JP2002294336A - ダクタイル鋳鉄の脆化抑制方法 - Google Patents
ダクタイル鋳鉄の脆化抑制方法Info
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Abstract
り強度及び伸びが著しく低下し、脆化現象を生じるとい
う不都合を解消する。 【解決手段】 オーステンパ処理ダクタイル鋳鉄及び焼
きならし処理鋳鉄では、表面にフェライト層を形成させ
る、または表面に塗装による塗膜又はめっき層を形成さ
せる、または表面に錆止め油又は潤滑油を塗布する。表
面にフェライト層を形成させた後、塗装による塗膜又は
めっき層を形成させる、または錆止め油又は潤滑油を塗
布するとさらに効果がある。鋳放しダクタイル鋳鉄で
は、表面塗装による塗膜又はめっき層を形成させる、ま
たは表面に錆止め油又は潤滑油を塗布する。
Description
脆化抑制方法に関し、さらに詳細には、水による脆化を
抑制した高強度ダクタイル鋳鉄を提供することのでき
る、ダクタイル鋳鉄の脆化抑制方法に関する。
脆化する現象は、今まで知られていなかった。引張り強
度120Kg/mm2以上のオーステンパ処理したダク
タイル鋳鉄から成る仮設構造物用組立金具、またはオー
ステンパ処理したダクタイル鋳鉄、焼きならし処理した
ダクタイル鋳鉄、および高強度の鋳放したダクタイル鋳
鉄のテストピースに脆化現象が生じた。
が、水に濡れると引張り強度および伸びが著しく低下
し、脆化現象が生じるという不都合を解消し、水に濡れ
ても引張り強度および伸びの低下を防ぎ、かつ脆化現象
が生じない高強度ダクタイル鋳鉄を得るための、ダクタ
イル鋳鉄の脆化抑制方法を提供することを目的としてい
る。
決するために、オーステンパ処理ダクタイル鋳鉄、焼き
ならし処理ダクタイル鋳鉄では、表面に少なくとも20
μm以上のフェライト層を形成することを特徴とする。
また塗装による塗膜又はめっき層を形成することを特徴
とする。さらにまた錆止め油又は潤滑油を塗布すること
を特徴とする。さらにまた表面に少なくとも20μm以
上のフェライト層を形成し、その後、その上に塗装によ
る塗膜又はめっき層を形成することを特徴とする。さら
にまた表面に少なくとも20μm以上のフェライト層を
形成し、その後、その上に錆止め油又は潤滑油を塗布す
ることを特徴とする。
塗装による塗膜又はめっき層を形成することを特徴とす
る。さらにまた錆止め油又は潤滑油を塗布することを特
徴とする。
処理ダクタイル鋳鉄では、表面に少なくとも20μm以
上のフェライト層を形成し、また塗装による塗膜又はめ
っき層を形成し、また錆止め油または潤滑油を塗布し、
さらにまた表面に少なくとも20μm以上のフェライト
層を形成した後、その上に塗装による塗膜又はめっき層
を形成し、さらにまた表面に少なくとも20μm以上の
フェライト層を形成した後、その上に錆止め油又は潤滑
油を塗布し、一方高強度の鋳放しダクタイル鋳鉄では、
塗装による塗膜又はめっき層を形成し、また錆止め油又
は潤滑油を塗布するので、高強度ダクタイル鋳鉄が水に
濡れても、水により脆化する現象を抑制することができ
る。
温変態処理330℃×1.5hで、ダクタイル鋳鉄製仮
設構造物組立金具(以下、G型金具と称す)にオーステ
ンパ処理を施した。G型金具の表面のフェライト層厚さ
は、オーステナイト化時の保持時間と雰囲気(フェライ
ト層を形成する場合は大気雰囲気、フェライト層を形成
させない場合は窒素ガス雰囲気)をコントロールし調整
した。塗装はフタル酸樹脂エナメルを使用し、平均29
μmの厚さの塗膜を形成した。錆止め油剤の塗布には、
錆止め潤滑油を使用した。これらを適当に組み合わせ、
テストピース−1とした。
の通りである。
巻き、このティッシュペーパーに水を含浸させて、引張
り試験用試料とした。比較例として、テストピース−1
にティッシュペーパーを巻かない物および巻いた物を用
いた。両者の引張り試験で得られた引張り強さ(to
n)を表2に示す。
は比較例と比較して、乾燥状態の比較例と同等な引張り
強さであり、かつ水濡れ状態の比較例よりも大きい引張
り強さであり、脆化現象を防止できることが判る。
温変態処理330℃×1.5hで、JIS4号引張り試
験片にオーステンパ処理を施した。表面のフェライト層
厚さは、実施例1と同様にオーステナイト化時の保持時
間と雰囲気をコントロールし調整した。塗装は、フタル
酸樹脂エナメルを使用し、平均39μmの厚さの塗膜を
形成した。錆止め油剤の塗布には、錆止め潤滑油を使用
した。これらを適当に組み合わせ、テストピース−2と
した。
の通りである。
ィッシュペーパーを巻き、このティッシュペーパーに水
を含浸させて、引張り試験用試料とした。比較例とし
て、テストピース−2にティッシュペーパーを巻かない
物および巻いた物を用いた。両者の引張り試験で得られ
た引張り強さ(N/mm2 )および伸び(%)を表4に
示す。
の引張り強さは、比較例と比較して、乾燥状態の比較例
と同等で水濡れ状態の比較例より大きな引張り強さであ
り、また伸びは比較例と比較して乾燥状態の比較例と同
等もしくはそれ以下ではあるが、水濡れ状態の比較例よ
り大きく、脆化現象を抑制できることが判る。
ト化処理後空冷し、JIS4号引張り試験片に焼きなら
し処理を施した。表面のフェライト層厚さは、オーステ
ナイト化の保持時間でコントロールした。表面にフェラ
イト層のないテストピースは、丸棒状態で焼きならし処
理した後、JIS4号引張り試験片に加工して作製し
た。塗装はフタル酸樹脂エナメルを使用し、平均36μ
mの厚さの塗膜を形成した。錆止め油剤の塗布には、錆
止め潤滑油を使用した。これらを適当に組み合わせ、テ
ストピース−3とした。
の通りである。
ィッシュペーパーを巻き、このティッシュペーパーに水
を含浸させて、引張り試験用試料とした。比較例とし
て、テストピース−3にティッシュペーパーを巻かない
物および巻いた物を用いた。両者の引張り試験で得られ
た引張り強さ(N/mm2 )および伸び(%)を表6に
示す。
の引張り強さは、比較例と比較して、乾燥状態の比較例
と同等で水濡れ状態の比較例より大きな引張り強さであ
り、また伸びは比較例と比較して乾燥状態の比較例と同
等もしくはそれ以下であるが、水濡れ状態の比較例より
大きく、脆化現象を抑制できることが判る。
試験片を作製した。塗装はフタル酸樹脂エナメルを使用
し、平均40μmの厚さの塗膜を形成した。錆止め油剤
の塗布には、錆止め潤滑油を使用した。これらをテスト
ピース−4とした。
の通りである。
ィッシュペーパーを巻き、このティッシュペーパーに水
を含浸させて、引張り試験用試料とした。比較例とし
て、テストピース−4にティッシュペーパーを巻かない
物および巻いた物を用いた。両者の引張り試験で得られ
た引張り強さ(N/mm2 )および伸び(%)を表8に
示す。
の引張り強さは、比較例と比較して、乾燥状態の比較例
と同等で水濡れ状態の比較例より大きな引張り強さであ
り、また伸びは比較例と比較して乾燥状態の比較例と同
等もしくはそれ以下であるが、水濡れ状態の比較例より
大きく、脆化現象を抑制できることが判る。
によれば、上述のように構成されているため、高強度ダ
クタイル鋳鉄が水に濡れると引張り強度および伸びが著
しく低下して脆化現象が生じるという不都合を解消し、
水に濡れても引張り強度および伸びの低下を防ぎ、かつ
脆化現象が生じない高強度ダクタイル鋳鉄を得ることが
できる。
Claims (7)
- 【請求項1】 オーステンパ処理または焼きならし処理
を施したダクタイル鋳鉄の表面に、少なくとも20μm
以上のフェライト層を形成することを特徴とする、ダク
タイル鋳鉄の脆化抑制方法。 - 【請求項2】 オーステンパ処理または焼きならし処理
を施したダクタイル鋳鉄の表面に、少なくとも20μm
以上のフェライト層を形成し、その後、その上に塗装に
よる塗膜を形成することを特徴とする、ダクタイル鋳鉄
の脆化抑制方法。 - 【請求項3】 オーステンパ処理または焼きならし処理
を施したダクタイル鋳鉄の表面に、少なくとも20μm
以上のフェライト層を形成し、その後、その上に錆止め
油または潤滑油を塗布することを特徴とする、ダクタイ
ル鋳鉄の脆化抑制方法。 - 【請求項4】 オーステンパ処理または焼きならし処理
を施したダクタイル鋳鉄の表面に、塗装による塗膜を形
成することを特徴とする、ダクタイル鋳鉄の脆化抑制方
法。 - 【請求項5】 オーステンパ処理または焼きならし処理
を施したダクタイル鋳鉄の表面に、錆止め油または潤滑
油を塗布することを特徴とする、ダクタイル鋳鉄の脆化
抑制方法。 - 【請求項6】 鋳放しダクタイル鋳鉄の表面に、塗装に
よる塗膜を形成することを特徴とする、ダクタイル鋳鉄
の脆化抑制方法。 - 【請求項7】 鋳放しダクタイル鋳鉄の表面に、錆止め
油または潤滑油を塗布することを特徴とする、ダクタイ
ル鋳鉄の脆化抑制方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001338509A JP3863757B2 (ja) | 2001-11-02 | 2001-11-02 | ダクタイル鋳鉄の脆化抑制方法 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2001338509A JP3863757B2 (ja) | 2001-11-02 | 2001-11-02 | ダクタイル鋳鉄の脆化抑制方法 |
Related Parent Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5836397A Division JPH10237542A (ja) | 1997-02-26 | 1997-02-26 | 脆化抑制高強度ダクタイル鋳鉄 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002294336A true JP2002294336A (ja) | 2002-10-09 |
JP3863757B2 JP3863757B2 (ja) | 2006-12-27 |
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Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3863757B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN101602433B (zh) * | 2009-07-01 | 2011-10-12 | 宣化冶金工业有限责任公司 | CuNiMo合金化等温淬火球铁刮板输送机刮板及制备方法 |
-
2001
- 2001-11-02 JP JP2001338509A patent/JP3863757B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN101602433B (zh) * | 2009-07-01 | 2011-10-12 | 宣化冶金工业有限责任公司 | CuNiMo合金化等温淬火球铁刮板输送机刮板及制备方法 |
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---|---|
JP3863757B2 (ja) | 2006-12-27 |
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