JP2002293814A - 1次微粒子の製造方法 - Google Patents

1次微粒子の製造方法

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JP2002293814A
JP2002293814A JP2001095785A JP2001095785A JP2002293814A JP 2002293814 A JP2002293814 A JP 2002293814A JP 2001095785 A JP2001095785 A JP 2001095785A JP 2001095785 A JP2001095785 A JP 2001095785A JP 2002293814 A JP2002293814 A JP 2002293814A
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solvent
fine particles
polymerizable compound
polymer
carbon atoms
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JP2001095785A
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Hirotomo Nagata
寛知 永田
Tetsuo Takada
哲生 高田
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DIC Corp
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Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 粒径1μm以下の樹脂微粒子を製造する簡便
な方法を提供する。 【解決手段】 第1成分として活性光線の照射により重
合可能な重合性化合物(A)と、第2成分として該重合
性化合物(A)との溶解性パラメータの差の絶対値が
0.15〜1.2の範囲内で、且つ該重合性化合物
(A)から生成する重合体(B)を溶解させない溶剤
(C)とを混合した均一な重合溶液(I)であって、反
応系において重合体(B)が分散ないし乳化状態となる
量の溶剤(C)を含有する重合溶液(I)に活性光線を
照射することを特徴とする該重合体(B)からなる粒径
1μm以下の1次微粒子の製造方法。および、上記の重
合溶液に活性光線を照射した後、該重合体(B)を溶解
させない溶剤(E)を混合することを特徴とする該重合
体(B)からなる粒径1μm以下の1次微粒子の製造方
法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、塗料添加剤、紙加
工、繊維処理、食品、医薬品、化粧品、農薬、殺菌剤等
に有用なサブミクロンオーダーの樹脂微粒子(粒径1μ
m以下の1次微粒子)の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に樹脂微粒子の製造方法としては、
以下の2つに大別されることが、「微孔性ポリマーとそ
の応用展開」、(株)東レリサーチセンター(199
7)に示されている。一つは、重合性モノマーから、そ
の重合過程で粒子を形成、成長させる重合造粒法であ
り、いわゆる、乳化重合、懸濁重合、ソープフリー重
合、ノズル振動法、膜乳化法、膨潤シード重合、二段階
膨潤重合法などが開発されている。もう一つは、微小液
滴化したポリマー溶液から、粒子形成を行う分散造粒法
であり、噴霧乾燥法、液中硬化法(凝固法)、懸濁蒸発
法、相分離法、細孔ノズル法、膜乳化法、超音波分散法
などが開発されている。
【0003】サブミクロンオーダーの微粒子を製造する
方法としては、乳化重合法が最も適しており、通常、得
られるエマルジョンは粒径が0.05〜1μm程度であ
る。さらに、細かい0.005〜0.1μm程度の粒径
を持つ超微粒子ポリマーエマルジョンを製造する乳化重
合法も開発されており、ミクロゲル法などと呼ばれてい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、塗料添加剤、紙加工、繊維処理、食品、医
薬品、化粧品、農薬、殺菌剤等、さまざまな用途で有効
的に利用されている樹脂微粒子のコストダウンは非常に
重要である。したがって、その性能を落とさずにコスト
ダウンを図るには、製造プロセスの見直しが重要であ
る。
【0005】しかしながら、重合性造粒法の場合、重合
反応系には分散剤、乳化剤、種ポリマー等の添加剤を必
要とし、その乳化または懸濁した様相から重合開始剤と
しては、熱によるラジカル発生剤を用いており、その製
造工程では加熱、冷却の工程も必要となる。分散造粒法
では粒子化するために、ポリマーの溶液やエマルジョン
を調製し、気相中に噴霧、または、非溶剤中に吐出、凝
固させる必要がある。従来通りの樹脂微粒子の製造にお
いて、これらの工程はどれも必要不可欠であり、大幅な
工程の簡略化は容易には見込めない。
【0006】本発明が解決しようとする課題は、粒径1
μm以下の樹脂微粒子を製造する簡便な方法を提供する
ことにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記課題
を解決すべく、鋭意検討を行った結果、(1)活性光線
の照射により重合可能な重合性化合物(A)と、(2)
該重合性化合物(A)との溶解性パラメータの差の絶対
値が0.15〜1.2の範囲内で、且つ該重合性化合物
(A)から生成する重合体(B)を溶解させない溶剤
(C)とを混合した均一な重合溶液(I)であって、反
応系において重合体(B)が分散ないし乳化状態となる
量の溶剤(C)を含有する重合溶液(I)に活性光線を
照射することを特徴とする該重合体(B)からなる粒径
1μm以下の1次微粒子の製造方法により、上記課題を
解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】すなわち、本発明は、活性光線の照射によ
り重合可能な重合性化合物(A)と、(2)該重合性化
合物(A)との溶解性パラメータの差の絶対値が0.1
5〜1.2の範囲内で、且つ該重合性化合物(A)から
生成する重合体(B)を溶解させない溶剤(C)とを混
合した均一な重合溶液(I)であって、反応系において
重合体(B)が分散ないし乳化状態となる量の溶剤
(C)を含有する重合溶液(I)に活性光線を照射する
ことを特徴とする該重合体(B)からなる粒径1μm以
下の1次微粒子の製造方法を提供するものである。
【0009】また、本発明は上記課題を解決するため
に、(1)活性光線の照射により重合可能な重合性化合
物(A)と、(2)該重合性化合物(A)との溶解性パ
ラメータの差の絶対値が0.15〜1.2の範囲内で、
且つ該重合性化合物(A)から生成する重合体(B)を
溶解させない溶剤(C)とを混合した均一な重合溶液
(I)であって、反応系において重合体(B)が分散な
いし乳化状態となる量の溶剤(C)を含有する重合溶液
に活性光線を照射した後、該重合体(B)を溶解させな
い溶剤(E)を混合することを特徴とする該重合体
(B)からなる粒径1μm以下の1次微粒子の製造方法
を提供するものである。
【0010】
【発明の実施の形態】始めに、(1)活性光線の照射に
より重合可能な重合性化合物(A)と、(2)該重合性
化合物(A)との溶解性パラメータの差の絶対値が0.
15〜1.20の範囲内で、且つ該重合性化合物(A)
から生成する重合体(B)を溶解させない溶剤(C)と
を混合した均一な重合溶液(I)であって、反応系にお
いて重合体(B)が分散ないし乳化状態となる量の溶剤
(C)を含有する重合溶液(I)に活性光線を照射する
ことを特徴とする該重合体(B)からなる粒径1μm以
下の1次微粒子の製造方法、および、
【0011】(1)活性光線の照射により重合可能な重
合性化合物(A)と、(2)該重合性化合物(A)との
溶解性パラメータの差の絶対値が0.15〜1.20の
範囲内で、且つ該重合性化合物(A)から生成する重合
体(B)を溶解させない溶剤(C)とを混合した均一な
重合溶液(I)であって、反応系において重合体(B)
が分散ないし乳化状態となる量の溶剤(C)を含有する
重合溶液に活性光線を照射した後、該重合体(B)を溶
解させない溶剤(E)を混合することを特徴とする該重
合体(B)からなる粒径1μm以下の1次微粒子の製造
方法、について説明する。
【0012】本発明で用いる活性光線の照射により重合
可能な重合性化合物(A)としては、例えば、メチルア
クリレート、メチルメタクリレート(以下、「メチルア
クリレート」と「メチルメタクリレート」とを「メチル
(メタ)アクリレート」)と表記する。以下、同
様。)、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メ
タ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、2
−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メ
タ)アクリレート、イソボニル(メタ)アクリレート、
ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペ
ンテニロキシエチル(メタ)アクリレート、フェニル
(メタ)アクリレート、フェニルセロソルブ(メタ)ア
クリレート、2−メトキシエチル(メタ)アクリレー
ト、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキ
シプロピル(メタ)アクリレート、
【0013】2−アクリロイルオキシエチルハイドロゲ
ンフタレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレ
ート、トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、トリ
メチルシロキシエチルメタクリレート、N−ビニルピロ
リドン、スチレンの如き単官能モノマー;ジエチレング
リコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコ
ールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオー
ルジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ
(メタ)アクリレート、2,2’−ビス(4−(メタ)
アクリロイルオキシポリエチレンオキシフェニル)プロ
パン、2,2’−ビス(4−(メタ)アクリロイルオキ
シポリプロピレンオキシフェニル)プロパンの如き2官
能モノマー;トリメチロールプロパントリ(メタ)アク
リレート、
【0014】トリメチロールエタントリ(メタ)アクリ
レートの如き3官能モノマー;ペンタエリスリトールテ
トラ(メタ)アクリレートの如き4官能モノマー;ジペ
ンタエリスリトールヘキサアクリレートの如き6官能モ
ノマー、などが挙げられる。また、活性光線の照射によ
り重合可能な重合性化合物(A)として、トリブチレン
グリコールビス(マレイミド酢酸エステル)の如きマレ
イミド化合物を使用することもできる。これらの重合性
化合物は、2種類以上混合して用いることもできる。
【0015】また、本発明で用いられる重合性化合物
(A)はオリゴマーであってもよく、例えば、活性光線
照射により重合可能で、重合平均分子量が500〜50
000のものである。そのようなオリゴマーとしては、
例えば、ビスフェノールA−ジエポキシ−アクリル酸付
加物の如き、エポキシ樹脂の(メタ)アクリル酸エステ
ル;ポリエーテル樹脂の(メタ)アクリル酸エステル;
ポリブタジエン樹脂の(メタ)アクリル酸エステル;分
子末端に(メタ)アクリル基を有するポリウレタン樹
脂、などを挙げることができる。また、本発明で用いる
重合性化合物(A)として、オリゴマーを2種類以上混
合して用いることもできるし、これらのオリゴマー1種
類以上の上記したモノマーとを混合して用いることもで
きる。
【0016】本発明による粒径1μm以下の樹脂微粒子
は、重合性化合物(A)の選択により、それから生成す
る重合体(B)を、非架橋型のもの、あるいは、架橋型
のものとすることができ、また、架橋密度も任意に調整
することができる。
【0017】さらに、重合性化合物(A)として、水酸
基、カルボキシル基、アミノ基、4級アンモニウム基、
スルホン基、エポキシ基、ポリエチレングリコール鎖、
ケイ素、ハロゲン基の如き官能基を有する重合性化合物
を用いることにより、これら官能基を容易に樹脂微粒子
中に導入することができる。
【0018】水酸基を有する重合性化合物(A)として
は、例えば、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、
2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アク
リレート、などが挙げられる。
【0019】カルボキシル基を有する重合性化合物
(A)としては、例えば、(メタ)アクリル酸、フタル
酸モノ(2−(メタ)アクリロイルオキシプロピルエス
テル)、などが挙げられる。
【0020】アミノ基を有する重合性化合物(A)とし
ては、例えば、(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミ
ノエチル(メタ)アクリレート、などが挙げられる。4
級アンモニウム基を有する重合性化合物としては、例え
ば、塩化トリメチルアミノエチル(メタ)アクリレー
ト、塩化ジメチルベンジルアミノプロピル(メタ)アク
リルアミド、などが挙げられる。
【0021】スルホン酸基を有する重合性化合物(A)
としては、例えば、2−(メタ)アクリルアミド−2−
メチルプロパンスルホン酸、(メタ)アクリロイルオキ
シエチルスルホン酸ナトリウム、などが挙げられる。エ
ポキシ基を有する重合性化合物(A)としては、例え
ば、グリシジル(メタ)アクリレート、などが挙げられ
る。
【0022】ポリエチレングリコール鎖を有する重合性
化合物(A)としては、例えば、メトキシポリエチレン
グリコール(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシポ
リエチレングリコール(メタ)アクリレート、などが挙
げられる。ケイ素を有する重合性化合物(A)として
は、例えば、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピル
トリメチルシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプ
ロピルトリス(トリメチルシロキシ)シラン、などが挙
げられる。ハロゲン基を有する重合性化合物(A)とし
ては、例えば、トリフルオロエチル(メタ)アクリレー
ト、ヘプタデカフルオロデシル(メタ)アクリレート、
などが挙げられる。
【0023】本発明による粒径1μm以下の樹脂微粒子
は、架橋型であることが、耐圧密化、耐熱性、耐溶剤
性、耐薬品性などの点で好ましいが、特に未反応モノマ
ーやオリゴマーの残留量を少なくする必要のある場合
や、ポリマー中の残留二重結合を少なくする必要のある
場合には、得られた樹脂微粒子をエタノールの如き、未
反応モノマーおよびオリゴマーと相溶する溶剤で洗浄し
て、未反応成分を除去することもできる。
【0024】または、単官能の重合性化合物(A)を用
いて、非架橋型の樹脂微粒子とすることも可能である。
該樹脂微粒子が架橋型か非架橋型かは、該樹脂微粒子を
溶解することのできる溶剤の有無で判定できる。即ち、
溶剤に浸漬した場合に、架橋型の樹脂微粒子は、ゲル状
に膨潤することはあっても溶解することはない。
【0025】本発明に用いられる溶剤(C)は、該重合
性化合物(A)との溶解性パラメータの差の絶対値が
0.15〜1.2の範囲内で、且つ該重合性化合物
(A)から生成する重合体(B)を溶解させない溶剤で
ある。活性光線に対して実質的に不活性なものであれ
ば、何ら制限はなく、例えば、2−プロパノール、1−
ブタノール、1−オクタノール、1−ドデカノール、イ
ソトリデシルアルコールの如きアルコール類;酢酸エチ
ル、カプリン酸メチルの如きアルキルエステル類;メチ
ルイソブチルケトン、ジイソブチルケトンの如きジアル
キルケトン類;液状ポリエチレングリコール、ポリエチ
レングリコールのモノエステル、ポリエチレングリコー
ルモノエーテル、グリセリンのモノ、ジ、及びトリエス
テル、水酸基を有するアルキルエステル類、アルキルア
ミン類、ポリエチレングリコールアミンなどの中から、
上記した条件を満足する溶剤を選択して用いることがで
きる。
【0026】各重合性化合物(A)及び溶剤(C)の溶
解性パラメータ(SP値)は、R.F.Fedors,
Polym.Eng.Sci., Vol.14,
p.147(1974)に基づき、次式を用いて算出し
た。
【0027】 SP値=[{Σ△e(i)}/{Σ△v(i)}]1/2 △e(i):原子または原子団の蒸発エネルギー △v(i):原子または原子団のモル体積
【0028】また、溶剤(C)は重合性化合物(A)と
の反応誘発型相分離の発生に密接に関連しており、例え
ば、同一条件で樹脂微粒子を製造した場合、溶剤(C)
を1−ブタノール、1−オクタノール、1−デカノール
のように系統的にアルキル鎖長を変えることにより、製
造された樹脂微粒子の粒径は小さくなり、粒径制御のた
めの簡便かつ重要な因子となるので、炭素原子数6以上
のアルコール類、炭素原子数6以上のアルキルエステル
類、炭素原子数6以上のジアルキルケトン類および炭素
原子数6以上のアルカン類からなる群から選ばれる1種
以上の溶剤が好ましい。
【0029】ただし、上述した炭素原子数6以上のアル
コール類は、本発明の効果を達成するものであれば特に
限定されないが、炭素原子数6〜18のアルコール類が
好ましく、さらに直鎖の炭素原子数6〜12または分岐
した炭素原子数6〜14のアルコール類が好ましい。ま
た、上述した炭素原子数6以上のアルキルエステル類
は、本発明の効果を達成するものであれば特に限定され
ないが、炭素原子数6〜18のアルキルエステル類が好
ましく、さらに直鎖の炭素原子数6〜12または分岐し
た炭素原子数6〜14のアルキルエステル類が好まし
い。
【0030】また、上述した炭素原子数6以上のジアル
キルケトン類は、本発明の効果を達成するものであれば
特に限定されないが、炭素原子数6〜18のジアルキル
ケトン類が好ましく、さらに直鎖の炭素原子数6〜12
または分岐した炭素原子数6〜14のジアルキルケトン
類が好ましい。また、上述した炭素原子数6以上のアル
カン類は、本発明の効果を達成するものであれば特に限
定されないが、炭素原子数6〜18のアルカン類が好ま
しく、さらに直鎖の炭素原子数6〜12または分岐した
炭素原子数6〜14のアルカン類が好ましい。
【0031】水溶性の重合性化合物(A)を用いる場合
には、溶剤(C)として水を用いることもできる。
【0032】溶剤(C)は単一組成であってもよいし、
混合物であってもよい。混合物の場合には、その構成要
素単独での性状は特に限定されない。例えば、溶剤
(C)が複数の溶剤からなる場合、混合溶剤を構成する
個々の溶剤のいずれかが、重合性化合物(A)と相溶せ
ず、かつ、そのポリマーも膨潤または溶解させないもの
であってもよいし、逆に重合性化合物(A)から生成す
る重合体(B)と相溶するものであってもよい。
【0033】ここでいう膨潤とは、架橋ポリマーについ
て定義された概念であり、同一化学構造の非架橋ポリマ
ーを溶解させる溶剤に、架橋ポリマーを浸漬した場合に
生じる現象のことをいう。このような膨潤においては、
一般に、架橋ポリマー中に架橋ポリマー重量の50%以
上の溶剤を含有することができる。溶剤(C)及び溶剤
(E)は、樹脂微粒子の製造方法の違い、重合性化合物
の種類、必要とされる重合溶液(I)の粘度、ポリマー
その他の添加剤の溶解性などにより適宜選択することが
できる。
【0034】また、溶剤(C)と溶剤(E)は該重合性
化合物(A)から生成する重合体(B)を溶解させない
ものなら、何ら制限はなく、同一のものであってもよい
し、同一でなくてもよい。溶剤(C)は、活性光線とし
て紫外線を用いる場合には、紫外線吸収の少ないものが
好ましい。溶剤(E)は活性光線を照射した後に添加す
るので光線の吸収を考慮する必要はなく、染料または顔
料を含む溶液のように着色した溶液、または、微粒子を
分散させた溶液であってもよい。
【0035】本発明の重合溶液(I)は重合性化合物
(A)と溶剤(C)とを含む。重合性化合物に対する溶
剤(C)の比率は、反応系において重合体(B)が分散
ないし乳化状態となる量であれば、何ら制限はないが、
重合性化合物1重量部に対して1重量部以上の範囲が望
ましく、4重量部以上が更に好適である。1重量部以下
では、網状に微粒子状重合物が凝集融着した多孔質構造
を有する二次微粒子の形態が得られ易く、粒径の制御も
容易でなくなる。この場合、界面活性剤などを添加する
ことにより、微粒子の製造は可能になるが、従来の製造
方法との併用になるため、洗浄工程でのデメリットが発
生してしまう。ただし、最終的な用途を考慮するなど、
必要に応じて、活性光線による重合の妨げにならない程
度の界面活性剤、分散剤等を混合してもよい。重合性化
合物(A)の選択については、生成する微粒子の強度、
柔軟性、耐熱性、耐膨潤性、細孔径、親水性の程度、官
能基の有無等により決定される。
【0036】例えば、耐熱性に優れた微粒子を得るため
には、多官能の重合性化合物のみの系、または、多官能
の重合性化合物を多く含有する系を選択する。柔軟性に
富んだ微粒子を得るためには、可とう性の高い構造を有
する重合性化合物のみの系、または、可とう性の高い構
造を有する重合性化合物を多く含有する系を選択する。
【0037】用途目的に応じて、親水性または撥水性の
微粒子を得るため、水酸基、カルボキシル基、スルホン
酸基、アンモニウム基等の親水性基、または、フッ素、
シリル基等の撥水性基(または、疎水性基)を含有する
重合性化合物を選択し得るし、また、これら重合性化合
物を混合することができる。
【0038】重合溶液、即ち重合性化合物(A)と溶剤
(C)との混合液には、必要に応じ、重合開始剤、増感
剤等を添加することも可能である。重合溶液の粘度は特
に制約を設ける必要はなく、重合性化合物(A)の種
類、溶剤(C)の種類、増粘剤、希釈剤、ポリマー、界
面活性剤等の添加剤等を用いることにより任意に調節す
ることができる。さらに、重合溶液には、必要に応じ、
顔料、染料、香料、薬剤、その他の有機または無機化合
物を溶解または分散によって添加することもできる。
【0039】本発明による粒径1μm以下の微粒子の製
造方法は、均質な重合溶液に活性光線を照射することに
より、重合反応を進行させると同時に相分離を誘発し、
微粒子化することを特徴とする。したがって、均質な重
合溶液を調製した容器のまま、活性光線を照射し、重合
反応を行うことが可能である。また、ノズルから押し出
した後に、活性光線を照射し、重合反応を行い、そのま
ま洗浄槽に投入してもよい。この場合、ノズルから押し
出された溶液の形態に何ら制限はなく、連続的な流体
状、断続的な液滴状、あるいは、霧状であってもよい。
さらには、重合溶液を、送液ポンプを用いて、送液し、
その経路中で活性光線を照射してもよい。
【0040】収率を向上させるために、重合性化合物
(A)の濃度を高くした場合、微粒子の凝集が生ずるの
で、撹拌、粉砕、高圧処理、超音波照射等の手段によ
り、粒径の微小化を図ることが可能である。この場合、
重合反応により誘発された相分離を利用しているため、
一般的な顔料等の粉砕、あるいは、ゲル状固体の粉砕に
比べて、粒子形状は比較的均一であり、かつ、粉砕工程
も容易である。
【0041】本発明による粒径1μm以下の微粒子の製
造方法に用いる活性光線としては、電子線、γ線、X
線、紫外線、可視光線等を挙げることができる。これら
の中でも、装置および取扱いの簡便さから紫外線が最も
好ましい。照射する紫外線の強度は、10〜5000m
w/cm2が好ましく、照射時間は、0.01〜100
秒程度である。ノズルから押し出された重合溶液に活性
光線を照射し連続的に微粒子を製造する工程において、
照射時間は、照射範囲における重合溶液の滞留時間とな
る。
【0042】重合速度を速める目的で、紫外線の照射を
不活性ガス雰囲気下で行うことが好ましい。また、紫外
線による重合速度を速める目的で、重合溶液に紫外線重
合開始剤を含有させることも好ましい。紫外線重合開始
剤としては、特に制約を設ける必要は無いが、重合溶液
に溶解可能なものが好ましく、例えば、ラジカル重合開
始剤、アニオン重合開始剤、カチオン重合開始剤であっ
て良い。そのような光重合開始剤としては、例えば、p
−tert−ブチルトリクロロアセトフェノン、2,
2’−ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2
−メチル−1−フェニルプロパン−1−オンの如きアセ
トフェノン類;ベンゾフェノン、4,4’−ビスジメチ
ルアミノベンゾフェノン、2−クロロチオキサントン、
2−メチルチオキサントン、2−エチルチオキサント
ン、2−イソプロピルチオキサントンの如きケトン類;
ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインイ
ソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテルの
如きベンゾインエーテル類;ベンジルジメチルケター
ル、ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンの如きベ
ンジルケタール類、などを挙げることができる。重合溶
液中の光重合開始剤濃度は0.01〜20重量%の範囲
が好ましく、0.5〜10重量%の範囲が特に好まし
い。電子線も本発明の製造方法で用いることのできる好
ましい活性光線である。電子線を用いると、溶剤
(C)、その他の添加剤などによる紫外線吸収の有無の
影響を受けないため、これらの選択の幅が広がると共
に、微粒子の製造速度も向上する。さらに重合開始剤が
不要であるため、この残留が問題となる用途への適用が
容易となる。
【0043】活性光線照射ゾーンの雰囲気は、酸素濃度
が5%以下が好ましいが、重合溶液(I)と相溶しなけ
れば、如何なる流体、例えば、空気、水、脱気水、石油
エーテル等でもよい。重合溶液(I)を液滴状に押し出
す雰囲気あるいは活性光線照射ゾーンの雰囲気として
は、簡便で、かつ、その後の乾燥操作が不要であるため
に気体であることが好ましいが、重合溶液(I)と相溶
しなければ、如何なる流体、例えば、空気、水、脱気
水、石油エーテル等でもよい。
【0044】また、重合性化合物(A)が活性光線照射
による重合に際し、酸素による反応阻害を受ける場合に
は、照射ゾーンの気体は、酸素濃度が10%以下である
ことが好ましく、5%以下であることが更に好ましく、
1%以下であることが最も好ましい。重合溶液(I)と
活性光線照射位置間の距離は、本発明の効果を達成する
範囲で有れば特に制限さえるものではないが、10〜1
000mmが好適であり、50〜300mmがさらに好
適である。距離が1000mm以下であれば、充分な活
性光線照射量となり、重合反応も充分にすすむ。一方、
距離が10mm以上であれば、ノズルから押し出す場合
などは、エネルギー線の漏洩によりノズル面での重合に
よるノズルの目詰まりや汚れが生じにくくなるため好ま
しい。
【0045】活性光線照射ゾーンの長さは特に制約はな
く、光源の寸法、強度、重合溶液の吐出線速度などによ
り適宜定めればよい。重合溶液(I)の固化後、架橋密
度を増したり、未反応モノマーを減らすなどの目的で、
さらに長い区間や別工程で照射することも可能である。
【0046】活性光線を照射して得られた樹脂微粒子
は、必要に応じ、洗浄により微粒子内に残留した溶剤
(C)及び/または(E)、未反応の重合性化合物
(A)、重合開始剤、その他の添加剤などを除去する。
洗浄剤は、溶剤(C)及び/または(E)、重合開始
剤、未反応成分およびその他の添加剤を溶解できるもの
であればよい。また、環境および人体への影響を避ける
ため、エタノール、水等の溶剤を用いた方が好ましい。
溶剤として最終的に得られた樹脂微粒子を分散、懸濁、
または、乳化させる溶剤系を用いた場合等は、洗浄する
ことなく、目的の用途に供することもできる。
【0047】得られた樹脂微粒子は、必要に応じて、熱
処理を行い、寸法安定性または耐熱性等の増加を図るこ
とも可能である。
【0048】本発明により製造される重合体(B)は粒
径1μm以下の微粒子であり、さらに粒径0.001〜
1μmの微粒子を製造することもできる。粒径の小さな
微粒子は、重合溶液をノズルから噴霧し、活性光線を照
射することにより硬化させることで得ることができる。
【0049】また、本発明により製造される粒径1μm
以下の微粒子の形状に何ら制限は無いが、本発明による
製造方法は、反応誘発型相分離に基づいて発生した樹脂
成分の島構造に由来するので、例えば、球状であって
も、異形であってもよい。
【0050】本発明の粒径1μm以下の微粒子は、この
ような粒径サイズが必要な種々の用途において公知慣用
の方法で利用可能である。該用途としては、例えば、塗
料添加剤、紙加工、繊維処理、食品、医薬品、化粧品、
農薬、殺菌剤等が挙げられるが、これらの用途に限定さ
れるものではない。
【0051】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに具体的に
説明するが、本発明の範囲がこれらの実施例により限定
されるものではない。また、重合溶液における各重合性
化合物及び溶剤の溶解性パラメータ(SP値)は、R.
F.Fedors, Polym.Eng.Sci.,
Vol.14, p.147(1974)に基づき、
次式を用いて算出した。
【0052】 SP値=[{Σ△e(i)}/{Σ△v(i)}]1/2 △e(i):原子または原子団の蒸発エネルギー △v(i):原子または原子団のモル体積
【0053】[実施例1] (重合溶液の調製)トリメチロールプロパントリアクリ
レート(SP値=9.88、商品名ライトアクリレート
TMP−A、共栄社化学株式会社製)5重量部、グリシ
ジルメタクリレート(SP値=10.23、商品名ライ
トエステルG、共栄社化学株式会社製)5重量部、1−
ヘキサノール(SP値=9.82)、90重量部、イル
ガキュア−184(紫外線重合開始剤、チバガイギー社
製)1重量部を混合し、重合溶液1を得た。
【0054】重合性化合物成分のSP値のモル平均値は
10.12であり、1−ヘキサノールのSP値との差の
絶対値は0.30となる。
【0055】(樹脂微粒子の作製)ガラス製容器中に入
れた重合溶液1を窒素雰囲気下、撹拌子−マグネチック
スターラーにより、800rpm/分で撹拌しながら、
6KWメタルハライドランプにより、波長360nmの
紫外線を集光ミラーを用いて、60秒間照射した。
【0056】得られた凝固物を含む溶液を撹拌し、粉砕
した。撹拌を繰り返すに従い、粒子は粉砕、微小化され
た。1−ヘキサノールを濾過により除去した後、再び、
1−ブタノールを10部添加し、ボールミルによる粉砕
も行うことにより、白色の樹脂微粒子の1−ブタノール
分散液を得た。
【0057】(樹脂微粒子の特性)この樹脂微粒子の平
均粒径は、0.25μm(粒径分布0.10〜0.40
μm、0.3μm以下の微粒子の含有率85%以上)で
あり、電子顕微鏡観察によれば、一次微粒子が凝集融着
したものではなく、個々の微粒子が球状の形態をしてい
た。
【0058】このようにして得たサブミクロンオーダー
の樹脂微粒子をアクリル系ポリマーの溶剤であるジメチ
ルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスル
ホオキシドに浸漬したところ、ほとんど膨潤することは
なく、溶解もしなかった。また、同樹脂微粒子は塗料樹
脂との親和性がよく、クリアリティー等も良好であっ
た。
【0059】[実施例2] (重合溶液の調製)トリメチロールプロパントリアクリ
レート(SP値=9.88、商品名ライトアクリレート
TMP−A、共栄社化学株式会社製)5重量部、グリシ
ジルメタクリレート(SP値=10.23、商品名ライ
トエステルG、共栄社化学株式会社製)5重量部、1−
オクタノール(SP値=9.58)90重量部、イルガ
キュア−184(紫外線重合開始剤、チバガイギー社
製)1部を混合し、重合溶液2を得た。
【0060】重合性化合物成分のSP値のモル平均値は
10.12であり、1−オクタノールのSP値との差の
絶対値は0.54となる。
【0061】(樹脂微粒子の作製)ガラス製容器中に入
れた重合溶液2を窒素雰囲気下、撹拌子−マグネチック
スターラーにより、800rpm/分で撹拌しながら、
6KWメタルハライドランプにより、波長360nmの
紫外線を集光ミラーを用いて、60秒間照射した。
【0062】得られた凝固物を含む溶液を撹拌し、粉砕
した。撹拌を繰り返すに従い、粒子は粉砕、微小化され
た。1−オクタノールを濾過により除去、1−ブタノー
ルで数回洗浄した後、1−ブタノールを10部添加し、
ボールミルによる粉砕も行うことにより、白色の樹脂微
粒子の1−ブタノール分散液を得た。
【0063】(樹脂微粒子の特性)この樹脂微粒子の平
均粒径は、0.15μm(粒径分布0.08〜0.25
μm、0.2μm以下の微粒子の含有率85%以上)で
あり、電子顕微鏡観察によれば、一次微粒子が凝集融着
したものではなく、個々の微粒子が球状の形態をしてい
た。このようにして得たサブミクロンオーダーの樹脂微
粒子をアクリル系ポリマーの溶剤であるジメチルホルム
アミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホオキシ
ドに浸漬したところ、ほとんど膨潤することはなく、溶
解もしなかった。また、同樹脂微粒子は塗料樹脂との親
和性がよく、クリアリティー等も良好であった。 [実施例3] (重合溶液の調製)トリメチロールプロパントリアクリ
レート(SP値=9.88、商品名ライトアクリレート
TMP−A、共栄社化学株式会社製)5重量部、グリシ
ジルメタクリレート(SP値=10.23、商品名ライ
トエステルG、共栄社化学株式会社製)5重量部、1−
ドデカノール(SP値=9.30)90重量部、イルガ
キュア−184(紫外線重合開始剤、チバガイギー社
製)1重量部を混合し、重合溶液3を得た。
【0064】重合性化合物成分のSP値のモル平均値は
10.12であり、1−ドデカノールのSP値との差の
絶対値は0.82となる。
【0065】(樹脂微粒子の作製)ガラス製容器中に入
れた重合溶液3を窒素雰囲気下、撹拌子−マグネチック
スターラーにより、800rpm/分で撹拌しながら、
6KWメタルハライドランプにより、波長360nmの
紫外線を集光ミラーを用いて、60秒間照射した。
【0066】得られた凝固物を含む溶液を撹拌し、粉砕
した。撹拌を繰り返すに従い、粒子は粉砕、微小化され
た。1−ドデカノールを濾過により除去、1−ブタノー
ルで数回洗浄した後、1−ブタノールを10部添加し、
ボールミルによる粉砕も行うことにより、白色の樹脂微
粒子の1−ブタノール分散液を得た。
【0067】(樹脂微粒子の特性)この樹脂微粒子の平
均粒径は、0.07μm(粒径分布0.05〜0.15
μm、0.1μm以下の微粒子の含有率85%以上)で
あり、電子顕微鏡観察によれば、一次微粒子が凝集融着
したものではなく、個々の微粒子が球状の形態をしてい
た。このようにして得たサブミクロンオーダーの樹脂微
粒子をアクリル系ポリマーの溶剤であるジメチルホルム
アミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホオキシ
ドに浸漬したところ、ほとんど膨潤することはなく、溶
解もしなかった。また、同樹脂微粒子は塗料樹脂との親
和性がよく、クリアリティー等も良好であった。 [比較例1] (重合溶液の調製)トリメチロールプロパントリアクリ
レート(SP値=9.88、商品名ライトアクリレート
TMP−A、共栄社化学株式会社製)5重量部、グリシ
ジルメタクリレート(SP値=10.23、商品名ライ
トエステルG、共栄社化学株式会社製)5重量部、1−
ブタノール(SP値=10.21)、90重量部、イル
ガキュア−184(紫外線重合開始剤、チバガイギー社
製)1重量部を混合し、重合溶液4を得た。
【0068】重合性化合物成分のSP値のモル平均値は
10.12であり、1−ブタノールのSP値との差の絶
対値は0.09となる。
【0069】(樹脂微粒子の作製)ガラス製容器中に入
れた重合溶液4を窒素雰囲気下、撹拌子−マグネチック
スターラーにより、800rpm/分で撹拌しながら、
6KWメタルハライドランプにより、波長360nmの
紫外線を集光ミラーを用いて、60秒間照射した。
【0070】得られた凝固物を含む溶液を撹拌し、粉砕
した。撹拌を繰り返すに従い、粒子は粉砕、微小化され
た。1ブタノールを濾過により除去した後、再び、1−
ブタノールを10部添加し、ボールミルによる粉砕も行
うことにより、白色の樹脂微粒子の1−ブタノール分散
液を得た。
【0071】(樹脂微粒子の特性)この樹脂微粒子は、
平均粒径が0.30μm(粒径分布0.10〜0.50
μm、0.4μm以下の微粒子の含有率85%以上)の
1次微粒子が凝集融着した多孔質体(粒径1μm以上)
であることが、電子顕微鏡観察により観察された。
【0072】
【発明の効果】本発明による粒径1μm以下の樹脂微粒
子の製造方法は、粒径の設計範囲が広く、様々な官能基
を容易に導入することが可能であり、かつ、優れた強
度、耐熱性、耐薬品性などの特性を有する樹脂微粒子
を、簡便な粒径制御法により、微粒子を効率良く生産す
ることができる。また、本発明の製造方法は、活性光線
を照射することによりラジカルを発生する重合開始剤を
用い、モノマーの均質溶液を反応溶液として用いるの
で、反応溶液の乳化、懸濁等の工程を必要としない。さ
らに、本発明の製造方法は、モノマーの均質溶液の調製
から樹脂微粒子の製造までを1工程で行うことができ、
モノマーと溶剤の溶解性パラメータの差の絶対値が0.
15〜1.20の範囲内になるように選定することによ
り、1次微粒子の粒径を1μm以下にすることが可能で
ある。また、さらに、本発明の製造方法は、溶剤、非溶
剤の制御により、重合、及び、それに伴う反応誘発型相
分離の進行を制御することが可能であり、例えば、重
合、乳濁、微粒子化という3段階、または、重合、微粒
子化という2段階のように製造方法を簡便に制御され、
粒径の制御も溶剤、非溶剤の制御により重合、及び、そ
れに伴う反応誘発型相分離の進行を制御することができ
る。また、本発明の製造方法では、用いるモノマーの均
質溶液は、活性光線を照射しなければ、重合反応は開始
しないので、同重合溶液をノズルから押し出し、活性光
線照射することにより瞬時に重合、そのまま洗浄槽へ投
入するなどの連続的な製造も可能となる。さらに、本発
明の製造方法では、最終的な微粒子分散液に用いる溶剤
が微粒子製造にも適している場合、分散剤、乳化剤等の
添加剤を混合せずに製造を行うことができるので、洗浄
工程を大幅に軽減することも可能になり、そのメリット
は非常に大きい。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J011 AA08 AC04 QA03 QA33 QA34 QB04 QB16 QB20 QB24 SA01 SA21 SA31 SA51 TA07 UA01 UA02 UA03 UA04 UA06 VA02 WA02 WA06 WA09 4J027 AA02 AA04 AC06 AE01 AG01 BA07 CB10 CC04 CC05 CC06 CC07 CC08 CD07

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (1)活性光線の照射により重合可能な
    重合性化合物(A)と、(2)該重合性化合物(A)と
    の溶解性パラメータの差の絶対値が0.15〜1.2の
    範囲内で、且つ該重合性化合物(A)から生成する重合
    体(B)を溶解させない溶剤(C)とを混合した均一な
    重合溶液(I)であって、反応系において重合体(B)
    が分散ないし乳化状態となる量の溶剤(C)を含有する
    重合溶液(I)に活性光線を照射することを特徴とする
    該重合体(B)からなる粒径1μm以下の1次微粒子の
    製造方法。
  2. 【請求項2】 溶剤(C)が、炭素原子数6以上のアル
    コール類、炭素原子数6以上のアルキルエステル類、炭
    素原子数6以上のジアルキルケトン類、炭素原子数6以
    上のアルカン類、及び水からなる群から選ばれる1種以
    上の溶剤であることを特徴とする請求項1に記載の1次
    微粒子の製造方法。
  3. 【請求項3】 活性光線の照射により重合可能な重合性
    化合物(A)がアクリル系のモノマー及び/又はオリゴ
    マーである請求項1又は2に記載の1次微粒子の製造方
    法。
  4. 【請求項4】 (1)活性光線の照射により重合可能な
    重合性化合物(A)と、(2)該重合性化合物(A)と
    の溶解性パラメータの差の絶対値が0.15〜1.20
    の範囲内で、且つ該重合性化合物(A)から生成する重
    合体(B)を溶解させない溶剤(C)とを混合した均一
    な重合溶液(I)であって、反応系において重合体
    (B)が分散ないし乳化状態となる量の溶剤(C)を含
    有する重合溶液に活性光線を照射した後、該重合体
    (B)を溶解させない溶剤(E)を混合することを特徴
    とする該重合体(B)からなる粒径1μm以下の1次微
    粒子の製造方法。
  5. 【請求項5】 溶剤(C)が、炭素原子数6以上のアル
    コール類、炭素原子数6以上のアルキルエステル類、炭
    素原子数6以上のジアルキルケトン類、炭素原子数6以
    上のアルカン類、及び水からなる群から選ばれる1種以
    上の溶剤であることを特徴とする請求項4に記載の1次
    微粒子の製造方法。
  6. 【請求項6】 活性光線の照射により重合可能な重合性
    化合物(A)がアクリル系のモノマー及び/又はオリゴ
    マーである請求項4又は5に記載の1次微粒子の製造方
    法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007063377A (ja) * 2005-08-30 2007-03-15 Lignyte Co Ltd アルデヒド系樹脂微粒子の製造方法
JP2011078878A (ja) * 2009-10-05 2011-04-21 Fuji Xerox Co Ltd 微粒子製造装置、微粒子の製造方法、および該製造方法により製造された微粒子

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