JP2002294588A - オフセット印刷用新聞用紙 - Google Patents

オフセット印刷用新聞用紙

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JP2002294588A
JP2002294588A JP2001101205A JP2001101205A JP2002294588A JP 2002294588 A JP2002294588 A JP 2002294588A JP 2001101205 A JP2001101205 A JP 2001101205A JP 2001101205 A JP2001101205 A JP 2001101205A JP 2002294588 A JP2002294588 A JP 2002294588A
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JP2001101205A
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Yorihiro Masumoto
頼宏 桝本
Hiroshi Suminaga
寛史 住永
Kazuhiro Nojima
一博 野島
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Oji Paper Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ブランケット紙粉パイリングの発生がな
く、かつベッセルピックのない優れたカラー印刷適性を
備えた、優れたオフセット作業性と印刷(仕上り)品質
を有するオフセット印刷用新聞用紙を提供する。 【解決手段】 表面処理剤が(a)澱粉もしくは変性澱
粉と、(b)モノマー組成として(メタ)アクリル酸ブ
チルおよび/または(メタ)アクリル酸2−エチルヘキ
シルを含有するガラス転移点が10℃以下の疎水性アク
リル系表面サイズ剤を主成分とし、かつ澱粉成分と該疎
水性アクリル系表面サイズ剤の比率が固形分重量比率で
100:3〜100:30であるオフセット印刷用新聞
用紙は、優れたオフセット作業性と印刷(仕上り)品質
を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、印刷作業性に優
れ、且つ優れたカラー印刷品質を有するオフセット印刷
用新聞用紙に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、新聞印刷は従来の凸版印刷方式か
らオフセット印刷方式への転換が急速に進んでおり、現
在では新聞印刷の9割以上がオフセット印刷方式による
といわれている。オフセット印刷は通常PS版(Presen
sitized Plate)と呼ばれる刷版を作成し、刷版に湿し
水とインキを供給して印刷する方式である。刷版は平版
であり、刷版上で画線部は親油性の表面となるように処
理され、非画線部は親水性の表面になるように処理され
ている。この刷版に湿し水とインキを供給すると、画線
部にはインキが非画線部には水が付着した状態となり、
この刷版より、ブランケットを介して紙にインキを転移
させて印刷する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このオフセット印刷で
は、比較的タックの強いインキを使用するため、用紙の
表面の強度が強いことが要求される。また、湿し水で用
紙表面を処理するために、表面強度が弱い、あるいは耐
水性の弱い表面を持つ用紙を使用すると、紙粉がブラン
ケットに堆積したり、インキに混入することにより、印
刷面に所謂カスレが生じるといったトラブルが起こる。
また、新聞用紙の軽量化に伴い、印刷後の高い不透明度
への要求が強まっており、紙の不透明度を高めるため、
ホワイトカーボンや酸化チタン、タルク等の無機顔料が
抄紙時の填料として多く使われるようになった。これら
の無機顔料は、オフセット印刷時の湿し水によって容易
に紙層内から浸み出し易く、ブランケットにパイリング
する紙粉の主な成分の一つである。
【0004】また、新聞用紙は一般にメカニカルパルプ
や古紙パルプを主体とする紙が使用され、最近では、特
にゴミ増加等の環境問題や省資源の観点から古紙の高率
配合化が求められている。ところで、新聞用紙に使用さ
れるような、回収新聞紙を主体とする古紙原料には、新
聞用紙以外に非塗工紙、塗工紙など、広葉樹を含むチラ
シ等が数多く混入しており、そのような古紙を新聞用紙
の原料として使用した場合、古紙の配合量が多くなるに
従い、広葉樹パルプ特有のベッセル(導管)が新聞用紙
原紙中に多く混入し、その結果、新聞原紙中の表面近く
に散在しているベッセルが印刷時に紙表面から剥離する
ことで、印刷画像の白ヌケ(ベッセルピック)が発生
し、印刷作業性や印刷品質が低下する問題を抱えてい
る。
【0005】このベッセルピックの問題については従来
より種々の方法が提案されている。例えば、特開平6−
220790号公報では広葉樹を含むパルプスラリーを
ニーダーにより高濃度で処理する方法、特開平10−2
66090号公報ではオゾン処理した広葉樹パルプを含
有した印刷用紙又は塗工印刷用原紙等が提案されている
が、これらの方法は設備費用がかかることや、コスト高
となるため古紙パルプへの適用が困難であったり、新聞
用紙のように、比較的低米坪で、古紙パルプが40%以
上と高率配合される場合においては、ベッセルピック強
度の改良効果が十分なものではないのが実状である。
【0006】このようなブランケットパイリングやベッ
セルピックのようなオフセット印刷時の表面強度低下に
関する問題に対応する方法として、従来から新聞用紙の
表面に澱粉、PVA、ポリアクリルアミド等を成分とす
る表面処理剤を塗布することが一般に行なわれている
が、紙の表層近くに散在し、微細繊維や填料などに比較
すると、はるかに粗大なベッセルが印刷時にピッキング
を起こすことなく、紙の表面に止まった状態を維持する
ためには、前記したような表面処理剤の使用量を増や
し、ベッセルの欠落を防止する方法が一般的に実施され
る。しかしながら、表面処理剤の使用量が増大すると、
コスト高となるだけでなく、紙表面が湿った状態におけ
るネッパリ性と呼ばれる紙表面の粘着性を増大させる傾
向があり、このネッパリ性が大きくなると、特に非画線
部におけるブランケットパイリングを逆に増大させた
り、また、印刷時に紙面がブランケットに貼り付き、結
果的にシワや断紙といった走行性などの別の不具合を誘
発する虞れがあり好ましくない。また、これらの表面処
理剤のうち、澱粉やポリアクリルアミドは比較的ネッパ
リ性が少ないために広く使用されているが、いずれも水
への溶解性が高いために印刷時に湿し水中に容易に溶け
出し、填料とともにブランケットに堆積し易いといった
欠点を有している。また表面処理剤として、アクリル系
アルカリ膨潤型ラテックスを主成分とする表面処理剤を
使用する方法(特開2000−017597号)が提案
されているが、ブランケットパイリングに効果が認めら
れるものの十分ではなく、ベッセルピックを抑える効果
も満足できるものではない。
【0007】一方で、ロジンエマルジョンサイズ剤等の
内添サイズ剤を使用し、紙表面のサイズ度を高め、オフ
セット印刷時の湿し水の紙層内部への浸透を抑えること
により、紙粉の発生を抑えることが従来行われてきた
が、これらの内添サイズ剤は新聞抄紙機の様な高速抄紙
機では、白水系で泡立ちによるトラブルを誘発し易い。
また、新聞用紙はサイズ効果の発現しにくいグラウンド
パルプを原料として多用しているため、内添サイズ剤と
ともに歩留まり向上剤が併用される場合には抄紙系内の
ピッチ等も紙中に取り込み、新聞用紙の白色度を低下さ
せるといった難点を抱えている。
【0008】また、表面サイズ剤を塗工することによ
り、紙表面の接触角を高め、上記のブランケットパイリ
ングを改善する方法(特開2000−234292号)
も提案されているが、ブランケットパイリング等の改善
効果は認められるものの、紙中のベッセルと繊維との接
着強度を弱めてしまうため、ベッセルピックが悪化する
などの問題があり、ベッセルピックとブランケットパイ
リング、ネッパリの問題をすべて解決することは、極め
て困難であるのが実情である。
【0009】本発明の課題はブランケット紙粉パイリン
グの発生がなく、かつベッセルピックのない優れたカラ
ー印刷適性を備えた、優れたオフセット作業性と印刷
(仕上り)品質を有するオフセット印刷用新聞用紙を提
供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、原紙の両面
に、表面処理剤を塗布、乾燥してなるオフセット印刷用
新聞用紙において、該表面処理剤が(a)澱粉もしくは
変性澱粉と、(b)モノマー組成として(メタ)アクリ
ル酸ブチルおよび/または(メタ)アクリル酸2−エチ
ルヘキシルを含有するガラス転移点が10℃以下の疎水
性アクリル系表面サイズ剤を主成分とし、かつ澱粉成分
と該疎水性アクリル系表面サイズ剤の比率が固形分重量
比率で100:3〜100:30であるオフセット印刷
用新聞用紙に係る。また、新聞用紙表面と水との接触角
が水滴を紙面に落とした後1秒後の値で90度以上の
時、特に優れた効果を示すものである。
【0011】
【発明の実施の形態】前述したように、従来より、オフ
セット印刷用新聞用紙には澱粉、ポリビニルアルコー
ル、あるいはポリアクリルアミド等を紙表面へ塗布する
ことが一般に行われている。これらの表面処理剤は、紙
粉、ベッセルピックの発生を抑えるのには効果があるも
のの、塗布量を多くした場合、ネッパリトラブルの問題
が生じる。内添サイズ剤や外添サイズ剤等の添加で用紙
のサイズ度を高め、表面処理剤の湿し水への溶出を防ぐ
ことは、紙粉やネッパリ性に効果が認められるがベッセ
ルピックを悪化させる欠点を有する。
【0012】本発明の特徴は、疎水性を有し、かつ表面
強度に優れた特定のTgを持つ疎水性アクリル系表面サ
イズ剤を澱粉と併用して塗工することにより、紙粉のブ
ランケットパイリング、ベッセルピック、ネッパリ性を
効果的に改善し、オフセット印刷適性に優れた新聞用紙
を得ることができるものである。
【0013】本発明に使用される表面処理剤は、疎水性
アクリル系表面サイズ剤と澱粉成分を主成分とするもの
であるが、従来から提案されている表面サイズ剤やアク
リル系重合体とはサイズ性と接着強度の両方に十分な効
果がある点で異なる。表面サイズ剤については通常アク
リル酸やマレイン酸などの有機酸にスチレンなどの疎水
性モノマーを共重合させた、ガラス転移点の高い(通常
80℃以上)もので、サイズ性を付与することができる
が、接着強度はほとんど無く、むしろベッセルと澱粉等
の接着剤との接着を阻害する傾向にある。
【0014】また、アクリル系重合体については、特開
2000−017597号や特開平11−315493
号に新聞用紙への使用が紹介されており、(メタ)アク
リル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)ア
クリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシ
ル等の(メタ)アクリル酸エステルを重合または共重合
して得られる重合体、あるいは上記(メタ)アクリル酸
エステルとスチレンとを共重合して得られる重合体にお
いて、重合時にアクリル酸やメタクリル酸等の不飽和カ
ルボン酸を共重合することによって得られるpH5以下
の酸性状態のエマルジョンであり、使用過程で苛性ソー
ダやアンモニア等のアルカリを添加し、粒子を膨潤もし
くは溶解させて、粘度を上昇させて使用する。このよう
なアクリル系重合体は、従来の表面サイズ剤に比べれば
接着強度は大きいが、サイズ性への効果は小さくブラン
ケットパイリングやベッセルピックの改善効果は不十分
なものであった。
【0015】一方、本発明に使用するものは、十分なサ
イズ効果と接着性を同時に発現させるため、疎水性の強
い(メタ)アクリル酸ブチル及び/または(メタ)アク
リル酸2−エチルヘキシルをモノマーとして比較的多く
含有していることが必要である。これらのモノマーは重
合体のガラス転移点を低くすることができ、且つ重合体
に疎水性を付与することができるため、接着剤としての
機能とサイズ剤としての機能を併せ持った重合体が得ら
れ、結果としてベッセルピックと紙粉によるブランケッ
トパイリングの両方を満足し得るレベルにまで改善する
ことができると考えられる。(メタ)アクリル酸ブチル
及び(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシルの疎水性ア
クリル系表面サイズ剤内でのモノマー比率は、両者合計
して通常20〜70重量%、好ましくは30〜60重量
%の範囲で添加される。20重量%未満の場合は、ブラ
ンケットパイリング、ベッセルピックの改善効果が十分
でなく、70重量%を越える場合は、ラテックス皮膜の
粘着性が増大し、ネッパリトラブルを起こす虞れがあ
る。
【0016】また疎水性アクリル系表面サイズ剤内での
モノマー比率の80重量%未満の範囲でその他のモノマ
ーを用いることができる。このようなモノマーとして、
例えばアクリル酸、メタアクリル酸等の酸モノマー、
(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル
等の(メタ)アクリル酸エステル、スチレン等を例示で
きる。
【0017】さらに、上記疎水性モノマーを多く含有さ
せたうえで、疎水性アクリル系表面サイズ剤のガラス転
移点(Tg)を10℃以下とすることが必要であり、好
ましくは−20℃〜5℃の範囲である。Tgが10℃を
越える場合はベッセルピックへの改善効果が十分でな
く、ブランケットパイリングへの効果も不十分である。
【0018】一方、特開平11−140791号には、
オレフィン/マレイン酸共重合体、スチレン/アクリル
酸/アクリル酸エステル共重合体、スチレン/マレイン
酸エステル共重合体等の公知公用の表面サイズ剤の新聞
用紙への使用が記載されているが、前述したようにこれ
らの表面サイズ剤のTgは通常80℃以上と高く、紙粉
によるブランケットパイリングには効果があるが、ベッ
セルピックには効果がなく、むしろ悪化させる傾向があ
る。
【0019】一方ネッパリ性を改善するためには、上記
疎水性アクリル系表面サイズ剤は、澱粉成分と混合して
使用することが必要であり、澱粉成分としては、トウモ
ロコシ澱粉、バレイショ澱粉、タピオカ澱粉、酸化変性
澱粉、ジアルデヒド澱粉、リン酸変性澱粉、カチオン化
澱粉などの公知公用の澱粉が使用されるが、その混合比
率は、固形分換算で澱粉成分100重量部に対し、疎水
性アクリル系表面サイズ剤3〜30重量部、好ましくは
10〜30重量部の範囲で混合される。3重量部未満の
場合はブランケットパイリング、ベッセルピックの改善
効果が不十分であり、30重量部を超えるとネッパリ性
が高くなり好ましくない。
【0020】また、本発明は、紙表面と水との接触角
(紙面に落とした後1秒後の値)が90度以上になるよ
うに疎水性アクリル系表面サイズ剤の種類、添加量をコ
ントロールした場合、ベッセルピック、ブランケットパ
イリングを最も効率良く改善できる。すなわち、疎水性
アクリル系表面サイズ剤の添加率を上げるか、サイズ剤
中の疎水性モノマーの比率をアップすることにより、新
聞用紙の紙面に水を落下して1秒後における接触角を9
0度以上となるように調整し、水に濡れにくい用紙を使
用することにより、紙層内部の微細繊維や内添填料等の
湿し水による滲み出し作用がより軽減され、紙粉発生が
大幅に抑制される。なお、表面が過度の疎水性になった
場合、インキ定着性不良が起こる虞れがあるため、接触
角は120度以下が好ましい。
【0021】ここに、1秒後の接触角は、数値が高いほ
ど湿し水との濡れが悪いことを示す。一般には、紙の水
対する接触角はTAPPI T−458−84に準拠し
た方法で測定されるが、この方法では、水滴を滴下して
から5秒後、または1分後で測定するため、オフセット
印刷における湿し水が紙面に附着してからブランケット
に接触するまでの瞬時における濡れ性を再現することは
できない。本発明では、この瞬間的な濡れ性をできるだ
け再現するため、上記方法において1秒後の接触角を接
触角計(ダイナミックアブソープションテスターDAT
1100/FIBRO社製)にて測定した。ちなみに、
1秒未満の接触角は、滴下してからの紙表面の液滴の形
状が滴下時の衝撃により不安定であるため、安定な値を
得ることができない。
【0022】本発明において、上記の澱粉成分と疎水性
アクリル系表面サイズ剤が表面処理剤の主成分として使
用されるが、主成分以外に必要に応じて、各種顔料、消
泡剤、増粘剤、防腐剤などの助剤も適宜添加しても良
い。この場合表面処理剤全体における主成分の割合が6
0重量%以上に維持されることが必要である。
【0023】このようにして得られた表面処理剤は固形
分濃度1〜10重量%で新聞印刷用紙原紙上に塗工され
るが、塗工量は、一般に片面当たり0.1〜2g/m2
好ましくは0.2〜1g/m2の範囲で塗布される。塗布
量が0.1g/m2未満の場合は十分な表面強度が得られ
難く、2g/m2を越えるとネッパリ強度が増加し、ブ
ランケットへの貼り付きのトラブルを引き起こすため好
ましくない。
【0024】本発明で用いる新聞用紙原紙としては、原
料パルプとして化学パルプ(NBKP、LBKP等)、
機械パルプ(GP、CGP、RGP、PGW、TMP
等)、古紙パルプ(DIP等)等を単独または任意の比
率で混合して使用される。また、ホワイトカーボン、ク
レー、無定形シリカ、タルク、酸化チタン、炭酸カルシ
ウムなどの製紙用填料が抄紙時に添加される。紙力増強
剤、歩留まり向上剤、強化ロジンサイズ剤、エマルジョ
ンサイズ剤等のサイズ剤、耐水化剤、紫外線吸収剤等の
一般に公知公用の抄紙用薬品が添加され、公知公用の抄
紙機にて抄紙される。原紙の坪量としては、特に限定さ
れるものではないが一般に35〜50g/m2の範囲が
好ましい。なお、本発明においては、内添サイズ剤を使
用した新聞用紙原紙を用いることもできるが、ベッセル
ピックの改善を重視する場合には、内添サイズ剤を使用
しないで抄紙した原紙が好ましい。
【0025】上記の新聞用紙原紙上に本発明の表面処理
剤が塗布、乾燥される。塗工装置としては、サイズプレ
ス、ブレードメタリングサイズプレス、ロッドメタリン
グサイズプレス、ゲートロールコーター、ブレードコー
ター、バーコーター、ロッドブレードコーター、エアー
ナイフコーター、カーテンコーター等が挙げられるが、
高速塗工が可能なブレードメタリングサイズプレス、ロ
ッドメタリングサイズプレス、ゲートロールコーター等
が特に好ましい。
【0026】また、一般に塗工後にカレンダー掛けによ
る表面平滑化が行われるが、両面金属ロールによるマシ
ンカレンダー仕上げや、金属ロールと弾性ロールを使用
したソフトカレンダー仕上げを行うのが好ましい。
【0027】
【実施例】以下に実施例を挙げて、本発明をより具体的
に説明するが、勿論これらに限定されるものではない。
また、例中の部および%は特に断らない限り、それぞれ
重量部および重量%を示す。
【0028】実施例1〜4 (新聞用原紙の抄造)針葉樹クラフトパルプ5部、サー
モメカニカルパルプ30部、グラウンドパルプ5部、脱
墨古紙パルプ60部の割合で混合して離解し、レファイ
ナーでフリーネス110mlC.S.F.(カナダ標準
フリーネス)に調整したパルプにホワイトカーボンを填
料として対絶乾パルプ当たり1%添加し、抄造を行い、
米坪40g/m2の新聞用原紙とした。
【0029】(疎水性アクリル系表面サイズ剤の製造)
冷却管、滴下ロート、窒素導入管および温度計を備えた
フラスコに、表1に記載したモノマー組成物100部、
イソプロピルアルコール35部、水35部および重合開
始剤として2,2'−アゾビスイソブチロニトリル5部を
仕込み、窒素気流下に攪拌しながら80〜85℃で5時
間昇温した。ついで所定量の水および28%アンモニア
水でpH9.0に中和することにより、固形分濃度10
%の疎水性アクリル系表面サイズ剤を得た。以下の式
(Foxの式)により計算されたTgを表1に示す。 1/Tg=W1/Tg1 + W2/Tg2 + ……
…Wn/Tgn Tg :ランダム共重合体のTg(°K) Tgn:モノマーnのホモポリマーのTg(°K) Wn :モノマーnの共重合体中の比率
【0030】(表面処理剤の塗布)接着剤として酸化変
性澱粉(商品名エースA/王子コーンスターチ社製)1
00部、表面サイズ剤として上記の疎水性アクリル系表
面サイズ剤15部を混合、希釈を行い、固形分8%の表
面処理剤を得た。この表面処理剤を上記の新聞用原紙
(米坪40g/m2)の両面にゲートロールコーターを
使用して、片面あたり0.5g/m2塗工、乾燥した後、
樹脂ロール/金属ロールよりなるソフトカレンダーに線
圧150kg/cmの条件で1ニップ通紙を行い、オフ
セット印刷用新聞用紙を得た。
【0031】実施例5 実施例1において、疎水性アクリル系表面サイズ剤の配
合部数を25部とした他は実施例1と同じ方法でオフセ
ット印刷用新聞用紙を得た。
【0032】実施例6 実施例1において、澱粉成分を燐酸エステル化澱粉(商
品名GRC40/王子コーンスターチ社製)とした他は
実施例1と同じ方法でオフセット印刷用新聞用紙を得
た。
【0033】実施例7 針葉樹クラフトパルプ10部、サーモメカニカルパルプ
20部、脱墨古紙パルプ70部の割合で混合して離解
し、レファイナーでフリーネス120mlC.S.F.
(カナダ標準フリーネス)に調整したパルプにホワイト
カーボンを填料として対絶乾パルプ当たり1%添加し、
抄造を行い、米坪42g/m2の新聞用原紙とした。こ
の新聞用原紙を使用した他は、実施例2と同じ方法でオ
フセット印刷用新聞用紙を得た。
【0034】比較例1〜3 実施例1において、疎水性アクリル系表面サイズ剤のモ
ノマー組成を表2に示したモノマーとした他は、実施例
1と同じ方法でオフセット印刷用新聞用紙を得た。
【0035】比較例4 実施例1において、疎水性アクリル系表面サイズ剤の代
わりにスチレン/マレイン酸系表面サイズ剤(ポリマロ
ンGS25:荒川化学社)を用いた他は実施例1と同じ
方法でオフセット印刷用新聞用紙を得た。
【0036】比較例5 実施例1において、疎水性アクリル系表面サイズ剤の配
合部数を50部とした他は実施例1と同じ方法でオフセ
ット印刷用新聞用紙を得た。
【0037】比較例6 実施例1において、表面処理剤を疎水性アクリル系表面
サイズ剤のみとした他は実施例1と同じ方法でオフセッ
ト印刷用新聞用紙を得た。
【0038】比較例7 実施例1において、疎水性アクリル系表面サイズ剤を無
添加とし、澱粉成分のみとした他は実施例1と同じ方法
でオフセット印刷用新聞用紙を得た。
【0039】
【表1】
【0040】
【表2】
【0041】これら実施例、比較例で得られたオフセッ
ト印刷用新聞用紙の品質を表3に示した。
【0042】「ブランケットパイリング」オフセット印
刷機(小森 SYSTEM C−20)を使用しカラー
4色刷りを行い、5000部印刷を行った後、ブランケ
ット非画線部への紙粉の堆積度合いを目視にて判定し
た。 ○:紙粉の発生が認められない。 △:紙粉の発生がやや認められる。 ×:ブランケット上に紙粉が多く堆積している。
【0043】「接触角」新聞用紙サンプルを適当な大き
さに切り、5μlの水(20℃)を滴下し、1秒後の接
触角を接触角計(ダイナミックアブソープションテスタ
ーDAT1100/FIBRO社製)にて測定した。
【0044】「ベッセルピック」オフセット印刷機(小
森 SYSTEM C−20)を使用し、網点面積率が3
0〜100%でオフセット輪転印刷用インキ(墨)の単
色刷りを行い、網点面積率100%ベタ部のベッセルに
よる白ヌケの程度を目視にて判定した。(200cm2
内の個数) ◎:白ヌケが全く認められない。(0個) ○:白ヌケが若干認められるが、実用上問題の無い範囲
である。(1〜10個) △:白ヌケがやや多く、目立つ。(11〜50個) ×:白ヌケが非常に多い。(51個以上)
【0045】「ネッパリ強度」新聞用紙サンプル2枚を
適当な大きさに切り、水に10秒間浸漬した後、2枚を
素早く密着させ、線圧100kg/cmでカレンダーに
通紙し、24時間室温乾燥した後、引っ張り試験機(島
津オートグラフAGS−500NG)を用いて、2枚の
紙の剥離強度を測定した。数値が大きい程粘着性が高
い。
【0046】
【表3】
【0047】
【発明の効果】表1から明らかなように、本発明に係る
新聞用紙は、ベッセルピック強度等の表面強度に優れ、
しかもブランケット紙粉パイリング等のトラブルも無
く、優れたオフセット作業性と印刷(仕上り)品質を有
するオフセット印刷用新聞用紙であった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 野島 一博 兵庫県尼崎市常光寺4丁目3番1号 王子 製紙株式会社尼崎研究センター内 Fターム(参考) 4L055 AA02 AC02 AC03 AC06 AC09 AG18 AG47 AG48 AG71 AG89 AH13 BE08 EA19 EA20 EA32 FA15 GA16

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 原紙の両面に、表面処理剤を塗布、乾燥
    してなるオフセット印刷用新聞用紙において、該表面処
    理剤が(a)澱粉もしくは変性澱粉と、(b)モノマー
    組成として(メタ)アクリル酸ブチルおよび/または
    (メタ)アクリル酸2−エチルヘキシルを含有するガラ
    ス転移点が10℃以下の疎水性アクリル系表面サイズ剤
    を主成分とし、かつ澱粉成分と該疎水性アクリル系表面
    サイズ剤の比率が固形分重量比率で100:3〜10
    0:30であるオフセット印刷用新聞用紙。
  2. 【請求項2】 新聞用紙表面と水との接触角が水滴を紙
    面に落とした後1秒後の値で90度以上である請求項1
    記載のオフセット印刷用新聞用紙。
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