるので、熱伝導層15中における熱伝導性粒子の
割合が小さくても、当該熱伝導層15の厚み方向に高い
熱伝導性が得られる。また、熱伝導層15が柔軟性を有
する高分子材料により形成されており、しかも、熱伝導
性粒子の割合を小さくすることが可能であるため、被処
理体20によって押圧されることにより、当該被処理体
20の表面形状に追従して容易に変形する。従って、被
処理体20と熱伝導層15との間に空隙が形成されるこ
とがないので、熱伝導層15に被処理体20を十分に密
着させることができ、その結果、被処理体20との間に
生ずる熱抵抗が小さくなり、これにより、熱伝導層15
自体が有する高い熱伝導性が十分に発揮される。従っ
て、被処理体20の放熱および加熱を高い効率で行うこ
とができる。
【0057】また、熱伝導層15が容易に変形するた
め、被処理体20によって熱伝導層15を押圧しても、
当該被処理体20の表面に損傷を与えることがない。従
って、被処理体20の処理を高い歩留りで達成すること
ができる。また、柔軟性を有する熱伝導層15が、剛性
を有する金属製の基板11に一体的に設けられた構成で
あるため、取扱い性が極めて良好である。また、熱伝導
層15中に含有される熱伝導性粒子として磁性を示すも
のを用いるため、熱伝導板10の製造において、流動性
を有する熱伝導層用材料層にその厚み方向に磁場を作用
させることにより、当該熱伝導層用材料層中の磁性粒子
を容易に厚み方向に並ぶよう配向させることができ、従
って、高い熱伝導性を有する熱伝導板10の製造が容易
である。
【0058】また、熱伝導層15における露出する表面
が平坦とされることにより、当該熱伝導層15の表面に
被処理体20を確実に密着させることができる。以上に
おいて、熱伝導層15の表面が凹凸を有するものである
場合には、被処理体20によって押圧されたとしても、
当該熱伝導層15の凹部において、空隙が形成されやす
く、従って、被処理体に確実に密着させることが困難と
なることがある。
【0059】以上、本発明の実施の形態について説明し
たが、本発明は上記の実施の形態に限定されず、以下の
ような種々の変更を加えることが可能である。 (1)図9に示すように、熱伝導層15は、磁性粒子M
が当該熱伝導層15中にその厚み方向に配向した状態で
密に充填された高熱伝導性部分16が形成されたもので
あってもよい。このような熱伝導板10は、例えば部分
的に高い効率で放熱または加熱が必要とされる発熱体ま
たは受熱体に対して有効である。
【0060】この熱伝導板10における熱伝導層15
は、例えば以下のようにして形成することができる。図
10に示すように、磁性粒子Mおよび非磁性粒子Nが分
散されてなる熱伝導層用材料層15Aが一面上に形成さ
れた基板11を、上型30およびこれと対となる下型3
5よりなる金型内に配置する。この金型について具体的
に説明すると、上型30は、強磁性体基板31の下面
に、形成すべき熱伝導層15の高熱伝導性部分16に対
掌なパターンに従って強磁性体層32が形成され、この
強磁性体層32以外の個所に非磁性体層33が形成され
ている。強磁性体層32および非磁性体層33は、実質
的に同一の厚みを有し、上型30の下面、すなわち成形
面は、平坦面とされている。一方、下型35は、強磁性
体基板36の上面に、形成すべき熱伝導層15の高熱伝
導性部分16と同一のパターンに従って強磁性体層37
が形成され、この強磁性体層37以外の個所に非磁性体
層38が形成されている。上型30および下型35の各
々における強磁性体基板31,36および強磁性体層3
2、37を構成する材料としては、鉄、ニッケル、コバ
ルトまたはこれらの合金などを用いることができる。ま
た、上型30および下型35の各々における非磁性体層
33,38を構成する材料としては、銅などの非磁性金
属、ポリイミドなどの耐熱性樹脂、レジスト硬化物など
を用いることができる。
【0061】そして、上型30の上面および下型35の
下面の各々に例えば電磁石を配置しこれを作動させるこ
とにより、上型30における強磁性体層32と下型35
における強磁性体層37との間に位置する部分に大きい
強度を有する平行磁場を作用させる。これにより、当該
熱伝導層用材料層15A中に分散されている磁性粒子M
が、図11に示すように、上型30における強磁性体層
32と下型35における強磁性体層37との間に位置す
る部分に集合すると共に、厚み方向に並ぶよう配向す
る。そして、この状態において、熱伝導層用材料層15
Aを硬化処理することにより、基板11の一面上に熱伝
導層15が一体的に形成される。
【0062】(2)熱伝導層における面方向の熱伝導性
を良好にする観点から、熱伝導層の厚み方向に配向する
磁性粒子による伝熱経路の形成の妨げにならない範囲
で、熱伝導層中にナイロンメッシュ、金属メッシュなど
からなる補強シートが含有されていてもよい。 (3)熱伝導層は、基板の両面に設けられていてもよ
い。 (4)本発明の熱伝導板の用途としては、スパッター処
理における処理ステージに限定されず、例えば蒸着処理
における処理ステージ、プラズマ処理における処理ステ
ージ、CVD処理における処理ステージ、シリコンウエ
ハ、半導体チップ、半導体パッケージのバーンイン試験
装置における被検査物を載置するための放熱板などに利
用することができる。
【0063】
【実施例】以下、本発明の実施例について具体的に説明
するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものでは
ない。 〈実施例1〉付加型液状シリコーンゴムおよび付加型液
状シリコーンゲルを重量比で4:6となる割合で混合し
て得られた組成物中に、磁性粒子を体積分率で30%お
よび非磁性粒子を体積分率で30%となる割合で混合し
て分散させた後、減圧による脱泡処理を行うことにより
流動性の熱伝導層用材料を調製した。以上において、磁
性粒子としては、ニッケル粒子を芯粒子とし、この芯粒
子に金メッキが施されてなるもの(平均粒子径40μ
m,金の平均被覆量:芯粒子の重量の2重量%となる
量)を用い、非磁性粒子としては、カーボン粒子「ユニ
ベックスGCP−10H」(ユニチカ社製)を用いた。
次いで、SUS430よりなる厚みが0.5mmの基板
の一面に上記の熱伝導層用材料を塗布することにより、
厚みが0.3mmの熱伝導層用材料層を形成した。その
後、熱伝導層用材料層に対して、電磁石によって厚み方
向に1Tの平行磁場を作用させながら、100℃、2時
間の条件で熱伝導層用材料層の硬化処理を行うことによ
り、熱伝導層を形成した。この熱伝導層は、その露出す
る表面の表面粗さが4μmであって、平坦なものであ
り、JIS Aゴム硬度が18、厚みが280μmであ
った。そして、ドリル穴加工によって、基板および熱伝
導層を貫通する貫通孔を形成することにより、図1に示
す構成の熱伝導板を製造した。
【0064】〈実施例2〉磁性粒子を、カーボン粒子に
厚みが2μmのニッケルがメッキされてなるもの(平均
粒子径20μm)に変更したこと以外は、実施例1と同
様にして熱伝導板を製造した。この熱伝導板における熱
伝導層のJIS Aゴム硬度は15であった。
【0065】〈比較例1〉磁性粒子を用いず、非磁性粒
子の使用量を体積分率で60%に変更し、さらに硬化処
理において磁場を作用させなかったこと以外は、実施例
1と同様にして熱伝導板を製造した。この熱伝導板にお
ける熱伝導層のJIS Aゴム硬度は20であった。
【0066】〈比較例2〉磁性粒子を用いず、非磁性粒
子の使用量を体積分率で50%に変更し、さらに硬化処
理において磁場を作用させなかったこと以外は、実施例
1と同様にして熱伝導板を製造した。この熱伝導板にお
ける熱伝導層のJIS Aゴム硬度は17であった。
【0067】〔熱伝導板の評価〕熱伝導板における基板
に、吸引装置および冷却装置を接続し、この吸引装置を
作動させることによって、熱伝導板における熱伝導層の
表面に、直径が200mmで厚みが0.7mmのシリコ
ンウエハよりなる板状体を吸着させた。そして、冷却装
置を作動させながら、板状体をラバーヒーターによって
2時間加熱した後、板状体の表面温度を測定した。ま
た、板状体の表面を実体顕微鏡によって観察し、損傷の
有無を調べた。結果を下記表1に示す。
【0068】
【表1】
【0069】表1の結果から明らかなように、実施例1
および実施例2に係る熱伝導板によれば、高い効率で熱
伝導を行うことができ、また、発熱体の表面に損傷を与
えることがないことが確認された。
【0070】
【発明の効果】本発明の熱伝導板によれば、金属製の基
板上に設けられた熱伝導層には、磁性粒子が当該熱伝導
層の厚み方向に配向された状態で含有されており、これ
らの磁性粒子の連鎖によって熱伝導層の厚み方向に伸び
る伝熱経路が形成され、更に、熱伝導層には、磁性粒子
の他に非磁性粒子が含有されているため、磁性粒子の連
鎖による伝熱経路以外にも、当該電熱経路に連なる多数
の伝熱経路が形成されるので、熱伝導層中における熱伝
導性粒子の割合が小さくても、当該熱伝導層の厚み方向
に高い熱伝導性が得られる。また、熱伝導層が柔軟性を
有する高分子材料により形成されており、しかも、熱伝
導性粒子の割合を小さくすることが可能であるため、発
熱体または受熱体によって押圧されることにより、当該
発熱体または受熱体の表面形状に追従して容易に変形す
る。従って、発熱体または受熱体と熱伝導層との間に空
隙が形成されることがないので、熱伝導層に発熱体また
は受熱体を十分に密着させることができ、その結果、発
熱体または受熱体との間に生ずる熱抵抗が小さくなり、
これにより、熱伝導層自体が有する高い熱伝導性が十分
に発揮される。従って、発熱体または放熱または受熱体
の加熱を高い効率で行うことができる。
【0071】また、熱伝導層が容易に変形するため、発
熱体または受熱体によって熱伝導層を押圧しても、当該
発熱体または受熱体の表面に損傷を与えることがない。
また、柔軟性を有する熱伝導層が、剛性を有する金属製
の基板に一体的に設けられた構成であるため、取扱い性
が極めて良好である。
【0072】本発明の製造方法によれば、熱伝導性粒子
として磁性を示すものを用いるため、熱伝導層用材料層
にその厚み方向に磁場を作用させることにより、当該熱
伝導層用材料層中の磁性粒子を容易に厚み方向に並ぶよ
う配向させることができ、従って、発熱体または受熱体
を十分に密着させることができ、しかも、高い効率で熱
を伝導することができる熱伝導板を容易に製造すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の熱伝導板の一例における構成を示す説
明用断面図である。
【図2】図1に示す熱伝導板における熱伝導層を拡大し
て示す説明用断面図である。
【図3】基板の一面に熱伝導層用材料層が形成された状
態を示す説明用断面図である。
【図4】熱伝導層用材料層を拡大して示す説明用断面図
である。
【図5】熱伝導層用材料層にその厚み方向に磁場が作用
された状態を示す説明用断面図である。
【図6】基板の一面に熱伝導層が形成された状態を示す
説明用断面図である。
【図7】図1に示す熱伝導板における熱伝導層の一面に
被処理体が吸着された状態を示す説明用断面図である。
【図8】熱伝導層の一面に被処理体が吸着された状態を
拡大して示す説明用部分断面図である。
【図9】本発明の熱伝導板の他の例における熱伝導層を
拡大して示す説明用断面図である。
【図10】熱伝導層用材料層が形成された基板が金型内
に配置された状態を示す説明用断面図である。
【図11】熱伝導層用材料層に上型および金型を介して
厚み方向に磁場が作用された状態を示す説明用断面図で
ある。
【符号の説明】
10 熱伝導板 11 基板 12 貫通孔 15 熱伝導層 15A 熱伝導層用材料層 16 高熱伝導性部分 20 被処理体 30 上型 31 強磁性体基板 32 強磁性体層 33 非磁性体層 35 下型 36 強磁性体基板 37 強磁性体層 38 非磁性体層 M 磁性を示す熱伝導性粒子(磁性粒子) N 非磁性の熱伝導性粒子(非磁性粒子)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 井上 和夫 東京都中央区築地2丁目11番24号 ジェイ エスアール株式会社内 Fターム(参考) 5F036 AA01 BB08 BB21 BD01 BD21

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属製の基板と、この基板における少な
    くとも一面に一体的に設けられた熱伝導層とを具えてな
    り、 前記熱伝導層は、柔軟性を有する高分子材料中に、磁性
    を示す熱伝導性粒子および非磁性の熱伝導性粒子が含有
    されてなり、当該磁性を示す熱伝導性粒子が、当該熱伝
    導層の厚み方向に並ぶよう配向された状態で含有されて
    いることを特徴とする熱伝導板。
  2. 【請求項2】 熱伝導層は、JIS ゴムA硬度が50
    以下であることを特徴とする請求項1に記載の熱伝導
    板。
  3. 【請求項3】 熱伝導層の厚みが20〜3000μmで
    あることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の
    熱伝導板。
  4. 【請求項4】 熱伝導層中における磁性を示す熱伝導性
    粒子の割合が、体積分率で10〜60%であることを特
    徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の熱伝
    導板。
  5. 【請求項5】 熱伝導層中における磁性を示す熱伝導性
    粒子および非磁性の熱伝導性粒子の合計の割合が、体積
    分率で20〜70%であることを特徴とする請求項1乃
    至請求項4のいずれかに記載の熱伝導板。
  6. 【請求項6】 熱伝導層に含有された磁性を示す熱伝導
    性粒子は、飽和磁化が0.1wb/m2 以上の磁性体を
    含有してなるものであることを特徴とする請求項1乃至
    請求項5のいずれかに記載の熱伝導板。
  7. 【請求項7】 熱伝導層に含有された磁性を示す熱伝導
    性粒子は、磁性体を含有する芯粒子の表面に、高熱伝導
    性材料が被覆されてなるものであることを特徴とする請
    求項1乃至請求項6のいずれかに記載の熱伝導板。
  8. 【請求項8】 熱伝導層に含有された磁性を示す熱伝導
    性粒子は、高熱伝導性材料を含有する芯粒子の表面に、
    磁性体が被覆されてなるものであることを特徴とする請
    求項1乃至請求項6のいずれかに記載の熱伝導板。
  9. 【請求項9】 熱伝導層に含有された磁性を示す熱伝導
    性粒子の表面に低融点金属膜が形成されていることを特
    徴とする請求項1乃至請求項8のいずれかに記載の熱伝
    導板。
  10. 【請求項10】 熱伝導層を形成する高分子材料が、硬
    化ゴム組成物、硬化ゲル組成物または熱可塑性エラスト
    マー組成物であることを特徴とする請求項1乃至請求項
    9のいずれかに記載の熱伝導板。
  11. 【請求項11】 硬化されて柔軟性を有する高分子材料
    となる高分子形成材料中に磁性を示す熱伝導性粒子およ
    び非磁性の熱伝導粒子が含有されてなる熱伝導層用材料
    層を、金属製の基板における少なくとも一面に形成し、
    この熱伝導層用材料層に対して、その厚み方向に磁場を
    作用させると共に、当該熱伝導層用材料層の硬化処理を
    行う工程を有することを特徴とする熱伝導板の製造方
    法。
  12. 【請求項12】 加熱溶融された高分子材料中に磁性を
    示す熱伝導性粒子および非磁性の熱伝導粒子が含有され
    てなる熱伝導層用材料層を、金属製の基板における少な
    くとも一面に形成し、この熱伝導層用材料層に対して、
    その厚み方向に磁場を作用させると共に、当該熱伝導層
    用材料層を冷却する工程を有することを特徴とする熱伝
    導板の製造方法。
  13. 【請求項13】 溶剤中に高分子材料が溶解されかつ磁
    性を示す熱伝導性粒子および非磁性の熱伝導粒子が含有
    されてなる熱伝導層用材料層を、金属製の基板における
    少なくとも一面に形成し、この熱伝導層用材料層に対し
    て、その厚み方向に磁場を作用させると共に、当該熱伝
    導層用材料層から溶剤を除去する工程を有することを特
    徴とする熱伝導板の製造方法。
  14. 【請求項14】 硬化されて柔軟性を有する高分子材料
    となる高分子形成材料中に、表面に低融点金属膜が形成
    された磁性を示す熱伝導性粒子および非磁性の熱伝導粒
    子が含有されてなる熱伝導層用材料層を、金属製の基板
    における少なくとも一面に形成し、この熱伝導層用材料
    層に対して、その厚み方向に磁場を作用させると共に、
    当該磁性を示す熱伝導性粒子の表面に形成された低融点
    金属膜の融点以上の温度で、当該熱伝導層用材料層の硬
    化処理を行う工程を有することを特徴とする熱伝導板の
    製造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007269924A (ja) * 2006-03-30 2007-10-18 Toyoda Gosei Co Ltd 高熱伝導絶縁体とその製造方法
JP2012153079A (ja) * 2011-01-28 2012-08-16 Tokai Rubber Ind Ltd ウレタン発泡成形体およびその製造方法
WO2021148911A1 (en) * 2020-01-22 2021-07-29 3M Innovative Properties Company Magnetic film

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