JP2002295555A - ディスクブレーキパッド及びその製造方法 - Google Patents

ディスクブレーキパッド及びその製造方法

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JP2002295555A JP2001103063A JP2001103063A JP2002295555A JP 2002295555 A JP2002295555 A JP 2002295555A JP 2001103063 A JP2001103063 A JP 2001103063A JP 2001103063 A JP2001103063 A JP 2001103063A JP 2002295555 A JP2002295555 A JP 2002295555A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 鳴きの防止効果を有するディスクブレーキパ
ッドを従来法と同じ工程を経て生産性低下を招かずに製
造可能となす。 【解決手段】 パッドの裏板31と摩擦材32を加熱、
加圧して成形接着する工程において、熱成形金型のイン
サート20に凹部6を設け、成形圧で裏板31に反りを
与えてその反りを戻す内部応力をパッド30に生じさ
せ、この内部応力を残留させて摩擦面の仕上げ研磨を行
い、その後、摩擦材32にクリープによる変形を生じさ
せて摩擦面に丸味をつけるようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、車両や産業用デ
ィスクブレーキに用いられるブレーキパッド及びその製
造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】摩擦材(ライニング)を回転しているデ
ィスクやドラムに摺接させて制動力を発生させるブレー
キは、スキール音やスキーク音などの異音を発すること
がある。この異音は制動時に特に発生し易いが、ハンド
ル操作などでディスクが振れて摩擦材が接触するといっ
た状況が起こると、制動を行っていない通常走行時にも
発生することがある。
【0003】「鳴き」と称されるその異音を防止するた
めに、ディスクブレーキにおいては、ブレーキパッド
(以下、単にパッドと云う)とこれを押圧する部材(ピ
ストンやキャリパのアウター爪)との間にシムを介在し
てパッドの振動をキャリパに伝え難くしたり、パッドの
面圧分布を適正化することが一般化しているが、鳴き対
策としては、パッド自体を鳴き難いものにすることが最
善の手法と云える。
【0004】そのパッド自体を鳴き難くすることに関
し、実開昭50−125685号は、ディスクやドラム
に対するライニングの当り角を除去する技術を提案して
おり、また、特開平2−134426号及び特開平2−
134427号は、摩擦材の外周部を中央部よりも柔ら
かくしてディスクとの当りを弱くすることを提案してい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】実開昭50−1256
85号の技術は、ライニングの当り角を除去するための
面取り工程を必要とする。一般に、ブレーキキャリパに
組み込むインナーパッドとアウターパッドは共通したも
のが用いられるため、パッドは左右対称形状に作られ
る。従って、当り角の除去も左右対称に行う必要があ
り、ひとつのパッドに施す面取りが2箇所になる。その
面取りは、パッドの形状によっては左右別々に実施せざ
るを得ない場合もあり、工程数が増えて生産性が低下す
る。
【0006】また、特開平2−134426号の技術
は、成形金型の中型の温度を上型、下型の温度と異なら
せたり、特開平2−134427号の技術はパッドの中
央部に比べて外周部の原料投入量を少なくするなどの方
法を採るので、原料の秤量投入や成形時の温度管理が複
雑になる。
【0007】この発明は、鳴きの抑制に有効な形状を持
たせディスクブレーキパッドを工程増や製造の複雑化を
招かずに作れるようにすることを課題としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、この発明においては、表面に接着剤を塗布した裏板
と、摩擦材の原料又は予備成形品を熱成形金型で加熱、
加圧して成形、接着する工程において、裏板をセットす
る熱成形金型のインサートに、裏板受け部のほぼ全面に
渡って裏板の両側端を受ける側が浅く、中央部が深くな
る凹部を設け、その凹部で成形圧着時に裏板に摩擦材接
着面の中央が凹となる反りを与えるようにしたのであ
る。
【0009】インサートに設ける凹部は、滑らかな彎曲
面で形成されるものと、段階的に深さが変化する階段形
状のものが考えられる。
【0010】なお、裏板の上方に配置して摩擦材の原料
又は予備成形品を装填するダイの底部に、反りを与えた
裏板との間の隙間を縮小する凸部を設けたり、ダイの摩
擦材両側面を成形するキャビティ側壁を、要求強度を満
たせる範囲で薄くし、そのキャビティ側壁の外面よりも
内側を、インサートに設ける前記凹部もしくはその凹部
とダイの底部に設ける凸部の形成領域とし、さらに、前
記キャビティ側壁の外面よりも外側においてダイに、裏
板との干渉を避ける盗み部を設けたりして成形、接着を
行うと、より好ましくなる場合がある。
【0011】また、裏板に接着した摩擦材の摩擦面を研
磨機で研磨仕上げする工程において、裏板を吸着する磁
石を組み込んだ研磨機のベッドに凹部を設け、裏板の両
側近傍をベッドで支持し、中央部をベッドから浮き上が
らせて摩擦面の研磨を行うのも好ましい。
【0012】これ等の方法で作られるパッドは、摩擦面
が凸形に彎曲して裏板に接着された摩擦材の厚みが中央
から両側面に向かって漸減しているものになる。
【0013】
【作用】この発明は、摩擦面がディスク中心側又はディ
スク外周側から見たときに丸味をもつパッドを作ること
で、ディスクに対する摩擦材の当りを優しくして鳴きを
防止する。
【0014】一般的なディスクブレーキパッドは、軟鉄
等でできている裏板に、繊維や充填材を熱硬化性樹脂等
の結合剤で押し固めて作った摩擦材(ライニング)を貼
り着けた構造になっている。このようなパッドは、裏板
に熱硬化性樹脂の接着剤を塗布する工程と、その裏板と
摩擦材の原料混合物又は予備成形品を熱成形金型に入
れ、加熱、加圧して成形、接着する工程、その後、実施
される養生のための熱処理工程、塗装工程、仕上げ研磨
工程等を経て製造される。
【0015】仕上げ研磨工程では、摩擦材の摩擦面をカ
ップ砥石等で研磨して仕上げる。このとき、ワークは研
磨機のベッドに固定されて回転している砥石の下を通過
する。従って、摩擦材の摩擦面は平坦に研磨される。
【0016】この発明では、一旦平坦になった摩擦面を
時間経過に従って丸味を帯びさせる。そのために、裏板
を凹形に反らせて摩擦材の成形、接着を行い、パッド
に、裏板の反りを消滅させる方向(摩擦の中央を盛り上
がらせる方向)の内部応力をもたせることにした。ここ
で云う内部応力とは、裏板と摩擦材が引っ張り合う力で
ある。仕上げ研磨時点で内部応力が残留していると、軟
鉄等でできている裏板は摩擦材を引き伸ばして弾性復元
しようとする。これに対し、摩擦材は、引っ張りに抵抗
して裏板の反りを保とうとするが、高分子材料特有のク
リープ現象により時間経過と共に永久変形を起こして引
っ張りに抗する力が次第に弱くなる。このため、研磨仕
上げ後のパッドが裏板の弾性復元力で徐々に変形し、研
磨時に平坦であった摩擦面が丸味を帯びたものになる。
【0017】その内部応力をもたせるために、この発明
ではインサートに凹部を設けて成形時に裏板を反らせる
ようにした。インサートに中央部が深くなる凹部が設け
られていると、裏板の両側部(ディスクの回入側と回出
側におかれる端部)がインサートに支持され、中央部は
インサートから浮き上る。このため、裏板は浮いた部分
が成形圧で押し下げられ、支持点から最も離れている中
央部が最大限に落ち込んで凹形に自然に反る。従って、
この発明の方法によれば、一般的な製造方法と全く同じ
工程を経て摩擦面が丸味を帯びたパッドを作ることがで
き、生産性の低下を招かない。
【0018】なお、この発明の方法を実施する上ではい
くつかの問題が起こり得る。その問題と、その解決策に
ついては次項で詳しく述べる。
【0019】
【発明の実施の形態】図1にディスクブレーキパッドの
製造方法の一例を示す。符号1は、固定部材(図示せ
ず)で受け支えた熱成形金型のインサートであり、この
上に、接着剤を塗布した裏板31が位置決めブロック2
などで位置決めしてセットされる。3は熱成形金型のダ
イである。このダイ3を裏板31上に降下させ、ダイの
キャビティ4内に摩擦材の原料32a又は予備成形品を
入れ(図1(b))、その後、原料を加熱し、パンチ5
で加圧して摩擦材32の成形、接着を行う(図1
(c))。
【0020】この工程において、従来は、裏板受け部が
平坦なインサートを使用していたが、この発明では、図
2に示すように、裏板受け部のほぼ全面に渡って凹部6
を設けたインサート20を使用する。このインサート2
0を用いると、図3に示すように、裏板31(図の左右
端が両側部)が成形圧で凹部6に沿って反り、この状態
で摩擦材32の接着がなされる。
【0021】一般に、裏板の表面に塗布した接着剤と摩
擦材の原料中に含ませる結合剤は熱硬化性樹脂で形成さ
れる。これ等の熱硬化性樹脂は、熱成形開始時点で融
け、成形終了時までに硬化反応が起きて固化する性質が
ある。この熱成形時に摩擦材32の成形と裏板31への
接着がなされる。裏板31は、成形時には成形圧で図4
(a)のように反っているが、成形接着を終えて金型か
ら取り出すと、圧力が無くなるため元の平坦な形に弾性
復元しようとする。しかし、このときには既に、摩擦材
32が接着されているため摩擦材による抵抗を受けて完
全には元の形に戻りきれず、図4(b)のように反りが
残った形になる。この時点でパッド30に狙いとする応
力が残留する。そこで、その応力を残した状況下で摩擦
面33を研磨機で図4(c)のように平坦に研磨する。
【0022】パッド30に生じる内部応力は、熱成形時
の高温から室温への冷却過程で、裏板と摩擦材の熱膨張
係数差により強くなったり、弱くなったりするが、冷却
過程で内部応力が弱まるような材料の組み合わせがなさ
れる場合も、インサートの凹部を深くして裏板の反りを
大きくすれば、不足の無い内部応力を残留させて摩擦面
の仕上げ研磨を行うことができる。
【0023】研磨仕上げ後のパッド30は、時間経過と
共に摩擦材のクリープによる伸びが生じ、長期間、例え
ば1ケ月以上保管すると裏板が原形に戻って図4(d)
のように摩擦面33が丸味を帯び、ディスクDに接する
ときの直角な当り角が無くなって鳴きを生じ難いものに
なる。
【0024】なお、摩擦材のクリープによる内部応力の
減少は、裏板の反りの経時変化量を測定することで確認
できる。その測定により、一般的な製造ラインでは熱成
形時に生じさせた内部応力の殆どを研磨工程まで残し得
ることを確認した。
【0025】次に、この発明の方法を実施する上での3
つの問題とその解決策について述べる。
【0026】問題のひとつは、インサートに設ける凹部
を大きくすると、パッドの中央部におけるダイと裏板間
に生じる隙間が大きくなり、摩擦材の原料が成形圧に押
されてダイのキャビティ外にはみ出すことである。この
不具合を解決するために、図5に示すように、ダイ3の
底部に、反りを生じた裏板31との間の隙間を縮小する
凸部7を設けることにした。その凸部7は、裏板の反り
に合わせて下向き凸形に彎曲したものにすると裏板との
間に生じる隙間が最も小さくなる。なお、摩擦材の原料
組成、成形条件及び成形時に裏板に与える反りの度合に
よっては、裏板とダイ間に隙間があっても原料のはみ出
しは起こらないことがある。従って、凸部7は必須の要
素ではなく、必要に応じて設ければよい。
【0027】問題の2つ目は、インサート20に設ける
凹部6やダイ3に設ける凸部7を図2及び図5に示すよ
うな滑らかな曲面にすると、金型の製作コストが高くな
ることである。滑らかな曲面を加工しようとすると3次
元NC研磨機などの高価な加工設備が必要になる。ま
た、3次元NC研磨機は汎用の2次元研磨機に比べて高
度な制御を必要とし、加工速度も遅い。
【0028】その対策として、2つの方法を考えつい
た。そのうちのひとつは、加工領域を特定して無駄に広
げないようにすることである。そのために、図5に示す
ように、ダイ3の摩擦材両側面を成形するキャビティ側
壁4aの厚みtを要求強度を満たし得る範囲で極力薄く
し、左右のキャビティ側壁の外面間の領域L1 を凸部7
の形成域とした。このとき、裏板31がL1 外にはみ出
す大きさであれば、キャビティ側壁4aの外面の外側に
裏板との干渉を回避する盗み部8を設ける。また、裏板
がL1 の内側に納まるサイズであれば、凸部形成領域は
裏板の幅(両側部間寸法)に合わせる。
【0029】金型製作コストの低減策の他のひとつは、
図6に示すように、インサート20に設ける凹部6を階
段状にしてその深さを中央に向かって段階的に深くする
ことである。この凹部6に対応させて凸部7も階段状に
してよい(図6(b))。この構造でも裏板31を弓な
りに反らせることができる。この階段状の凹部6や凸部
7は、平面の組み合わせであるので、安価な2次元研磨
機で加工することができる。
【0030】問題の3つ目は、摩擦面の仕上げ研磨時に
研磨機のベッドによるパッドの支持が不安定になること
である。研磨機のベッドに対するパッドの固定は、通
常、磁石を組込んだ研磨機のベッドに、磁石で裏板を吸
着する方法で行っているが、この発明の方法で製造され
るパッドは、裏板が反って丸味を帯びているため、ベッ
ドによる保持姿勢が安定せず、研磨面の平坦度が悪くな
ったり、砥石の喰い付き時にパッドが跳ね飛ばされたり
する虞れがある。そこで、図7に示すように、研磨機9
のベッド10(11は砥石)に裏板31の背面中央部を
ベッドの支持面から浮き上がらせる凹部12を設け、裏
板31の両側部をベッド10で支えるようにした。
【0031】なお、従来法で凹部の無いインサートを使
用して製造されるパッドも、裏板と摩擦材の熱膨張係数
に差があると研磨仕上げ時に内部応力を保有するものに
なる。そのときのパッドの形状変化の様子を図8、図9
に示す。従来法で製造されるパッドは、図8(a)、図
9(a)に示すように、熱成形時には裏板31、摩擦材
32とも平坦であるが、摩擦材32の熱膨張係数が裏板
31のそれよりも大きければ、図8(b)〜図8(d)
のように形を変え、摩擦材32の熱膨張係数が裏板31
のそれよりも小さければ、図9(b)〜図9(d)のよ
うに形を変える。なお、両図とも(b)は金型から取出
し、冷却後、(c)は摩擦面の研磨仕上げ後、(d)は
長期保管後の形である。
【0032】図8(d)の場合、本発明品のパッドと同
様、摩擦面33が丸味を帯びているが、従来法で得られ
るパッドは、その丸味の制御ができず、鳴きの防止が不
確実になる。
【0033】図9(d)のような鳴きを助長し易いもの
になることもある。
【0034】この発明の方法は、成形接着時に裏板に図
9(d)の凹み量dよりも大きな反りを与えることで、
摩擦材の熱膨張係数が裏板のそれよりも小さいときにも
摩擦面33を図4(d)の形にすることができる。
【0035】また、摩擦材材料の種類によってクラック
の発生し易い材料と発生し難い材料がある。反り量のコ
ントロールを行い、クラックの発生しない範囲で反り量
を決めることが好ましい。
【0036】以下に、効果の確認実験結果を記す。図6
の熱成形金型(L1 =150mm、t=25mm、h2
=2.4mm、各段の段差1.2mm)を用いてパッド
を、成形温度160℃、圧力10MPa、時間10分の
条件で製造した。パッドの裏板は軟鉄、摩擦材はスチー
ル繊維を主体とし、無機充填材、有機充填材、フェノー
ル樹脂を混合したセミメタリック系原料を用いた。裏板
は、接着剤となるフェノール樹脂を表面に予め塗布して
いる。
【0037】こうして得られたパッドの反り量を図10
に示す平面度測定法で調べた。図10の方法は、定盤
(図示せず)上に支持ブロック13を3個置いて高さを
揃え、その支持ブロック13で裏板31の端部3点を支
え、摩擦面33の両端部の高さH1 、H2 と中央部の高
さH3 を測定し、摩擦面の反り量Xを、X=H3 −(H
1 +H2 )/2の式で求める。
【0038】裏板33の反り量も、パッド30を反転さ
せて同様の方法で測定した。
【0039】その結果、この発明の方法で得られたパッ
ドは、摩擦面研磨後の裏板反り量が+0.5mm(従来
法によるものは発明品とは反対方向に−0.01mmの
反りが生じた)、摩擦面の反り量は発明品、従来品とも
ゼロであった。
【0040】また、1ケ月間放置後の裏板の反り量は発
明品、従来品ともゼロになり、発明品については、摩擦
面33に仕上げ研磨時に裏板が反っていた量に相当する
+0.5mmの反り(中央が凸となる方向の反り)が生
じた。従来品は発明品とは逆に摩擦面が凹になる方向に
反り、その反り量は−0.01mmであった。
【0041】
【発明の効果】以上述べたように、この発明の方法によ
れば、一般的な製造方法と同じ工程を経て鳴きの防止に
有効な摩擦面が丸味を帯びたパッドを製造でき、生産性
の低下が生じない。
【0042】また、摩擦面の丸味を制御して安定した鳴
きの防止効果を発揮させることができ、摩擦材の熱膨張
係数が裏板のそれより小さいときにも摩擦面に丸味を帯
びさせて鳴きを防止することかできる。
【0043】このほか、ダイの底部に反りを生じた裏板
との間の隙間を小さくする凸部を設ける方法は、摩擦材
のはみ出しを抑制でき、また、インサートに設ける凹部
やダイ底部の凸部を階段形状にする方法やその凹部、凸
部の形成領域を特定する方法は金型の制作費と製作の手
間を削減することができる。
【0044】さらに、研磨機のベッドに凹部を設ける方
法は、反りを生じたパッドを研磨機のベッドに安定して
固定でき、加工の安全性向上、製品の品質の安定化が図
れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】パッドの製造方法の一例を示す動作工程図であ
り、(a)はインサートに裏板とダイを組合わせた状
態、(b)は摩擦材原料投入後の状態、(c)は原料を
加熱、加圧して摩擦材の成形と接着を行っている状態を
各々表わしている。
【図2】この発明で用いる熱成形金型の一例を示す断面
【図3】図2の金型による成形、接着時の作用断面図
【図4】この発明の方法で製造されるパッドの形状変化
の過程を示す図であり、(a)は熱成形時、(b)は熱
成形金型から取出して冷却した後、(c)は仕上研磨
後、(d)は1ヶ月以上保管し、ディスクブレーキに組
込んだ後の状態を各々表わしている。
【図5】金型の変形例を示す断面図
【図6】(a)金型の更に他の例を示す断面図 (b)金型の更に他の例を示す断面図
【図7】研磨機のベッドに凹部を設ける例を示す図
【図8】従来法で製造されるパッドの形状変化の一例を
示す図であり、(a)は熱成形時、(b)は熱成形金型
から取出して冷却した後、(c)は仕上研磨後、(d)
は1ヶ月以上保管し、ディスクブレーキに組込んだ後の
状態を各々表わしている。
【図9】従来法で製造されるパッドの形状変化の他の例
を示す図であり、(a)は熱成形時、(b)は熱成形金
型から取出して冷却した後、(c)は仕上研磨後、
(d)は1ヶ月以上保管し、ディスクブレーキに組込ん
だ後の状態を各々表わしている。
【図10】パッドの反り量の測定法を示す図
【符号の説明】
1、20 インサート 2 位置決めブロック 3 ダイ 4 キャビティ 4a キャビティ側壁 5 パンチ 6 凹部 7 凸部 8 盗み部 9 研磨機 10 ベッド 11 カップ砥石 12 凹部 30 パッド 31 裏板 32 摩擦材 32a 摩擦材原料 33 摩擦面 L プレート巾 L1 インサート凹み又はダイ凸部加工領域巾 h、h2 インサートの凹み量 t キャビティ側壁厚み D ディスク 13 支持ブック 1 、H2 、H3 摩擦面両端部(H1 、H2 )と中央
部(H3 )の定盤からの高さ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3J058 AA62 BA21 CA43 CA47 DD11 EA03 EA39 FA01 FA11 GA04 GA43 GA55 GA61 GA92 4F202 AE08 AG03 AG21 AH81 AM35 CA09 CB01 CB22 CK12 CN01 4F204 AE08 AG03 AG21 AH81 AM35 FA01 FB01 FB22 FQ01 FQ15

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面に接着剤を塗布した裏板と、摩擦材
    の原料又は予備成形品を熱成形金型で加熱、加圧して成
    形、接着する工程において、裏板をセットする熱成形金
    型のインサートに、裏板受け部のほぼ全面に渡って裏板
    の両側端を受ける側が浅く、中央部が深くなる凹部を設
    け、その凹部で成形圧着時に裏板に摩擦材接着面の中央
    が凹となる反りを与えることを特徴とするディスクブレ
    ーキパッドの製造方法。
  2. 【請求項2】 インサートに設ける前記凹部を、滑らか
    な彎曲面で形成した請求項1記載のディスクブレーキパ
    ッドの製造方法。
  3. 【請求項3】 インサートに設ける前記凹部を、段階的
    に深さが変化する階段形状にした請求項1記載のディス
    クブレーキパッドの製造方法。
  4. 【請求項4】 裏板の上方に配置して摩擦材の原料又は
    予備成形品を装填するダイの底部に、反りを与えた裏板
    との間の隙間を縮小する凸部を設けた請求項1乃至3の
    ずれかに記載のディスクブレーキパッドの製造方法。
  5. 【請求項5】 ダイの摩擦材両側面を成形するキャビテ
    ィ側壁を、要求強度を満たせる範囲で薄くし、そのキャ
    ビティ側壁の外面よりも内側を、インサートに設ける前
    記凹部もしくはその凹部とダイの底部に設ける凸部の形
    成領域とし、さらに、前記キャビティ側壁の外面よりも
    外側においてダイに、裏板との干渉を避ける盗み部を設
    けた請求項1乃至4のいずれかに記載のディスクブレー
    キパッドの製造方法。
  6. 【請求項6】 裏板に接着した摩擦材の摩擦面を研磨機
    で研磨仕上げする工程において、裏板を吸着する磁石を
    組み込んだ研磨機のベッドに凹部を設け、裏板の両側近
    傍をベッドで支持し、中央部をベッドから浮き上がらせ
    て摩擦面の研磨を行うことを特徴とする請求項1乃至5
    のいずれかに記載のディスクブレーキパッドの製造方
    法。
  7. 【請求項7】 請求項1乃至6のいずれかの方法で製造
    され、摩擦面が凸形に彎曲して裏板に接着された摩擦材
    の厚みが中央から両側面に向かって漸減しているディス
    クブレーキパッド。
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