JP2002298311A - 薄膜磁気ヘッド用基板及びその製造方法 - Google Patents

薄膜磁気ヘッド用基板及びその製造方法

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JP2002298311A
JP2002298311A JP2001097434A JP2001097434A JP2002298311A JP 2002298311 A JP2002298311 A JP 2002298311A JP 2001097434 A JP2001097434 A JP 2001097434A JP 2001097434 A JP2001097434 A JP 2001097434A JP 2002298311 A JP2002298311 A JP 2002298311A
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oxide film
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Kunihide Yomo
邦英 四方
Shoji Kosaka
祥二 高坂
Masaaki Obata
正明 小畑
Hidehiro Nanjiyou
英博 南上
Hidemi Matsumoto
秀美 松本
Kazumi Kubo
和美 久保
Usou Ou
雨叢 王
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Abstract

(57)【要約】 【課題】表面平滑性が優れ、浮上量のより小さい場合に
も対応できる薄膜磁気ヘッド用基板を提供する。 【解決手段】β型炭化珪素結晶を主体とする炭化珪素部
材の表面に、表面粗さR aが30nm以下の酸化珪素膜
が設けられてなることを特徴とし、特に前記酸化珪素膜
の厚みが0.1〜2μmであることが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高密度記録装置で
あるハードディスクドライブ等に用いられる薄膜磁気ヘ
ッド基板及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来技術】近年、磁気記録の高密度化は急速に進んで
おり、ハードディスク、8mmVTR、電子スチルカメ
ラ、ビデオフロッピー(登録商標)やデジタルオーディ
オ等の高保持力媒体の記録再生用磁気ヘッドとして、従
来のフェライト等を使用した磁気ヘッドに代わって、磁
性薄膜を利用した磁気記録高密度化に好適な薄膜磁気ヘ
ッドが使用されている。
【0003】従来から、薄膜磁気ヘッドは、10〜50
nmの表面粗さを持つAl23−TiC系(以下、単に
AlTiC言う)基板材料に非晶質アルミナ膜を5〜3
0μm程度の絶縁膜を被覆したものが用いられている
(例えば、特開平2−154308号公報等)。
【0004】しかし、最近になり、さらなる記録密度の
高密度化に伴うヘッドサイズの微細化により、発熱量が
増大し、ヘッドスライダの浮上量がnmオーダーと小さ
くなったため、摺動時のメディアとの接触により磁気ヘ
ッド素子部の温度変化を生じやすくなり、磁性媒体の磁
化される体積が小さくなる程磁化方向が不安定になると
いうサーマルアスペリティ現象によるヘッド特性の劣
化、あるいはヘッド部の熱膨張による磁気ディスクとの
接触問題が発生することが予想されており、その結果、
放熱性が要求され、さらなる高熱伝導性薄膜磁気ヘッド
用のスライダが必要と考えられている。
【0005】ところが、AlTiCでは熱伝導率が25
W/mK程度と小さいため、磁気ヘッドの高密度化へ対
応できないとともに、鏡面加工時に粒子の硬度等の性質
の違いにより脱粒等が生じ易く表面平滑性が悪いため、
小型化に必要な加工精度が得られず、基板自体及び絶縁
膜被覆後の表面平滑性が得られないという問題があっ
た。
【0006】そこで、AlTiC製基板上にダイヤモン
ド状炭素(DLC)膜を形成し、放熱性と絶縁性を改善
するとともに、DLC膜の硬度が高く研磨しにくいた
め、DLC膜上にアルミナ膜を形成して平滑面を得るこ
とが、特開平11−339229号公報に記載されてい
る。
【0007】また、従来のAlTiCと同等な弾性率、
強度、硬度を有し、高熱伝導率を有するとともに焼結助
剤を添加した焼結体からなる炭化珪素材料を用いること
が特開昭63−128885号公報に提案されている。
【0008】さらに、特開平6−199513号公報に
おいて表面を約0.5nmまで研磨した平滑な表面と約
300W/mKの熱伝導率を有し、熱放散性に優れたC
VD法により作製した炭化珪素を用いるハードディスク
アセンブリーが記載されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開平
11−339229号公報に記載の方法では、使用中に
スライダの温度が上昇するため、炭化珪素とDLC膜及
びDLC膜とアルミナ膜との間の密着性が十分ではな
く、且つDLC膜も高温での寿命が短いという問題があ
った。そして、アルミナ膜の表面を平滑に研磨すること
が難しく、非常に大きなコストがかかり、実用的でない
という問題があった。
【0010】また、特開昭63−128885号公報の
方法では、アルミナやイットリア等の酸化物あるいはホ
ウ素と炭素を焼結助剤として添加含有するSiC質焼結
体はこの焼結体の粒界相に助剤や反応で生成する複合酸
化物が形成されるために、粒界相とSiC粒子との硬
度、イオンミリングレートの違いにより加工後の表面が
荒れたり、SiC質焼結体との硬度や化学的特性の違い
により加工後にボイドが多数発生してしまい表面平滑性
が得られないという問題があった。
【0011】さらに、特開平6−199513号公報
は、表面を約0.5nmまで研磨した平滑な表面を有
し、スライダとしての摺動特性には優れるものの、電気
絶縁性が低いため、表面に電気配線や素子を形成するこ
とができないという問題があった。
【0012】そして、AlTiCで行われていたよう
に、絶縁性を確保するために表面に5μm以上のアルミ
ナ膜を形成し、そのアルミナ膜の上に電気回路や素子を
形成する場合、アルミナの熱伝導率が低いためスライダ
の熱放散性が悪くなるという問題があった。
【0013】従って、本発明は、表面平滑性が優れ、浮
上量のより小さい場合にも対応できる薄膜磁気ヘッド用
基板及びその製造方法を提供することを目的としてい
る。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明は、表面粗さが制
御された炭化珪素部材の表面を酸化することにより、絶
縁性と放熱性及び表面平滑性に優れる薄膜磁気ヘッド用
基板を得ることができるという知見に基づくものであ
り、その結果、密着性に優れ、信頼性が向上する。
【0015】即ち、β型炭化珪素結晶を主体とする炭化
珪素部材の表面に、表面粗さRaが30nm以下の酸化
珪素膜が設けられてなることを特徴とするものであり、
これにより、十分な絶縁性と放熱性、さらに、良好な平
滑性と摺動性、さらに酸化珪素膜の高い密着性も有する
ことが出来る。
【0016】特に、前記酸化珪素膜の厚みが0.1〜2
μmであることが好ましく、これにより、十分な電気絶
縁性と良好な放熱性とを合せ持つことが出来る。
【0017】また、前記酸化珪素膜上に第1電極を形成
し、前記炭化珪素部材の底面に第2電極を形成したと
き、第1電極と第2電極との間の体積固有抵抗が1012
Ωcm以上であることが好ましい。これにより、さらに
絶縁性を向上でき、電気回路や素子を基板表面に形成す
ることが可能となり、誤動作も防止することができる。
【0018】さらに、前記炭化珪素部材の体積固有抵抗
値が1×102〜1×108Ωcmであることが好まし
く、これにより、イオン照射による加工時や使用時にチ
ャージアップを防止することができる。
【0019】さらにまた、前記炭化珪素部材の熱伝導率
が80W/mK以上であることが好ましい。これによ
り、素子で発生する熱が容易に除去されるため、素子の
誤動作等を防止することが出来る。
【0020】また、基体表面を、表面粗さRaが1nm
以下になるように研磨した後に、該基体表面を酸化し、
厚さ0.1〜2μmの酸化層を形成することを特徴とす
るものであり、これにより、表面粗さRaが30nm以
下の酸化珪素膜を表面に有する炭化珪素部材を作製する
ことができる。即ち、炭化珪素基板の表面が平滑である
ため、形成された酸化珪素膜の表面粗さも小さく平滑性
と摺動性に優れた磁気ヘッド用基板を得ることが出来
る、且つ表面酸化のため、密着性の高い酸化層を形成で
きる。
【0021】
【発明の実施の形態】本発明の薄膜磁気ヘッド用基板
は、β型炭化珪素結晶を主体とした炭化珪素部材を用い
ることが重要である。即ち、β型炭化珪素結晶は、立方
晶構造(3C型)を持ち、体積固有抵抗値を容易に制御
できるため、これを自立体として薄膜磁気ヘッド用基板
に用いることにより、イオンエッチング等による溝加工
において、安定した加工性と精度向上が図れる。
【0022】また、本発明によれば、炭化珪素部材の表
面に酸化珪素膜が絶縁膜として設けられていることが重
要である。この酸化珪素膜により、炭化珪素部材の絶縁
性を確保し、電気回路や素子を形成することが可能とな
る。
【0023】そして、この酸化珪素膜の表面粗さが30
nm以下であることが重要であり、特に20nm以下、
さらには10nm以下が好ましい。このように表面粗さ
を30nm以下にすることで、表面に形成される素子の
特性にばらつきが生じにくくなり、且つ導体配線の膜厚
を小さくしても断線がしにくく、信頼性の高い電気回路
を形成することができる。
【0024】また、酸化珪素膜の厚みは、0.1〜2μ
m、特に0.3〜1.5、さらには0.5〜1μmであ
ることが好ましい。
【0025】従来のAlTiCでは、表面粗さRaがが
1〜2nmであったため、3μm以下の薄い膜では電気
絶縁性が十分ではなく、また、成膜後に表面平滑性を得
るために鏡面研磨加工を必要としていた。
【0026】しかし、本発明によれば、表面粗さRa
nm以下の炭化珪素部材の表面を酸化し、酸化珪素膜を
形成するため、2μm以下の厚みでも高い電気絶縁性が
得られ、また、酸化珪素膜が薄いため、アルミナ膜によ
る熱伝導率の低下を防ぐことができる。
【0027】さらに、本発明によれば、酸化珪素膜を含
めた炭化珪素部材が絶縁性を有していることが好まし
い。即ち、炭化珪素部材と、該炭化珪素部材の上面に設
けられた酸化珪素膜と、該酸化珪素膜の上に設けられた
第1電極と、前記炭化珪素部材の底面に設けられた第2
電極とを具備した部材を作製する。この部材は、第1電
極及び第2電極とによって酸化珪素膜を有する炭化珪素
部材を挟持する構造を有している。そして、20℃の温
度において、JIS−C2141−1992に準拠して
三端子法に基づいて体積固有抵抗を測定し、1012Ωc
m以上、特に10 13Ωcm以上、さらには1014Ωcm
以上であることが好ましい。
【0028】このように、第1電極と第2電極間の体積
固有抵抗が1012Ωcm以上である場合、絶縁性が十分
確保されており、磁気ヘッドからの漏電等による誤動作
が発生しないという効果がある。
【0029】さらに、炭化珪素自体の体積固有抵抗値
は、イオン照射による加工を効率よく行うため、1×1
2〜1×108Ωcm、特に1×103〜1×107Ωc
m、更には1×104〜1×106Ωcmであることが好
ましい。
【0030】さらに、本発明によれば、磁気ヘッド用基
板を構成する炭化珪素部材の熱伝導率が80W/mK以
上、特に120W/mK以上、さらには150W/mK
以上、より好適には180W/mK以上であることが、
熱放散性が向上し、加工中及び浮上走行中における基板
の温度上昇を抑制する点で好ましい。
【0031】以上のように構成された本発明の薄膜磁気
ヘッド用基板は、表面平滑性及び放熱性に優れるという
特徴を有し、磁気ヘッドの小型化あるいは高密度化に好
適に使用することができる。
【0032】次に、本発明の薄膜磁気ヘッド用基板の製
造方法を、一例として、高弾性率、高強度、高硬度、高
熱伝導率で、磁気スライダヘッドとしての要求特性に適
する炭化珪素部材をCVD法で合成する場合について説
明する。CVD法により形成した炭化珪素部材はほぼ単
一相で、高純度、緻密で気孔が殆ど無く、表面を精密に
研磨でき、イオンミリングあるいは反応性イオンエッチ
ング(RIE)による加工の際に表面が滑らかになり、
表面平滑性に優れた磁気ヘッド用基板が得られる。
【0033】先ず、成膜用基板として円板形状の炭素基
板を準備する。この炭素基板は除去が容易なため好適で
あるが、炭素基板としてはMo、W等の金属や金属化合
物等を用いてもかまわない。
【0034】次に、この炭素基板をCVD装置の反応炉
内に設置する。CVD装置は、CVD反応により炭化珪
素を成膜できれば、熱CVD装置、プラズマCVD装
置、レーザーCVD装置等の所望の気相法による装置を
用いることができるが、基板を除去して1mm以上の自
立体を作製するため、特に熱CVDに代表される高速成
膜の可能なCVD方式であることが好ましい。例えば、
原料の効率を考慮し、低コスト化のためコールドウォー
ル型CVD装置が好ましい。
【0035】反応ガスとして、珪素含有ガス、炭素含有
ガス及びキャリアーガスを準備する。珪素含有ガスとし
ては、SiCl4、SiH4、SiHCl3等を用いれば
よい。炭素含有ガスとしては、CH4、C22、C
24、C26、C38等を用いればよい。キャリアーガ
スとしては、水素、窒素、アルゴン、ヘリウム等を用い
ればよい。また、珪素含有ガスが炭素をも含有していて
もよく、例えば、CH3SiCl3、(CH32SiCl
3、(CH34Si等をキャリアーガスと共に用いても
良い。キャリアーガスには、アルゴン(Ar)やヘリウ
ム(He)等の不活性ガス及び水素等を用いることがで
きる。
【0036】以下は、炭素及び珪素の含有ガスとしてメ
チルトリクロルシラン(CH3SiCl3:以下、MTS
と言う)を、キャリアーガスとして水素(H2)を使用
した場合について説明する。
【0037】CVDは、装置内を真空ポンプにより1P
a以下に排気した後、H2を流しながらCVD温度まで
昇温する。CVD温度は配向性を制御するため、110
0℃〜1800℃、特に1150〜1700℃、さらに
1200〜1600℃、より好適には1250〜140
0℃が好ましい。次に、反応炉をCVD温度に保ち、M
TSを炉内に導入し、炉内圧力を0.1〜100kP
a、特に1〜40kPa、さらには2〜10kPaが高
速成膜の点で好ましい。この条件において、CVD反応
が進み、炭素基板上に炭化珪素を析出させる。なお、得
られた試料を、残量応力を低下させるため、所望により
加熱処理をすることができる。
【0038】また、上記のように炭化珪素を炭素基体上
に形成した後、炭素基板を除去し、炭素基板との界面か
ら少なくとも0.1mm以上の領域に存在する炭化珪素
を機械加工又は酸化処理により除去し、前記炭化珪素部
材を作製する。このように界面付近の炭化珪素結晶体を
除去することにより、成膜初期に形成された、いわば定
常状態以前の組織を除去することにより、さらに内部応
力を低減できる。
【0039】得られた炭化珪素部材の体積固有抵抗値を
1×102〜1×108Ωcm、熱伝導率が80W/mK
以上とするためには、CVD条件、特に原料濃度やCV
D温度を制御することが重要である。
【0040】例えば、水素に対するMTSの濃度を高く
することによって、体積固有抵抗を低くでき、逆に濃度
を低くすることにより体積固有抵抗を高くできる。熱伝
導率は、CVD温度が高く、或いは成膜速度が遅い程高
くなる傾向がある。カーボン量は、水素に対するMTS
の濃度を高くすることにより多くすることができる。
【0041】本発明の薄膜磁気ヘッド用基板は、装置型
式、基板大きさにもよるが、MTS流量0.5〜10l
/min、MTS/H2流量比0.1〜1、圧力2〜1
0kPa、CVD温度1200〜1600℃の範囲で条
件を制御して作製することができる。
【0042】なお、本発明に用いる装置は特に限定する
ものではないが、高速で成膜するためには、高周波誘導
加熱方式を採用し、高周波を吸収しにくい治具や基体支
持体を用い、基体及びその近傍のみを高温に維持して原
料を供給する型が好ましい。
【0043】次に、炭化珪素部材の少なくとも一主面を
公知の研磨方法を用いて平滑面に仕上げた後、該平滑面
に酸化珪素膜を形成する。この酸化珪素膜は、公知の手
法であるCVD法等の成膜方法や表面酸化によって形成
することができるが、特に熱酸化、プラズマ酸化等の酸
化法により酸化層を形成することにより、密着性及び表
面平滑性の高い酸化珪素膜を形成することが好ましい。
【0044】例えば、電気炉において大気中で600〜
1300℃の温度にて熱酸化を行うことができる。温度
にもよるが1〜20時間の処理により酸化層の厚みを
0.1〜2μmに制御することができる。また、例えば
酸素プラズマ中に炭化珪素部材の表面を曝し、表面を酸
化することができる。さらに、例えば炭化珪素部材を8
00〜1300℃にて水蒸気を含有するガス雰囲気(窒
素、水素、不活性ガス等)において水蒸気を熱分解し、
生成した酸素により炭化珪素部材表面を酸化するウェッ
ト酸化により、厚さが約0.1〜2μmの酸化層を形成
することができる。
【0045】本発明によれば、上記の酸化珪素膜(又は
酸化層)を形成する炭化珪素部材の表面は1nm以下の
表面粗さRaであることが重要である。これにより、形
成された酸化珪素膜の表面粗さRaを30nm以下にす
ることができる。酸化珪素膜の表面粗さRaをより小さ
くするため、炭化珪素部材の表面粗さRaは、特に0.
8nm以下、さらには0.5nm以下であることが好ま
しい。
【0046】
【実施例】先ず、成膜用基板として、純度99.99
%、直径75mmの炭素円板を準備し、この炭素円板を
反応炉の中に設置した。CVD装置は、周波数3kHz
の高周波誘導加熱により基体を加熱するもので、石英ガ
ラス管の中に断熱材円筒を設置し、その中に黒鉛基体を
配置、水素を流して昇温し、所定の温度に達した後、反
応ガスを流して成膜を行った。
【0047】反応ガスとして、MTS(メチルトリクロ
ルシラン)、SiCl4(四塩化珪素)、CH4及びH2
を使用し、表1に示した条件で炭素円板上に約3mmの
膜厚の炭化珪素を成膜した。得られた試料から炭素円板
を機械加工により除去した。
【0048】なお、試料No.15は、純度99.9
%、平均粒子径0.7μmの炭化珪素粉末に、炭化硼素
0.3重量%と、炭素0.2重量%になるようにフェノ
ールを加えてホットプレス法にて2050℃、20MP
aの圧力で焼成した。
【0049】次に、炭化珪素膜の基体を機械加工により
除去して、円周加工及び面加工を施し、径75mm、厚
さ2mmの基板を作製した。該基板の面加工はダイヤモ
ンド砥石により研磨する。さらに、微粒のダイヤモンド
砥粒を用いて研磨し、平面ラップ盤で超平滑面となるま
で研磨する。超平滑面に仕上げられた加工面に対し、表
面粗さ(Ra)を、原子間顕微鏡(AFM)を用いて測
定した。
【0050】次いで、体積固有抵抗を、JIS―C21
41−1992に基づいて、三端子法により体積固有抵
抗値を測定した。また、直径10mm、厚み1mmの試
料を作製し、レーザーフラッシュ法により熱伝導率を測
定した。
【0051】これらを測定した後、炭化珪素部材を電気
炉に入れ、表1の温度で1時間加熱し、表面に酸化層
(酸化珪素膜)を形成した。
【0052】得られた酸化珪素膜表面の表面粗さR
aを、原子間顕微鏡(AFM)を用いて測定した。
【0053】また、酸化珪素膜表面からレーザーフラッ
シュ法により熱伝導率を測定し、成膜後の熱伝導率に対
する百分率で表した。
【0054】スパッタ法によりAl電極を、酸化珪素膜
表面に第1電極として、炭化珪素部材の底面に第2電極
として形成し、これらの電極を用いて酸化珪素膜を含む
炭化珪素部材の体積固有抵抗を、JIS―C2141−
1992に基づいて、三端子法により体積固有抵抗値を
測定した。結果を表1に示した。
【0055】さらに、リソグラフィー技術を用いて酸化
珪素膜表面に10μm幅、長さ20mm、厚み0.1μ
mの導電回路を50本形成し、回路両端の電気抵抗値を
測定し、断線が原因となる不良率を百分率で算出した。
【0056】
【表1】
【0057】本発明の試料No.1〜13は、酸化珪素
膜の膜厚が2.0μm以下、体積固有抵抗が1012Ωc
m以上、酸化珪素膜表面のRaが8.7nm以下であ
り、不良率は0であった。
【0058】一方、酸化珪素膜の膜厚が5μmと大き
く、酸化珪素膜表面のRaが40nmと大きく本発明の
範囲外の試料No.14は、不良率が30%と多かっ
た。
【0059】また、焼成によって作製し、酸化珪素膜表
面のRaが60nmと大きく本発明の範囲外の試料N
o.15は、不良率が100%であった。
【0060】
【発明の効果】本発明の薄膜磁気ヘッド用基板は、絶縁
性に優れるため表面に信頼性の高い素子や導電回路を形
成することが可能であり、且つ放熱性が高く表面が平滑
なため、浮上量の小さい記録磁気装置に用いても長期信
頼性が高い優れた薄膜磁気ヘッド用基板として用いるこ
とができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 南上 英博 鹿児島県国分市山下町1番4号 京セラ株 式会社総合研究所内 (72)発明者 松本 秀美 鹿児島県国分市山下町1番4号 京セラ株 式会社総合研究所内 (72)発明者 久保 和美 鹿児島県国分市山下町1番4号 京セラ株 式会社総合研究所内 (72)発明者 王 雨叢 鹿児島県国分市山下町1番4号 京セラ株 式会社総合研究所内 Fターム(参考) 5D033 BA52 DA02 5D093 HA05 HA14 JB03

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】β型炭化珪素結晶を主体とする炭化珪素部
    材の表面に、表面粗さRaが30nm以下の酸化珪素膜
    が設けられてなることを特徴とする薄膜磁気ヘッド用基
    板。
  2. 【請求項2】前記酸化珪素膜の厚みが0.1〜2μmで
    あることを特徴とする請求項1記載の薄膜磁気ヘッド用
    基板。
  3. 【請求項3】前記酸化珪素膜上に第1電極を形成し、前
    記炭化珪素部材の底面に第2電極を形成したとき、第1
    電極と第2電極との間の体積固有抵抗が1012Ωcm以
    上であることを特徴とする請求項1又は2記載の薄膜磁
    気ヘッド用基板。
  4. 【請求項4】前記炭化珪素部材の体積固有抵抗値が1×
    102〜1×108Ωcmであることを特徴とする請求項
    1乃至3のうちいずれかに記載の薄膜磁気ヘッド用基
    板。
  5. 【請求項5】前記炭化珪素部材の熱伝導率が80W/m
    K以上であることを特徴とする請求項1乃至4のうちい
    ずれかに記載の薄膜磁気ヘッド用基板。
  6. 【請求項6】基体表面を、表面粗さRaが1nm以下に
    なるように研磨した後に、該基体表面を酸化し、厚さ
    0.1〜2μmの酸化層を形成することを特徴とする薄
    膜磁気ヘッド用基板の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2013139622A (ja) * 2011-12-29 2013-07-18 Tokai Carbon Korea Co Ltd シリコンカーバイド構造物及びその製造方法

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