JP2002291727A - 医用x線装置 - Google Patents

医用x線装置

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JP2002291727A
JP2002291727A JP2001100518A JP2001100518A JP2002291727A JP 2002291727 A JP2002291727 A JP 2002291727A JP 2001100518 A JP2001100518 A JP 2001100518A JP 2001100518 A JP2001100518 A JP 2001100518A JP 2002291727 A JP2002291727 A JP 2002291727A
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dimensional
ray tube
rotation
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JP2001100518A
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Akira Kurome
明 黒目
Tsutomu Suzuki
力 鈴木
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Hitachi Healthcare Manufacturing Ltd
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Hitachi Medical Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 所望位置を中心とした再構成像を得ることが
可能な医用X線装置を提供すること。 【解決手段】 被検体にX線を放射するX線管と、該被
検体を介して前記X線管と対向配置され前記被検体のX
線像を撮像する撮像手段と、前記X線管と前記撮像手段
とを前記被検体の周囲に回転させる回転手段とを有する
医用X線装置において、前記X線管を前記回転手段の回
転面上を移動させるX線管移動手段と、前記撮像手段を
前記回転手段の回転面上を移動させるX線検出器移動手
段と、前記被検体の撮像中心を設定する中心位置設定手
段と、該中心位置設定手段により設定された撮像中心と
なるように前記X線管移動手段とX線検出器移動手段と
を制御する制御手段とを備えた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、医用X線装置に関
し、特に、血管造影検査やIVR(Intervent
ional Radiology:X線透視下のカテー
テル手術)と称される治療法に利用される医用X線装置
に適用して有効な技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来のX線透視撮影台や循環器X線診断
装置等の医用X線透視撮影装置は、診断の分野において
は欠かせないものとなっているが、近年は診断のみなら
ず治療にも使用されるようになってきた。この治療は、
X線透視下において、先端に様々な治療器具を取り付け
たカテーテルを被検体の血管や臓器等に挿入して手術を
行うものであり、IVRと称されている。従来では、開
腹手術が必要な治療であっても、IVRを行うことによ
って、開腹手術を行うことなく治療することができるの
で、近年、急速に普及している。
【0003】このようなIVRでは、透視画像を参照し
ながら、カテーテルを対象部位にまで到達させなければ
ならない。このため、リアルタイムに画像を得ることが
最も重要であった。また、複雑に走行する血管等を対象
としたIVRでは、対象部位の奥行き方向(X線照射方
向)の位置や形状を知ることも重要であり、X線発生系
とX線検出系とをC字形アームで支持し、様々な方向か
らの透視及び撮影ができるように、アームの回転及びス
ライド移動等の各種の回転及び移動動作を行えるように
構成された循環器X線診断装置を用いて、治療を行って
いた。なお、この循環器X線診断装置が備えるテーブル
は、IVR中における被検体の位置決めを容易とするた
めに、被検体の体軸及び体幅方向へ移動できるものが利
用されていた。
【0004】一方、リアルタイムに画像を得ることの重
要性がさほど大きくないが、奥行き方向の位置や形状を
詳細に把握する必要がある場合や、循環器X線診断装置
による通常のX線透視撮影では識別しづらい臓器の判別
を要するIVR等の場合は、X線CT装置を使用するこ
とがあった。しかしながら、X線CT装置は、ガントリ
に設けられた空洞部分に被検体を設置させる必要があ
り、術者が十分な作業スペースを確保することが困難で
あった。
【0005】このような状況にあっては、C字形アーム
による循環器X線診断装置とX線CT装置とを併用した
システムも存在し、この場合、X線CT装置は循環器X
線診断装置の隣もしくは別室に設置されていた。このよ
うな複合システムの特徴を引き出す利用方法として、治
療前にX線CT装置で撮影を行い、このCT画像に基づ
いて対象部位の位置や形状を把握しておき、実際のIV
RではC字形アームによる循環器X線診断装置を用いて
得られた透視画像に基づいた治療を行うものであり、治
療後に再度X線CT装置によって治療部位の状態を確認
するものであった。
【0006】しかしながら、このような循環器X線診断
装置とX線CT装置とを併用した方法では、IVR中に
おいて得られる情報は、循環器X線診断装置によって得
られる二次元の情報のみとなるので、術者は手術中にお
ける治療対象部位の位置や形状を、あるいは治療対象部
位とカテーテルの先端に取り付けた治療器具との位置関
係を直感的に把握することができなかった。また、X線
CT装置と循環器X線診断装置とを併用する方法では、
X線CT装置と循環器X線診断装置との2台の装置を装
備することとなるので、設置に要するスペースが大きく
なってしまうと共に、コストが増大してしまっていた。
さらには、それぞれの装置に被検体を移動させる必要が
あるので、被検体に対する負担が増大してしまうという
課題もあった。
【0007】これに対して、放射状のX線ビームを照射
するX線発生系と、X線イメージインテンシファイア
(以下、X線I.I.と略記する)及びテレビカメラか
らなるX線検出系とを用いた三次元X線CT装置と称さ
れるX線CT装置を用い、この三次元X線CT装置で撮
影を行うという方法が知られている(SPIE−The
International Society for
Optical Engineering,Vol.
2708,pp361−370,1996)。この三次
元X線CT装置は、放射状に広がるX線ビームを被検体
の全周方向から照射する構成となっているので、被検体
の体軸方向に対してもX線I.I.の入力面の大きさに
従った画像を一回転で撮影することができ、被検体の二
次元断層像のみならず高空間分解能を有した三次元画像
(任意断層面の立体像。以下、コーンビーム像と記す)
を生成することができる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】従来の医用X線装置を
用いたX線透視やX線撮影では、術者は関心部位が画像
の中心となるように被検体位置を移動させるのが一般的
である。しかしながら、医用X線装置の一形態である三
次元X線CT装置を用いて撮像した断層像や三次元的二
次元像による診断や治療では、X線管や二次元X線検出
器と被検体との間隔を所定以上に保つ必要から被検体を
搭載する寝台位置を自由に移動させることは困難であっ
た。
【0009】また、寝台に搭載した被検体を寝台上で移
動させることによって、関心部位をX線管と二次元X線
検出器との回転中心に設定し、回転撮影を行うことによ
って、関心部位を断層像や三次元的二次元像の中心に位
置させた撮影を行うことは可能であるが、寝台上で被検
体を移動させなければならず、被検体のかかる負担が大
きくなってしまうという問題があった。
【0010】本発明の目的は、所望位置を中心とした再
構成像を得ることが可能な医用X線装置を提供すること
にある。
【0011】本発明の他の目的は、X線撮影時に被検体
にかかる負担を軽減させることができる医用X線装置を
提供することにある。
【0012】本発明の前記ならびにその他の目的と新規
な特徴は、本明細書の記述及び添付図面によって明らか
になるであろう。
【0013】
【課題を解決するための手段】本願において開示される
発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、
下記のとおりである。
【0014】(1)被検体にX線を放射するX線管と、
該被検体を介して前記X線管と対向配置され前記被検体
のX線像を撮像する撮像手段と、前記X線管と前記撮像
手段とを前記被検体の周囲に回転させる回転手段とを有
する医用X線装置において、前記X線管を前記回転手段
の回転面上を移動させるX線管移動手段と、前記撮像手
段を前記回転手段の回転面上を移動させるX線検出器移
動手段と、前記被検体の撮像中心を設定する中心位置設
定手段と、該撮像中心位置設定手段により設定された撮
像中心となるように前記X線管移動手段とX線検出器移
動手段とを移動制御する制御手段とを備えた。
【0015】(2)前述した(1)に記載の医用X線装
置において、前記撮像手段が撮像したX線像から中心位
置設定手段が設定した中心位置を再構成中心とした再構
成像を生成する手段を備えた。
【0016】(3)前述した(1)もしくは(2)に記
載の医用X線装置において、前記X線管を前記被検体の
体軸方向に移動する手段と、前記撮像手段を前記被検体
の体軸方向に移動する手段とを備えた。
【0017】前述した手段によれば、回転手段はX線管
移動手段を介してX線管を支持すると共に、X線検出器
移動手段を介して撮像手段を支持する構成となってお
り、コーンビーム撮影時には、回転手段の回転と共に、
制御手段がX線管移動手段とX線検出器移動手段とによ
って、X線管及び撮像手段とを中心位置設定手段により
設定された位置が撮像中心位置となるように摺動させる
ので、回転手段の回転中心軸に平行でこの回転手段の回
転中心軸とは異なる回転中心軸での回転撮影(コーンビ
ーム撮影)を行うことができる。その結果、撮影対象部
位の移動に伴う被検体の移動を不要とすることができる
ので、被検体にかかる負担を軽減させることができる。
また、被検体の移動が不要となるので、三次元画像の撮
像にかかる効率を向上させることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明について、発明の実
施の形態(実施例)とともに図面を参照して詳細に説明
する。
【0019】なお、発明の実施の形態を説明するための
全図において、同一機能を有するものは同一符号を付
け、その繰り返しの説明は省略する。
【0020】(実施の形態1)図1は本発明の実施の形
態1の医用X線装置の概略構成を説明するための斜視図
であり、1,3はガイド、2はX線管、4は二次元X線
検出器、5は保持ブロック、6は支持柱体、9は支持
枠、11は回転部材(回転手段)、21はエアシリンダ
を示す。また、Pは支持枠9に保持された円環状の回転
部材の回転中心軸、SはX線管2内のX線焦点、XはX
軸、YはY軸、ZはZ軸、を示している。
【0021】図1から明らかなように、支持柱体6は床
面に立設され、保持ブロック5は支持柱体6の側面に矢
印B方向に回転可能に保持され、この保持ブロック5に
円環状の支持枠9が固定されている。この支持枠9の内
周面に沿っては、矢印A方向に回転可能であるように、
支持枠9に保持された円環状の回転部材11は配置され
ており、この回転部材11の中心が回転中心軸Pとな
る。この回転部材11の内周面における径方向対向位置
には、X線を照射するX線管2と撮像手段となる二次元
X線検出器4とからなる撮影系が配置される構成となっ
ている。
【0022】X線管2は、回転部材11に固定された直
線形状のガイド1上を矢印C方向に摺動可能に構成され
ており、二次元X線検出器4もX線管2と同様に回転部
材11に固定された直線形状のガイド3上を矢印C方向
に摺動可能に構成されている。さらに、二次元X線検出
器4は、エアシリンダ21により矢印Dで示す方向に上
下動可能に構成されている。なお、実施の形態1では、
二次元X線検出器4は、半導体検出器を用いた周知のフ
ラットパネル式の二次元センサで構成されたものとして
図示しているが、これに限定されることはなく、例えば
周知のX線イメージインテンスファイアと、テレビカメ
ラまたはCCD(電荷結合素子)カメラとから構成され
たものでもよい。
【0023】また、固定座標系(X、Y、Z)は、X線
管2の回転軌道面と回転部材回転中心軸Pとの交点を原
点とする座標系であり、Y軸は図示しない被検体の体軸
方向、X軸はY軸に対して垂直でかつガイド1,3に水
平な方向を示し、Z軸は床面と垂直な方向を示してい
る。
【0024】図2は、実施の形態1の医用X線装置にお
ける摺動機構を説明するための正面図であり、図3は実
施の形態1の医用X線装置における摺動機構を説明する
ための基準状態における側断面図であり、7,23,2
9,34はローラ、8,28はガイド、10,31は摺
動用駆動モータ、12はベルト、13は駆動部、14は
軸受、15,18,26,32は歯車、16,17,2
7,33はラック、19は保持ブロック用駆動モータ、
20は出力軸、22は摺動用駆動モータ、24は摺動
枠、25は摺動用駆動モータ、30は摺動枠、35は二
次元X線検出器摺動機構部、36はX線管摺動機構部を
示す。また、P1は保持ブロック用駆動モータ19の回
転中心軸を示す。なお、以下の説明では、X線管2と二
次元X線検出器4とが図2に示す状態、すなわちX線管
2が最下部となり、このX線管2と対向配置される二次
元X線検出器4が最上部に位置されると共に、X線焦点
Sから照射され回転部材回転中心Pを通ったX線ビーム
が二次元X線検出器4の中心に至る状態を基準状態と称
し、この基準状態では、視野中心と回転部材回転中心P
とは一致し、X線照射方向はZ軸の向きとなる。
【0025】図2に示すように、支持柱体6には、保持
ブロック用駆動モータ19が内蔵されており、この保持
ブロック用駆動モータ19の出力軸20が保持ブロック
5に固定されている。このような構成とすることによっ
て、保持ブロック用駆動モータ19の回転により、保持
ブロック5が保持ブロック用駆動モータ19の回転中心
軸P1を中心に図1の矢印B方向に回転させることがで
き、この回転に伴って、支持枠9及び回転部材11が一
体となって矢印B方向に回転する。なお、実施の形態1
では、回転中心軸P1は回転部材11の中心軸Pを通る
ようになっている。
【0026】また、図2及び図3に示すように、回転部
材11は、支持枠9に対して軸受14を介して回転可能
に支持され、ベルト12を介した駆動部13からの回転
駆動力により、回転部材11を図1に示す矢印A方向に
回転させる構成となっている。この駆動部13は、保持
ブロック5に固定されたモータ13aと、このモータ1
3aのモータ軸に固定されたプーリ13bとからなる。
これにより、駆動部13のモータ13aの回転によっ
て、回転部材11が支持枠9の内周面に沿って図1の矢
印11A方向に回転し、この回転部材11の回転に伴っ
て、回転部材11に固定されたX線管2及び二次元X線
検出器4が一体となって回転する構成となっている。
【0027】二次元X線検出器摺動機構部35は、図2
に示すように、回転部材11に固定されているガイド2
8にローラ34が挿入され、このローラ34がガイド3
に固定される構成となっている。ガイド3には、軸端に
歯車18を有する摺動用駆動モータ22が固定され、回
転部材11に設けたラック17と歯車18とが噛み合う
構成となっている。
【0028】また、図3に示すように、ガイド3にロー
ラ23が挿入され、このローラ23は摺動枠24に固定
されている。摺動枠24には、軸端に歯車26を有する
摺動用駆動モータ25が固定され、ガイド3に設けたラ
ック27と歯車26とが噛み合う構成となっている。さ
らに、摺動枠24には、エアシリンダ21が、二次元X
線検出器4を支持する構成となっている。このような構
成とすることで、摺動用駆動モータ22の回転により、
歯車18とラック17とが噛み合って、二次元X線検出
器4はガイド3と共にガイド28に沿って、図1の矢印
E方向に摺動可能となる。また、摺動用駆動モータ25
の回転により、歯車26とラック27が噛み合って、二
次元X線検出器4は摺動枠24と共にガイド3に沿っ
て、図1の矢印C方向に摺動可能となる。さらには、二
次元X線検出器4は、エアシリンダ21により、図1の
矢印D方向に上下動可能となる。
【0029】X線管摺動機構部36は、図2に示すよう
に、回転部材11に固定されているガイド8にローラ7
が挿入され、このローラ7はガイド1に固定されてい
る。ガイド1には、軸端に歯車15を有する摺動用駆動
モータ10が固定され、歯車15と回転部材11に設け
たラック16とが噛み合っている。
【0030】また、図3に示すように、ガイド1にロー
ラ29が挿入され、このローラ29は摺動枠30に固定
されている。摺動枠30には、軸端に歯車32を有する
摺動用駆動モータ31が固定され、ガイド1に設けたラ
ック33と歯車32とが歯み合っている。このような構
成とすることで、摺動用駆動モータ10の回転により、
歯車15とラック16とが噛み合って、二次元X線検出
器4はガイド1と共にガイド8に沿って、図1の矢印E
方向に摺動可能となる。また、摺動用駆動モータ31の
回転により、歯車32とラック33とが噛み合って、X
線管2は摺動枠30と共にガイド1に沿って、図1の矢
印C方向に摺動可能となる。
【0031】図4は、実施の形態1の医用X線装置の制
御装置の概略構成を説明するための図であり、以下、図
4に基づいて実施の形態1の医用X線装置の制御装置の
構成及び動作を説明する。ただし、図4に示す実施の形
態1の医用X線装置の制御装置は、当該装置を構成する
周知の情報処理装置上で動作するプログラムにより実現
される処理部と、この情報処理装置が有する制御機構
と、前述した各機構部とによって構成される。
【0032】図4において、40は操作器、41はシス
テムコントローラ、42は二次元X線検出器上下動制御
手段、43は二次元X線検出器摺動制御手段、44はX
線制御手段、45はX線管摺動制御手段、46は保持ブ
ロック回転制御手段、47は回転部材回転制御手段、4
8は切り換え器、50は第1の画像処理手段、51はA
/D変換器、52は画像処理部、53はフレームメモ
リ、54は表示階調処理部、55はD/A変換器、56
は画像加算処理部、60は第2の画像処理手段、61は
データ収集器、62は前処理部、63はコンボルバ、6
4はバックプロジェクト、65はイメージメモリ、66
は画像変換器、67はディスプレイを示す。
【0033】まず、透視画像を取得する機能を選択した
場合について説明する。
【0034】術者が操作器40を操作して透視画像を収
得する機能を選択した場合は、システムコントローラ4
1は、二次元X線検出器4の出力が透視画像データの処
理を行う第1の画像処理手段50に入力する指令を切り
換え器48に対して送ると共に、システムコントローラ
41はX線管摺動制御手段45、二次元X線検出器摺動
制御手投43、保持ブロック回転制御手段46、回転部
材回転制御手段47、及び二次元X線検出器上下動制御
手段42に所定の指令を送る。
【0035】ここで、操作器40から基準状態での透視
画像計測が指示されている場合には、X線管2と二次元
X線検出器4とを基準状態の位置(X線管2及び二次元
X線検出器4がそれぞれを支持する直線形状のガイド1
及びガイド3の中央の位置)に摺動移動させる摺動位置
制御指令が、操作器40からシステムコントローラ41
を介して、X線管摺動制御手段45と二次元X線検出器
摺動制御手段43とに送られる。この摺動位置制御指令
に基づいて、二次元X線検出器摺動制御手段43及びX
線管摺動制御手段45がX線管2及び二次元X線検出器
4を摺動する摺動用駆動モータ25,31をそれぞれ回
転駆動し、この摺動用駆動モータ25,31の軸端に設
けた歯車26,32を回転させる。この歯車26,32
とラック27,33とが噛み合い、ローラ23,29に
よって摺動可能に保持された摺動枠24,30を摺動さ
せて、この摺動枠24,30に支持されたX線管2と二
次元X線検出器4とを基準状態の位置に移動配置する。
この状態で体軸に垂直な方向からの透視が可能となる。
【0036】ここで、この状態から透視範囲を体幅方向
に拡大する場合には、X線管2と二次元X線検出器4と
を所望の位置に摺動移動させる摺動位置制御指令を操作
器40からシステムコントローラ41を介して、X線管
摺動制御手段45と二次元X線検出器摺動制御手段43
に送る。この摺動位置制御指令に基づいて、上述したの
と同様の動作で、X線管2と二次元X線検出器4とを共
に所望の指示された位置に対向配置し、透視範囲を体幅
方向に拡大する。この状態からさらに透視範囲を体軸方
向に拡大する場合には、X線管2と二次元X線検出器4
とを所望の位置に摺動移動させる摺動位置制御指令を操
作器40からシステムコントローラ41を介してX線管
摺動制御手段45と二次元X線検出器摺動制御手段43
に送る。これらの摺動位置制御指令に基づいて、X線管
2及び二次元X線検出器4とを摺動する摺動用駆動モー
タ10,22が回転し、この摺動用駆動モータ10,2
2の軸端に設けた歯車15,18を回転させる。この歯
車15,18とラック16,17とがそれぞれが噛み合
うことにより、ローラ7,34によって摺動可能に保持
されたガイド1,3を摺動させて、このガイド1,3に
支持されたX線管2と二次元X線検出器4とが所望の位
置に移動配置される。
【0037】また、血管の走行方向を別の方向から確認
する等のために、X線管2と二次元X線検出器4を上述
の位置から仕意の角度方向に位置合わせする場合には、
術者が操作する操作器40からの角度指令に基づき、シ
ステムコントローラ41から保持ブロック5を回転制御
する保持ブロック回転制御手段46と、回転部材11を
回転制御する回転部材回転制御手段47とに指令が送ら
れる。この指令に基づいて、保持ブロック回転制御手段
46が保持ブロック用駆動モータ19を回転駆動して軸
端の出力軸20を回転させ、保持ブロック5を指示され
た角度に回転させる。また、この指令に基づいて、回転
部材回転制御手段47が駆動部13のモータ13aを回
転駆動し、このモータ13aの軸に連結されたプーリ1
3bを回転させ、このプーリ13bと回転部材11とを
連結したベルト12を介して回転部材11を指示された
角度に回転させる。
【0038】さらには、撮影対象範囲を拡大する等のた
めに、二次元X線検出器4を被検体に近づけた位置に配
置する場合は、術者が操作する操作器40からの指令に
基づき、システムコントローラ41から二次元X線検出
器4を被検体に近接移動させる指令が二次元X線検出器
上下動手段42に送られる。この指令に基づいて、二次
元X線検出器上下動手段42がエアシリンダ21を駆動
し、二次元X線検出器4が所望の位置まで上下移動され
る。
【0039】以上の操作により透視位置及び角度が決定
したら、次に術者が操作器40を操作してX線透視の開
始を指示することによって、予め設定されたあるいは操
作器40から入力されたX線条件に基づいて、システム
コントローラ41を介してX線条件に対応したX線を発
生するためのX線制御量がX線制御手投44に送られ、
このX線制御手投44がX線条件に従った電圧・電流を
生成してX線管2に供給し、このX線条件に従ったX線
(X線ビーム)をX線管2から発生して図示しない被検
体に照射する。該被検体を透過したX線は、二次元X線
検出器4に入力され電気信号に変換された後に、この電
気信号に変換されたアナログ信号は第1の画像処理手段
50のA/D変換器51に入力する。
【0040】このアナログ信号は、A/D変換器51で
デジタル信号に変換された後に、画像処理部52に送ら
れると共に、フレームメモリ53にも送られフレームメ
モリ53に記憶される。画像処理部52は送られてきた
デジタル画像信号に対して、コントラストやガンマ特性
変換等の周知の画像処理を行った後に、階調処理をする
表示階調処理部54に送られる。表示階調処理部54で
は、階調処理がすんだデジタル画像信号が、D/A変換
器55によりアナログ信号に変換された後に、ディスプ
レイ67に出力され表示画面に透視画像として表示され
る。
【0041】このとき、隣接する2枚以上の画像を繋ぎ
合わせてディスプレイ67に表示させる指示が操作器4
0からなされている場合は、指示された所望の2枚の透
視画像がフレームメモリ53から選択され、画像処理部
52に送られる。画像処理部52は送られてきたデジタ
ル画像信号に対して、コントラストやガンマ特性変換等
の周知の画像処理を行った後に、処理後のデジタル画像
信号を画像加算処理部56に送る。画像加算処理部56
は、2枚の画像の隣接する部分を繋ぎ合わせる処理を行
った後に、処理後のデジタル画像信号を階調処理をする
表示階調処理郡54に送り、表示階調処理部54におい
て階調処理がすんだデジタル画像信号は、D/A変換器
55によりアナログ信号に変換され、ディスプレイ67
に出力され表示画面に透視画像として表示される。な
お、2枚の画像の隣接する部分を繋ぎ合わせる処理は周
知の処理となるので、詳細な説明は省略する。
【0042】次に、図5に実施の形態1の医用X線装置
におけるコーンビーム撮影原理を説明するための図を示
し、以下、図5に基づいて、コーンビーム画像を取得す
る機能を選択した場合について説明する。ただし、図5
の(a)はX線管2及び二次元X線検出器4の摺動位置
を基準位置とした場合でのコーンビーム撮影原理を説明
するための図であり、図5の(b)はX線管2及び二次
元X線検出器4の回転角度が0゜の場合における撮影対
象部位の位置を示す図であり、図5の(c)はX線管2
及び二次元X線検出器4の回転角度が0゜の状態から回
転部材11を回転角度θだけ回転させた図である。ただ
し、図5において、X線焦点Sの回転半径をR、X線撮
影毎の回転部材11の回転角度(投影角)をθとする。
【0043】図5の(a)に示すように、X線管2及び
二次元X線検出器4からなる撮影系の摺動位置を基準位
置とした場合、すなわち回転部材11の回転中心軸と撮
影系の回転中心軸とが一致する従来と同様のコーンビー
ム撮影の場合は、視野中心は回転中心Pと同一であり、
かつ固定されており、撮影対象部位を視野中心に一致さ
せなければならない。その結果、回転中心軸Pからずれ
ている撮影対象部位のコーンビーム画像を得るために
は、撮影対象部位を視野中心に合わせる操作が必要とな
るので、例えば被検体を移動させ撮影対象部位のコーン
ビーム像を得ることが必要であった。
【0044】これに対して、実施の形態1の医用X線装
置では、コーンビーム撮影を行う際に、検者が操作器4
0から撮影系の回転中心位置を予め設定しておくことに
よって、システムコントローラ41が二次元X線検出器
摺動制御手段43及びX線管摺動制御手段45を制御し
て、所定の投影角毎すなわち回転角度θに応じてX線管
2及び二次元X線検出器4の摺動位置を指定された回転
中心位置に摺動させた後に、被検体を透過したX線を電
気信号に変換し第1の画像処理手段50のA/D変換器
51で取り込む(撮影)する。その結果、被検体を移動
させりことなく、被検体の横断断層面上における任意の
撮影対象部位を中心としたコーンビーム像を得ることが
できる。
【0045】以下、図5の(b)及び図5の(c)を用
いて、撮影系の回転中心位置を予め設定した場合の撮影
動作を詳細に説明する。ただし、以下の説明では、撮影
対象部位が座標系(X、Z)から見て(a、b)の位置
にある場合、すなわち(a、b)を撮影系の回転中心と
する場合の撮影動作である。
【0046】図5の(b)に示すように、撮影対象部位
が座標系(X、Z)から見て(a、b)の位置にあり、
X線管2及び二次元X線検出器4の回転角度が0゜の場
合、撮影系を基準とする座標系(X’,Z’)は、座標
系(X、Z)の原点を撮影村象部位(a、b)まで平行
移動させた座標系となる。また、この座標系(X’,
Z’)は、回転部材11、すなわち撮影系の回転角度θ
とともに回転する。従って、X線管2及び二次元X線検
出器4をX’軸方向にaだけ摺動させることにより、撮
影対象部位を基準とした回転中心位置(a,b)と撮影
系の視野中心とは一致することとなる。
【0047】図5の(c)に示すように、図5の(b)
の状態から回転部材11を回転角度θだけ回転させた場
合、X線管2及び二次元X線検出器4をX’軸方向にa
・cosθ−b・sinθまで摺動位置補正させること
により、撮影対象部位と視野中心は一致することとな
る。このとき、座標系(X’、Z’)からみた、X線管
2内のX線源Sの位置は、下記の式(1)で与えられ
る。
【0048】 S(X’、Z’)=(−a−R・sinθ+(a・cosθ−b・sinθ) ・cosθ、−b−R・cosθ−(a・cosθ−b・sinθ)・sinθ ) ・・・・・(1) 撮影対象部位が(a、b)にある場合の回転部材11の
回転角度θと、X線管2及び二次元X線検出器4の摺動
位置X’との位置関係を示したのが図6であり、この図
6は、横軸を回転部材11の回転角度θ、縦軸をX線管
2及び二次元X線検出器4の摺動位置X’とするもので
ある。この図6から明らかなように、回転部材11の回
転角度θに対応したX線管2及び二次元X線検出器4の
摺動位置X’は、下記の式(2)の関係を示している。
【0049】 X’=a・cosθ−b・sinθ ・・・・・(2) 従って、回転部材11の回転角度θに応じてX線管2及
び二次元X線検出器4を式(2)の摺動位置X’に摺動
させることにより、座標系(X,Z)から見て位置
(a、b)を視野中心としたX線管2及び二次元X線検
出器4の回転撮影ができる。
【0050】次に、図1〜6に基づいて、実施の形態1
の医用X線装置におけるコーンビーム撮影の動作につい
て説明する。
【0051】まず、撮影対象部位に対して体軸方向の位
置を視野中心と合わせるために、術者は前述した透視動
作にて透視画像を取得し、撮影対象部位を把握する。次
に、術者は把握した撮影対象部位の位置から視野中心ま
での距離を測定する。術者はこの測定距離を操作器40
から入力すると同時に、X線管2と二次元X線検出器4
とを入力された撮影対象部位の位置に配置するために、
システムコントローラ41からX線管摺動制御手投45
と二次元X線検出器摺動制御手段43とに対して摺動位
置制御指令がそれぞれ送られる。
【0052】この摺動位置制御指令に基づいて、X線管
摺動制御手投45及び二次元X線検出器摺動制御手段4
3は、X線管2及び二次元X線検出器4を摺動する摺動
用駆動モータ10,22を回転駆動する。これにより、
摺動用駆動モータ10,22の軸端に設けた歯車15,
18が回転され、その歯車15,18に噛み合ったラッ
ク16,17内をローラ7,34により保持されたガイ
ド1,3が摺動して、該ガイド1,3に支持されたX線
管2と二次元X線検出器4とが所望の位置に配置され
る。
【0053】さらに、前述の撮影対象部位の位置に対し
て撮影系の回転中心位置(a、b)を決定するために、
術者は基準状態(θ=0゜)とこの基準状態から90゜
回転した状態(θ=90°)とにおける透視撮影を行
う。撮影した透視画像はディスプレイ67に表示され、
術者はこの透視画像に基づいて撮影系の回転中心位置
(a、b)を測定する。この測定された撮影系の回転中
心位置(a、b)を、術者が操作器40から入力するこ
とによって、システムコントローラ41により図6に示
す摺動制御信号が作成される。
【0054】以上の測定が終了した段階で、術者がコー
ンビーム画像を取得する機能を選択すると、システムコ
ントローラ41は、まず切り換え器48に対して、二次
元X線検出器4の出力をコーンビーム画像を処理する第
2の画像処理手段60に入力する指令を送る。次に、シ
ステムコントローラ41は、X線管2と二次元X線検出
器4とを回転中心位置(a、b)に対して対向配置する
ための摺動位置制御指令を、X線管摺動制御手段45と
二次元X線検出器摺動制御手投43とに送る。このと
き、システムコントローラ41は、回転部材11を回転
制御する回転部材回転制御指令を回転部材回転制御手段
47に送る。
【0055】このシステムコントローラ41からの指令
によって、X線管2及び二次元X線検出器4を摺動する
摺動用駆動モータ25,31が回転駆動され、この摺動
用駆動モータ25,31の軸端に設けた歯車26,32
を回転させ、その歯車26,32に噛み合ったラック2
7,33内をローラ23,29によって摺動可能に保持
された摺動枠24,30が摺動されて、この摺動枠2
4,30に支持されたX線管2と二次元X線検出器4と
が基準状態の位置に一旦配置される。なお、X線管2と
二次元X線検出器4とを一旦基準状態の位置に戻す動作
は、省略可能である。
【0056】次に、術者が操作器40を操作して計測
(撮影)の開始を指示すると、システムコントローラ4
1より回転部材回転制御手段47に回転制御指令が出力
され、その指令に基づいて駆動部13のモータ13aが
回転されて、回転部材11を回転させる。このとき、回
転部材11の回転動作に応じて、X線管摺動制御手段4
5及び二次元X線検出器摺動制御手段43は、図6に示
す摺動位置制御信号を送る。このように、各回転角度に
応じて、X線管2及び二次元X線検出器4の摺動用駆動
モータ25,31を摺動制御することにより、座標系
(X、Z)の原点から(a、b)だけずれている撮影対
象部位についても一回転分のX線画像データを得ること
ができる。
【0057】このとき、システムコントローラ41がX
線管2及び二次元X線検出器4の摺動と、回転部材11
の回転と、X線管2からのX線の照射及び二次元X線検
出器4による画像の撮影とが同期して動作するように制
御することによって、コーンビーム画像が撮像される。
すなわち、画転部材11が一定の回転速度に達した時点
でシステムコントローラ41は、X線制御手段44を介
してX線管2よりX線を放射し、回転部材11の一回転
分の被検体を透過したX線を二次元X線検出器4で検出
し、これを電気信号に変換する。
【0058】二次元X線検出器4で検出された信号は、
図示しないA/D変換器でデジタル信号に変換された後
にデータ収集器61に記憶され、このデータ収集器61
からのX線画像データに対して前処理手段62が対数変
換やゲイン補正やオフセット補正等の周知の前処理を行
い、この前処理器62からの画像データはコンボルバ6
3で全投影方向のX線吸収データが積和演算される。こ
のコンボルバ63で積和演算されたデータはバックプロ
ジェクタ64により逆投影して重ね合わせた断層象が再
構成され、この再構成された断層像がイメージメモリ6
5に記憶される。このイメージメモリ65上に再構成さ
れた断層像に関するデータは、所望の範囲のCT値を設
定する画像変換器66を介して生成された三次元画像と
してディスプレイ67に表示される。従って、座標系
(X、Z)の原点から(a、b)だけずれている撮影対
象部位を撮影の中心とした三次元画像の表示がなされ
る。その結果、撮影対象部位と回転中心軸Pとのずれに
伴う画像補正が不必要となり、再構成画像の画質の低下
を防止できる。また、被検体を移動させることなく所望
の位置を撮影系の中心とした三次元画像の生成ができる
ので、被検体にかかる負担を軽減させることができ、ま
た、被検体の移動が不要となるので、三次元画像の撮像
にかかる効率を向上させることができる。
【0059】なお、操作器40から基準位置での撮影を
指示した場合については、従来と同様に、回転中心軸P
を撮影の中心とした三次元画像の表示がなされることは
いうまでもない。
【0060】さらには、本発明の実施の形態1の医用X
線装置では、X線管2及び二次元X線検出器4は円環状
の支持枠9と回転部材11により支持されているので、
X線管2と二次元X線検出器4の支持剛性を高くするこ
とができ、回転に伴う撮影系の回転中心軸のずれを少な
くすることができる。その結果、ずれに伴う画像補正が
不必要となり、再構成画像の画質の低下を防止できる。
【0061】以上説明したように、実施の形態1の医用
X線装置では、X線管摺動機構部36を介して回転部材
11にX線管2を支持すると共に、二次元X線検出器摺
動機構部35を介して回転部材11に二次元X線検出器
4を支持し、コーンビーム撮影には、回転部材11の回
転と共に、二次元X線検出器摺動制御手段43及びX線
管摺動制御手段45によって、X線管2及び二次元X線
検出器4とを式(2)で示す位置に摺動させることによ
って、所定の位置(a,b)を回転中心としたコーンビ
ーム撮影を行うことができるので、撮影対象部位の移動
に伴う被検体の移動を不要とすることができ、被検体に
かかる負担を軽減させることができる。また、被検体の
移動が不要となるので、三次元画像の撮像にかかる効率
を向上させることができる。
【0062】なお、支持柱体6の取り付け位置は床面に
限定されることはなく、例えば天井や天井に配置された
周知のレールに摺動可能としても、前述した効果を得る
ことができることはいうまでもない。
【0063】(実施の形態2)図7は、本発明の実施の
形態2の医用X線装置の概略構成を説明するための斜視
図であり、80は固定台を示している。ただし、実施の
形態2の医用X線装置は、固定台80で支持枠9を床面
に固定する以外の構成は、実施の形態1の医用X線装置
と同様となるので、以下の説明では、固定台80による
支持枠9の支持構造についてのみ詳細に説明する。
【0064】図7に示すように、本発明の実施の形態2
の医用X線装置では、固定台80が床面に支持枠9を固
定する構成となっており、この支持枠9に支持された回
転部材11の内周面に二次元X線検出器摺動機構部35
とX線管摺動機構部36とを配置した構成となってい
る。すなわち、実施の形態2の医用X線装置では、実施
の形態1の医用X線装置における保持ブロック5に相当
する固定台80によって支持枠9を支持する構成となっ
ている。
【0065】また、実施の形態2の医用X線装置の制御
装置は、保持ブロック用駆動モータ19と保持ブロック
回転制御手段47とを除く他の構成は、図4に示す実施
の形態1の医用X線装置の制御装置と同様の構成とな
る。
【0066】従って、実施の形態2の医用X線装置にお
いても、X線管摺動機構部36を介して回転部材11に
X線管2を支持すると共に、二次元X線検出器摺動機構
部35を介して回転部材11に二次元X線検出器4を支
持し、コーンビーム撮影には、回転部材11の回転と共
に、二次元X線検出器摺動制御手段43及びX線管摺動
制御手段45によって、X線管2及び二次元X線検出器
4とを式(2)で示す位置に摺動させることによって、
所定の位置(a,b)を回転中心としたコーンビーム撮
影を行うことができるので、撮影対象部位の移動に伴う
被検体の移動を不要とすることができ、被検体にかかる
負担を軽減させることができる。また、被検体の移動が
不要となるので、三次元画像の撮像にかかる効率を向上
させることができる。
【0067】また、前述した効果に加えて、実施の形態
2では、例えば固定台80では支持枠9を回転させる機
構が不要となるので、固定台80を小型化することが可
能となるので、医用X線装置を小型化することができる
というさらなる効果を得ることができる。さらには、図
7に示すように、固定台80が下部側から支持枠9を支
持する構成とすることによって、医用X線装置をさらに
小型化することができるというさらなる効果を得られ
る。
【0068】その結果、支持枠9の側部の空間を使用す
ることが可能となるので、術者が円滑な治療を行うため
の作業スペースを十分に確保できるというさらなる効果
を得られる。
【0069】また、支持枠9の側部の空間を使用するこ
とが可能となることによって、術中における被検体の容
体の急変などに迅速に対応することもできるというさら
なる効果が得られる。
【0070】(実施の形態3)図8は、本発明の実施の
形態3の医用X線装置の概略構成を説明するための斜視
図であり、100は二次元X線検出器支持アーム、10
1はX線管支持アームを示している。ただし、実施の形
態3の医用X線装置は、二次元X線検出器支持アーム1
00による二次元X線検出器4の支持機構、及びX線管
支持アーム101によるX線管2の支持機構を除く他の
構成は、実施の形態2の医用X線装置と同様となるの
で、以下の説明では、二次元X線検出器4の支持機構及
びX線管2の支持機構についてのみ詳細に説明する。
【0071】図8に示すように、本発明の実施の形態3
の医用X線装置では、二次元X線検出器支持アーム10
0の一端は二次元X線検出器摺動機構部35の摺動枠2
4に固定され、他端に二次元X線検出器4を支持するエ
アシリンダ21が配置される構成となっている。また、
X線管支持アーム101の一端はX線管摺動機構部36
の摺動枠30が固定され、他端にX線管2が配置される
構成となっている。すなわち、実施の形態3の医用X線
装置は、この回転部材11の回転面と平行に配置された
二次元X線検出器摺動機構部35のガイド及びX線管摺
動機構部36のガイドに、二次元X線検出器支持アーム
100及びX線管支持アーム101の一端が直交配置さ
れた構成となっている。また、回転部材11から同じ方
向にのびた二次元X線検出器支持アーム100及びX線
管支持アーム101の他端には、二次元X線検出器4あ
るいはX線管2が対向配置され、X線管2と二次元X線
検出器4とをそれぞれ二次元X線検出器支持アーム10
0及びX線管支持アーム101とで別々に片持ち支持す
る構成となっている。このとき、二次元X線検出器支持
アーム100及びX線管支持アーム101とは、二次元
X線検出器摺動機構部35のガイド及びX線管摺動機構
部36のガイドに沿って移動される構成となっているの
で、コーンビーム撮影時には、回転部材11の回転と共
に、二次元X線検出器摺動制御手段43及びX線管摺動
制御手段45によって、X線管2及び二次元X線検出器
4とを式(2)で示す位置に摺動させることによって、
所定の位置(a,b)を回転中心としたコーンビーム撮
影を行うことができるので、撮影対象部位の移動に伴う
被検体の移動を不要とすることができ、被検体にかかる
負担を軽減させることができる。また、被検体の移動が
不要となるので、三次元画像の撮像にかかる効率を向上
させることができる。
【0072】また、前述した効果に加えて、実施の形態
3の医用X線装置では、回転部材11からX線管2及び
二次元X線検出器4を突出させた構成となるので、被検
体の表情等の様子を容易に観察することができるという
さらなる効果を得られる。さらには、回転部材11から
X線管2及び二次元X線検出器4を突出させた構成とな
るので、術者が円滑な治療を行うための作業スペースを
さらに確保できるというさらなる効果を得られる。
【0073】(実施の形態4)図9は、本発明の実施の
形態4の医用X線装置の概略構成を説明するための斜視
図であり、90はC字形支持枠を示す。ただし、実施の
形態4の医用X線装置は、保持ブロック5でC字形支持
枠を固定する以外の構成は、実施の形態1の医用X線装
置と同様となるので、以下の説明では、保持ブロック5
によるC字形支持枠90の支持構造に係わる部分につい
てのみ詳細に説明する。また、保持ブロック5は、周知
のC字形支持枠を有する循環器系用等の医用X線装置と
同様にして、C字形支持枠90を支持する構成となって
いる。
【0074】図9に示すように、実施の形態4の医用X
線装置は、C字形支持枠90はその円弧形状に沿って揺
動可能となるように保持ブロック5に配置され、このC
字形支持枠90の内周面に二次元X線検出器摺動機構部
35とX線管摺動機構部36とを配置した構成である。
すなわち、実施の形態4の医用X線装置は、二次元X線
検出器摺動機構部35を構成するガイド3の一方の端部
がC字形支持枠90の一端に一致し、ガイド3の他方の
端部がC字形支持枠90の円弧部分に配置される構成と
なっている。また、X線管摺動機構部36を構成するガ
イド1も同様に、その一方の端部がC字形支持枠90の
他端に一致し、ガイド1の他方の端部がC字形支持枠9
0の円弧部分に配置される構成となっている。特に、二
次元X線検出器摺動機構部35及びX線管摺動機構部3
6は、実施の形態1と同様に、ガイド1とガイド3とが
平行に配置される構成となっている。
【0075】従って、実施の形態4の医用X線装置で
は、実施の形態1の医用X線装置と同様に、図示しない
被検体の体軸方向を図9に示したY軸方向と平行に配置
するだけでなく、被検体の体軸方向をX軸方向と平行に
配置することも可能となる。その結果、被検体の体軸方
向をX軸方向と平行に配置し、C字形支持枠90をX軸
の周りに回転させて被検体のコーンビーム撮影を行う場
合には、その撮影位置を被検体の体軸方向に容易に移動
させることが可能となる。すなわち、被検体の周囲から
コーンビーム撮影を行うことによって得られたX線像か
ら被検体の三次元像を再構成する場合には、その三次元
撮影位置を被検体の体軸方向に容易に移動させることが
可能である。
【0076】また、被検体の体軸方向をY軸方向に配置
した場合には、C字形支持枠90をその円弧形状に沿っ
て回転させることによって、被検体の周囲からコーンビ
ームを照射した、いわゆる回転撮影を行うことができ
る。従って、前述した実施の形態1の医用X線装置と同
様に、コーンビーム撮影には、C字形支持枠90の揺動
による回転と共に、二次元X線検出器摺動制御手段43
及びX線管摺動制御手段45により、X線管2及び二次
元X線検出器4とを式(2)で示す位置に摺動させるこ
とによって、所定の位置(a,b)を回転中心としたコ
ーンビーム撮影を行うことができるので、撮影対象部位
の移動に伴う被検体の移動を不要とすることができ、被
検体にかかる負担を軽減させることができる。また、被
検体の移動が不要となるので、三次元画像の撮像にかか
る効率を向上させることができる。
【0077】また、前述した効果に加えて、実施の形態
4では、回転撮影、すなわち被検体の周知からのコーン
ビーム撮影をC字形支持枠90の揺動のみによって行う
ことができるので、X線管2及び二次元X線検出器4の
移動範囲をC字形支持枠90が形成する面内に収めるこ
とができる。その結果、術者が治療を行うためのより広
い作業スペースを確保できるというさらなる効果を得ら
れる。
【0078】ただし、この場合の回転撮影は、被検体の
周囲360度からの撮影を行うことはできないので、例
えば、180度以上の回転撮影を行い、三次元再構成に
必要な情報は180度以上の回転撮影で得られた情報か
ら補間する、あるいはコーンビームの照射方向が対向す
る回転角における画像として撮影可能なX線画像を使用
することによって3次元再構成を行う。
【0079】なお、実施の形態4の医用X線装置では、
ガイド1,3の一方の端部がC字形支持枠90の端部に
それぞれ一致する構成したが、これに限定されることは
なく、例えばガイド1,3の一方あるいは両方の端部が
C字形支持枠90の円弧部分に配置される構成としても
よいことはいうまでもない。
【0080】以上、実施の形態に基づき具体的に説明し
たが、本発明は、前記発明の実施の形態に限定されるも
のではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々変
更可能であることは勿論である。
【0081】
【発明の効果】本願において開示される発明のうち代表
的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば、下
記の通りである。
【0082】(1)所定の位置(a,b)を撮像中心と
したコーンビーム撮影を行うことができるので、撮影対
象部位の移動に伴う被検体の移動を不要とすることがで
きる。
【0083】(2)撮影対象部位の移動に伴う被検体の
移動を不要とすることができるので、被検体にかかる負
担を軽減させることができる。
【0084】(3)被検体の移動が不要となるので、三
次元画像の撮像にかかる効率を向上させることができ
る。
【0085】(4)X線管及び二次元X線検出器は円環
状の支持枠と回転部材により支持されているので、X線
管と二次元X線検出器の支持剛性を高くすることがで
き、回転に伴う撮影系の回転中心軸のずれを少なくする
ことができる。
【0086】(5)回転に伴う撮影系の回転中心軸のず
れを少なくすることができるので、ずれに伴う画像補正
が不必要となり、再構成画像の画質の低下を防止でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1の医用X線装置の概略構
成を説明するための斜視図である。
【図2】実施の形態1の医用X線装置における摺動機構
を説明するための正面図である。
【図3】実施の形態1の医用X線装置における摺動機構
を説明するための基準状態における側断面図である。
【図4】実施の形態1の医用X線装置の制御装置の概略
構成を説明するための図である。
【図5】実施の形態1の医用X線装置におけるコーンビ
ーム撮影原理を説明するための図である。
【図6】撮影対象部位が(a、b)にある場合の回転部
材の回転角度θと、X線管及び二次元X線検出器の摺動
位置X’との位置関係を示した図である。
【図7】本発明の実施の形態2の医用X線装置の概略構
成を説明するための斜視図である。
【図8】本発明の実施の形態3の医用X線装置の概略構
成を説明するための斜視図である。
【図9】本発明の実施の形態4の医用X線装置の概略構
成を説明するための斜視図である。
【符号の説明】
1,3,8…ガイド、2…X線管、4…二次元X線検出
器、5…保持ブロック、6…支持柱体、7…ローラ、9
…支持枠、10…摺動用駆動モータ、11…回転部材、
7,23,29,34…ローラ、8,28…ガイド、1
0,31…摺動用駆動モータ、12…ベルト、13…駆
動部、14…軸受、15,18,26,32…歯車、1
6,17,27,33…ラック、19…保持ブロック用
駆動モータ、20…出力軸、22…摺動用駆動モータ、
24…摺動枠、25…摺動用駆動モータ、30…摺動
枠、35…二次元X線検出器摺動機構部、36…X線管
摺動機構部、40…操作器、41…システムコントロー
ラ、42…二次元X線検出器上下動制御手段、43…二
次元X線検出器摺動制御手段、44…X線制御手段、4
5…X線管摺動制御手段、46…保持ブロック回転制御
手段、47…回転部材回転制御手段、48…切り換え
器、50…第1の画像処理手段、51…A/D変換器、
52…画像処理部、53…フレームメモリ、54…表示
階調処理部、55…D/A変換器、56…画像加算処理
部、60…第2の画像処理手段、61…データ収集器、
62…前処理部、63…コンボルバ、64…バックプロ
ジェクト、65…イメージメモリ、66…画像変換器、
67…ディスプレイ、80…固定台、90…C字形支持
枠、100…二次元X線検出器支持アーム、101…X
線管支持アーム。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被検体にX線を放射するX線管と、該被
    検体を介して前記X線管と対向配置され前記被検体のX
    線像を撮像する撮像手段と、前記X線管と前記撮像手段
    とを前記被検体の周囲に回転させる回転手段とを有する
    医用X線装置において、 前記X線管を前記回転手段の回転面上を移動させるX線
    管移動手段と、前記撮像手段を前記回転手段の回転面上
    を移動させるX線検出器移動手段と、前記被検体の撮像
    中心を設定する中心位置設定手段と、該中心位置設定手
    段により設定された撮像中心となるように前記X線管移
    動手段とX線検出器移動手段とを移動制御する制御手段
    とを備えたことを特徴とする医用X線装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2015058980A1 (en) * 2013-10-22 2015-04-30 Koninklijke Philips N.V. X-ray system, in particular a tomosynthesis system and a method for acquiring an image of an object

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