JP2002299339A - 酸化珪素膜の製造方法 - Google Patents

酸化珪素膜の製造方法

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JP2002299339A JP2001134661A JP2001134661A JP2002299339A JP 2002299339 A JP2002299339 A JP 2002299339A JP 2001134661 A JP2001134661 A JP 2001134661A JP 2001134661 A JP2001134661 A JP 2001134661A JP 2002299339 A JP2002299339 A JP 2002299339A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 プラズマCVD法により酸化珪素膜を低温で
成膜した場合でも、極めて不純物の少ない酸化珪素膜を
製造することができる酸化珪素膜の製造方法を提供する
ことを主目的とするものである。 【解決手段】 上記目的を達成するために、本発明は、
少なくとも有機珪素ガスおよび酸素原子を含むガスを原
料ガスとして用い、反応チャンバー内でプラズマCVD
法により基材に対して酸化珪素膜を成膜する酸化珪素膜
の製造方法であって、上記基材が基材表面上に酸化珪素
膜が成膜できる程度プラズマ中心から離れた位置に配置
され、かつ上記基材表面の温度が上記反応チャンバー内
壁面の温度より高くなるように温度制御されて成膜する
ことを特徴とする酸化珪素膜の製造方法を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐熱性の低い基材
表面に対しても純度の高い酸化珪素膜を成膜することが
できるプラズマCVD法による酸化珪素膜の製造方法に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】食品、医薬品、化学薬品等の包装には、
水蒸気や酸素の透過防止のため、ガスバリア性のプラス
チックフィルムが使用されている。そして、内容物の変
質を防ぐためさらに良好な水蒸気や酸素の透過防止性が
必要な用途には、高度なガスバリア性を有するフィルム
が用いられている。
【0003】このようなフィルムとしては、従来よりア
ルミ箔が知られているが、使用後の廃棄処理が問題にな
っている他に、基本的に不透明であり、内容物を外から
見ることができない問題がある。このような問題点を解
決するために、高いガスバリア性を有する酸化珪素膜を
プラスチックフィルム上に成膜することにより、透明で
かつ高度なガスバリア性をフィルムに付与する技術が提
案されている。
【0004】酸化珪素膜を基材上に成膜する手段として
は、真空蒸着法やスパッタリング法、熱CVD法等があ
るが、いずれも基材を高温とする必要があることから、
基材がポリエチレンフィルムである場合等の耐熱性に問
題がある場合や、基材が半導体である場合等熱を加える
ことができない場合等においては用いることができない
といった問題があった。
【0005】このような問題を解決する手段として、プ
ラズマCVD法が提案されている。プラズマCVD法に
よれば、基材の表面温度が100℃以下でも十分に酸化
珪素膜を基材表面に成膜することが可能であり、上述し
た基材の耐熱性に問題がある場合や基材を加熱できない
場合等に有効であることが確認されている。
【0006】しかしながら、プラズマCVD法により酸
化珪素膜を低温で成膜する際、特に100℃以下成膜す
る際に、酸化珪素膜中に炭素等の不純物が混入しやす
く、よって純粋な酸化珪素膜が形成しにくいという問題
があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記問題点
を解決するためになされたものであり、プラズマCVD
法により酸化珪素膜を低温で成膜した場合でも、極めて
不純物の少ない酸化珪素膜を製造することができる酸化
珪素膜の製造方法を提供することを主目的とするもので
ある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、請求項1に記載するように、少なくとも
有機珪素ガスおよび酸素原子を含むガスを原料ガスとし
て用い、反応チャンバー内でプラズマCVD法により基
材に対して酸化珪素膜を成膜する酸化珪素膜の製造方法
であって、上記基材が基材表面上に酸化珪素膜が成膜で
きる程度プラズマ中心から離れた位置に配置され、かつ
上記基材表面の温度が上記反応チャンバー内壁面の温度
より高くなるように温度制御されて成膜することを特徴
とする酸化珪素膜の製造方法(以下、第1実施態様とす
る。)を提供する。
【0009】このように本発明においては、酸化珪素膜
が基材表面の温度が反応チャンバー内壁面の温度より高
くなるように温度制御されて成膜されたものであるの
で、不純物としての炭素原子の含有量が極めて少ない酸
化珪素膜を得ることができる。このような酸化珪素膜
は、ガスバリア性および透明性、さらには絶縁性に優れ
たものとなる。
【0010】また、本発明は、請求項2に記載するよう
に、少なくとも有機珪素ガスおよび酸素原子を含むガス
を原料ガスとして用い、反応チャンバー内でプラズマC
VD法により基材に対して酸化珪素膜を成膜する酸化珪
素膜の製造方法であって、前記酸化珪素膜を製造するた
めのCVD装置のプラズマ発生手段への投入電力を増加
させ、これに対してプラズマ発光中の励起した−OH分
子が基底状態に戻る際に発光する特定波長の光の強度を
それぞれの投入電力において測定し、前記投入電力を増
加させても前記光の強度が増加しなくなる電力量を予め
最適電力として決定し、この最適電力以上の電力をプラ
ズマ発生手段への投入電力として成膜することを特徴と
する酸化珪素膜の製造方法(第2実施態様とする。)を
提供する。
【0011】このように本発明においては、−OH基分
子が分解された状態でプラズマ中に多量に存在する状態
で酸化珪素膜を成膜するので、酸化珪素膜中の−OH
(水酸基)量が極めて少ない酸化珪素膜を得ることがで
きる。
【0012】本発明においては、さらに請求項3に記載
するように、少なくとも有機珪素ガスおよび酸素原子を
含むガスを原料ガスとして用い、反応チャンバー内でプ
ラズマCVD法により基材に対して酸化珪素膜を成膜す
る酸化珪素膜の製造方法であって、前記有機珪素分子中
において、珪素原子数≦酸素原子数の関係が成り立つ場
合は、前記有機珪素ガスと前記酸素原子を含むガスとの
分圧比を有機珪素ガス1に対して酸素原子を含むガスを
0.5以上1.5以下の範囲内とし、前記有機珪素分子
中において、珪素原子数>酸素原子数の関係が成り立つ
場合は、前記有機珪素ガスと前記酸素原子を含むガスと
の分圧比を有機珪素ガス1に対して酸素原子を含むガス
を1.5より大きく2.5以下の範囲内とすることを特
徴とする酸化珪素膜の製造方法(以下、第3実施態様と
する。)を提供する。
【0013】このように、用いる有機珪素ガスの種類に
応じて酸素原子を含むガスとの分圧比を調整することに
より、炭素および−OH(水酸基)の含有量の少ない純
度の高い酸化珪素膜を得ることができるからである。
【0014】また、本発明においては、請求項4に記載
するように、少なくとも有機珪素ガスおよび酸素原子を
含むガスを原料ガスとして用い、反応チャンバー内でプ
ラズマCVD法により基材に対して酸化珪素膜を成膜す
る酸化珪素膜の製造方法であって、前記原料ガスの全圧
を、5Pa以上20Pa未満の範囲とすることを特徴と
する酸化珪素膜の製造方法(以下、第4実施態様とす
る。)を提供する。このように、原料ガスの全圧を調整
することによっても、炭素および−OHの含有量の少な
い純度の高い酸化珪素膜を得ることができる。
【0015】上記請求項1に記載された発明において
は、請求項5に記載するように、前記酸化珪素膜を製造
するためのCVD装置のプラズマ発生手段への投入電力
を増加させ、これに対してプラズマ発光中の励起した−
OH分子が基底状態に戻る際に発光する特定波長の光の
強度をそれぞれの投入電力において測定し、前記投入電
力を増加させても前記光の強度が増加しなくなる電力量
を予め最適電力として決定し、この最適電力以上の電力
をプラズマ発生手段への投入電力として成膜することが
より好ましい。このような製造方法、すなわち本発明の
第1実施態様と第2実施態様とを組合わせて用いること
により、炭素原子が極めて少なく、かつ−OHに関して
も極めて含有量の少ない、純度の高い酸化珪素膜を成膜
することが可能となるからである。
【0016】上記請求項1、請求項2および請求項5の
うちのいずれかの請求項に記載の発明においては、請求
項6に記載するように、前記有機珪素分子中において、
珪素原子数≦酸素原子数の関係が成り立つ場合は、前記
有機珪素ガスと前記酸素原子を含むガスとの分圧比を有
機珪素ガス1に対して酸素原子を含むガスを0.5以上
1.5以下の範囲内とし、前記有機珪素分子中におい
て、珪素原子数>酸素原子数の関係が成り立つ場合は、
前記有機珪素ガスと前記酸素原子を含むガスとの分圧比
を有機珪素ガス1に対して酸素原子を含むガスを1.5
より大きく2.5以下の範囲内とすることが好ましい。
【0017】このように、本発明の第3実施態様を、上
記第1実施態様および/または第2実施態様と組合わせ
て用いることにより、より純度の高い酸化珪素膜を製造
することができるからである。
【0018】さらに、上記請求項1、請求項2、請求項
3、請求項5、および請求項6のうちのいずれかの請求
項に記載の発明においては、請求項7に記載するよう
に、前記原料ガスの全圧を、5Pa以上20Pa未満の
範囲とすることが好ましい。
【0019】本発明の第4実施態様も、単独で充分に高
純度の酸化珪素膜を製造することが可能であるが、上記
第1実施態様から第3実施態様までのいずか、もしくは
これら組合わせたものにさらに組合わせることにより、
炭素原子および−OH(水酸基)の含有量の少ない酸化
珪素膜を得ることができるからである。
【0020】上記請求項1から請求項7までのいずれか
の請求項に記載された発明においては、請求項8に記載
するように、上記基材表面の温度を50℃〜100℃の
範囲内に制御し、かつ上記反応チャンバー内壁面の温度
を30℃〜90℃の範囲内に制御しながら成膜すること
が好ましい。上記温度範囲より温度が低い場合は、反応
が進まず未反応の有機炭素の炭素原子の含有量が増加す
るためであり、上記温度範囲より温度が高い場合は、基
材に対して悪影響を及ぼす可能性が生じるためである。
【0021】本発明はまた、請求項9に記載するよう
に、反応チャンバーと、この反応チャンバー内を減圧す
る減圧手段と、上記反応チャンバー内に少なくとも有機
珪素ガスおよび酸素原子を含むガスを原料ガスとして供
給する原料ガス供給手段と、反応チャンバー内にプラズ
マを発生させるプラズマ発生手段と、上記プラズマ発生
手段により発生するプラズマのプラズマ中心から酸化珪
素膜が成膜できる程度離れた位置で基材を支持する基材
支持手段を有し、上記基材支持手段および上記反応チャ
ンバーの少なくともいずれかが、基材表面温度を反応チ
ャンバー内壁表面温度よりも高くなるように制御可能な
温度制御手段を有していることを特徴とする、プラズマ
CVD法により基材表面に酸化珪素膜を成膜する酸化珪
素膜の製造装置を提供する。
【0022】この発明によれば、基材支持手段および反
応チャンバーの少なくともいずれかが基材表面温度を反
応チャンバー内壁表面温度よりも高くなるように制御可
能な温度制御手段を有していることから、この温度制御
手段を用い、基材表面温度を反応チャンバー内壁表面温
度よりも高くなるように制御して酸化珪素膜を成膜する
ことにより、不純物としての炭素原子濃度の極めて低い
酸化珪素膜を得ることが可能である。
【0023】本発明は、さらに、請求項10に記載する
ように、反応チャンバーと、この反応チャンバー内を減
圧する減圧手段と、上記反応チャンバー内に少なくとも
有機珪素ガスおよび酸素原子を含むガスを原料ガスとし
て供給する原料ガス供給手段と、反応チャンバー内にプ
ラズマを発生させるプラズマ発生手段と、上記プラズマ
発生手段により発生するプラズマのプラズマ中心から酸
化珪素膜が成膜できる程度離れた位置で基材を支持する
基材支持手段を有し、上記基材支持手段が上記プラズマ
中心からの距離を移動させる位置移動手段を具備してい
ることを特徴とする、プラズマCVD法により基材表面
に酸化珪素膜を成膜する酸化珪素膜の製造装置を提供す
る。
【0024】本発明によれば基材支持手段がプラズマ中
心からの距離を移動させる位置移動手段を有しているこ
とから、基材を酸化珪素膜が成膜できる範囲でプラズマ
中心に最も近づけることにより、水酸基濃度の極めて低
い酸化珪素膜を製造することができる。
【0025】上記請求項10に記載された発明において
は、請求項11に記載するように、さらに、上記基材支
持手段および上記反応チャンバーの少なくともいずれか
が基材表面温度を反応チャンバー内壁表面温度よりも高
くなるように制御可能な温度制御手段を有していること
が好ましい。これにより、水酸基濃度が極めて低く、か
つ炭素濃度も極めて低い酸化珪素膜を製造することが可
能となるからである。
【0026】本発明は、請求項12に記載するように、
少なくとも有機珪素ガスおよび酸素原子を含むガスを原
料ガスとして用い、プラズマCVD法により基材に対し
て形成された酸化珪素膜であって、前記酸化珪素膜中の
酸素原子と珪素原子との含有量が、99atom%以上
であることを特徴とする酸化珪素膜を提供する。
【0027】本発明の酸化珪素膜は、酸化珪素膜中の酸
素原子および珪素原子の含有量、すなわち純度が上述し
たように高純度であるので、透明性およびガスバリア性
が高い。したがって、例えばこれを透明基材に積層する
ことにより、ガスバリア性および透明性が極めて高いガ
スバリア性フィルムとすることができる。また、炭素原
子等の不純物の濃度が低いことから、酸化珪素膜の絶縁
性を向上させることができるので、半導体素子等の表面
に用いる場合により有効となる。
【0028】また、本発明は、請求項13に記載するよ
うに、基材と、前記基材上に請求項12に記載された酸
化珪素膜が形成されたガスバリアフィルムであって、前
記基材を構成する材料の軟化点が150℃以下であるこ
とを特徴とするガスバリアフィルム(第5実施態様)を
提供する。
【0029】本発明のガスバリアフィルムは、上述した
ように基材の軟化点が比較的低いものではあるが、この
基材表面に上述したような純度の高い酸化珪素膜が形成
されている。したがって、このような軟化点の低い基材
を用いたガスバリアフィルムとしては、従来にない高い
ガスバリア性であるという利点を有するものである。
【0030】さらに、本発明においては、請求項14に
記載するように、基材と、前記基材上に形成された酸化
珪素膜とからなるガスバリアフィルムであって、前記基
材を構成する材料の軟化点が、150℃以下であり、前
記酸化珪素膜の膜厚が15nm〜60nmの範囲内であ
り、さらにガスバリアフィルムの酸素透過率が2cc/
/day以下であることを特徴とするガスバリアフ
ィルム(第6実施態様)を提供する。
【0031】本発明のガスバリアフィルムは、基材の軟
化点が比較的低く、かつその基材上に形成された酸化珪
素膜の膜厚が上述したように薄いものであるが、その酸
素透過率が上述したように実用上問題の無い範囲とされ
ている。したがって、ガスバリアフィルムの製造に際し
て酸化珪素膜の蒸着を短時間で完了させることが可能で
あり、コスト面で好ましいものであり、かつ酸化珪素膜
の膜厚が上述したように薄いものであるので、蒸着膜の
クラックといったような不具合を防止することも可能と
なる。
【0032】
【発明の実施の形態】以下、本発明の酸化珪素膜の製造
方法について説明し、次いでその製造方法を用いるため
の製造装置、さらには酸化珪素膜およびそれを用いたガ
スバリアフィルムについて、順次説明する。
【0033】A.酸化珪素膜の製造方法 本発明の酸化珪素膜の製造方法においては、以下に説明
する4つの実施態様がある。以下、それぞれの実施態様
について説明する。
【0034】1.第1実施態様 本発明の酸化珪素膜の製造方法における第1実施態様
は、少なくとも有機珪素ガスおよび酸素原子を含むガス
を原料ガスとして用い、反応チャンバー内でプラズマC
VD法により基材に対して酸化珪素膜を成膜する酸化珪
素膜の製造方法であって、上記基材が基材表面上に酸化
珪素膜が成膜できる程度プラズマ中心から離れた位置に
配置され、かつ上記基材表面の温度が上記反応チャンバ
ー内壁面の温度より高くなるように温度制御されて成膜
することを特徴とするものである。
【0035】本発明に用いられる原料ガスは、有機珪素
ガスおよび酸素原子を含むガスである。すなわち、少な
くとも有機珪素ガスおよび酸素原子を含有する混合ガス
が用いられるのである。
【0036】この内の有機珪素ガスとしては、テトラメ
トキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルトリメト
キシシラン、ジメチルジメトキシシラン、トリメチルメ
トキシシラン、テトラメチルシラン、ヘキサメチルジシ
ロキサン、TMDSO、オクタメチルシクロテトラシロ
キサン、メチルシラン、ジメチルシラン、トリメチルシ
ラン、ジエチルシラン、プロピルシラン、フェニルシラ
ン等を挙げることができる。
【0037】本発明においては、SiおよびCの結合の
間に多くの酸素を含む化合物が酸素ガスの導入量を低減
でき、膜内への−OH基混入量を低下できる点で好まし
い。具体的にはテトラアルコキシシランが好ましく、中
でもテトラメトキシシランおよびテトラエトキシシラン
が特に好ましい。
【0038】また、本発明に用いられる酸素原子を含む
ガスとしては、NO、酸素、CO、CO等を挙げる
ことができるが、中でも酸素ガスやNOが好適に用い
られる。
【0039】本発明は、このような原料ガスを用いて反
応チャンバー内でプラズマCVD法により基材に対して
酸化珪素膜を成膜する。ここで、本発明で用いるプラズ
マCVD法としては、特に限定されるものではなく、誘
導結合型であっても、容量結合型であってもよく、また
リモートプラズマ方式であってもダイレクト方式であっ
ても用いることが可能である。また、用いる反応チャン
バーの形状等に関しても特に限定されるものではない
が、プラズマCVD法を用いる際に一般的に用いられる
円筒形やドーム型の反応チャンバーが好適に用いられ
る。
【0040】本発明に用いられる基材としては、プラズ
マCVD法により酸化珪素膜が積層されうる基材であれ
ば特に限定されるものではないが、本発明が耐熱性の低
い基材や加熱することができない基材表面に対しても酸
化珪素膜を成膜することができる点に利点を有するもの
であることから、このような耐熱性の低い基材もしくは
加熱することができない基材等を用いることが本発明の
利点を活かす点で好ましい。
【0041】耐熱性の低い基材としては、例えばポリエ
チレン、ポリプロピレン、ポリメチルメタクリレート、
ポリカーボネート、ポリアミド、ポリエチレンテレフタ
レート、オレフィン、スチレン系ポリマー、セルロース
系ポリマー、ポリアルキレンテレフタレート等を挙げる
ことができ、また加熱することができない基材として
は、例えば半導体回路等を挙げることができる。
【0042】本発明に用いられる基材の形状は、表面が
平面であるもの、凹凸のあるもの等いかなるものであっ
てもよいが、用途を勘案すると板状のもの、フィルム状
のもの、さらには半導体回路のような凹凸があるもの等
が好適に用いられる。
【0043】本発明の酸化珪素膜の製造方法において
は、上記基材が基材表面上に酸化珪素膜が成膜できる程
度プラズマ中心から離れた位置に配置される。これは、
一般に、プラズマ中心近傍では導入したガス(有機シリ
コンガス)が完全に分解されてしまい、膜構成しない分
子状態になり廃棄されてしまう、あるいはプラズマ中心
付近は酸素プラズマによるスパッタリングがはげしいた
め、成膜しているラジカルがたたき出されるといった理
由により、基材表面に酸化珪素膜を成膜することができ
ないため、本発明においては、基材を酸化珪素膜が成膜
できる程度に離れた位置に配置するようにしたものであ
る。
【0044】ここで、「成膜できる」とは、少なくとも
成膜速度が1nm/min以上であることを意味するも
のであり、成膜できる程度離れたとは、上記成膜速度以
上の成膜速度で酸化珪素膜が形成できる位置である旨を
示すものである。なお、ここで、「離れた」とは、リモ
ートプラズマ方式であれば反応チャンバーの軸方向に離
れることを意味し、ダイレクト方式であれば反応チャン
バーの径方向に離れることを意味する。
【0045】なお、本発明においては、成膜できる程度
に離れた位置であれば特に限定されるものではないが、
あまり離れた位置に配置した場合は、プラズマ中心から
離れるにつれ、原料ガスの分解の度合いが小さくなるこ
とから、原料ガス起因の不純物が混入しやすくなり、水
酸基の含有量が増加する、炭素系不純物の混入量が増加
する等の問題が生じる可能性がある。したがって、視覚
的にプラズマが基材に接触する最遠点までの範囲内に基
材を配置することが好ましい。
【0046】そして、本発明においては、上記基材表面
の温度が上記反応チャンバー内壁面の温度より高くなる
ように温度制御されて成膜される。本発明は、これによ
り得られる酸化珪素膜中の炭素原子濃度を低減すること
が可能であり、上述した種々の利点を有する純度の高い
酸化珪素膜を得ることができる。
【0047】このように、基材表面の温度が反応チャン
バー内壁面の温度より高くなるように制御して基材上に
酸化珪素膜を成膜することにより、得られる酸化珪素膜
中の炭素原子濃度を低減することができる理由について
は、必ずしも明確ではないが、カーボン不純物の低温側
への吸着により,反応雰囲気中で濃度勾配が生じ,プラ
ズマ状態が不均一になり,原料の未分解や再結合が生じ
るためと推測される。
【0048】本発明においては、基材表面の温度は、反
応チャンバー内壁面の温度より高い温度で制御されて成
膜されていればよいのであるが、より炭素原子濃度を低
減させる場合は、少なくとも両者の温度差が10℃以
上、好ましくは20℃以上であることが好ましい。
【0049】上記基材表面の温度に関しては、上述した
反応チャンバー内壁面の温度より高い温度に保たれてい
れば特に限定されるものではないが、温度が低すぎると
未反応の有機炭素が混入する可能性が生じ、結果的に炭
素原子濃度が上昇するおそれがある。したがって、基材
表面の温度は、45℃〜100℃の範囲内、好ましくは
50℃〜100℃の範囲内、特に好ましくは50℃〜7
0℃の範囲内に制御される。なお、上記温度の上限に関
しては用いられる基材により変化するものであり、用い
られる基材がどの程度の温度まで使用可能であるかで決
定されるものである。したがって、耐熱性のある基材で
あれば特に上限は限定されるものではない。しかしなが
ら、本発明は上述したように耐熱性の低い基材もしくは
高い温度とすることができない基材を用いる際に有効で
ある点を考慮して、上記範囲としたものである。
【0050】また、上記反応チャンバー内壁面の温度に
ついても、上述した基材表面の温度より低い温度に保た
れていれば特に限定されるものではないが、この場合も
温度が低すぎると未反応の有機炭素が混入する可能性が
生じ、結果的に炭素原子濃度が上昇するおそれがある。
したがって、反応チャンバー内壁面の温度は、25℃〜
90℃の範囲内、好ましくは30℃〜90℃の範囲内、
特に好ましくは30℃〜70℃の範囲内に制御される。
なお、上記温度の上限に関しては上述した理由と同様の
理由により決定されたものである。
【0051】本発明においてプラズマCVDがリモート
プラズマ方式で行われた場合、基材のチャンバー内にお
ける断面方向の位置は、上述した温度制御が可能であれ
ば特にいずれの位置に配置されてもよい。しかしなが
ら、基材表面と反応チャンバー内壁面とに温度差を設け
るものであるので、できるだけ両者が離れた位置である
ことが温度制御上好ましいといえる。したがって、本発
明においては、基材は反応チャンバー内壁面から均等に
離れた位置に配置されることが好ましい。具体的には、
反応チャンバーが円筒もしくはドーム状である場合は、
その断面である円の中心部分に配置することが好まし
い。
【0052】2.第2実施態様 次に、本発明の第2実施態様について説明する。本発明
の第2実施態様は、−OH(水酸基)の含有量が極めて
少ない酸化珪素膜を製造することができるものである。
このような製造方法としては、以下の二つの方法を上げ
ることができる。
【0053】まず、第一の製造方法は、少なくとも有機
珪素ガスおよび酸素原子を含むガスを原料ガスとして用
い、反応チャンバー内でプラズマCVD法により基材に
対して酸化珪素膜を成膜する酸化珪素膜の製造方法であ
って、上記基材が基材表面上に酸化珪素膜が成膜できる
限度の位置、すなわち成膜速度が1nm/min、好ま
しくは成膜速度が3nm/min、特に成膜速度が4n
m/minとなる位置から、成膜速度が15nm/mi
n、好ましくは成膜速度が10nm/min、特に成膜
速度が6nm/minとなる位置の間に配置されて成膜
することを特徴とするものである。
【0054】この方法においては、上述したような位置
に基材を配置して、酸化珪素膜を基材上に成膜すること
により、−OH基濃度の少ない、純度の高い酸化珪素膜
とすることができるのである。このような位置に基材を
配置することにより酸化珪素膜中の−OH基濃度を低減
することができる理由については、必ずしも明確なもの
ではないが、以下の理由によるものと推測される。
【0055】すなわち、成膜表面で酸素プラズマによる
イオンボンバードメント(イオン衝撃:スパッタリング
のようなもの)が、プラズマ中心側に近づくほど生じる
ため、酸化珪素膜中の水酸基(隣接するもので、かつ表
面領域に存在するもの)の脱水縮合が生じ、水酸基が除
去されるのである。プラズマ中心から遠くになるほどこ
の効果は弱まり、成膜速度も増加することから水酸基が
膜内部に取り込まれ易くなる(除去速度より成膜速度が
早くなるため)。
【0056】次に、第二の製造方法は、少なくとも有機
珪素ガスおよび酸素原子を含むガスを原料ガスとして用
い、反応チャンバー内でプラズマCVD法により基材に
対して酸化珪素膜を成膜する酸化珪素膜の製造方法であ
って、前記酸化珪素膜を製造するためのCVD装置のプ
ラズマ発生手段への投入電力を増加させ、これに対して
プラズマ発光中の励起した−OH(水酸基)分子が基底
状態に戻る際に発光する特定波長の光の強度をそれぞれ
の投入電力において測定し、前記投入電力を増加させて
も前記光の強度が増加しなくなる電力量を予め最適電力
として決定し、この最適電力以上の電力をプラズマ発生
手段への投入電力として成膜することを特徴とするもの
である。
【0057】一般に、高周波プラズマからの発光は、プ
ラズマ中に存在する様々な発光種が、励起状態からそれ
より下のエネルギー準位へ遷移する過程で放出する光の
重ね合わせである。原子からの発光は、エネルギー準位
間が離れているため、離散的な鋭い線スペクトルとして
観測される。一方、分子のエネルギー準位は、電子状態
ならびに原子核の振動・回転の状態で決まるが、回転状
態の違いによるエネルギーの差が小さいため、分子から
の発光は、線スペクトルが密集したバンド構造をなす。
原子・分子ともにそのエネルギー準位は不変であるか
ら、得られるた線スペクトルまたはバンドスペクトルの
波長から、発光種を同定することができる。
【0058】本発明においては、上記特性を利用して、
水酸基(−OH)のバンドスペクトル(306〜311
nm)に着目し、このバンドスペクトルの強度が低い場
合は、水酸基があまり分解されておらず、この状態で成
膜した場合は−OH含有量の多い酸化珪素膜となり、一
方、この強度が高い場合は、水酸基が分解されてプラズ
マ中に存在していることを示すものであるので、この状
態で酸化珪素膜を成膜すれば−OH含有量の少ない酸化
珪素膜が成膜できる点に着目してなされたものである。
【0059】すなわち、図6に示すように、CVD装置
のプラズマ発生手段への投入電力を徐々に上げていき
(図6に示す例では50Wから500Wまで増加させて
いる。)、各投入電力における水酸基(−OH)のバン
ドスペクトル(306〜311nm)の強度を測定す
る。このように徐々に投入電力を上げていった場合、最
初は水酸基(−OH)のバンドスペクトルの強度は小さ
いが、投入電力を増加させることにより、このバンドス
ペクトルの強度も増加する。しかしながら、ある電力以
上になると水酸基(−OH)のバンドスペクトルの強度
は一定となる(図6に示す例では、300Wまで電力を
上げると徐々に水酸基(−OH)のバンドスペクトルの
強度が増加しているが、300Wを超えるとその強度は
一定となっている。)。本発明においては、この一定と
なる電力を最適電力とし(図6に示す例では、300W
が最適電力となる。)、この電力より高い電力を用いて
プラズマを発生させることにより、−OH含有量の少な
い酸化珪素膜を成膜するようにしたものである。
【0060】なお、水酸基の酸化珪素膜中への取り込み
量のみを考慮した場合は、最適電力以上の投入電力であ
ればいかなる投入電力で成膜がなされてもよいが、投入
電力が高すぎる場合は成膜速度が極めて遅くなることか
ら好ましくない。したがって、本発明においては、その
CVD装置において成膜速度が最大となる位置、すなわ
ち成膜速度が最大となるようにプラズマ中心から所定の
距離を置いた位置に基材を設置した際に、成膜速度1n
m/min以上、好ましくは成膜速度が5nm/min
以上となる電力より小さい投入電力で成膜されることが
好ましい。
【0061】上述したように、第2実施態様は第一の方
法と第二の方法との二つの方法を挙げることができる
が、成膜速度を自由に選択できる点で第二の方法がより
好ましい方法であるといえる。
【0062】なお、第2実施態様におけるいずれの製造
方法においても、原料ガス、反応チャンバー、プラズマ
CVD法、基材、CVD装置内における基材の位置等に
関しては、上述した第1実施態様のものと同様であるの
で、ここでの説明は省略する。
【0063】3.第3実施態様 本発明の酸化珪素膜の製造方法における第3実施態様
は、少なくとも有機珪素ガスおよび酸素原子を含むガス
を原料ガスとして用い、反応チャンバー内でプラズマC
VD法により基材に対して酸化珪素膜を成膜する酸化珪
素膜の製造方法であって、前記有機珪素分子中におい
て、珪素原子数≦酸素原子数の関係が成り立つ場合は、
前記有機珪素ガスと前記酸素原子を含むガスとの分圧比
を有機珪素ガス1に対して酸素原子を含むガスを0.5
以上1.5以下の範囲内とし、前記有機珪素分子中にお
いて、珪素原子数>酸素原子数の関係が成り立つ場合
は、前記有機珪素ガスと前記酸素原子を含むガスとの分
圧比を有機珪素ガス1に対して酸素原子を含むガスを
1.5より大きく2.5以下の範囲内とすることを特徴
とする。
【0064】本発明の第3実施態様においては、このよ
うに原料ガス中の有機珪素の種類に応じて原料ガス中の
有機珪素ガスと酸素原子を含むガスとの分圧を調整する
ことにより、得られる酸化珪素膜中の炭素原子および水
酸基の含有量を大きく低減することが可能となる。この
点については、未だ明確ではないが、分圧比を調整する
ことにより,プラズマ中に酸素が存在することで,成膜
中に膜表面に吸着するカーボン不純物を酸化除去するこ
とができるためであると推測される。水酸基に関して
は,プラズマ中に存在する酸素のイオン衝撃により水酸
基の脱水縮合が生じるために減少すると推測される。
【0065】本実施態様においては、上述したように、
前記有機珪素分子中において、珪素原子数≦酸素原子数
の関係が成り立つ場合は、前記有機珪素ガスと前記酸素
原子を含むガスとの分圧比を有機珪素ガス1に対して酸
素原子を含むガスを0.5以上1.5以下の範囲内であ
ることが好ましいが、より好ましくは0.7〜1.3の
範囲内であり、特に0.8〜1.2の範囲内であること
が特に好ましい。
【0066】一方、前記有機珪素分子中において、珪素
原子数>酸素原子数の関係が成り立つ場合は、前記有機
珪素ガスと前記酸素原子を含むガスとの分圧比を有機珪
素ガス1に対して酸素原子を含むガスを1.5より大き
く2.5以下の範囲内であることが好ましいが、中でも
1.7〜2.3の範囲内、特に1.8〜2.2の範囲内
であることが好ましい。
【0067】本実施態様に用いられる有機珪素ガスおよ
び酸素原子を含むガスに関しては、上記第1実施態様で
説明したものと同様であるので、ここでの説明は省略す
るが、本実施態様においては、酸素原子を含むガスは、
特に酸素ガスであることが好ましい。また、珪素原子数
≦酸素原子数の関係が成り立つ代表的な有機珪素分子と
しては、テトラメトキシシランを挙げることができ、珪
素原子数>酸素原子数の関係が成り立つ有機珪素分子の
代表的な例としては、ヘキサメチルジシロキサンを挙げ
ることができる。
【0068】なお、上記第3実施態様においても、原料
ガス、反応チャンバー、プラズマCVD法、成膜条件、
基材、CVD装置内における基材の位置等に関しては、
上述した第1実施態様のものと同様であるので、ここで
の説明は省略する。
【0069】4.第4実施態様 本発明の酸化珪素膜の製造方法における第4実施態様
は、前記原料ガスの全圧を、5Pa以上20Pa未満の
範囲とすることを特徴とするものであり、特に5Pa以
上10Pa以下であることが好ましい。
【0070】本実施態様においては、原料ガスの全圧を
この範囲内とすることにより、得られる酸化珪素膜中の
炭素原子および水酸基の含有量を低減させることが可能
となるからである。
【0071】本実施態様において、原料ガスの全圧を上
記範囲より大きくした場合は、チャンバー中に存在する
分子数が増加することによりプラズマの発生が抑制され
る、もしくは投入したプラズマエネルギーが不足するこ
とにより原料分子の未分解や酸素による膜表面に吸着す
る不純物の酸化除去が不十分になるため、膜中の不純物
が増加すると推測され、このため炭素原子および水酸基
の含有量が増加し、純度の高い酸化珪素膜が得られなく
なる点で好ましくない。一方、原料ガスの全圧が上記範
囲より低い場合は、得られる酸化珪素膜の成膜速度が低
下し、実用範囲外となることから好ましくない。
【0072】本実施態様においても、上記第3実施態様
と同様に、原料ガス、反応チャンバー、プラズマCVD
法、成膜条件、基材、CVD装置内における基材の位置
等に関しては、上述した第1実施態様のものと同様であ
るので、ここでの説明は省略する。
【0073】5.各実施態様の組み合わせ 本発明においては、上述した第1実施態様である得られ
る酸化珪素膜中の炭素原子の量を低減することができる
酸化珪素膜の製造方法と、上記第2実施態様である得ら
れる酸化珪素膜中の−OH基の量を低減することができ
る酸化珪素膜の製造方法とを組み合わせて用いることも
可能である。このように組み合わせて用いることによ
り、得られる酸化珪素膜中の炭素原子および−OH基の
量を低減させることが可能となり、極めて不純物の少な
く、したがってガスバリア性、透明性、絶縁性等に優れ
た特性を有する酸化珪素膜を得ることができる。
【0074】また、本発明においては、上述した第1実
施態様および第2実施態様の組み合わせ以外にも、第1
実施態様から第4実施態様までの4つの実施態様におい
て、可能性のあるあらゆる組み合わせで行うことが可能
である。具体的には、以下の実施態様の組み合わせが考
えられる。 ・第1実施態様+第2実施態様 ・第1実施態様+第3実施態様 ・第1実施態様+第4実施態様 ・第2実施態様+第3実施態様 ・第2実施態様+第4実施態様 ・第3実施態様+第4実施態様 ・第1実施態様+第2実施態様+第3実施態様 ・第1実施態様+第2実施態様+第4実施態様 ・第1実施態様+第3実施態様+第4実施態様 ・第2実施態様+第3実施態様+第4実施態様 ・第1実施態様+第2実施態様+第3実施態様+第4実
施態様 本発明においては、中でも上記4つの実施態様を全て組
合わせた例が最も好ましい例である。
【0075】B.酸化珪素膜の製造装置 まず、炭素原子の含有量が極めて少ない酸化珪素膜を得
ることができる酸化珪素膜の製造装置について説明す
る。
【0076】本発明の、プラズマCVD法により基材表
面に酸化珪素膜を成膜する酸化珪素膜の製造装置は、反
応チャンバーと、この反応チャンバー内を減圧する減圧
手段と、上記反応チャンバー内に少なくとも有機珪素ガ
スおよび酸素原子を含むガスを原料ガスとして供給する
原料ガス供給手段と、反応チャンバー内にプラズマを発
生させるプラズマ発生手段と、上記プラズマ発生手段に
より発生するプラズマのプラズマ中心から酸化珪素膜が
成膜できる程度離れた位置で基材を支持する基材支持手
段を有し、上記基材支持手段および上記反応チャンバー
の少なくともいずれかが、基材表面温度を反応チャンバ
ー内壁表面温度よりも高くなるように制御可能な温度制
御手段を有していることを特徴とするものである。
【0077】本発明に用いられる反応チャンバーは、上
述したものと同様であるのでここでの説明は省略する。
また、この反応チャンバー内に供給される原料ガスに関
しても上述したものと同様である。
【0078】このような、上記反応チャンバー内を減圧
する減圧手段、原料ガスを反応チャンバー内に供給する
ための原料ガス供給手段、および反応チャンバー内にプ
ラズマを発生させるプラズマ発生手段は、一般的にプラ
ズマCVD法による薄膜の製造に用いられるものであれ
ば、特に限定されるものではない。
【0079】本発明に用いられる基材支持手段は、反応
チャンバー内の所定の位置に基材を支持することができ
るものであれば特に限定されるものではないが、後述す
るように基材表面温度を制御する必要があることから、
基材に対して熱を伝えやすいものである形状が好まし
く、具体的には板状のもの等を挙げることができる。な
お、この基板支持手段の位置は、上述した基板の位置と
同様であるので、ここでの説明は省略する。
【0080】また、本発明においては基板上に酸化珪素
膜が均一に蒸着されるように基板を反応チャンバー内で
回転させるための回転手段を有する基材支持手段であっ
てもよい。例えば、図12は容量結合型のプラズマCV
D装置を示す。ここで、基材は小円盤上に取り付けられ
ており、この小円盤の中心はさらにその上方に取り付け
られた大円盤の外周に取り付けられている。この小円盤
と大円盤とはそれぞれ回転可能なように駆動装置と連結
されており、これらが共に回転することにより基材上に
均一に酸化珪素膜が蒸着されるようになっている。ここ
で、図12に示す例では、この小円盤、大円盤およびこ
れらを駆動する駆動装置が上述した回転手段に該当す
る。
【0081】本発明においては、上記基材支持手段およ
び反応チャンバーの少なくともいずれかに、基材表面温
度を反応チャンバー内壁面温度よりも高くなるように制
御可能な温度制御手段を有している点に特徴を有する。
このように温度制御することにより、基材表面温度を反
応チャンバー内壁面温度よりも高くなるように制御しつ
つ基材表面に酸化珪素膜を成膜することができる。これ
により、上述したように炭素原子の含有量が極めて少な
い酸化珪素膜を成膜することが可能となるのである。本
発明においては、より両者の温度差を正確に維持するこ
とができることから、基材支持手段および反応チャンバ
ーの両者が上記温度制御手段を有することが好ましい。
【0082】このような温度制御手段は、通常温度制御
を行うために用いられているものと同様に、基材表面の
温度および反応チャンバー内壁面の温度を測定する温度
測定部、基材表面および反応チャンバー内壁面を加熱も
しくは冷却することができる加熱冷却部、および上記温
度測定部で測定された温度に基づき、設定温度とするた
めに加熱冷却部に信号を送る制御部等を有するものであ
る。
【0083】次に、−OH基の含有量が極めて少ない酸
化珪素膜を得ることができる酸化珪素膜の製造装置につ
いて説明する。
【0084】本発明の、プラズマCVD法により基材表
面に酸化珪素膜を成膜する酸化珪素膜の製造装置は、反
応チャンバーと、この反応チャンバー内を減圧する減圧
手段と、上記反応チャンバー内に少なくとも有機珪素ガ
スおよび酸素原子を含むガスを原料ガスとして供給する
原料ガス供給手段と、反応チャンバー内にプラズマを発
生させるプラズマ発生手段と、上記プラズマ発生手段に
より発生するプラズマのプラズマ中心から酸化珪素膜が
成膜できる程度離れた位置で基材を支持する基材支持手
段を有し、上記基材支持手段が上記プラズマ中心からの
距離を移動させる位置移動手段を有していることを特徴
とする。
【0085】この酸化珪素膜の製造装置において、上記
酸化珪素膜中の炭素原子の含有量を抑えることができる
酸化珪素膜の製造装置と異なる点は、上記基材支持手段
が上記プラズマ中心からの距離を移動させる位置移動手
段を有する点にある。したがって、他の構成に関して
は、上述したものと同様であるので、ここでの説明は省
略する。なお、この製造装置においても、上述した装置
と同様に上記基材支持手段および反応チャンバーの少な
くともいずれかに、基材表面温度を反応チャンバー内壁
面温度よりも高くなるように制御可能な温度制御手段を
有していてもよい。
【0086】本発明における位置移動手段は、基材支持
手段の位置を移動させることが可能な手段であり、基材
を、上述した−OH基の含有量が極めて少ない酸化珪素
膜の製造方法において述べた範囲内の位置に移動させ、
そこでプラズマCVDにより酸化珪素膜を成膜すること
により、−OH基の含有量が極めて少ない酸化珪素膜を
製造することができるようにしたものである。
【0087】このような位置移動手段としては、特に限
定されるものではなく、例えば先端に基材を支持する基
材支持部が配置された伸縮自在の支持棒等を挙げること
ができる。
【0088】C.酸化珪素膜 本発明の酸化珪素膜は、少なくとも有機珪素ガスおよび
酸素原子を含むガスを原料ガスとして用い、プラズマC
VD法により基材に対して形成された酸化珪素膜であっ
て、前記酸化珪素膜中の酸素原子と珪素原子との含有量
が、99atom%以上、好ましくは99.9atom
%以上であるところに特徴を有する。本発明において、
例えば不純物である炭素原子の上記酸化珪素膜中の含有
量は、0.1atom%以下であり、また水酸基等の他
の不純物も極めて少なく、これにより酸化珪素膜中の酸
素原子と珪素原子との含有量が上述したように高く、極
めて純度が高いものである。したがって、このような酸
化珪素膜を透明基材上に蒸着させることにより、極めて
ガスバリア性、透明性、絶縁性等に優れたガスバリアフ
ィルムを得ることができる。
【0089】なお、本発明における各原子の含有量は、
MgKα使用、15kV、20mA(300W)、Ar
イオンスパッタエッチング(深さ方向分析)という条
件下で、XPS220iXL(ESCALAB社製)を
用いたXPSによる測定の結果、得られる値とした。
【0090】本発明の酸化珪素膜は、上述した製造方法
と同様にして製造することが可能であり、したがって用
いられる原料ガス、プラズマCVD法、基材等に関して
も上述したものと同様であるので、ここでの説明は省略
する。
【0091】D.ガスバリアフィルム 本発明のガスバリアフィルムは、以下に示す二つの実施
態様に分けることができる。以下、それぞれ第5実施態
様および第6実施態様として説明する。
【0092】1.第5実施態様 本実施態様における第1の特徴は、基材上に上記C.で
説明した酸化珪素膜が形成されている点にある。したが
って、本発明のガスバリアフィルムは、上記酸化珪素膜
の利点をそのまま有するものである。
【0093】次に、本実施態様における第2の特徴は、
上記基材を構成する材料の軟化点が、150℃以下、好
ましくは130℃〜40℃の範囲内、特に100℃〜4
0℃の範囲内である点にある。軟化点が上記範囲内の基
材に対しては、従来高いガスバリア性を有する酸化珪素
膜を形成することが困難であり、したがって実施態様の
利点を最大限に活かすことが可能だからである。なお、
上記軟化点の下限値は、実際に常温で基材として用いる
ことが可能である材料の下限値を示したものである。
【0094】このように、本実施態様のガスバリアフィ
ルムは、高純度の酸化珪素膜を軟化点の低い基材上に有
するものであるので、軟化点が低くかつ汎用性の高い材
料、例えばポリエチレンやポリプロピレン等を基材とし
て用いた場合であっても高品質なガスバリアフィルムと
することができるという利点を有する。
【0095】上述した軟化点が150℃以下の基材とし
ては、具体的には、低密度ポリエチレンフィルム(軟化
点約95℃)、ポリプロピレンフィルム(軟化点145
℃)等を挙げることができる。
【0096】本実施態様におけるガスバリアフィルムの
製造方法等に関しては、上述したものと同様であるの
で、ここでの説明は省略する。
【0097】2.第6実施態様 本実施態様のガスバリアフィルムの特徴は、上記第5実
施態様と同様な材料からなる基材上に、膜厚が15nm
〜60nmの範囲内、好ましくは15nm〜30nmの
範囲内の酸化珪素膜が形成されており、かつこのような
膜厚の場合であってもガスバリアフィルムの酸素透過率
が2cc/m/day以下である点にある。
【0098】本実施態様のガスバリアフィルムは、この
ように基材上に形成された酸化珪素膜の膜厚が極めて薄
いにもかかわらず、上述したような高いガスバリア性を
有するものである。したがって、酸化珪素膜の成膜時間
を短時間とすることが可能であり、高性能なガスバリア
フィルムを短時間で形成することができるという利点を
有する。また、酸化珪素膜の膜厚を薄くすることが可能
であるので、ガスバリアフィルムが屈曲した場合であっ
ても酸化珪素膜にクラックが生じ難い。したがって、屈
曲性を有するガスバリアフィルムとしての用途に用いる
ことが可能である。
【0099】本実施態様において、上記範囲より酸化珪
素膜の膜厚が薄い場合はガスバリア性が損なわれる可能
性が高いため好ましくなく、上記範囲より酸化珪素膜の
膜厚を厚くしてもガスバリア性があまり向上しないこと
から、上記範囲より膜厚が厚い場合はコスト面から好ま
しくない。また、上記酸素透過率が上記範囲より大きい
場合は、一般的に要求されるガスバリア性を有するもの
でないことから好ましくない。
【0100】なお、本実施態様に用いられる基材に関し
ては、上記第5実施態様と同様であるのでここでの説明
は省略する。また、本実施態様におけるガスバリアフィ
ルムの製造方法、および製造に際して用いられる原料ガ
ス、プラズマCVD法等に関しては、上述したものと同
様であるので、ここでの説明は省略する。
【0101】なお、本発明は、上記実施形態に限定され
るものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明
の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同
一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いか
なるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
【0102】
【実施例】以下、本発明の酸化珪素膜について、実施例
を挙げて具体的に説明する。なお、本発明は以下の実施
例に限定されるものではない。
【0103】[実施例1] (実施例1−1)酸化珪素膜を、誘導結合型高周波プラ
ズマCVDにより成膜した。まず、減圧手段により反応
チャンバー(反応管)内を1Pa以下まで真空にした。
次いで、原料ガスを反応チャンバー内に導入した。原料
ガスとしては、有機珪素化合物としてテトラメトキシシ
ランを用い、酸素原子を含むガスとして酸素ガスを用
い、それぞれ5Paづつ反応チャンバー内に導入し、最
終的な成膜圧力を10Paとした。プラズマ生成、原料
分解には13.56MHzの高周波を用いた。20分
間、100Wの電力で酸化珪素膜を成膜した。成膜中,
基板表面温度を50℃に保ち、かつ反応管内壁温度を3
0℃に保ち、反応雰囲気中に温度勾配を持たせた。ま
た,プラズマ中心から基材を20cm離したところに設
置して成膜した。基材としては、シリコン基板(Si
100)を用いた(FTIR測定を実施するために使
用)。また、この際の成膜速度は、6.425nm/m
inであった。
【0104】(実施例1−2)基材表面温度を70℃と
し、反応管内壁温度30℃とした以外は、実施例1と同
様にして酸化珪素膜を成膜した。
【0105】(実施例1−3)基材表面温度を40℃と
し、反応管内壁温度を20℃とした以外は、実施例1と
同様にして酸化珪素膜を成膜した。
【0106】(比較例1−1)基材表面温度を70℃と
し、反応管内壁温度を110℃とした以外は、実施例1
と同様にして酸化珪素膜を成膜した。
【0107】(比較例1−2)基材表面温度を70℃と
し、反応管内壁温度を70℃とした以外は、実施例1と
同様にして酸化珪素膜を成膜した。
【0108】(比較例1−3)プラズマ中心から基材を
30cm離したところに設置して成膜した以外は、実施
例1と同様にして酸化珪素膜を成膜した。成膜速度は、
23.575nm/minであった。
【0109】(比較例1−4)市販の熱酸化法により製
造した酸化珪素膜(三菱マテリアルシリコン社製)を用
いた。
【0110】(評価) (FTIRによる評価) 1.基材表面温度および反応管内壁温度の変更 実施例1、実施例2、実施例3、比較例1、および比較
例2で得た酸化珪素膜をFTIRにて分析した。結果を
図1および図2に示す。
【0111】図から明らかなように、比較例の酸化珪素
膜はSi−CHの位置に明らかにピークが観察される
が、実施例1および実施例2では同位置でのピークは観
察されなかった。実施例3では、同位置での弱いピーク
が観察された。
【0112】2.基材のプラズマ中心からの位置の変更 実施例1、比較例3、および比較例4で得た酸化珪素膜
をFTIRにて分析した。結果を図3に示す。
【0113】実施例1では−OHの位置でのピークは観
察されなかったが、比較例3では観察された。実施例1
は比較例4で得た熱酸化法による酸化珪素膜と同様の組
成の膜が形成されていることが推測された。
【0114】3.測定条件 赤外吸収スペクトルを透過法により測定した。使用機器
は、FTS−175(Bio−Rad社製)である。
【0115】(XPSによる評価)図4に実施例1で得
た酸化珪素膜のXPSによる分析結果を、図5に実施例
3で得た酸化珪素膜のXPSによる分析結果を示す。実
施例1で得た酸化珪素膜においては、炭素(C)が検出
限界の0.1atom%以下であることが示されてい
る。
【0116】なお、XPSによる評価は、MgKα使
用、15kV、20mA(300W)、Arイオンス
パッタエッチング(深さ方向分析)という条件下で、X
PS220iXL(ESCALAB社製)を用いて測定
された結果を用いた。
【0117】[実施例2] (実施例2−1) 1.最適電力の決定 まず、使用するCVD装置における最適電力を決定し
た。プラズマ発光分光装置は,光ファイバー,分光器5
00−IS(CHROMEX),およびマルチチャンネ
ルCCDカメラCCD−1100PF/UV(商品名:
PrinstonInstruments)から構成さ
れている。発光スペクトルは,プラズマ中心から原料ガ
スの導入側へ約100〜400mm離れた位置,すなわ
ち基板上部に光ファイバーを設置して測定した。光ファ
イバーによって受光され,分光器へと導かれたプラズマ
からの発光を,分光器内に設置された600/cmのグ
レーティングによって分光し,CCDカメラによって発
光スペクトルとして測定した。CCDカメラは縦330
×横1100のピクセルを有しており,横方向に波長分
散された光強度を縦方向に積算して出力するので,1本
のスペクトルは常に1100個のデータからなる。本実
験で用いた分光器では,設定した波長を中心に前後約4
0nmの波長範囲に分光する。波長測定範囲は260〜
790nmであった。
【0118】このようにして測定した結果を図6にまと
める。図6より、実施例で用いるCVD装置の最適電力
は300Wとした。
【0119】2.成膜 投入電力を300Wとし、基材をプラズマ中心から30
cm離した点を除いては、実施例1−1と同様にして酸
化珪素膜を成膜した。この際の成膜速度は、8.75n
m/minであった。
【0120】(実施例2−2〜2−3、比較例2−1〜
2−2)投入電力を100W(比較例2−1)、200
W(比較例2−2)、500W(実施例2−2)、およ
び400W(実施例2−3)とした以外は、実施例2−
1と同様にして成膜した。なお、500W(実施例2−
2)とした際の最適成膜位置(最も成膜速度の速い位
置、この場合はプラズマ中心から30cm離した位置)
における成膜速度は、2.45nm/minであった。
また、400W(実施例2−3)とした際の最適成膜位
置における成膜速度は、5.25nm/minであっ
た。
【0121】(評価)上記実施例2−1〜2−2および
比較例2−1〜2−2で得られた酸化珪素膜をFTIR
にて評価した。結果を図7にまとめる。図7から明らか
なように、最適電力である300Wで成膜した実施例2
−1の酸化珪素膜は水酸基の濃度が極めて低いものであ
った。なお、実施例2−2(投入電力500W)も水酸
基の濃度は低いが、成膜速度が2.45nm/minと
やや遅く、用途によっては実用性に問題が生じる可能性
がある速度であったが、投入電力を400Wとすると
(上記実施例2−3)成膜速度が5.25nm/min
となり、問題の無い速度となった。
【0122】[実施例3] (実施例3−1)実施例2−1と同様にして酸化珪素膜
を成膜した。有機珪素ガスとしてテトラメトキシシラン
ガスと酸素を含むガスとしての酸素ガスとの分圧比は
1:1であった。
【0123】(実施例3−2、比較例3−1〜3−3)
テトラメトキシシランガスと酸素ガスとの分圧比を2:
3(実施例3−2)、1:0(比較例3−1)、3:1
(比較例3−2)、および1:3(比較例3−3)とし
た以外は、実施例3−1と同様にして酸化珪素膜を成膜
した。
【0124】(実施例3−3)有機珪素ガスとしてヘキ
サメチルジシロキサンガスを3.33Pa、さらに酸素
原子を含むガスとして酸素ガスを6.67Pa反応チャ
ンバーに導入した以外は、実施例3−1と同様にして酸
化珪素膜を成膜した。有機珪素ガスと酸素を含むガスと
の分圧比は1:2であった。
【0125】(比較例3−4〜3−7)ヘキサメチルジ
シロキサンガスと酸素ガスとの分圧比を1:0(比較例
3−4)、1:1(比較例3−5)、2:3(比較例3
−6)、および1:3(比較例3−7)とした以外は、
実施例3−2と同様にして酸化珪素膜を成膜した。
【0126】(評価)上記実施例3−1〜3−2および
比較例3−1〜3−3で得られた酸化珪素膜をFTIR
にて評価した。結果を図8にまとめる。図8から明らか
なように、テトラメトキシシランの場合は、有機珪素ガ
スと酸素を有するガスとの分圧比が1:1である実施例
3−1が最も純度の高い酸化珪素膜であり、さらに2:
3である実施例3−2も許容範囲の純度であった。
【0127】一方、上記実施例3−3および比較例3−
4〜3−7で得られた酸化珪素膜をFTIRにて評価し
た。結果を図9にまとめる。図9から明らかなように、
ヘキサメチルジシロキサンの場合は、有機珪素ガスと酸
素を有するガスとの分圧比が1:2である実施例3−1
が最も純度の高い酸化珪素膜であった。
【0128】[実施例4] (実施例4−1)上記実施例3−1と同様にして酸化珪
素膜を成膜した。反応チャンバー内の成膜圧力は10P
aであった。
【0129】(実施例4−2)テトラメトキシシランガ
スおよび酸素ガスをそれぞれ2.5Paづつ反応チャン
バー内に導入した以外は、実施例4−1と同様にして酸
化珪素膜を成膜した。反応チャンバー内の成膜圧力は、
5Paであった。
【0130】(比較例4−1、4−2)テトラメトキシ
シランガスおよび酸素ガスの分圧比を1:1としたま
ま、成膜圧力を20Pa(比較例4−1)、および30
Pa(比較例4−2)とした以外は実施例4−1と同様
にして酸化珪素膜を成膜した。
【0131】(実施例4−3、4−4)ヘキサメチルジ
シロキサンガスおよび酸素ガスをそれぞれ分圧比が1:
2となるように反応チャンバー内に導入し、最終的な成
膜圧力を5Pa(実施例4−3)、10Pa(実施例4
−4)とした以外は、実施例4−1と同様にして酸化珪
素膜を成膜した。
【0132】(比較例4−3)ヘキサメチルジシロキサ
ンガスおよび酸素ガスをそれぞれ分圧比を1:2とした
まま、成膜圧力を20Paとした以外は、実施例4−1
と同様にして酸化珪素膜を成膜した。
【0133】(評価)上記実施例4−1、4−2および
比較例4−1、4−2で得られた酸化珪素膜をFTIR
にて評価した。結果を図10にまとめる。図10から明
らかなように、テトラメトキシシランの場合、成膜圧力
の全圧が20Pa未満である実施例4−1および4−2
で得られた酸化珪素膜の純度が高く、全圧が20Pa以
上の比較例4−1および4−2で得られた酸化珪素膜は
純度が低かった。
【0134】また、上記実施例4−3、4−4および比
較例4−3で得られた酸化珪素膜をFTIRにて評価し
た。結果を図11にまとめる。図11から明らかなよう
に、ヘキサメチルジシロキサンガスの場合も同様に、成
膜圧力の全圧が20Pa未満の実施例4−3および4−
4で得られた酸化珪素膜の純度が高く、20Pa以上で
ある比較例4−3で得られた酸化珪素膜の純度は低かっ
た。
【0135】[実施例5]図12に示す容量結合方式の
プラズマCVD法により、PETフィルム上に酸化珪素
膜を形成した。本実施例における成膜条件は、投入電力
200W、全圧10Paであり、原料にはテトラメトキ
シシランおよび酸素ガスを使用した。酸素分圧比を0%
から75%に変化させることにより、酸化珪素膜中の酸
化珪素の純度を変化させた。各酸化珪素膜の純度とそれ
に対応する酸素透過率を図13に示す。図13から明ら
かなように、純度98%では、酸素透過率が2.2cc
/m/dayであり、一般に包装材において求められ
る2cc/m/dayを超えるものであったが、純度
99.9%では、1.3cc/m/dayと良好な酸
素透過率であった。
【0136】ここで、酸化珪素の純度は、上記XPSに
より上述したものと同様の条件で測定したものであり、
酸素透過率は、酸素ガス透過率測定装置(MOCON社
製、OX−TRAN 2/20)を用い、23℃、90
%Rhの条件で測定したものである。
【0137】[実施例6]上記実施例5と同様に図12
に示すような容量結合方式のプラズマCVD法により、
PETフィルム上に酸化珪素膜を形成した。本実施例に
おいては、膜厚を変化させて、膜厚と酸素透過率の関係
を測定した。成膜条件は,投入電力200W,全圧10
Pa,酸素分圧比を50%と一定にし,成膜時間を変化
させることにより膜厚を制御した。原料にはテトラメト
キシシランおよび酸素ガスを使用した。結果を図14に
示す。なお、酸素透過率は実施例5と同様にして測定し
た。
【0138】図14から明らかなように、膜厚を20n
m以上とすることにより、酸素透過率が、一般に包装材
において求められる2cc/m/day未満となっ
た。
【0139】
【発明の効果】本発明によれば、酸化珪素膜が基材表面
の温度を反応チャンバー内壁面の温度より高くなるよう
に温度制御されて成膜されたものであるので、不純物と
しての炭素原子の含有量が極めて少ない酸化珪素膜を得
ることができる。このような酸化珪素膜は、ガスバリア
性および透明性、さらには絶縁性に優れたものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】FTIRによる、実施例1−2、比較例1−
1、および比較例1−2で得た酸化珪素膜の分析結果を
示すグラフである。
【図2】FTIRによる、実施例1−1、実施例1−
2、および実施例1−3で得た酸化珪素膜の分析結果を
示すグラフである。
【図3】FTIRによる、実施例1−1、比較例1−
3、および比較例1−4で得た酸化珪素膜の分析結果を
示すグラフである。
【図4】XPSによる実施例1−1で得た酸化珪素膜の
分析結果を示すグラフである。
【図5】XPSによる実施例1−3で得た酸化珪素膜の
分析結果を示すグラフである。
【図6】投入電力に対するプラズマ発光分光の強度を示
すグラフである。
【図7】FTIRによる、実施例2−1〜2−2および
比較例2−1〜2−2で得た酸化珪素膜の分析結果を示
すグラフである。
【図8】FTIRによる、実施例3−1〜3−2および
比較例3−1〜3−3で得た酸化珪素膜の分析結果を示
すグラフである。
【図9】FTIRによる、実施例3−3および比較例3
−4〜3−7で得た酸化珪素膜の分析結果を示すグラフ
である。
【図10】FTIRによる、実施例4−1、4−2およ
び比較例4−1、4−2で得た酸化珪素膜の分析結果を
示すグラフである。
【図11】FTIRによる、実施例4−3、4−4およ
び比較例4−3で得た酸化珪素膜の分析結果を示すグラ
フである。
【図12】本発明に用いられる回転手段を説明するため
の説明図である。
【図13】実施例5における酸化珪素膜中の酸化珪素の
濃度と酸素透過率との関係を示すグラフである。
【図14】実施例6における酸化珪素膜の膜厚と酸素透
過率との関係を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 杉村 博之 愛知県名古屋市北区名城3丁目1番名城住 宅9号棟609号 (72)発明者 井上 泰志 愛知県安城市里町七曲り12番地16 (72)発明者 手嶋 勝弥 東京都新宿区市谷加賀町一丁目一番1号 大日本印刷株 式会社内 Fターム(参考) 4F100 AA20B AK04 AK07 AK25 AK42 AK45 AK46 AT00A BA02 EH112 EH662 EJ612 GB15 GB23 JA04A JA20B JD02 JD03 JD04 JM02B YY00 YY00A YY00B 4K030 AA06 AA09 AA14 BA44 CA07 CA12 FA04 HA16 JA06 JA09 JA10 JA13 JA16 LA01 5F058 BA20 BB06 BC02 BF07 BF25 BF27 BF29 BG03 BG04 BG10

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも有機珪素ガスおよび酸素原子
    を含むガスを原料ガスとして用い、反応チャンバー内で
    プラズマCVD法により基材に対して酸化珪素膜を成膜
    する酸化珪素膜の製造方法であって、 前記基材が基材表面上に酸化珪素膜が成膜できる程度プ
    ラズマ中心から離れた位置に配置され、かつ前記基材表
    面の温度が前記反応チャンバー内壁面の温度より高くな
    るように温度制御されて成膜することを特徴とする酸化
    珪素膜の製造方法。
  2. 【請求項2】 少なくとも有機珪素ガスおよび酸素原子
    を含むガスを原料ガスとして用い、反応チャンバー内で
    プラズマCVD法により基材に対して酸化珪素膜を成膜
    する酸化珪素膜の製造方法であって、 前記酸化珪素膜を製造するためのCVD装置のプラズマ
    発生手段への投入電力を増加させ、これに対してプラズ
    マ発光中の励起した−OH分子が基底状態に戻る際に発
    光する特定波長の光の強度をそれぞれの投入電力におい
    て測定し、前記投入電力を増加させても前記光の強度が
    増加しなくなる電力量を予め最適電力として決定し、こ
    の最適電力以上の電力をプラズマ発生手段への投入電力
    として成膜することを特徴とする酸化珪素膜の製造方
    法。
  3. 【請求項3】 少なくとも有機珪素ガスおよび酸素原子
    を含むガスを原料ガスとして用い、反応チャンバー内で
    プラズマCVD法により基材に対して酸化珪素膜を成膜
    する酸化珪素膜の製造方法であって、 前記有機珪素分子中において、珪素原子数≦酸素原子数
    の関係が成り立つ場合は、前記有機珪素ガスと前記酸素
    原子を含むガスとの分圧比を有機珪素ガス1に対して酸
    素原子を含むガスを0.5以上1.5以下の範囲内と
    し、 前記有機珪素分子中において、珪素原子数>酸素原子数
    の関係が成り立つ場合は、前記有機珪素ガスと前記酸素
    原子を含むガスとの分圧比を有機珪素ガス1に対して酸
    素原子を含むガスを1.5より大きく2.5以下の範囲
    内とすることを特徴とする酸化珪素膜の製造方法。
  4. 【請求項4】 少なくとも有機珪素ガスおよび酸素原子
    を含むガスを原料ガスとして用い、反応チャンバー内で
    プラズマCVD法により基材に対して酸化珪素膜を成膜
    する酸化珪素膜の製造方法であって、 前記原料ガスの全圧を、5Pa以上20Pa未満の範囲
    とすることを特徴とする酸化珪素膜の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記酸化珪素膜を製造するためのCVD
    装置のプラズマ発生手段への投入電力を増加させ、これ
    に対してプラズマ発光中の励起した−OH分子が基底状
    態に戻る際に発光する特定波長の光の強度をそれぞれの
    投入電力において測定し、前記投入電力を増加させても
    前記光の強度が増加しなくなる電力量を予め最適電力と
    して決定し、この最適電力以上の電力をプラズマ発生手
    段への投入電力として成膜することを特徴とする請求項
    1記載の酸化珪素膜の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記有機珪素分子中において、珪素原子
    数≦酸素原子数の関係が成り立つ場合は、前記有機珪素
    ガスと前記酸素原子を含むガスとの分圧比を有機珪素ガ
    ス1に対して酸素原子を含むガスを0.5以上1.5以
    下の範囲内とし、 前記有機珪素分子中において、珪素原子数>酸素原子数
    の関係が成り立つ場合は、前記有機珪素ガスと前記酸素
    原子を含むガスとの分圧比を有機珪素ガス1に対して酸
    素原子を含むガスを1.5より大きく2.5以下の範囲
    内とすることを特徴とする請求項1、請求項2および請
    求項5のうちのいすれかの請求項に記載の酸化珪素膜の
    製造方法。
  7. 【請求項7】 前記原料ガスの全圧を、5Pa以上20
    Pa未満の範囲とすることを特徴とする請求項1、請求
    項2、請求項3、請求項5、および請求項6のうちのい
    ずれかの請求項に記載の酸化珪素膜の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記基材表面の温度を50℃〜100℃
    の範囲内に制御し、かつ前記反応チャンバー内壁面の温
    度を30℃〜90℃の範囲内に制御しながら成膜するこ
    とを特徴とする請求項1から請求項7までのいずれかの
    請求項に記載の酸化珪素膜の製造方法。
  9. 【請求項9】 反応チャンバーと、この反応チャンバー
    内を減圧する減圧手段と、前記反応チャンバー内に少な
    くとも有機珪素ガスおよび酸素原子を含むガスを原料ガ
    スとして供給する原料ガス供給手段と、反応チャンバー
    内にプラズマを発生させるプラズマ発生手段と、前記プ
    ラズマ発生手段により発生するプラズマのプラズマ中心
    から酸化珪素膜が成膜できる程度離れた位置で基材を支
    持する基材支持手段を有し、前記基材支持手段および前
    記反応チャンバーの少なくともいずれかが、基材表面温
    度を反応チャンバー内壁表面温度よりも高くなるように
    制御可能な温度制御手段を有していることを特徴とす
    る、プラズマCVD法により基材表面に酸化珪素膜を成
    膜する酸化珪素膜の製造装置。
  10. 【請求項10】 反応チャンバーと、この反応チャンバ
    ー内を減圧する減圧手段と、前記反応チャンバー内に少
    なくとも有機珪素ガスおよび酸素原子を含むガスを原料
    ガスとして供給する原料ガス供給手段と、反応チャンバ
    ー内にプラズマを発生させるプラズマ発生手段と、前記
    プラズマ発生手段により発生するプラズマのプラズマ中
    心から酸化珪素膜が成膜できる程度離れた位置で基材を
    支持する基材支持手段を有し、前記基材支持手段が前記
    プラズマ中心からの距離を移動させる位置移動手段を具
    備していることを特徴とする、プラズマCVD法により
    基材表面に酸化珪素膜を成膜する酸化珪素膜の製造装
    置。
  11. 【請求項11】 さらに、前記基材支持手段および前記
    反応チャンバーの少なくともいずれかが基材表面温度を
    反応チャンバー内壁表面温度よりも高くなるように制御
    可能な温度制御手段を有していることを特徴とする請求
    項10記載の酸化珪素膜の製造装置。
  12. 【請求項12】 少なくとも有機珪素ガスおよび酸素原
    子を含むガスを原料ガスとして用い、プラズマCVD法
    により基材に対して形成された酸化珪素膜であって、前
    記酸化珪素膜中の酸素原子と珪素原子との含有量が、9
    9atom%以上であることを特徴とする酸化珪素膜。
  13. 【請求項13】 基材と、前記基材上に請求項12に記
    載された酸化珪素膜が形成されたガスバリアフィルムで
    あって、前記基材を構成する材料の軟化点が150℃以
    下であることを特徴とするガスバリアフィルム。
  14. 【請求項14】 基材と、前記基材上に形成された酸化
    珪素膜とからなるガスバリアフィルムであって、 前記基材を構成する材料の軟化点が、150℃以下であ
    り、 前記酸化珪素膜の膜厚が、15nm〜60nmの範囲内
    であり、さらにガスバリアフィルムの酸素透過率が2c
    c/m/day以下であることを特徴とするガスバリ
    アフィルム。
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