JP2002292873A - インクジェットプリントヘッド - Google Patents

インクジェットプリントヘッド

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JP2002292873A
JP2002292873A JP2001098500A JP2001098500A JP2002292873A JP 2002292873 A JP2002292873 A JP 2002292873A JP 2001098500 A JP2001098500 A JP 2001098500A JP 2001098500 A JP2001098500 A JP 2001098500A JP 2002292873 A JP2002292873 A JP 2002292873A
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JP
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ink
electrode
common electrode
ink supply
print head
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JP2001098500A
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Mitsuyasu Nakajima
光康 中嶋
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Casio Computer Co Ltd
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Casio Computer Co Ltd
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  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】共通電極の抵抗値と流路抵抗の両方を小さく抑
え長尺構成の場合でも全てのオリフィスから平均したイ
ンクの吐出ができるインクジェットプリントヘッドを提
供する。 【解決手段】印字ヘッド20は、基板21上に多数の発
熱部22aが長手方向と平行に配列して形成され、その
一端に駆動電極23とドライバ24が直列に接続され、
他端に共通電極25の櫛状電極25−1が共通に接続さ
れる。これらの上にオリフィス31を一列に形成された
オリフィス板29が積層される。発熱部22aには外部
からインク供給溝26を介してインクが供給される。発
熱部22aに直接接続される櫛状の共通電極25−1
と、これとは別にインク流路32の邪魔にならない場所
に設けられた平板状の電極25−2との接続を、端部の
端子25aだけで無く、インク供給溝26を複数箇所で
横切って差し渡した電極25−3で接続することにより
櫛状電極25−1上の流路幅を抑え且つ電圧降下を抑え
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、全てのエネルギー
発生素子にバラツキの少ない印加電圧を供給するインク
ジェットプリントヘッドに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、インクジェット方式のプリン
タが広く用いられている。このインクジェット方式によ
るプリンタには、膜気泡の膨張圧力でインク滴を飛ばす
サーマル方式や、ピエゾ抵抗素子(圧電素子)の変形圧
力でインク滴を飛ばすピエゾ方式等がある。このような
インクジェットプリンタは、色材たるインクをインク滴
にして直接記録紙に向って吐出するという工程により、
印字エネルギーが小さい、インクの混合によりカラー化
が容易である、騒音が少ない、小型化できる等の特徴を
もっている。このため、特にパーソナル用プリンタとし
て広く用いられている印字方式である。
【0003】図4(a) は、上記のような従来のトップシ
ュータ型またはルーフシュータ型と呼ばれるサーマル式
のインクジェットプリントヘッドの外観を模式的に示す
平面図であり、同図(b) は、同図(a) から後述するオリ
フィス板と隔壁を取り除いて内部構成を示す図である。
【0004】図5(a) は、図4(a),(b) のA−A′断面
矢視拡大図であり、図5(b) は、図4(a),(b) のB−
B′断面矢視拡大図である。これらの図4(a),(b) 及び
図5(a),(b) を用いて従来のインクジェットプリントヘ
ッドを簡単に説明する。上記の図4(a),(b) 及び図5
(a),(b) に示すように、このインクジェットプリントヘ
ッド(以下、単に印字ヘッドという)1は、シリコン基
板(又はガラス基板)2の上に、条形に形成された発熱
抵抗体膜3の発熱部3aとなる部分の一端に駆動電極4
の一端が接続され、駆動電極4の他端は個々の駆動回路
5に夫々接続されている。更に発熱部3aの他端には共
通電極6が接続されている。
【0005】上記駆動電極4の上と、基板1の上面周囲
には、隔壁7が形成されており、その隔壁7の上にオリ
フィス板8が積層されている。そして、このオリフィス
板8には、発熱部3aに対向する位置に、インクを吐出
するオリフィス9が一列に並んで形成されている。この
オリフィス9の配設ピッチpは、例えばこの印字ヘッド
1の解像度が25.4mm当り600ドットの場合であ
れば42.3μmである。また、この印字ヘッド1が図
4(a),(b) では左右に長くなるラインプリンタ用の長尺
印字ヘッドであれば、一列に並んだオリフィス9の総数
はおよそ3550個である。
【0006】また、上記の共通電極6を挟んで発熱部3
aの反対側に露出する基板2の上面には、発熱部3aの
配列方向に平行してインク供給溝11が穿設されてお
り、このインク供給溝11の底部に連通し、基板2の下
面に貫通するインク供給孔12が複数箇所に設けられて
いる。
【0007】上記発熱部3aとインク供給溝11間に配
置された共通電極6の上方には、隔壁7によって高さを
規制されたオリフィス板8によって、高さおよそ10μ
mのインク供給通路13が形成されている。また、基板
2の長手方向(図4(a),(b)の左右方向)端部には、外
部電源の給電端子を共通電極6に接続するための共通電
極パッド14(14a、14b)及び外部の印字ヘッド
制御部の駆動信号端子をドライバ5に接続するための信
号配線パッド15が形成されている。
【0008】この印字ヘッド1は、実用時には、上記の
インク供給通路13に、インク供給孔12及びインク供
給溝11を介して外部からインクが供給される。図6
は、上記の印字ヘッド1の共通電極6の構造を分かりや
すく示すため、印字ヘッド1の中央部分と下方部分を切
り欠いて拡大して示す図である。同図に示すように、共
通電極6は全体として櫛形に形成されており、櫛の胴に
当る部分(以下、胴電極という)6−1と、櫛の歯に当
る部分(以下、歯電極という)6−2とに分けることが
できるが、これについては後述する。
【0009】図7(a),(b),(c) は、上記印字ヘッド1の
インク吐出動作を説明する図である。尚、同図(a) に
は、図4及び図5と同一の構成部分には図4及び図5と
同一の番号を付与して示し、図7(b),(c) には説明に必
要な部分にのみ番号を付与して示している。同図(a) に
示すように、印字ヘッド1のインク供給通路13には、
図4及び図5に示したインク供給溝11からインク16
が常時供給されており、インク16はオリフィス9の上
方でメニスカス16aを形成している。
【0010】このオリフィス9からインク滴を吐出させ
るには、先ず、駆動電極4と共通電極6による画像情報
に応じた通電により、発熱部3aを発熱させてこの発
熱部3aとインク16との界面に核気泡を発生させる
と、この核気泡が合体して、同図(b) に示すように膜
気泡17が発生し、この膜気泡17が断熱膨張して成
長し周囲のインク16を四方に押し遣り、これによりオ
リフィス9からインク16bが押し出され、この押し出
されたインク16bは、同図(c) に示すようにインク滴
16cとなってオリフィス9から不図示の記録媒体に向
けて吐出される。この後、上記の膜気泡が収縮し、
ついには膜気泡が消滅し、次の発熱部3aの加熱を待機
する状態になる。この一連の工程〜は瞬時に行われ
る。
【0011】この形式における印字ヘッド1の製法とし
ては、薄膜形成技術を利用して複数の発熱部、個々の駆
動電極、共通電極、隔壁、及びオリフィスを一括してモ
ノリシックに形成することができる。また、発熱部を発
熱駆動する駆動回路も、シリコンLSI形成技術を用い
てヘッド部と一体に(シリコン基板の場合)又は別個に
(ガラス基板の場合)形成することができる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】ところで、共通電極6
(胴電極6−1、歯電極6−2)は、全体として発熱部
3aの配列(以下、発熱部列という)方向に平行して形
成されているため、印字ヘッド1が長尺であるほど、つ
まりオリフィス9の数が多いほど、共通電極パッド14
a及び14b間の胴電極6−1の抵抗は大きくなる。
【0013】このように、胴電極6−1の抵抗が大きく
なると、発熱部列の両端の発熱部3aと発熱部列の中央
の発熱部3aとでは、共通電極パッド14a又は14b
からの距離が異なる分だけ胴電極6−1の抵抗値が大き
く変じて、発熱部3aに印加される電力が異なってく
る。このため、全てのオリフィス9から平均したインク
滴の吐出が行われなくなるという不具合が発生する。
【0014】ここで、共通電極6の抵抗値について具体
的に調べてみることにする。先ず、共通電極6を、印字
ヘッド1の一方の端部の発熱部3aから他方の端部の発
熱部3aまで測定した時の抵抗値を計算する。いま、2
5.4mm当り600ドットの密度(解像度)で配列さ
れたオリフィス9が全部で、つまり一列のオリフィス列
内に、832個あるとする。このとき、オリフィス列の
長さは35.2mm(42.3μm×832)である。
【0015】電極幅を50μm、電極厚を1μmとし、
電極材料に金を用いて配線すると、金の比抵抗を2.3
μΩ・cmとして、抵抗値Rは式「R=ρ・L/S=
2.3×3.52/(0.0001×0.005)=1
6(Ω)」から、求める抵抗値Rは16Ωが得られる。
【0016】発熱部列の中心から、共通電極6を通って
共通電極パッド14a又は14b(以下、単にパッド1
4という)までの抵抗値は、中心からなので上記計算し
た抵抗値の1/2となり、更にパッド14は両端にある
ので、共通電極パッド14aと14bを抵抗値を無視で
きる配線で接続することにより、発熱部列の中心と共通
電極パッド14aまでの抵抗と、発熱部列の中心と共通
電極パッド14bまでの抵抗は並列接続されることにな
り、発熱部列の中心から、共通電極6を通って共通電極
パッド14a又は14bまでの抵抗は計算式「16Ω÷
2÷2」から、4Ωとなる。一方、発熱部列の端部まで
の抵抗値は、厳密にはパッド14まで僅かな抵抗値を持
つが、これは充分無視できるので、0Ωとみることがで
きる。
【0017】上記の発熱部3aの抵抗値は156Ωであ
り、この発熱部3aへの印加時間が1μsのときには、
1Wで正常なインク吐出を行う。つまり12.5V(√
(1(W)×156(Ω))=12.5(V))の電圧
が発熱部3aに印加されているときに良好なインク吐出
が行われる。
【0018】発熱部列の中心部の6個の発熱部3aが駆
動されたときは、計算を簡単にするために電極抵抗を無
視して計算して、480mA(12.5(V)÷156
(Ω)×6)の電流が共通電極6に流れ、1.9V(4
(Ω)×480(mA))の電圧降下が共通電極6上で
発生していることになる。一方、発熱部列の端部の発熱
部3aが駆動されたときは共通電極6上の電圧降下は発
生しない。
【0019】上記の例のように、発熱部列の中心部の6
個の発熱部3aを駆動したときに、1.9Vの電圧降下
が発生するため、発熱部3aにかかる電力は0.72W
((12.5(V)−1.9(V))^2 ÷156
(Ω))となる。つまり、発熱部列の端部では1W、中
央部では0.72Wが、各々の発熱部3aに実際に印加
されている電力となる。
【0020】一般に、図6に示す印字ヘッド1の発熱部
3aの構成においては、印加される電力が0.9〜1W
で良好なインク吐出特性を示すことが判明している。し
たがって、上記の0.72Wでは不安定吐出となる。そ
こで、共通電極6に印加する電圧を中心部の発熱部3a
が正常に吐出できるように合わせると、端部の発熱部3
aには過剰な電力が印加されることになって発熱部3a
の寿命が短かくなったり、吐出が不安定になる(印加電
力が高すぎても正常な吐出が出来なくなる)などの不具
合が生じる。オリフィス9の数が増えて印字ヘッド1が
長尺になると、共通電極6の抵抗値が更に大きくなって
状況は益々悪化する。
【0021】この不具合を解消するには、先ず共通電極
6の抵抗を小さくしなければならない。これには、従
来、共通電極6の厚さを厚くする方法と、電極幅(胴電
極6−1の発熱部列と直交する方向の寸法)を広くする
方法がある。一方の共通電極6の厚さを厚くする方法
は、製法上の制約なく形成できる限度は数μmまでであ
る。これ以上厚くしようとすると処理工程数が増え、更
には熱膨張係数の関係から全体に悪影響が生じて好まし
くない。
【0022】他方の電極幅を広くする方法は、発熱部3
aとインク供給溝11までの距離d(図6参照)つまり
インク供給路13(図4(b) 参照)の幅が広がることと
なる。インク供給路13は、高さが10μm程度の流路
であり、インク供給溝11から供給される図7に示した
インク16は、この低い流路を通っていくため、流路抵
抗が大きい。
【0023】尚、共通電極6上に形成されているインク
供給通路13の10μm程度の高さに対し、インク供給
溝11の深さは200μmであり、幅(発熱部列と直交
する方向)は250μmであるから、このインク供給溝
11の流路抵抗は、インク供給通路13の流路抵抗に比
較して遥かに小さく、したがって、無視できる。
【0024】このように、流路抵抗は専らインク供給路
13の幅、つまり電極幅に関係してくるが、上記のよう
に電極幅を広げると、流路抵抗つまり発熱部3aへのイ
ンク供給抵抗が大きくなり、インク供給抵抗が大きくな
ると、インク供給が追いつかなくなる。従って吐出が不
安定になり、インク滴が小さくなったり更には吐出不能
になるなどして、画像品質を劣化させるという不具合が
発生する。
【0025】本発明の課題は、上記従来の実情に鑑み、
共通電極の抵抗値と流路抵抗の両方を小さく抑え長尺構
成の場合でも全てのオリフィスから平均したインクの吐
出ができるインクジェットプリントヘッドを提供するこ
とである。
【0026】
【課題を解決するための手段】以下に、本発明に係わる
インクジェットプリントヘッドの構成を述べる。本発明
のインクジェットプリントヘッドは、基板上の所定方向
に並んで配設されインクを吐出させる為の圧力エネルギ
ーを発生させる複数のエネルギー発生素子と、該エネル
ギー発生素子を駆動する駆動素子と、上記エネルギー発
生素子の一端に接続され該エネルギー発生素子に駆動電
圧を供給する駆動電極と、各上記エネルギー発生素子の
他端に共通接続する共通電極と、上記所定方向と平行に
設けられ上記エネルギー発生素子に上記インクを供給す
るインク供給溝と、を有するインクジェットプリントヘ
ッドにおいて、上記共通電極は、上記インク供給溝の上
記エネルギー発生素子に隣接する側に設けられる第1の
共通電極と、上記インク供給溝の上記エネルギー発生素
子と逆側に設けられる第2の共通電極と、上記エネルギ
ー発生素子が並ぶ範囲の上記所定方向の間において上記
第1の共通電極と上記第2の共通電極とを接続する第3
の共通電極と、で構成される。
【0027】そして、上記第3の共通電極は、例えば請
求項2記載のように、上記インク供給溝の内壁を介して
設けられる。また、上記インク供給溝は、例えば請求項
3記載のように、上記所定方向に沿って複数設けられ
る。その場合、上記第3の共通電極は、例えば請求項4
記載のように、上記インク供給溝間に設けられる。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照しながら説明する。図1(a) は、第1の実施の形
態におけるインクジェットプリントヘッド(以下、単に
印字ヘッドという)のオリフィス板と隔壁を取り除いて
内部構成を示す平面図であり、同図(b) は、同図(a) の
A−A′断面矢視拡大図であり、同図(c)は、同図(a)
のC−C′断面矢視拡大図である。尚、同図(b),(c) に
はオリフィス板と隔壁が有る状態で示している。また、
同図(a) に示す印字ヘッド20は、図ではほぼ正四角形
に近い形状で図示しているが、実際には横長な長尺の印
字ヘッドであり、同図(a) は、その両端部と中央部のみ
を実線で示し、それらの中間部は破線で示して具体的図
示は省略している。
【0029】同図(a),(b),(c) に示す印字ヘッド20
は、ガラス基板21の上に、条形の発熱抵抗体膜22か
らなるエネルギー発生素子としての発熱部22aが、印
字ヘッド20の所定の方向としての長手方向(同図(a)
の横方向)と平行に配列して形成され、それらの各発熱
部22a毎に、その一端に駆動素子としての駆動電極2
3とドライバ24が直列に接続され、発熱部22aの他
端には、櫛状電極25−1、平板状電極25−2、及び
渡し電極25−3からなる共通電極25の上記の櫛状電
極25−1が共通に接続されている。
【0030】そして、これら発熱部22aにインクを供
給すべく、インク供給溝26が発熱部22aの配列方向
に平行に延在して形成されている。このインク供給溝2
6の底部に連通し、基板21の下面に貫通するインク供
給孔27が複数箇所に設けられている。駆動電極23と
基板21の上面周囲には隔壁28が形成されており、そ
の隔壁28の上にオリフィス板29が積層されて、この
オリフィス板29には、発熱部22aに対向する位置
に、インクを吐出するオリフィス31が一列に並んで形
成されている。
【0031】上記の第1の共通電極としての櫛状電極2
5−1は、インク供給溝26の発熱部22aに隣接する
側に設けられている。本例においては、上記のインク供
給溝26から発熱部22aまでの間、つまり櫛状電極2
5−1の上に形成されるインク供給通路32はインクの
流路抵抗を小さくするために出来るだけ距離が短くなる
ように設定される。そして、これに応じて櫛状電極25
−1の胴部の幅も狭く形成されている。
【0032】これに対して、第2の共通電極としての平
板状電極25−2は、インク供給溝26の発熱部22a
と逆側に設けられており、この平板状電極25−2は流
路抵抗に関係がないので電極幅の寸法は基本的に制約を
受けず充分に広くとって端部と中央部とで電圧降下が殆
ど起きないように形成することができる。
【0033】そして、第3の共通電極としての渡し電極
25−3は、同図(a) に示すように上記発熱部22aの
配列方向の発熱部22aが並ぶ範囲の間、好ましくは中
間で上記の櫛状電極25−1と平板状電極25−2とを
橋渡しするように接続しており、また、その配設形態で
は、同図(c) に示すように、インク供給溝26の内壁に
沿ってインク供給孔27の形成されていない箇所を通っ
て配設されている。
【0034】上記の櫛状電極25−1と平板状電極25
−2には共に複数の共通電極パッド33から共通電極端
子25aを介して電力が供給されるが、共通電極パッド
33からだけでは電圧降下を起し易い櫛状電極25−1
へ、電圧降下が殆ど起きない平板状電極25−2から渡
し電極25−3を介して不足分の電力が供給される。こ
の渡し電極25−3の接続位置は、印字ヘッド20の長
手方向の寸法にもよるが、少なくとも櫛状電極25−1
の中心の1箇所に必要である。あとは印字ヘッド20の
長手方向の寸法に応じて増やすようにする。
【0035】このように、従来型と比較してインク供給
溝の形状はそのままであるのでインク供給溝の低い流路
抵抗に変化はなく、一方、櫛状電極25−1は不足分の
電力を平板状電極25−2から受けることが出来るので
電極幅を可及的に狭くしても端部と中央とで電圧降下が
殆ど無く、したがって、いずれの発熱部22aをも平均
した電力で駆動でき、且つ電極幅を可及的に狭くしたこ
とによりインク供給通路32の流路抵抗を低減させ、イ
ンクの補給状態を良好に維持することができるようにな
る。
【0036】図2は、上記第1の実施の形態における印
字ヘッドの変形例を示す断面図である。同図には、図1
(a),(b),(c) と同一の構成部分には図1と同一の番号を
付与して示している。同図に示す印字ヘッド20′は、
インク供給溝26が、連続して幅広く深い溝ではなく、
所々に幅が狭くて浅い浅狭溝26−1が形成されてい
る。これは連続して幅広く深い溝であると特に長尺印字
ヘッドの場合に基板21が割れ易くなることから、その
虞を解消したものである。この場合は、上記の浅狭溝2
6−1の所で、その内壁に沿って渡し電極25−3を平
板状電極25−2から櫛状電極25−1へ接続する。
尚、この場合は電極材料の使用量が図1の場合よりも低
減する。尚、本例では、インク供給溝26内の浅狭溝2
6−1は15箇所に形成されている。つまりインク供給
溝26は、完全な分割ではないが浅狭溝26−1によっ
て16分割された配置となっている。
【0037】ここで、共通電極の電気抵抗について調べ
てみる。本例において櫛状電極25−1の胴部の電極幅
は50μmであり、平板状電極25−2の電極幅は50
0μmである。他の条件を図4〜図6の構成の場合と同
じであるとすれば、平板状電極25−2の一方の端部の
発熱部22aに対応する位置から他方の端部の発熱部2
2aに対応する位置までの抵抗値Rは、式「R=ρ×L
/S=2.3×3.52/(0.0001×0.00
5)=1.6(Ω)」によって、1.6Ωである。そし
て、櫛状電極25−1から平板状電極25−2までの抵
抗値は、インク供給溝26によって隔てられた部分の抵
抗値、つまり渡し電極25−3の抵抗値である。
【0038】本例では、渡し電極25−3の、発熱部2
2aの配列(発熱部列、以下同様)に平行する方向に計
った電極幅はそれぞれ80μmであり、櫛状電極25−
1から平板状電極25−2方向への長さは浅狭溝26−
1の内壁沿いの長さを含んで350μmである。したが
って、この抵抗値Rは、式「R=ρ×L/S=2.3×
0.035/(0.0001×0.008)=0.1
(Ω)」から、0.1Ωとなる。そして、上述したよう
に平板状電極25−2の端部から端部までの抵抗値は
1.6Ωであるので、平板状電極25−2の中央部分よ
り共通電極パッド33(図1(a) 参照)までの抵抗値
は、図6の場合と同様に中央部なので2分し、電極端子
が両端にあるので更に2分して、式「1.6(Ω)÷2
÷2=0.4(Ω)」から、0.4Ωとなる。
【0039】発熱部22aを駆動したときに共通電極2
5に流れる電流の経路は、特に発熱部列の中央部では、
抵抗値が高い櫛状電極25−1を通り、渡し電極25−
3を介して、抵抗値が低い平板状電極25−2側を流れ
て共通電極パッド33に至る経路となる。
【0040】832個の発熱部22aをインク供給溝2
6の16分割に合わせて16分割すると、1つのインク
供給溝26には52個の発熱部22aが対応する。その
52個の中央部つまり渡し電極25−3から最も遠い部
分の発熱部22aから、52個の端部の発熱部22aま
での距離は、式「52×42.3μm÷2=1.1m
m」によって、1.1mmとなる。
【0041】この52個の中央部の発熱部22aを駆動
するときには、電流は、渡し電極25−3までの上記距
離1.1mmを、幅50μmの櫛状電極25−1を介し
て流れる。櫛状電極25−1の長さ1.1mmの抵抗値
Rは、式「R=ρ×L/S=2.3×0.11/(0.
0001×0.005)=0.5(Ω)」から、0.5
Ωとなる。
【0042】ここで従来例と同じ条件で最も悪い条件の
場合を考える。52個の中央近辺の発熱部22aが、6
個同時に駆動したときに流れる480mAの電流によ
り、櫛状電極25−1では0.12V(0.5(Ω)×
480(mA)÷2(両端部に流れるため))の電圧降
下をする。渡し電極25−3では0.048V(0.1
(Ω)×2×480(mA)÷2(櫛状電極25−1か
ら両端に電流が流れでるため渡し電極25−3の2個分
の電圧降下を考える))の電圧降下をする。
【0043】そして、平板状電極25−2では、0.1
9Vの電圧降下(0.4(Ω)×480(mA))をす
るので、共通電極25としては0.358Vの電圧降下
をする。したがって、実際に発熱部22aに印加される
電力は、0.945Wとなる((12.5(V)−0.
358(V))^2 ÷156(Ω))。一方、発熱部列
の端部には1Wの電力が印加される。
【0044】上記の抵抗値の状態は図1に示した印字ヘ
ッド20の場合も同様である。このように、本例におけ
る印字ヘッド20又は20′においては、発熱部列の全
ての発熱部22aにおいて最も悪条件の下でも、0.9
〜1Wの電力が供給される。したがって、発熱部22a
の特性に適合した0.9〜1Wの電力の下で安定した良
好なインク吐出を行なうことができ、高品質な印字画像
を形成することができる。
【0045】図3(a) は、第2の実施の形態における印
字ヘッドのオリフィス板と隔壁を取り除いて内部構成を
示す平面図であり、同図(b) は、同図(a) のA−A′断
面矢視拡大図であり、同図(c) は、同図(a) のD−D′
断面矢視拡大図である。尚、同図(b),(c) にはオリフィ
ス板と隔壁が有る状態で示している。また、同図(a)に
示すインクジェットプリントヘッド35も、両端部と中
央部のみを実線で示し中間部は破線で示して具体的図示
は省略しているため正四角形に近く見えるが、実際には
横長に長尺印字ヘッドである。また、同図(a),(b),(c)
に示す各部の構成は、インク供給溝の形状と共通電極の
渡し電極の形状を除いて図1(a),(b),(c) に示した印字
ヘッド20の各部の構成と同一であるので、説明に必要
な部分にのみ番号を付与して示している。
【0046】図3(a),(b),(c) において、複数のインク
供給溝34(34−1、・・・、34−i、34−i+
1、・・・34−n)が、発熱部22aの配列方向に沿
って設けられている。尚、nはインク供給溝34の個数
を示し、iは1〜nの値をとる記号である。インク供給
孔27は各インク供給溝34毎に形成されている。この
ように、インク供給溝34を連続した長溝とせずに、複
数に分割されたそれぞれ短い溝とすることにより、基板
21が一層割れにくくなる。そして、この場合は、イン
ク供給溝34−iとこれに隣接するインク供給溝34−
i+1との間の基板面に、同図(a) 及び同図(c) に示す
ように、渡し電極25−3が設けられて、平板状電極2
5−2と櫛状電極25−1が接続される。
【0047】このように、インク供給の流路抵抗の観点
から、櫛状電極25−1の電極幅は広くすることが出来
ないが、平板状電極25−2の電極幅は、インクの吐出
特性に影響を与えることが無いから、いくらでも広くす
ることが出来、したがって、設計内容に応じて平板状電
極25−2の幅を広げることによって、共通電極25で
の電圧降下を低下させ、実際の発熱部22aに印加され
る電力のばらつきを抑えることが容易となる。
【0048】尚、上記実施の形態では、印字ヘッドをド
ライバも一体化した形状で示しているが、これに限るこ
となく、ドライバを印字ヘッドの外付けとした構成にも
適用であきる。また、サーマル式の印字ヘッドとして説
明しているが、ピエゾ式にも適用できる。また、オリフ
ィス列が一列の印字ヘッドで説明したが、オリフィス列
が4列又は6列のカラー用印字ヘッドに適用できること
は勿論である。
【0049】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明によ
れば、発熱部に直接接続される櫛状の共通電極と、これ
とは別にインク流路の邪魔にならない場所に設けられた
平板状電極との接続を、端部の端子だけでは無く、イン
ク供給溝を横切って差し渡した渡し電極で接続するの
で、発熱部に供給する電流経路の抵抗値を全体として下
げることができ、これにより、端部と中央部の別なく発
熱部に印加する電力のばらつきを抑えることができ、し
たがって、特に長尺化された印字ヘッドにおいても、常
に高品質な印字を維持することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a) は第1の実施の形態におけるインクジェッ
トプリントヘッドのオリフィス板と隔壁を取り除いて内
部構成を示す平面図、(b) は(a) のA−A′断面矢視拡
大図、(c) は(a) のC−C′断面矢視拡大図である。
【図2】第1の実施の形態におけるインクジェットプリ
ントヘッドの変形例を示す断面図である。
【図3】(a) は第2の実施の形態におけるインクジェッ
トプリントヘッドのオリフィス板と隔壁を取り除いて内
部構成を示す平面図、(b) は(a) のA−A′断面矢視拡
大図、(c) は(a) のD−D′断面矢視拡大図である。
【図4】(a) は従来のトップシュータ型サーマル式イン
クジェットプリントヘッドの外観を模式的に示す平面
図、(b) は(a) からオリフィス板と隔壁を取り除いて内
部構成を示す図である。
【図5】(a) は図4のA−A′断面矢視拡大図、(b) は
図4のB−B′断面矢視拡大図である。
【図6】(a),(b),(c) は印字ヘッドのインク吐出動作を
説明する図である。
【図7】従来の印字ヘッドを中央部分と下方部分を切り
欠いて示す拡大図である。
【符号の説明】 1 インクジェットプリントヘッド 2 シリコン基板(又はガラス基板) 3 発熱抵抗体膜 3a 発熱部 4 駆動電極 5 ドライバ 6 共通電極 6−1 胴電極 6−2 歯電極 7 隔壁 8 オリフイス板 9 オリフイス 11 インク供給溝 12 インク供給孔 13 インク供給通路 14(14a、14b) 共通電極パッド 15 信号配線パッド 16 インク 16a メニスカス 16b インク 16c インク滴 17 膜気泡 20、20′ 印字ヘッド 21 ガラス基板 22 発熱抵抗体膜 22a 発熱部 23 駆動電極 24 ドライバ 25 共通電極 25−1 櫛状電極 25−2 平板状電極 25−3 渡し電極 25a 共通電極端子 26 インク供給溝 26−1 浅狭溝 27 インク供給孔 28 隔壁 29 オリフィス板 31 オリフィス 32 インク供給通路 33 共通電極パッド 34 インク供給溝 35 インクジェットプリントヘッド

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上の所定方向に並んで配設されイン
    クを吐出させる為の圧力エネルギーを発生させる複数の
    エネルギー発生素子と、該エネルギー発生素子を駆動す
    る駆動素子と、前記エネルギー発生素子の一端に接続さ
    れ該エネルギー発生素子に駆動電圧を供給する駆動電極
    と、各前記エネルギー発生素子の他端に共通接続する共
    通電極と、前記所定方向と平行に設けられ前記エネルギ
    ー発生素子に前記インクを供給するインク供給溝と、を
    有するインクジェットプリントヘッドにおいて、 前記共通電極は、 前記インク供給溝の前記エネルギー発生素子に隣接する
    側に設けられる第1の共通電極と、 前記インク供給溝の前記エネルギー発生素子と逆側に設
    けられる第2の共通電極と、 前記エネルギー発生素子が並ぶ範囲の前記所定方向の間
    において前記第1の共通電極と前記第2の共通電極とを
    接続する第3の共通電極と、 で構成されることを特徴とするインクジェットプリント
    ヘッド。
  2. 【請求項2】 前記第3の共通電極は、前記インク供給
    溝の内壁を介して設けられることを特徴とする請求項1
    記載のインクジェットプリントヘッド。
  3. 【請求項3】 前記インク供給溝は、前記所定方向に沿
    って複数設けられることを特徴とする請求項1記載のイ
    ンクジェットプリントヘッド。
  4. 【請求項4】 前記第3の共通電極は、前記インク供給
    溝間に設けられることを特徴とする請求項3記載のイン
    クジェットプリントヘッド。
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