JP2002292693A - 射出成形装置およびそれを用いた成形体の製造方法 - Google Patents

射出成形装置およびそれを用いた成形体の製造方法

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JP2002292693A
JP2002292693A JP2001097213A JP2001097213A JP2002292693A JP 2002292693 A JP2002292693 A JP 2002292693A JP 2001097213 A JP2001097213 A JP 2001097213A JP 2001097213 A JP2001097213 A JP 2001097213A JP 2002292693 A JP2002292693 A JP 2002292693A
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pigment dispersion
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JP2001097213A
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Wataru Suenaga
渉 末永
Minoru Moriyama
稔 森山
Akiko Miyamoto
昭子 宮本
Tadashi Katsuragi
忠 桂木
Koji Oyama
弘次 大山
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YAMASHIRO SEIKI SEISAKUSHO KK
DIC Corp
Kojundo Kagaku Kenkyusho KK
Sanjo Seiki Seisakusho KK
Original Assignee
YAMASHIRO SEIKI SEISAKUSHO KK
Kojundo Kagaku Kenkyusho KK
Sanjo Seiki Seisakusho KK
Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高濃度の顔料を含む成形体を製造することが
可能な射出成形装置と成形体の製造方法の提供。 【解決手段】 キャビティ内に充填された顔料とバイン
ダーと溶剤とを含む顔料分散液9から溶剤をキャビティ
5外に排出する溶剤排出手段を含むことを特徴とする顔
料とバインダーを含む成形体製造用の射出成形装置1;
顔料とバインダーと溶剤とを含む顔料分散液を調製する
工程、該顔料分散液から溶剤の蒸気をキャビティ外に排
出する溶剤排出手段を含む射出成形装置のキャビティ内
に該顔料分散液を注入する工程、キャビティ内の該顔料
分散液から溶剤をキャビティ外に排出して脱溶剤する工
程、および顔料とバインダーとを含む成形体を該キャビ
ティから取り出す工程を含むことを特徴とする成形体の
製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、顔料とバインダー
樹脂を含む成形体を製造するための射出成形装置と、該
装置を用いる成形体の製造方法に関し、特にバインダー
樹脂の含有率が低く、顔料の含有率が高い成形体の製造
に好適な装置と製造方法に関する。本発明は、例えば、
導電性顔料濃度の高い低抵抗成形体、高い磁気エネルギ
ーを有するプラスチックマグネット等の電子部品関連の
用途、鉛フリーの金属成形体を利用した重り等のレジャ
ー用途等に適用可能な成形体の製造に好適である。
【0002】
【従来の技術】従来、射出成形装置には、各種の形態の
ものが知られている。特開平6−15694号には、射
出成形機と、該射出成形機で成形された成形品を受けて
移送し複数の停止位置に停止させる定寸間欠移送装置
と、成形品等の止着ヘッドを備え該止着ヘッドを少なく
とも上記射出成形機と上記定寸間欠移送装置の少なくと
も一つの停止位置に配置された処理装置とを具備したこ
とを特徴とする成形装置が開示されている。特開平7−
122578号、同7−122579号公報には、トラ
ンジスター又はダイオード等の半導体部品の製造に際し
て使用するフープ上のリードフレームを、当該リードフ
レームの長手方向に適宜ピッチの間隔で間欠的に移送す
る装置に関して開示されている。特開平11−2860
30号公報には、成形材料を溶融させて金型へ供給する
加熱シリンダへ再生材を投入する再生材投入口を当該加
熱シリンダに備え、再生材を当該加熱シリンダ内のスク
リュの回転と再生材投入口の開口縁により破砕し且つバ
ージン材とともに溶融させて金型へ充填することを特徴
とする射出成形装置が開示されている。特開2000−
326363号公報には、射出成形金型で成形された成
形品を冷却装置に移送する成形品移送装置と、シートを
成形品の少なくとも一方に取付ける加飾装置とが併設さ
れた装置において、加飾装置は、ロール状原反から無端
のシートを繰り出すシート繰り出し装置と、このシート
を金型の開いている受型、蓋型のうちの一方の窪みを覆
う状態で、この金型を閉じシートをキャビティ形状に打
ち抜き加飾成形する毎に、この打ち抜かれたシートを引
き取るシート引き取り装置とからなり、前記移送装置
は、このシートで加飾された成形品を前記金型の蓋型、
受型のうちの一方から受け取り冷却装置に搬送する受台
を備えていることを特徴とする射出成形同時加飾装置が
開示されている。
【0003】またキャビティ内に残留するガスを外部に
逃がすためのガス抜き機構も提案されている。特開平6
−166064号公報には、上下金型インサートにより
形成されるキャビティ内にリードフレームに搭載された
半導体チップを位置させて樹脂封止をする際に、キャビ
ティ内のガスを抜く樹脂封止金型のガス抜き機構におい
て、キャビティ内に位置された半導体チップの平面に対
向する金型インサートの部位に大気と連通するようガス
抜き機構が設けられたことを特徴とする樹脂封止金型の
ガス抜き機構が開示されている。特開平5−26971
2号公報には、泥漿鋳込み成形体の乾燥工程におけるク
ラックの発生を防止し、乾燥時間を短縮するために、泥
漿鋳込み成形法により形成された成形体を水溶性高分子
材料中に埋設し、成形体に含まれる水系分散媒を水溶性
高分子材料中に吸収させることにより成形体を乾燥する
方法が開示されている。特開平5−77214号公報に
は、通気性を有する成形型からなる鋳込成形型に設けた
泥漿の鋳込通路を、入口からほぼ中央部までは通気性の
ないストレート筒部とするとともに該ストレート筒部か
ら鋳込通路の出口に向けては口径を徐々に拡開する通気
性を有する傾斜筒部として、離型時における成形体の抜
けを円滑にした鋳込み成形型が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】フェライト磁石などの
各種磁性材料粉末や導電性金属粉末、セラミック粉末な
どの金属酸化物粉末、金属化合物粉末、或いは金属間化
合物粉末などの溶剤に不溶性の粉末材料を顔料とし、こ
れらの顔料粉末をバインダーとなる可塑性樹脂とを混合
し、射出成形法を用いてキャビティ内に注入し、所望形
状の成形品を得る場合、成形体中の顔料の密度は、高く
することが望まれている。しかしながら、溶融したバイ
ンダー内に高濃度の顔料を含有させると、その顔料-バ
インダー混合物の粘度が高く、流動性が悪くなって射出
成形がスムーズに実行できなくなることから、顔料の高
濃度化には限界があった。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、各種磁性材料
粉末や導電性金属粉末、セラミック粉末などの顔料粉末
とバインダーとを含む、各種用途に適用が可能な成形体
の製造において、高濃度の顔料を含む成形体を製造する
ことが可能な射出成形装置と、該射出成形装置を用いて
該成形体を製造するための製造方法の提供を目的として
いる。
【0006】前記目的を達成するため、本発明は、キャ
ビティ内に充填された顔料とバインダーと溶剤とを含む
顔料分散液から溶剤をキャビティ外に排出する溶剤排出
手段を含むことを特徴とする顔料とバインダーを含む成
形体製造用の射出成形装置を提供する。この射出成形装
置において、前記溶剤排出手段は、少なくとも一部に通
気性金型部が面したキャビティを有する型と、該通気性
金型部を通して該キャビティ内を排気可能に接続された
排気手段とを含む構成として良い。また、前記通気性金
型部は、平均空孔径10μm〜100μmの連通孔を有
する多孔質材からなることが望ましい。本発明は、顔料
とバインダーと溶剤とを含む顔料分散液を調製する工
程、該顔料分散液から溶剤の蒸気をキャビティ外に排出
する溶剤排出手段を含む射出成形装置のキャビティ内に
該顔料分散液を注入する工程、キャビティ内の該顔料分
散液から溶剤をキャビティ外に排出して脱溶剤する工
程、および顔料とバインダーとを含む成形体を該キャビ
ティから取り出す工程を含むことを特徴とする成形体の
製造方法を提供する。この成形体の製造方法において、
前記溶剤排出手段は、少なくとも一部に通気性金型部が
面してなるキャビティを有する型と、該通気性金型部か
ら該キャビティ内を排気可能に接続された排気手段とを
含む構成として良い。この成形体の製造方法において、
前記通気性金型部が平均空孔径10μm〜100μmの
連通孔を有する多孔質材からなることが望ましい。この
成形体の製造方法において、前記顔料分散液は、0.5
〜500Pa・sの粘度を有することが望ましい。
【0007】本発明の射出成形装置は、キャビティ内に
充填された顔料とバインダーと溶剤とを含む顔料分散液
から溶剤をキャビティ外に排出する溶剤排出手段を含む
構成としたので、顔料とバインダーと溶剤とを含む顔料
分散液をキャビティ内に注入し、該キャビティ内で脱溶
剤化して顔料とバインダーを含む成形体を製造でき、バ
インダーの含有量が少なくても溶剤によって該顔料分散
液に流動性を持たせ、キャビティ内に該液を注入するこ
とができるので、バインダーの配合量が少なく顔料の含
有量が高い成形体を製造することができる。また本発明
の成形体の製造方法は、顔料とバインダーと溶剤とを含
む顔料分散液を調製する工程、該顔料分散液から溶剤の
蒸気をキャビティ外に排出する溶剤排出手段を含む射出
成形装置のキャビティ内に該顔料分散液を注入する工
程、キャビティ内の該顔料分散液から溶剤をキャビティ
外に排出して脱溶剤する工程、および顔料とバインダー
とを含む成形体を該キャビティから取り出す工程を含む
構成としたことによって、バインダーの含有量が少なく
ても溶剤によって該顔料分散液に流動性を持たせ、キャ
ビティ内に該液を注入することができるので、バインダ
ーの配合量が少なく顔料の含有量が高い成形体を製造す
ることができる。本発明によれば、顔料の含有量が高い
成形体を製造することができるので、従来は製造が困難
であった高磁束密度のプラスチック磁石、導電性顔料濃
度の高い低抵抗成形体が得られる。さらに、溶剤可溶性
バインダーと溶剤とを組み合わせることで、熱を加える
ことなく顔料の含有量が高い成形体を製造することがで
きるので、加熱により変性し易い材料、例えば医薬品な
どの製造に適用することが可能である。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施形態を説明する。図1及び図2は、本発明による射出
成形装置の一形態を示すものである。この射出成形装置
1は、上型2の下面側と下型3の上面側に、少なくとも
一部に通気性金型部4が面してなるキャビティ5が設け
られるとともに、上型2と下型3に設けられた排気通路
6,7に接続され、該排気通路6,7の一端側に配され
た前記通気性金型部4を通してキャビティ5内を排気す
る真空ポンプ8(排気手段)が設けられていることを特
徴としている。
【0009】上型2には、キャビティ4に顔料分散液9
を注入するためのスプルー10が設けられ、該スプルー
10の他端には、射出ポンプシリンダ11のノズル12
が圧接されるようになっている。本形態においては、ペ
ール/ドラムポンプ13によって顔料分散液9を射出ポ
ンプシリンダ11に供給するようになっている。
【0010】上型2と下型3は、上型板14と下型板1
5の間に挟まれており、下型板15および下型3を上下
動させる型閉じ油圧シリンダ16によって開閉可能にな
っている。すなわち、型閉じ油圧シリンダ16によって
下型板15および下型3を上昇させることで、下型3の
上面が上型2の下面にぴったり密着し、その閉状態か
ら、型閉じ油圧シリンダ16によって下型板15および
下型3を下降させることで、下型3と上型2が離間し、
キャビティ5内で成形された成形体を取り出し可能な開
状態となる。
【0011】上型2と下型3の間には、下型3の上面が
上型2の下面にぴったり密着した閉状態において、これ
ら上下型2,3間を気密に封止する真空シールパッキン
17が設けられている。各排気通路6,7と真空ポンプ
8の間には、キャビティ5から排気される溶剤蒸気を捕
集するための図示しない冷却凝集方式或いは吸着剤を用
いた吸着塔方式の溶剤捕集装置を設けることが望まし
い。
【0012】前記通気性金型部4は、金属系材料又は無
機系材料からなる多孔質材を用いて形成されている。好
ましい材質を例示すれば、アルミナ系、純鉄系、鉄-銅
系、鉄-炭素系、鉄-炭素-銅系、鉄-銅-鉛系、青銅系、
鉛-青銅系などである。多孔質材の孔は、成形体と接触
する表面から、吸引手段と接続される吸引側まで、連通
孔構造であることが望ましい。孔の形状は特に限定され
ない。その孔径は200μm以下、好ましくは10〜1
00μm程度が好ましい。
【0013】次に、前記の如く構成された射出成形装置
を用い、本発明の成形体の製造方法を実施する場合を例
として、本発明の成形体の製造方法の一形態を説明す
る。本発明による成形体の製造方法の一形態(以下、本
製造方法という)では、(a)顔料とバインダーと溶剤
とを含む顔料分散液を調製する工程、(b)該顔料分散
液から溶剤の蒸気をキャビティ外に排出する溶剤排出手
段を含む射出成形装置のキャビティ内に該顔料分散液を
注入する工程、(c)キャビティ内の該顔料分散液から
溶剤をキャビティ外に排出して脱溶剤化する工程、及び
(d)顔料とバインダーとを含む成形体を該キャビティ
から取り出す工程を含む。
【0014】(a)顔料分散液の調製 本発明において、顔料分散液とは、顔料とバインダーと
溶剤とを混合分散したものである。この顔料は、溶剤に
不溶の金属粉末、或いは炭素粉末;酸化物、窒化物、炭
化物、ホウ化物などの金属化合物粉末;金属間化合物粉
末;などの無機材料の、或いは有機材料の粉末から選択
される1種又はそれ以上を含む粉末材料である。本発明
において用語「顔料」は、無機又は有機の着色材料に限
定されるものではなく、溶剤に不溶な無機又は有機材料
粉末と広く解釈されるべきである。この顔料としては、
例えば、フェライト磁石などの各種磁性材料粉末、アル
ミニウム、銅、炭素などの導電性粉末、釣りの重りなど
に使用される高比重金属粉末などが含まれる。本製造方
法に用いる顔料の平均粒径は、0.01〜50μmであ
ることが好ましく、特に0.01〜10μmであること
が好ましい。
【0015】本製造方法で使用するバインダーとして
は、溶剤可溶性バインダー樹脂を用いることができる。
好適なバインダー樹脂としては、例えば、ポリビニルア
ルコール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ブチラール
樹脂、フェノール樹脂、アクリル樹脂、尿素樹脂、酢酸
ビニルエマルジョン、ポリウレタン樹脂、ポリ酢酸ビニ
ル樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、アルキド樹脂、
ニトロセルロース樹脂、天然樹脂などが挙げられる。こ
れらの樹脂は単独で、あるいは2種類以上を混合して利
用することができる。前記バインダーの使用量は、顔料
100質量部あたり0.01〜30質量部の範囲が好ま
しい。
【0016】使用する溶剤としては、バインダーを溶解
する溶剤であれば、限定されるものではない。例えば、
水、あるいはメタノール、IPA、ジエチレングリコー
ル等のアルコール類、メチルセロソルブ等のセロソルブ
類、アセトン、メチルエチルケトン、イソホロン等のケ
トン類、N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド類、
酢酸エチル等のエステル類、ジオキサン等のエーテル
類、塩化メチル等の塩素系溶媒、トルエン、キシレン等
の芳香族炭化水素類等が挙げられるが、これらに限定さ
れるものではない。これらの溶剤は、単独で又は2種類
以上混合して用いても良い。溶剤の使用量は、得られる
顔料分散液が前述した射出成形装置のキャビティ5内に
スムーズに供給可能な程度に、好ましくは顔料分散液の
粘度を0.5〜500Pa・s程度とするために必要と
される程度に設定される。
【0017】また、使用する顔料分散液には、前記顔料
の粉末、バインダー及び溶剤の他に、この顔料分散液を
射出成形するために好適な物性とし、顔料の分散を安定
に保つため、あるいは流動性をあげるために適当な各種
添加剤を配合することができる。好適な添加剤として
は、例えばフタル酸エステル、燐酸エステル、脂肪酸エ
ステル等の分散剤、グリコール類等の可塑剤、低沸点ア
ルコール、シリコーン系或いは非シリコーン系等の消泡
剤、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、ソ
ルスパーズ、4級アンモニウム塩等の分散剤など必要に
応じて適宜使用しても良い。これらの添加剤の使用量
は、顔料100質量部当たり0.01〜5.0質量部の
範囲が好ましい。
【0018】顔料、溶剤、溶剤可溶性バインダー樹脂、
および適宜使用しても良い分散剤は、すべて同時に、ま
たはそれぞれ順次投入して、各種の混練・分散機を用い
て分散することで、射出成形が容易な顔料分散液を作製
することができる。混練・分散にあたっては、撹拌機、
二本ロール、三本ロール等のロール型混練機、縦型ニー
ダー、加圧ニーダー、プラネタリーミキサー等の羽根型
混練機、ボール型回転ミル、サンドミル、アトライター
等の分散機、超音波分散機、ナノマイザー等が使用でき
る。
【0019】この顔料分散液の配合比率を例示すれば、
顔料100質量部に対して、バインダーが0.01〜3
0質量部、好ましくは0.01〜15質量部、溶剤が5
〜160質量部、添加剤が0.01〜5.0質量部とさ
れる。顔料分散液の粘度は0.5〜500Pa・s程度
とされる。調製した顔料分散液9は、図2に示すような
ペール又はドラムポンプ13内に充填される。
【0020】(b)顔料分散液のキャビティへの注入 図2に示すように構成された射出成形装置1は、顔料分
散液の注入に先立って、型閉じ油圧シリンダ16によっ
て下型3を上昇させ、下型2上面と上型2下面とを密着
状態としておく。そして顔料分散液が充填されたペール
又はドラムポンプを、該顔料分散液9に押圧力が作用す
るように駆動する。ペール又はドラムポンプに充填され
た顔料分散液9は、管路を通って射出ポンプシリンダー
11に供給される。
【0021】次に、射出ポンプシリンダ11を下降さ
せ、上型2の上面にあるスプルー10の開口に、射出ポ
ンプシリンダ11のノズル12を嵌着する。ノズル12
から吐出した顔料分散液9は、スプルー10を通してキ
ャビティ5内に流入する。キャビティ5内に顔料分散液
9を充填した後、射出ポンプシリンダ11を上昇させ
る。
【0022】(c)脱溶剤 次に、真空ポンプ8を駆動し、上型2の排気通路6と下
型3の排気通路7、および通気性金型部4を通して、キ
ャビティ5内を排気する。キャビティ5内に充填された
顔料分散液中の溶剤は、気化し、通気性金型部4および
排気通路6,7を通して型2,3外に排出される。この
時、溶剤の気化を促進又は維持するために、型2,3を
適当な温度、好ましくは30〜70℃程度に加温しても
良い。また、排気通路6,7と真空ポンプ8の間には、
冷却コンデンサ或いは活性炭などの吸着剤を用いた吸着
筒を介在させ、溶剤を捕集しておくことが望ましい。
【0023】前記脱溶剤化は、キャビティ5内の脱溶剤
によって形成された成形体から、完全に溶剤を取り除く
まで行っても良いし、または成形体の形状安定性が十分
に得られるならば、成形体中に少量の溶剤が残っている
状態で脱溶剤を中止しても良い。
【0024】(d)成形体取り出し 脱溶剤化を終え、真空ポンプ8による排気を停止し、型
閉じ油圧シリンダ16を、下型3を下降する方向に駆動
させ、型2,3を開ける。キャビティ5内には、顔料と
バインダーを含む成形体が形成されており、該成形体
は、必要があれば型2,3に設けられた図示しない押し
出しピンでキャビティ5から押し出すことなどによって
容易に取り出すことができる。成形体取り出し後、型
2,3は次の成形作業に向けて閉じられる。なお、金属
フープを成形体の移送に用いるフープ成形法を行うこと
が好ましいが、単品をインサートする方式を採用するこ
とも可能である。
【0025】取り出された成形体は、バインダーによっ
て顔料が強く固められており、機械強度に優れている。
この成形体は、そのままの状態でプラスチックマグネッ
ト等の電子部品関連の用途など、各種の用途に適用する
ことができる。さらに、この成形体は、真空中など適当
な雰囲気中で加熱(焼結)処理してバインダーを分解し
て除くとともに、顔料粒子を融着させて顔料の多孔質焼
結体を形成することもできる。
【0026】図3は、本発明に係る射出成形装置の他の
形態を示すものである。この形態による射出成形装置
は、図1及び図2に示した装置と同様の射出成形部を有
している他に、図1及び図2に示した装置において顔料
分散液供給用のペール/ドラムポンプ13に代えて、加
圧タンク21によって顔料分散液を射出ポンプシリンダ
11に供給するようにしたことを特徴としている。この
加圧タンク21を用いた顔料分散液供給システムは、主
として低粘度で流動性の良い顔料分散液に適している。
【0027】この加圧タンク21は、顔料分散液を入
れ、導入ライン22を通して加圧用空気を導入してタン
ク内を加圧し、供給ライン25を通して顔料分散液を射
出ポンプシリンダ11に供給するようになっている。加
圧タンク21には、タンク内が所定圧力域以上に昇圧し
た際に加圧空気を抜く安全弁23と、加圧タンク21内
を一定の温度に保つための保温ジャケット24が設けら
れている。また射出ポンプシリンダ11にも保温用のジ
ャケット26が取り付けられている。通常、加圧タンク
21は、20〜60℃、好ましくは40℃程度に保温さ
れ、射出ポンプシリンダ11は20〜30℃程度に保た
れている。また符号28は、排気通路27に接続した真
空ポンプ8による真空排気状態を検出するための真空セ
ンサである。
【0028】本形態による射出成形装置は、前述した
(a)〜(d)と同様の各工程を順次行うことによっ
て、顔料とバインダーを含む成形体を得ることができ
る。
【0029】
【実施例】以下、実施例を記すが、この実施例は、本発
明の一例を具体的に示す単なる例示に過ぎず、本発明は
この実施例に限定されるものではない。
【0030】顔料として平均粒径15μmのセンダスト
粉末100g、バインダーとして塩化ビニル−酢酸ビニ
ル共重合体「VAGH」(ユニオンカーバイト社製)5
gおよびポリウレタン樹脂「T−5610」(大日本イ
ンキ化学工業(株)製)5g(固形分換算)、溶剤とし
てメチルエチルケトンおよびトルエン混合溶液35gを
混合し、ボールミルによって分散し、顔料分散液とし
た。この顔料分散液の粘度は8Pa・sであった。
【0031】図1及び図2に示す射出成形装置を用い、
前記の通り調製した顔料分散液をペール/ドラムポンプ
に充填し、キャビティ内に注入した。この射出成形装置
は、キャビティに面する上下型の一部に多孔性金型(新
東工業(株)製、商品名ポーセラックス、平均口径30
μm)を備え、またこれらの多孔性金型に連通する排気
通路を備えている。さらに、排気通路には真空ポンプを
接続した。顔料分散液を室温で射出成形装置のキャビテ
ィ内に注入した。
【0032】型を30℃程度に保ったまま、真空ポンプ
を駆動し、キャビティ内に注入された顔料分散液の脱溶
剤化を実行した。60分間、脱溶剤化することによっ
て、顔料分散液中の溶剤を殆ど取り除くことができた。
【0033】型を開き、キャビティから成形体を取り出
した。成形体は40mm×40mm、厚さ200μmの
圧膜形状であり、溶剤がほぼ完全に除去されており、8
0A/mの磁界を加えると50Mx/Cmの磁束密度を
有する軟磁性材料の成形体ができた。これはホワイトボ
ードなどの裏面に設置しておくと、従来の軟磁性シート
に比較して磁石クリップの吸引力補強に有効であった。
【0034】
【発明の効果】本発明の射出成形装置は、キャビティ内
に充填された顔料とバインダーと溶剤とを含む顔料分散
液から溶剤をキャビティ外に排出する溶剤排出手段を含
む構成としたので、顔料とバインダーと溶剤とを含む顔
料分散液をキャビティ内に注入し、該キャビティ内で脱
溶剤化して顔料とバインダーを含む成形体を製造でき、
バインダーの含有量が少なくても溶剤によって該顔料分
散液に流動性を持たせ、キャビティ内に該液を注入する
ことができるので、バインダーの配合量が少なく顔料の
含有量が高い成形体を製造することができる。また本発
明の成形体の製造方法は、顔料とバインダーと溶剤とを
含む顔料分散液を調製する工程、該顔料分散液から溶剤
の蒸気をキャビティ外に排出する溶剤排出手段を含む射
出成形装置のキャビティ内に該顔料分散液を注入する工
程、キャビティ内の該顔料分散液から溶剤をキャビティ
外に排出して脱溶剤する工程、および顔料とバインダー
とを含む成形体を該キャビティから取り出す工程を含む
構成としたことによって、バインダーの含有量が少なく
ても溶剤によって該顔料分散液に流動性を持たせ、キャ
ビティ内に該液を注入することができるので、バインダ
ーの配合量が少なく顔料の含有量が高い成形体を製造す
ることができる。本発明によれば、顔料の含有量が高い
成形体を製造することができるので、従来は製造が困難
であった高磁束密度のプラスチック磁石、導電性顔料濃
度の高い低抵抗成形体が得られる。さらに、溶剤可溶性
バインダーと溶剤とを組み合わせることで、熱を加える
ことなく顔料の含有量が高い成形体を製造することがで
きるので、加熱により変性し易い材料、例えば医薬品な
どの製造に適用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明による射出成形装置の一例を示す要部
断面図である。
【図2】 同じ射出成形装置の概略工製図である。
【図3】 本発明による射出成形装置の他の例を示す概
略構成図である。
【符号の説明】
1 射出成形装置 2 上型 3 下型 4 通気性金型部 5 キャビティ 6,7 排気通路 8 真空ポンプ(排気手段) 9 顔料分散液 11 射出ポンプシリンダ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 末永 渉 埼玉県上尾市向山341−2 (72)発明者 森山 稔 東京都東村山市久米川町5−30−1 株式 会社高純度物質研究所内 (72)発明者 宮本 昭子 東京都東村山市久米川町5−30−1 株式 会社高純度物質研究所内 (72)発明者 桂木 忠 埼玉県川口市中青木2−18−21 株式会社 山城精機製作所内 (72)発明者 大山 弘次 埼玉県川口市中青木2−18−21 株式会社 山城精機製作所内 Fターム(参考) 4F202 AA49 CA11 CB01 CP02 CP04 CP06

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 キャビティ内に充填された顔料とバイン
    ダーと溶剤とを含む顔料分散液から溶剤をキャビティ外
    に排出する溶剤排出手段を含むことを特徴とする顔料と
    バインダーを含む成形体製造用の射出成形装置。
  2. 【請求項2】 前記溶剤排出手段が、少なくとも一部に
    通気性金型部が面したキャビティを有する型と、該通気
    性金型部を通して該キャビティ内を排気可能に接続され
    た排気手段とを含むことを特徴とする請求項1に記載の
    射出成形装置。
  3. 【請求項3】 前記通気性金型部が平均空孔径10μm
    〜100μmの連通孔を有する多孔質材からなることを
    特徴とする請求項1または2に記載の射出成形装置。
  4. 【請求項4】 顔料とバインダーと溶剤とを含む顔料分
    散液を調製する工程、該顔料分散液から溶剤の蒸気をキ
    ャビティ外に排出する溶剤排出手段を含む射出成形装置
    のキャビティ内に該顔料分散液を注入する工程、キャビ
    ティ内の該顔料分散液から溶剤をキャビティ外に排出し
    て脱溶剤化する工程、および顔料とバインダーとを含む
    成形体を該キャビティから取り出す工程を含むことを特
    徴とする成形体の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記溶剤排出手段が、少なくとも一部に
    通気性金型部が面してなるキャビティを有する型と、該
    通気性金型部から該キャビティ内を排気可能に接続され
    た排気手段とを含むことを特徴とする請求項4に記載の
    成形体の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記通気性金型部が平均空孔径10μm
    〜100μmの連通孔を有する多孔質材からなることを
    特徴とする請求項4または5に記載の成形体の製造方
    法。
  7. 【請求項7】 前記顔料分散液が0.5〜500Pa・
    sの粘度を有することを特徴とする請求項4ないし6の
    いずれか1項に記載の成形体の製造方法。
JP2001097213A 2001-03-29 2001-03-29 射出成形装置およびそれを用いた成形体の製造方法 Withdrawn JP2002292693A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN113061298A (zh) * 2021-03-24 2021-07-02 惠州市领尚电子科技有限公司 阻燃耐老化泡棉及其制备方法
CN113458398A (zh) * 2021-06-09 2021-10-01 北京科技大学 一种注射浆料实现金属注射成形的方法
CN114147225A (zh) * 2021-11-16 2022-03-08 江苏金物新材料有限公司 一种热固化实现金属注射成形复杂金属零部件的方法
WO2023026611A1 (ja) * 2021-08-24 2023-03-02 マクセル株式会社 物理発泡剤導入用フィルタ、発泡成形体の製造装置および製造方法

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