JP2002294816A - 衛生洗浄装置 - Google Patents

衛生洗浄装置

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JP2002294816A JP2001098592A JP2001098592A JP2002294816A JP 2002294816 A JP2002294816 A JP 2002294816A JP 2001098592 A JP2001098592 A JP 2001098592A JP 2001098592 A JP2001098592 A JP 2001098592A JP 2002294816 A JP2002294816 A JP 2002294816A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ノズルヘッドの基端側に設けられる第1噴出孔
から洗浄水が所定方向に噴出し、かつ、噴出する洗浄水
が分散し過ぎることがなく、所望の強さで安定して局部
に当たるようにして、使用感を高めることができる衛生
洗浄装置を提供する。 【解決手段】ノズルヘッド42の下部に形成された第1
水路45を流れる洗浄水が、ノズルヘッド42の下部か
ら略上方の第1噴出孔451にその流れる方向を変え
て、第1噴出孔451から噴出するように構成し、ノズ
ルヘッド42の下部から第1噴出孔451の設けられた
ノズルヘッド42の上面での区間を長めにとることがで
きるようにし、その長めの区間である第1水路45の終
端部452の中で、洗浄水の流れの乱れを十分に抑える
ことを可能にした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、洗浄用ノズルのノ
ズルヘッドの先端側から基端側の方向に複数の噴出孔が
連設され、前記複数の噴出孔から洗浄水をそれぞれ噴出
可能な衛生洗浄装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の衛生洗浄装置において
は、図10〜図12に示すように、洗浄用ノズルのノズ
ルヘッド1の先端側から基端側の方向に、ビデ洗浄用の
噴出孔2、やわらか洗浄用の噴出孔3および、お尻洗浄
用の噴出孔4が連設され、ノズルヘッド1内には各噴出
孔2〜4に連通する3つの水路がそれぞれ延ばされてい
る。ビデ洗浄用の噴出孔2に連通するビデ洗浄用の水路
5および、やわらか洗浄用の噴出孔3に連通するやわら
か洗浄用の水路6は、ノズルヘッド1の下部にそれぞれ
形成されている一方、お尻洗浄用の噴出孔4に連通する
お尻洗浄用の水路7は、ノズルヘッド1の上部に形成さ
れる。
【0003】ノズルヘッド1の上部に形成されるお尻洗
浄用の水路7は、その終端部7aが略上方へ曲がってい
て、前記お尻洗浄用の噴出孔4に連通している。同じ
く、ビデ洗浄用の水路5およびやわらか洗浄用の水路6
は、ノズルヘッド1の下部にそれぞれ延ばされ、その各
終端部5a、6aが略上方へ曲がっていて、前記ビデ洗
浄用の噴出孔2およびやわらか洗浄用の噴出孔3にそれ
ぞれ連通している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
衛生洗浄装置では、お尻洗浄用の水路7はノズルヘッド
1の上部に延ばされているので、前記略上方へ曲がって
からお尻洗浄用の噴出孔4に延ばされるまでの区間であ
るお尻洗浄用の水路7の終端部7aの長さが十分にとれ
ず、お尻洗浄用の水路7の終端部7aの区間で洗浄水の
流れの乱れを抑えることができないで流れが不安定にな
り、洗浄水がお尻洗浄用の噴出孔4から所定方向に対し
て逸れた方向に噴出したり、また、噴出する洗浄水が分
散し過ぎて、局部に強く安定して当たらなかったりし
て、使用感の点で改良の余地があるという問題点があっ
た。
【0005】本発明は、このような従来の問題点に着目
してなされたもので、ノズルヘッドの基端側に設けられ
る第1噴出孔から洗浄水が所定方向に噴出し、かつ、噴
出する洗浄水が分散し過ぎることがなく、所望の強さで
安定して局部に当たるようにして、使用感を高めること
ができる衛生洗浄装置を提供することを目的としてい
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めの本発明の要旨とするところは、次の各項の発明に存
する。 [1]洗浄用ノズル(40)のノズルヘッド(42)の
上面の先端側から基端側の方向に複数の噴出孔が連設さ
れ、前記複数の噴出孔から洗浄水をそれぞれ噴出可能な
衛生洗浄装置において、前記ノズルヘッド(42)の上
面の基端側に設けられた第1噴出孔(451)に連通す
る第1水路(45)と、前記ノズルヘッド(42)の上
面の先端側に設けられた第2噴出孔(461)に連通す
る第2水路(46)とを備え、前記第1水路(45)
は、前記ノズルヘッド(42)の下部に延設され、さら
に前記ノズルヘッド(42)の下部から略上方の前記第
1噴出孔(451)に延設され、前記第2水路(46)
は、前記ノズルヘッド(42)の上部に延設され、さら
に前記第1噴出孔(451)を迂回するようにして前記
第2噴出孔(461)に延設されていることを特徴とす
る衛生洗浄装置。
【0007】[2]前記ノズルヘッド(42)の下部か
ら略上方の前記第1噴出孔(451)に延設される前記
第1水路の終端部(452)には、当該第1水路(4
5)の一般径より小径の孔であるオリフィス(453)
が形成され、前記オリフィス(453)の入口(45
4)は、前記略下方に向かって開設され、前記オリフィ
ス(453)の入口(454)の周縁には面取り部(4
55)が形成されていることを特徴とする[1]に記載
の衛生洗浄装置。
【0008】[3]前記ノズルヘッド(42)の下面
は、当該下面側から前記オリフィス(453)の入口
(454)に向かって略上方向に穿たれ、前記オリフィ
ス(453)の少なくとも面取り部(455)を成形す
るための成形用の孔(456)を有していることを特徴
とする[2]に記載の衛生洗浄装置。
【0009】[4]前記成形用の孔(456)は、裏蓋
部材(70)により下方から塞がれるものであることを
特徴とする[3]に記載の衛生洗浄装置。
【0010】[5]前記ノズルヘッド(42)の前記第
1噴出孔(451)より先端側の位置に第3噴出孔(4
71)が設けられ、前記ノズルヘッド(42)の上部に
延設され、さらに前記第1噴出孔(451)を迂回する
ようにして前記第3噴出孔(471)に延設される第3
水路(47)を備え、前記第1水路(45)は、前記ノ
ズルヘッド(42)の下部から前記第2水路(46)と
前記第3水路(47)との間の隙間を通って、前記第1
噴出孔(451)に延設されていることを特徴とする
[1]、[2]、[3]または[4]に記載の衛生洗浄
装置。
【0011】[6]前記ノズルヘッド(42)に外嵌し
て当該ノズルヘッド(42)を外部から覆うようにした
ノズルカバー(41)を備え、前記ノズルカバー(4
1)は、前記ノズルヘッド(42)に外嵌した際に前記
第1噴出孔(451)、前記第2噴出孔(461)また
は前記第3噴出孔(471)の少なくとも一つを上方か
ら覆うようにして、前記第1噴出孔(451)、前記第
2噴出孔(461)または前記第3噴出孔(471)の
少なくとも一つから噴出した洗浄水を前記ノズルカバー
(41)で覆われていない前記第1噴出孔(451)、
前記第2噴出孔(461)あるいは前記第3噴出孔(4
71)へ導くようにしたものであることを特徴とする
[5]に記載の衛生洗浄装置。
【0012】[7]前記第1噴出孔(451)は、お尻
ハード洗浄用の噴出孔であることを特徴とする[1]、
[2]、[3]、[4]、[5]または[6]に記載の
衛生洗浄装置。
【0013】[8]前記ノズルヘッド(42)は、前記
第1水路の終端部(452)および前記第2水路の終端
部(462)が形成された水路部材(422)と、前記
第1噴出孔(451)および前記第2噴出孔(461)
が形成された噴出孔部材(423)とを有し、前記噴出
孔部材(423)は、前記水路部材(422)に上方か
ら重ね合わせることで、前記第2水路の終端部(46
2)を成す略U字状断面形状の水路溝(466)の溝口
を塞ぐものであることを特徴とする[1]に記載の衛生
洗浄装置。
【0014】次に本発明の作用を説明する。洗浄用ノズ
ル(40)のノズルヘッド(42)の上面の基端側に第
1噴出孔(451)が設けられ、ノズルヘッド(42)
の上面の先端側に第2噴出孔(461)が設けられてい
る。
【0015】衛生洗浄装置の使用時において、ノズルヘ
ッド(42)の下部に延設された第1水路(45)を流
れる洗浄水は、やがて流れる方向を略上方に変え第1噴
出孔(451)に流入し、第1噴出孔(451)から噴
出するようになる。
【0016】このように洗浄水は、ノズルヘッド(4
2)の下部から略上方の第1噴出孔(451)に向かっ
て流れるようになるため、ノズルヘッド(42)の下部
から第1噴出孔(451)に設けられたノズルヘッド
(42)の上面までの区間を長めにとることができる。
その長めの区間である第1水路(45)の終端部(45
2)の中で、例えば、長めのオリフィスを形成すること
ができ、洗浄水の流れの乱れを十分に抑えることが可能
になる。
【0017】それにより、洗浄水が第1噴出孔(45
1)から所定方向に噴出し、かつ、噴出する洗浄水が分
散し過ぎることがなく、所望の強さで局部に当たるよう
になり、使用感を高めることができる。ノズルヘッド
(42)の基端側に設けられた第1噴出孔(451)は
例えばお尻洗浄用の噴出孔であり、そのお尻洗浄用の噴
出孔から所定方向に十分な強さの洗浄水が噴出するよう
になる。
【0018】一方、ノズルヘッド(42)の上部に形成
された第2水路(46)を流れる洗浄水は、ノズルヘッ
ド(42)の上面にある第1噴出孔(451)を迂回す
るように流れ、やがて、第2噴出孔(461)に流入
し、第2噴出孔(461)から噴出するようになる。
【0019】第1水路(45)の終端部(452)には
オリフィス(453)が形成されている。オリフィス
(453)を形成することによって、洗浄水を第1噴出
孔(451)から所定方向に噴出させたり、所定の強さ
で噴出させることができる。
【0020】また、そのオリフィス(453)の入口
(454)の周縁には面取り部(455)が施されてい
るので、洗浄水がオリフィス(453)内に滑らかに流
れ込み、オリフィス(453)の入口(454)の周縁
の近傍において、洗浄水の流れが乱れるのを抑えること
ができる。
【0021】洗浄用ノズル(40)のノズル軸に沿って
延ばされる第1水路(45)と、略上方に延びる第1水
路(45)の終端部(452)に形成されるオリフィス
(453)とは、互いに略直交するため、同じくノズル
軸に沿う方向で進出する第1水路(45)成形用のコア
あるいは、上方から進出するオリフィス(453)成形
用のコアによって、オリフィス(453)の入口(45
4)の周縁部に面取り部(455)を成形するのは難し
いが、ノズルヘッド(42)の下面に、オリフィス(4
53)の入口(454)に向かって略上方向に成形用の
孔(456)が穿設されているため、その成形用の孔
(456)を形成するためのコアによって面取り部(4
55)を容易に成形することができる。
【0022】このように、成形用の孔(456)は、少
なくとも面取り部(455)を成形するための孔であっ
て、完成品の機能としては不要なものであるから、面取
り部(455)の成形後は、裏蓋部材(70)により下
方から塞がれる。
【0023】以上は、ノズルヘッド(42)の第1噴出
孔(451)および第2噴出孔(461)が設けられる
ものであるが、ノズルヘッド(42)の第1噴出孔(4
51)より先端側の位置に第3噴出孔(471)が設け
られるものでは、ノズルヘッド(42)の上部に延設さ
れた第3水路(47)が第1噴出孔(451)を迂回し
てさらに第3噴出孔(471)に延設されている。それ
により、第1水路(45)を、前記ノズルヘッド(4
2)の下部から前記第2水路(46)と前記第3水路
(47)との間の隙間を通って、第1噴出孔(451)
に延設することができ、同じく、第1水路(45)の終
端部(452)を長くすることができ、第1水路(4
5)の終端部(452)を流れる洗浄水の乱れを抑える
ことができる。
【0024】このような、ノズルカバー(41)はノズ
ルヘッド(42)に外嵌してノズルヘッド(42)を外
部から覆うものであるが、ノズルヘッド(42)に第1
噴出孔(451)、第2噴出孔(461)および第3噴
出孔(471)が設けられるものでは、ノズルカバー
(41)にも、第1噴出孔(451)〜第3噴出孔(4
71)に対応して、3つの貫通孔が設けられている。
【0025】しかしながら、ノズルヘッド(42)に外
嵌するノズルカバー(41)が、第1噴出孔(45
1)、第2噴出孔(461)または第3噴出孔(47
1)の少なくとも一つを上方から覆うようにすれば、第
1噴出孔(451)、第2噴出孔(461)または第3
噴出孔(471)の少なくとも一つから噴出した洗浄水
が、ノズルカバー(41)に遮られて上方へ噴出せず、
ノズルカバー(41)で覆われていない第1噴出孔(4
51)、第2噴出孔(461)あるいは第3噴出孔(4
71)へ導かれるようになる。
【0026】このように導かれる洗浄水で、第1噴出孔
(451)、第2噴出孔(461)または第3噴出孔
(471)を洗浄することができる。
【0027】また、第1噴出孔(451)、第2噴出孔
(461)および第3噴出孔(471)の3つを使い分
ける第1の仕様のものと、第2噴出孔(461)または
第3噴出孔(471)の一方と第1噴出孔(451)と
の2つを使い分ける第2の仕様のものとを構成するとき
に、ノズルカバー(41)以外を共用部品として用いる
ことができる。
【0028】ノズルヘッド(42)は水路部材(42
2)と噴出孔部材(423)とを有している。水路部材
(422)には第1水路(45)の終端部(452)お
よび第2水路の終端部(462)が形成され、噴出孔部
材(423)には第1噴出孔(451)および第2噴出
孔(461)が形成されている。
【0029】具体的には、水路部材(422)には、略
U字状断面形状の水路溝(466)である第2水路の終
端部(462)が形成され、水路溝(466)の溝口が
開いていて、このままでは第2水路(46)は水路とし
ての機能を果たさないが、水路部材(422)に上方か
ら重ね合わせられる噴出孔部材(423)によって、前
記水路溝(466)の溝口が塞がれ、水路としての機能
を有するようになる。
【0030】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づき本発明の一実
施の形態を説明する。図2は衛生洗浄装置の斜視図であ
る。図2に示すように衛生洗浄装置10は、便器の便座
後部に取付けられ、そのケーシング本体10a内に使用
者の局部を洗浄するための関連器機が内装されている。
かかる衛生洗浄装置10におけるノズル機構30は、前
記ケーシング本体10aの正面側に水または温水である
洗浄水を噴出するための洗浄用ノズル40をノズル機構
30の本体31で支持して成る。
【0031】洗浄用ノズル40は、ケーシング本体10
a内にて前後に、正確には後方から前方にかけ下降して
延びるように支持され、その軸心方向に後述する駆動モ
ータ60によって位置調整可能に配設されている。洗浄
用ノズル40の後端側には給水源(図示せず)に連通接
続するためのチューブを繋ぐ給水口45が1つ突設され
ている。
【0032】図6は洗浄用ノズルの部分分解斜視図であ
る。図6に示すように、洗浄用ノズル40は、ノズルカ
バー41にノズルヘッド42を嵌め込んで成り、ノズル
ヘッド42内には複数の水路が形成され、各水路が所定
の噴出孔にそれぞれ通じている。水路および噴出孔につ
いては後で詳細に説明する。
【0033】図3は同じく衛生洗浄装置の給水路の概念
図であり、図4は同じく衛生洗浄装置のノズル機構の斜
視図である。図2〜図4に示すように、ケーシング本体
10a内には、洗浄用ノズル40に温水を供給するため
の温水路であるメイン路111が設けられ、メイン路1
11には熱交換ユニット20、流量調節ユニット12
0、および流路切替弁50が接続されている。熱交換ユ
ニット20は貯湯タンク21内にヒータ22を設けたも
のである。また、ケーシング本体10a内には洗浄用ノ
ズル40の表面に向けてノズル洗浄用の水を供給するた
めの水路であるバイパス路112が設けられている。ケ
ーシング本体10aには、前記熱交換ユニット20等の
他に関連機器として加熱器、温度制御手段、乾燥器、脱
臭器、および暖房器等が内装されている。
【0034】図4および図5に示すように、ノズル機構
30は、洗浄用ノズル40と共に移動可能なナット部材
410と、ノズル機構30の本体31に支持され、ナッ
ト部材410に対して相対的に回転することにより、洗
浄用ノズル40を所定位置に駆動可能なスクリュー部材
420とを備えている。
【0035】また、ナット部材410またはスクリュー
部材420の少なくとも一方に回転力を供給するための
動力源である駆動モータ60が備えられている。本実施
の形態では、駆動モータ60の回転力はスクリュー部材
420に供給される。
【0036】本実施の形態によれば、ナット部材410
は洗浄用ノズル40と一体的に形成されていて、スクリ
ュー部材420に螺合している。一方、スクリュー部材
420は、ノズル機構30の本体31に回転可能に支持
され、ナット部材410を繰り出し繰り込み可能なもの
である。また、スクリュー部材420は、そのスクリュ
ー軸が洗浄用ノズル40の移動方向に沿うように配され
ている。
【0037】ノズル機構30の本体31の前端部および
後端部には第1エンド部材32および第2エンド部材3
5が設けられている。第1エンド部材32には、バイパ
ス流路112が接続され、洗浄用ノズル40を移動可能
に嵌合支持する支持部33と、スクリュー部材420の
前端部を回転可能に支持する軸受け部34とが形成され
ている。
【0038】また、第2エンド部材35には、スクリュ
ー部材420の後端部を回転可能に支持する軸受け部3
6が形成されている。スクリュー部材420の後端面に
は連結孔37が形成されている。連結孔37の孔周壁に
は回転止め用のキー溝やセレーションが施されている。
【0039】ノズル機構30は、洗浄用ノズル40を所
定位置に駆動するためのノズル駆動手段400と、洗浄
用ノズル40内の各所定の水路を切り替えて水または温
水を送出可能な流路切替弁50と、その流路切替弁50
を駆動するための弁駆動手段500とを備えている。動
力源である駆動モータ60は、ノズル駆動手段400お
よび前記弁駆動手段500により共用されるものであ
る。
【0040】ノズル駆動手段400は、洗浄用ノズル4
0を没入した待機位置と伸出した洗浄位置との間を駆動
させるとともに、洗浄用ノズル40を待機位置と待機位
置からさらに没入した収納位置との間を駆動させるもの
である。
【0041】また、ノズル機構30は、駆動モータ60
から洗浄用ノズル40への第1動力伝達経路を構成可能
な第1動力伝達軸430と、駆動モータ60から流路切
替弁50への第2動力伝達経路を構成可能な第2動力伝
達軸530とを有している。第1動力伝達軸430およ
び第2動力伝達軸530はノズル機構30の本体31の
第2エンド部材36内に設けられている。
【0042】さらに、ノズル機構30は、駆動モータ6
0からノズル駆動手段400または弁駆動手段500の
いずれか一方への動力伝達経路を接続すると、ノズル駆
動手段400または弁駆動手段500の他方への動力伝
達経路が切断されるようにしたクラッチ手段600を備
えている。
【0043】具体的には、第1動力伝達軸430がスク
リュー部材420の連結孔37に嵌合することで、第1
動力伝達軸430が第1動力伝達経路内に移動すること
になる一方、連結孔37から外れることで、第1動力伝
達軸430が第1動力伝達経路外に移動することにな
る。
【0044】また、第2動力伝達軸530が回転軸56
の連結孔(図示省略)に嵌合することで、第2動力伝達
軸530が第2動力伝達経路内に移動することになる一
方、回転軸56の連結孔(図示省略)から外れること
で、第2動力伝達軸530が第2動力伝経路外に移動す
ることになる。
【0045】第1動力伝達軸430は第1動力伝達経路
内の方向へ付勢されている。本実施の形態では、第1動
力伝達軸430は、後述する第1ギア440と駆動モー
タ60のハウジングと間に介装されたコイルばね(図示
省略)によって付勢されている。
【0046】クラッチ手段600は、洗浄用ノズル40
と共に移動するものであって、前記コイルばねの付勢力
に抗して、第1動力伝達軸430を駆動して、第1動力
伝達軸430を第1動力伝達経路外に駆動するものであ
る。
【0047】クラッチ手段600は、洗浄用ノズル40
と共に移動することで、前記コイルばねの付勢力に抗し
て第1動力伝達軸430を駆動するクラッチ部材610
を有している。
【0048】図4および図5から判るように、クラッチ
部材610は洗浄用ノズル40に固設されている。ま
た、クラッチ部材610は、スクリュー部材420の後
端部の径より大きな径の円弧形状に凹入していて、スク
リュー部材420の後端部に干渉することなく、第1動
力伝達軸430を第1位置から第2位置に駆動可能に成
っている。クラッチ部材610は洗浄用ノズル40と一
体的に形成されてもよい。
【0049】第2動力伝達経路は、第1動力伝達軸43
0と一体的に回転する第1ギア440と、第2動力伝達
軸530と一体的に回転する第2ギア540とから構成
可能なものである。第1ギア440と第2ギア540と
は相互に噛合している。第1ギア440および第2ギア
540もノズル機構30の本体31の第2エンド部材3
6内に設けられている。
【0050】流路切替弁50は、3つの通水孔(図示省
略)が形成されたステータ51と、1つの通水孔(図示
省略)が形成されたロータ55とを有している。ステー
タ51およびロータ55は弁室内に設けられ、弁室内に
はメイン路111から温水が供給されるようになってい
る。
【0051】第2動力伝達軸530は、ロータ55の通
水孔とステータ51の3つの通水孔中の1つとを合わせ
るべくロータ55を各所定の角度位置に回動するもので
ある。ステータ51の3つの通水孔は、各所定の水路に
対応している。
【0052】ロータ55の回転軸は、洗浄用ノズル40
内に回転可能に支持され、ロータ55の回転軸には第2
動力伝達軸530に対向して連結孔(図示省略)が形成
されている。ロータ55の連結孔の孔周壁には回転止め
用のキー溝やセレーションが施されている。第2動力伝
達軸530は、ロータ55の連結孔に嵌脱して回転力を
ロータ55に伝達可能なものである。
【0053】図1は本発明の一実施の形態に係る衛生洗
浄装置のノズルヘッドおよびノズルカバーの縦断面図、
図6はノズルヘッドを斜め上方から見たときの部分分解
斜視図、図7はノズルヘッドを斜め下方から見たときの
部分分解斜視図、図8はノズルヘッドの第3水路を含む
ようにして破断したときの断面図、図9はノズルヘッド
の縦断面である。
【0054】図1および図6〜図9に示すように、ノズ
ルヘッド42は、その基端部にヘッドピース421を溶
着して成る。ヘッドピース421の基端側にはお尻ハー
ド洗浄用の噴出孔である第1噴出孔451が穿設され、
ヘッドピース421の先端側にはビデ洗浄用の噴出孔で
ある第2噴出孔461が穿設されている。ノズルヘッド
42の基端部およびヘッドピース421には、第1水路
45および第2水路46が形成され、給水口45が第1
噴出孔451に連通し、第2水路46が第2噴出孔46
1に連通している。
【0055】第1水路45は、ノズルヘッド42の下部
に延設され、さらにヘッドピース421の下部から略上
方の第1噴出孔451に延設されている。また、第2水
路46は、ヘッドピース421の上部に延設され、さら
に第1噴出孔451を迂回するようにして第2噴出孔4
61に延設されている。
【0056】ヘッドピース421の下部から略上方の第
1噴出孔451に延設される第1水路45の終端部45
2には、その第1水路45の終端部452の一般径より
小径の孔であるオリフィス453が形成されている。オ
リフィス453の入口454は、略下方に向かって開設
され、オリフィス453の入口454の周縁には面取り
部455が形成されている。具体的には、入口454の
面取り部455は、所定半径の円弧状断面形状に、ある
いは、所定量角取りされた断面形状に形成されるもので
ある。
【0057】ノズルヘッド42のヘッドピース421の
下面は、その下面側からオリフィス453の入口454
に向かって略上方向に穿たれ、オリフィス453の少な
くとも面取り部455を成形するための成形用の孔45
6を有している。成形用の孔456は、裏蓋部材70に
より下方から塞がれている。
【0058】また、本実施の形態においては、ノズルヘ
ッド42のヘッドピース421の第1噴出孔451より
先端側の位置であって、第2噴出孔461の手前側の位
置にお尻ソフト洗浄用の噴出孔である第3噴出孔471
が設けられている。第1噴出孔451からの吐水水勢は
比較的強いものであるが、第3噴出孔471からの吐水
は局部への刺激の少ないソフト感のあるものである。
【0059】また、ノズルヘッド42の基端部およびヘ
ッドピース421の上部には第3水路47が形成され、
第3水路47が第3噴出孔471に連通している。この
ように、ノズルヘッド42の基端部およびヘッドピース
421の上部に第2水路46および第3水路47が形成
されている構成では、第1水路45は、ヘッドピース4
21の下部から第2水路46と第3水路47との間の隙
間を通って、第1噴出孔451に延設されるようにな
る。
【0060】このように、ヘッドピース421の噴出孔
部材423に3つの噴出孔である第1噴出孔451、第
2噴出孔461および第3噴出孔471が穿設された構
成では、その3つの噴出孔に対応して3つの貫通孔41
5、416、417がノズルカバー41にそれぞれ穿設
されている。また、ノズルカバー41は抗菌材を含んだ
樹脂材で成形されている。
【0061】具体的には、ノズルヘッド42の基端部に
形成された第1水路45〜第3水路47は、ノズルヘッ
ド42の先端部を構成するヘッドピース421にも連続
して形成されている。
【0062】すなわち、ヘッドピース421は、第1水
路45の終端部452、第2水路46の終端部462お
よび、第3水路47の終端部472が形成された水路部
材422と、第1噴出孔451、第2噴出孔461およ
び第3噴出孔471が形成された噴出孔部材423とを
有している。
【0063】第2水路46の終端部462は、第1噴出
孔451の両側の一方側を迂回するように延設され、か
つ、ヘッドピース421の上部と下部との間の中央位置
まで下がるように延設されている。同じく、第3水路4
7の終端部472は、第1噴出孔451の両側の他方側
を迂回するように延設され、かつ、ヘッドピース421
の上部と下部との間の中央位置まで下がるように延設さ
れている。
【0064】噴出孔部材423は、水路部材422に上
方から重ね合わせられ、かつ、溶着されるものである。
噴出孔部材423が水路部材422に上方から重なり合
うことで、第2水路46の終端部462を成す略U字状
断面形状の水路溝466の溝口および、第3水路47の
終端部472を成す略U字状断面形状の水路溝476の
溝口が塞がれている。また、第2水路46の終端部46
2は、流入してきた洗浄水が旋回するように円形断面形
状の水路に形成されている。同じく、第3水路47の終
端部472も、流入してきた洗浄水が旋回するように円
形断面形状の水路に形成されている。さらに、第2水路
46の終端部462の円形断面形状の水路の入口467
は、流入してきた洗浄水の流入方向に対して略直交する
方向に開設され、かつ、開口巾が狭まっている。また、
第3水路47の終端部472の円形断面形状の水路の中
心には旋回中心となる凸部477が形成されている。
【0065】次に本発明の作用を説明する。ノズルヘッ
ド42の組立時において、予め、ヘッドピース420を
組み立てるには、水路部材422に噴出孔部材423を
上方から重ね合わせるようにして溶着する。このとき、
水路部材422に形成された第1水路45の終端部45
2、第2水路46の終端部462および第3水路47の
終端部472に、噴出孔部材423に穿設された、第1
噴出孔451、第2噴出孔461および第3噴出孔47
1が対応するようになる。
【0066】また、噴出孔部材423を重ね合わせる前
において、水路部材422に形成された第2水路46の
終端部462および第3水路47の終端部472は、そ
れぞれ略U字状断面形状の水路溝466および水路溝4
76であり、その水路溝466および水路溝476の各
溝口が開いているが、水路部材422に上方から重ね合
わせられる噴出孔部材423によって、水路溝466お
よび水路溝476の各溝口が塞がれ、第2水路46およ
び第3水路47としての機能を有するようになる。
【0067】このように組み立てられたヘッドピース4
21はノズルヘッド42の基端部側に溶着され、さら
に、そのノズルヘッド42にノズルカバー41を外嵌
し、ノズルヘッド42を外部から覆うようにして洗浄用
ノズル40が組み立てられる。
【0068】衛生洗浄装置10を使用しない場合、洗浄
用ノズル40は、後方に引っ込んだ待機位置にある。こ
のとき、ノズル駆動手段400および弁駆動手段500
は、動力源60からの動力が供給されておらず、共にそ
の作動を停止した状態にある。すなわち、ナット部材4
10は回転停止しており、また、このとき、ロータ55
は基準の角度位置にある。
【0069】便器1に着座した使用者がお尻を洗浄する
場合、駆動モータ60によってスクリュー部材420を
回転する。スクリュー部材420がナット部材410に
対して相対的に所定方向に所定の回転量だけ回転する
と、ナット部材410が繰り込まれて、洗浄用ノズル4
0が待機位置からさらに引っ込んだ収納位置に移動す
る。このとき、洗浄用ノズル40と共にクラッチ手段6
00のクラッチ部材610が移動し、クラッチ部材61
0がコイルばね(図示省略)の付勢力に抗して第1動力
伝達軸430を第1位置から第2位置に駆動する。
【0070】洗浄用ノズル40が収納位置にあるとき、
第1動力伝達軸430がスクリュー部材420の連結孔
37から外れて、第1駆動伝達路外に移動している。そ
れにより、駆動モータ60からノズル駆動手段400へ
の動力の供給が不能になる。一方、第2動力伝達軸53
0が回転軸56の連結孔(図示省略)に嵌合し、第2伝
達経路内に移動する。それにより、駆動モータ60から
弁駆動手段500への動力の供給が可能になる。
【0071】駆動モータ60から弁駆動手段500への
動力の供給が開始されると、弁駆動手段500が作動開
始し、第1ギア440が回転し、第1ギア440に噛合
する第2ギア540が所定方向に所定量回転し、ロータ
55が所定位置に回転し、流路切替弁50が所定の切替
状態になると、駆動モータ60の動力供給が停止する。
ロータ55が前記所定位置に回転することで、ステータ
51の通水孔、ロータ55の通水孔、および第1水路4
5が連通した状態になる。
【0072】このようにして、流路切替弁50を所定の
切替状態にした後に、駆動モータ60が逆転すると、ス
クリュー部材420がナット部材410を繰り出し、洗
浄用ノズル40が収納位置から待機位置に移動する。こ
のとき、洗浄用ノズル40と共にクラッチ手段600の
クラッチ部材610が移動して、第1動力伝達軸430
から離れ、第1動力伝達軸430がコイルばね(図示省
略)の付勢力により、第2位置から第1位置に戻る。そ
れにより、第1動力伝達軸430がスクリュー部材42
0の連結孔37に嵌合して、第1駆動伝達路内に移動
し、それにより、駆動モータ60からノズル駆動手段4
00への動力の供給が可能になる。
【0073】一方、洗浄用ノズル40が収納位置から少
しでも待機位置の方へ移動すると、第2動力伝達軸53
0が回転軸56の連結孔(図示省略)から外れ、第2伝
達経路外に移動する。それにより、駆動モータ60から
弁駆動手段500への動力の供給が不能になる。
【0074】駆動モータ60からノズル駆動手段400
への動力の供給が開始されると、ノズル駆動手段400
が作動開始し、スクリュー部材420がナット部材41
0を繰り出し、洗浄用ノズル40は収納位置から待機位
置に、さらに伸出した所定の洗浄位置に移動する。その
後、駆動モータ60からノズル駆動手段400への動力
の供給が停止され、ノズル駆動手段400は作動停止す
る。
【0075】次に、給水源から供給された洗浄水は、所
定の切替状態(ステータ51の通水孔、ロータ55の通
水孔、および水路45が連通した状態)に切り替えられ
た流路切替弁50を通って、ノズルヘッド42内の水路
45に流入し、お尻ハード洗浄用の噴出孔である第1噴
出孔451から噴出するようになる。
【0076】このように、使用者がお尻を洗浄する場合
において、洗浄水は、ノズルヘッド42の下部に延設さ
れた第1水路45を流れ、やがて第1水路45の終端部
452において、略上方に流れを変えてから空気孔45
7から取り込んだ空気と共に第1噴出孔451を通って
噴出するようになる。
【0077】第1水路45がノズルヘッド42のヘッド
ピース421の下部(水路部材422)に延設されてい
るので、洗浄水は、ヘッドピース421の下部から略上
方の第1噴出孔451に向かって流れるようになるた
め、ヘッドピース421の下部から第1噴出孔451の
設けられたヘッドピース421の上面までの区間である
第1水路45の終端部452を長めにとることができ、
例えば、長めのオリフィス453を形成することがで
き、その長めの区間中で、洗浄水の流れの乱れを十分に
抑えて安定させることができる。
【0078】それにより、洗浄水が第1噴出孔451か
ら所定方向に噴出し、かつ、噴出する洗浄水が分散し過
ぎることがなく、十分な強さで安定して噴出するように
なる。また、第1噴出孔451の終端部452の水路径
を適宜設定して、洗浄水の吐水量を調整することができ
る。
【0079】お尻洗浄が終了した場合に、駆動モータ6
0を所定方向に所定量回転し、洗浄用ノズル40を洗浄
位置から待機位置に移動し、さらに収納位置に移動し、
第1動力伝達軸430を第1位置から第2位置に駆動し
て、駆動モータ60から弁駆動手段500への動力の供
給を可能にし、弁駆動手段500を作動し、第1ギア4
40〜第2ギア540を回転させ、第2動力伝達軸53
0により、ロータ55を基準の角度位置に回転し、流路
切替弁50を初期状態に戻しておく。また、駆動モータ
60を回転し、洗浄用ノズル40を収納位置から待機位
置に戻しておく。以上、お尻を洗浄する場合を説明した
が、ビデ洗浄やお尻ソフト洗浄(やわらか洗浄)も同様
に行う。すなわち、ビデ洗浄の場合は、クラッチ手段6
00のクラッチ部材610によって第1動力伝達軸43
0を第1位置から第2位置に駆動して、駆動モータ60
から弁駆動手段500への動力の供給を可能にし、駆動
モータ60の回転により、ロータ55を基準位置からビ
デ状態の間の所定位置に回転する。
【0080】このとき、ステータ51の通水孔、ロータ
55の通水孔、および第2水路46が連通した状態にな
る。流路切替弁50が所定の切替状態になると、駆動モ
ータ60を回転停止し、その後、駆動モータ60を逆転
し、第1動力伝達軸430を第2位置から第1位置に戻
して、洗浄用ノズル40を収納位置から待機位置に移動
し、さらに所定の洗浄位置に伸出させればよい。ビデ洗
浄において、第2水路46を流れる洗浄水は、第1噴出
孔451を迂回するように流れ、やがて、第2噴出孔4
61を通って噴出するようになる。ビデ洗浄後に、洗浄
用ノズル40を洗浄位置から待機位置に移動し、さらに
収納位置に移動し、ロータ55を基準の角度位置に回し
て、流路切替弁50を初期状態にしておき、また、洗浄
用ノズル40を収納位置から待機位置に戻しておく。
【0081】また、お尻ソフト洗浄(やわらか洗浄)の
場合は、ロータ55を基準位置からお尻ソフト洗浄状態
の間の所定位置に回転し、ステータ51の通水孔、ロー
タ55の通水孔、および第3水路47を連通した状態に
すればよい。
【0082】ヘッドピース421の噴出部材423の第
1噴出孔451より先端側の位置に第3噴出孔471が
設けられ、ヘッドピース421の上部に延設された第3
水路47が、第1噴出孔451を迂回して第3噴出孔4
71に延設されているので、同じく、第1水路45の終
端部452を長くすることに、第3水路47が支障にな
らず、第1水路45の終端部452を流れる洗浄水の乱
れを抑えることができる。お尻ソフト洗浄において、第
3水路47を流れる洗浄水は、第1噴出孔451を迂回
するように流れ、やがて、第3噴出孔471を通って噴
出するようになる。
【0083】以上、お尻洗浄、ビデ洗浄および、お尻ソ
フト洗浄(やわらか洗浄)の場合を説明したが、噴出さ
れる洗浄水の方向性や強さが特に要求されるお尻洗浄を
さらに詳細に説明する。
【0084】お尻洗浄においては、洗浄水は第1水路4
5を流れ、やがて、第1水路45の終端部452に形成
されたオリフィス453に流れ込み、オリフィス453
を通ることによって、第1噴出孔451から洗浄水が所
定方向に噴出し、かつ、所定の強さで噴出する。
【0085】また、洗浄水がオリフィス453の入口4
54に流れ込むと、入口454の周縁には面取り部45
5が施されているので、洗浄水がオリフィス453内に
滑らかに流れ込む。それにより、オリフィス453の入
口454の周縁の近傍における洗浄水の流れの乱れを抑
えることができるという効果を奏する。
【0086】一方、オリフィス453の入口454の周
縁部に面取り部455を形成するには、次のように行
う。
【0087】第1水路45成形用のコアおよびオリフィ
ス453成形用のコアが用意されているとき、第1水路
45がノズルヘッド42のノズル軸に沿って延ばされ、
かつ、オリフィス453の入口454が略下方(ノズル
軸に対し略直交する方向)に開設されているから、ノズ
ル軸に沿って進出する第1水路45成形用のコアの進出
方向および、上方から進出するオリフィス453成形用
のコアの進出方向に対して、オリフィス453の入口4
54の面取り部455が面していない。
【0088】特に、オリフィス453成形用のコアの進
出方向と同じ方向に、面取り部455の面が形成されて
いるため、第1水路45成形用のコアおよびオリフィス
453成形用のコアのみでは、オリフィス453の入口
454の面取り部455を成形することはできない。
【0089】しかしながら、本実施の形態では、ノズル
ヘッド42の水路部材422の下面に、オリフィス45
3の入口454に向かって略上方向に成形用の孔456
が穿設されているため、その成形用の孔456を形成す
るためのコアの進出方向に対して、面取り部455が面
するようになり、当該コアで面取り部455を容易に成
形することができる。
【0090】面取り部455を成形するための孔である
成形用の孔456は、洗浄用ノズル40の本来の機能と
しては不要なものであるから、ヘッドピース421の水
路部材422に面取り部455の成形後は、裏蓋部材7
0により下方から塞がれる。
【0091】なお、本実施の形態においては、ヘッドピ
ース421の噴出孔部材423に3つの噴出孔451〜
471が設けられ、ノズルヘッド42に外嵌してそのノ
ズルヘッド42を外部から覆うようにしたノズルカバー
41にも、3つの貫通孔415〜417が穿設されてい
るものを示したが、ノズルカバー41は、ノズルヘッド
42に外嵌した際に第1噴出孔451、第2噴出孔46
1または第3噴出孔471の少なくとも1つを上方から
覆うようにして、その第1噴出孔451、第2噴出孔4
61または第3噴出孔471の少なくとも1つから噴出
した洗浄水を、塞がれていない第1噴出孔451、第2
噴出孔461または前記第3噴出孔471の他方へ導く
ようにしてもよい。
【0092】例えば、ノズルヘッド42に外嵌するノズ
ルカバー41が第3噴出孔471を上方から覆うように
すれば、第3噴出孔471から噴出した洗浄水が、ノズ
ルカバー41に遮られて上方へ噴出せず、ノズルカバー
41の内面と噴出孔部材423の上面との隙間を通っ
て、第2噴出孔461および、第1噴出孔451へ導か
れるようになる。このように導かれる洗浄水で、第2噴
出孔461および、第1噴出孔451を洗浄することが
できる。
【0093】また、例えば、第1噴出孔451、第2噴
出孔461および第3噴出孔471の3つを使い分ける
第1の仕様のものと、第2噴出孔461あるいは第3噴
出孔471の一方と第1噴出孔451との2つを使い分
ける第2の仕様のものとを構成するときに、ノズルカバ
ー41以外を共用部品として用いることができ、多様な
衛生洗浄装置を廉価で製作することができる。
【0094】また、前記実施の形態では、ノズルヘッド
42の基端部側に先端部であるヘッドピース421を溶
着し、そのヘッドピース421を水路部材422と噴出
孔部材423とから構成したものを示したが、ノズルヘ
ッド42の基端部側と水路部材422とを一体的に形成
し、その水路部材422に噴出孔部材423を上方から
重ね合わせるようにしてノズルヘッド42を構成しても
よい。
【0095】
【発明の効果】本発明に係る衛生洗浄装置におけるノズ
ル機構によれば、ノズルヘッドの下部に形成された第1
水路を流れる洗浄水が、ノズルヘッドの下部から略上方
の第1噴出孔にその流れる方向を変えて、第1噴出孔か
ら噴出するように構成したので、ノズルヘッドの下部か
ら第1噴出孔の設けられたノズルヘッドの上面での区間
を長めにとることができるようにし、その長めの区間で
ある第1水路の終端部の中で、洗浄水の流れの乱れを十
分に抑えることを可能にし、ノズルヘッドの基端側に設
けられる第1噴出孔から洗浄水が所定方向に噴出し、か
つ、噴出する洗浄水が分散し過ぎることがなく、所望の
強さで安定して局部に当たるようにして、使用感を高め
ることができる。
【0096】また、そのオリフィスの入口の周縁には面
取り部が施されているので、洗浄水がオリフィス内に滑
らかに流れ込み、オリフィスの入口の周縁の近傍におい
て、洗浄水の流れが乱れるのを抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係るノズルヘッドおよ
びノズルカバーの縦断面図である。
【図2】本発明の一実施の形態に係る衛生洗浄装置の斜
視図である。
【図3】本発明の一実施の形態に係る衛生洗浄装置の給
水路の概念図である。
【図4】本発明の一実施の形態に係る衛生洗浄装置のノ
ズル機構の斜視図である。
【図5】本発明の一実施の形態に係る衛生洗浄装置のノ
ズル機構の分解斜視図である。
【図6】本発明の一実施の形態に係るノズルヘッドを斜
め上方から見たときの部分分解斜視図である。
【図7】同じく、ノズルヘッドを斜め下方から見たとき
の部分分解斜視図である。
【図8】本発明の一実施の形態に係るノズルヘッドの第
3水路を含むようにして破断したときの断面図である。
【図9】本発明の一実施の形態に係るノズルヘッドの縦
断面である。
【図10】従来例に係る衛生洗浄装置の洗浄用ノズルの
平面図である。
【図11】従来例に係る衛生洗浄装置のノズルヘッドの
部分分解斜視図である。
【図12】従来例に係る衛生洗浄装置の洗浄用ノズルの
部分縦断面図である。
【符号の説明】
10…衛生洗浄装置 10a…ケーシング本体 20…熱交換ユニット 21…貯湯タンク 22…ヒータ 30…ノズル機構 31…本体 32…第1エンド部材 33…支持部 34…軸受け部 35…第2エンド部材 36…軸受け部 37…連結孔 40…洗浄用ノズル 41…ノズルカバー 42…ノズルヘッド 45…第1水路 46…第2水路 47…第3水路 48…給水口 50…流路切替弁 51…ステータ 55…ロータ 60…駆動モータ 70…裏蓋部材 111…メイン路 112…バイパス路 120…流量調節ユニット 400…ノズル駆動手段 410…ナット部材 415、416、417…貫通孔 420…スクリュー部材 421…ヘッドピース 422…水路部材 423…噴出孔部材 430…第1動力伝達軸 440…第1ギア 451…第1噴出孔 452…終端部 453…オリフィス 454…入口 455…面取り部 456…成形用の孔 461…第2噴出孔 462…終端部 466…水路溝 467…入口 471…第3噴出孔 472…終端部 476…水路溝 477…凸部 500…弁駆動手段 530…第2動力伝達軸 600…クラッチ手段 610…クラッチ部材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 北本 英二 福岡県北九州市小倉北区中島2丁目1番1 号 東陶機器株式会社内 (72)発明者 相良 芳則 福岡県北九州市小倉北区中島2丁目1番1 号 東陶機器株式会社内 (72)発明者 筒井 治雄 福岡県北九州市小倉北区中島2丁目1番1 号 東陶機器株式会社内 (72)発明者 林 良祐 福岡県北九州市小倉北区中島2丁目1番1 号 東陶機器株式会社内 (72)発明者 渡辺 晴彦 神奈川県横浜市戸塚区前田町100番地 小 糸工業株式会社内 Fターム(参考) 2D038 JA02 JA03

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】洗浄用ノズルのノズルヘッドの上面の先端
    側から基端側の方向に複数の噴出孔が連設され、前記複
    数の噴出孔から洗浄水をそれぞれ噴出可能な衛生洗浄装
    置において、 前記ノズルヘッドの上面の基端側に設けられた第1噴出
    孔に連通する第1水路と、前記ノズルヘッドの上面の先
    端側に設けられた第2噴出孔に連通する第2水路とを備
    え、 前記第1水路は、前記ノズルヘッドの下部に延設され、
    さらに前記ノズルヘッドの下部から略上方の前記第1噴
    出孔に延設され、 前記第2水路は、前記ノズルヘッドの上部に延設され、
    さらに前記第1噴出孔を迂回するようにして前記第2噴
    出孔に延設されていることを特徴とする衛生洗浄装置。
  2. 【請求項2】前記ノズルヘッドの下部から略上方の前記
    第1噴出孔に延設される前記第1水路の終端部には、当
    該第1水路の一般径より小径の孔であるオリフィスが形
    成され、 前記オリフィスの入口は、前記略下方に向かって開設さ
    れ、 前記オリフィスの入口の周縁には面取り部が形成されて
    いることを特徴とする請求項1に記載の衛生洗浄装置。
  3. 【請求項3】前記ノズルヘッドの下面は、当該下面側か
    ら前記オリフィスの入口に向かって略上方向に穿たれ、
    前記オリフィスの少なくとも面取り部を成形するための
    成形用の孔を有していることを特徴とする請求項2に記
    載の衛生洗浄装置。
  4. 【請求項4】前記成形用の孔は、裏蓋部材により下方か
    ら塞がれるものであることを特徴とする請求項3に記載
    の衛生洗浄装置。
  5. 【請求項5】前記ノズルヘッドの前記第1噴出孔より先
    端側の位置に第3噴出孔が設けられ、 前記ノズルヘッドの上部に延設され、さらに前記第1噴
    出孔を迂回するようにして前記第3噴出孔に延設される
    第3水路を備え、 前記第1水路は、前記ノズルヘッドの下部から前記第2
    水路と前記第3水路との間の隙間を通って、前記第1噴
    出孔に延設されていることを特徴とする請求項1、2、
    3または4に記載の衛生洗浄装置。
  6. 【請求項6】前記ノズルヘッドに外嵌して当該ノズルヘ
    ッドを外部から覆うようにしたノズルカバーを備え、 前記ノズルカバーは、前記ノズルヘッドに外嵌した際に
    前記第1噴出孔、前記第2噴出孔または前記第3噴出孔
    の少なくとも1つを上方から覆うようにして、前記第1
    噴出孔、前記第2噴出孔または前記第3噴出孔の少なく
    とも1つから噴出した洗浄水を前記ノズルカバーで覆わ
    れていない前記第1噴出孔、前記第2噴出孔あるいは前
    記第3噴出孔へ導くようにしたものであることを特徴と
    する請求項5に記載の衛生洗浄装置。
  7. 【請求項7】前記第1噴出孔は、お尻ハード洗浄用の噴
    出孔であることを特徴とする請求項1、2、3、4、5
    または6に記載の衛生洗浄装置。
  8. 【請求項8】前記ノズルヘッドは、前記第1水路の終端
    部および前記第2水路の終端部が形成された水路部材
    と、前記第1噴出孔および前記第2噴出孔が形成された
    噴出孔部材とを有し、 前記噴出孔部材は、前記水路部材に上方から重ね合わせ
    ることで、前記第2水路の終端部を成す略U字状断面形
    状の水路溝の溝口を塞ぐものであることを特徴とする請
    求項1に記載の衛生洗浄装置。
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