JP2002295007A - 枠組み足場の構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ジャッキーベースの位置および支持高さを決
めて、足場の組立を効率良くおこなうことのできる構造
を提供する。 【解決手段】 ジャッキーベース１に係合する係合部８
と、矩形の対角線方向で対向するそれぞれ２つの係合部
８同士を連結する２本の軸部材１０と、これらの２本の
軸部材１０をその長手方向に相対移動できないように互
いに連結する、各軸部材１０の中間部に設けられた連結
部１１と、矩形の短辺方向で互いに隣接する２つの係合
部８同士を連結する短辺用連結部材９とを備えている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、建築構造物に沿
って組み立てられる枠組み足場に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】この種の枠組み足場の一例として、いわ
ゆる支柱部分となる鳥居枠を水平方向及び垂直方向に並
べて連結して、その鳥居枠同士の上端部分に踏み板もし
くは足場板を載せ足場とした構造のものが知られてい
る。この種の足場は、建築現場の特には整地されていな
い地面に直接設置されるので、各鳥居枠の下端部の高さ
を揃えて、鳥居枠同士の間に掛け渡される足場板を水平
状態にする必要がある。そのため、従来一般には、足場
を組む箇所の地面に敷き板を配置し、その上に、高さ調
整可能なジャッキベースを載せ、そのジャッキーベース
における高さ調整ナット等の調整部材の上に鳥居枠の下
端部を載せ、しかる後にその調整部材によって、鳥居枠
の高さ調整をおこなっている。

【０００３】より具体的に従来の枠組み足場の構造につ
いて説明すると、鳥居枠や足場板の寸法は規格化されて
おり、したがって、設置現場において、敷き板上に必要
数のジャッキーベースを目検討を付けた位置に配置す
る。そして、建物のコーナー部分などの足場の基準とな
る箇所において、鳥居枠を建物に対して垂直となる向き
に保持し、その２つの下端部を、一対のジャッキーベー
スのねじ軸に嵌合させ、そのジャッキーベースにおける
調整部材上に載せる。このような作業を第２番目の鳥居
枠についておこない、一対の鳥居枠を建物に対して平行
の方向で互いに対向させて配置する。その場合、鳥居枠
の幅に対して、鳥居枠同士の間隔すなわち一対の鳥居枠
の上に載せられる足場板の長さが長いので、互いに対向
する一対の鳥居枠を支持する４つのジャッキーベース
は、矩形の４つの角部に相当する位置に配置されること
になる。

【０００４】このように配置された鳥居枠を、支持剛性
の充分な枠組み体とするために、一対の鳥居枠のうち、
上記の矩形の長辺側で対向する部分を、互いに交差する
それぞれ一対の筋交いによって連結し、各鳥居枠を直立
状態に保持する。こうすることにより、枠組み足場を構
成する１ユニットが組み立てられる。なお、それらの鳥
居枠の上に足場板を載せた状態で１ユニットされること
もある。

【０００５】このようにして組まれたユニットにおける
一方の鳥居枠に対して、更に他の鳥居枠を平行に対向さ
せて保持し、当該他の鳥居枠を、前述したと同様にして
ジャッキーベースによって支持し、かつ一対の筋交いに
よって起立状態に保持する。以降同様にして、多数の鳥
居枠を水平方向につなげることにより、１段目の枠組み
が形成される。

【０００６】この状態では、複数の鳥居枠をつなげただ
けの状態となっているので、高さが揃っておらず、また
正確に直線上に並べられていない。そのため、１段目の
枠組みを組み立てた後に、基準となる鳥居枠についての
２つのジャッキーベースにおける調整部材を調整して、
そのジャッキーベースの水平状態および高さの調整をお
こない、ついでその鳥居枠を基準にして他のジャッキー
ベースによる高さ調整、および直線状に配列するための
位置調整をおこなう。その作業は、１段目の枠組みの全
体についておこなうので、一般には、トランジットや目
視によって高さや位置を確認しつつ、１つずつのジャッ
キーベースの調整をおこなう作業になる。

【０００７】こうして１段目の枠組みの設置および調整
が完了した後に、各ジャッキーベースを敷き板に釘など
の手段で固定し、ついで、２段目以上の足場を汲み上げ
ている。なお、１段目の枠組みを構成している各鳥居枠
のうち、建物とは反対側すなわち外側の部分の下端部に
沿ってパイプ材を配置し、そのパイプ材によって各鳥居
枠を連結している。また、１段目の所定の鳥居枠の下端
部すなわちジャッキーベースのねじ軸に嵌合させられて
いる部分を繋ぐようにパイプ材を配置し、ここに階段の
下端部を固定することがおこなわれている。そのパイプ
材は、転ばしと称されることがある。

【０００８】

【発明が解決しようとする課題】上述したように、従来
の枠組み足場は、上述した１ユニットもしくは１段目の
枠組みが組み上がった状態で、その位置や高さの調整を
おこなうように構成されている。したがって上記の１ユ
ニットもしくは１段目の枠組みが組み上がるまでは、ジ
ャッキーベースを固定することができない。そのため、
位置の決められたいない一対のジャッキーベースにおけ
るねじ軸に対して、鳥居枠の２つの下端部を差し込む必
要があるので、重量のある鳥居枠を手で持ち上げた状態
での難しい作業が余儀なくされる。具体的には、鳥居枠
を両手で持ち上げた状態でその下端部を各ジャッキーベ
ースのねじ軸に差し込まなければならないので、ジャッ
キーベースの位置がずれていれば、そのジャッキーベー
スを足で移動させる必要があり、また、左右の敷き板が
傾斜していて各ジャッキーベースのねじ軸の向きが異な
っていれば、鳥居枠の両方の端部を同時に各ねじ軸に差
し込むことが困難になる。このようにいわゆる両手両足
を使った力の要る作業になるので、作業効率がわるいば
かりでなく、作業者に大きい負担が掛かる問題があっ
た。

【０００９】また、一対のジャッキーベースの調整部材
に載せた状態の鳥居枠は、単にジャッキーベースに載っ
ているだけであるから、そのままでは倒れてしまうこと
があり、そのため何らかの支えをおこなって状態で筋交
いの取り付けをおこなう必要がある。しかしながら、実
際には、短時間で作業を終了する必要に迫られているの
で、作業者が無理な姿勢を取って作業をおこなってお
り、あるいは支えと筋交いの取り付けとを複数人の作業
者が共同しておこなっている。さらに、１段目の枠組み
の水平状態や直線性は、離れた位置から確認して調整す
る必要があるので、必ず複数人による作業が必要とな
る。結局、従来の枠組み足場の構造では、作業者に対す
る負担が大きいばかりか、複数人の作業者を必要として
おり、そのために、作業効率およびコストの点で改善す
るべき余地が多分にあった。

【００１０】この発明は、上記の事情を背景にしてなさ
れたものであり、簡単かつ効率よく汲み上げることので
きる枠組み足場の構造を提供することを目的とするもの
である。

【００１１】

【課題を解決するための手段およびその作用】この発明
は、上記の目的を達成するために、ジャッキーベースの
位置および高さ調整をおこなうための手段を設けたこと
を特徴とするものである。より具体的には、請求項１の
発明は、上下位置を調整可能な調整部材を備えた４つの
ジャッキベースを所定の矩形のコーナー部に相当する位
置に設置するとともに、前記矩形の短辺となる位置に互
いに隣接して配置される２つのジャッキベースの調整部
材上に矩形状を成す鳥居枠の下端部を載せて支持し、か
つ他の２つのジャッキベースにおける調整設置部材上に
他の鳥居枠を設置してこれら２つの鳥居枠を互いに平行
に対向させて配置し、これら一対の鳥居枠の前記矩形の
長辺側で隣接する部分を連結用部材によって連結するこ
とにより１ユニットの枠体を構成し、その１ユニットの
枠体を水平方向及び垂直方向に複数連結して組み立てら
れる枠組み足場の構造において、前記ジャッキーベース
に係合する係合部と、前記矩形の対角線方向で対向する
それぞれ２つの係合部同士を連結する２本の軸部材と、
これらの２本の軸部材をその長手方向に相対移動できな
いように互いに連結する、各軸部材の中間部に設けられ
た連結部と、前記矩形の短辺方向で互いに隣接する２つ
の係合部同士を連結する短辺用連結部材とを備えている
ことを特徴とする構造である。

【００１２】したがって、請求項１の発明では、４つの
ジャッキーベースに係合部が取り付けられ、そのうちの
前記矩形の対角線方向で対向するそれぞれ２つの係合部
が、交差状態に配置される２本の軸部材によって連結さ
れる。そして、その軸部材同士が、それぞれの中間部の
連結部で連結される。さらに、前記矩形の短辺方向で隣
接する係合部が短辺用連結部材によって連結される。そ
の結果、係合部を介して、短辺用連結部材と、各軸部材
の係合部から連結部までの部分とで三角形が形成される
ので、４つの係合部の位置すなわち４つのジャッキーベ
ースの位置が決められる。そして、係合部同士を連結し
ている軸部材もしくは短辺用連結部材に水準器をあてが
うなどのことにより、ジャッキーベースの高さ調整がお
こなわれる。こうして位置および高さの決められたジャ
ッキーベースに対して鳥居枠を載せ、かつ互いに対向す
る鳥居枠を、前記矩形の長辺に対応する側の部分で筋交
いにより連結すれば、１ユニットの枠組みが形成され、
これを複数連結することにより足場が組み上がる。

【００１３】また、請求項２の発明は、上下位置を調整
可能な調整部材を備えた４つのジャッキベースを所定の
矩形のコーナー部に相当する位置に設置するとともに、
前記矩形の短辺となる位置に互いに隣接して配置される
２つのジャッキベースの調整部材上に矩形状を成す鳥居
枠の下端部を載せて支持し、かつ他の２つのジャッキベ
ースにおける調整設置部材上に他の鳥居枠を設置してこ
れら２つの鳥居枠を互いに平行に対向させて配置し、こ
れら一対の鳥居枠の前記矩形の長辺側で隣接する部分を
連結用部材によって連結することにより１ユニットの枠
体を構成し、その１ユニットの枠体を水平方向及び垂直
方向に複数連結して組み立てられる枠組み足場の構造に
おいて、前記ジャッキーベースに係合する係合部と、前
記矩形の各辺に沿う方向で互いに隣接するそれぞれ２つ
の係合部同士を連結する軸部材とを備え、前記係合部を
挟んで互いに隣接する軸部材同士が、水平面上で直角を
なすように保持されていることを特徴とする構造であ
る。

【００１４】したがって請求項２の発明では、４つのジ
ャッキーベースに係合部が取り付けられ、そのうちの前
記矩形の各辺に沿う方向で互いに隣接する係合部がそれ
ぞれ軸部材によって連結される。そして、それら係合部
を挟んで隣接する軸部材同士が直角をなすように保持さ
れる。その結果、各ジャッキーベースは、係合部が取り
付けられ、かつそれらの係合部が軸部材によって連結さ
れることにより、矩形の４つの角部に位置するように位
置が決められる。そして、係合部同士を連結している軸
部材に水準器をあてがうなどのことにより、ジャッキー
ベースの高さ調整がおこなわれる。こうして位置および
高さの決められたジャッキーベースに対して鳥居枠を載
せ、かつ互いに対向する鳥居枠を、前記矩形の長辺に対
応する側の部分で筋交いにより連結すれば、１ユニット
の枠組みが形成され、これを複数連結することにより足
場が組み上がる。

【００１５】

【発明の実施の形態】つぎに、図面を参照してこの発明
の枠組み足場の構造を説明する。図１は請求項１の発明
に係る一具体例を説明するための図であって、複数連結
および積み重ねることにより足場を構成する１ユニット
の枠体を示している。すなわち、下端部の支えをなすジ
ャッキーベース１は、従来から知られているように、台
形ねじなどのねじを成形したねじ軸２に、高い方向の位
置を調整するための調整部材である調整ナット３を螺合
した構造であって、図示しない敷き板などに固定される
ようになっている。

【００１６】このジャッキーベース１に載せてジャッキ
ーベース１によって支えられる鳥居枠４は、従来から知
られている形状の枠状の部材であって、互いに平行な一
対の脚の部分の上端部が、梁に相当する横軸材によって
連結され、その梁に相当する横軸材と脚の部分とがアー
ム部で連結され、全体としてほぼ鳥居の形状に形成され
ている。この鳥居枠４の全体は、パイプ材によって構成
されており、したがってその脚の部分をジャッキーベー
ス１のねじ軸２に差し込むようになっている。また、脚
の部分の上端部には、上側につなげられる他の鳥居枠４
の下端部が差し込まれるようになっている。

【００１７】この鳥居枠４は、ジャッキーベース１に載
せた状態で互いに対向して配置され、その状態で一方の
鳥居枠４における脚部と他方の鳥居枠４における脚部と
が、互いに交差する一対の筋交い５によって連結され、
その結果、一対の鳥居枠４が互いに平行に起立状態に配
置され、１ユニットの枠組みを形成する。そして、これ
ら一対の鳥居枠４における梁に相当する横軸材に足場板
６を掛け渡して載せることにより、足場となる。なお、
上記の筋交い５は、それぞれの交差部分をピン７によっ
て連結されている。これは、一対の鳥居枠４による枠組
みが平行四辺形状に撓まないようにするためである。

【００１８】上記のジャッキーベース１における調整ナ
ット３の上には、それぞれ係合部８が配置されている。
これらの係合部８は、ジャッキーベース１同士を連結す
るためのものであって、前記ねじ軸２に嵌合する円筒状
に形成されている。またその外径は、上述した鳥居枠４
における脚の部分の外径より大きい外径に設定されてい
る。これは、鳥居枠４の下端部を係合部８の上に載せて
支持するためである。

【００１９】ジャッキーベース１における調整ナット３
に接触して載っているいわゆる下端の係合部８同士が、
前述した梁に相当する横軸材と同様のパイプ材からなる
短辺用連結部材９によって連結されている。具体的に
は、その短辺用連結部材９の両端部が係合部８の外周面
に溶接などの手段で固着されている。なお、この短辺用
連結部材９によって連結された係合部の中心間距離は、
鳥居枠４における脚の部分の中心距離と同じである。な
お、この短辺用連結部材９を前述した転ばしと称される
部材と同じ強度のパイプ材によって形成することによ
り、従来使用していた転ばしを省略できる。

【００２０】上記の調節ナット３上の２番目および３番
目の係合部８は、４つのジャッキーベース１によって形
成される矩形の対角線方向で対向するジャッキーベース
１同士を連結するためのものであって、対角線方向で対
向するそれぞれ一対の係合部８同士が軸部材１０によっ
て連結されている。これらの軸部材１０は、前述した１
ユニットの規格寸法に応じた同じ長さの部材であって、
例えば円形断面のパイプ材もしくは矩形断面あるいは方
形断面のパイプ材によって形成されている。より具体的
には、軸部材１０をなすパイプ材の両端部に係合部８が
溶接などの手段で固着されている。

【００２１】したがって各軸部材１０はその中間部で交
差することになり、その交差部分すなわち軸部材１０の
中間部に、これら軸部材１０をその長手方向（軸線方
向）に相対移動しないように連結する連結部が形成され
ている。この連結部は、図１に示す例では、軸部材１０
に貫通させたピン１１によって構成されている。

【００２２】なお、軸部材１０を上下にずらせて交差さ
せる必要があるので、軸部材１０を構成しているパイプ
材は、円筒状をなす係合部８における軸線方向に偏った
位置に固着することが好ましい。このような構成であれ
ば、ねじ軸２に対して係合部８を嵌合させる向きを、い
ずれか一対のジャッキーベース１と他の一対のジャッキ
ーベース１とで反転されれば、一方の軸部材１０が他方
の軸部材１０に対して上下方向にずれて位置することに
なる。

【００２３】したがって上述した構造では、鳥居枠４お
よび足場板６の寸法によって決まる矩形の４つの角部に
配置されるジャッキーベース１のうち、短辺側で隣接す
るジャッキーベース１同士が、そのねじ軸２に嵌合させ
た係合部８およびこれを連結している短辺用連結部材９
によって連結される。また、上記の矩形の対角線方向で
対向する一対のジャッキーベース１同士が、そのねじ軸
２に嵌合させた係合部８およびその係合部８を連結して
いる軸部材１０によって連結され、かつそれらの軸部材
１０が中間部でピン１１によって連結されている。その
結果、短辺用連結部材９と各軸部材１０の係合部８から
連結部までの部分とによって、係合部８を介して二等辺
三角形が形成される。そのために、これらの連結部材９
および軸部材１０の長さに応じてジャッキーベース１の
位置が、鳥居枠４および足場板６の寸法で決まる矩形の
４つの角部に正確に決められ、かつ固定される。

【００２４】また、ジャッキーベース１同士を連結する
機能を果たす各係合部８が、調整ナット３の上に載って
いるので、各係合部８の寸法を同一とし、かつ短辺用連
結部材９や軸部材１０と係合部８との連結状態を一定と
することにより、その短辺用連結部材９や軸部材１０に
水準器（図示せず）をあてがって調整ナット３の高さを
調整することにより、各調整ナット３の高さを同一高さ
に揃えることができる。すなわち、その上に載せる鳥居
枠４の水平を出すことができる。

【００２５】上記の構造では、以上述べたように、係合
部８および短辺用連結部材９ならびに軸部材１０によっ
てジャッキーベース１の位置および調整ナット３の高さ
を決めることができる。言い換えれば、鳥居枠４を組み
付ける以前にジャッキーベース１の位置を決めて固定す
ることができるので、鳥居枠４をジャッキーベース１の
ねじ軸２に対して容易に嵌め込むことができ、またその
状態で鳥居枠４を特に支えることなく起立状態に維持さ
せることができるので、鳥居枠４の組み付けが容易にな
る。

【００２６】すなわち、この発明に係る上記の構造で
は、予めジャッキーベース１の位置を決めて固定し、か
つ調整ナット３の高さを調整しておき、その状態で各ジ
ャッキーベース１に対して鳥居枠４を載せ、さらにそれ
らの鳥居枠４を筋交い５によって連結し、さらにその鳥
居枠４の上に足場板６を載せることにより、１ユニット
の足場枠が組み立てられる。その場合、各ジャッキーベ
ース１が規定の位置に固定されているので、鳥居枠４を
ジャッキーベース１に対して容易に嵌め込むことがで
き、また同時に水平状態とすることができ、さらに水平
方向に連結された鳥居枠４が直線状に配列される。言い
換えれば、１段目の枠組みを組み上げると同時に水平状
態および直線状態に設定できるので、事後的に位置調整
および高さ調整をする必要がなく、その結果、一人での
作業が可能になる。

【００２７】なお、上述した係合部８は、調整ナット３
の上に複数個を載せる構造であるから、軸心を合わせる
ために、各係合部８の軸線方向での端面をテーパ状の環
状凸部および環状凹部に形成しても良い。

【００２８】また、上述した軸部材１０と係合部８と
は、一体化した構造である必要はなく、組立時に連結で
きる構造であっても良い。例えば、軸部材１０を矩形断
面のパイプ材とした場合、図２に示すように、係合部８
の外周面に平板状の受け部１２およびその受け部１２の
立設した係合ピン１３を設け、ここに矩形断面の軸部材
１０の端部を載せるとともに、係合ピン１３に係合させ
るようにしても良い。さらに、軸部材１０が円形断面の
パイプ材である場合には、図２に示す受け部１２を半円
形状の凹曲面をなす構造にしても良い。そしてまた、図
２に示す例では、短辺用連結部材９を係合部８に一体化
してあるが、この発明では、この短辺用連結部材９を係
合部８に対して選択的に連結できるように構成しても良
い。

【００２９】さらに、この発明において対角線方向で対
向するジャッキーベース１を連結するための軸部材１０
の交差部分を連結する連結部は、上述したピン１１に替
えて、噛み合い構造としても良い。その例を図３に示し
てある。すなわち、軸部材１０の中間部に切り欠き部１
４を形成し、軸部材１０を所定の角度で交差させた場合
に、これらの切り欠き部１４が互いに噛み合って、軸部
材１０同士の軸線方向への相対移動を阻止するように構
成しても良い。

【００３０】つぎにこの発明の他の具体例を説明する。
前述したようにこの発明の構造は、４つのジャッキーベ
ース１の位置およびその調整ナット３の高さを、鳥居枠
４を組み付けることなく設定できるように構成した構造
であり、したがってジャッキーベース１に取り付ける係
合部８を連結する部材は、上述した短辺用連結部材９お
よび軸部材１０に替えて、矩形状の枠状の部材であって
も良い。すなわち図４に示すように、ジャッキーベース
１のねじ軸２に嵌め込まれて矩形の４つ角部（頂点部
分）に配置される４つの係合部８のうち、矩形の長辺お
よび短辺方向で互いに隣接する係合部８同士が、円形断
面もしくは矩形断面のパイプ材などからなる軸部材１５
によって連結されている。また、係合部８を挟んで互い
に隣接する軸部材１５のなす角度が直角となるように、
これらの軸部材１５を連結する補強材１６が設けられて
いる。その結果、４つのコーナ部を係合部８によって構
成した全体として矩形をなす枠状部材１７が形成されて
いる。

【００３１】この枠状部材１７を使用して足場を組む場
合、敷き板上にランダムに配置したジャッキーベース１
のねじ軸２を各係合部８に嵌合させることにより、４つ
のジャッキーベース１の位置を、矩形の４つ角部に位置
するように決める。その状態でジャッキーベース１を敷
き板に固定し、また係合部８を繋いでいる軸部材１５に
水準器などをあてがった状態で調整ナット３を回し、調
整ナット３の高さ、すなわち係合部８の高さが揃うよう
に調整ナット３の高さを調整する。

【００３２】こうすることにより、ジャッキーベース１
の位置および調整ナット３の高さを決め、その状態で鳥
居枠４を各ジャッキーベース１のねじ軸２に差し込み、
かつ筋交い５によって鳥居枠４を繋いで１段目の足場を
組む。その場合、ジャッキーベース１の位置が決めら
れ、かつ固定されているので、鳥居枠４を容易にジャッ
キーベース１に対して差し込むことができ、またジャッ
キーベース１を起立状態に保持させることができるの
で、筋交い５による鳥居枠４の連結を一人の作業でおこ
なうことができる。さらに、前述した具体例と同様に、
各ジャッキーベース１に対して鳥居枠４を組み付け、か
つ筋交い５で連結することにより、各鳥居枠４を水平状
態に設置することができると同時に、直線状に配列する
ことができるので、事後的な位置調整もしくは高さ調整
が不要であり、その点でも一人で作業をおこなうことが
できる。

【００３３】なお、上述した各具体例では、ジャッキー
ベースのねじ軸を利用してジャッキーベースを連結して
所定の位置に位置決めするように構成したが、この発明
は上記の具体例に限定されないのであって、ジャッキー
ベースの他の部分を利用して係合部を係合させることに
よりジャッキーベースを連結し、かつ位置決めするよう
に構成しても良い。また、この発明におけるジャッキー
ベースとは、上述した各具体例で示した構造のものに限
定されないのであって、要は、鳥居枠などの支柱部分と
なる枠状の部材を載せることができ、かつその支持高さ
を調整でき、さらには足場を設ける設置面で任意の位置
に移動させることができるものであればよい。

【００３４】

【発明の効果】以上説明したように、請求項１の発明に
よれば、係合部を介して、短辺用連結部材と、各軸部材
の係合部から連結部までの部分とで三角形が形成される
ので、４つの係合部の位置すなわち４つのジャッキーベ
ースの位置が決められる、そして、係合部同士を連結し
ている軸部材もしくは短辺用連結部材に水準器をあてが
うなどのことにより、ジャッキーベースの高さ調整がお
こなわれる。そのため、位置および高さの決められたジ
ャッキーベースに対して鳥居枠を載せ、かつ互いに対向
する鳥居枠を、矩形の長辺に対応する側の部分で筋交い
により連結すれば、１ユニットの枠組みが形成され、こ
れを複数連結することにより足場が組み上がり、結局、
固定されたジャッキーベースに鳥居枠などを組み付ける
ことになるので、足場の組立が容易になり、また一人で
の作業が可能になり、施工の効率化および低コスト化を
図ることができる。

【００３５】また、請求項２の発明によれば、各ジャッ
キーベースは、係合部が取り付けられかつそれらの係合
部が軸部材によって連結されることにより、矩形の４つ
の角部に位置するように位置が決められ、そして、係合
部同士を連結している軸部材に水準器をあてがうなどの
ことにより、ジャッキーベースの高さ調整をおこなうこ
とができ、こうして位置および高さの決められたジャッ
キーベースに対して鳥居枠を載せ、かつ互いに対向する
鳥居枠を、前記矩形の長辺に対応する側の部分で筋交い
により連結して、１ユニットの枠組みが形成され、これ
を複数連結することにより足場が組み上がる。したがっ
て、請求項２の発明においても、固定されたジャッキー
ベースに鳥居枠などを組み付けることになるので、足場
の組立が容易になり、また一人での作業が可能になり、
施工の効率化および低コスト化を図ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 この発明に係る枠組み足場の構造の一具体例
を示す斜視図である。

【図２】 軸部材と分離した構造の係合部の例を示す斜
視図である。

【図３】 軸部材の連結部の他の構造を示す部分斜視図
である。

【図４】 ジャッキーベースの位置および調整高さを決
めるための枠状部材の一例を示す平面図である。

【符号の説明】

１…ジャッキベース、 ２…ねじ軸、 ３…調整ナッ
ト、 ４…鳥居枠、 ８…係合部、 ９…短辺用連結部
材 １０…軸部材、 １１…ピン、 １４…切り欠き
部、 １５…軸部材、 １６…補強部材、 １７…枠状
部材。

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 上下位置を調整可能な調整部材を備えた
   ４つのジャッキベースを所定の矩形のコーナー部に相当
   する位置に設置するとともに、前記矩形の短辺となる位
   置に互いに隣接して配置される２つのジャッキベースの
   調整部材上に矩形状を成す鳥居枠の下端部を載せて支持
   し、かつ他の２つのジャッキベースにおける調整設置部
   材上に他の鳥居枠を設置してこれら２つの鳥居枠を互い
   に平行に対向させて配置し、これら一対の鳥居枠の前記
   矩形の長辺側で隣接する部分を連結用部材によって連結
   することにより１ユニットの枠体を構成し、その１ユニ
   ットの枠体を水平方向及び垂直方向に複数連結して組み
   立てられる枠組み足場の構造において、 前記ジャッキーベースに係合する係合部と、 前記矩形の対角線方向で対向するそれぞれ２つの係合部
   同士を連結する２本の軸部材と、 これらの２本の軸部材をその長手方向に相対移動できな
   いように互いに連結する、各軸部材の中間部に設けられ
   た連結部と、 前記矩形の短辺方向で互いに隣接する２つの係合部同士
   を連結する短辺用連結部材とを備えていることを特徴と
   する枠組み足場の構造。
2. 【請求項２】 上下位置を調整可能な調整部材を備えた
   ４つのジャッキベースを所定の矩形のコーナー部に相当
   する位置に設置するとともに、前記矩形の短辺となる位
   置に互いに隣接して配置される２つのジャッキベースの
   調整部材上に矩形状を成す鳥居枠の下端部を載せて支持
   し、かつ他の２つのジャッキベースにおける調整設置部
   材上に他の鳥居枠を設置してこれら２つの鳥居枠を互い
   に平行に対向させて配置し、これら一対の鳥居枠の前記
   矩形の長辺側で隣接する部分を連結用部材によって連結
   することにより１ユニットの枠体を構成し、その１ユニ
   ットの枠体を水平方向及び垂直方向に複数連結して組み
   立てられる枠組み足場の構造において、 前記ジャッキーベースに係合する係合部と、 前記矩形の各辺に沿う方向で互いに隣接するそれぞれ２
   つの係合部同士を連結する軸部材とを備え、 前記係合部を挟んで互いに隣接する軸部材同士が、水平
   面上で直角をなすように保持されていることを特徴とす
   る枠組み足場の構造。