JP2002292720A - 架橋樹脂管の製造方法および製造金型 - Google Patents

架橋樹脂管の製造方法および製造金型

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JP2002292720A
JP2002292720A JP2001104841A JP2001104841A JP2002292720A JP 2002292720 A JP2002292720 A JP 2002292720A JP 2001104841 A JP2001104841 A JP 2001104841A JP 2001104841 A JP2001104841 A JP 2001104841A JP 2002292720 A JP2002292720 A JP 2002292720A
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zone
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tubular
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Junichi Yokoyama
順一 横山
Takehisa Sugaya
武久 菅谷
Kotaro Tsuboi
康太郎 坪井
Akihiro Ogawa
彰弘 小川
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 架橋性原料樹脂組成物を加熱架橋して架橋樹
脂管を製造するとき、均一な架橋度分布を有した架橋樹
脂管を製造することができる架橋樹脂管の製造方法およ
び製造金型を提供することを目的とする。 【解決手段】 押出機から金型内に押し出された架橋性
管状樹脂組成物を、強制架橋ゾーンで強制的に架橋させ
る架橋工程を含む架橋樹脂管の製造方法において、前記
架橋工程で、金型内の前記架橋性管状樹脂組成物の内側
および外側と接触する樹脂接触面を同一温度に加熱する
とともに、外側の樹脂接触面が、周方向および/または
軸方向にずれた複数の位置に、個別に制御される複数の
加熱手段により一定温度となるように温度制御したこと
を特徴とする構成とした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、架橋樹脂管の製造
方法および製造金型に関し、詳しくは、均一な架橋がな
されている架橋樹脂管を製造する架橋樹脂管の製造方法
および製造金型に関する。
【0002】
【従来の技術】過酸化物と熱可塑性樹脂とを混練した架
橋性原料樹脂組成物を、管形状に形成する金型内で所定
の架橋度となるまで加熱して架橋樹脂管を得る架橋樹脂
管の製造方法が、特表平9−508864号公報などに
開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、特表平9−5
08864号公報などに開示されている架橋樹脂管の製
造方法では、押出機内で過酸化物と熱架橋性樹脂とを混
練した架橋性原料樹脂組成物を加熱して架橋させると
き、架橋性原料樹脂組成物の温度分布が不均一になりや
すく、成形される架橋樹脂管が周軸方向で架橋度にばら
つきが発生してしまうおそれがあった。また、ひどい場
合には、加熱して強制架橋を行うときに、架橋性原料樹
脂組成物が局部的に高温部が生じてしまい、その部分に
樹脂の滞留が起こり、金型出口から樹脂が吐出不能とな
ってしまうおそれもある。
【0004】そこで、本発明は、このような事情に鑑み
て、架橋性原料樹脂組成物を加熱架橋して架橋樹脂管を
製造するとき、架橋性原料樹脂組成物の温度分布が不均
一にならず、均一な架橋度分布を有した架橋樹脂管を製
造することができる架橋樹脂管の製造方法および製造金
型を提供することを目的としてなされた。
【0005】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るために、本発明の請求項1に記載の発明にかかる架橋
樹脂管の製造方法(以下、「請求項1の製造方法」と記
す。)は、押出機から押し出された熱可塑性樹脂と架橋
剤とを含む架橋性原料樹脂組成物を金型内の分配ゾーン
で分配して断面管状の架橋性管状樹脂組成物を形成させ
た後、金型内の強制架橋ゾーンで前記架橋性管状樹脂組
成物中の熱可塑性樹脂を強制的に架橋させる架橋工程を
含む架橋樹脂管の製造方法において、前記架橋工程で、
金型内の前記架橋性管状樹脂組成物の管状内側部分と接
触する内部樹脂接触面と、前記架橋性管状樹脂組成物の
管状外側部分と接触する外部樹脂接触面とを同一温度に
加熱するとともに、前記外部樹脂接触面が、この外部樹
脂接触面の周方向および/または軸方向にずれた複数の
位置に設けられ、個別に制御される複数の加熱手段によ
って、一定温度となるように温度制御することを特徴と
する構成とした。
【0006】また、本発明の請求項2に記載の発明にか
かる架橋樹脂管の製造方法(以下、「請求項2の製造方
法」と記す。)は、請求項1の製造方法の構成に加え
て、架橋性管状樹脂組成物を加熱架橋させるとき、この
架橋性管状樹脂組成物の強制架橋ゾーンでの周方向の温
度分布が±2℃以内となるように温度制御するようにし
た構成とした。
【0007】また、本発明の請求項3に記載の発明にか
かる架橋樹脂管の製造金型(以下、「請求項3の製造金
型」と記す。)は、金型本体とマンドレルとを有し、押
出機から押し出された熱可塑性樹脂と架橋剤とを含む架
橋性原料樹脂組成物を断面管状の架橋性管状樹脂組成物
が形成されるように分配する分配ゾーンと、前記分配ゾ
ーンで形成された架橋性管状樹脂組成物を加熱して強制
架橋させる強制架橋ゾーンとを備え、前記金型本体およ
びマンドレルの所定部の温度をセンサで計測するととも
に、このセンサでの計測結果により金型本体およびマン
ドレルの所定部に装着された加熱手段の出力を制御して
少なくとも分配ゾーンおよび強制架橋ゾーンでの各樹脂
組成物の温度制御を行うようになっている架橋樹脂管の
製造金型において、少なくとも金型本体の強制架橋ゾー
ンにあたる部分の周方向および/または軸方向にずれた
複数の位置に、個別に温度制御される複数の加熱手段が
設けられていることを特徴とする構成とした。
【0008】また、本発明の請求項4に記載の発明にか
かる架橋樹脂管の製造金型(以下、「請求項4の製造金
型」と記す。)は、請求項3の製造金型の構成に加え
て、分配ゾーンが、押出機から押し出された架橋性原料
樹脂組成物から架橋性管状樹脂組成物を形成させる断面
管状の樹脂展開用樹脂流路を備え、前記樹脂展開用樹脂
流路が、この樹脂展開用樹脂流路に架橋性原料樹脂組成
物を展開させたとき、この展開させた架橋性原料樹脂組
成物が合流して架橋性管状樹脂組成物が形成される樹脂
合流点に臨む位置に、前記架橋性原料樹脂組成物の合流
部およびその近傍部分を除去し金型外部へ排出させる樹
脂排出口を備えている構成とした。
【0009】また、本発明の請求項5に記載の発明にか
かる架橋樹脂管の製造金型(以下、「請求項5の製造金
型」と記す。)は、請求項3または請求項4の製造金型
の構成に加えて、マンドレルの加熱手段が、シーズヒー
ターにより構成されているとともに、前記シーズヒータ
ーとマンドレル表面との間に高熱伝導性を有する金属層
が介在している構成とした。
【0010】また、本発明の請求項6に記載の発明にか
かる架橋樹脂管の製造金型(以下、「請求項6の製造金
型」と記す。)は、請求項3〜請求項5の何れかの製造
方法の構成に加えて、金型本体およびマンドレルが、分
配ゾーンから強制架橋ゾーンに至る部分が分配ゾーン構
成部材と強制架橋ゾーン構成部材との間に、この分配ゾ
ーン構成部材および強制架橋ゾーンよりも断熱性の高い
断熱リングを軸方向に介在させることにより形成されて
いる構成とした。
【0011】本発明では、架橋性原料樹脂組成物を架橋
させるとき、管状となった管状樹脂組成物の厚み方向で
温度分布のばらつきが発生することを防止すべく、管状
樹脂組成物の内外面より加熱するようにするため、金型
本体およびマンドレルに加熱手段が設けられている必要
がある。ここで金型本体に設けられる加熱手段として
は、特に限定されないが、たとえば、電熱線やバンドヒ
ーターなどのように電気を用いた加熱手段や、オイル温
調などのように媒体を介した加熱手段などが挙げられ
る。
【0012】上記金型本体の加熱手段が電気を用いた加
熱手段である場合、請求項3の製造金型のように、少な
くとも強制架橋ゾーンにあたる部分の周方向および/ま
たは軸方向にずれた複数の位置に、個別に温度制御可能
な状態で複数設けられていれば特に限定されないが、周
方向および/または軸方向に均等となるように複数設け
られていると、より金型本体内部の温度の均一化を容易
に行えるようになるため好ましい。
【0013】また、上記金型本体の加熱手段が、オイル
温調を利用するものである場合、オイルを通過させる溝
(通路)を2条以上のスパイラル構造とすることが好ま
しい。すなわち、2条以下のスパイラル構造では、金型
本体内部の温度の均一化を図ることが困難となってしま
う。
【0014】一方、スパイラル溝の条数は、金型の大き
さを大口径にすれば、特に限定されずに増加させていく
ことができるが、小口径(25A・・外径34mm、内
径25.6mm以下)の架橋樹脂管を製造する金型の場
合は、金型構造が複雑になり、コスト的に高価なものと
なり過ぎてしまうため、スパイラル溝の条数が4条以下
にすることが好ましい。また、金型本体は、強制架橋ゾ
ーンに加えて、分配ゾーンや賦形ゾーンにあたる部分の
周方向および/または軸方向にずれた複数の位置に、個
別に温度制御可能な状態で複数設けられていても良い。
【0015】一方、マンドレルの加熱手段としては、特
に限定されないが、たとえば、請求項5の製造金型に用
いられているシーズヒーターなどのような棒ヒーターな
どが挙げられる。上記マンドレルの加熱手段は、特に限
定されないが、金型本体の加熱手段のように周方向およ
び/または軸方向にずれた複数の位置に、個別に温度制
御可能な状態、すなわち多点制御されるように複数設け
られていると、より細かな温度制御の調整を容易に行う
ことができるため好ましい。ここで、架橋性樹脂組成物
を加熱して強制架橋させるときの温度分布としては、特
に限定されないが、請求項2の製造方法のように±2℃
以内となるようにすることが好ましい。すなわち、強制
架橋させるときの温度分布が±2℃よりも大きいと、得
られる架橋樹脂管の架橋度にばらつきが生じるととも
に、肉厚分布も差が生じてしまうおそれがある。
【0016】本発明で使用される押出機としては、単軸
押出機、2軸押出機、多軸押出機等が可能であるが、押
出機中で架橋剤と熱可塑性樹脂とを混練させる場合に
は、これらの中でも熱可塑性樹脂を溶融させ、熱架橋剤
との混合能力に優れる2軸同方向回転押出機が好まし
い。
【0017】また、本発明では、押出機に対する圧力を
許容耐圧力以下にするために、押出機と金型との間の樹
脂流路に昇圧押込装置を設けるとともに、昇圧押込装置
の上流側に設けた圧力検出装置で検出した圧力を、押出
機の耐圧力以下の値、好ましくは一定の値に制御するこ
とが好ましい。
【0018】すなわち、押出機から押し出される架橋性
原料樹脂組成物の押出し圧力値が低すぎる場合、押出機
内で架橋剤が熱可塑性樹脂に十分に混練されないおそれ
が生じてしまう。したがって、混練物中に架橋剤が一定
の割合で配合されず、その結果、熱可塑性樹脂の架橋が
均等に行われなくなってしまい、最終製品の流量ばらつ
きが発生してしまう。
【0019】一方、押出機から押し出される架橋性原料
樹脂組成物の押出し圧力値が高すぎる場合、押出機内で
架橋剤が熱可塑性樹脂に過剰に混練された状態となって
しまい、混練で生じる剪断発熱により押出機内で熱可塑
性樹脂の架橋が進行してしまう。したがって、押出機か
ら連続的に架橋性原料樹脂組成物を押し出すことが不能
となってしまう。
【0020】また、押出機から金型内に供給する架橋性
原料樹脂組成物の供給圧力を制御する方法としては、特
に限定されないが、たとえば、押出機から押出される架
橋性原料樹脂組成物の圧力変動の周期に合わせて制御対
象を決定することが好ましい。すなわち、具体的な制御
方法としては、圧力変動の周期が大きければ、押出機内
へ原料樹脂となる熱可塑性樹脂および架橋剤を供給する
量や押出機内の温度を制御し、圧力変動の周期が小さけ
れば、押出機内のスクリュー回転数を制御することなど
が挙げられる。このときの制御ロジックとしては、特に
限定されないが、PID制御やファジ制御などが挙げら
れ、特に、制御係数設定の簡便性からPID制御を用い
ることが好ましい。
【0021】また、昇圧押込装置としては、押出機から
押し出された架橋性原料樹脂組成物を金型内に圧入する
機構を有していれば特に限定されないが、たとえば、互
いに外接して噛み合うようになっている二個の歯車をケ
ーシング内に併設し、歯車の噛み合い部を中に挟んでケ
ーシング内の樹脂の進行方向上流側に樹脂の吸入流路を
形成し、下流側に樹脂の吐出流路を形成し、これら流路
間のケーシング内壁が歯車に近接されているギアポンプ
が最も好ましい。
【0022】また、ギアポンプ内の歯車形状は、特に限
定されないが、たとえば、歯が平行に設けられているス
パーギアや、角度を有した状態で設けられているヘリカ
ルギアなどが挙げられる。特に、外観等の点からヘリカ
ルギアを用いることが好ましい。
【0023】次に、本発明において用いられる熱可塑性
樹脂は、特に限定されないが、たとえば、ポリオレフィ
ン樹脂、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリメチルメ
タクリレート、ポリカーボネート、ポリエステルが挙げ
られ、これらが単独であるいは混合して用いられる。こ
の中でも特に、製品となった架橋樹脂管の柔軟性に優れ
ており、安価に手に入るという観点から、ポリオレフィ
ン樹脂が好ましく、さらに最適な樹脂として、L−LD
PE(直鎖状低密度ポリエチレン)、LDPE(低密度
ポリエチレン)、MDPE(中密度ポリエチレン)、H
DPE(高密度ポリエチレン)等のポリエチレン樹脂が
挙げられる。
【0024】また、本発明において用いられる架橋性原
料樹脂組成物は、適宜添加剤が添加されていても構わな
い。添加剤としては、たとえば、酸化防止剤、耐光剤、
紫外線吸収剤、滑剤、難燃剤、帯電防止剤等が挙げら
れ、これら添加剤は、所望の物性を向上させるために用
いられるものである。また、物性を向上させるための手
段として、混練物中に結晶核剤となり得るものを少量添
加することで、結晶を微細化して物性を均一化させる補
助としても構わない。
【0025】また、熱架橋に使用する熱架橋剤として
は、特に限定されないが、有機過酸化物の使用が可能で
あり、使用する熱可塑性樹脂の成形温度や相溶性の観点
から適宜選択することができる。具体的には、ジクミル
パーオキサイド、α,α´−ビス(t−ブチルパーオキ
シ−m−イソプロピル)ベンゼン、シクロヘキサンパー
オキサイド、1,1−ジ(t−ブチルパーオキシ)シク
ロヘキサン、1,1−ジ(t−ブチルパーオキシ)3,
3,5−トリメチルシクロヘキサン、2,2−ジ(t−
ブチルパーオキシ)オクタン、n−ブチル−4,4−ジ
(t−ブチルパーオキシ)ベレレート、ジ−t−ブチル
パーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、クミルパ
ーオキシネオデカテート、t−ブチルパーオキシベンゾ
エート、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネー
ト、t−ブチルパーオキシアリルカーボネート、t−ブ
チルパーアセテート、2,2−ビス(t−ブチルパーオ
キシ)ブタン、ジ−t−ブチルパーオキシイソフタレー
ト、t−ブチルパーオキシマレイン酸、ジアゾアミノベ
ンゼン、N,N´−ジクロロアゾジカーボンアミド、ト
リクロロペンタジエン、トリクロロメタンスルフォクロ
リド、メチルエチルケトンパーオキサイド、2,5−ジ
メチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン
−3、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパー
オキシ)ヘキサン等が挙げられ、ジクミルパーオキサイ
ド、α,α´−ビス(t−ブチルパーオキシ−m−イソ
プロピル)ベンゼン、t−ブチルクミルパーオキサイ
ド、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシ
ベンゾエート、メチルエチルケトンパーオキサイド、
2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキ
シ)ヘキシン−3、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t
−ブチルパーオキシ)ヘキサンが好ましく、ジクミルパ
ーオキサイド、α,α´−ビス(t−ブチルパーオキシ
−m−イソプロピル)ベンゼン、メチルエチルケトンパ
ーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブ
チルパーオキシ)ヘキシン−3、2,5−ジメチル−
2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサンがより好
ましい。
【0026】また、上述した熱架橋剤の添加量として
は、特に限定されないが、たとえば、熱架橋性樹脂とし
てポリエチレン樹脂を使用した場合、ポリエチレン樹脂
100重量部に対して、架橋剤が0.5重量部以上3.
0重量部以下となるようにすることが好ましく、特に
1.0重量部以上2.0重量部以下となるようにするこ
とがより好ましい。
【0027】すなわち、架橋剤の添加量が少なすぎる
と、最終的に得られる熱架橋のゲル分率が十分高くなら
ず架橋の効果を得ることができない。また、架橋剤の添
加量が多すぎると、架橋の進行が速くなりすぎるばかり
か、系中に未反応の架橋剤が残留してしまう可能性が高
くなってしまう。
【0028】また、本発明の架橋樹脂管の製造方法に用
いる製造金型としては、従来架橋樹脂管の製造金型とし
て使用されているスパイダー、スパイラル、コートハン
ガーなどの流路形状を備えた金型を使用することができ
るが、金型内の樹脂流路に展開された架橋性原料樹脂組
成物が管状に賦形されるように合流する部分(以下、
「再合流部分」という。)での金型内の樹脂接触面に
は、請求項4の製造金型のように、架橋性原料樹脂組成
物の合流部およびその近傍部分を金型外部に排出させる
ための樹脂排出口が設けられていることが好ましい。
【0029】このとき、樹脂排出口の形状としては、架
橋性原料樹脂組成物の合流部およびその近傍部分を金型
外部に排出可能となっていれば特に限定されないが、架
橋性原料樹脂組成物の再合流部分での金型内の樹脂接触
面に溝または排出穴などを設けるとともに、この溝また
は排出穴から金型外部まで通じさせた樹脂排出用の樹脂
流路を金型内に設けるようにした形状などが挙げられ
る。
【0030】また、樹脂排出口から排出させる架橋性原
料樹脂組成物量の制御は、樹脂排出用の樹脂流路の径や
長さ、原料樹脂の押出し圧力および架橋ゾーン以降での
樹脂圧力、樹脂粘度などにより左右されるが、たとえ
ば、排出流路の径を任意に制御できるようにすることで
排出量の制御は可能である。
【0031】このように制御された排出樹脂の量は、金
型内に供給された架橋性原料樹脂組成物量に対して0.
1重量%以上2重量%以下であることが望ましい。すな
わち、排出樹脂の量が、0.1%重量%以下であると、
樹脂の排出量が少なすぎるため、樹脂の再合流部分での
融着強度を十分に確保することができない。また、排出
樹脂の量が、2重量%以上である場合、これ以上排出樹
脂の量を増量しても効果は変化しないため経済的でな
い。
【0032】また、架橋性原料樹脂組成物は、ゲル分率
が65%以上となるように架橋させることが好ましい。
すなわち、架橋性原料樹脂組成物のゲル分率が65%よ
りも少ないと、十分に架橋が進行したとは言えず、得ら
れた架橋樹脂管のクリープ性能を十分に補償できなくな
るおそれが生じてしまう。
【0033】なお、上記ゲル分率は、以下の式(1)に
より表すことができる。 ゲル分率(%)=(溶剤抽出前の試料重量−溶剤抽出後の試料重量)/溶剤抽出 前の試料重量×100 ・・・・(1) 上記式において、溶剤抽出後の試料重量とは、選択した
架橋状態の熱可塑性樹脂を溶解可能な溶剤を用いて試料
中に残った未架橋樹脂の樹脂分を溶解させて残った不溶
分のみの重量である。
【0034】また、本発明の製造方法においては、管状
樹脂組成物の強制的に架橋を行う強制架橋ゾーンにおい
て、管状樹脂組成物の架橋が進行して増粘することによ
り、金型内で圧力上昇が生じたり架橋された架橋樹脂管
の表面悪化が生じたりするのを防ぐために、管状樹脂組
成物と金型の樹脂接触面との間に架橋剤が非含有の樹脂
組成物を層状に介在させるようにしても構わない。この
樹脂組成物を介在させる方法としては、公知の技術であ
る多層押出し方式などが挙げられる。
【0035】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態を、
図面を参照しつつ詳しく説明する。図1は、本発明の架
橋樹脂管を連続的に製造するのに用いる製造装置の概略
図である。図2は、図1に示した製造装置1における架
橋樹脂管の製造金型(以下、「金型」とのみ記す。) 2
の分配ゾーンA、強制架橋ゾーンB、賦形ゾーンC部分
における金型本体の構造を説明するための側面視概略図
である。
【0036】図1に示すように、この製造装置1は、金
型2と、架橋性原料樹脂組成物を押し出す押出機3とを
備えている。また、金型2は、図1に示したように、金
型本体21とマンドレル22とにより形成されていると
ともに、樹脂展開ゾーンA、分配ゾーンBと、架橋ゾー
ンCと、賦形ゾーンDとを備えている。
【0037】金型本体21は、図1および図4に示した
ように、架橋樹脂供給口211、非架橋樹脂供給口21
1aおよび211bを備えている。また、架橋性原料樹
脂組成物が押出される方向に向かって、樹脂展開ゾーン
形成筒部212、分配ゾーン形成筒部213、小径筒部
214、賦形筒部215が形成されている。架橋樹脂供
給口211は、架橋樹脂用押出機3から押し出される溶
融状態の熱可塑性樹脂と熱架橋剤とを混練した架橋性原
料樹脂組成物を供給する入口となっており、架橋樹脂供
給口211から供給された架橋性原料樹脂組成物は、図
4に示したように、金型内に展開されるようになってい
る。
【0038】非架橋樹脂供給口211aは、内層被覆用
押出機(図示せず)から押し出される溶融状態の架橋剤
非含有の熱可塑性樹脂(以下、「熱可塑性樹脂」とのみ
記す。)を供給する入口となっており、非架橋樹脂供給
口211aから供給された熱可塑性樹脂は、図4に示し
たように、金型内部を通って、後述する樹脂展開ゾーン
形成軸部222の略中央位置表面部分から架橋性原料樹
脂組成物の内層部分を覆うように展開されるようになっ
ている。
【0039】非架橋樹脂供給口211bは、外層被覆用
押出機(図示せず)から押し出される溶融状態の架橋剤
非含有の熱可塑性樹脂(以下、「熱可塑性樹脂」とのみ
記す。)を供給する入口となっており、非架橋樹脂供給
口211bから供給された熱可塑性樹脂は、図4に示し
たように、金型本体21の樹脂展開ゾーン形成筒部21
2の略中央位置から架橋性原料樹脂組成物の外層部分を
覆うように展開されるようになっている。
【0040】樹脂展開ゾーン形成筒部212は、金型本
体21における架橋樹脂供給口211側の端部から中央
部に向かって設けられている。また、小径筒部214
は、金型本体21の中央よりもやや後方に設けられてお
り、樹脂展開ゾーン形成筒部212と小径筒部214と
の間には、分配ゾーン形成筒部213が設けられてい
る。また、賦形筒部215は、小径筒部214を通過し
てきた管状樹脂組成物を架橋させた架橋樹脂管状体を最
終製品となる架橋樹脂管の大きさに賦形するように、架
橋樹脂管の外径に合わせた大きさに縮径して形成されて
いる。
【0041】また、金型本体21は、図2に示したよう
に、分配ゾーンBを加熱する分配ゾーン加熱ヒーターH
1、強制架橋ゾーンCを加熱する強制架橋ゾーン加熱ヒ
ーターH2、および賦形ゾーンDを加熱する強制架橋ゾ
ーン加熱ヒーターH3とを備えているとともに、架橋ゾ
ーンBを形成している金型本体21と強制架橋ゾーンC
を形成している金型本体21との間に断熱性の高い断熱
リングRが設けられている。
【0042】分配ゾーン加熱ヒーターH1は、図2に示
したように軸方向に2列に渡って設けられており、強制
架橋ゾーン加熱ヒーターH2は、周方向に6列および軸
方向に3列に渡って設けられている。また、賦形ゾーン
加熱ヒーターH3は、周方向に6列および軸方向に2列
に渡って設けられている。分配ゾーン加熱ヒーターH
1、強制架橋ゾーン加熱ヒーターH2、および賦形ゾー
ン加熱ヒーターH3を構成するそれぞれのヒーターは、
それぞれ個別に温度制御されるようになっている。
【0043】また、図示していないが、金型本体21の
分配ゾーン加熱ヒーターH1、強制架橋ゾーン加熱ヒー
ターH2、および賦形ゾーン加熱ヒーターH3の隣接す
る位置には、温度センサが設けられており、この温度セ
ンサの検出温度が±2℃以内となるように前記各加熱ヒ
ーターが温度制御されるようになっている。
【0044】一方、マンドレル22は、架橋性原料樹脂
組成物が押出される方向に向かって、樹脂展開ゾーン形
成軸部222、分配ゾーン形成軸部223、小径軸部2
24、および賦形軸部225から形成されている。
【0045】樹脂展開ゾーン形成軸部222は、一端側
の一部で金型本体21に支持されており、架橋樹脂供給
口211に臨む部分から縮径軸部224に到る部分の外
周面の一部には、図4に示したように凹部溝226が穿
設されている。また、分配ゾーン形成軸部223は、図
1に示したように、金型本体21の分配ゾーン形成筒部
213との間に小径厚肉の管状の隙間からなる樹脂の分
配ゾーンBを形成するようになっている。
【0046】小径軸部224は、金型本体21の小径筒
部213との間に、分配ゾーンBよりも小径厚肉の管状
の隙間からなる強制架橋ゾーンCを形成するようになっ
ており、賦形軸部225は、金型本体21の賦形筒部2
15との間にほぼ成形しようとする管の断面形状と同じ
断面形状の隙間からなる賦形ゾーンDを形成するように
なっている。
【0047】凹部溝226は、図4に示したように、押
出機3から供給された架橋性原料樹脂組成物を、樹脂展
開ゾーン形成軸部222と樹脂展開ゾーン形成筒部21
2との間に展開させた後、断面管状となるように合流さ
せる樹脂合流点Sを備えているとともに、この樹脂合流
点Sで架橋性原料樹脂組成物の合流部およびその近傍部
分を除去し金型2の外部へ排出させる樹脂排出口6が設
けられている。
【0048】樹脂排出口6は、図示していないが、樹脂
の排出量を調整する排出量調整機構が設けられており、
金型2内に供給された架橋性原料樹脂組成物の0.1重
量%以上2重量%以下を金型2の外部に排出するように
調整可能となっている。
【0049】また、マンドレル22は、図3(a)、
(b)に示したように、内部にシーズヒーター227を
備えており、このシーズヒーター227とマンドレル2
2の表面との間に高熱伝導性を有する金属層が介在して
いることにより、均一な温度制御が可能となっている。
【0050】以上のような構成をしている製造装置1
は、以下のような工程を経て、樹脂展開ゾーンAで架橋
性原料樹脂組成物が展開されて、その後分配ゾーンBを
経て強制架橋ゾーンCに樹脂が分配されるようになって
いる。 架橋樹脂押出機3から押出されてきた架橋性原料樹
脂組成物が、架橋樹脂供給口211から供給された後、
図4の矢印で示したように、樹脂展開ゾーン形成軸部2
22と樹脂展開ゾーン形成筒部212との間に展開して
いき、樹脂合流点Sで断面管状となるように合流したと
きに、この樹脂合流点Sで架橋性原料樹脂組成物の合流
部およびその近傍部分を樹脂排出口6から排出させて管
状架橋樹脂組成物を形成させる。このとき排出される架
橋性原料樹脂組成物の合流部およびその近傍部分の量
は、架橋樹脂供給口211から供給された架橋性原料樹
脂組成物量の0.1重量%以上2重量%以下を目安とす
る。
【0051】 内層被覆用押出機から押出されてきた
熱可塑性樹脂が、図4に示した非架橋樹脂供給口211
aから供給された後、金型内部を通って、樹脂展開ゾー
ン形成軸部222の略中央位置表面部分から工程で得
た管状架橋樹脂組成物の内層部分を層状に覆うように展
開していくとともに、外層被覆用押出機から押出されて
きた熱可塑性樹脂が、図4に示した非架橋樹脂供給口2
11bから供給された後、樹脂展開ゾーン形成筒部21
2の略中央位置から工程で得た管状架橋樹脂組成物の
外層部分を層状に覆うように展開していくことで、3層
構造をした管状樹脂組成物を形成させる。
【0052】 工程で得た3層構造の管状樹脂組成
物を、任意の径の管状体となるように縮径させつつ分配
ゾーンBを通過させ、強制架橋ゾーンCに分配してい
く。なお、このとき分配ゾーンBの温度は、管状架橋樹
脂組成物内における熱可塑性樹脂の架橋の進行を抑える
温度範囲(熱可塑性樹脂がポリエチレンの場合130℃
〜150℃)で制御するように、図2に示した分配ゾー
ン加熱ヒーターH1の加熱温度を調整する。
【0053】次に、製造装置1は、強制架橋ゾーンC
で、以下のようにして管状樹脂組成物を熱架橋するよう
になっている。 強制架橋ゾーンCを形成する小径筒部214の樹脂
接触面を、図2に示した強制架橋ゾーン加熱ヒーターH
2により、小径軸部224の樹脂接触面を、図3に示し
たシーズヒーター227により、それぞれ管状樹脂組成
物を架橋させる所定温度(樹脂がポリエチレンの場合、
220℃〜250℃)まで、強制架橋ゾーンC内が均一
な温度となるように加熱する。
【0054】この加熱により、この小径筒部214およ
び小径軸部224の間に形成されている樹脂流路を通過
する管状樹脂組成物は、前記樹脂接触面の熱により強制
的に架橋されて、架橋樹脂管状体が形成される。なお、
強制架橋ゾーンCを形成する小径筒部214の樹脂接触
面を加熱する強制架橋ゾーン加熱ヒーターH2は、周方
向に6列軸方向に3列に渡って設けられているそれぞれ
個別に加熱して、小径筒部214内の樹脂接触面に温度
のばらつきが生じないようにする。
【0055】以上のようにして得られた架橋樹脂管状体
は、賦形ゾーンDで製品となる管の径に合わせるように
賦形されて架橋樹脂管が形成される。なお、賦形ゾーン
Dを形成する賦形筒部215を賦形ゾーン加熱ヒーター
H3により、所定温度まで加熱するようにする。(図2
参照)
【0056】なお、本発明にかかる架橋樹脂管の製造方
法および製造金型は、上記実施の形態に限定されるもの
ではない。上記実施の形態では、金型2内の分配ゾーン
B、強制架橋ゾーンC、および賦形ゾーンDにおいて、
金型本体21での加熱は、分配ゾーン加熱ヒーターH
1、強制架橋ゾーン加熱ヒーターH2、および賦形ゾー
ン加熱ヒーターH3による加熱を行うようにしていた
が、これに代えて、図5に示したような加熱を行っても
良い。
【0057】すなわち、図5は、強制架橋ゾーンCでの
金型本体の加熱を、オイル温調により行うタイプの金型
を示した概略図である。図5に示したように、金型21
0は、強制架橋ゾーンCを構成する部分に、所定温度ま
で加熱されたオイルを通過させるオイル流路100を備
えている。オイル流路100は、図5における下方の矢
印INから流入させた加熱オイルを強制架橋ゾーンC内
に行き渡るように流通させた後、図5における矢印OU
Tから流出させることで、強制架橋ゾーンC内を一定温
度に加熱できるようになっている。因みに、符号200
は、金型210内における分配溝Rにより金型内に樹脂
が供給される分配ゾーン形成部を示している。
【0058】
【実施例】以下に、本発明の実施例をより詳しく説明す
る。
【0059】(実施例1)各部の寸法が以下のようにな
っている図1に示したような金型2と、押出機3とを用
意した。 〔金型寸法〕 ・小径筒部214の内径:60.0mm ・賦形筒部215の内径:17.0mm 〔マンドレル寸法〕 ・小径軸部224の外径:46.0mm ・賦形軸部225の外径:13.1mm 〔押出機〕 ・日本製鋼所社製TEX30α、L/D=51、口径3
2mm
【0060】そして、熱可塑性樹脂としての直鎖状低密
度ポリエチレン(密度0.945、メルトフローレート
(MFR)5.5融点127℃)を押出機に投入すると
ともに、L/D=35の位置から熱架橋剤としての2,
5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルペルオキシ)ヘ
キシン−3(日本油脂社製パーヘキシン25B、193
℃半減期時間60秒)を押出機に直鎖状低密度ポリエチ
レン100重量部に対して0.1重量部の割合で添加
し、押出機内で170℃の樹脂温度で直鎖状低密度ポリ
エチレンと2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチル
ペルオキシ)ヘキシン−3とを混合混練して架橋性原料
樹脂組成物を得た。
【0061】得られた架橋性原料樹脂組成物を、押出機
3と金型2との間に設置された計量ポンプを介して、金
型2へ供給した。樹脂展開ゾーンAを形成する金型2の
構造は、図4に示したようにコートハンガータイプのも
のを使用し、マニホールド流路末端となる凹部溝226
の樹脂合流点Sに、金型2の外に架橋性原料樹脂組成物
を排出させる樹脂排出口6としてφ5mmの穴を金型外
部より設置した。なお金型外部へ排出させる架橋性原料
樹脂組成物の量は、金型内に供給された架橋性原料樹脂
組成物の1.0%となるように調整した。
【0062】その後、樹脂展開ゾーンAで断面管状に展
開された架橋性管状樹脂組成物を、分配ゾーンBで金型
本体2の分配ゾーン形成筒部213の樹脂接触面温度が
140℃となるように、分配ゾーン加熱ヒーターH1を
加熱した状態で通過させて、強制架橋ゾーンCの樹脂流
路形状に合うように縮径させるようにして強制架橋ゾー
ンCへと供給した。
【0063】強制架橋ゾーンCでは、図2に示した強制
架橋ゾーン加熱ヒーターH2をそれぞれ個別に加熱し
て、小径筒部214の樹脂接触面が均一に250℃とな
るように温調するとともに、図3に示したシーズヒータ
ー227を加熱して小径軸部224の樹脂接触面が均一
に250℃となるように調整した。また、賦形ゾーンD
では、図2に示した賦形ゾーン加熱ヒーターH3をそれ
ぞれ個別に加熱して、賦形筒部215の樹脂接触面が均
一に200℃となるように調整した。
【0064】また、図示していないが、内層被覆用押出
機からは、直鎖状低密度ポリエチレン(密度0.94
5、メルトフローレート(MFR)5.5融点127
℃)を樹脂供給口211aから供給するとともに、外層
被覆用押出機からは、直鎖状低密度ポリエチレン(密度
0.945、メルトフローレート(MFR)5.5融点
127℃)を樹脂供給口211bから供給するようにし
て、管状架橋樹脂組成物の内層および外層を覆うように
多層押出しを行った。
【0065】以上の操作を行うことにより、外径17.
0mm、内径13.1mmの架橋樹脂管を成形速度(ラ
インスピード)15.0mm/minで連続的に得た。
【0066】なお、押出機としては、スクリュー軸が上
流側から下流側に向かって第一フルフライト形状部−第
一逆フルフライト形状部−第二フルフライト形状部−第
二逆フルフライト形状部を順に備えた押出機を用い、高
圧部 (第一逆フルフライト形状部)と、高圧部 (第二逆
フルフライト形状部)との間に挟まれた低圧部 (第二フ
ルフライト形状部)から2,5−ジメチル−2,5−ジ
(t−ブチルペルオキシ)ヘキシン−3を供給するよう
にした。
【0067】(比較例1)図6に示したように、分配ゾ
ーンB、強制架橋ゾーンC、賦形ゾーンDでの金型本体
の樹脂接触面の加熱を一点制御による分配ゾーン加熱ヒ
ーター10、強制架橋ゾーン加熱ヒーター11、賦形ゾ
ーン加熱ヒーター12による加熱としたことを除いて、
実施例1と同様の操作を行った。
【0068】上記実施例1および比較例1の強制架橋ゾ
ーンCにおける金型本体樹脂接触面の上下左右4箇所の
温度分布を求めるとともに、この金型内を通過している
架橋性管状樹脂組成物の断面上下左右の樹脂温度分布を
求め、されに得られた架橋樹脂管の断面上下左右4箇所
の架橋度分布および肉厚分布を求めた。なお、架橋度
は、JIS K6769に基づき以下の式(1)で示さ
れるゲル分率(%)で表すことができる。
【0069】 ゲル分率(%)=(溶剤抽出前の試料重量−溶剤抽出後の試料重量)/溶剤抽出 前の試料重量×100 ・・・・(1) 上記式において、溶剤抽出後の試料重量とは、選択した
架橋状態の熱可塑性樹脂を溶解可能な溶剤を用いて試料
中に残った未架橋樹脂の樹脂分を溶解させて残った不溶
分のみの重量である。また、肉厚は、得られた架橋樹脂
管の周方向を5mmピッチでマイクロメーターにより厚
みを測定しその平均値を示した。
【0070】
【表1】
【0071】表1より、同じように強制架橋を行うよう
にしても、この強制架橋ゾーンを形成する金型本体の樹
脂接触面を加熱する強制架橋ゾーン加熱ヒーターを、実
施例1のように周および軸方向に複数備えるようにする
と、温度分布の均一化を図ることができ、製品となる架
橋樹脂管の架橋度および肉厚分布の均一化を図ること
で、より高品質の架橋樹脂管を得ることができることが
分かる。
【0072】
【発明の効果】本発明の請求項1および請求項2にかか
る架橋樹脂管の製造方法は、以上のように構成されてい
るので、架橋樹脂管を製造するときに、架橋性管状樹脂
組成物を強制的に架橋させるときに全体を均一に加熱す
るようにしたことで、架橋度を均一に行うことができる
とともに、肉厚分布の均一化も図ることができるように
なる。
【0073】また、本発明の請求項3にかかる架橋樹脂
管の製造金型は、少なくとも強制架橋ゾーンにあたる部
分の周方向および/または軸方向にずれた複数の位置
に、個別に温度制御される複数の加熱手段が設けられる
ようにしているため、架橋性管状樹脂組成物を均一的に
強制架橋させることができ、架橋度および肉厚分布がさ
らに均一な高品質の架橋樹脂管を得ることができる。
【0074】また、本発明の請求項4にかかる架橋樹脂
管の製造金型は、請求項3の製造金型の効果に加えて、
樹脂組成の均一化を図ることができ、優れたクリープ性
能と外観とを備えた架橋樹脂管を得ることができる。ま
た、本発明の請求項5にかかる架橋樹脂管の製造金型
は、請求項3または請求項4の製造金型の効果に加え
て、金型内部からの均一な加熱が可能となっているた
め、さらに均一度の高い架橋樹脂管を得ることができ
る。
【0075】また、本発明の請求項6にかかる架橋樹脂
管の製造金型は、請求項3〜請求項5の何れかに記載の
製造金型の効果に加えて、分配ゾーンと強制架橋ゾーン
との間で熱が移動しないようになっているため、分配ゾ
ーンで架橋の進行が促進されたり、強制架橋ゾーンで架
橋の進行が遅れたりすることがなくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる架橋樹脂管の製造装置の一実施
形態を示した概略図である。
【図2】図1の製造装置における金型本体を示した側面
視概略図である。
【図3】図1の製造装置におけるマンドレルを示した断
面概略図と、このA−A線矢視図である。
【図4】図1における金型内に供給された架橋性原料樹
脂組成物の流れを説明するための説明図である。
【図5】本発明にかかる架橋樹脂管の強制架橋ゾーンで
の金型本体の加熱を、オイル温調により行うタイプの金
型を示した概略図である。
【図6】従来の架橋樹脂管の製造金型を示した概略図で
ある。
【符号の説明】
1 製造装置 2 金型 21 金型本体 211 架橋性原料樹脂組成物供給口 22 マンドレル 227 シーズヒーター 3 (架橋樹脂用)押出機 6 樹脂排出口 A 樹脂展開ゾーン B 分配ゾーン C 強制架橋ゾーン D 賦形ゾーン H1 分配ゾーン加熱ヒーター H2 強制架橋ゾーン加熱ヒーター H3 賦形ゾーン加熱ヒーター R 断熱リング
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B29L 23:00 B29L 23:00 (72)発明者 小川 彰弘 京都市南区上鳥羽上調子町2−2 積水エ ンジニアリング株式会社内 Fターム(参考) 3H111 AA01 BA15 CB02 CB14 EA04 4F207 AB03 AG08 AP05 AQ03 AR06 KA01 KA17 KL88 KM06 KM16 KW33

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】押出機から押し出された熱可塑性樹脂と架
    橋剤とを含む架橋性原料樹脂組成物を金型内の分配ゾー
    ンで分配して断面管状の架橋性管状樹脂組成物を形成さ
    せた後、金型内の強制架橋ゾーンで前記架橋性管状樹脂
    組成物中の熱可塑性樹脂を強制的に架橋させる架橋工程
    を含む架橋樹脂管の製造方法において、前記架橋工程
    で、金型内の前記架橋性管状樹脂組成物の管状内側部分
    と接触する内部樹脂接触面と、前記架橋性管状樹脂組成
    物の管状外側部分と接触する外部樹脂接触面とを同一温
    度に加熱するとともに、前記外部樹脂接触面が、この外
    部樹脂接触面の周方向および/または軸方向にずれた複
    数の位置に設けられ、個別に制御される複数の加熱手段
    によって、一定温度となるように温度制御することを特
    徴とする架橋樹脂管の製造方法。
  2. 【請求項2】架橋性管状樹脂組成物を加熱架橋させると
    き、この架橋性管状樹脂組成物の強制架橋ゾーンでの周
    方向の温度分布が±2℃以内となるように温度制御する
    ようにした請求項1に記載の架橋樹脂管の製造方法。
  3. 【請求項3】金型本体とマンドレルとを有し、押出機か
    ら押し出された熱可塑性樹脂と架橋剤とを含む架橋性原
    料樹脂組成物を断面管状の架橋性管状樹脂組成物が形成
    されるように分配する分配ゾーンと、前記分配ゾーンで
    形成された架橋性管状樹脂組成物を加熱して強制架橋さ
    せる強制架橋ゾーンとを備え、前記金型本体およびマン
    ドレルの所定部の温度をセンサで計測するとともに、こ
    のセンサでの計測結果により金型本体およびマンドレル
    の所定部に装着された加熱手段の出力を制御して少なく
    とも分配ゾーンおよび強制架橋ゾーンでの各樹脂組成物
    の温度制御を行うようになっている架橋樹脂管の製造金
    型において、少なくとも金型本体の強制架橋ゾーンにあ
    たる部分の周方向および/または軸方向にずれた複数の
    位置に、個別に温度制御される複数の加熱手段が設けら
    れていることを特徴とする架橋樹脂管の製造金型。
  4. 【請求項4】分配ゾーンが、押出機から押し出された架
    橋性原料樹脂組成物から架橋性管状樹脂組成物を形成さ
    せる断面管状の樹脂展開用樹脂流路を備え、前記樹脂展
    開用樹脂流路が、この樹脂展開用樹脂流路に架橋性原料
    樹脂組成物を展開させたとき、この展開させた架橋性原
    料樹脂組成物が合流して架橋性管状樹脂組成物が形成さ
    れる樹脂合流点に臨む位置に、前記架橋性原料樹脂組成
    物の合流部およびその近傍部分を除去し金型外部へ排出
    させる樹脂排出口を備えている請求項3に記載の架橋樹
    脂管の製造金型。
  5. 【請求項5】マンドレルの加熱手段が、シーズヒーター
    により構成されているとともに、前記シーズヒーターと
    マンドレル表面との間に高熱伝導性を有する金属層が介
    在している請求項3または請求項4に記載の架橋樹脂管
    の製造金型。
  6. 【請求項6】金型本体およびマンドレルが、分配ゾーン
    から強制架橋ゾーンに至る部分が分配ゾーン構成部材と
    強制架橋ゾーン構成部材との間に、この分配ゾーン構成
    部材および強制架橋ゾーンよりも断熱性の高い断熱リン
    グを軸方向に介在させることにより形成されている請求
    項3〜請求項5の何れかに記載の架橋樹脂管の製造金
    型。
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