JP2002293980A - 発泡成形体およびその製造方法 - Google Patents
発泡成形体およびその製造方法Info
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Abstract
り、製品発泡成形体の表面へのアバタ状の窪みの発生を
防止し、製品の歩留まりを高めることができ、また、製
品の低比重化を図って、弾力性能に優れた緩衝材などの
発泡成形体を経済的かつ連続的に多量生産できる製造方
法を提供すること。 【解決手段】 繊維質物質と水溶液とを混練して混練物
を製造する混練工程と、該混練工程で混練された混練物
を発泡させて発泡物を製造する発泡工程と、該発泡工程
で発泡された発泡物を所定の形状に成形して成形体を製
造する成形工程と、該発泡工程で成形された成形体を乾
燥する乾燥工程とを備えた発泡成形体の製造方法におい
て、前記水溶液には、ゼリー強度が130ブルーム以上
のゼラチンおよび/またはニカワを主成分とするバイン
ダーが溶解されている発泡成形体とその製造方法。
Description
方法に関し、特に、古紙などの繊維質物質の再資源化に
好適に用いられる発泡成形体とその製造方法に関する。
ルに代表されるプラスチック系緩衝材に代わり、環境に
優しい緩衝材として、古紙を再資源化した紙系の緩衝材
が注目されている。古紙の再資源化を目的として、弾力
性能に優れた紙系の緩衝材を製造する方法が特許第30
38158号公報に開示されており、また、前記緩衝材
を製造するための、発泡体の製造方法およびその製造装
置が特許第3017716号公報に開示されている。前
記特許第3038158号公報および特許第30177
16号公報に開示されている緩衝材は、古紙粉体、水、
ゼラチンを50重量%以上含むバインダー、架橋反応促
進剤および柔軟化剤を混合し、発泡させたのちに成形、
乾燥させて製造することが記載されているが、いずれの
公報においても、弾力性能に優れた紙系の緩衝材などの
発泡成形体を経済的かつ連続的に多量生産するために
は、バインダー性状が重要であることについては何らの
記載もない。また、原料の古紙から製品の緩衝材を製造
するまでの全工程における製造装置や製造工程は具体的
に記載されていない。特許第3038158号公報に開
示された緩衝材の製造方法は、柔軟化剤の調節や架橋反
応促進剤の種類を記したものであり、また発泡後に乾燥
させるとの記載はあるが、具体的な製造工程、方法につ
いては開示されていない。また、特許第3017716
号公報では、使用する発泡機の構成と運転条件について
工業生産できる装置が記載されているが、経済的かつ連
続的に工業生産できる製造装置全体や製造工程全体につ
いては、何ら具体的に記載されていない。本発明者ら
は、製品発泡成形体の製造におけるバインダー性状の重
要性に着眼して本発明をなしたものである。
よびニカワの品質の等級規格が定められており、ゼリー
強度は1種が250ブルーム以上、5種が50ブルーム
以上と規定され、ゼリー強度がゼラチンおよびニカワの
品質決定に重要な要因であり、それらの性状に大きく影
響するのであるが、前記特許公報には、ゼリー強度につ
いては何ら記載されていない。しかし、実際には、ゼラ
チンなどのバインダーのゼリー強度が、130ブルーム
未満のものであると、以下の(1)〜(3)に示す欠点
が生じる。 (1)バインダーが流動しやすく、解繊古紙などの繊維
質物質との結合力が低下する。 (2)空気の分散性および保持力が低下し、成形時に破
泡して、発泡成形体の表面にアバタ状の窪みが発生し
て、製品としての外観を損なう。 (3)発泡成形体の内部に空洞が発生しやすく、発泡成
形体の強度が低下する。
チンおよびニカワの品質の等級規格が定められており、
油脂分は1種〜5種にかかわらず、ゼラチンでは、0.
5重量%以下、ニカワでは1重量%以下と規定され、油
脂分がゼラチンおよびニカワの品質決定に重要な要因で
あり、それらの性状に大きく影響するのであるが、前記
特許公報には、油脂分については何ら記載されていな
い。しかし、実際には、油脂分が0.3重量%を超えて
含有されていると、解繊古紙などの繊維質物質やゼラチ
ンなどのバインダーを含む水溶液とをゆっくり攪拌する
予備混練時に、混練物中に気泡を取り込みにくいため、
製品の発泡成形体の比重をコントロールすることができ
ず、コスト高を招く。
も何ら記載されていないが、実際には、水溶液を攪拌後
に1分間が経過したときの起泡高さが2mmより低い
と、混練物中の気泡が少なく、前記油脂含有量と同様に
製品の発泡成形体の比重をコントロールすることができ
ず、コスト高を招く。
従来の問題点に鑑みてなされたもので、繊維質物質から
発泡成形体を製造するにあたり、製品発泡成形体の表面
へのアバタ状の窪みの発生を防止し、製品の歩留まりを
高めることができ、また、製品の低比重化を図って、弾
力性能に優れた緩衝材などとして用いることができる発
泡成形体とその発泡成形体を経済的かつ連続的に多量生
産できる製造方法を提供するものである。
ゼリー強度が130ブルーム以上のゼラチンおよび/ま
たはニカワを主成分とするバインダーが溶解されている
水溶液とを混練して発泡成形した発泡成形体と、その発
泡成形体を製造する方法として、繊維質物質と水溶液と
を混練して混練物を製造する混練工程と、該混練工程で
混練された混練物を発泡させて発泡物を製造する発泡工
程と、該発泡工程で発泡された発泡物を所定の形状に成
形して成形体を製造する成形工程と、該発泡工程で成形
された成形体を乾燥する乾燥工程とを備えた発泡成形体
の製造方法に関する。
質としては、新聞紙、雑誌、ダンボールなどの古紙のほ
か、毛織物(羊毛くず)、パルプスラッジ、ガラス繊維
などが挙げられるが、これらに限定されるものではな
い。なお、水溶液と混練する繊維質物質は、カッタやミ
ルなどの乾式解繊機で細かく解繊したものを用いるのが
好ましいが、あらかじめ水で泥状にしたものや水中で湿
式解繊したものであってもよい。例えば、古紙を乾式解
繊機で解繊する場合には、解繊機のスクリーンの目開き
が1〜15mm、より好ましくは1〜5mm程度に解繊
したものが採用できる。また、前記水溶液に使用される
水としては、工業用水、水道水、精製水などが適宜に使
用できる。さらに、前記繊維質物質と混練される水溶液
には、少なくともバインダーが含まれているのが好まし
く、バインダーは、良好な発泡体を形成するために使用
される。バインダーとしては、主成分としてゼラチンや
ニカワが含有されたものが使用され、これらは、1種単
独で使用しても、2種を併用してもよく、その他のアル
ギン酸やポリビニルアルコールなどと併用してもよい。
ンダーのゼリー強度は、130ブルーム以上、好ましく
は、130〜240ブルームであり、130ブルームよ
りも低いと、発泡成形体の表面にアバタ状の窪みが発生
しやすくなる。130ブルーム以上とすることにより、
解繊古紙との結合力が増大し、空気の分散性および保持
力が高まり、成形時の破泡の発生が抑えられ、発泡成形
体の表面にアバタ状の窪みが発生して、製品としての外
観を損なう恐れがなく、しかも、発泡成形体の内部に空
洞が発生しにくくなり、発泡成形体の強度も高くするこ
とができる。なお、ゼラチンやニカワのゼリー強度を測
定する方法は、JIS K6503の“5.4 ゼリー
強度”の測定法に準拠して行う。ただし、本発明の発泡
成形体では、ニカワにおいても、ゼリー強度を測定する
検液濃度は6.67質量%とする。また、バインダーの
ゼリー強度は、粘度とおよそ比例関係にあり、粘度で規
定することも可能である。この場合、検液濃度6.67
質量%にて測定した粘度が、2.5mPas以上となるバ
インダーである必要がある。
ンダーの油脂含有量は、少ないほど好ましいため、0.
3重量%以下であり、0.3重量%よりも多くなると、
発泡しにくくなる。0.3重量%以下であると、解繊古
紙などの繊維質物質やゼラチンなどのバインダーを含む
水溶液とをゆっくり攪拌する予備混練時に、混練物中に
気泡を取り込みやすいため、製品の発泡成形体の比重を
コントロールすることができ、発泡成形体の低比重化が
図れ、コストを低減することができる。なお、ゼラチン
やニカワの油脂含有量を測定する方法は、JIS K6
503の“5.6 油脂分”の測定法に準拠して行う。
サーNS−80を用いて、水溶液を2,800rpmで
1分間攪拌し、攪拌静止後に1分間が経過したときの起
泡高さを2mm以上とすることにより、前記油脂含有量
と同様に製品の発泡成形体の比重をコントロールするこ
とができ、発泡成形体の低比重化が図れ、コストを低減
することができる。なお、ゼラチンやニカワの起泡高さ
を測定する方法は、以下の方法に準拠して行う。検液温
度60℃、検液濃度10重量%、液量5mlを試験管
(内径13mmφ±1mm)に採取し、試験管ミキサー
で2,800rpm、10mmストロークで偏心円運動
させて1分間攪拌する。このようにして攪拌発泡させた
のち、発泡層の下面と上面とに印を付け、試験管を60
℃の温水に保持したビーカ中に浸漬し、静止1分後の発
泡層高さを測定する。そのときの発泡層の高さを起泡高
さ(以下 起泡度という)とし、本発明では、その起泡
度が2mm以上の高さである。
に対して、10〜60重量%混合するのが好ましく、1
0重量%よりも少ないと、製品発泡成形体の表面にアバ
タ状の窪みが発生しやすくなる。一方、60重量%を超
えると、発泡物の粘性が著しく増加し、発泡機への供給
が困難となる。
しては、例えばパドル攪拌機またはスクリュー攪拌機を
設けた混練機やスクリューニーダなどを採用することが
できる。具体的には、例えば、容器と、容器に付設され
た攪拌機と、容器に連結して設けられたポンプと、この
ポンプから容器への循環手段とを有する混練機を使用す
ることができる。すなわち、繊維質物質と水溶液とを攪
拌機で攪拌混合しつつ、その混練物の一部をポンプで抜
き出して容器に循環させることにより、均一な混練物を
得ることができる。
薬剤としては、架橋促進剤、柔軟化剤などが挙げられ
る。架橋促進剤は、必要に応じて、発泡した形状を安定
化させるために用いられ、架橋促進剤としては、トラン
スグルタミナーゼに代表される架橋促進酵素、アルデヒ
ド化合物であるホルマリン、アセトアルデヒド、グルタ
ルアルデヒド、錯塩であるミョウバン(硫酸アルミニウ
ムカリウム)などが挙げられる。なお、これらは、1種
単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。また、
柔軟化剤は、成形体に弾力性を与えるために使用され
る。具体的には、グリセリン、エチレングリコール、ジ
エチレングリコール、ポリエチレングリコール、トリエ
タノールアミン、ポリビニルアルコールなど、もしくは
これらのいずれかにショ糖を加えたものが挙げられる。
なお、これらは、1種単独で使用しても、2種以上を併
用してもよい。さらに、前記以外の混練物に適宜に混合
される薬剤としては、離型剤、界面活性剤、抗菌剤、P
H調整剤、PH緩衝剤、発泡剤、防カビ剤、着色剤、漂
白剤、酸化防止剤、耐候(光)剤、難燃剤、充填剤など
が挙げられる。
は、ポリオキシエチレンアルキルエーテルである第一工
業製薬(株)製のハイテノールが好ましい。界面活性
剤、特にハイテノールを添加することにより、混練物や
発泡成形体の発泡度合いを高めるという効果が得られ
る。この場合、界面活性剤の添加量は、バインダーや繊
維質物質に対して定めるが、混練物中の繊維質物質に対
しては、通常0.1〜2.5重量%、好ましくは0.3
〜1.5重量%程度である。
も持つため、130ブルーム以上のゼリー強度を有する
バインダーにおいて、油脂分が0.3重量%以上含むか
あるいは起泡度が2mm以下の場合においても、界面活
性剤の添加量増量調節により、起泡度を2mm以上とす
ることが可能であり、起泡度が限界値に近い特性のバイ
ンダーや、さらには油脂分の多いバインダーを用いた場
合にも製品発泡成形体の比重を比較的小さくし、またク
ッション性、弾力性を持たせることができる。また、起
泡度を2mm以上の所望の高さとなるように、界面活性
剤の添加量を定めることで、混練物、発泡物、製品の比
重やクッション性、弾力性をある一定の範囲に制御する
ことが可能となり、バインダーの油脂分などの性状に影
響を受けずに、品質の安定化を図れる。
む例が多くある。例えば、雑誌、印刷紙などの古紙を粉
砕した紙には、油性インクが付着している。また、紙の
原料のセルロースは、毛細管状かつ多孔質で吸収性に富
み、インクにじみや繊維間の接着が弱いと毛羽立ちや紙
剥けを生じるため、これらを防ぐ目的で、サイジングが
施されている。サイジング剤には、遊離ロジン(松脂)
が用いられ、繊維上に定着しており、これらと混練した
バインダー液に、油脂分が抽出され、従ってバインダー
の起泡性を阻害したり泡の消泡を加速したりする場合が
ある。このため、油脂含有などの履歴の不明な古紙を混
練に用いる場合にも、その粉砕した古紙の抽出水溶液を
用いて、バインダー検液を作成し、起泡度を2mm以上
とするように、界面活性剤の添加調合比率を定めること
で、製品発泡成形体の比重、クッション性などの品質を
安定して制御できる。さらに、起泡度を2mm以上の所
望の高さになるように、界面活性剤の添加量を定めるこ
とで、混練に使用するバインダーの油脂性状バラツキや
繊維質物質の油脂含有量などの経歴バラツキの影響を受
けずに、品質の安定化を図ることが可能となる。バイン
ダー検液の起泡度測定に用いる古紙の抽出水溶液は、実
際に混練する古紙重量と水分量の所定の重量比率にて抽
出したものを用い、温度も混練工程の温度に合わせて抽
出する事が望ましい。
上させる界面活性剤は、その添加量を増すことで、上記
効果を持つが、成形体のアバタ状の窪みが発生し易くな
るなどのバインダー結合性の点から、制限を持つ。バイ
ンダーに対しては、界面活性剤の添加量は0.2〜10
重量%が望ましい。界面活性剤には、液状、ペースト
状、顆粒状の物があり、顆粒状の界面活性剤を予め所定
の比率で顆粒状のバインダーと混合しておき、バインダ
ーの水溶液溶解で同時に液状にする方法も採れる。
酸カリウムが好ましい。ソルビン酸カリウムなどの抗菌
剤を添加すると、得られる発泡成形体に抗菌性を付与す
ることができる。ソルビン酸カリウムなどの抗菌剤の添
加量は、バインダーに対し、通常、0.7〜3重量%、
好ましくは1〜2重量%程度である。0.7重量%未満
では、得られる発泡成形体を環境最悪下の湿式状態にお
いて、かびが発生しやすく、一方、3重量%を超えて
も、効果が頭打ちになるばかりか、経済的ではない。
薬液を選定および添加量を適宜に設定して添加すること
により、最適な製品を製造することができるが、通常、
架橋促進剤の添加量は、バインダーに対する比率で、1
〜20重量%、好ましくは4〜10重量%であり、1重
量%よりも少ないと発泡後の消泡が早くなり、製品発泡
成形体の収縮率が大きくなる。一方、20重量%よりも
多いと、架橋反応が促進され過ぎて、粘性が著しく増加
あるいは凝固するため、成形が困難となる。
カワの水溶液は、架橋反応促進剤の添加により、架橋反
応にて分子間結合し、粘度が増す。これにより、粉砕さ
れた繊維質物質を接着結合する作用を強くするが、繊維
質物質と必要に応じて他の添加剤を添加し混練したバイ
ンダー水溶液の粘度は、バインダーの特性からPHが5
付近で大きくなる特徴がある。バインダー水溶液のPH
は、混練する繊維質物質、バインダーやその他添加剤に
より変化するが、製造上はPHをある範囲に制御するこ
とで、品質の安定化や原料コストの低減が図られる。バ
インダー水溶液の混練物のPHと製品発泡成形体のPH
はおよそ大きな変化はないが、バインダー水溶液のPH
を4.5〜6.5に調整すると、混練スラリーの粘性が
高い領域となり、泡立ち性が良くなる。またバインダー
の結合力が増し、成形体の乾燥あるいは放置による収縮
が少なくなるという効果を持ち、従って原料コストの低
減につながる。PH4.5以下では粘性が低下して、バ
インダーの結合力が低下するばかりでなく、発泡成形体
を製品として使う際の鉄錆攻撃性が強くなる。また、P
H6.5以上では、粘性が低下してバインダー結合力が
低下し、従って成形体の乾燥あるいは放置による収縮が
大きく原料費の増加を招く。一般に繊維質物質のPHは
処理履歴の違いで大きく変わりロット毎でのバラツキも
大きく、PHを一定範囲に抑えた繊維質物質を入手する
ことは可能ではあるがコストが高い。従って混練物のP
Hを一定の範囲に抑えたり、あるいはPH4.5〜6.
5に制御するために、他の添加剤に加えてPH調整剤、
PH緩衝剤をさらに添加することが可能である。PH調
整剤としては、酸性方向には塩酸、硫酸、酢酸、クエン
酸などがあり、アルカリ性方向には水酸化ナトリウム、
水酸化カリウム、水酸化カルシウムなど、またPH緩衝
剤としては、酢酸ナトリウム、酢酸アンモニウム、リン
酸二水素ナトリウム、フタル酸水素カリウムなどがあ
る。発泡剤としては、重曹、アジ化ナトリウムなどがあ
る。
に対する比率で、5〜100重量%、好ましくは、15
〜80重量%であり、5重量%よりも少ないと製品発泡
成形体が硬く、クッション性や緩衝性が少なくなり、ま
た乾燥時に製品が反ったり、脆くなったりする。一方、
100重量%よりも多いと、製品発泡成形体の柔軟性、
クッション性は増すが、製品の比重が増加しコスト高を
招き、また湿り気感のある製品となる。
一度に繊維質物質の全量を水溶液と混合して混練して
も、繊維質物質の一部を水溶液と混合したのち、残りの
繊維質物質を混合して混練してもよいが、混練機内に少
なくともバインダーを含有する水溶液を充填し、この水
溶液中に繊維質物質を攪拌しながら、徐々に添加して混
練するのが、少ない水量や少ないバインダーの使用量で
均一かつ容易に混練できるため好ましい。また、バイン
ダーが含有されていない水に繊維質物質を混合した場合
には、混練物の含水量が高くなり、乾燥時間が長くな
る。例えば、古紙を水のみで混練した時の混練物の含水
量は90重量%以上であり、バインダーが含有した水溶
液では、混練物の含水量は約70重量%程度となる。な
お、得られる混練物を混練機から発泡機に供給する時間
は、混練物の発泡状態が保たれるようにするために1時
間以内が好ましい。1時間を超えると、混練物が消泡し
やすくなる。
通常、10〜40重量%、好ましくは、15〜30重量
%程度である。この範囲に水分量を調整して混練すれ
ば、成形体の乾燥による収縮率を少なく、また乾燥時間
を短く抑えることが可能となる。混練物の固形物濃度
が、10重量%よりも低いと、水分含有量が多くなり乾
燥に時間がかかり、エネルギーコストも嵩み、一方、4
0重量%よりも高いと、固形物濃度が高くなり過ぎて流
動性がなくなり、ポンプなどでの移送が困難となる。
水を吸水して抱きかかえる作用を持ち、バインダー水溶
液中のバインダー濃度が、混練の配合比率から単純計算
した値よりも、実際に混練した状態では高くなる。紙の
種類にも依存するが、吸水重量は紙自身の重量の2〜3
倍に達する場合もあり、また紙の履歴にも依存して変わ
り、ロット毎にバインダー水溶液の実際の濃度が変化
し、このため、製品の発泡成形体の比重やクッション性
のロット間バラツキを招く原因の一つともなる。従っ
て、予め混練に使う繊維質物質の吸水率を測定し、繊維
質物質の重量に対する吸水の固有水分量を算出し、一方
でバインダーや他の添加剤と混合する所望の水溶液濃度
から算出する水分量とから成るように、混練に用いる水
分量を定めることで、ロット毎のバインダー水溶液の実
際の濃度を一定の範囲に管理できる。これにより、発泡
成形体の比重やクッション性のロット間バラツキを抑え
ることが可能となる。湿式の繊維質物質を混練する場合
も同様であり、予め湿潤吸水攪拌している繊維質物質の
吸水率を測定しておくことで、上記と同様にバインダー
水溶液の実際の濃度を一定の範囲に制御することが可能
となる。
発泡させる発泡機、空気を混合しながら発泡させる空気
混合発泡機、発泡剤を混合物に添加して発泡させる発泡
剤混合発泡機などを適宜に採用することができる。な
お、発泡機、空気混合発泡機における圧力は、通常、
0.1〜0.5MPaであり、好ましくは、0.2〜
0.4MPaである。圧力が0.1MPaよりも低い
と、空気の混合が十分行われないため、発泡が不十分と
なり、成形体の比重が重くなると共に表面にアバタ状の
窪みが発生しやすく外観不良率が高くなる。一方、0.
5MPaよりも高くなると、圧力変化が大きく急膨張を
きたすため、前記と同様に、製品の発泡成形体の表面に
アバタ状の窪みが発生しやすく外観不良率が高くなる。
また、空気混合発泡機での空気の混合割合は、通常、混
練物1kg/分に対し、0.1〜2NL/分であり、好
ましくは、0.6〜1NL/分である。空気の混合割合
が0.1NL/分よりも少ないと、空気量が少な過ぎて
発泡が不十分となり、成形体の比重が重くなり、一方、
2NL/分よりも多くなると、微細な気泡の抱き込みが
できなくなり、発泡成形体の表面にアバタ状の窪みが発
生しやすく外観不良率が高くなる。
定の圧力(例えば、0.2MPa以上)を加えて、ゼラ
チンなどのバインダーが固化せず、劣化しない温度(例
えば、50〜70℃)で、所定の周速度(例えば、4
m/s 以上)のミキサで連続的に攪拌混合しながら、
気体供給装置により(例えば、空気)を強制的に送り込
んで発泡させる。なお、発泡機における混合物の発泡比
重は、0.15〜0.45g/cm3が好ましい(図4
参照)。発泡比重が、0.15g/cm3よりも低い
と、乾燥後の成形体の強度が弱くなり過ぎ、一方、0.
45g/cm3よりも高いと、成形体の比重が重くなる
と共に緩衝材として使用される場合には、緩衝効果が低
くなる。乾燥後の成形体の比重は低いほど好ましいが、
前記の発泡比重に設定することにより、絶乾比重(温度
80℃、相対湿度7〜8%の条件における恒温時比重)
が0.06〜0.16g/cm3程度の強度が比較的高
い良好な成形体を得ることができる。
連続的に行うために、混練機を2台設けて、それぞれの
混練機から交互に混練物を発泡機に供給するように構成
してもよく、また、混練物をいったん貯留する中間スラ
リータンクを設けてもよく、この中間スラリータンクに
は混練物の発泡状態が保たれるようにするための攪拌機
を付設するのが好ましい。さらに、発泡工程に設けられ
る発泡機を複数台直列に接続して設け、初段の発泡機に
前記各種の原料を連続的に供給して、できるだけ空気が
混入しないようにゆっくりした混練運転を行いながら、
連続的に後段の発泡機に供給し、最終段の発泡機で発泡
運転を行うようにしてもよい。
は、例えば、得られた混練物をダイスからスクリュウー
で押し出し、これを冷却固化させる汎用の各種の押し出
し成形機、混練物をシリンダによりノズルを通して金型
中に射出し、この金型内で冷却固化させる射出成形機な
どを採用することができる。
は、例えば、成形品を棚の上に載置して自然乾燥させる
棚載置自然乾燥機、成形品をヒータの熱によって加熱乾
燥させる加熱乾燥機、温風によって加熱乾燥させる温風
乾燥機、乾燥室内を負圧状態として乾燥させる減圧乾燥
機、フリーズドライ方式の凍結乾燥機などを採用するこ
とができる。そのほか、マイクロ波照射乾燥機、除湿乾
燥機などであってもよい。
従来の製造方法では、バインダーとして混合されるゼラ
チンが溶け出すため、40℃以下で行われていたが、本
発明では、製造方法が相違し、空気の混合量が多く、均
一に発泡させることができ、バインダーとして混合され
るゼラチンなどが溶け出すことがないため、通常、60
〜150℃であり、好ましくは、70〜100℃であ
る。乾燥温度が60℃よりも低いと、乾燥に時間がかか
り過ぎると共に成形体の収縮率が大きくなり、一方、1
50℃よりも高くなると、成形体に含有された各種の成
分における組成変化が起こり、柔軟性が低くなる。ま
た、乾燥機としては温風乾燥機が好ましく、該温風乾燥
機を使用する場合には、温風乾燥温度を100℃±20
℃で全乾燥時間の50〜80%の時間乾燥する前段乾燥
(定率乾燥)工程と、80℃±20℃で全乾燥時間の2
0〜50%の時間乾燥する後段乾燥(減率乾燥)工程と
し、少なくとも前段乾燥工程よりも後段乾燥工程の温風
乾燥温度を低い温度に設定するのが好ましい。前段乾燥
を前記範囲以外の低温で行うと、乾燥に時間がかかり、
成形体の収縮率も大きくなり、高温で行うと、成形体に
含有された各種の成分の組成変化が起こり柔軟性が低く
なる。また、後段乾燥を前記範囲以外の低温で行うと、
乾燥に時間がかかり、高温で行うと、成形体に含有され
た各種の成分の組成変化が起こり柔軟性が低くなる。さ
らに、前段乾燥工程よりも後段乾燥工程の温風乾燥温度
を高い温度に設定すると、単に品温が少し上昇した定率
乾燥状態になるだけで、乾燥効率が悪くなる。前記では
乾燥温度は高いが、空気の混合量が多く、均一に発泡し
ているため、バインダーとして混合されるゼラチンなど
が溶け出すことがない。
の製造装置および製造方法を具体的に説明する。図1
は、本発明の一実施の形態の発泡成形体の製造装置の全
体構成図、図2は起泡度およびゼリー強度の製品発泡成
形体の外観に与える影響を測定したグラフ、図3は起泡
度およびゼリー強度の製品発泡成形体の絶乾比重に与え
る影響を測定したグラフである。図1において、10は
繊維質物質の古紙から発泡成形体である発泡シートを製
造する製造装置であり、この製造装置10は、繊維質物
質を解繊する古紙解繊機11と、解繊された古紙を一次
貯蔵する解繊古紙貯蔵ホッパ12と、解繊古紙と各種の
添加薬剤を混練する混練機13と、各種の添加薬剤を貯
蔵して混練機13に供給する薬剤供給設備14と、得ら
れた混練物を一時的に貯蔵する中間タンク15と、混練
物を発泡させる発泡機16と、得られた発泡物からシー
ト状の成形体に成形する成形機17と、成形体を搬出す
る成形体コンベア18と、搬出された成形体をラック積
みするラック積み機19と、成形体を乾燥させて製品発
泡シートとする乾燥機20と、ラック積みされた製品発
泡シートを1枚づつ押し出す発泡シート押し出し機21
とを備えている。なお、中間タンク15を設けず、混練
機13を2台配置してもよい。
ールなどの古紙をカッターなどで解繊し、1〜15mm
の目開きのスクリーンを通過させて解繊古紙とする装置
である。解繊古紙貯蔵ホッパ12の下部には、解繊古紙
を混練機13へ供給する切り出し装置12aが設けられ
ている。混練機13は、解繊古紙貯蔵ホッパ12からの
解繊古紙と、水と、薬剤供給設備14からの各種の薬剤
とを混練して、混練物を製造する装置であり、具体的に
は、容器13aと、各種の薬剤をに付設された攪拌機1
3bと、容器13aに連結し容器下部に設けられて、混
練物を移送するポンプ13cと、このポンプ13cから
容器13aへの循環ラインが配設されており、解繊古紙
と薬剤を含有する水溶液とを攪拌機13bで攪拌混合し
つつ、それらの混練物の一部をポンプ13cで抜き出し
て容器13aに循環させ、均一な混練物を製造する。ポ
ンプ13cとしては、高粘度混合物に一般的に使用され
る容量式ポンプが採用されている。
る第1のホッパ14aと、柔軟化材を貯蔵するする第2
のホッパ14bと、離型剤を貯蔵する第3のホッパ14
cと、架橋反応促進剤を貯蔵する第4のホッパ14d
と、防腐剤を貯蔵する第5のホッパ14hを有してい
る。これらのホッパ14a〜14hと混練機13との間
には、計量タンク14eが配設されており、計量タンク
14eで混練機13に供給される各種の薬剤の注入量を
計量する。なお、得られた成形体および乾燥製品の端材
などは、リパルプタンク14fに一端貯蔵し、解繊古紙
の一部として、ポンプ14gにより混練機13に投入し
てもよい。
的に運転させるために、一時的に混練された混練物を貯
蔵するためのタンクであり、攪拌機15aによって攪拌
し、混練物を循環用ポンプ15bで強制循環させる。そ
の後、混練物は、発泡機16への供給ポンプ16aによ
って発泡機16へ送られる。なお、中間タンクを設け
ず、前記の構成と略同じ構成の混練機13を2台配置し
た装置においては、発泡の工程よりも時間のかかる混練
物の製造が、交互に行われ、交互に発泡機に供給される
ため、より確実に発泡機を連続的に運転させることがで
きる。前記発泡機16は、図示しない空気供給装置によ
り空気を強制的に混練物に吹き込んで混合し、発泡物を
製造する空気混合機である。ここで、吹き込んで発泡さ
せるガスは、常温常圧下で気体であればよく、空気以外
に、例えば窒素、二酸化炭素またはそれらの混合物であ
ってもよい。前記成形機17は、発泡物をシート状に押
し出し成形する押し出し成形機であり、成形体コンベア
18は、得られた成形体を搬出する装置である。ラック
積み機19は、成形体コンベア18から搬出された成形
体をラック上に積み上げる装置である。
体的には、主に乾燥室20aと、熱交換器である熱風発
生器20bとを有している。熱風発生器20bでは、フ
ァン20cにより吹き込まれた空気を、別の経路で供給
された蒸気で加熱し、得られた熱風を乾燥室20aに吹
き込む。これにより、乾燥室20aに収納されたラック
積みの成形体が乾燥される。乾燥室20aには、熱風の
循環ファン20dと、排気用のファン20eが配設され
ている。前記発泡シート押し出し機21は、乾燥機20
から搬出されたラック積みの成形体発泡シートを、押し
出しシリンダ21aにより1枚ずつ外部へ押し出して製
品として搬出する。
る発泡成形体(製品発泡シート)の製造方法を説明す
る。まず、古紙解繊機11で、新聞紙、雑誌、ダンボー
ルなどの古紙を解繊し、解繊機11のスクリーンの目開
きが1〜15mmを通過した解繊古紙を解繊古紙貯蔵ホ
ッパ12に供給して貯蔵する。解繊古紙を、解繊古紙貯
蔵ホッパ12から切り出し装置12aにより混練機13
の容器13a内に事前に充填されている少なくともバイ
ンダーを含有する水溶液中に供給し、解繊古紙と、水溶
液と、必要により供給される各種の薬剤とを攪拌機13
bで攪拌・混合しつつ、それらの混合物の一部をポンプ
13cで抜き出して容器13aに循環させ、混練物を製
造する。
練方法の具体例を示す。まず、容器13aに、第1のホ
ッパ14aからバインダーとしてゼラチン(ゼリー強
度:150ブルーム、油脂含有量:0.1重量%、起泡
度:10mm)3.7kgを含有する水溶液69.7k
g、第2のホッパ14bから柔軟化材としてグリセリン
7.5kg、第3のホッパ14cから離型剤0.03k
gをそれぞれ供給し、さらに、第5のホッパ14hから
防腐剤としてソルビン酸カリウム37gを添加して混合
する。そのときの温度は、60℃である。なお、前記ゼ
ラチンのゼリー強度の測定は、JIS K6503に規
定されるゼラチンのレオメータ測定法により行い、油脂
含有量の測定は、JIS K6503に規定される酸分
解法で行った。また、起泡度の測定は、検液温度60
℃、検液濃度10重量%、液量5mlを試験管(内径1
3mmφ±1mm)に採取し、試験管ミキサーで2,8
00rpm、10mmストロークで偏心円運動させて攪
拌する。このようにして発泡させたのち、発泡層の下面
と上面とに印を付け、試験管を60℃の温水に保持した
ビーカ中に浸漬し、静止1分後の発泡層高さを測定し、
その高さを起泡高さとして測定した。
古紙10kgを容器13a内の水溶液中に投入し、攪拌
機13bを約10分間、45rpmでゆっくりと攪拌
し、解繊古紙に各種の薬剤を染み込ませると共に、容器
13a内で解繊古紙が山形状に成長するのを防止する。
このようにして、各種材料の供給が完了したのち、攪拌
機13bの攪拌速度を90rpmまで上昇させ、解繊古
紙に各種の薬剤を馴染ませる。この攪拌時間は、約3分
間である。
pmまで上昇させ、解繊古紙および各種の薬剤との混合
を開始する。約1分後に、容器13aの下方にあるポン
プ13cを作動させる。これにより、混練物の循環を開
始し均一な混合の補助をする。なお、混練物の循環量は
10L/分である。この状態で約10分間攪拌混合した
のち、第4のホッパ14dから架橋反応促進剤0.35
kgを供給する。さらに、約10分間攪拌混合して混練
工程を終了する。この際、解繊古紙と水溶液などの供給
順序を、前記とは逆に、解繊古紙を投入した後に水溶液
を供給して混練した場合には、解繊古紙が容器13aの
内壁面に張り付いて流動させることが困難となる。その
結果、均一な混練物を製造することができない。
続的な運転を行うため、一時的に中間タンク15に貯蔵
される。ここでも、混練物は、攪拌機15aによって1
5rpmの回転数で攪拌されながら、循環用ポンプ15
bによって強制循環させられる。
ポンプ16aによって発泡機16へ供給される。発泡機
16では、図示しない空気供給装置により混練物の中に
空気を強制的に吹き込んで混合する。これにより、発泡
物が得られる。発泡工程では、空気を送り込み均一で微
細な気泡を形成しているが、発泡機16での空気吹き込
み量を増やし過ぎると、微細な気泡の抱き込みができな
くなり、製品の発泡成形体の表面がアバタ状になり外観
不良となる。このため、混練工程で空気の巻き込みを行
い、発泡機16での空気の吹込み量を制限することで、
良好な気泡を抱き込んだ製品の発泡シートを製造するこ
とができる。したがって、ここでは、空気の吹込み量を
混練物1kg/分に対して0.8NL/分にし、混合物
の発泡比重は、0.3g/cm3としている。
押し出し成形によってシート状の成形体となる。その
後、得られた成形体は、所定寸法にカットされ、成形体
コンベア18により搬出される。成形体コンベア18の
搬出口では、ラック積み機19によりラック上に多数枚
の成形体が積み上げられる。カット時に発生した製品端
材は、リパルプタンク14fに一端貯蔵され、再び解繊
古紙の一部として、ポンプ14gにより混練機13に投
入される。ラック積みされた成形体は、箱型の乾燥機2
0に入れられる。ここで、80℃の定温で温風乾燥が行
われる。乾燥時間は、製品発泡シートの厚さが5mmの
ものは約3〜5時間、10mmのものは約5〜7時間で
ある。
は、通常、60〜150℃であり、好ましくは、70〜
100℃である。乾燥温度が60℃よりも低いと、乾燥
に時間がかかり過ぎると共に成形体の収縮率が大きくな
り、一方、150℃よりも高くなると、成形体に含有さ
れた各種の成分における組成変化が起こり、柔軟性が低
くなる。前記の温風乾燥機の場合には、温風乾燥温度を
100℃±20℃で全乾燥時間の50〜80%の時間乾
燥する前段乾燥(定率乾燥)と、80℃±20℃で全乾
燥時間の20〜50%の時間乾燥する後段乾燥(減率乾
燥)との2段階で乾燥するのが好ましい。前段乾燥を前
記範囲以外の低温で行うと、乾燥に時間がかかり、成形
体の収縮率も大きくなり、高温で行うと、成形体に含有
された各種の成分の組成変化が起こり柔軟性が低くな
る。また、後段乾燥を前記範囲以外の低温で行うと、乾
燥に時間がかかり、高温で行うと、成形体に含有された
各種の成分の組成変化が起こり柔軟性が低くなる。さら
に、前段乾燥工程よりも後段乾燥工程の温風乾燥温度を
高い温度に設定すると、単に品温が少し上昇した定率乾
燥状態になるだけで、乾燥効率が悪くなる。前記では乾
燥温度は高いが、空気の混合量が多く、均一に発泡して
いるため、バインダーとして混合されるゼラチンなどが
溶け出すことがない。
が0.10g/cm3の強度が比較的に高く、緩衝性の
良好な成形体を得ることができた。また、図2の起泡度
およびゼリー強度の製品発泡成形体の外観に与える影響
を測定したグラフ、ならびに図3の起泡度およびゼリー
強度の製品発泡成形体の絶乾比重に与える影響を測定し
たグラフから、ゼリー強度を130ブルーム未満では、
発泡成形体の表面にアバタ状の窪みが発生して、製品と
しての外観を損なうと共に、絶乾比重が高くなる。従っ
て、製品の不良率が高く歩留まりが悪い問題があり、ま
た、起泡度が2mm未満であると、前記ゼリー強度と同
様な問題があることが、明確である。
包用緩衝材、自動車の座席シート、断熱材、吸音材など
に使用される。本発明の発泡成形体は、紙などとバイン
ダとの混合した多孔質体であるゆえ、断熱材や吸音材の
用途で、従来の化学樹脂発泡材と変わらない機能を有す
るが、さらに、悪臭ガスの臭いを吸着する機能も併せ持
ち、吸臭材の用途もある。また、古紙などの繊維質物質
を原料とした製品は、天然物からなるため、自然界で容
易に生分解や生崩壊され、また、焼却しても有害物質が
発生しないため、環境保護の観点からも優れている。
タ状の窪みが発生して、製品としての外観を損なう恐れ
がなく、しかも、内部に空洞が発生しにくく、また、強
度も高い発泡成形体であり、さらに、製品の発泡成形体
の比重をコントロールすることができ、発泡成形体の低
比重化が図れるなどにより、歩留まりを向上できるた
め、弾力性能に優れた緩衝材などを経済的かつ連続的に
多量生産することができ、特に、天然物である古紙など
の繊維質物質を原料にして生分解性や生崩壊性を有する
環境に優しい発泡成形体とその発泡成形体を製造するこ
とができる製造方法である。
の全体構成図である。
観に与える影響を測定したグラフである。
乾比重に与える影響を測定したグラフである。
フである。
Claims (9)
- 【請求項1】 繊維質物質とゼリー強度が130ブルー
ム以上のゼラチンおよび/またはニカワを主成分とする
バインダーが溶解されている水溶液とを混練して発泡成
形した発泡成形体。 - 【請求項2】 前記バインダーは、油脂含有量が0.3
重量%以下である請求項1に記載の発泡成形体。 - 【請求項3】 前記バインダーは、所定の検液濃度に
て、その検液を攪拌後に1分間が経過したときの起泡高
さが2mm以上である請求項1または請求項2に記載の
発泡成形体。 - 【請求項4】 検液が、繊維質物質と水を混練に供する
所定の比率以上の水分量にて、繊維質物質から抽出した
水溶液である請求項3に記載の発泡成形体。 - 【請求項5】 前記水溶液には、バインダーのほかに、
さらに架橋促進剤、柔軟化剤、離型剤、界面活性剤、抗
菌剤、PH調整剤、PH緩衝剤、発泡剤、防カビ剤、着
色剤、漂白剤、酸化防止剤、耐候(光)剤、難燃剤およ
び充填剤の群から選ばれた少なくとも1種が添加された
請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の発泡成形
体。 - 【請求項6】 抗菌剤がソルビン酸カリウムであり、そ
の添加量がバインダーに対して0.7〜3重量%である
請求項5記載の発泡成形体。 - 【請求項7】 界面活性剤の添加量が、請求項3または
請求項4に記載の前記バインダー検液濃度にて、その検
液を攪拌後に1分間が経過したときの起泡高さを2mm
以上の所望の高さとする、請求項5または請求項6に記
載の発泡成形体。 - 【請求項8】 バインダー水溶液のPHが4.5〜6.
5の範囲である請求項1〜請求項7に記載の発泡成形
体。 - 【請求項9】 繊維質物質と少なくともゼリー強度が1
30ブルーム以上のゼラチンおよび/またはニカワを主
成分とするバインダーが溶解されている水溶液とを混練
して混練物を製造する混練工程と、該混練工程で混練さ
れた混練物を発泡させて発泡物を製造する発泡工程と、
該発泡工程で発泡された発泡物を所定の形状に成形して
成形体を製造する成形工程と、該成形工程で成形された
成形体を乾燥する乾燥工程とを備えた発泡成形体の製造
方法。
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JP2001095628A JP3593319B2 (ja) | 2001-03-29 | 2001-03-29 | 発泡成形体およびその製造方法 |
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CNB02800969XA CN100400267C (zh) | 2001-03-29 | 2002-03-26 | 发泡成型体的制造装置及制造方法和所获得的发泡成型体 |
US10/473,176 US20040096642A1 (en) | 2001-03-29 | 2002-03-26 | Apparatus for producing foamed moldings, and method for producing laminated foamed moldings and foamed moldings produced thereby |
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TWI402600B (zh) * | 2007-11-30 | 2013-07-21 | Hon Hai Prec Ind Co Ltd | 膠體固化裝置 |
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CN106079221A (zh) * | 2015-10-12 | 2016-11-09 | 哈尔滨市凯瑞达科技有限公司 | 一种pu圆泡高压发泡机组 |
WO2023017842A1 (ja) | 2021-08-11 | 2023-02-16 | ソニーグループ株式会社 | 梱包材及び梱包材の製造方法 |
WO2024080233A1 (ja) * | 2022-10-14 | 2024-04-18 | ソニーグループ株式会社 | 梱包材及び梱包材の製造方法 |
-
2001
- 2001-03-29 JP JP2001095628A patent/JP3593319B2/ja not_active Expired - Lifetime
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