JP2002298848A - メソカーボンマイクロビーズ黒鉛化品、負極材およびリチウムイオン二次電池 - Google Patents

メソカーボンマイクロビーズ黒鉛化品、負極材およびリチウムイオン二次電池

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JP2002298848A
JP2002298848A JP2001103314A JP2001103314A JP2002298848A JP 2002298848 A JP2002298848 A JP 2002298848A JP 2001103314 A JP2001103314 A JP 2001103314A JP 2001103314 A JP2001103314 A JP 2001103314A JP 2002298848 A JP2002298848 A JP 2002298848A
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secondary battery
lithium ion
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Kaoru Okuyama
薫 奥山
Akira Yamamoto
山本  公
Minoru Sakai
稔 酒井
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Abstract

(57)【要約】 【課題】リチウムウイオン二次電池用負極材として用い
たときに、高放電容量で、初回充放電ロスが小さいメソ
カーボンマイクロビーズ黒鉛化品、該黒鉛化品を用いた
リチウムウイオン二次電池用負極材と該負極材を用いた
軽量・小型リチウムウイオン二次電池の提供。 【解決手段】表面に多結晶性結晶組織および/または等
方性結晶組織を有し、表面の結晶子が直径10〜100
nmの結晶組織を有するメソカーボンマイクロビーズ黒鉛
化品、さらに表面の結晶子のラマンスペクトル分析から
求めたR値が0.12〜0.35である前記のメソカー
ボンマイクロビーズ黒鉛化品と、これを用いた負極材と
リチウムウイオン二次電池。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、リチウムイオン二
次電池用負極材として好適なメソカーボンマイクロビー
ズ黒鉛化品、およびそれを用いたリチウムイオン二次電
池用負極材、およびそれを用いたリチウムイオン二次電
池に関する。
【0002】
【従来の技術】リチウムイオン二次電池は優れた電池容
量とサイクル寿命を有し、かつ環境汚染問題が少ないこ
とから、現在の主流であるニッケル・カドミウム電池に
代わる次世代の二次電池として注目を浴びている。リチ
ウムイオン二次電池が実用化可能となったのは、負極材
として安全性に問題があったリチウム金属に代わり、リ
チウムイオンをインターカレートした炭素材料が安定し
た活物質となり得ることが発見され、リチウムイオン二
次電池の実用化と性能向上に果たす炭素材料の役割が認
識されたことに起因する。
【0003】炭素材料に関する数多い提案の中で、黒鉛
性の高い炭素材料を芯材とし、その周囲を結晶性の低い
ピッチなどで被覆するようなハイブリッド材の開発が行
われている。例えば、被覆材である炭素材料を芯材より
も低結晶性にすることにより、電池の電解液に拘束され
ずに、放電容量、サイクル寿命、安全性などを改善した
炭素材料が特開平11−310405号公報に開示され
ている。しかし、前記炭素材料では、放電容量が必ずし
も十分でなかった。
【0004】また、特開平11−273676号公報に
は、リチウム二次電池の放電容量の向上を目的として、
黒鉛質物質と有機物の混合物を、不活性ガス中に50pp
m 以上8000ppm 以下の酸化性ガスを含む混合ガス雰
囲気で焼成後、粉砕して得た複合炭素物質を負極として
用いることが提案されているが、放電容量、初回充放電
ロスが満足できるものではない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、ますます軽
量化、小型化されるリチウムイオン二次電池の電池特性
を満足するために負極材として用いた場合に、高放電容
量で、かつ初回充放電ロスが小さいメソカーボンマイク
ロビーズ黒鉛化品を提供することが目的である。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決すること
を目的とする本発明は次の通りである。 (1)表面に、電子顕微鏡における電子回折によって、
10度以上の回折アークを示す結晶組織および/または
偏光顕微鏡による表面の結晶組織観察において、等方性
結晶組織を有することを特徴とするメソカーボンマイク
ロビーズ黒鉛化品、
【0007】(2)表面の結晶子の大きさが10〜10
0nmである結晶組織を有することを特徴とするメソカー
ボンマイクロビーズ黒鉛化品、
【0008】(3)表面の結晶子の大きさが10〜10
0nmであることを特徴とする前記(1)のメソカーボン
マイクロビーズ黒鉛化品、
【0009】(4)波長514.5nmのアルゴンイオン
レーザー光を用いてラマンスペクトル分析した場合、1
570〜1620cm-1の範囲に存在するピークの強度を
IG、1350〜1370cm-1の範囲に存在するピーク
の強度をIDとしたとき、ID/IGであるR値が0.
12〜0.35であることを特徴とするメソカーボンマ
イクロビーズ黒鉛化品、
【0010】(5)波長514.5nmのアルゴンイオン
レーザー光を用いてラマンスペクトル分析した場合、1
570〜1620cm-1の範囲に存在するピークの強度を
IG、1350〜1370cm-1の範囲に存在するピーク
の強度をIDとしたとき、ID/IGであるR値が0.
12〜0.35であることを特徴とする前記のいずれか
のメソカーボンマイクロビーズ黒鉛化品、
【0011】(6)前記のいずれかのメソカーボンマイ
クロビーズ黒鉛化品を用いることを特徴とするリチウム
イオン二次電池用負極材、
【0012】(7)前記のリチウムイオン二次電池用負
極材を用いることを特徴とするるリチウムイオン二次電
池。
【0013】
【発明の実施の形態】リチウムイオン二次電池の負極材
として用いられるメソカーボンマイクロビーズ黒鉛化品
は、一般的に高温熱処理した場合に黒鉛化が促進される
易黒鉛化性炭素材料から製造される。易黒鉛化性炭素材
料の原料としては、従来石油系または石炭系のタール
類、ピッチ類を熱処理したものが知られている。例え
ば、コールタールを350〜500℃に加熱処理し、メ
ソカーボンマイクロビーズを生成させ、ついで、メソカ
ーボンマイクロビーズをピッチマトリックスから有機溶
剤(ベンゼン、トルエン、キノリン、タール中油、ター
ル重油、洗浄油など)を用いて分離精製し、その後、メ
ソカーボンマイクロビーズを350℃以上で一次焼成
し、さらに2000℃以上で黒鉛化促進のための高温熱
処理することにより、メソカーボンマイクロビーズ黒鉛
化品として製造される。
【0014】本発明者は、メソカーボンマイクロビーズ
黒鉛化品であるが、偏光顕微鏡による表面の結晶組織観
察において、モザイク状組織が認められる異方性結晶組
織を有するものを用いたリチウムイオン二次電池負極材
を構成部品としたリチウムイオン二次電池は、放電容量
は大きいが、初回充放電ロスが大きいことを見出した。
また、該異方性結晶組織を有するメソカーボンマイクロ
ビーズ黒鉛化品を用いたリチウムイオン二次電池負極材
は、反応性の高い電解液を用いたリチウムイオン二次電
池に構成部品として用いた場合には、耐久性が不足する
問題を見出した。
【0015】しかし、本発明者は、前記の偏光顕微鏡に
よる表面の結晶組織観察において、モザイク状組織が認
められない等方性結晶組織を有するメソカーボンマイク
ロビーズ黒鉛化品を用いたリチウムイオン二次電池負極
材を構成部品としたリチウムイオン二次電池は、放電容
量は大きく、初回充放電ロスが小さいことを見出し、本
発明に到達した。
【0016】さらに、本発明者は、メソカーボンマイク
ロビーズ黒鉛化品の中でも、電子顕微鏡観察における電
子回折によって、10度以上の回折アークを示す結晶組
織(以降、多結晶性結晶組織と称する。)を有するもの
を用いたリチウムイオン二次電池負極材を構成部品とし
たリチウムイオン二次電池は、なお一層、放電容量が大
きく、初回充放電ロスが小さいことを見出し、本発明に
到達した。
【0017】前記のメソカーボンマイクロビーズ黒鉛化
品を電子顕微鏡で観察した場合、回折パターンは図1の
ような同心円となるか、または図2のように002面お
よび100面の回折パターンが円として連続的なパター
ンとならないまでも、10度以上の回折アークをなす結
晶組織となる。なお、回折に用いる電子ビーム径として
は数10nm程度が適当である。
【0018】また、本発明者は、メソカーボンマイクロ
ビーズ黒鉛化品の中でも、表面の結晶子の大きさが10
〜100nmである結晶組織を有するものを用いたリチウ
ムイオン二次電池負極材を構成部品としたリチウムイオ
ン二次電池は、なお一層、放電容量が大きく、初回充放
電ロスが小さいことを見出し、本発明に到達した。
【0019】ここで結晶子の大きさとは、透過電子顕微
鏡で結晶子の断面を観察し、表面に露出している部分の
長さである。結晶子の大きさは10〜100nmであるこ
とが必要であり、好ましくは30〜80nm、特に好まし
くは30〜60nmである。結晶子が小さすぎると放電容
量が低下し、逆に大きすぎると初回充放電ロスが大きく
なるので、上記の範囲に調整する必要がある。
【0020】結晶子の大きさの測定に当たっては、走査
電子顕微鏡による表面観察、断面観察および透過顕微鏡
によって測定できるが、例えば、透過顕微鏡による断面
観察では、メソカーボンマイクロビーズ黒鉛化品を樹脂
で支持し、集束イオンビーム加工などにより加工した試
料を用いるとよい。無作為に抽出した5以上の結晶子の
大きさを平均して結晶子の大きさとするとよい。測定箇
所の模式図を図3に示す。
【0021】本発明の表面に多結晶性結晶組織および/
または等方性結晶組織を有することを特徴とするメソカ
ーボンマイクロビーズ黒鉛化品は、表面の結晶子の大き
さが10〜100nmである結晶組織を有すればより一層
好ましい。
【0022】また、本発明者は、波長514.5nmのア
ルゴンイオンレーザー光を用いてラマンスペクトル分析
した場合、1570〜1620cm-1の範囲に存在するピ
ークの強度をIG、1350〜1370cm-1の範囲に存
在するピークの強度をIDとしたとき、ID/IGであ
るR値が0.12〜0.35であるメソカーボンマイク
ロビーズ黒鉛化品を用いたリチウムイオン二次電池負極
材を構成部品としたリチウムイオン二次電池は、放電容
量が大きく、初回充放電ロスが小さいことも見出し、本
発明に到達した。なお、R値が0.35を越えても初回
の充放電ロスが低下しないばかりか、放電容量の低下が
生じ、R値が0.12未満であると初回充放電ロスが大
きくなるので、上記の範囲に調整する必要がある。
【0023】また、本発明の表面に多結晶性結晶組織お
よび/または等方性結晶組織を有することを特徴とする
メソカーボンマイクロビーズ黒鉛化品は、波長514.
5nmのアルゴンイオンレーザー光を用いたラマンスペク
トル分析で分析した場合、1570〜1620cm-1の範
囲に存在するピークの強度をIG、1350〜1370
cm-1の範囲に存在するピークの強度をIDとしたとき、
ID/IGであるR値が0.12〜0.35であるのが
好ましい。
【0024】また、本発明の表面に多結晶性結晶組織お
よび/または等方性結晶組織を有することを特徴とする
メソカーボンマイクロビーズ黒鉛化品は、表面の結晶子
の大きさが10〜100nmであり、波長514.5nmの
アルゴンイオンレーザー光を用いたラマンスペクトル分
析で分析した場合、1570〜1620cm-1の範囲に存
在するピークの強度をIG、1350〜1370cm-1
範囲に存在するピークの強度をIDとしたとき、ID/
IGであるR値が0.12〜0.35であるのが好まし
い。
【0025】本発明のメソカーボンマイクロビーズ黒鉛
化品の特徴となる表面組織の分布は、表面の一部であっ
ても全部であってもよいが、70%以上であるのが放電
容量、初回充放電効率の向上の点から好ましい。表面の
前記表面組織の厚さが厚すぎると、放電容量の低下につ
ながるので、厚さは3μm 以下、好ましくは1μm 以
下、さらに好ましくは0.5μm 以下である。一方、表
面の前記表面組織の厚さが薄すぎると、リチウムイオン
二次電池の電極作製時に、メソカーボンマイクロビーズ
黒鉛化品の表面に亀裂が発生して初回充放電ロスが増大
するので、厚さは0.013μm 以上であるのが好まし
い。
【0026】本発明の、表面に電子顕微鏡における電子
回折によって、10度以上の回折アークを示す結晶組織
および/または偏光顕微鏡による表面の結晶組織観察に
おいて、等方性結晶組織を有することを特徴とするメソ
カーボンマイクロビーズ黒鉛化品の製造方法の一例につ
いて説明する。
【0027】まず、コールタールをステンレス製容器に
入れ、コールタールを450℃で1時間加熱処理してメ
ソカーボンマイクロビーズを生成させ、これをタール重
油を使用して270℃以上で分離精製し、ピッチマトリ
ックス中からメソカーボンマイクロビーズを得、得られ
たメソカーボンマイクロビーズを窒素気流中で、500
℃で3時間一次焼結した後、黒鉛るつぼに入れ、アルゴ
ン雰囲気下、昇温速度1000℃/hで3000℃に昇温
し、同温度で3時間高温熱処理を行うことより得ること
ができる。
【0028】本発明の表面の結晶子の大きさが10〜1
00nmであることを特徴とするメソカーボンマイクロビ
ーズ黒鉛化品の製造方法の一例について説明する。ま
ず、コールタールをステンレス製容器に入れ、コールタ
ールを450℃で1時間加熱処理してメソカーボンマイ
クロビーズを生成させ、これをタール重油を使用して2
60〜450℃で分離精製し、ピッチマトリックス中か
らメソカーボンマイクロビーズを得、得られたメソカー
ボンマイクロビーズを窒素気流中で、500℃で3時間
一次焼結した後、黒鉛るつぼに入れ、アルゴン雰囲気
下、昇温速度1000℃/hで3000℃に昇温し、同温
度で3時間高温熱処理を行うことより得ることができ
る。
【0029】本発明の波長514.5nmのアルゴンイオ
ンレーザー光を用いてラマンスペクトル分析した場合、
1570〜1620cm-1の範囲に存在するピークの強度
をIG、1350〜1370cm-1の範囲に存在するピー
クの強度をIDとしたとき、ID/IGであるR値が
0.12〜0.35であることを特徴とするメソカーボ
ンマイクロビーズ黒鉛化品の製造方法の一例について説
明する。
【0030】まず、コールタールをステンレス製容器に
入れ、コールタールを450℃で1時間加熱処理してメ
ソカーボンマイクロビーズを生成させ、これをタール中
油またはタール重油を使用して130〜400℃で分離
精製し、ピッチマトリックス中からメソカーボンマイク
ロビーズを得、得られたメソカーボンマイクロビーズを
窒素気流中で、500℃で3時間一次焼結した後、黒鉛
るつぼに入れ、アルゴン雰囲気下、昇温速度1000℃
/hで3000℃に昇温し、同温度で3時間高温熱処理を
行うことより得ることができる。
【0031】メソカーボンマイクロビーズの黒鉛化のた
めの高温熱処理は、必要に応じて、ふたをして、間接通
電炉、直接通電炉、タンマン炉等の炉を用いて実施でき
る。容器およびふたは黒鉛製であるのが好ましい。黒鉛
化を促進するという観点からは高温熱処理温度が高いほ
ど好ましい。高温熱処理により一段と秩序よく積層構造
が形成され、黒鉛化が促進される。
【0032】得られたメソカーボンマイクロビーズ黒鉛
化品は、ポリエチレンやポリテトラフルオロエチレン等
のバインダーと混合され、負極材として好適な形状、大
きさに加圧ロール等を用いて成形される。成形品は、対
極にリチウム金属を用いて、還元処理することにより、
容易に負極材とすることができる。このメソカーボンマ
イクロビーズ黒鉛化品を負極材として用いたリチウムイ
オン二次電池は、従来公知の方法で製造することができ
る。
【0033】リチウムイオン二次電池を製造する場合の
電解液は、リチウム塩を溶解し得るものであればよく、
非プロトン性の誘電率が大きい有機溶媒が好適である。
具体的には、プロピレンカーボネート、エチレンカーボ
ネート、テトラヒドロフラン、ジオキソラン、アセトニ
トリル、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート
等が挙げられる。
【0034】電解質としては、安定なアニオンを生成す
るリチウム塩、例えば、過塩素酸リチウム、ホウフッ化
リチウム、六塩化アンチモン酸リチウム等が好適であ
る。
【0035】リチウムイオン二次電池の正極としては、
リチウムマンガン酸化物、リチウムコバルト酸化物、リ
チウムニッケル酸化物等のリチウム金属酸化物が用いら
れる。
【0036】リチウムイオン二次電池は、正極と負極
と、その間に設けた合成繊維またはガラス繊維の不織
布、織布等のセパレータ、集電体、ガスケット、封口
板、ケース等の電池構成要素を用いて、常法により円筒
型、角型、ボタン型等の形態に組み立てられ、使用に供
される。得られた二次電池は放電容量が大きく、初回充
放電ロスが小さく、極めて高性能である。
【0037】
【実施例】メゾカーボンマイクロビーズ黒鉛化品を得る
ために、コールタールをステンレス製容器に入れ、フリ
ーカーボンを1.5質量%含有するコールタールを45
0℃で1時間加熱処理してメゾカーボンマイクロビーズ
を生成させ、これを表1の条件で分離精製し、ピッチマ
トリックス中からメゾカーボンマイクロビーズを得、得
られたメソカーボンマイクロビーズを窒素気流中で、5
00℃で3時間一次焼結した後、黒鉛るつぼに入れ、ア
ルゴン雰囲気下、昇温速度1000℃/hで3000℃に
昇温し、同温度で3時間高温熱処理を行い(実施例1〜
8および比較例1〜2)、メソカーボンマイクロビーズ
黒鉛化品(平均粒径20μm)を得た。
【0038】
【表1】
【0039】[電子顕微鏡による表面の結晶組織観察]
試料となるメソカーボンマイクロビーズ黒鉛化品を所定
の樹脂で支持し、集束イオンビーム加工装置[(株)日
立製作所製FB2000]で0.1μm前後に薄膜加工
した後、電子顕微鏡[(株)日立製作所製HF2000
および日本電子(株)製JEM2010F]を用い、加
速電圧150〜200kVで観察し、数十nmに電子ビーム
を絞り、界面を電子回折することにより行った。電子回
折を、集束イオンビーム加工装置の加工領域の約10μ
m 幅に対し10箇所の割合で行い、5箇所以上に多結晶
の性質が認められたものを多結晶性結晶組織とした。
【0040】[電池特性]下記の条件でリチウムイオン
二次電池を製作し、ドライボックス中でアルゴン流通
下、下記条件で二次電池の充放電容量を測定した。 セル型式: 3極式ビーカーセル 対極および参照極:金属リチウム 作用極: 黒鉛粉末に質量部で10%のポリフ
ッ化ビニリデンを混合し、N−メチルピロリドンでポリ
フッ化ビニリデンを十分に溶解し、銅箔に塗布したもの
を、100℃で予備乾燥した後、ロールプレス機を用い
てプレスし、さらに100℃真空下でN−メチルピロリ
ドンを除去して製造した。
【0041】 電流密度: 1.0mA/ cm2 の定電流充電、0.
1V で定電位充電を行った後、1.0mA/ cm2 の定電流
放電を行った。 電解液(質量比):1M−LiClO4/PC+EC+DMC
(3:5:2) PC: プロピレンカーボネート EC: エチレンカーボネート DMC: ジメチルカーボネート
【0042】表2を用いて本発明の効果を説明する。本
発明の請求項1を満たすメソカーボンマイクロビーズ黒
鉛化品を用いたリチウムイオン二次電池である実施例2
〜6、8は、放電容量が340mAh/g を越えて大きく、
かつ初回充放電ロスが35mAh/g を下回り小さい。ま
た、本発明の請求項2を満たすメソカーボンマイクロビ
ーズ黒鉛化品を用いたリチウムイオン二次電池である実
施例3〜6、8は、放電容量が340mAh/gを越えて大
きく、かつ初回充放電ロスが35mAh/g を下回り小さ
い。
【0043】また、本発明の請求項3を満たすメソカー
ボンマイクロビーズ黒鉛化品を用いたリチウムイオン二
次電池である実施例3〜6、8は、放電容量が340mA
h/gを越えて大きく、かつ初回充放電ロスが35mAh/g
を下回り小さい。また、本発明の請求項4を満たすメソ
カーボンマイクロビーズ黒鉛化品を用いたリチウムイオ
ン二次電池である実施例2〜3、5〜8は、放電容量が
340mAh/g を越えて大きく、かつ初回充放電ロスが3
5mAh/g を下回り小さい。一方、本発明の請求項1〜4
のいずれをも満たさないメソカーボンマイクロビーズ黒
鉛化品を用いたリチウムイオン二次電池である比較例
1、2は、放電容量が335mAh/g 以下と小さく、かつ
初回充放電ロスが45mAh/g 以上と大きい。
【0044】
【表2】
【0045】
【発明の効果】本発明のメソカーボンマイクロビーズ黒
鉛化品は、これを用いてリチウムイオン二次電池を作製
した場合に、リチウムイオン二次電池の放電容量が大き
く、初回充放電ロスが小さいので、リチウムイオン二次
電池の負極材として好適であり、これを用いてなるリチ
ウムイオン二次電池の軽量化、小型化に好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のメソカーボンマイクロビーズ黒鉛化
品を電子顕微鏡で観察したときの回折パターンの一例を
示す図である。
【図2】 本発明のメソカーボンマイクロビーズ黒鉛化
品を電子顕微鏡で観察したときの回折パターンの他の一
例を示す図である。
【図3】 本発明のメソカーボンマイクロビーズ黒鉛化
品の断面を透過電子顕微鏡で観察したときの結晶子の大
きさの測定状態を示す模式図である。
【符号の説明】
1 メソカーボンマイクロビーズ黒鉛化品の表面 2 結晶子 3 結晶子の大きさ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 酒井 稔 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社技術研究所内 Fターム(参考) 4G032 AA08 AA09 BA05 GA01 GA11 4G046 EA02 EB02 EB04 EC02 EC05 4H058 DA02 EA12 EA17 EA22 EA45 FA04 FA40 GA03 GA16 HA06 HA12 HA13 5H029 AJ02 AJ03 AK03 AL07 AM03 AM04 AM07 CJ02 CJ12 DJ16 DJ17 HJ13 5H050 AA02 AA08 BA17 CA08 CA09 CB00 CB08 DA03 FA00 FA17 FA19 GA02 GA12 HA13

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】表面に、電子顕微鏡における電子回折によ
    って、10度以上の回折アークを示す結晶組織および/
    または偏光顕微鏡による表面の結晶組織観察において、
    等方性結晶組織を有することを特徴とするメソカーボン
    マイクロビーズ黒鉛化品。
  2. 【請求項2】表面の結晶子の大きさが10〜100nmで
    ある結晶組織を有することを特徴とするメソカーボンマ
    イクロビーズ黒鉛化品。
  3. 【請求項3】表面の結晶子の大きさが10〜100nmで
    あることを特徴とする請求項1に記載のメソカーボンマ
    イクロビーズ黒鉛化品。
  4. 【請求項4】波長514.5nmのアルゴンイオンレーザ
    ー光を用いてラマンスペクトル分析した場合、1570
    〜1620cm-1の範囲に存在するピークの強度をIG、
    1350〜1370cm-1の範囲に存在するピークの強度
    をIDとしたとき、ID/IGであるR値が0.12〜
    0.35であることを特徴とするメソカーボンマイクロ
    ビーズ黒鉛化品。
  5. 【請求項5】波長514.5nmのアルゴンイオンレーザ
    ー光を用いてラマンスペクトル分析した場合、1570
    〜1620cm-1の範囲に存在するピークの強度をIG、
    1350〜1370cm-1の範囲に存在するピークの強度
    をIDとしたとき、ID/IGであるR値が0.12〜
    0.35であることを特徴とする請求項1〜3のいずれ
    かに記載のメソカーボンマイクロビーズ黒鉛化品。
  6. 【請求項6】請求項1〜請求項5のいずれかに記載のメ
    ソカーボンマイクロビーズ黒鉛化品を用いることを特徴
    とするリチウムイオン二次電池用負極材。
  7. 【請求項7】請求項6に記載のリチウムイオン二次電池
    用負極材を用いることを特徴とするリチウムイオン二次
    電池。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009173547A (ja) * 2002-06-27 2009-08-06 Jfe Chemical Corp 多結晶メソカーボン小球体黒鉛化品、負極活物質およびリチウムイオン二次電池
JP2009227579A (ja) * 2009-05-15 2009-10-08 Jfe Chemical Corp 黒鉛質粒子、リチウムイオン二次電池およびその負極材料

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