JP2002296628A - フォトニックバンドギャップ構造光機能素子 - Google Patents

フォトニックバンドギャップ構造光機能素子

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JP2002296628A
JP2002296628A JP2001096121A JP2001096121A JP2002296628A JP 2002296628 A JP2002296628 A JP 2002296628A JP 2001096121 A JP2001096121 A JP 2001096121A JP 2001096121 A JP2001096121 A JP 2001096121A JP 2002296628 A JP2002296628 A JP 2002296628A
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Masaru Ai
勝 藍
Osamu Wada
修 和田
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GIJUTSU KENKYU KUMIAI FUEMUTOB
GIJUTSU KENKYU KUMIAI FUEMUTOBYOU TECHNOLOGY KENKYU KIKO
Fujitsu Ltd
Original Assignee
GIJUTSU KENKYU KUMIAI FUEMUTOB
GIJUTSU KENKYU KUMIAI FUEMUTOBYOU TECHNOLOGY KENKYU KIKO
Fujitsu Ltd
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  • Optical Modulation, Optical Deflection, Nonlinear Optics, Optical Demodulation, Optical Logic Elements (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 フォトニックバンドギャップ構造光機能素子
に関し、設計自由度が大きく、且つ、光スイッチングエ
ネルギーを低減する。 【解決手段】 相対的に高誘電率の層1と相対的に低誘
電率の層2の少なくとも二種類の層を周期的に整列させ
た周期構造中に厚さ及び誘電率の少なくとも一方が相対
的に高誘電率の層1と異なる光非線形材料或いは光に応
じて屈折率が変化する光感応性材料のいずれかからなる
欠陥層3を挿入するとともに、欠陥層3に起因して形成
される欠陥準位のエネルギーに相当する波長の光を信号
光として入射させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、フォトニックバン
ドギャップ構造全光機能素子に関するものであり、特
に、ピコ秒〜フェムト秒の超高速光パルス信号を制御光
によって変調、スイッチング、遅延することのできる光
機能素子における光欠陥層の構成に特徴のあるフォトニ
ックバンドギャップ構造全光機能素子に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】近年、通信手段の高速化の進展に伴い光
通信システムが採用されており、それに伴って光通信シ
ステムに用いる光スイッチング素子等の光機能素子に対
してもさらなる高速化が求められている。
【0003】この様な高速化の要請に応えるために、従
来の電気制御光スイッチング素子に代わって制御を光で
行う全光スイッチング素子等の全光機能素子が注目を集
めており、この様な全光機能素子としては、各種の構造
及び各種の材料を用いた全光機能素子が提案されてい
る。
【0004】この様な従来の全光機能素子としては、半
導体や有機材料からなる光非線形材料に対して垂直に光
を照射する面型構造や、さらに、光の損失を低減し高効
率な光スイッチングを実現するために導波路構造の光ス
イッチング構造が提案されているので、ここで、図25
を参照して、従来の導波路構造の全光スイッチング素子
を説明する。
【0005】図25参照 図25は、従来提案されているリブガイド構造全光スイ
ッチング素子の概略的斜視図である。図に示すように、
GaAs基板91上に、MOCVD(有機金属気相成
長)法によって、AlGaAsガイド層92、GaAs
コア層93、及び、AlGaAsガイド層94を順次成
長させたのち、AlGaAsガイド層94の一部をスト
ライプ状に残存するようにエッチングしてストライプ状
のリブガイド部95を形成し、このリブガイド部95の
存在による実効屈折率分布により光をリブガイド部95
の直下のGaAsコア層93に閉じ込めて導波させるも
のである。
【0006】このリブガイド構造全光スイッチング素子
の光入射端面96側から信号パルス光98を入射すると
ともに、制御光99によって、信号パルス光98のオン
─オフを制御するものである。例えば、制御光99がな
い状態で光出射端面97側から信号パルス光100とし
て出射される波長の信号パルス光98を入射させるとと
もに、制御光99を入射させた場合、GaAsコア層9
3における光非線形作用によって、光出射端面97側か
ら出射されることがなく、それによって、オン→オフの
スイッチングが行われる。
【0007】逆に、制御光99がない状態で光出射端面
97側から信号パルス光100として出射されない波長
の信号パルス光98を入射させた状態で、制御光99を
入射させると、GaAsコア層93における光非線形作
用によって、光出射端面97側から信号パルス光100
が出射されることになり、オフ→オンのスイッチングが
行われる。
【0008】この様なリブガイド構造等を利用した従来
の全光スイッチング素子においては、多層構造薄膜の成
膜工程或いは屈折率差により光閉じ込め構造を形成する
際に、高精度の製造技術が必要であり、安定した全光ス
イッチング素子の製造が困難であるという問題があっ
た。
【0009】例えば、高精度のリブガイド構造を形成す
るためには、格子整合条件を満たす半導体ヘテロ接合の
形成が不可欠になるが、この様な半導体ヘテロ接合を形
成するためには半導体材料の組合せに制限があり、さら
に、この様な構成においては、光スイッチングエネルギ
ーを十分低減できないという問題がある。
【0010】即ち、従来のリブガイド構造全光スイッチ
ング素子においては、光スイッチング原理としての非線
形効果としてバンド充填効果を用いており、この様なバ
ンド充填効果を用いた全光スイッチング素子においては
ピコ秒(ps)スイッチング、即ち、100GHzに対
応する高速スイッチングが可能であるが、1ピコジュー
ル(pJ)〜100pJのエネルギーが必要であり、1
Tb/sの速度では発熱のために使用困難になる。
【0011】一方、近年、信号光の波長オーダーの周期
の誘電率分布を形成することにより形成される信号光に
対する非透過帯、即ち、フォトニックバンドギャップを
利用することが一般論的に提案されている。従来の一般
論的な提案においては、具体的構成が必ずしも開示され
ていないので、ここで、図26を参照して、具体的構成
を限定したフォトニックバンドギャップ構造全光スイッ
チング素子の一例を説明する。
【0012】図26(a)参照 図26(a)は、厚さd1 が、d1 =205nmのGa
As層(屈折率n1 =3.4)をa=410nmの周期
で配列したものであり、GaAs層の間は、厚さd
2 が、d2 =d1 の空気層(屈折率n2 =1)で挟まれ
た構造となる。この様な周期的な誘電率分布による光の
干渉作用によって、所定の光周波数帯において光の入射
・透過が禁止される非透過帯、即ち、フォトニックバン
ド(Photonic Bandgyap)が形成され
る。
【0013】図26(b)参照 図26(b)は、この様なフォトニックバンドギャップ
構造全光スイッチング素子のスイッチング原理の説明図
であり、制御光が入射されない状態でフォトニックバン
ドの端部の波長に相当する二つの波長の光λs1,λs2
入射し、λs1が透過、λs2が非透過になるように条件を
設定する。
【0014】この様な状態において、GaAs層におい
て吸収可能な波長の制御光を照射すると、GaAs層の
屈折率n、したがって、誘電率εが低下し、フォトニッ
クバンドが高周波数側、即ち、短波長側にシフトし、λ
s1がオン→オフになり、λs2がオフ→オンになり、スイ
ッチングが行われることになる。
【0015】この様なフォトニックバンドギャップ構造
を利用した全光スイッチング素子においては、従来の光
非線形効果を用いた全光スイッチング素子に比べて制御
光のエネルギーの大幅な低下が可能になるという特徴が
ある。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上述の様なフ
ォトニックバンドギャップ構造の端部(edge)を利
用したバンド端光スイッチング素子においては、一つの
信号パルス光を構成する波長の分布の範囲内においても
群速度の変動が大きく、信号光のパルス波形が素子内を
伝搬中に劣化するという問題があり、長距離光通信への
適用において障害になる。
【0017】図27参照 図27は、バンド端光スイッチング素子における信号パ
ルス光の群速度の周波数依存性の説明図であり、所定の
周波数幅を有する信号パルス光がバンド端スイッチング
素子に入射している場合、制御光の入射によりフォトニ
ックバンド端が変化してオフからオンに変化した場合
に、信号パルス光の波形が信号光の群速度の周波数依存
性によって劣化する。
【0018】この様な信号光の群速度の周波数依存性
は、図に示すようにバンド端近傍において大きいので、
信号パルス光の波形の劣化を低減するためには、バンド
端を大きくシフトすれば良いが、そのためには制御光の
エネルギーを大きくする必要があり、低エネルギー駆動
が困難になるという問題がある。
【0019】また、この様な規則的な周期構造によるフ
ォトニックバンドギャップ構造全光スイッチング素子に
おいては、光スイッチングを行うためのバンド端が規則
的な周期構造に依存するので、スイッチングする光信号
の周波数が規則的な周期構造によって決定され、設計自
由度が小さいという問題がある。
【0020】したがって、本発明は、設計自由度が大き
く、且つ、光スイッチングエネルギーを低減することを
目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】図1は本発明の原理的構
成の説明図であり、この図1を参照して本発明における
課題を解決するための手段を説明する。 図1参照 上述の目的を解決するために、本発明は、相対的に高誘
電率の層1と相対的に低誘電率の層2の少なくとも二種
類の層を周期的に整列させた周期構造からなるフォトニ
ックバンドギャップ構造全光機能素子において、周期構
造中に厚さ及び誘電率の少なくとも一方が相対的に高誘
電率の層1と異なる光非線形材料或いは光に応じて屈折
率が変化する光感応性材料のいずれかからなる欠陥層3
を挿入するとともに、欠陥層3に起因して形成される欠
陥準位のエネルギーに相当する波長の光を信号光として
入射させることを特徴とする。
【0022】この様に、欠陥層3を挿入することによっ
て、フォトニックバンドギャップ構造の中に光透過帯、
即ち、欠陥準位を形成することができ、この様な欠陥準
位を利用することによって全光スイッチング素子或いは
全光変調素子を構成することができる。
【0023】特に、欠陥層3の挿入周期を考慮すること
によって光透過周波数の帯域の拡がりを制御することが
でき、信号パルス光の周波数帯域幅とパルス幅との積は
一定であるので、短い信号パルス光を用いる場合には、
広い光透過周波数帯域を必要とすることになり、したが
って、使用する信号パルス光のパルス幅に応じて欠陥層
3の挿入周期を制御すれば良い。
【0024】また、この様な構成のフォトニックバンド
ギャップ構造全光機能素子においては、信号パルス光の
群速度は、光速cのほぼ0.07倍であり、空気中に比
べて14倍、GaAs等の半導体に比べても5倍以上大
きいので高速光パルスに対する超小型の遅延素子を構成
することができる。
【0025】また、欠陥層3として、互いに誘電率及び
厚さが異なる二種類の欠陥層3を交互に配列し、且つ、
前記二種類の欠陥層3に起因する欠陥準位波長を等しく
することによって、制御光の入射により光透過周波数帯
域中に光不透過帯が形成されるので、この光不透過帯を
光スイッチングに利用することによって、波形劣化の少
ない全光スイッチング素子等を構成することができる。
【0026】即ち、光透過周波数帯域の端部から離れた
光周波数透過帯においては、光信号の群速度がほぼ等し
いので、低エネルギーの制御光によって波形の劣化の少
ない全光スイッチング素子等を実現することができる。
【0027】また、互いに隣接する欠陥層3間の相対的
に高誘電率の層1の数pを偶数にするとともに、最端部
の欠陥層3より端部側に設ける相対的に高誘電率の層1
の数qを、q=p/2にすることによって、欠陥層3の
周期とは別の観点から光透過周波数帯域の低損失領域を
広帯域化することができ、それによって、超高速光パル
スに対しても波形劣化の少ない全光機能素子を実現する
ことができる。
【0028】この様な周期構造は、多層積層膜による単
純一次元構造としても良いし、周期構造を光軸に沿った
ストライプ状に配列して一次元構造としても良いし、或
いは、周期構造を二次元的に配列させた二次元構造とし
ても良いものである。なお、この場合の次元は、フォト
ニックバンドギャップ構造としての次元であり、ストラ
イプ状の配置は、屈折率的には二次元であるが、フォト
ニックバンドギャップ構造としては一次元である。な
お、フォトニックバンドギャップ構造としての三次元構
造は、光の閉じ込めとしては最適であるが、光の結合が
困難であるので、光の入出力を伴う全光機能素子として
使用する場合には、1次元構造或いは二次元構造が好適
である。
【0029】また、この様な相対的に低誘電率の層2
は、欠如部、即ち、空気層や真空層として構成するのが
望ましく、それによって二種類の層の誘電率差Δεを大
きくすることができるので、フォトニックバンドギャッ
プ幅を広くすることができる。
【0030】また、相対的に高誘電率の層1は、誘電率
の大きな半導体、特に、Alx Ga 1-x As(但し、0
≦x≦1)で構成することが望ましく、それによって、
二種類の欠陥層3の一方を前記Alx Ga1-x Asと組
成比の異なるAly Ga1-yAs(但し、0≦y≦1)
で構成することができるので、素子の製造が容易にな
る。
【0031】また、この様な全光スイッチング素子を製
造する際に、周期構造を構成する相対的に低誘電率の層
2は、選択酸化によって形成した酸化物によって形成し
ても良いし、或いは、選択エッチングによって形成した
欠如部、即ち、空気層或いは真空層によって形成しても
良いものである。
【0032】また、この様な周期的構造は、選択エッチ
ングによって形成した柱状構造或いは凹部を利用して形
成しても良いものであり、或いは、選択成長によって形
成しても良いものである。
【0033】なお、実現容易な製造方法としては、基板
上に第1の層を介して第1の層よりエッチング特性の異
なる第2の層を形成したのち、第2の層を第1の周期で
周期的に選択的に除去して、除去部に第2の層と誘電率
の異なる部材からなる第3の層で埋め込み、次いで、第
2の層を再び第1の周期と異なる第2の周期で周期的に
選択的に除去する方法が挙げられ、通常の化合物半導体
素子の製造工程をそのまま利用することができる。ま
た、この場合、基板に向けた放射による損失を低減する
ために、第1の層を選択的にエッチング或いは酸化する
ことが望ましい。
【0034】
【発明の実施の形態】ここで、図2乃至図5を参照し
て、本発明の第1の実施の形態のフォトニックバンドギ
ャップ構造全光機能素子を説明するが、まず、図2及び
図3を参照して本発明の第1の実施の形態のフォトニッ
クバンドギャップ構造全光機能素子の製造工程を説明す
る。
【0035】図2(a)参照 まず、GaAs基板11上に、MOCVD法を用いて、
厚さd2 が、例えば、180nmのAlAs層12、及
び、厚さd1 が、例えば、180nmで、Al組成比が
0.1のAl0.1 Ga0.9 As層13を交互に設けると
ともに、Al0. 1 Ga0.9 As層13の一部を周期的に
厚さd3 が、例えば、270nmのGaAs欠陥層14
に置き換える。したがって、この周期構造の周期aは、
a=360nmとなり、d1 =d2 =0.5a、d3
0.75aとなる。
【0036】図2(b)参照 次いで、AlAs層12を選択的にエッチングするエッ
チャントを用いてAlAs層12の側端部をエッチング
除去して、除去部、即ち、空気層を第2の誘電率(ε2
=1)を有する層とし、Al0.1 Ga0.9 As層13を
第1の誘電率(ε1 =11.16)を有する層とし、こ
の二種類の層によって基本的な周期構造を構成する。
【0037】図3参照 次いで、GaAs基板11の一端部を劈開等によって選
択的に除去することによって、フォトニックバンドギャ
ップ構造全光機能素子の基本構成が完成する。この様な
フォトニックバンドギャップ構造においてはフォトニッ
クバンド構造の中間領域に欠陥層に起因する欠陥準位、
即ち、光透過帯が形成されることが知られているが、本
発明の第1の実施の形態は、この様な欠陥準位を利用し
て全光スイッチング素子を実現するものである。
【0038】図4参照 図4は、フォトニックバンドギャップ構造全光機能素子
のスイッチング原理の説明図であり、欠陥準位に相当す
る波長の信号パルス光λs を入射させた初期状態におい
ては、入射した信号パルス光は反射されることなく透過
することになるが、GaAs欠陥層14で吸収される波
長の制御光を入射させると、制御光はGaAs欠陥層1
4で吸収されて誘電率が変化し、それによって、欠陥準
位が短波側にシフトし、信号パルス光の波長が光不透過
帯に入ることによってオンからオフへのスイッチングが
行われる。なお、図はフォトニックバンドギャップの中
央部のみを示しており、この両側にフォトニックバンド
ギャップ端が存在する。
【0039】図5参照 図5は、上述のフォトニックバンドギャップ構造全光機
能素子の欠陥準位の帯域の広さの周波数依存性をシミュ
レーションしたものであり、周波数は実際の周波数νを
周期aと光束cを用いて規格化した規格化周波数f′
(=ν/(c/a))として示しており、光の波長λは
λ=c/ν=a/f′として表される。なお、GaAs
欠陥層14の誘電率ε3 は、ε3 =11.56である。
【0040】図5においては、GaAs欠陥層14を5
周期毎(L=5a)に設けた場合と、7周期毎(L=7
a)に設けた場合を示しており、GaAs欠陥層14を
短周期で設けた場合に、欠陥準位に基づく光周波数透過
帯の帯域が広くなることが理解される。これは、欠陥が
多く入ることによって、光周波数透過帯の基となる欠陥
準位が多く形成されるためと考えられる。なお、この場
合も、図はフォトニックバンドギャップの中央部のみを
示しており、この両側にフォトニックバンドギャップ端
が存在する。
【0041】また、信号パルス光の周波数とパルス幅の
積は一定であるので、超高速パルス光をスイッチングす
るためには、広い光周波数透過帯の帯域が必要であり、
そのためには、欠陥層を短周期で多数挿入する必要があ
る。
【0042】この様に、本発明の第1の実施の形態にお
いては、周期的誘電率分布構造に周期的に欠陥層を挿入
することによって欠陥準位を利用したフォトニックバン
ドギャップ構造全光機能素子を構成しているので、低入
射光エネルギーでの高速スイッチング動作等が可能にな
る。
【0043】なお、第1の実施の形態においては欠陥層
をAlGaAs層と組成の異なるGaAs層で構成して
いるが、同じ組成で構成しても良いものであり、この様
な第1の誘電率を有する層と欠陥層とを同じ半導体で形
成した本発明の第2の実施の形態のフォトニックバンド
ギャップ構造全光機能素子を図6乃至図8を参照して説
明する。
【0044】図6参照 図6は、本発明の第2の実施の形態のフォトニックバン
ドギャップ構造全光機能素子の概念的構成図であり、上
記の第1の実施の形態におけるAl0.1 Ga0. 9 As層
をGaAs層に置き換えたものに相当する。この場合、
厚さが0.75aのGaAs欠陥層23の間に設ける厚
さが0.5aのGaAs層21の層数をpとし、最端部
のGaAs欠陥層23より端部側に設けるGaAs層2
1の層数をqとし、それらの間を厚さが0.5aの空気
層22とする。
【0045】図7(a)乃至(d)参照 図7は、欠陥層となるGaAs層23の層数NをN=1
0とし、p=4とした場合の光周波数透過帯域の端部構
造依存性をシミュレーションしたものであり、図7
(a),(c),(d)に示すように、q=1,3,4
の場合には透過特性の周波数依存性は大きいものの、図
7(b)に示すように、q=2の場合には、光周波数透
過帯を広帯域化できることが理解される。
【0046】即ち、光周波数透過帯を広帯域化するため
には、欠陥層の間に設ける高誘電率層の層数pを偶数と
し、端部に設ける高誘電率層の層数qをq=p/2とす
れば良いことを意味している。
【0047】図8参照 図8は、上記図7(b)の構成と図7(c)の構成にお
ける信号パルス光のスイッチング動作をシミュレーショ
ンしたものであり、パルス幅Δtが、Δt=1.878
ps(ピコ秒)の信号パルス光は、光周波数透過帯が広
帯域である図7(b)の場合には、ほとんど波形が劣化
することなく透過するが、図7(c)の場合には、波形
が非常に劣化することが理解される。
【0048】この様に、光周波数透過帯の広帯域化は、
欠陥層を設ける周期L以外に、端部の窓構造によっても
得られるものであり、両者を組み合わせることによって
さらなる広帯域化が可能になり、1ps幅の超高速パル
スのスイッチング動作が可能になる。
【0049】上記の構成は上述の単純積層構造ではな
く、積層構造を用いることなく選択エッチング或いは選
択成長を用いても形成することが可能であるので、次
に、図9及び図11を参照して、本発明の第3の実施の
形態のフォトニックバンドギャップ構造全光機能素子を
説明する。 図9参照 図9は、本発明の第3の実施の形態のフォトニックバン
ドギャップ構造全光機能素子の概念的構成図であり、斜
視図として示している。
【0050】この第3の実施の形態のフォトニックバン
ドギャップ構造全光機能素子においては、GaAs層3
1に選択的エッチングを施すことによって周期的に凹部
32を構成し、GaAs層31の残存部と凹部32とに
よって基本的なフォトニックバンドギャップ構造を形成
するとともに、凹部32の間隔を変えた部分のGaAs
層を欠陥層部33としたものであり、全体を信号パルス
光34の進行方向に沿ったストライプ構造としている。
なお、この場合にも、広帯域化のために、端部における
凹部32の数q1 ,q 2 を欠陥層部33の間に設けた凹
部32の数pに対して、q1 =q2 =p/2としてい
る。
【0051】図10参照 図10は、上記の第3の実施の形態のフォトニックバン
ドギャップ構造全光機能素子の具体的構成図であり、G
aAs基板35上にAlAs層36を介してGaAs層
31を設けたのち、GaAs層31上にSiO2 膜(図
示せず)を設け、フォトリソグラフィー工程によってS
iO2 膜をストライプ状にするとともに、周期的な開口
部を形成し、この周期的な開口部を有するSiO2 膜を
マスクとして露出するGaAs層31を選択的にエッチ
ングすることによって、図9に示した構成と同等のスト
ライプ構成が得られる。なお、この場合、欠陥層部33
を形成する部分には開口部を形成しないものである。
【0052】次いで、SiO2 膜を除去したのち、Ga
As基板35の周辺部を覆う形状のマスク(図示せず)
を利用してAlAs層36を選択的に除去することによ
って、AlAs層36のフレーム部に指示されたストラ
イプ状のGaAs層31からなる全光スイッチング素子
の基本構成が完成する。なお、この場合、ストライプ状
のGaAs層31の両側からもエッチングが進行するの
で、ストライプ状のGaAs層31の直下のAlAs層
36も除去される。
【0053】この第3の実施の形態においては、選択エ
ッチングを利用して一度に周期的構造を形成しているの
で、多層膜の積層工程が不要になり、工程が簡素化され
る。また、ストライプ構造を採用しているので、光が二
次元的に閉じ込められ、それによって、放射損失を低減
することができ、特に、GaAs層31の直下のAlA
s層36を除去しているのでGaAs基板35側に向け
た光による放射損失も低減することができる。なお、こ
の場合、形状はストライプ構造であっても、フォトニッ
クバンドギャップ構造としては一次元構造である。
【0054】次に、この様な構成のフォトニックバンド
ギャップ構造における光信号の群速度を調べたので、図
11を参照して説明する。なお、この場合には、欠陥層
部33の数NをN=10とし、欠陥層部33に挟まれる
凹部32の数pをp=4とし、両端部の凹部32の数q
を、q=2としたものであり、比較のためにq=3の例
も合わせ示している。
【0055】図11参照 図から明らかな様に、q=2とした場合には、群速度は
光速cに対してほぼ0.07cの平坦な分布となり群速
度の周波数依存性が小さくなり、一方、q=3の場合に
は、群速度が大きく周期的に変動することが理解され
る。この様な0.07cの群速度は、空気中に比べ約1
4倍であり、GaAs等の半導体と比べても5倍以上大
きいので、従来に比べて大幅に光導波路長の短い遅延素
子を構成することができる。
【0056】次に、図12を参照して、選択成長を用い
た本発明の第4の実施の形態のフォトニックバンドギャ
ップ構造全光機能素子を説明する。 図12(a)参照 まず、GaAs基板41上にMOCVD法を用いて、A
lAs層42及びAlGaAs層43を順次成長させ
る。
【0057】図12(b)参照 次いで、SiO2 膜44を介して電子線レジストを塗布
して、所定の周期の凹部46を形成するように電子線で
露光したのち現像することによってレジストパターン4
5を形成し、SiO2 膜44にも開口部を形成する。
【0058】図12(c)参照 次いで、レジストパターン45をマスクとして反応性イ
オンエッチングを施すことによって露出するAlGaA
s層43を選択的に除去して凹部47を形成する。
【0059】図12(d)参照 次いで、レジストパターン45を除去したのち、SiO
2 膜44を選択成長マスクとして用いて、MOCVD法
によって凹部47をGaAs層で埋め込んでGaAs欠
陥層48を形成する。
【0060】図12(e)参照 次いで、SiO2 膜44を除去したのち、再び、第1の
周期と異なった周期の凹部49を形成し、次いで、周辺
部の除いてAlAs層42の除去することによってフォ
トニックバンドギャップ構造全光機能素子の基本的構成
が完成する。なお、この場合、凹部49、即ち、空気層
とAlGaAs層43の残存部によって基本的な周期構
造が構成される。
【0061】この様に、本発明の第4の実施の形態にお
いては、通常の化合物半導体デバイスの製造工程に用い
る成膜工程、選択エッチング工程、或いは、選択成長工
程を用いているだけなので、再現性良く、且つ、精度良
くフォトニックバンドギャップ構造全光機能素子を製造
することができる。
【0062】上記の第4の実施の形態においては、基板
側への光の放出による損失を低減するために、AlAs
層42を選択エッチングによって除去しているが、除去
する代わりに酸化しても良いものであり、この様な本発
明の第5の実施の形態を図13を参照して説明する。
【0063】図13(a)乃至(e)参照 即ち、上記の図12(a)乃至(d)の工程まで全く同
様にして、AlGaAs層43に形成した凹部47をG
aAs欠陥層48で埋め込んだのち、再び、第1の周期
と異なった周期の凹部49を形成し、次いで、周辺部を
除いてAlAs層42を選択酸化しても良いものであ
る。
【0064】上記の第5の実施の形態においては、基板
側への光の放出による損失を低減するために、AlAs
層42を選択酸化して酸化膜50を形成しており、この
低屈折率の酸化膜50によって基板側へ透過しようとす
る光は閉じ込められるので、放射損失を低減することが
できる。
【0065】また、上述の様なフォトニックバンドギャ
ップ構造は、一次元構造に限られるものではなく、二次
元構造でも実現することができるので、この様な二次元
構造のフォトニックバンドギャップ構造全光機能素子
を、図14を参照して説明する。
【0066】図14(a)参照 図14(a)は、本発明の第6の実施の形態の二次元構
造のフォトニックバンドギャップ構造全光機能素子の概
念的平面図であり、GaAs基板51上に、直径rの開
口部を周期aで設けたSiO2 膜からなるを選択成長マ
スク(図示せず)を形成し、この選択成長マスクを利用
して選択成長することによってGaAsピラー52を形
成するものであり、最後にSiO2 膜を除去することに
よって、二次元構造のフォトニックバンドギャップ構造
全光機能素子が得られる。なお、光ビームはGaAs基
板51の基板面に平行に且つピラー部の高さに入射され
て伝搬・出射される。また、この場合も、欠陥層部53
を形成する部分においては、選択成長マスクに開口部を
形成せず、GaAs基板51のままでピラー52が形成
されていない状態とする。
【0067】この場合、GaAsピラー52の直径rと
周期aの関係をr/a=0.20とし、欠陥層部53の
数NをN=5とし、欠陥層部53に挟まれるGaAsピ
ラー52の数pをp=2とし、両端部のGaAsピラー
52の数qを、q=1としたものである。
【0068】図14(b)参照 図14(b)は、比較のために、この第6の実施の形態
における両端部のGaAsピラー52の数qを、q=2
としたものであり、その他の構成は図14(a)の構成
と全く同様である。
【0069】図15(a)乃至(d)参照 図15は、第6の実施の形態及び比較例における欠陥準
位に起因する光周波数透過帯における信号パルス光の透
過状態をそれぞれ、500fs(フェムト秒)、200
fs、100fs、及び、50fsの4つのパルス幅に
ついて示している。図から明らかなように、二次元のフ
ォトニックバンド構造においても、端部をq=p/2と
することによって、光周波数透過帯の広帯域化が可能に
なることが理解される。
【0070】また、既述のように、信号パルス光の周波
数帯域幅とパルス幅の積は一定であるので、図15
(d)に示す50fsの入力信号パルス光の帯域幅は、
図15(a)に示す500fsの信号パルス光の帯域幅
に比べて大幅に拡がっているが、光周波数透過帯を広帯
域化することによって、50fsの超高速の信号パルス
光も波形が劣化することなくスイッチすることが可能で
あることが理解される。
【0071】次に、この様な二次元のフォトニックバン
ドギャップ構造についても信号パルス光の遅延を調べた
ので、図16及び図17を参照して説明する。なお、各
図における上図は、波長λがλ=1.53μmの入力光
パルスの波形であり、下図は出力光パルスの波形であ
り、図(a)乃至(d)は、それぞれ、500fs、2
00fs、100fs、及び、50fsの4つの入力信
号パルス光幅について示したものである。なお、この場
合の周期aは、a=600nmとしている。
【0072】図16(a)乃至(d)参照 図から明らかなように、図14(a)に示した構成のよ
うに、端部の構造をq=p/2とした場合、所定の遅延
時間をもって光パルスが出力されるが、パルス波形の劣
化がほとんど見られないことが理解される。但し、パル
ス幅が小さくなるにしたがって、反射に起因するノイズ
パルスが見られる。
【0073】また、この遅延時間は、入射光パルスの高
速化とともに増大する傾向にあり、一方、その強度は入
射光パルスの高速化とともに大きく減少する傾向が見ら
れる。なお、各図においては、出力パルスの大きさを等
しくするために、所定の倍率を掛けて図示している。
【0074】図17(a)乃至(d)参照 一方、図14(b)に示した構成のように、端部の構造
をq≠p/2とした場合にも、所定の遅延時間をもって
光パルスが出力されるが、パルス波形に大きな劣化が見
られ、且つ、パルス幅の減少とともに、反射に起因する
ノイズパルスの影響も大きくなることが理解される。な
お、この場合も、各図における出力パルスの大きさを等
しくするために、所定の倍率を掛けて図示している。
【0075】この様に、第6の実施の形態のフォトニッ
クバンドギャップ構造は、全光スイッチング素子のみな
らず、全光遅延素子としても使用できるものであり、全
光遅延素子として使用した場合には、制御光を用いない
場合には、単なる光遅延素子として動作し、制御光を用
いる場合には、全光スイッチング素子を兼ねる全光遅延
素子として動作することになる。
【0076】次に、図18及び図19を参照して、本発
明の第7の実施の形態を説明する。 図18参照 図18は、本発明の第7の実施の形態のフォトニックバ
ンドギャップ構造光機能素子の概念的構成図であり、図
6に示した第2の実施の形態のフォトニックバンドギャ
ップ構造光機能素子における単一の欠陥層を誘電率が異
なる二種類の層に置き換えたものである。なお、製造工
程としては、第1の実施の形態のフォトニックバンドギ
ャップ構造光機能素子における欠陥層を一層おきに誘電
率異なる第2の欠陥層に置き換えるだけで良い。
【0077】この第7の実施の形態においては、厚さd
1 が、d1 =0.5aのGaAs層61と厚さd2 が、
2 =0.5aの空気層62とを周期aで配置するとも
に、周期Lで厚さd3 が、d3 =0.75aのGaAs
欠陥層63(ε3 =11.56)と、厚さがd4 で、誘
電率がε4 のAlx Ga1-x As欠陥層64を交互に挿
入したものであり、この場合には、制御光が入射されな
い場合における各欠陥層における欠陥準位が等しくなる
ように、d3 ×ε3 =d4 ×ε4 になるように、Alx
Ga1-x As欠陥層64の層厚d4 及びAl組成比xを
設定するものである。
【0078】図19(a)乃至(d)参照 図19(a)乃至(d)は、、周期aをa=358μ
m、欠陥層を設ける周期LをL=6aとし、欠陥層の層
数NをN=28 =256とした場合の欠陥準位に起因す
る光周波数透過帯域の誘電率差Δε(=ε3 −ε4 )依
存性のシミュレーション結果を示す図である。
【0079】図19(a)に示すように、GaAs層6
3とAlx Ga1-x As欠陥層64の誘電率差Δε=0
の場合、即ち、x=0の場合には、図6の場合と同様の
構造となるので、図7(b)の場合と同様のブロードな
光周波数透過帯が形成される。
【0080】しかし、図19(b)乃至(d)に示すよ
うに、誘電率差Δεがあると、GaAs層63で吸収で
き、Alx Ga1-x As欠陥層64で吸収できないエネ
ルギーの制御光を入射させた場合、欠陥準位が分離して
ブロードな光周波数透過帯の中にさらにバンドギャップ
(サブバンドギャップ)が形成され、このサブバンドギ
ャップの幅及び深さはΔεの増大とともに大きくなる。
【0081】因に、図19(b)に示す、Δε=0.0
1の場合にも、波長が1.55μmの信号パルス光に対
する透過率の変化は100dB以上であり、極めて効率
の高い全光スイッチング素子を構成することができるこ
とが理解される。
【0082】ここで、図20を参照して、二種類の欠陥
層を用いることによって、ブロードな光周波数透過帯域
の中にさらにサブバンドギャップが形成され理由を考察
する。 図20(a)参照 図20(a)は、制御光が入射しない場合の誘電体周期
構造を障壁高さとして図示したもので、GaAs欠陥層
とAlx Ga1-x As欠陥層とが周期的に挿入された状
態を示している。
【0083】この場合、上述のように、GaAs欠陥層
とAlx Ga1-x As欠陥層とにおける、層厚d×誘電
率εが等しくなるように設計しているので、欠陥準位は
等しく、したがって、右側の図に示すようにフォトニッ
クバンドギャップの中央部にブロードな光周波数透過帯
域が形成される。
【0084】図20(b)参照 一方、このフォトニックバンドギャップ構造にGaAs
欠陥層においてのみ吸収される波長の制御光を入射させ
た場合、光吸収によってGaAs欠陥層の誘電率が変化
し、それによって、層厚d×誘電率εも変化するので、
GaAs欠陥層における欠陥準位がシフトして、二つの
欠陥準位の間が光学的禁制帯となり、ブロードな光周波
数透過帯の中央にサブバンドギャップが形成されるもの
と考えられる。
【0085】次に、この様なフォトニックバンドギャッ
プ構造におけるサブバンドギャップの深さの欠陥層の層
数N依存性を調べたので、図21を参照して説明する。 図21(a)乃至(d)参照 図21(b)乃至(d)は、、欠陥層を設ける周期Lを
L=6aとし、誘電率差Δεを、Δε=0.02とした
場合の、サブバンドの深さの欠陥層の層数N依存性のシ
ミュレーション結果を示す図である。
【0086】図から明らかなように、欠陥層の層数Nが
増加するにつれて、サブバンドギャップの深さが深くな
り、光透過の完全な抑止が可能になることが理解され
る。なお、図21(a)は、Δε=0、N=28 の場合
を参考として示したものである。
【0087】次に、この様なフォトニックバンドギャッ
プ構造における光周波数透過帯域幅及びサブバンドギャ
ップの深さの欠陥層を挿入する周期L依存性を調べたの
で、図22を参照して説明する。 図22参照 図22は、Δε=0.01、N=28 とした場合の光周
波数透過帯域幅及びサブバンドギャップの深さの欠陥層
を挿入する周期L依存性のシミュレーション結果を示す
図である。
【0088】図から明らかなように、光周波数透過帯域
幅は、欠陥層を挿入する周期Lの増加、即ち、長周期化
とともに、狭くなり、これは、図5に示した傾向と同じ
傾向を示している。一方、サブバンドギャップの深さ
は、欠陥層を挿入する周期Lの増加とともに深くなって
いるのが理解される。
【0089】したがって、欠陥層を挿入する周期L、誘
電率差Δε、及び、欠陥層の層数Nを適宜選択して組み
合わせることによって、必要とする所望の光透過−非透
過特性をえることが可能になる。
【0090】次に、この様なフォトニックバンドギャッ
プ構造における光信号の群速度を調べたので、図23を
参照して説明する。 図23参照 図23の上部の実線の矩形は、制御光が入射しない場合
の欠陥準位による光周波数透過帯域を示すもので、ま
た、4本の縦の破線は、制御光が入射した場合の光周波
数透過帯域及びサブバンドギャップを示すもので、中央
よりの2本の縦の破線がサブバンドギャップに相当す
る。
【0091】図から明らかなように、光信号の群速度
は、対称的で且つ大きな周波数依存性を有しているもの
の、光スイッチングは光周波数透過帯の中央部のサブバ
ンドギャップを利用して行うものであり、中央部におけ
る群速度の周波数依存性は非常に小さいのでパルス波型
の劣化が非常に少なくなり、長距離光通信にも適用が可
能になる。
【0092】この様に、本発明の第7の実施の形態のフ
ォトニックバンドギャップ構造全光機能素子において
は、誘電率及び光吸収エネルギーが互いに異なる二種類
の欠陥層を交互に周期的に挿入しているので、欠陥層の
誘電率、即ち、屈折率の変調を効率良く、低照射エネル
ギーで行うことができる。
【0093】また、二種類の欠陥層の内の一方のみにお
いて光吸収が発生するようにしているので、欠陥準位の
分離によって光周波数透過帯域の中央部にサブバンドギ
ャップが形成され、このサブバンドギャップを利用して
光スイッチングを行うことによって群速度の変化の少な
い、したがって、パルス波形の劣化の少ない光スイッチ
ングが可能になる。
【0094】また、この様な第7の実施の形態において
は、サブバンドギャップの深さを浅くすることによって
全光変調素子としても使用できるものであり、さらに
は、スイッチング素子を兼ねる全光遅延素子としても使
用できるものである。
【0095】次に、図24を参照して、この様な二種類
の欠陥層を用いた二次元構造のフォトニックバンドギャ
ップ構造全光機能素子を説明する。 図24参照 図24は、本発明の第8の実施の形態の概念的構成図で
あり、フォトニックバンドギャップ構造全光機能素子自
体については平面図で示している。図に示すように、G
aAs基板(図示を省略)上に成長させたAlx Ga
1-xAs層71に二次元的に凹部72を形成し、この凹
部72を空気層からなる低誘電率層部とし、凹部72を
形成しないAlx Ga1-x As層71の残部を高誘電率
層部として、二次元的な周期的誘電率分布を形成する。
【0096】この場合、第2の欠陥層部であるAlx
1-x As欠陥層部74を形成する部分には凹部72を
周期的に設けないようにし、第1の欠陥層部であるGa
As欠陥層部73は、所定の位置の凹部72を周期的に
GaAsで埋め込んで形成するものである。なお、この
場合の凹部72の直径rは、凹部72を設ける周期a
(=418.5nm)に対して、例えば、r/a=0.
38とする。
【0097】この様なフォトニックバンドギャップ構造
全光機能素子に、図に示すように4つの入力信号パルス
光75が入射した場合、最初の一個のパルスの入射した
のち、制御光76を入射させると、サブバンドギャップ
が形成され、2個目のパルスは反射されて透過すること
ができないので、残りの3つのパルスのみが出力信号パ
ルス光77として出射されることになる。なお、制御光
76がない場合に、サブバンドギャップが形成されてお
り、制御光76が照射されるとサブバンドギャップが消
滅するように設計すれば、2つ目のパルスのみを出射さ
せる動作も可能である。
【0098】以上、本発明の各実施の形態を説明してき
たが、本発明は各実施の形態に記載された構成・条件に
限られるものではなく、各種の変更が可能である。例え
ば、上記の各実施の形態においては、高誘電率の層をA
lGaAs或いはGaAsで形成しているが、InP、
InGaAsP、InAlAs、AlAsSb、InA
lAsSb等の他のIII-V族化合物半導体を用いても良
いものである。
【0099】また、上記の各実施の形態においては、低
誘電率の層として空気、真空、或いは、酸化膜を用いて
いるが、有機絶縁膜等の他の低誘電率の絶縁体を用いて
も良いものである。
【0100】また、上記の第6の実施の形態において
は、GaAsピラーを選択成長によって形成している
が、選択成長に限られるものではなく、GaAs基板を
選択的にエッチングしてGaAsピラーを構成しても良
いものである。
【0101】また、上記各実施の形態におけるピラー或
いは凹部は、円柱状或いは円柱状溝である必要はなく、
四角柱状或いは四角柱状溝等の多角柱状或いは多角柱状
溝であっても良いものである。
【0102】ここで、再び、図1を参照して、本発明の
詳細な特徴を説明する。 図1参照 (付記1) 相対的に高誘電率の層1と相対的に低誘電
率の層2の少なくとも二種類の層を周期的に整列させた
周期構造からなるフォトニックバンドギャップ構造全光
機能素子において、前記周期構造中に厚さ及び誘電率の
少なくとも一方が前記相対的に高誘電率の層1と異なる
光非線形材料或いは光に応じて屈折率が変化する光感応
性材料のいずれかからなる欠陥層3を挿入するととも
に、前記欠陥層3に起因して形成される欠陥準位波長に
相当する波長の光を信号光として入射させることを特徴
とするフォトニックバンドギャップ構造全光機能素子。
(1) (付記2) 上記欠陥層3として、互いに誘電率及び厚
さが異なる二種類の欠陥層3を交互に配列し、且つ、前
記二種類の欠陥層3に起因して形成される欠陥準位波長
を等しくするとともに、光吸収エネルギーの小さな欠陥
層3においてのみ吸収されるエネルギーの光を制御光と
して入射することを特徴とする付記1記載のフォトニッ
クバンドギャップ構造全光機能素子。(2) (付記3) 上記欠陥層3を挿入する周期により、欠陥
準位による光透過周波数の帯域を制御することを特徴と
する付記1または2に記載のフォトニックバンドギャッ
プ構造全光機能素子。 (付記4) 上記互いに隣接する欠陥層3間の上記相対
的に高誘電率の層1の数pを偶数にするとともに、最端
部の欠陥層3より端部側に設ける前記相対的に高誘電率
の層1の数qを、q=p/2にしたことを特徴とする付
記2または3に記載のフォトニックバンドギャップ構造
全光機能素子。(3) (付記5) 上記相対的に高誘電率の層1と相対的に低
誘電率の層2の少なくとも二種類の層からなる周期構造
を光軸に沿ったストライプ状構造によって形成すること
を特徴とする付記1乃至4のいずれか1に記載のフォト
ニックバンドギャップ構造全光機能素子。(4) (付記6) 上記相対的に高誘電率の層1と相対的に低
誘電率の層2の少なくとも二種類の層からなる周期構造
を二次元的に配列させたことを特徴とする付記1乃至4
のいずれか1に記載のフォトニックバンドギャップ構造
全光機能素子。(5) (付記7) 上記相対的に低誘電率の層2を、前記相対
的に高誘電率の層1の欠如部として形成することを特徴
とする付記5または6に記載のフォトニックバンドギャ
ップ構造全光機能素子。 (付記8) 上記欠陥層3の一方を、前記相対的に高誘
電率の層1と誘電率の異なる部材によって構成すること
を特徴とする付記7に記載のフォトニックバンドギャッ
プ構造全光機能素子。 (付記9) 上記相対的に低誘電率の層2を、気体或い
は真空によって構成するとともに、上記相対的に高誘電
率の層1を半導体によって構成することを特徴とする付
記1乃至8のいずれか1に記載のフォトニックバンドギ
ャップ構造全光機能素子。 (付記10) 上記相対的に高誘電率の層1をAlx
1-x As(但し、0≦x≦1)で構成するとともに、
上記二種類の欠陥層3の一方を前記Alx Ga 1-x As
と組成比の異なるAly Ga1-y As(但し、0≦y≦
1)で構成することを特徴とする付記9記載のフォトニ
ックバンドギャップ構造全光機能素子。 (付記11) 上記フォトニックバンドギャップ構造全
光機能素子が、フォトニックバンドギャップ構造全光ス
イッチング素子であることを特徴とする付記1乃至10
のいずれか1に記載のフォトニックバンドギャップ構造
全光機能素子。 (付記12) 上記フォトニックバンドギャップ構造全
光機能素子が、フォトニックバンドギャップ構造全光遅
延素子であることを特徴とする付記1乃至10のいずれ
か1に記載のフォトニックバンドギャップ構造全光機能
素子。 (付記13) 相対的に高誘電率の層1と相対的に低誘
電率の層2の少なくとも二種類の層を周期的に整列させ
た周期構造からなるとともに、前記周期構造中に厚さ及
び誘電率の少なくとも一方が前記相対的に高誘電率の層
1と異なる光非線形材料からなる欠陥層3を挿入したフ
ォトニックバンドギャップ構造全光機能素子の製造方法
において、互いに酸化特性の異なる二種類の層及前記欠
陥層3を周期的に堆積させたのち、前記互いに酸化特性
の異なる二種類の層の内の酸化性の高い層を選択的に酸
化して、誘電率が互いに異なる周期的構造を形成するこ
とを特徴とするフォトニックバンドギャップ構造全光機
能素子の製造方法。 (付記14) 相対的に高誘電率の層1と相対的に低誘
電率の層2の少なくとも二種類の層を周期的に整列させ
た周期構造からなるとともに、前記周期構造中に厚さ及
び誘電率の少なくとも一方が前記相対的に高誘電率の層
1と異なる光非線形材料からなる欠陥層3を挿入したフ
ォトニックバンドギャップ構造全光機能素子の製造方法
において、互いにエッチング特性の異なる二種類の層及
前記欠陥層3を周期的に堆積させたのち、前記互いにエ
ッチング特性の異なる二種類の層の内のエッチング性の
高い層を選択的にエッチングして、誘電率が互いに異な
る周期的構造を形成することを特徴とするフォトニック
バンドギャップ構造全光機能素子の製造方法。 (付記15) 相対的に高誘電率の層1と相対的に低誘
電率の層2の少なくとも二種類の層を周期的に整列させ
た周期構造からなるとともに、前記周期構造中に欠陥層
3を挿入したフォトニックバンドギャップ構造全光機能
素子の製造方法において、平坦基板を選択的にエッチン
グして、二次元的に周期的に配列させた柱状構造体を形
成するとともに、前記柱状構体の一部を周期的に形成し
ない領域を前記欠陥部としたことを特徴とするフォトニ
ックバンドギャップ構造全光機能素子の製造方法。 (付記16) 相対的に高誘電率の層1と相対的に低誘
電率の層2の少なくとも二種類の層を周期的に整列させ
た周期構造からなるとともに、前記周期構造中に欠陥層
3を挿入したフォトニックバンドギャップ構造全光機能
素子の製造方法において、平坦基板を選択的にエッチン
グして、二次元的に周期的に配列した凹部を形成し、前
記凹部の一部を周期的に前記平坦基板と異なった誘電率
の第1の部材で埋め込むともに、前記凹部の他の一部を
前記第1の部材と異なる誘電率の第2の部材で埋め込む
ことを特徴とするフォトニックバンドギャップ構造全光
機能素子の製造方法。 (付記17) 相対的に高誘電率の層1と相対的に低誘
電率の層2の少なくとも二種類の層を周期的に整列させ
た周期構造からなるとともに、前記周期構造中に欠陥層
3を挿入したフォトニックバンドギャップ構造全光機能
素子の製造方法において、平坦基板上に選択成長法によ
って二次元的に周期的に配列させた柱状構造体を形成す
るとともに、前記柱状構体の一部を周期的に形成しなか
った領域を前記欠陥部としたことを特徴とするフォトニ
ックバンドギャップ構造全光機能素子の製造方法。 (付記18) 相対的に高誘電率の層1と相対的に低誘
電率の層2の少なくとも二種類の層を周期的に整列させ
た周期構造からなるとともに、前記周期構造中に欠陥層
3を挿入したフォトニックバンドギャップ構造全光機能
素子の製造方法において、平坦基板上に選択成長法によ
って二次元的に周期的に配列させた柱状構造体を形成す
る際に、前記柱状構体の一部を前記柱状構造体と屈折率
の異なる第2の部材或いは寸法の異なる柱状構造のいず
れかからなる第2の柱状構造体とするとともに、前記柱
状構造の一部を欠如部として前記欠陥部としたことを特
徴とするフォトニックバンドギャップ構造全光機能素子
の製造方法。 (付記19) 基板上に第1の層を介して前記第1の層
より酸化性の低い第2の層を形成したのち、前記第2の
層を第1の周期で周期的に選択的に除去して、除去部に
前記第2の層と誘電率の異なる部材からなる第3の層で
埋め込み、次いで、前記第2の層を再び前記第1の周期
と異なる第2の周期で周期的に選択的に除去したのち、
前記第1の層を選択的に酸化することを特徴とするフォ
トニックバンドギャップ構造全光機能素子の製造方法。 (付記20) 基板上に第1の層を介して前記第1の層
よりエッチング特性の異なる第2の層を形成したのち、
前記第2の層を第1の周期で周期的に選択的に除去し
て、除去部に前記第2の層と誘電率の異なる部材からな
る第3の層で埋め込み、次いで、前記第2の層を再び前
記第1の周期と異なる第2の周期で周期的に選択的に除
去したのち、前記第1の層を選択的にエッチング除去す
ることを特徴とするフォトニックバンドギャップ構造全
光機能素子の製造方法。
【0103】
【発明の効果】本発明によれば、周期的誘電率分布に挿
入した欠陥層による光周波数透過帯を利用して信号パル
ス光のスイッチング、変調、或いは、遅延を行っている
ので、低エネルギー駆動が可能になり、且つ、波形の劣
化の少ない超高速パルスのスイッチング、変調、或い
は、遅延が可能になり、それによって、ピコ秒級の超高
速通信システムの構築に寄与するところが大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原理的構成の説明図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態のフォトニックバン
ドギャップ構造全光機能素子の途中までの製造工程の説
明図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態のフォトニックバン
ドギャップ構造全光機能素子の図2以降の製造工程の説
明図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態のフォトニックバン
ドギャップ構造全光機能素子のスイッチング原理の説明
図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態のフォトニックバン
ドギャップ構造全光機能素子の欠陥準位の帯域の広さの
周期長依存性の説明図である。
【図6】本発明の第2の実施の形態のフォトニックバン
ドギャップ構造全光機能素子の概念的構成図である。
【図7】本発明の第2の実施の形態のフォトニックバン
ドギャップ構造全光機能素子の光周波数透過帯域の端部
構造依存性の説明図である。
【図8】本発明の第2の実施の形態のフォトニックバン
ドギャップ構造全光機能素子の信号パルス光波形の光周
波数透過帯域依存性の説明図である。
【図9】本発明の第3の実施の形態のフォトニックバン
ドギャップ構造全光機能素子の概念的構成図である。
【図10】本発明の第3の実施の形態のフォトニックバ
ンドギャップ構造全光機能素子の具体的構成図である。
【図11】本発明の第3の実施の形態のフォトニックバ
ンドギャップ構造全光機能素子における光信号の群速度
の周波数依存性の説明図である。
【図12】本発明の第4の実施の形態のフォトニックバ
ンドギャップ構造全光機能素子の製造工程の説明図であ
る。
【図13】本発明の第5の実施の形態のフォトニックバ
ンドギャップ構造全光機能素子の製造工程の説明図であ
る。
【図14】本発明の第6の実施の形態の二次元構造のフ
ォトニックバンドギャップ構造全光機能素子の概念的平
面図である。
【図15】本発明の第6の実施の形態及び比較例におけ
る光周波数透過帯における信号パルス光の透過状態の説
明図である。
【図16】本発明の第6の実施の形態の二次元のフォト
ニックバンドギャップ構造における信号パルス光の遅延
特性の説明図である。
【図17】比較例の二次元のフォトニックバンドギャッ
プ構造における信号パルス光の遅延特性の説明図であ
る。
【図18】本発明の第7の実施の形態のフォトニックバ
ンドギャップ構造全光機能素子の概念的構成図である。
【図19】本発明の第7の実施の形態における光周波数
透過帯域の誘電率差依存性の説明図である。
【図20】サブバンドギャップの形成理由の説明図であ
る。
【図21】サブバンドギャップの深さの欠陥層の層数N
依存性の説明図である。
【図22】光周波数透過帯域及びサブバンドギャップの
深さの欠陥層の挿入周期L依存性の説明図である。
【図23】本発明の第7の実施の形態のフォトニックバ
ンドギャップ構造における信号パルス光の遅延特性の説
明図である。
【図24】本発明の第8の実施の形態のフォトニックバ
ンドギャップ構造全光機能素子の概念的構成図である。
【図25】従来のリブガイド構造全光スイッチング素子
の概略的斜視図である。
【図26】従来のフォトニックバンドギャップ構造全光
スイッング素子の説明図である。
【図27】従来のバンド端光スイッチング素子における
信号パルス光の群速度の周波数依存性の説明図である。
【符号の説明】
1 相対的に高誘電率の層 2 相対的に低誘電率の層 3 欠陥層 11 GaAs基板 12 AlAs層 13 Al0.1 Ga0.9 As層 14 GaAs欠陥層 21 GaAs層 22 空気層 23 GaAs欠陥層 31 GaAs層 32 凹部 33 欠陥層部 34 信号パルス光 35 GaAs基板 36 AlAs層 41 GaAs基板 42 AlAs層 43 AlGaAs層 44 SiO2 膜 45 レジストパターン 46 凹部 47 凹部 48 GaAs欠陥層 49 凹部 50 酸化膜 51 GaAs基板 52 GaAsピラー 53 欠陥層部 61 GaAs層 62 空気層 63 GaAs欠陥層 64 Alx Ga1-x As欠陥層 71 Alx Ga1-x As層 72 凹部 73 GaAs欠陥層部 74 Alx Ga1-x As欠陥層部 75 入力信号パルス光 76 制御光 77 出力信号パルス光 91 GaAs基板 92 AlGaAsガイド層 93 GaAsコア層 94 AlGaAsガイド層 95 リブガイド部 96 光入射端面 97 光出射端面 98 信号パルス光 99 制御光 100 信号パルス光
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藍 勝 茨城県つくば市東光台5丁目5番地 技術 研究組合 フェムト秒テクノロジー研究機 構内 (72)発明者 和田 修 神奈川県川崎市中原区上小田中4丁目1番 1号 富士通株式会社内 Fターム(参考) 2H047 KA03 LA02 NA01 PA05 PA11 PA21 PA24 QA02 RA08 TA13 2H079 AA08 AA14 BA01 CA05 DA16 2K002 AA02 AB04 AB09 AB40 BA02 CA13 CA30 HA13 HA16

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 相対的に高誘電率の層と相対的に低誘電
    率の層の少なくとも二種類の層を周期的に整列させた周
    期構造からなるフォトニックバンドギャップ構造全光機
    能素子において、前記周期構造中に厚さ及び誘電率の少
    なくとも一方が前記相対的に高誘電率の層と異なる光非
    線形材料或いは光に応じて屈折率が変化する光感応性材
    料のいずれかからなる欠陥層を挿入するとともに、前記
    欠陥層に起因して形成される欠陥準位波長に相当する波
    長の光を信号光として入射させることを特徴とするフォ
    トニックバンドギャップ構造全光機能素子。
  2. 【請求項2】 上記欠陥層として、互いに誘電率及び厚
    さが異なる二種類の欠陥層を交互に配列し、且つ、前記
    二種類の欠陥層に起因して形成される欠陥準位波長を等
    しくするとともに、光吸収エネルギーの小さな欠陥層に
    おいてのみ吸収されるエネルギーの光を制御光として入
    射することを特徴とする請求項1記載のフォトニックバ
    ンドギャップ構造全光機能素子。
  3. 【請求項3】 上記互いに隣接する欠陥層間の上記相対
    的に高誘電率の層の数pを偶数にするとともに、最端部
    の欠陥層より端部側に設ける前記相対的に高誘電率の層
    の数qを、q=p/2にしたことを特徴とする請求項2
    記載のフォトニックバンドギャップ構造全光機能素子。
  4. 【請求項4】 上記相対的に高誘電率の層と相対的に低
    誘電率の層の少なくとも二種類の層からなる周期構造を
    光軸に沿ったストライプ状構造によって形成することを
    特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のフォ
    トニックバンドギャップ構造全光機能素子。
  5. 【請求項5】 上記相対的に高誘電率の層と相対的に低
    誘電率の層の少なくとも二種類の層からなる周期構造を
    二次元的に配列させたことを特徴とする請求項1乃至3
    のいずれか1項に記載のフォトニックバンドギャップ構
    造全光機能素子。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005001559A1 (ja) * 2003-06-26 2005-01-06 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. 光変調素子および通信システム
US7200312B2 (en) 2004-11-15 2007-04-03 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. Optical waveguide device
JP2008070437A (ja) * 2006-09-12 2008-03-27 Matsushita Electric Ind Co Ltd 干渉フィルタ、液晶ディスプレイ、エレクトロルミネッセンスディスプレイ、プロジェクション表示装置
WO2022049621A1 (ja) * 2020-09-01 2022-03-10 日本電信電話株式会社 光学素子

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