JP2002293699A - 窒化物半導体基板の製造方法 - Google Patents

窒化物半導体基板の製造方法

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JP2002293699A JP2001387502A JP2001387502A JP2002293699A JP 2002293699 A JP2002293699 A JP 2002293699A JP 2001387502 A JP2001387502 A JP 2001387502A JP 2001387502 A JP2001387502 A JP 2001387502A JP 2002293699 A JP2002293699 A JP 2002293699A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 クラック等を発生させることなく、さらに、
欠陥密度が小さく且つ生産性に優れた窒化物半基板を確
実に得られるようにする。 【解決手段】 サファイアからなる母材基板11の主面
に対して選択的にエッチングを行なって、母材基板11
の主面に凹凸状領域20を形成する。続いて、母材基板
11の凹凸状領域20の上に該凹凸状領域20の凹状溝
11aを埋めると共にその上面が平坦となるように、窒
化ガリウムからなる半導体層13を成長する。続いて、
半導体層13における母材基板11の凸部領域11bと
の界面にレーザ光を照射して、半導体層13を母材基板
11から剥離することにより、半導体層13から窒化物
半導体基板を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、可視光発光ダイオ
ード装置又は青紫色レーザ装置に用いる窒化物半導体基
板の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】窒化ガリウム(GaN)、窒化インジウ
ム(InN)及び窒化アルミニウム(AlN)等のIII-
V族窒化物半導体は、青色又は緑色発光ダイオード(L
ED)装置、青色半導体レーザ装置又は高温動作が可能
な高速トランジスタ装置等に用いる化合物半導体材料と
して好適である。
【0003】ところで、従来から、窒化物半導体を成長
させる基板には、例えば特許第3091593号公報に
開示されているような、サファイアからなる絶縁性基板
が良く知られている。
【0004】しかしながら、組成が窒化物半導体層とは
異なるサファイア等からなる異種の基板上に窒化物半導
体を成長させると、成長する窒化物半導体と該基板との
間の熱膨張係数の差によって、基板が反ったり、クラッ
クが発生したりして、窒化物半導体の結晶性が劣化する
ことが知られている。
【0005】そこで、近年、基板を窒化物半導体により
形成し、窒化物半導体からなる基板上に、同種の窒化物
半導体からなる素子構造を形成することにより、異種の
基板に起因する問題を解決する試みがなされている。
【0006】例えば、窒化物半導体基板の製造方法の一
例として、母材となる基板(母材基板)の上に窒化物半
導体層を比較的に厚く成長し、成長した窒化物半導体層
と母材基板との界面にレーザ光を照射する。レーザ光を
照射された窒化物半導体層が局所的に加熱されて昇華
し、窒化物半導体層が母材基板から剥離することによ
り、窒化物半導体層から窒化物半導体基板を得るという
方法が検討されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記従
来の窒化物半導体基板の製造方法は、レーザ光によって
母材基板から窒化物半導体層を剥離する場合に、レーザ
光の走査の途中、すなわち、窒化物半導体層と母材基板
とにおけるレーザ光を照射されている界面のみが剥離
し、他の部分が接合したままの状態となる。その際、窒
化物半導体層と母材基板との接合部分に応力が集中し
て、窒化物半導体層中にクラックが発生するという問題
がある。その結果、、室温程度のレーザ光を照射するこ
とによって、窒化物半導体基板を歩留まり良く製造する
ことが困難となる。
【0008】この問題を回避するため、基板温度を上昇
させてレーザ照射を行なう方法も知られているが、この
ような基板温度を上昇する方法では、基板の昇温及び降
温のたびに時間が掛かってしまい、やはり量産性に劣
る。
【0009】また、母材基板上に窒化物半導体を成長す
る際に、窒化物半導体に対して格子不整合による貫通欠
陥が導入されるため、得られる窒化物半導体基板におけ
る欠陥密度が大きいという問題もある。
【0010】しかも、レーザ光はそのビーム径を小さく
集光されているため、母材基板と窒化物半導体層との接
合面のすべてを剥離するには、レーザ光の照射を効率良
く行なう必要がある。例えば、窒化物半導体を昇華させ
るには、レーザ光の光密度を約0.1J/cm2 以上と
する必要があり、この光密度を得るために、レーザ光の
ビーム径を小さく集光している。従って、ビーム径が基
板の面積と比べて小さいため、窒化物半導体層の全面に
わたってレーザ光を走査する必要があり、生産性の向上
を図ることができない。
【0011】本発明は、前記従来の問題を解決し、クラ
ック等を発生させることなく、さらに、欠陥密度が小さ
く且つ生産性に優れた窒化物半基板を確実に得られるよ
うにすることを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するた
め、本発明は、窒化物半導体層を成長させる母材基板の
主面を凹凸状にする構成とする。
【0013】具体的に、本発明に係る窒化物半導体基板
の製造方法は、母材基板の主面に凹凸状領域を選択的に
形成する第1の工程と、母材基板における凹凸状領域の
上に該凹凸状領域の凹部を埋めると共にその上面が平坦
となるように、窒化物からなる半導体層を成長する第2
の工程と、半導体層における母材基板との界面にレーザ
光を照射して、半導体層を母材基板から剥離することに
より、半導体層から半導体基板を形成する第3の工程と
を備えている。
【0014】本発明の窒化物半導体基板の製造方法によ
ると、母材基板の主面に凹凸状領域を形成しておき、そ
の後、凹凸状領域の上に母材基板の凹凸状領域の凹部を
埋めると共にその上面が平坦となるように、窒化物から
なる半導体層を成長する。このため、その後、半導体層
における母材基板との界面に対してレーザ光を照射する
と、レーザ光が照射された部分の応力は、窒化物からな
る半導体層における母材基板の凹部を埋めた部分と他の
部分とが、基板面に平行に劈開することにより開放され
るため、基板面に垂直な方向のクラック及び割れが生じ
ない。
【0015】本発明の窒化物半導体基板の製造方法にお
いて、第3の工程がレーザ光を母材基板における凹凸状
領域のうちの少なくとも凸部に照射することが好まし
い。このようにすると、半導体層の全面を走査する必要
がなくなるので、レーザの照射時間を短縮することがで
き、その結果、生産性を向上することができる。
【0016】この場合に、第1の工程が、母材基板の主
面に互いに並行に延びる複数の凹状溝を形成し、第3の
工程が、レーザ光を、母材基板における複数の凹状溝同
士に挟まれてなる凸部に沿って走査しながら照射するこ
とが好ましい。このようにすると、複数の凹状溝同士に
挟まれてなる凸部は、いわゆるストライプ状となるな
め、レーザ光の走査を効率良く行なえる。
【0017】その上、母材基板は、主面の面方位が{0
001}面であるサファイアからなり、各凹状溝の晶帯
軸の方向が母材基板における<1−100>方向である
ことが好ましい。
【0018】また、この場合に、第1の工程が、母材基
板の主面にそれぞれが島状の複数の凸部を形成し、第3
の工程が、パルス状のレーザ光を、母材基板における複
数の凸部と同期するように走査しながら照射することが
好ましい。このようにすると、パルス状のレーザ発振は
高出力化が容易となるため、半導体層の母材基板からの
剥離が容易となるので、生産性がさらに向上する。
【0019】また、この場合に、第3の工程が、レーザ
光を、母材基板における凹凸状領域のうちの複数の凸部
に同時に照射することが好ましい。このように、複数の
凸部を同時に照射すると、照射時間を短縮できるため、
生産性が確実に向上する。
【0020】本発明の窒化物半導体基板の製造方法にお
いて、第1工程が、母材基板における凹凸状領域のう
ち、凹部が占める面積を凸部が占める面積の約5分の1
倍以上且つ約100倍以下とすることが好ましい。この
ようにすると、窒化物からなる半導体層を母材基板から
剥離する際に、クラックや割れの発生をより確実に防ぐ
と共に、母財界板から半導体層の全面がより確実に剥離
されるようになる。
【0021】また、本発明の窒化物半導体基板の製造方
法において、第3の工程が、レーザ光を母材基板の主面
と反対側の面から照射することが好ましい。
【0022】なお、本願明細書では、便宜上、ミラー指
数の上にバーを付す代わりに、該指数の前に負符号
「−」を付してその反転を表わしている。
【0023】
【発明の実施の形態】(第1の実施形態)本発明の第1
の実施形態について図面を参照しながら説明する。
【0024】図1(a)〜図1(d)乃至図3(a)〜
図3(d)は本発明の第1の実施形態に係る窒化物半導
体基板の製造方法の工程順の断面構成を示している。
【0025】まず、図1(a)に示すように、径が約
5.1cm(2インチ)で厚さが約700μmのサファ
イア(酸化アルミニウムの単結晶)からなる母材基板1
1を用意する。母材基板11の主面の面方位は(000
1)面であり、主面とその反対側の面(裏面)とは共に
鏡面仕上げがされている。
【0026】サファイアは、そのバンドギャップが8.
7eVであるため、該バンドギャップに相当するエネル
ギーの波長である142.5nmよりも長い波長の光を
透過する。そのため、波長が248nmのKrFエキシ
マレーザ光又は波長が355nmのNd:YAGレーザ
の3次高調波光はサファイアを透過する。
【0027】(母材基板加工工程)次に、図1(b)に
示すように、フォトリソグラフィ法により、母材基板1
1の主面上に、厚さが約2μm、幅が約10μm及び間
隔が約30μmのストライプ状のレジストパターン12
を形成する。このときのストライプの方向は、サファイ
アの晶帯軸の<1−100>方向である。
【0028】なお、本願明細書においては、晶帯軸の<
1−100>方向とは、晶帯軸の[1−100]方向と
等価な方向のいずれか1つを指し、特定の一方向を表わ
さない。例えば、<1−100>方向と等価な方向は、
[1−100]、[−1100]、[01−10]、
[0−110]、[10−10]及び[−1010]で
ある。同様に、面方位の{1−100}面とは、面方位
の(1−100)面と等価な方向のいずれか1つの面を
指す。
【0029】次に、図1(c)に示すように、例えば反
応性イオンエッチング(RIE)法により、レジストパ
ターン12をマスクとして母材基板11にエッチングを
行なう。エッチングガスには塩素(Cl2 )ガスを用
い、約5Paの圧力で出力値が約200Wのプラズマを
発生し、1時間程度のエッチングを行なって、母材基板
11の主面に、深さが約1μmのストライプ状の凹状溝
11aを形成する。
【0030】なお、本工程においては、200W程度の
出力のプラズマを用いているため、レジストパターン1
2の両側部はエッチングされて、それぞれ丸みが生じて
いる。
【0031】次に、図1(d)に示すように、レジスト
パターン12を除去すると、主面が凹凸状の凹凸状領域
20を有する母材基板11を得ることができる。
【0032】ここで、図2(a)及び図2(b)を用い
て凹凸状領域20の詳細を説明する。図2(a)は凹凸
状領域20の平面構成を示し、図2(b)は図2(a)
のIIb−IIb線における断面構成を示している。
【0033】図2(b)に示すように、凹状溝11aの
幅は底部において約30μmであり、該凹状溝11a同
士に挟まれてなる凸部領域11bの幅は下部において約
10μmである。ここで、凸部領域11bにおける両側
面はその上部が下部に対して約0.5μmずつ小さくな
るようにサイドエッチングされている。
【0034】また、図2(a)に示すように、凹状溝1
1a、すなわち凸部領域11bが延びる方向は、サファ
イアの晶帯軸の<1−100>方向である。以下、凸部
領域11bが延びる方向をストライプ方向と呼ぶ。
【0035】(窒化物半導体成長工程)次に、図3
(a)に示すように、III 族源である塩化ガリウム(G
aCl)とV族源であるアンモニア(NH3 )とを原料
とするハイドライド気相成長(HVPE)法により、母
材基板11の凹凸状領域20の上に、窒化ガリウム(G
aN)からなる半導体層13を成長する。III 族源の塩
化ガリウムは、金属ガリウム(Ga)と塩化水素(HC
l)とを、900℃程度の大気圧下で反応させて生成す
る。
【0036】また、母材基板11の主面上で窒化ガリウ
ムの核形成密度を増大させるため、半導体層13を成長
するよりも前に、基板温度を約1000℃に保ち、塩化
ガリウムのみを15分間程度供給する(以下、このプロ
セスをGaCl処理と呼ぶ)。なお、核形成密度を増大
させるには、GaCl処理に代えて、母材基板11上
に、窒化ガリウムからなり400℃〜800℃程度の比
較的に低温で成長させる、いわゆる低温バッファ層を設
けても良く、また、母材基板11の主面に対してアンモ
ニアによる窒化処理を行なっても良い。さらには、低温
バッファ層と窒化処理とを組み合わせても良い。
【0037】以下、半導体層13の成長の詳細を説明す
る。
【0038】GaCl処理を行なった後、母材基板11
上に塩化ガリウム及びアンモニアを導入して、窒化ガリ
ウムからなる半導体層13の成長を始める。ここでは、
母材基板11の主面の面方位が(0001)面であるた
め、半導体層13においてもその(0001)面を主面
として成長する。1000℃程度の成長温度とすると、
(0001)面上における成長速度と比べて、他の面、
すなわち凸部領域11bの側面上における成長速度の方
が大きい。その結果、基板面に対して平行な方向、いわ
ゆる横方向への成長速度が2〜3倍程度と大きくなるた
め、凹状溝11aは次第に埋め込まれる。なお、凹状溝
11aが完全に埋め込まれるためには、半導体層13の
厚さを凹状溝11aの幅以上とすることが好ましい。
【0039】また、ストライプ方向を母材基板11を構
成するサファイアの晶帯軸の<1−100>方向として
おり、該サファイアと窒化ガリウムとは面内の面方位が
30°ずれて成長する。このため、凹状溝11aが埋め
込まれる際の窒化ガリウムにおける凹状溝11aの側面
上に位置する部分は、平坦な{1−101}面となる。
このため、半導体層13の成長を続けていくと、凹状溝
11aは、ピット等の欠陥を生じずに、平坦に埋め込ま
れて成長する。
【0040】続いて、凹状溝11aが埋め込まれた後
も、半導体層13の厚さが凸部領域11bの上で約20
0μmとなるまで成長を行なう。これにより、凹凸状領
域20の凹状溝11aは半導体層13により埋め込まれ
るため、半導体層13の表面は平坦となる。その後、室
温付近にまで基板温度を降下させると、半導体層13と
母材基板11との熱膨張係数の差によって、図3(a)
に示すように母材基板11に反りが生じる。
【0041】第1の実施形態においては、母材基板11
と半導体層13とが平面状態で接合している場合と比べ
て、母材基板11の主面が凹凸状であるため、生じる反
りが小さくなる。例えば、ストライプ方向の曲率半径が
80cm程度となり、該ストライプ方向と基板面内で垂
直な方向の曲率半径が1m程度となることを確認してい
る。なお、比較のために、母材基板11の主面に凹凸状
領域20を設けないで半導体層13を成長し、母材基板
11の曲率半径を調べると60cm程度であった。
【0042】(レーザ照射工程)半導体層13に対する
レーザ照射は、図4に示すようなレーザ照射装置を用い
る。
【0043】図4に示すように、レーザ出射部1から出
射されたレーザ光10は、スキャンレンズ2によって2
次元に走査されて、半導体層13に照射される。ここで
は、半導体層13に対して、レーザ光10を母材基板1
1の主面と反対側の面から照射している。レーザ光10
は光路上に置かれた複数の集光レンズ3によって、半導
体層13上におけるレーザ光10のビーム径を調節する
ことができる。さらに、レーザ照射装置は、レーザ光1
0の透過率が高く且つ可視光の反射率が高いミラー4
と、該ミラー4を介して入力される可視光10aを受け
る画像認識部5とを備えている。画像認識部5は、入力
される可視光10aにより、半導体層13におけるレー
ザ照射位置を認識して、スキャンレンズ2の回転位置を
制御する。
【0044】第1の実施形態においては、レーザ光源に
波長355nmのNd:YAGの3次高調波を用いてい
る。パルス幅は約30nsで、パルス周期は約50kH
zとしている。レーザ光10を集光して約20μm径の
円形状ビームとすることにより、1.0J/cm2 程度
の光密度を得ている。サファイアはレーザ光10に対し
て透明であるため、前述したように、母材基板11の裏
面側から該母材基板11を通して半導体層13にレーザ
光10を照射している。
【0045】レーザ光10を照射する際には、前述した
ように、母材基板11と共に半導体層13が反っている
ため、集光レンズ3を調整してレーザ光10のスポット
径が一定となるように制御を行なうことが好ましい。
【0046】第1の実施形態においては、レーザ光10
を半導体層13の凸部領域11bとの界面に沿って選択
的に照射する。半導体層13の凸部領域11bとの界面
に沿ってレーザ光10が連続的に照射されるように、レ
ーザ光10の走査速度を50cm/sとする。このと
き、凸部領域11b上において走査方向に隣り合う照射
位置の中心間隔は約10μmとしている。従って、照射
位置の中心間隔がレーザ光10のビーム径の約20μm
よりも小さいため、パルス状の照射であっても半導体層
13と母材基板11との界面を連続的に照射することが
できる。その上、パルス照射時に走査を止めることな
く、すなわち光軸を走査したままで照射を行なったとし
ても、レーザ光10を半導体層13に対して連続的に照
射することができる。
【0047】図3(b)は照射工程の途中段階の母材基
板11の断面を示している。
【0048】半導体層13はレーザ光を吸収して加熱さ
れる。レーザ光のパルス幅が30nsと短く且つ光密度
が大きいため、半導体層13は、レーザ光が照射された
部分が局所的に加熱される。この加熱により、窒化ガリ
ウムからなる半導体層13におけるレーザ光の照射部分
が熱分解されて、ガリウム層11cと窒素ガスとを生じ
る。
【0049】なお、第1の実施形態においては、凸部領
域11bの幅よりもレーザ光のビーム径のほうが大きい
ため、凹状溝11aの底部にも部分的にガリウム層11
cを生じる。
【0050】ガリウム層11cは25℃以上の温度では
液体であり、それ以下の温度でも非常に軟らかい材料で
あるため、ガリウム層11cを介した母材基板11と半
導体層13との結合力は極めて小さくなる。その結果、
熱膨張係数差による応力が、母材基板11と半導体層1
3との接合部分に集中する。
【0051】また、半導体層13の熱分解によって窒素
ガスが発生するため、半導体層13の熱分解した領域及
びその近傍は、窒素ガスにより極めて圧力が高い状態と
なる。
【0052】第1の実施形態は、母材基板11の主面に
凹凸状となる凹凸状領域20を設けて、該凹凸状領域2
0の上に窒化ガリウムからなる半導体層13を成長して
いる。ここで、このときの半導体層13に加わる応力を
図5に基づいて説明する。
【0053】従来のように、平坦な主面を持つ母材基板
の出面上に半導体層を成長させる場合は、母材基板と半
導体層とは互いの界面の全体で熱膨張係数差による応力
を受ける。
【0054】第1の実施形態においては、半導体層13
における母材基板11の隣接する凸部領域11b同士の
上面を結ぶ領域30に応力が集中する。その上、半導体
層13は熱膨張係数が小さいため、その界面に半導体層
13よりも熱膨張係数が大きい母材基板11があると、
膨張しようとする方向に第1の応力31を発生する。そ
れに対して、母材基板11は収縮しようとする方向に第
2の応力32を発生し、これにより、半導体層13にお
ける母材基板11の凹状溝11aに埋め込まれた領域が
圧縮される。その結果、第1の応力31と第2の応力3
2とが、半導体層13の凸部領域11bの上面から主面
に平行な方向に該半導体層13を切断する力となって作
用する。
【0055】なお、図5に示すように、第1の応力31
と第2の応力32とによって、半導体層13に基板面に
平行にクラック33を生じる場合もある。但し、成長後
の状態では母材基板11の凸部領域11bにおいて、半
導体層13と母材基板11とが接合しているため、半導
体層13が容易に切断されることはない。
【0056】従って、レーザ照射によって、半導体層1
3と母材基板11の凸部領域11bとの界面が熱分解す
る上に、第1の応力31及び第2の応力32と、さら
に、熱分解により発生した窒素ガスが半導体層13を押
す力とが、半導体層13の凹状溝11aの上側部分に集
中する。その上、窒化ガリウムからなる半導体層13の
主面の面方位が(0001)面であるため、主面に平行
な面内で劈開されやすいという性質を持っている。
【0057】その結果、レーザ照射によって、母材基板
11の凸部領域11bの上側で半導体層13が熱分解さ
れると、その応力は半導体層13における母材基板11
の凹状溝11aの上側部分に加わることになり、該半導
体層13が凹状溝11aの上側で、半導体層13を構成
する窒化ガリウムの(0001)面に沿って劈開する。
このとき、同時に、高圧の窒素ガスも、半導体層13が
凹状溝11aの上側で劈開することにより発散する。
【0058】さらに、後述するように、母材基板11の
凹凸状領域20における凹部と凸部の面積比を最適化す
ると、母材基板11の凸部領域11bに対して、1回の
レーザ照射によって、半導体層13の凹状溝11aに埋
め込まれた部分の半分以上の面積が劈開する。従って、
各凸部領域11bへのレーザ照射を繰り返すと、半導体
層13の凹状溝11aに埋め込まれた部分を母材基板1
1から完全に剥離(分離)することができる。
【0059】なお、第1の実施形態においては、レーザ
光を凹凸状領域20を有する母材基板11を通して基板
の主面に対して垂直に照射しているため、凸部領域11
bの側面では、照射強度が低下して、半導体層13の熱
分解が完全には起こらない。
【0060】以上説明したように、母材基板11の凸部
領域11bの上部における第2の応力32が、半導体層
13の剥離に重要な役割を果たしている。一方、凸部領
域11bの側面における熱分解は剥離には大して寄与し
ない。むしろ、剥離せず接合したままの方が、凸部領域
11bの上部に発生する第2の応力32を集中させるこ
とに効果がある。このため、凸部領域11bの側面の基
板面に対する角度は垂直に近いほど好ましく、30°以
上であれば良い。
【0061】このような剥離のメカニズムにより、レー
ザ照射中の半導体層13には、母材基板11の主面に垂
直な方向に伸展するクラックが生じないことを確認して
いる。
【0062】従って、図3(c)に示すように、半導体
層13の凸部領域11bとの界面のすべてにレーザ光を
照射することにより、母材基板11の凹状溝11aに半
導体層13の残部13aを残したまま、半導体層13は
母材基板11から剥離する。
【0063】次に、図3(d)に示すように、塩化水素
によってガリウム層11cを除去し、その後、半導体層
13における母材基板11との接合面の凹凸部分を研磨
して除去することにより、窒化ガリウムからなる半導体
層13から窒化物半導体基板13Aを得る。このときの
窒化物半導体基板13Aは、径が約5.1cm(2イン
チ)で、その厚さは約180μmであり、クラックや周
縁部に欠けた部分がなく、バルクの状態で存在する。
【0064】以上説明したように、第1の実施形態によ
ると、半導体層13における母材基板11の凸部領域1
1bとの界面にのみ選択的にレーザ照射を行なうため、
従来のように半導体層13の全面に対して照射する場合
と比べて、レーザの照射時間を削減できるので、レーザ
照射工程のスループットを向上することができる。
【0065】第1の実施形態においては、母材基板11
における凸部領域11bの総面積は基板の面積の4分の
1であるため、レーザ光の照射時間は少なくとも4分の
1とすることができる。実際には、基板の全面を照射す
る場合は、レーザ照射位置が前回に照射した部分に対し
てもその一部が重なるように照射するため、第1の実施
形態に係るレーザ光の照射時間は4分の1以下となる。
【0066】具体的には、ビーム径が20μmのレーザ
光で、照射位置が互いに10μmずつ重なるように照射
した場合、第1の実施形態においては、径が2インチの
半導体層13に対して約4分でレーザ光の照射が終了す
る。一方、従来のように半導体層13の全面に10μm
ずつ重なるように照射すると、レーザ光の照射工程に、
およそ30分もの時間が必要となる。
【0067】また、第1の実施形態においては、母材基
板11の凸部領域11bが凹凸状領域20上でストライ
プ状に延びているため、レーザ光の光軸の走査が単純化
されるので、効率的に照射を行なうことができる。
【0068】また、第1の実施形態においては、主面に
凹凸状領域20を有する母材基板11上に、窒化ガリウ
ムからなる半導体層13を埋め込み成長しているため、
図6に示すように、半導体層13における母材基板11
の凹状溝11aの上側部分において、貫通欠陥33が凹
状溝11aの中央付近に向かって伸展し、複数の貫通欠
陥33同士が結合することにより、貫通欠陥33の数が
低減する。このため、半導体層13の表面における貫通
欠陥の密度は凹状溝11aの上側では、約1×106
-2である。
【0069】従って、得られた窒化物半導体基板13A
を用いて素子を形成する場合には、貫通欠陥33が低減
された領域に素子の機能部分を設けるのが好ましい。な
お、凹状溝11a以外の領域の貫通欠陥33は、半導体
層13における凸部領域11b上に凹部を設けて凹凸状
領域を新たに設け、再度、新たな凹凸状領域の上に窒化
ガリウムを成長することにより低減することができる。
【0070】ところで、従来のサファイアからなる基板
上に成長した窒化ガリウムからなる半導体層における欠
陥密度は、1×109 cm-2程度である。
【0071】このように、第1の実施形態によると、レ
ーザ光の照射時間を4分の1以下と著しく低減できる上
に、欠陥密度をも低減された窒化物半導体基板13Aを
確実に得ることができる。
【0072】なお、第1の実施形態においては、母材基
板11の主面に凹凸状領域20を形成する方法として、
RIE法を用いたが、これに限らず、凹凸状領域20の
形成条件及び形成方法は、特に限定されず、例えば、イ
オンミリング法又はECRエッチング法等を用いること
ができる。さらには、サンドブラスト又は研磨等による
物理的手段を用いても良く、また、選択成長等の堆積法
を用いても良い。
【0073】また、母材基板11が多層構造を持つ場合
には、その表面の少なくとも1層に凹凸状領域20を設
ければ良い。
【0074】また、第1の実施形態においては、母材基
板11の凹状溝11aの深さを約1μmとしたが、浅く
し過ぎると、凹状溝11aに埋め込まれる半導体層13
が受ける応力(第2の応力32)が小さくなるため、半
導体層13がその(0001)面に沿って劈開されにく
くなる。従って、凹状溝11aの深さは、深い方が好ま
しく、0.1μm以上とするのが好ましい。
【0075】また、第1の実施形態においては、ストラ
イプ方向をサファイアの晶帯軸の<1−100>方向と
したが、母材基板11に用いる材料によっては、該母材
基板11と窒化ガリウムからなる半導体層13との面方
位の関係が異なる場合がある。その場合は、窒化ガリウ
ムの晶帯軸の<11−20>方向がストライプ方向と一
致することが好ましい。例えば、母材基板11として、
炭化珪素(SiC)又は窒化アルミニウム(AlN)を
用いた場合には、該母材基板11と窒化ガリウムの面方
位が一致するため、ストライプ方向を窒化ガリウムの晶
帯軸の<11−20>方向とすることが好ましい。
【0076】また、第1の実施形態においては、半導体
層13の成長温度を約1000℃としたが、母材基板1
1の凹状溝11aを平坦に埋め込むためには好ましい温
度範囲があり、900℃以上とすることが好ましい。ま
た、温度を高くする程、凹状溝11aが埋め込まれ易い
傾向にある。一方、温度を極端に高くすると、窒化ガリ
ウムの成長よりも昇華が支配的となって半導体層13が
成長しなくなるため、第1の実施形態の成長条件では、
半導体層13の成長温度は1500℃以下とすることが
好ましい。
【0077】また、第1の実施形態においては、母材基
板11の凹状溝11aの幅を約30μmとし、凸部領域
11bの幅を約10μmとしたが、凹部及び凸部の面積
比には好ましい範囲がある。すなわち、凹状溝11aの
幅が占める面積の上限は、凸部領域11bのみに対する
照射によって窒化ガリウムの面方位の(0001)面に
沿った劈開が生じて、半導体層13の全体が母材基板1
1から剥離されることが条件である。従って、この条件
から、凹状溝11aの幅が占める面積は、凸部領域11
bの幅が占める面積の約100倍以下とすることが好ま
しい。一方、凹状溝11aの幅が占める面積は小さくし
過ぎると、レーザ光の照射を行なったときの応力(第2
の応力32)が開放されないため、半導体層13に、基
板面に垂直な方向のクラックを生じて、所望の窒化物半
導体基板13Aを得られなくなる。そこで、凹状溝11
aの幅が占める面積は、凸部領域11bの幅が占める面
積の5分の1以上とすることが好ましい。
【0078】また、第1の実施形態においては、レーザ
光の光密度を約1.0J/cm2 としたが、レーザ光の
光密度には下限があり、半導体層13を分解できる以上
の光密度が必要である。窒化ガリウムを分解するために
必要な光密度は、半導体層13に直射した場合では、約
0.1mJ/cm2 以上である。レーザ光が半導体層1
3に到達した時点では、母材基板11の表面における反
射及び散乱、及び母材基板11と半導体層13との界面
における反射及び散乱等により、入射されるレーザ光の
うちの十数%は低減されていると考えられる。
【0079】また、第1の実施形態においては、凸部領
域11bをストライプパターンとしたが、他のパターン
でも、直線状に連続するパターンであれば、レーザ光の
光軸の走査が単純化されて好ましい。さらに、渦巻状の
ような一筆書きパターンとすると、1回の走査で半導体
層13の全体をレーザ照射できるため好ましい。なお、
この場合においても、凸部領域11bのパターンの側面
は、窒化ガリウムの{1−101}面と一致するように
設けることがより好ましい。
【0080】また、第1の実施形態においては、レジス
トパターン12をエッチングマスクとしたが、マスク材
はレジストに限られず、他の材料であっても、サファイ
アとのエッチング選択比が極端に小さくない限りは用い
ることができる。例えば、レジストに代えて、酸化シリ
コン(SiO2 )、窒化シリコン(SiN)等からなる
誘電体膜、又はニッケル(Ni)、金(Au)又はタン
グステン(W)等の金属膜を用いることができる。
【0081】(第2の実施形態)以下、本発明の第2の
実施形態について図面を参照しながら説明する。
【0082】図7(a)〜図7(c)乃至図9(a)〜
図9(c)は本発明の第2の実施形態に係る窒化物半導
体基板の製造方法の工程順の断面構成を示している。
【0083】第2の実施形態は、凹凸状領域20におけ
る凸部の形状をストライプパターンに代えてドットパタ
ーンとしている。ここでは、第1の実施形態と同一の構
成部材には同一の符号を付している。
【0084】まず、図7(a)に示すように、径が約
5.1cm(2インチ)で厚さが約700μmのサファ
イアからなる母材基板11を用意する。母材基板11の
主面の面方位は(0001)面であり、主面とその反対
側の面(裏面)とは共に鏡面仕上げがされている。
【0085】(母材基板加工工程)次に、図7(b)に
示すように、フォトリソグラフィ法により、母材基板1
1の主面上に、1つの径が約10μmで隣接間の中心位
置の距離が約30μmのドットパターンを有するレジス
トパターン12Aを形成する。
【0086】レジストパターン12Aは、図8の平面図
に示すように、一辺が30μmの正三角形を最密に並べ
たときの各正三角形の頂点の位置に配置されている。こ
のときの正三角形の一辺がサファイアの面方位の{1−
100}面と一致するようにパターニングされている。
なお、母材基板11の周縁部において、ドットパターン
が欠けていると、欠けた部分において半導体層13は良
好に成長しない虞があるため、母材基板11の周縁部に
はドットパターンを配置しないようにしている。
【0087】次に、図7(c)に示すように、第1の実
施形態と同等の条件のRIE法により、レジストパター
ン12Aをマスクとして母材基板11にエッチングを行
なって、母材基板11の主面が1μm程度の深さに掘り
下げられてなる低部11dを形成する。その後、レジス
トパターン12Aを除去することにより、該レジストパ
ターン12Aが転写されてなり、それぞれがドット状を
有する複数の凸部11eを形成する。凸部11eの断面
形状は図2(b)とほぼ同等であり、凸部11eの幅は
約10μmである。凸部11eの側面は上部の径が下部
の径よりも約0.5μm小さくなるサイドエッチングが
なされている。また、隣接する凸部11e同士の中心位
置の距離は約30μmである。
【0088】(窒化物半導体成長工程)次に、図9
(a)に示すように、アンモニアと塩化ガリウムとを原
料とするHVPE法により、第1の実施形態と同等の条
件により、母材基板11の凹凸状領域20の上に、窒化
ガリウムからなる半導体層13を成長する。
【0089】凸部11eの平面形状は円形(ドット)状
であるが、窒化ガリウムの{1−101}面の成長速度
は比較的小さいため、厚さが1μm程度の半導体層13
を成長した段階で、凸部11eの側面は、6つの{1−
101}面と主面の(0001)面とにより囲まれた窒
化ガリウムに覆われる。その上、凸部11eの配置を図
7(c)及び図8のように設定しているため、隣り合う
凸部11eから張り出してくる窒化ガリウムが{1−1
01}面で合体して、その結果、低部11dは平坦に埋
め込まれる。半導体層13により低部11dが埋め込ま
れた後も、半導体層13の厚さが凸部11eの上側で約
200μmとなるまで成長させる。これにより、凹凸状
領域20の低部11dは半導体層13により埋め込ま
れ、半導体層13の表面は平坦となる。その後、室温付
近にまで基板温度を降下させると、半導体層13と母材
基板11との熱膨張係数の差によって、図9(a)に示
すように母材基板11に反りが生じる。このときに生じ
た反りは、基板面上の方向にはほとんど依存せず、その
曲率半径は1m程度となる。
【0090】(レーザ照射工程)第2の実施形態におい
ても、図4に示したレーザ照射装置を用いる。照射条件
も同等としている。例えば、レーザ光のビーム径は約2
0μmであり、レーザ光の出射のパルス周期は約50k
Hzである。このとき、凸部11eの径は約10μmで
あり、ビーム径の約20μmよりも小さいため、1回の
パルス照射で1つの凸部11eを照射することができ
る。
【0091】第2の実施形態の特徴として、レーザ光の
出射周期を凸部11eの形成位置に同期して照射してい
る。具体的には、前述したように隣接する凸部11e同
士の中心位置の距離は約30μmであり、パルス周波数
が50kHzであることから、走査速度を150cm/
sとすることにより、ドット状で且つ列状に配置された
凸部11eの位置に同期してパルス照射を行なうことが
できる。このとき、図4に示した画像認識部5からの位
置情報をスキャンレンズ2にフィードバックして、照射
位置を微調整しながらレーザ光の照射を行なうことが好
ましい。
【0092】前述したように、半導体層13は、照射さ
れたレーザ光を吸収して加熱される。レーザ光のパルス
幅が約30nsと短く且つ光密度が大きいため、半導体
層13はレーザ光が照射された部分が局所的に加熱され
る。この加熱により、半導体層13におけるレーザ光の
照射部分が熱分解されて、ガリウム層11cと窒素ガス
とを生じる。
【0093】第2の実施形態においては、母材基板11
のレーザ照射位置である凸部11eの周囲には、低部1
1dが形成されているため、第1の実施形態と同様の効
果を得ることができる。すなわち、レーザ光の照射によ
って、半導体層13における凸部11eの近傍部分が熱
分解されると、凸部11eの上部の収縮に向かう応力
は、半導体層13における低部11dの上側部分が該半
導体層13を構成する窒化ガリウムの面方位の(000
1)面で劈開することにより解放される。また、熱分解
により生じた高圧の窒素ガスも、半導体層13が母材基
板11から剥離することにより発散される。
【0094】このような剥離のメカニズムにより、第2
の実施形態においては、レーザ照射中に半導体層13に
対して、母材基板11の主面に垂直な方向に伸展するク
ラックが生じない。
【0095】従って、図9(b)に示すように、半導体
層13の凸部11eとの界面のすべてにレーザ光を照射
することにより、母材基板11の低部11dの上に半導
体層13の残部13aを残したまま、半導体層13は母
材基板11から剥離する。
【0096】次に、図9(c)に示すように、塩化水素
によってガリウム層11cを除去し、その後、半導体層
13における母材基板11との接合面の凹凸部分を研磨
して除去することにより、窒化ガリウムからなる半導体
層13から窒化物半導体基板13Aを得る。このときの
窒化物半導体基板13Aは、径が約5.1cm(2イン
チ)で、その厚さは約180μmであり、クラックや周
縁部に欠けた部分がなく、バルクの状態で存在する。
【0097】以上説明したように、第2の実施形態によ
ると、半導体層13の凸部11eとの界面にのみ選択的
にレーザ照射を行なうため、従来のように半導体層13
の全面に対して照射する場合と比べて、レーザの照射時
間を削減できるので、レーザ照射工程のスループットを
向上することができる。
【0098】その上、ドット状の各凸部11eが分散し
て配置されているため、1つの凸部11eに対して1つ
のレーザパルスを照射することにより、半導体層13の
凸部11eとの界面を局所的に加熱して剥離している。
その結果、レーザの照射位置が互いに重なるように照射
する必要がなくなるため、第1の実施形態と比べても、
レーザ光の照射時間をさらに短縮することができる。
【0099】具体的には、第2の実施形態においては、
ビーム径が約20μmのレーザ光を用い、径が2インチ
の半導体層13に対してわずか約1分30秒でレーザ光
の照射を終了することができる。一方、従来の照射方法
では、前述したように、レーザ光の照射工程に30分程
度の時間を要しており、第2の実施形態に係る製造方法
は、レーザ照射工程の著しい短縮を可能とする。
【0100】また、第2の実施形態においては、凸部1
1eを周期的なドットパターンとしているため、レーザ
光の光軸の走査が単純化されるので、効率的にレーザ照
射を行なうことができる。
【0101】また、第2の実施形態においては、主面に
凹凸状領域20を有する母材基板11の主面上に、窒化
ガリウムからなる半導体層13を埋め込み成長している
ため、半導体層13の表面における貫通欠陥密度は低部
11dの上側では約1×10 6 cm-2である。
【0102】以上示したように、第2の実施形態による
と、半導体層13に対するレーザ照射時間を約1分30
秒と著しく低減できる上に、欠陥密度が著しく低減した
領域を有する窒化物半導体基板13Aを得ることができ
る。
【0103】なお、第2の実施形態においては、各凸部
11eの平面形状を円形状としたが、レーザ光のビーム
径に納まる形状であれば、その平面形状は問われない。
【0104】また、凸部11eの配置パターンは、より
好ましくは、図8に示したように、凸部11eが配置さ
れた辺の方向が、窒化ガリウムの面方位の{1−10
1}面と一致するように構成するのが良い。
【0105】また、第2の実施形態においては、凸部1
1eの配置パターンを、正三角形が最密に並んだ場合の
各正三角形の頂点位置としたが、他の配置パターンであ
っても、レーザ照射される面積を少なくして、レーザ照
射工程を短縮することができる。
【0106】さらに、この場合において、前述したよう
に、成長する窒化ガリウムの{1−101}面同士が合
体するように凸部11eを配置することが好ましい。ま
た、この場合において、凸部11eを周期的に配置する
ことにより、レーザ光の光軸の走査を単純化すること
が、より好ましい。
【0107】(第3の実施形態)以下、本発明の第3の
実施形態について図面を参照しながら説明する。
【0108】図10(a)〜図10(c)及び図11
(a)〜図11(c)は本発明の第3の実施形態に係る
窒化物半導体基板の製造方法の工程順の断面構成を示し
ている。
【0109】第3の実施形態は、母材基板における凹凸
状領域20を構成するドットパターンに対するレーザの
照射方法を変えている。ここでは、第2の実施形態と同
一の構成部材には同一の符号を付している。
【0110】まず、図10(a)に示すように、径が約
5.1cm(2インチ)で厚さが約700μmのサファ
イアからなる母材基板11を用意する。母材基板11の
主面の面方位は(0001)面であり、主面とその反対
側の面(裏面)とは共に鏡面仕上げがされている。
【0111】(母材基板加工工程)次に、図10(b)
に示すように、フォトリソグラフィ法により、母材基板
11の主面上に、1つの径が約10μmで隣接間の中心
位置の距離が約30μmのドットパターンを有するレジ
ストパターン12Aを形成する。このときのドットパタ
ーンの平面形状は図8に示したパターンと同一である。
【0112】次に、図10(c)に示すように、第2の
実施形態と同等の条件のRIE法により、レジストパタ
ーン12Aをマスクとして母材基板11にエッチングを
行なって、母材基板11の主面が1μm程度の深さに掘
り下げられてなる低部11dを形成する。その後、レジ
ストパターン12Aを除去することにより、該レジスト
パターン12Aが転写されてなる、それぞれがドット状
の複数の凸部11eを形成する。凸部11eの断面形状
は図2(a)とほぼ同等であり、凸部11eの幅は約1
0μmである。凸部11eの側面は上部の径が下部の径
よりも約0.5μm小さくなるサイドエッチングがなさ
れている。また、隣接する凸部11e同士の中心位置の
距離は約30μmである。
【0113】(窒化物半導体成長工程)次に、図11
(a)に示すように、アンモニアと塩化ガリウムとを原
料とするHVPE法により、第2の実施形態と同等の条
件により、母材基板11の凹凸状領域20の上に、窒化
ガリウムからなる半導体層13を、その厚さが凸部11
eの上側で約200μmとなるまで成長させる。これに
より、凹凸状領域20の低部11dは半導体層13によ
り埋め込まれ、半導体層13の表面は平坦となる。その
後、室温付近にまで基板温度を降下させると、半導体層
13と母材基板11との熱膨張係数の差によって、図1
1(a)に示すように母材基板11に反りが生じる。こ
のときに生じた反りは、基板面上の方向にはほとんど依
存せず、その曲率半径は1m程度となる。
【0114】(レーザ照射工程)第3の実施形態におい
ては、図4に示したレーザ照射装置におけるレーザ出射
部1の出力値を大きくしている。レーザ光には、波長が
355nmのNd:YAGレーザの3次高調波を用い
る。レーザ光が高出力であるため、レーザ光のビーム径
を5mm程度にまで大きくしても、約2.0J/cm2
の光密度を得ることができる。但し、パルス周期は高出
力であるために小さく、約10Hzである。パルス幅は
約10nsとしており、母材基板11と半導体層13と
の界面を局所的に加熱するのに十分なパルス幅である。
【0115】ここでも、第1及び第2の実施形態と同様
に、サファイアはレーザ光に対して透明であるため、母
材基板11の裏面側から該母材基板11を通して半導体
層13にレーザ光を照射する。
【0116】レーザ光の半導体層13に対する照射は、
少なくとも半導体層13における凸部11eとの界面を
照射する必要があるため、ここでは、半導体層13の全
面にわたって照射する。具体的には、照射部分が2mm
ずつ重なるように、母材基板11の周縁部から内側に向
かって順次照射する。なお、レーザ光の走査時の線速度
を約30cm/sとすることにより、2mmずつ照射位
置を重ねることができる。すなわち、母材基板11の外
縁部に沿ってレーザ照射を行ない、1周分のレーザ照射
を終えると照射位置を3mmだけ母材基板11の内側に
ずらすことにより、半径方向の照射位置を2mmずつ重
ねることができる。
【0117】前述したように、半導体層13は、照射さ
れたレーザ光を吸収して加熱される。レーザ光のパルス
幅が約10nsと短く且つ光密度が大きいため、半導体
層13は、レーザ光が照射された部分が局所的に加熱さ
れる。この加熱により、半導体層13におけるレーザ光
の照射部分が熱分解されて、ガリウム層11cと窒素ガ
スとを生じる。
【0118】第3の実施形態においては、母材基板11
のレーザ照射位置には、低部11dが形成されているた
め、第2の実施形態と同様の効果を得ることができる。
すなわち、レーザ光の照射によって、半導体層13にお
ける母材基板11との界面部分が熱分解されると、凸部
11eの上部の収縮に向かう応力は、半導体層13にお
けるレーザ光が照射されていない低部11dの上側部分
が該半導体層13を構成する窒化ガリウムの面方位の
(0001)面で劈開することにより解放される。ま
た、熱分解により生じた高圧の窒素ガスも、半導体層1
3が(0001)面で劈開することにより発散される。
【0119】このような剥離のメカニズムにより、第3
の実施形態においては、レーザ照射中に半導体層13に
対して、その主面に垂直な方向に伸展するクラックが生
じない。第3の実施形態においては、半導体層13の母
材基板11との界面の全面を照射することにより、半導
体層13の母材基板11との界面のほぼ全面にガリウム
層11cを生じる。また、約2.0J/cm2 とレーザ
光強度が大きいため、母材基板11の凸部11eの側面
にもガリウム層11cを生じる。このガリウム層11c
の結合力は非常に小さいため、図11(b)に示すよう
に、半導体層13を持ち上げるだけで半導体層13が母
材基板11から容易に剥離される。このとき、母材基板
11の低部11dの上側には、半導体層13における
(0001)面のクラックによって劈開された残部13
aが生じることがある。
【0120】次に、図11(c)に示すように、塩化水
素によってガリウム層11cを除去し、その後、半導体
層13における母材基板11との接合面の凹凸部分を研
磨して除去することにより、窒化ガリウムからなる半導
体層13から窒化物半導体基板13Aを得る。このとき
の窒化物半導体基板13Aは、径が約5.1cm(2イ
ンチ)で、その厚さは約180μmであり、クラックや
周縁部に欠けた部分がなく、バルクの状態で存在する。
【0121】以上説明したように、第3の実施形態によ
ると、母材基板11の凹凸状領域20には、複数の凸部
11eが約30μmの間隔で分散して形成されている
が、照射するレーザ光のビーム径が5mmと大きいた
め、一度に約1万個以上の凸部11eに照射できるの
で、照射時間を著しく低減することができる。具体的に
は、第3の実施形態においては、径が2インチの半導体
層13に対してわずか1分程度でレーザ照射を終えるこ
とができる。
【0122】なお、第3の実施形態においては、レーザ
照射時にレーザ光が母材基板11の凸部11eの一部に
のみ照射されて、その近傍の半導体層13が熱分解され
る場合がある。この場合でも、半導体層13には、母材
基板11の主面に垂直な方向のクラックが生じることは
なく、半導体層13における低部11dの上側部分が半
導体層13の面方位の(0001)面に沿って劈開す
る。このため、パルス照射のビーム径を大きくしても、
母材基板11の収縮応力が集中して半導体層13にクラ
ックが導入されたり、割れたりすることを防ぐことがで
きる。
【0123】また、第3の実施形態においても、主面に
凹凸状領域20を有する母材基板11の主面上に、窒化
ガリウムからなる半導体層13を埋め込み成長している
ため、半導体層13の表面における貫通欠陥密度は低部
11dの上側では約1×10 6 cm-2である。
【0124】以上説明したように、レーザ光のビーム径
を大きくすることにより、レーザ照射時間を著しく低減
できる上に、クラックや割れがなく、欠陥密度を著しく
低減した領域を有する窒化物半導体基板13Aを得るこ
とができる。
【0125】なお、第3の実施形態においては、半導体
層13の全面に対してレーザ光の照射を行なっている
が、半導体層13における少なくとも母材基板11の凸
部11eとの界面部分を照射すれば良い。その場合に
は、半導体層13の全面を照射する場合と比べて、レー
ザ光の照射時間を短くすることができる。
【0126】(第4の実施形態)以下、本発明の第4の
実施形態について説明する。
【0127】第4の実施形態は、第2の実施形態に係る
凹凸状領域20における凸部11e同士の間隔を変更し
て最適なドットパターンの配置を得るようにする。
【0128】ここでは、図7(c)に示す凹凸領域20
において、凸部11eが占める面積と低部11dが占め
る面積との比を変化させることにより、母材基板11と
半導体層13との剥離の様子を調べる。
【0129】例えば、第1の例として、凹凸状領域20
において低部11dが占める面積が凸部11eが占める
面積の約5分の1未満とすると、半導体層13にレーザ
光を照射して半導体層13の一部を熱分解するときに、
該半導体層13がその面方位の(0001)面で劈開す
る領域が不十分となるため、半導体層13の表面方向に
伸展するクラックが発生する。
【0130】なお、低部11dの面積が凸部11eの面
積の約5分の1とする場合は、凸部11e同士がつなが
ってしまい、低部11dは凸部11e内に断面凹状に散
在するような状態になっている。
【0131】第2の例として、凹凸状領域20において
低部11dが占める面積が凸部11eが占める面積の約
5分の1以上とすると、作製した複数の試料において、
半導体層13に発生するクラックが該半導体層13の表
面方向には伸展せず、径が約5.1cm(2インチ)の
窒化ガリウムからなるバルク状の基板が得られる場合が
ある。
【0132】従って、より好ましくは、低部11dが占
める面積を凸部11eが占める面積の2分の1以上とす
ることにより、複数の試料のほぼ全点において2インチ
の窒化ガリウムからなるバルク状の基板を得ることがで
きる。
【0133】第3の例として、低部11dが占める面積
が凸部11eが占める面積よりも大きい場合を検証す
る。
【0134】低部11dが占める面積が凸部11eが占
める面積の約100倍を超えると、凸部11eのすべて
にレーザ光を照射したとしても、半導体層13がその
(0001)面で劈開する領域が低部11dとの界面の
全体に達し得ない。このため、母材基板11から半導体
層13を剥離することができなくなる。半導体層13を
母材基板11から確実に剥離するには、低部11dが占
める面積を凸部11eが占める面積の100倍以下とす
る必要がある。
【0135】より好ましくは、凹凸状領域20において
低部11dが占める面積を凸部11eが占める面積の2
0倍以下とすることにより、作製した複数の試料のほぼ
全点において2インチの窒化ガリウムからなるバルク状
の基板を得ることができる。
【0136】なお、低部11dが占める面積が大き過ぎ
るため、母材基板11から半導体層13が剥離できなか
った場合には、母材基板11と半導体層13との接合領
域に対してレーザ光の照射を再度行なうことにより、半
導体層13全面の剥離が可能となることは言うまでもな
い。
【0137】なお、第4の実施形態において、凸部11
eの配置が凹凸状領域20上で極端に偏っている場合、
例えば、母材基板11の主面上の半分の領域にすべての
凸部11eが集中しているような場合には、前述した結
果が当てはまらないことは言うまでもない。しかしなが
ら、例えば、凹凸状領域20の数十個の凸部11eを含
む領域において凸部11eの密度を調べ、その密度がほ
ぼ均一であるような場合には、前述した結果を援用する
ことができる。
【0138】
【発明の効果】本発明に係る窒化物半導体基板の製造方
法によると、母材基板の主面に凹凸状領域を形成するた
め、レーザ光が照射された部分の応力が、窒化物からな
る半導体層における母材基板の凹部を埋めた部分と他の
部分とが基板面に平行に劈開することにより開放される
ため、基板面に垂直な方向のクラック及び割れが生じな
い。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)〜(d)は本発明の第1の実施形態に係
る窒化物半導体基板の製造方法を示す工程順の構成断面
図である。
【図2】(a)及び(b)は本発明の第1の実施形態に
係る窒化物半導体基板の製造方法を示し、(a)は凹凸
状領域の平面図であり、(b)は(a)のIIb−IIb線
における断面図である。
【図3】(a)〜(d)は本発明の第1の実施形態に係
る窒化物半導体基板の製造方法を示す工程順の構成断面
図である。
【図4】本発明の第1の実施形態に係る窒化物半導体基
板の製造方法に用いるレーザ出射装置の模式的な構成図
である。
【図5】本発明の第1の実施形態に係る窒化物半導体基
板の製造方法において母材基板と半導体層との界面に生
じる応力を模式的に示した断面図である。
【図6】本発明の第1の実施形態に係る窒化物半導体基
板の製造方法において母材基板上に成長した半導体層に
生じる貫通欠陥を模式的に示した断面図である。
【図7】(a)〜(c)は本発明の第2の実施形態に係
る窒化物半導体基板の製造方法を示す工程順の構成断面
図である。
【図8】本発明の第2の実施形態に係る窒化物半導体基
板の製造方法におけるドットパターン形成用のレジスト
パターンを示す平面図である。
【図9】(a)〜(c)は本発明の第2の実施形態に係
る窒化物半導体基板の製造方法を示す工程順の構成断面
図である。
【図10】(a)〜(c)は本発明の第3の実施形態に
係る窒化物半導体基板の製造方法を示す工程順の構成断
面図である。
【図11】(a)〜(c)は本発明の第3の実施形態に
係る窒化物半導体基板の製造方法を示す工程順の構成断
面図である。
【符号の説明】
1 レーザ出射部 2 スキャンレンズ 3 集光レンズ 4 ミラー 5 画像認識部 10 レーザ光 10a 可視光 11 母材基板 11a 凹状溝 11b 凸部領域 11c ガリウム層 11d 低部 11e 凸部 12 レジストパターン 12A レジストパターン 13 半導体層 13a 残部 13A 窒化物半導体基板 20 凹凸状領域 31 第1の応力 32 第2の応力 33 貫通欠陥
フロントページの続き Fターム(参考) 4G077 AA03 BE15 DB01 ED04 ED05 ED06 EE02 FJ03 TB03 TC12 TC17 TK04 TK06 TK11 5F045 AA03 AA04 AB14 AD14 AF02 AF04 AF09 AF12 AF13 BB08 BB12 HA18

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 前記母材基板の主面に凹凸状領域を選択
    的に形成する第1の工程と、 前記母材基板における前記凹凸状領域の上に該凹凸状領
    域の凹部を埋めると共にその上面が平坦となるように、
    窒化物からなる半導体層を成長する第2の工程と、 前記半導体層における前記母材基板との界面にレーザ光
    を照射して、前記半導体層を前記母材基板から剥離する
    ことにより、前記半導体層から半導体基板を形成する第
    3の工程とを備えていることを特徴とする窒化物半導体
    基板の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記第3の工程は、レーザ光を、前記母
    材基板における前記凹凸状領域のうちの少なくとも凸部
    に照射することを特徴とする請求項1に記載の窒化物半
    導体基板の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記第1の工程は、前記母材基板の主面
    に互いに並行に延びる複数の凹状溝を形成し、 前記第3の工程は、レーザ光を、前記母材基板における
    前記複数の凹状溝同士に挟まれてなる凸部に沿って走査
    しながら照射することを特徴とする請求項2に記載の窒
    化物半導体基板の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記母材基板は、主面の面方位が{00
    01}面であるサファイアからなり、 前記各凹状溝の晶帯軸の方向は、前記母材基板における
    <1−100>方向であることを特徴とする請求項3に
    記載の窒化物半導体基板の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記第1の工程は、前記母材基板の主面
    にそれぞれが島状の複数の凸部を形成し、 前記第3の工程は、パルス状のレーザ光を、前記母材基
    板における前記複数の凸部と同期するように走査しなが
    ら照射することを特徴とする請求項2に記載の窒化物半
    導体基板の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記第3の工程は、レーザ光を、前記母
    材基板における前記凹凸状領域のうちの複数の凸部に同
    時に照射することを特徴とする請求項2に記載の窒化物
    半導体基板の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記第1工程は、前記母材基板における
    前記凹凸状領域のうち、凹部が占める面積を凸部が占め
    る面積の約5分の1倍以上且つ約100倍以下とするこ
    とを特徴とする請求項1〜6のうちのいずれか1項に記
    載の窒化物半導体基板の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記第3の工程は、レーザ光を前記母材
    基板の主面と反対側の面から照射することを特徴とする
    請求項1〜7のうちのいずれか1項に記載の窒化物半導
    体基板の製造方法。
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