JP2002295847A - 暖房装置の凍結防止方法及びその装置 - Google Patents

暖房装置の凍結防止方法及びその装置

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電源遮断時にも凍結を防止し、熱源機や循環
路を凍結から防護した暖房装置の凍結防止方法及びその
装置を提供する。 【解決手段】 暖房水(6)を循環路(24、24A、
24B)を通して暖房端末(2、4)に循環させて暖房
を行う暖房装置の凍結防止方法及びその装置であって、
暖房水を加熱する熱源機(8)の電源が遮断されたと
き、熱源機及び循環路内の暖房水に不凍液(56)を注
入し、熱源機に電源が投入されたとき、熱源機及び循環
路から暖房水を排出するとともに、熱源機及び循環路に
暖房に必要な暖房水を供給し、電源遮断時、熱源機及び
循環路を凍結から防護している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、温水等の熱媒を用
いた暖房装置の凍結防止方法及びその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、温水等を熱媒とした暖房装置は、
例えば、図3に示すように、床暖房パネル等の暖房端末
100と熱源機側のシスターン102とを循環路104
を以て連結し、熱媒である暖房水106を暖房端末10
0に循環させ、必要な暖房を行うものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、シスターン
102を含む熱源機は屋外等に設置されることが多く、
寒冷地や夜間の冷え込み等で循環路104内の暖房水1
06が凍結すると、暖房運転ができなくなるおそれがあ
る。従来、このような凍結による不都合を防止するた
め、凍結のおそれがある場合には、暖房水106を加熱
して循環路104に循環させる制御が行われている。
【0004】しかしながら、熱源機側の電源を遮断する
等、運転を停止すると、凍結防止のための制御までも停
止し、凍結を回避できないという不都合があった。
【0005】そこで、本発明は、電源遮断時にも凍結を
防止し、熱源機や循環路を凍結から防護した暖房装置の
凍結防止方法及びその装置を提供することを課題とす
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の暖房装置の凍結
防止方法は、暖房水(6)を循環路(24、24A、2
4B)を通して暖房端末(2、4)に循環させて暖房を
行う暖房装置の凍結防止方法であって、前記暖房水を加
熱する熱源機(8)の電源が遮断されたとき、前記熱源
機及び前記循環路内の前記暖房水に不凍液(56)を注
入し、前記熱源機に電源が投入されたとき、前記熱源機
及び前記循環路から前記暖房水を排出するとともに、前
記熱源機及び前記循環路に暖房に必要な暖房水を供給す
ることを特徴とする。即ち、電源遮断時、不凍液の注入
によって暖房水の凍結を防止でき、電源投入時には、暖
房に必要な暖房水を循環路に供給する。
【0007】本発明の暖房装置の凍結防止方法におい
て、前記不凍液の注入量は、前記暖房水の不凍液濃度に
応じて制御することを特徴とする。即ち、凍結防止に必
要な不凍液濃度を確保している。
【0008】本発明の暖房装置の凍結防止装置は、暖房
水(6)を循環路(24、24A、24B)を通して暖
房端末(2、4)に循環させて暖房を行う暖房装置の凍
結防止装置であって、前記暖房水を加熱する熱源機
(8)と、前記暖房水を前記循環路を通して前記暖房端
末に循環させる循環ポンプ(26)と、前記循環路から
前記暖房水を排出する排出手段(水抜き弁49、51、
53、空気圧ポンプ55、57)と、前記循環路に前記
暖房水を供給する供給手段(給水管52、バルブ54)
と、前記循環路に不凍液(56)を注入する注入手段
(不凍液タンク58、不凍液供給管60、バルブ61)
と、前記暖房水を加熱する前記熱源機の電源が遮断され
たとき、前記熱源機及び前記循環路内の前記暖房水に前
記不凍液を注入し、前記熱源機に電源が投入されたと
き、前記熱源機及び前記循環路の前記暖房水を排出した
後、前記熱源機及び前記循環路に暖房に必要な前記暖房
水を供給することを特徴とする。即ち、前記凍結防止方
法を実現するものであって、電源遮断時、不凍液の注入
によって暖房水の凍結を防止でき、電源投入時には、暖
房に必要な暖房水が循環路に供給される。
【0009】本発明の暖房装置の凍結防止装置におい
て、前記循環路から前記暖房水を排出させるとき、前記
循環路を加圧する加圧手段(空気圧ポンプ55、57)
を備えたことを特徴とする。即ち、加圧により、循環路
からの暖房水の排出を迅速且つ確実に行うことができ
る。
【0010】本発明の暖房装置の凍結防止装置におい
て、前記循環路に循環させる前記暖房水を溜める暖房水
タンク(シスターン28)に不凍液濃度を検出する濃度
検出手段(濃度検出電極66、68)を備え、前記濃度
検出手段で検出された不凍液濃度に応じて前記不凍液濃
度の注入量を制御することを特徴とする。即ち、電気伝
導度等により、不凍液濃度の検出を濃度検出手段で行
い、その検出濃度に応じて凍結防止に必要な不凍液注入
量を制御することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明及びその実施の形態
を図面に示した実施例を参照して詳細に説明する。
【0012】図1は、本発明の暖房装置の凍結防止方法
及びその装置の実施例を示している。この暖房装置の凍
結防止方法及びその装置には、床暖房パネル等の低温要
求負荷である暖房端末2、ファンコンベクタ等の高温要
求負荷である暖房端末4が設置され、この暖房端末2、
4に熱媒としての暖房水6を供給するガス温水器等の熱
源機8が用いられている。暖房水6を加熱する熱源に
は、燃料ガスの燃焼熱の他、灯油の燃焼熱、電熱、ヒー
トポンプ、太陽熱等を用いることができる。
【0013】この熱源機8には、燃焼手段としてバーナ
10が燃焼室12に設置され、このバーナ10にはガス
調整手段や切換手段としてのバルブ14、16、又はバ
ルブ18を介して燃料ガスGが供給される。バーナ10
の下側にはガス燃焼に必要な空気を供給する給気手段と
してのファン20が設置されている。
【0014】そして、この熱源機8には、バーナ10の
燃焼熱を暖房水6に加える加熱手段としての熱交換器2
2が燃焼室12に設置されている。この熱交換器22に
は、暖房端末2に暖房水6を循環させる手段として循環
路24が設けられている。この実施例の循環路24は、
暖房端末2側に低温水LWを循環させる循環路24A、
暖房端末4側に高温水HWを循環させる循環路24Bで
構成されており、これら2系統の循環路24A、24B
には循環ポンプ26、暖房水6を溜める暖房水タンクと
してシスターン28が設置されている。循環ポンプ26
の駆動源にはACモータやDCモータを用いることがで
き、例えば、DCモータを用いて構成された場合、幅広
く回転数を制御することができる。
【0015】循環路24には、低温側往き管30、高温
側往き管32、戻り管34とともに、暖房端末2側の配
管36、暖房端末4側の配管38が設けられている。高
温側往き管32と戻り管34との間にはバイパス管40
が設けられており、高温水HWがバイパス管40を介し
て戻り管34側に流れる。配管36、38は、連結手段
である往き側ヘッダ42を介して低温側往き管30、連
結手段である往き側ヘッダ44を介して高温側往き管3
2、連結手段である戻り側ヘッダ46を介して戻り管3
4が連結されている。また、往き管32には循環路24
を開閉する手段として往き弁48、循環路24側から暖
房水6を排出する排出手段として水抜き弁49が設けら
れ、また、戻り管34には循環路24を開閉する手段と
して戻り弁50、熱源機8側の循環路24側から暖房水
6を排出する排出手段として水抜き弁51、暖房端末
2、4側の戻り側から暖房水6を排出する排出手段とし
て水抜き弁53が設けられている。さらに、配管36、
38には、加圧手段として空気圧ポンプ55、57が設
置されている。
【0016】シスターン28は、外部から暖房水6に用
いる水Wを供給する供給手段として給水管52、その供
給を制御する開閉弁としてバルブ54が設けられ、給水
管52には不凍液56を注入する手段として不凍液タン
ク58が不凍液供給管60及びバルブ61を介して取り
付けられている。不凍液56は、バルブ61を開くこと
により、不凍液タンク58からシスターン28を通じて
循環路24の暖房水6に注入される。この実施例では、
シスターン28に不凍液56を注入しているが、直接、
循環路24に注入するようにしてもよい。
【0017】また、シスターン28内の暖房水6のレベ
ルを検出する手段としてレベルセンサ62、64が設け
られ、レベルセンサ62で低レベルとして低水位L1
レベルセンサ64で高レベルとして高水位L2 を検知
し、これら検知結果は電気信号で取り出される。また、
シスターン28には、暖房水6中の不凍液濃度を検出す
る手段として濃度検出電極66、68が設置されてい
る。そして、シスターン28の暖房水6が異常な高レベ
ルになったとき、その暖房水6はオーバーフローパイプ
70から外部に排出する。
【0018】そして、凍結防止制御、不凍液濃度制御、
暖房制御等を行う制御手段として制御部72が設けら
れ、この制御部72はマイクロコンピュータ等で構成さ
れ、演算手段としてCPU、記憶手段としてROM、R
AMを備えており、不凍液濃度を表す検出出力が記憶手
段であるRAM等に格納される。この制御部72にはレ
ベルセンサ62、64、濃度検出電極66、68等の検
出出力が制御情報として入力されている。また、この制
御部72から各種の制御出力が得られており、循環ポン
プ26、往き弁48、戻り弁50、水抜き弁49、5
1、53、空気圧ポンプ55、57、バルブ54、61
等に対する制御出力が得られる。また、制御部72には
バルブ14、16、18等のアクチュエータに対する制
御出力Vnが得られるものである。
【0019】ところで、この制御部72には、駆動電源
として電源装置74が設けられており、商用電源76が
電源スイッチ78を介して給電されている。電源スイッ
チ78の投入又は遮断は、電源装置74を通じて又は制
御部72で検出される。
【0020】このような暖房装置において、通常の暖房
運転では、熱交換器22で加熱された暖房水6は高温側
往き管32を通して配管38側に高温水HWとして流
れ、暖房端末4側に流れるとともに、バイパス管40を
通じて戻り管34側に流れて暖房端末4側を通過した暖
房水6と合流し、シスターン28に至る。シスターン2
8を出た暖房水6は循環ポンプ26に流れ、矢印A、B
の方向に分岐し、図示しないバルブの開閉により、低温
水LWが暖房端末2側の配管36に流れ、暖房端末2を
循環した後、戻り管34に戻る。低温水LWの循環によ
り、暖房端末2を通じて低温水LWの放熱が行われる。
【0021】また、このような暖房装置では、シスター
ン28に対して暖房水6の供給が行われる。即ち、ポン
プ運転が行われた後、レベルセンサ62が暖房水6の低
水位L1 を検知したとき、レベルセンサ64が高水位L
2 を検知するまで暖房水6の供給が行われる。即ち、高
水位L2 を検知したとき、バルブ54が閉じられて水W
の供給が完了する。
【0022】次に、凍結防止制御方法を図2に示すフロ
ーチャートを参照して説明する。
【0023】凍結防止モードに入ると、ステップS1で
熱源機8の電源が投入(ON)されているか否かが判定
され、電源が投入されていない場合にはステップS2に
移行し、濃度検出電極66、68で不凍液濃度が所定濃
度か否かを判定する。凍結防止に必要な濃度が検出され
たときにはステップS1に戻り、凍結防止に必要な検出
濃度が得られなかった場合にはステップS3に移行し、
不凍液56をシスターン28に注入する。即ち、バルブ
61を開くと、不凍液タンク58から不凍液56がシス
ターン28を通じて循環路24に注入される。
【0024】そして、ステップS4では循環ポンプ26
の運転を開始し、循環路24に注入された不凍液56を
循環させ、ステップS5に移行する。即ち、ポンプ循環
は所定時間として例えば、1時間以上の循環を行った
後、ステップS6に移行し、不凍液濃度を再び検出す
る。不凍液濃度が所定濃度範囲として例えば、28%以
上、32%以下になるまで不凍液56の注入を行い、ポ
ンプ循環を持続させる。不凍液濃度が所定濃度範囲に到
達したとき、ステップS7に移行し、ポンプ運転を停止
した後、ステップS1に戻る。
【0025】また、ステップS1で熱源機8の電源が投
入、即ち、通電状態のときはステップS8に移行し、水
抜き弁49、51を開いて熱源機8側の管路を通じて暖
房水6を排出させる。この排出の後、ステップS9に移
行して往き弁48及び戻り弁50を閉止し、ステップS
10に移行し、水抜き弁53を開くとともに空気圧ポン
プ55、57を運転し、循環路24の配管36、38を
加圧状態にすることにより、暖房端末2、4及び暖房端
末2、4側の循環路24の配管36、38側の暖房水6
を排出させる。配管36、38内を加圧するので、暖房
端末2、4側の細いパイプ内に残留する暖房水6を迅速
且つ確実に排出することができ、不凍液56の残留を防
止することができる。
【0026】この暖房水6の排出が完了した後、ステッ
プS11では各水抜き弁49、51、53を閉止して循
環路24を復旧させ、ステップS12に移行して往き弁
48及び戻り弁50を開き、ステップS13に移行す
る。即ち、ステップS13では、自動給水が開始され
る。
【0027】この自動給水では、バルブ54を開くこと
により、暖房水6となる水Wがシスターン28に供給さ
れ、ステップS14では水位がレベルセンサ62、64
で検出され、レベルセンサ64が高水位L2 を検出する
まで給水が行われ、暖房に必要な量の暖房水6が循環路
24に供給される。このような暖房運転の準備の後、ス
テップS1に戻る。
【0028】このように、電源遮断時には不凍液56を
供給して凍結を防止し、給電時には水Wのみによる暖房
水6を用いて暖房を行うことができる。
【0029】なお、実施例では、制御部72からの制御
出力により、水抜き弁49、51、53の開閉、往き弁
48、戻り弁50の開閉を行う場合について説明した
が、この凍結防止方法では、これらを手動によって開閉
するようにしてもよい。
【0030】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
次のような効果が得られる。 a 電源遮断時、循環路に不凍液を注入したので、暖房
水の凍結を防止でき、熱源機や循環路を凍結から防護す
ることができ、電源投入時、暖房不可という不測の事態
を回避することができ、暖房装置の信頼性を高めること
ができる。 b 凍結防止に必要な不凍液濃度を監視して不凍液の注
入量を制御するので、過剰な不凍液の注入を防止でき
る。 c 循環路に設置した加圧手段によって加圧しながら暖
房水を排出するので、暖房水の排出の迅速化を図ること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の暖房装置の凍結防止方法及びその装置
の実施例を示す図である。
【図2】凍結防止制御を示すフローチャートである。
【図3】従来の暖房装置を示す図である。
【符号の説明】
2、4 暖房端末 6 暖房水 8 熱源機 24、24A、24B 循環路 26 循環ポンプ 28 シスターン(暖房水タンク) 49、51、53 水抜き弁(排出手段) 52 給水管(供給手段) 54 バルブ(供給手段) 55、57 空気圧ポンプ(排出手段、加圧手段) 56 不凍液 58 不凍液タンク(注入手段) 60 不凍液供給管(注入手段) 61 バルブ(注入手段) 66、68 濃度検出電極(濃度検出手段)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3L070 AA01 BB01 BC02 DD08 DE07 DF05 DG04

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 暖房水を循環路を通して暖房端末に循環
    させて暖房を行う暖房装置の凍結防止方法であって、 前記暖房水を加熱する熱源機の電源が遮断されたとき、
    前記熱源機及び前記循環路内の前記暖房水に不凍液を注
    入し、前記熱源機に電源が投入されたとき、前記熱源機
    及び前記循環路から前記暖房水を排出するとともに、前
    記熱源機及び前記循環路に暖房に必要な前記暖房水を供
    給することを特徴とする暖房装置の凍結防止方法。
  2. 【請求項2】 前記不凍液の注入量は、前記暖房水の不
    凍液濃度に応じて制御することを特徴とする請求項1記
    載の暖房装置の凍結防止方法。
  3. 【請求項3】 暖房水を循環路を通して暖房端末に循環
    させて暖房を行う暖房装置の凍結防止装置であって、 前記暖房水を加熱する熱源機と、 前記暖房水を前記循環路を通して前記暖房端末に循環さ
    せる循環ポンプと、 前記循環路から前記暖房水を排出する排出手段と、 前記循環路に前記暖房水を供給する供給手段と、 前記循環路に不凍液を注入する注入手段と、 前記暖房水を加熱する前記熱源機の電源が遮断されたと
    き、前記熱源機及び前記循環路内の前記暖房水に前記不
    凍液を注入し、前記熱源機に電源が投入されたとき、前
    記熱源機及び前記循環路の前記暖房水を排出した後、前
    記熱源機及び前記循環路に暖房に必要な前記暖房水を供
    給することを特徴とする暖房装置の凍結防止装置。
  4. 【請求項4】 前記循環路から前記暖房水を排出させる
    とき、前記循環路を加圧する加圧手段を備えたことを特
    徴とする請求項3記載の暖房装置の凍結防止装置。
  5. 【請求項5】 前記循環路に循環させる前記暖房水を溜
    める暖房水タンクに不凍液濃度を検出する濃度検出手段
    を備え、前記濃度検出手段で検出された不凍液濃度に応
    じて前記不凍液濃度の注入量を制御することを特徴とす
    る請求項3記載の暖房装置の凍結防止装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016084952A (ja) * 2014-10-24 2016-05-19 株式会社ノーリツ 湯水混合装置

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