JP2002287424A - 静電荷像現像用トナー及びその製造方法 - Google Patents

静電荷像現像用トナー及びその製造方法

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JP2002287424A
JP2002287424A JP2001089633A JP2001089633A JP2002287424A JP 2002287424 A JP2002287424 A JP 2002287424A JP 2001089633 A JP2001089633 A JP 2001089633A JP 2001089633 A JP2001089633 A JP 2001089633A JP 2002287424 A JP2002287424 A JP 2002287424A
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developing
polyester resin
acid
resin
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JP2001089633A
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Hitoshi Takayanagi
均 高柳
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DIC Corp
Original Assignee
Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 被印刷物に低エネルギーで強固に定着し、オ
フセット防止液を使用しないで良好な定着を可能とす
る、いわゆるオイルレスヒートロール定着方式が可能で
あり、現像時には感光体から紙等の被印刷物へ高い転写
率で転写し、高解像力、高階調性の優れた品質の印刷画
像が得られる静電荷像現像用トナーを提供することにあ
る。 【解決手段】 少なくともポリエステル樹脂を含有する
静電荷像現像用トナーであって、前記ポリエステル樹脂
が、(A)2価以上の多塩基酸及び/又は酸無水物及び
/又はこれらの低級アルキルエステルから選ばれる多塩
基酸化合物、及び、(B)全アルコール成分に対して7
0モル%以上の脂肪族多価アルコールを含む2価以上の
多価アルコールを反応させて得られるポリエステル樹脂
であり、下記<数式1>で定義される前記静電荷像現像
用トナーの平均円形度が0.97以上であることを特徴
とする静電荷像現像用トナーを用いる。 <数式1> 平均円形度=(粒子投影面積と同じ面積の円の周長)/
(粒子投影像の周長)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真方式の複
写機、プリンター、ファックス等に好適に用いられ、さ
らにはトナージェット方式のプリンター等にも用いられ
る静電荷像現像用トナーに関する。
【0002】
【従来の技術】これまで、電子写真法により可視画像を
得るためのトナーは、ポリエステル樹脂と着色剤及びそ
の他の添加物を溶融混練した後に、これを機械式あるい
はエアー式の粉砕機により微粉砕することにより製造さ
れてきた。
【0003】一方、最近ではマシンのコストダウン、小
型化、省電力化、省資源化などが盛んに検討されてお
り、そこで使用されるトナーに対しては感光体から紙等
の被印刷物への高い転写率が求められ、また、定着時に
はヒートロールを汚染せずに被印刷物に低エネルギーで
強固に定着する特性が求められ、更に最終的に得られる
印刷物の画像品質においては高い解像性や幅広い階調性
が必要とされている。
【0004】現在使用されているトナーの平均粒子径は
7〜15μm程度であるが、印刷画像の解像性や階調性
を向上させるためには、平均粒子径をさらに小さくする
必要がある。従来から用いられている粉砕法による粉体
トナーにおいても、原理的には小粒径化が可能である
が、小粒径化に伴い、着色剤や電荷制御剤、又はワッ
クス等の添加剤がトナー粒子の表面に露出する比率が増
大するために帯電のコントロールが困難となり、高部数
印刷における耐久性が悪化する、トナー粒子が不定形
のために粉体流動性が悪化して印刷品質が一定しない、
製造に要するエネルギーコストが高騰する、などの問
題が生じ上記のような要求を十分に満足することは実際
上困難である。
【0005】このような事情から、現在では重合法や乳
化分散法による球形トナーの開発が盛んに検討されてい
る。重合法によるトナーに関しては、各種の方法が知ら
れているが、それらの中でも、モノマー、重合開始剤、
着色剤および帯電制御剤等を均一に溶解あるいは分散
し、これらの混合物を分散安定剤の存在下で水性媒体中
に攪拌しながら加えることにより油滴を形成し、その後
昇温することにより重合反応を行ってトナー粒子を製造
する懸濁重合法が広く行われている。
【0006】ところで、トナー用の結着樹脂としては、
種々の樹脂が使用可能であるが、低温定着性に優れ、定
着後の画像が強靱であり、比較的高いガラス転移点を有
することから、最近においてはポリエステル樹脂が好適
に用いられている。しかしながら、上記の重合法ではト
ナー粒子の小粒径化や球形化は可能であるが、結着樹脂
としてはラジカル重合性のビニル重合体に限られている
ことから、ポリエステル樹脂によるトナーを製造するこ
とができない。また、重合法では、VOC(未反応モノ
マーなどからなる揮発性有機化合物)の低減が難しいと
いう問題もある。
【0007】ところで、ポリエステル樹脂を用いた乳化
分散法によるトナーの製法は、特開平8−211655
号公報に開示されている。同公報はポリエステル樹脂と
着色剤等の混合物を水性媒体と混合して乳化させてトナ
ー粒子を得るという方法であって、重合法と同様に、ト
ナーの小粒径化や球形化に容易に対応できることに加
え、重合法に比べ、結着樹脂の種類の選択幅が広くな
る、VOC低減が容易である、着色剤等の濃度を低
濃度から高濃度まで任意に変化させることができる、な
どの利点を有している。しかしながら、同公報では低温
あるいは低エネルギーで定着し、オイルレス定着方式に
おける良好な定着幅を達成するための技術には全く触れ
ていない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記事情に鑑
みてなされたもので、その目的とするところは、ヒート
ロール定着方式として、被印刷物に低エネルギーで強固
に定着し、オフセット防止液を使用しないで良好な定着
を可能とする、いわゆるオイルレス定着方式が可能とな
る静電荷像現像用トナーを提供することにある。また、
本発明の他の目的は、現像時において感光体から紙等の
被印刷物への高い転写率の静電荷像現像用トナーを提供
することにある。また、本発明の他の目的は、高解像
力、高階調性の優れた品質の印刷画像が得られる静電荷
像現像用トナーを提供することにある。また、更に本発
明の他の目的は上記課題を解決する静電荷像現像用トナ
ーの製造方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、少なくともポリ
エステル樹脂を含有する静電荷像現像用トナーであっ
て、前記ポリエステル樹脂が、(A)2価以上の多塩基
酸及び/又は酸無水物及び/又はこれらの低級アルキル
エステルから選ばれる多塩基酸化合物、及び、(B)全
アルコール成分に対して70モル%以上の脂肪族多価ア
ルコールを含む2価以上の多価アルコールを反応させて
得られるポリエステル樹脂を含有し、下記<数式1>で
定義される前記静電荷像現像用トナーの平均円形度が
0.97以上である静電荷像現像用トナーを使用するこ
とにより前記課題が解決できることを見出し、本発明を
完成するに至った。 <数式1> 平均円形度=(粒子投影面積と同じ面積の円の周長)/
(粒子投影像の周長)
【0010】また、本発明は、少なくともポリエステル
樹脂を含有するトナー用原料を塩基の存在下に水性媒体
と混合させることにより、前記水性媒体中に前記ポリエ
ステル樹脂を含有する樹脂粒子の懸濁液を製造し、次い
で前記樹脂粒子を前記懸濁液から分離する工程を含む静
電荷像現像用トナーの製造方法であり、前記ポリエステ
ル樹脂が、(A)2価以上の多塩基酸及び/又は酸無水
物及び/又はこれらの低級アルキルエステルから選ばれ
る多塩基酸化合物、及び、(B)全アルコール成分に対
して70モル%以上の脂肪族多価アルコールを含む2価
以上の多価アルコールを反応させて得られるポリエステ
ル樹脂を含有することを特徴とする静電荷像現像用トナ
ーの製造方法を提供するものである。
【0011】
【発明の実施の形態】次に本発明を詳細に説明する。本
発明で用いられる2価以上の多塩基酸及び/又は酸無水
物及び/又はこれらの低級アルキルエステルから選ばれ
る多塩基酸化合物(A)としては、例えば無水フタル
酸、テレフタル酸、イソフタル酸、オルソフタル酸、ナ
フタレンジカルボン酸、アジピン酸、マレイン酸、無水
マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、ヘ
キサヒドロ無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、
シクロヘキサンジカルボン酸、コハク酸、マロン酸、グ
ルタル酸、アゼライン酸、セバシン酸等のジカルボン酸
又はその誘導体又はそのエステル化物が、また、例えば
トリメリット酸、無水トリメリット酸、ピロメリット
酸、無水ピロメリット酸等の三官能以上の多価カルボン
酸又はその誘導体又はそのエステル化物が挙げられる。
【0012】また、2価以上の脂肪族多価アルコール
(B)としては、例えば1,4−シクロヘキサンジメタ
ノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、
トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプ
ロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ブタ
ンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、ポ
リエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、エ
チレンオキサイド−プロピレンオキサイドランダム共重
合体ジオール、エチレンオキサイド−プロピレンオキサ
イドブロック共重合体ジオール、エチレンオキサイド−
テトラハイドロフラン共重合体ジオール、ポリカプロカ
クトンジオール等のジオールが、また、ソルビトール、
1,2,3,6−ヘキサンテトラオール、1,4−ソル
ビタン、ペンタエリスリトール、1,2,4−ブタント
リオール、1,2,5−ペンタントリオール、グリセリ
ン、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,
2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、ト
リメチロールプロパン、1,3,5−トリメチロールベ
ンゼン、等の三官能以上の多価アルコールが挙げられ
る。
【0013】また、上記(A)のカルボン酸化合物と反
応する脂肪族系のアルコール成分(B)として、ネオペ
ンチルグリコールジグリシジルエーテル、グリセリント
リグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグ
リシジルエーテル、トリメチロールエタントリグリシジ
ルエーテル、ペンタエリスリトールテトラグリシジルエ
ーテル、等のエポキシ化合物も用いることができる。
【0014】本発明においては上記脂肪族多価アルコー
ルと共に、例えば以下に例示した芳香族ジオールを併用
して用いることができる。本発明で用いることのできる
芳香族ジオールとは、ポリオキシエチレン−(2.0)
−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン及
びその誘導体、ポリオキシプロピレン−(2.0)−
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポ
リオキシプロピレン−(2.2)−ポリオキシエチレン
−(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)プロパン、ポリオキシプロピレン−(6)−2,2
−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキ
シプロピレン−(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン−
(2.4)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)
プロパン、ポリオキシプロピレン−(3.3)−2,2
−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン及びその誘
導体、等である。
【0015】さらに、ビスフェノールA型エポキシ樹
脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノール
S型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹
脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、等の芳香族
系のエポキシ化合物も必要に応じ用いることができる。
【0016】本発明では脂肪族多価アルコールを用いる
ことによりポリエステル樹脂における分子鎖のフレキシ
ビリティが良好となり、例えば、キャリアと混合して二
成分現像剤として用いた場合、現像装置内でキャリアが
受けるストレスを緩和する効果があり、キャリア表面の
樹脂被覆層が剥離するのを防ぎ、結果として現像剤の寿
命が延びるという効果が得られる。
【0017】また、非磁性一成分現像装置は現像スリー
ブロールと帯電ブレード等の帯電付与部材を圧接させ、
両者の間隙にトナーを通過させ、そこを通過する瞬間に
トナーを帯電させる方式であるが、この現像方式の装置
に本発明によるトナーを用いたときは、現像スリーブロ
ールと帯電付与部材の間隙を通過する際に加えられる強
力なシェアに対して、分子鎖のフレキシビリティが有効
に働き、トナー粒子が潰されたりブレードに付着するこ
とがない。
【0018】また、ポリエステル主鎖が軟質化すること
により低温での定着性が改善される。さらに、定着・オ
フセット性能を改善する目的で、トナー中にワックスを
添加することは一般的に用いられる手段であるが、本発
明における脂肪族系多価アルコールを用いたポリエステ
ル樹脂では特にワックス類との相溶性が良好であり、低
温での定着性能及び耐オフセット性がさらに改良され
る。
【0019】上記の脂肪族系多価アルコールを用いる量
は全アルコール成分に対して70モル%以上であるが、
より好ましくは85モル%以上である。特に、アルコー
ル成分の全量が脂肪族系多価アルコールであることが望
ましい。
【0020】また、本発明で用いるカルボン酸成分とし
ては、ナフタレンジカルボン酸、及び/またはその低級
アルキルエステルとして、ジメチルナフタレート、ジエ
チルナフタレート、ジブチルナフタレート等がより好適
に用いられる。これらの化合物は全酸成分の5モル%以
上を用いることが必要であり、より好ましくは10モル
%以上である。特に15モル%以上用いることが望まし
い。
【0021】ナフタレン環構造を含むモノマーは樹脂の
Tgを上げるのに効果があり、樹脂の耐熱凝集性が向上
する。特にアルコール成分として軟質の脂肪族系多価ア
ルコールを主体に用いた系においては、樹脂のTgの低
下を抑えることができ、脂肪族系多価アルコールを用い
ることによる低温定着性とナフタレンジカルボン酸によ
る耐熱凝集性の両方を併せ持つ樹脂を得ることができ
る。
【0022】さらに、脂肪族系多価アルコール成分とし
ては1,4−シクロヘキサンジメタノールを用いるのが
好ましい。好ましい使用量は全アルコール成分の5モル
%以上である。10モル%以上使用するのがより好まし
く、15モル%以上用いることが特に好ましい。1,4
−シクロヘキサンジメタノールを使用することにより樹
脂のTgを上げることができ、耐熱凝集性がより向上す
る。本発明に用いるポリエステル樹脂としては、ナフタ
レンジカルボン酸と1,4−シクロヘキサンジメタノー
ルを共に用いた樹脂であることが好ましい。
【0023】本発明におけるポリエステル樹脂は、例え
ば触媒の存在下で上記の原料成分(A)(B)を用いて
脱水縮合反応或いはエステル交換反応を行うことにより
得ることができる。この際の反応温度及び反応時間は、
特に限定されるものではないが、通常150〜300℃
で2〜24時間である。上記反応を行う際の触媒として
は、例えばテトラブチルチタネート、酸化亜鉛、酸化第
一錫、ジブチル錫オキサイド、ジブチル錫ジラウレー
ト、パラトルエンスルホン酸等を適宜使用する事が出来
る。
【0024】本発明に用いられるポリエステル樹脂のガ
ラス転移温度(Tg)は50℃以上のものが好ましい
が、中でも、そのTgが55℃以上のものが特に好まし
い。Tgが50℃以下ではトナーが保存、運搬、あるい
はマシンの現像装置内部で高温下に晒された場合にブロ
ッキング現象(熱凝集)を生じやすい。また、本発明に
使用されるポリエステル樹脂の軟化点としては、90℃
以上、中でも、90℃〜180℃の範囲のものが好まし
い、より好ましくは、95℃〜160℃の範囲である。
軟化点が90℃未満の場合は、トナーが凝集現象を生じ
やすく、保存時や印字の際にトラブルになりやすく、1
80℃を越える場合には定着性が悪くなることが多い。
さらに、フルカラートナーとして、特に、色重ね時の色
再現性やOHPシート上に定着させた際の透明性を要求
される場合には、ポリエステル樹脂の軟化点としては、
90℃〜130℃の範囲のものが好ましい、より好まし
くは、95℃〜120℃の範囲である。
【0025】本発明における樹脂の軟化点は定荷重押出
し形細管式レオメータである島津製作所製フローテスタ
CFT−500を用いて測定されるT1/2温度で定義
する。フローテスターでの測定条件は、ピストン断面積
1cm2 、シリンダ圧力0.98MPa、ダイ長さ1m
m、ダイ穴径1mm、測定開始温度50゜C、昇温速度
6゜C/min、試料重量1.5gの条件で行った。
【0026】また、本発明で使用するポリエステル樹脂
の酸価としては、1〜30mgKOH/gであることが
で好ましい。球形トナーを製造する上で、酸価は前記の
範囲であることが好ましく、また、トナーとして使用す
る場合に環境安定性良好となる。中でも、酸価が3〜2
5mgKOH/gであることが好ましく、5〜20mg
KOH/gであることが特に好ましい。
【0027】また、本発明の静電荷像現像用トナーは、
下記式、 平均円形度=(粒子投影面積と同じ面積の円の周長)/
(粒子投影像の周長) で定義される平均円形度が、0.97以上、好ましくは
0.98以上の球形〜略球形のものである。
【0028】このような球形〜略球形を有することによ
って本発明の静電荷像現像用トナーは、小粒径化しても
良好な粉体流動性を確保することができ、また良好な転
写効率を確保することもでき、これにより優れた画像品
質(解像性、階調性)を形成し得るものとなる。平均円
形度が0.97よりも小さいと、すなわち形状が球形か
ら不定型に近づくと転写効率が低下するため好ましくな
い。なお、この平均円形度は、トナー粒子のSEM(走
査型電子顕微鏡)写真を撮影し、それを測定し計算する
ことなどによっても求められるが、東亜医用電子(株)
製フロー式粒子像分析装置FPIP−1000を使用す
ると容易に得られるため、本発明ではこの装置で測定し
た。
【0029】本発明で使用することのできる着色剤とし
ては、周知のものがあげられる。黒の着色剤としては製
法により分類されるファーネスブラック、チャンネルブ
ラック、アセチレンブラック、サーマルブラック、ラン
プブラック、等のカーボンブラックが、青系の着色剤と
してはフタロシアニン系のC.I.PigmentBl
ue 1,2,15:1,15:2,15:3,15:
4,15:6,15,16,17:1,27,28,2
9,56,60,63等が挙げられる。青系の着色剤と
して、好ましくは、C.I.Pigment Blue
15:3(一般名フタロシアニンブルーG),15
(フタロシアニンブルーR),16(無金属フタロシア
ニンブルー),60(インダンスロンブルー)が挙げら
れ、最も好ましくは、C.I.Pigment Blu
e 15:3,60が挙げられる。
【0030】また、黄色系の着色剤として、例えば、
C.I.Pigment Yellow1,3,4,
5,6,12,13,14,15,16,17,18,
24,55,65,73,74,81,83,87,9
3,94,95,97,98,100,101,10
4,108,109,110,113,116,11
7,120,123,128,129,133,13
8,139,147,151,153,154,15
5,156,168,169,170,171,17
2,173,180等が挙げられ、好ましくはC.I.
Pigment Yellow12(一般名ジスアゾイ
エロー AAA),13(ジスアゾイエロー AAM
X),17(ジスアゾイエロー AAOA),97(フ
ァストイエロー FGL),110(イソインドリノン
イエロー 3RLT),155(サンドリンイエロー4
G)および180(ベンズイミダゾロン系イエロー)が
挙げられ、最も好ましくはC.I.Pigment Y
ellow 17,155および180が挙げられる。
【0031】さらに、赤色系着色剤は、例えば、C.
I.Pigment Red 1,2,3,4,5,
6,7,8,9,10,12,14,15,17,1
8,22,23,31,37,38,41,42,4
8:1,48:2,48:3,48:4,49:1,4
9:2,50:1,52:1,52:2,53:1,5
4,57:1,58:4,60:1,63:1,63:
2,64:1,65,66,67,68,81,83,
88,90,90:1,112,114,115,12
2,123,133,144,146,147,14
9,150,151,166,168,170,17
1,172,174,175,176,177,17
8,179,185,187,188,189,19
0,193,194,202,208,209,21
4,216,220,221,224,242,24
3,243:1,245,246,247等が挙げら
れ、好ましくはC.I.Pigment Red 4
8:1(一般名バリウムレッド),48:2(カルシウ
ムレッド),48:3(ストロンチウムレッド),4
8:4(マンガンレッド),53:1(レーキレッ
ド),57:1(ブリリアントカーミン6B),122
(キナクリドンマゼンタ 122)および209(ジク
ロロキナクリドンレッド)が挙げられ、最も好ましくは
C.I.Pigment Red 57:1,122お
よび209が挙げられる。
【0032】着色剤の含有量は、1〜20重量部である
ことが好ましい。中でも1〜15重量部であることが好
ましく、1〜10重量部であることが特に好ましい。こ
れらの着色剤は1種又は2種以上の組み合わせで使用す
ることができる。
【0033】また、本発明のトナ−にはこれまで公知の
種々のワックス、例えばポリプロピレンワックス、ポリ
エチレンワックス、ポリアミド系ワックス、フィッシャ
ートロプシュワックス等を離型剤として適宜用いること
ができるが、中でも高級脂肪酸エステル化合物及び/又
は脂肪族アルコール化合物を含有するワックスを離型剤
として用いることが好ましい。
【0034】高級脂肪酸エステル化合物及び/又は脂肪
族アルコール化合物を含有するワックスの中でも、カル
ナウバワックス、モンタン系エステルワックス、ライス
ワックス、カイガラムシワックス等の天然ワックス、及
び/または合成エステル系ワックスが特に好ましい。合
成エステル系ワックスとしてはペンタエリスリトールの
テトラベヘン酸エステルが特に好ましい。
【0035】これらのエステル系のワックスは特に本発
明のポリエステル樹脂に良好な分散性を示し、定着性、
耐オフセット性の改善が顕著である。また、更に、これ
らのワックスは多数枚、長時間の印刷においても、例え
ば非磁性一成分現像用トナーとして用いた場合、現像ス
リーブに押しつけられた帯電部材に付着することなく、
トナーに安定した帯電を与え、画像欠陥や地汚れ等が無
く、高品位かつ高精細な画像の印刷が可能となる。さら
に、有彩色の着色剤と共に用いてカラートナーとした場
合、ポリプロピレンワックスのような炭化水素系のワッ
クスと比較して透明性に優れたカラートナーが得られ
る。このような特性を有するカラートナーは、透明性が
あり、鮮やかな投影画像が求められるOHPシートへの
印刷、および2色以上を重ねて印刷して良好な色再現性
の中間色を印刷する用途に適している。
【0036】カルナウバワックスとしては精製により遊
離脂肪酸を除去した脱遊離脂肪酸型カルナウバワックス
を用いることが好ましい。脱遊離脂肪酸型カルナウバワ
ックスの酸価としては3以下が好ましく、より好ましく
は酸価2以下である。脱遊離脂肪酸型カルナウバワック
スは従来のカルナウバワックスより微結晶となりポリエ
ステル樹脂中での分散性が向上する。モンタン系エステ
ルワックスは鉱物より精製されたものであり、精製によ
りカルナウバワックスと同様に微結晶となりポリエステ
ル樹脂中での分散性が向上する。モンタン系エステルワ
ックスでは酸価として特に30以下であることが好まし
い。また、ライスワックスは米ぬかロウを精製したもの
であり、酸価は13以下であることが好ましい。カイガ
ラムシワックスはカイガラムシ(別名イボタロウムシ)
の幼虫が分泌する蝋状成分を、例えば、熱湯に溶かし、
上層を分離後冷却固化して、あるいはそれを繰り返すこ
とにより得ることができる。このような手段により精製
されたカイガラムシワックスは固体状態において白色で
あり、極めてシャープな融点を示し本発明におけるトナ
ー用ワックスとして適している。精製により酸価は10
以下となり、トナー用として好ましいのは5以下であ
る。
【0037】上記ワックスは単独で用いても組み合わせ
て用いても良く、ポリエステル樹脂に対して0.3〜4
0重量部、好ましくは1〜30重量部含有させることに
より良好な定着オフセット性能が得られる。より好まし
くは1〜20重量部である。0.3重量部より少ないと
耐オフセット性が損なわれ、40重量部より多いとトナ
ーの流動性が悪くなり、また、二成分現像方式において
はキャリア表面に付着することによりスペントキャリア
が発生し、トナーの帯電特性に悪影響を与えたり、非磁
性一成分現像方式においては現像ロールに圧接された層
厚規制部材に付着したりすることになる。
【0038】本発明では必要に応じ帯電制御剤を用いる
ことができる。例えば正帯電制御剤としてニグロシン系
染料、トリフェニルメタン系染料、4級アンモニウム
塩、4級アンモニウム基及び/又はアミノ基を含有する
樹脂等が、負帯電制御剤としてトリメチルエタン系染
料、サリチル酸の金属錯塩、ベンジル酸の金属錯塩、銅
フタロシアニン、ペリレン、キナクリドン、アゾ系顔
料、金属錯塩アゾ系染料、アゾクロムコンプレックス等
の重金属含有酸性染料、カリックスアレン型のフェノー
ル系縮合物、環状ポリサッカライド、カルボキシル基及
び/又はスルホニル基を含有する樹脂、等がある。
【0039】特に、本発明においては、無色の帯電制御
剤を使用するのが望ましく、負の帯電制御剤としてはサ
リチル酸の金属錯化合物としてオリエント化学社製「ボ
ントロンE−84」が、また、無色の正帯電制御剤とし
ては4級アンモニウム塩構造のTP−302、TP−4
15、TP−610;(保土谷化学製)、ボントロンP
−51;(オリエント化学製)、コピーチャージPSY
(クラリアントジャパン)等が好適に用いられる。ま
た、4級アンモニウム基及び/又はアミノ基を含有する
正帯電性の樹脂型帯電制御剤としては、「FCA−20
1−PS」(藤倉化成(株))等が挙げられる。
【0040】中でも、本発明において特に好適に用いる
ことができる帯電制御剤としては、下記<一般式1>の
化合物、及び<一般式2>の化合物がある。 <一般式1>
【0041】
【化1】 (式中、R1は4級炭素、メチン、メチレンであり、
N、S、O、Pのヘテロ原子を含んでいてもよく、Yは
飽和結合又は不飽和結合で結ばれた環状構造を表し、R
2、R3は相互に独立してアルキル基、アルケニル基、ア
ルコキシ基、置換基を有しても良いアリール基又はアリ
ールオキシ基又はアラルキル基又はアラルキルオキシ
基、ハロゲン基、水素、水酸基、置換基を有しても良い
アミノ基、カルボキシル基、カルボニル基、ニトロ基、
ニトロソ基、スルホニル基、シアノ基を表し、R4は水
素又はアルキル基を表し、tは0ないし1から12の整
数、mは1から20の整数、nは0ないし1から20の
整数、kは0ないし1から4の整数、pは0ないし1か
ら4の整数、qは0ないし1から3の整数、rは1から
20の整数、sは0又は1ないし20の整数である。)
【0042】<一般式2>
【0043】
【化2】 (式中、R1およびR4は水素原子、アルキル基、置換又
は非置換の芳香環(縮合環も含む)を示し、R2および
3は置換又は非置換の芳香環(縮合環も含む)を示
し、MはB、Al、Fe、Ti、Co、Crから選ばれる1種の3
価の金属を示し、X+はカチオンを示す)
【0044】<一般式1>の化合物の具体的な例として
は、以下の<帯電制御剤1>〜<帯電制御剤3>があ
る。
【0045】<帯電制御剤1>
【0046】
【化3】
【0047】<帯電制御剤2>
【0048】
【化4】
【0049】<帯電制御剤3>
【0050】
【化5】
【0051】また、<一般式2>の化合物の具体的な例
としては、以下の<帯電制御剤4>、<帯電制御剤5>
がある。
【0052】<帯電制御剤4>
【0053】
【化6】
【0054】<帯電制御剤5>
【0055】
【化7】
【0056】上記の帯電制御剤は単独で用いても組み合
わせて用いても良く、ポリエステル樹脂に対して0.3
〜15重量部、好ましくは0.5〜5重量部含有させる
ことにより良好な帯電性能が得られる。
【0057】本発明の静電荷像現像用トナーは、カルボ
キシル基を含有する本発明のポリエステル樹脂と必要に
応じて前記の着色剤、離型剤、帯電制御剤等を含有する
混合物を、塩基の存在下に水性媒体と混合させることに
より、前記混合物からなる樹脂粒子が前記水性媒体中に
乳化した樹脂粒子懸濁液を製造し、次いで前記樹脂粒子
を前記懸濁液から分離し、乾燥することにより製造す
る。
【0058】ところで、トナーを小粒径化しても摩擦帯
電性能を良好に保持するためには、着色剤等がトナー粒
子表面に露出しないようにすること、すなわち着色剤や
離型剤等がトナー粒子に内包されたトナー構造とするの
が有効である。トナーの小粒径化に伴う帯電性の悪化
は、含有する着色剤やその他の添加物(離型剤など)の
一部がトナー粒子表面に露出することも原因になってい
る。すなわち、着色剤等の含有率(重量%)が同じであ
っても、小粒径化によりトナー粒子の表面積が増大し、
トナー粒子表面に露出する着色剤や離型剤等の比率が増
大し、その結果トナー粒子表面の組成が大きく変化し、
トナー粒子の摩擦帯電性能が大きく変わり適性な帯電性
が得られにくくなる。
【0059】本発明の製造方法により製造される静電荷
像現像用トナーは、着色剤や必要に応じて添加する離型
剤等がポリエステル樹脂に内包された構造となる。この
ように内包された構造となることにより、本発明におけ
る課題の解決が可能となり、良好な印刷画像が得られ
る。
【0060】トナー粒子表面に着色剤や離型剤等が露出
していないことは、例えば、粒子の断面をTEM(透過
型電子顕微鏡)で観察することにより容易に判定でき
る。より具体的には、トナー粒子を樹脂包埋してミクロ
トームで切断した断面を、必要ならば酸化ルテニウム等
で染色し、TEMで観察すると、着色剤や離型剤等が粒
子内に内包されてほぼ均一に分散していることが確認で
きる。
【0061】本発明におけるカルボキシル基を含有する
ポリエステル樹脂と必要に応じて添加する着色剤、離型
剤、帯電制御剤等を含有する混合物は公知の方法で製造
することができる。例えば、最初にこれらの原料粉末を
混合し、次いで、二軸押出機、ニーダー、二本ロール等
のいずれかを使用して十分に溶融混練する方法で製造す
る。このような溶融混練工程ではポリエステル樹脂の高
分子量成分が含まれている場合には、分子鎖の切断が生
じる場合があるので、ポリエステル樹脂の混練中におけ
る分子量の変化を予め予測して使用する原料樹脂を選択
することが必要である。
【0062】また、このようにして製造された混練物を
塩基の存在下で水性媒体と混合して乳化する方法として
は、例えば、高速の攪拌条件下で前記混練物を水性媒体
中に乳化させる方法を用いることができる。なお、この
工程を用いる場合は、ポリエステル樹脂を軟化させ、か
つ水性媒体の沸騰を抑える必要があるため高温、高圧下
で製造するのが好ましい。
【0063】また、本発明の静電荷像現像用トナーは、
ポリエステル樹脂と着色剤等を有機溶剤に混合し、さら
にこれを湿式で混練、分散して上記混合物を得るように
する方法によっても製造することができる。この場合、
着色剤とその他の添加剤である離型剤等を各々湿式で混
練してから分散しても良い。
【0064】具体的には、有機溶媒にポリエステル樹脂
を溶解し、それに着色剤等を加え、デスパ(分散攪拌
機)、ボールミル、ビーズミル、サンドミル、連続式ビ
ーズミル等の一般的な混合機・分散機を使用して分散さ
せ、有機溶媒中に着色剤と離型剤等が微分散した樹脂溶
液を製造し、次いで、前記樹脂溶液を塩基性中和剤の存
在下に水性媒体と混合することにより乳化させ、更に減
圧下に有機溶剤を除去することにより樹脂粒子の懸濁液
を製造する方法である。その後、前記樹脂粒子を懸濁液
から分離して乾燥することによりトナーを得ることがで
きる。この製造方法によれば、ポリエステル樹脂中に高
分子成分(ゲル成分)が存在する場合でも、高分子成分
の分子鎖が切断されないため、樹脂に高シェアを加える
前記の溶融混練工程を経てトナーを製造する方法よりも
好ましい。
【0065】本発明の静電荷像現像用トナーを製造する
のに用いるポリエステル樹脂は、カルボキシル基を含有
する樹脂である。カルボキシル基を含有するポリエステ
ル樹脂は、酸性の基であるカルボキシル基を中和するこ
とにより自己水分散性の樹脂となる。自己水分散性を有
する樹脂は、カルボキシル基がアニオンとなることによ
り親水性を増し、水性媒体(水または水を主成分とする
液媒体)中に分散する。
【0066】酸性の基であるカルボキシル基を中和する
ために用いる塩基としては、特に制限はなく、例えば水
酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニアのごとき
無機塩基や、ジエチルアミン、トリエチルアミン、イソ
プロピルアミンのごとき有機塩基が用いられる。
【0067】ポリエステル樹脂と着色剤と必要に応じて
添加する離型剤等を溶解あるいは分散させるための有機
溶剤としては、例えばペンタン、ヘキサン、ヘプタン、
ベンゼン、トルエン、キシレン、シクロヘキサン、石油
エーテルのごとき炭化水素類;塩化メチレン、クロロホ
ルム、ジクロロエタン、ジクロロエチレン、トリクロロ
エタン、トリクロロエチレン、四塩化炭素のごときハロ
ゲン化炭化水素類;アセトン、メチルエチルケトン、メ
チルイソブチルケトンのごときケトン類;酢酸エチル、
酢酸ブチルのごときエステル類、などが用いられる。こ
れらの溶剤は、単独で用いることも、2種以上を混合し
て用いることもできる。また、有機溶剤は、ポリエステ
ル樹脂を溶解するものであり、毒性が比較的低く、かつ
後工程で脱溶剤し易い低沸点のものが好ましく、そのよ
うな溶剤としては、メチルエチルケトンが最も好まし
い。
【0068】前記のポリエステル樹脂と必要に応じて添
加される着色剤等と有機溶剤からなる混合物を、塩基の
存在下に、水性媒体と混合して乳化する際には転相促進
剤を添加するのが好ましい。転相促進剤とは、転相促進
機能を有するものを指している。すなわち、ポリエステ
ル樹脂と着色剤等と有機溶剤からなる混合物に水性媒体
(水または水を主成分とする液媒体)を添加する工程に
おいては、前記混合物の有機連続相に水を徐々に添加す
ることで、Water in Oilの不連続相が生成し、さらに
水を追加して添加することで、Oil in Waterの不連続
相に転相して、水性媒体中に前記混合物が粒子(液滴)
として浮遊する懸濁液が形成される。この時、Water i
n Oilの不連続相からOil in Waterの不連続相への転
相をよりスムーズに促進させるための機能を有するもの
を指して転相促進剤と称している。
【0069】本発明で使用するポリエステル樹脂は、中
和することにより自己水分散性を有するので、転相促進
剤を使用しなくとも水性媒体中に分散することは可能で
ある。しかし、本発明で使用するポリエステル樹脂にお
いては、転相促進剤を使用することにより、平均粒子
径、及び、粒度分布等の好適な粉体トナーを製造するこ
とが容易になる。
【0070】本発明での転相促進剤は、次のものが使用
できる。 アルコール溶剤 金属塩化合物
【0071】アルコール溶剤としては、メタノール、エ
タノール、イソプロパノール、n−プロパノール、イソ
ブタノール、n−ブタノール、t−ブタノール、sec
−ブタノール、エチレングリコールモノメチルエーテ
ル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレ
ングリコールモノエチルエーテルなどが使用できる。勿
論、その他のものであっても使用できる。中でも好まし
いものは、水に溶解し沸点が低い、イソプロパノール、
n−プロパノールが好ましい。アルコール溶剤の使用量
は、樹脂固形分100重量部当たり、概ね、10〜50
重量部程度であるが、勿論、この量に限定されるもので
はない。
【0072】金属塩化合物としては、公知のものが使用
できるが、2価以上の金属塩で水に溶解するものが好ま
しい。例えば、塩化バリウム、塩化カルシウム、塩化第
一銅、塩化第二銅、塩化第一鉄、塩化第二鉄、などが挙
げられる。金属塩化合物の使用量は、樹脂固形分100
重量部当たり、概ね、0.01〜3重量部程度である
が、勿論、この量に限定されるものではない。
【0073】ポリエステル樹脂、着色剤等、有機溶剤、
塩基性中和剤、及び転相促進剤とからなる混合物を水性
媒体中に乳化分散させる方法としては、特別な方法に限
定されるものではない。
【0074】本発明の製法ではホモミクサー(特殊機化
工業株式会社)、あるいはスラッシャー(三井鉱山株式
会社)、キャビトロン(株式会社ユーロテック)、マイ
クロフルイダイザー(みづほ工業株式会社)、マントン
・ゴーリンホモジナイザー(ゴーリン社)、ナノマイザ
ー(ナノマイザー株式会社)、スタテイックミキサー
(ノリタケカンパニー)などの高シェアー乳化分散機機
や連続式乳化分散機等も使用できる。
【0075】しかしながら、例えば、特開平9−114
135で開示されているような攪拌装置、アンカー翼、
タービン翼、ファウドラー翼、フルゾーン翼、マックス
ブレンド翼、半月翼等を使用して、該攪拌翼の周速が
0.2〜5m/s、より好ましくは0.5〜4m/sの
低シェアーで攪拌しながら水を滴下する方法が好まし
い。このような低シェア条件下において転相を行うこと
により、微粉の発生を抑えることができ、より好ましい
均一な粒度分布のトナーを得ることができる。
【0076】転相により得られた球形〜略球形の樹脂粒
子の懸濁液については、蒸留等の手段により有機溶媒を
除去することが好ましい。次いで、樹脂粒子の懸濁液を
濾過等の手段で固液分離し、樹脂粒子を乾燥させること
により、トナーを得ることができる。
【0077】また、このような転相により得られた球形
〜略球形の樹脂粒子の懸濁液については、有機溶剤を除
去した後に、例えば、塩酸、硫酸、リン酸、酢酸、シュ
ウ酸などの酸で、該粒子表面の中和された酸性基親水性
基を元の官能基に戻す逆中和処理を行い、該粒子そのも
のの親水性をより低下させてから、水を除去して濾別乾
燥するのが好ましい。
【0078】乾燥方法としては、公知慣用の方法がいず
れも採用可能であるが、例えば、トナー粒子が熱融着や
凝集しない温度で、常圧下または減圧下で乾燥させる方
法、凍結乾燥させる方法、などが挙げられる。また、ス
プレードライヤー等を用いて、水性媒体からのトナー粒
子の分離と乾燥とを同時に行う方法も挙げられる。特
に、トナー粒子が熱融着や凝集しない温度で加熱しなが
ら、減圧下で、粉体を攪拌して乾燥させる方法や、加熱
乾燥空気流を用いて瞬時に乾燥させるというフラッシュ
ジェットドライヤー(セイシン企業株式会社)などを使
用する方法が、効率的であり好ましい。
【0079】形成されたトナー粒子の粒度分布を整える
ため、粗大粒子や微細粒子を除去するための分級が必要
な場合には、乾燥終了後に、気流式分級機を用いて公知
慣用の方法で行うことができる。また、着色樹脂粒子が
水性媒体中に分散している状態で遠心分離機により分級
する方法を用いても良い。また、粗大粒子の除去につい
ては、着色樹脂粒子の水スラリーをフィルターや湿式振
動篩いなどで濾過することにより行うことができる。な
お、本発明のトナーの粒度分布については、コールター
マルチサイザーによる測定で、50%体積粒径(Dv)
/50%個数粒径(Dn)が1.35以下、より好まし
くは1.30以下が良好な画像を得られるので好まし
い。
【0080】本発明の静電荷像現像用トナーとしては、
その体積平均粒径として、得られる画像品質などの点か
ら1〜15μmの範囲にあるものが好ましく、3〜10
μm程度がより好ましい。特に3〜7μmの範囲である
ことが好適である。体積平均粒径が小さくなると解像性
や階調性が向上するだけでなく、印刷画像を形成するト
ナー層の厚みが薄くなり、ページあたりのトナー消費量
が減少するという効果も発現され好ましい。
【0081】本発明では、トナーの流動性向上、帯電特
性改良などトナー母体の表面改質のために種々の添加剤
(外添剤と呼ぶ)を用いることができる。本発明で用い
ることのできる外添剤としては、例えば二酸化珪素、酸
化チタン、酸化アルミ、酸化セリウム、酸化亜鉛、酸化
錫、酸化ジルコニウム等の無機微粉体及びそれらをシリ
コーンオイル、シランカップリング剤などの疎水化処理
剤で表面処理したもの、ポリスチレン、アクリル、スチ
レンアクリル、ポリエステル、ポリオレフィン、セルロ
ース、ポリウレタン、ベンゾグアナミン、メラミン、ナ
イロン、シリコン、フェノール、フッ化ビニリデン、テ
フロン(登録商標)等の樹脂微粉体等が用いられる。
【0082】これらの中でも各種のポリオルガノシロキ
サンやヘキサメチレンジシラザンやシランカップリング
剤等で表面を疎水化処理した二酸化珪素(シリカ)が特
に好適に用いることができる。そのようなものとして、
例えば、次のような商品名で市販されているものがあ
る。
【0083】AEROSIL R972,R974,R
202,R805,R812,RX200,RY20
0、 R809,RX50,RA200HS,RA20
0H〔日本アエロジル(株)〕 WACKER HDK H2000、H1018、H
2050EP、HDKH3050EP、HVK2150
〔ワッカーケミカルズイーストアジア(株)〕 Nipsil SS−10、SS−15,SS−2
0,SS−50,SS−60,SS−100、SS−5
0B,SS−50F,SS−10F、SS−40、SS
−70,SS−72F、〔日本シリカ工業(株)〕 CABOSIL TG820F、TS−530、TS−
720〔キャボット・スペシャルティー・ケミカルズ・
インク〕 外添剤の粒子径はトナー粒子の直径の1/3以下である
ことが望ましく、特に好適には1/10以下である。ま
た、これらの外添剤は、異なる平均粒子径の2種以上を
併用してもよい。
【0084】特に非磁性一成分現像用トナーにおいて
は、粒子径大のものと粒子径小のものとを併用すること
により、トナー流動性及び現像耐久性を向上させ、現像
機のブレードへの固着及びカブリの防止、ランニング時
における帯電の長期安定性等が得られ、好ましい。外添
剤の使用割合は母体トナー100重量部に対して、0.
05〜5重量%、好ましくは0.1〜3重量%である。
【0085】前記シリカを、トナー粒子に外添させる方
法としては、例えば通常の粉体用混合機であるヘンシェ
ルミキサーなどや、ハイブリダイザー等のいわゆる表面
改質機を用いて行うことができる。尚、この外添処理
は、トナー粒子の表面にシリカが付着させるようにして
も良いし、シリカの一部がトナー粒子に埋め込まれるよ
うにしても良い。
【0086】本発明のトナーは、電子写真法による静電
潜像の現像用として、一成分現像剤、非磁性一成分現像
剤あるいはキャリアと混合した二成分現像剤として使用
できる。キャリアの種類には特に制限はなく、公知慣用
の鉄粉、フェライト、マグネタイト等やそれらに樹脂コ
ートしたキャリアが用いられる。
【0087】また、本発明のトナーは、現像剤担持ロー
ルと層規制部材とを有する非磁性一成分現像装置等を用
いて摩擦帯電された粉体トナーを、トナー通過量等を調
節する機能の電極を周囲に有するフレキシブルプリント
基板上の穴を通して、背面電極上の紙に直接吹き付けて
画像を形成する方法である、いわゆるトナージェット方
式のプリンター等にも好適に使用できる。本発明のトナ
ーは、定着性やカラー特性に優れることに加え、球形で
あることから、不定形トナーに比べて、トナージェット
方式におけるトナー飛翔の制御が容易になる。
【0088】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明はこれに限定されるものではない。なお、
本実施例・比較例では、特に表示がない限り部は重量
部、水は脱イオン水の意である。
【0089】 (合成例1) ・ナフタレンジカルボン酸 87重量部 ・テレフタル酸 166重量部 ・イソフタル酸 83重量部 ・シクロヘキサンジメタノール 72重量部 ・ネオペンチルグリコール 104重量部 ・ジエチレングリコール 53重量部 ・トリメチロールプロパン 20重量部
【0090】以上の原料をガラス製2リットルの四ツ口
フラスコに入れ温度計、攪拌棒及び窒素導入管を取り付
け、電熱マントルヒーター中で、常圧窒素気流下にて2
40℃で10時間反応後、順次減圧し、1330Pa
(10mmHg)で反応を続行した。反応はASTM・
E28−517に準じる軟化点により追跡し、軟化点が
141℃に達した時反応を終了した。得られた重合体
は、無色の固体であり、酸価9、DSC測定法によるガ
ラス転移温度69℃であった。樹脂の最終的な軟化点は
フローテスターCFT−500にてT1/2を測定し
た。本合成例1の樹脂は軟化点(T1/2)が143℃
であった。
【0091】合成例1に準じた方法で表−1に示した配
合により、結着樹脂を製造した。合成した樹脂の物性値
を表−1中に記載した。
【0092】
【表1】
【0093】表中の表示は以下の通り。 ・NDC:ナフタレンジカルボン酸 ・TPA:テレフタル酸 ・IPA:イソフタル酸 ・BPA(2.2)PO:ビスフェノールAプロピレン
オキサイド2.2モル付加物 ・NPG:ネオペンチルグリコール ・EG:エチレングリコール ・CHDM:1,4−シクロヘキサンジメタノール
【0094】表1における「T1/2 温度」は、前述した
ように島津製作所製フローテスタCFT−500を用い
て、ピストン断面積1cm2 、シリンダ圧力0.98M
Pa、ダイ長さ1mm、ダイ穴径1mm、測定開始温度
50゜C、昇温速度6゜C/min、試料重量1.5g
の条件で行った。また、ガラス転移温度である「Tg」
は 、島津製作所製示差走査熱量計DSC−50を用
い、セカンドラン法により毎分10℃の昇温速度で測定
した値である。
【0095】(離型剤及び離型剤分散体の調製)離型剤
105部とポリエステル樹脂(表1中の合成例1の樹
脂)45部とメチルエチルケトンの280部とをボール
ミルに仕込み、18時間攪拌した後取り出し、固形分含
有量を20重量%に調整し、離型剤の微分散体(W1〜
W7)を得た。製造した離型剤分散体を表2に示す。
【0096】
【表2】
【0097】表2に示した離型剤は以下の通りである。 合成エステル:ペンタエリスリトールのテトラベヘン酸
エステル カルナウバワックス:精製カルナバワックスNo.1
(酸価5、セラリカNODA(株)製) 550P:「ビスコール550P」(三洋化成製ポリプ
ロピレンワックス)
【0098】(着色剤分散液の調製)着色剤と樹脂をそ
れぞれ100重量部、メチルエチルケトン200重量部
をボールミルに仕込み、18時間攪拌した後取り出し、
固形分含有量を20重量%に調整し、着色剤分散液(P
1〜P7)を得た。得られた着色剤分散液の性状等を表
3に示す。
【0099】
【表3】
【0100】表3に示した着色剤は以下の通りである。
【0101】エルフテックス8;カーボンブラック「E
LFTEX−8」(キャボット社製) PIG B 15:3;KET Blue 111「大日本インキ化学工業」製
(Pigment Blue 15:3)PIG Y 180;Toner Yellow HG V
P2155「クラリアントジャパン」製(Pigment Y 180) PIG R 122;Fastogen Super Magenta R「大日本インキ
化学工業(株)製」(Pigment Red 122)
【0102】(湿式混練ミルベースの調製)上記着色剤
分散液、樹脂、メチルエチルケトンをデスパーで混合
し、固形分含有量を50%に調整してミルベース(MB
1〜MB7)を作製した。作製したミルベースの配合を
表4に示す。
【0103】
【表4】
【0104】(実施例1)表4に示したMB1を600
部、表2に示したW1を100部、メチルエチルケトン
を57.5部、転相促進剤としてイソプロピルアルコー
ルを29.0部、1規定のアンモニア水溶液を25.8
部、円筒型容器に仕込み、よく攪拌した。続いて、水2
30部を加え、液温を30℃として、攪拌下に水を44
部滴下し、転相乳化を行った。この時の周速は1.05
m/sであった。30分間攪拌を続けた後、回転を落と
し、水400部を添加した。
【0105】ここで、粒子の水スラリーを光学顕微鏡で
観察したところ、離型剤の凝集物は観察されず、流出し
ている離型剤も見られなかった。また、コールターカウ
ンターで粒度分布を測定したところ、Dv(体積平均粒
子径)/Dn(個数平均粒子径)は1.25で、粗大粒
子の発生は見られなかった。
【0106】次いで、減圧蒸留で溶剤を除去し、濾過水
洗を行った。続いて、得られたウエットケーキを水に再
分散させ、分散液のPHが約4になるまで1規定塩酸水
溶液を加えた後、濾過水洗を繰り返した。このようにし
て得られたウエットケーキを凍結乾燥して、体積平均粒
径が6.5μm、平均円形度が0.983のトナー粒子
を得た。
【0107】得られたトナー粒子を樹脂包埋して、ミク
ロトームで切断し、さらにルテニウム酸四酸化物で染色
した断面をTEM(透過型電子顕微鏡)で観察したとこ
ろ、顔料とワックスがポリエステル樹脂に内包され、か
つ、粒子内にほぼ均一に分散している状態が観察され
た。その後、ヘンシェルミキサーを用いて、得られたト
ナー粒子100部に疎水性シリカ「日本アエロジル製シ
リカ:RY200」2部を外添して、粉体トナー(静電
荷像現像用トナー)を得た。
【0108】(比較例1)表1に示した樹脂合成例1の
樹脂を85.5部、離型剤としてペンタエリスリトール
のテトラベヘン酸エステルを4.5部、着色剤としてカ
ーボンブラック「ELFTEX−8」(キャボット社
製)を10部、二軸混練押し出し機で混練して、さらに
これを粉砕し分級して、体積平均粒径5.5μmの粉体
トナー(比較例1−1)と、体積平均粒径7.8μmの
粉体トナー(比較例1−2)とを得た。得られた粉体ト
ナーを、上記実施例1のトナーと同様にしてTEM(透
過型電子顕微鏡)で観察したところ、これら比較例のト
ナーはいずれもカーボンブラックとワックスの一部がト
ナー粒子表面に露出しているのが観察された。
【0109】(比較例3)表1に示した樹脂合成例4の
樹脂を85.5部、離型剤としてペンタエリスリトール
のテトラベヘン酸エステルを4.5部、着色剤としてFa
stogen Super Magenta R「大日本インキ化学工業(株)
製」を10部、二軸混練押し出し機で混練して、さらに
これを粉砕し分級して、体積平均粒径6.7μmの粉体
トナーを得た。得られた粉体トナーを、上記実施例1の
トナーと同様にしてTEM(透過型電子顕微鏡)で観察
したところ、これら比較例のトナーはいずれも顔料とワ
ックスの一部がトナー粒子表面に露出しているのが観察
された。
【0110】(その他の実施例および比較例)その他の
実施例、比較例について実施例1と同様の方法で製造し
た。各実施例、比較例の粉体トナーの、使用MB(ミル
ベース)および使用離型剤、さらには平均円形度等の測
定値について表5及び表6に示す。表5は架橋あるいは
分岐型ポリエステル樹脂を用いた実施例及び比較例であ
り、表6は直鎖型ポリエステル樹脂を用いた実施例及び
比較例である。また、造粒性とは、転相乳化して得られ
たトナーのDv(体積平均粒子径)/Dn(個数平均粒
子径)を意味し、この値が1に近いほどシャープな粒度
分布であることを示しており造粒性が優れている。
【0111】
【表5】
【0112】
【表6】 表5、及び表6中の表記 合成エステル;ペンタエリスリトールのテトラベヘン酸
エステル
【0113】<1>表5及び表6の各実施例、各比較例
のトナーの定着試験・耐熱凝集テスト (定着性試験)定着温度幅について、以下に示す定着性
試験によって定着温度を求め、その上限値と下限値との
範囲を定着温度幅とした。実施例および比較例の各粉体
トナーを用い、市販の有機光半導体を感光体として使用
したプリンターの改造機を用いて未定着画像が紙上に形
成されたテストサンプルを作製し、それを100mm/
秒のスピードで、リコーイマジオDA−250のヒート
ロール(オイルレス型)に通して定着を行い、定着後の
画像にセロテープを貼り、剥離後のID(画像濃度)が
元のIDの90%以上であって、かつオフセットの発生
が見られないときのヒートロールの表面温度を「定着温
度」とした。結果を表7及び表8にまとめた。
【0114】(耐熱凝集テスト)100ccの蓋のない
円筒形ポリカップにトナー10gを入れて65℃に設定
された恒温槽内に放置した。24時間経過後ポリカップ
を取り出し、水平な台上にゆっくりとポリカップを傾け
て中のトナーを出した。その際に、トナー粒子同士の融
着による凝集が全くなく、台上にトナー粉末が広がる状
態を○、やや凝集があるが指でつつくと簡単にほぐれる
状態を△、台上に出しても凝集したままでポリカップに
入っていたときの形状をほぼ保っている状態を×とし
た。結果を表7及び表8にまとめた。
【0115】<2>表5の各実施例、各比較例のトナー
の印刷試験 (印刷試験)表5に記載の各実施例及び比較例のトナー
について、シリコンコートフェライトキャリアー(粒径
80μm)と、トナー濃度が3重量%になるようにして
混合し、二成分現像方式の複写機で画出し試験を行い、
カブリ、解像性、階調性、OHP透過性、転写効率をそ
れぞれ評価した。得られた評価結果を表7に示す。な
お、カブリ、解像性、階調性については、テストパター
ンを用いて画像を目視で評価した。評価結果は、「○」
は標準よりやや良、「◎」はさらに良、として表した。
また、転写効率については、以下に示す転写効率測定方
法によって求めた値で示した。
【0116】(転写効率測定方法)市販の二成分現像方
式の複写機を用いて、ベタ画像(縦100mm×横20
mm)を現像し、感光体上のベタ画像が転写部を50%
通過したところで、マシンを停止させる。その後、感光
体上の未転写画像(ベタ)・転写後の未定着ベタ画像を
それぞれテープ(30mm×20mm)にて完全に剥離
し、未転写画像のトナー量と転写後のトナー量とを測定
し、下記の式より転写効率(%)を算出した。得られた
評価結果を表7に示す。 転写効率=100−(転写後のトナー量/未転写画像の
トナー量×100)
【0117】
【表7】
【0118】<2>表6の各実施例、各比較例のトナー
の印刷試験 (印刷試験)表6に記載の各実施例及び比較例のトナー
について、市販の負帯電型非磁性一成分現像方式のプリ
ンターを用いて印刷を行い、カブリ、解像性、階調性、
OHP透過性、転写効率をそれぞれ評価した。得られた
評価結果を表8に示す。なお、カブリ、解像性、階調性
については、テストパターンを用いて画像を目視で評価
した。評価結果は、「○」は標準よりやや良、「◎」は
さらに良、として表した。また、転写効率については、
以下に示す転写効率測定方法によって求めた値で示し
た。
【0119】(転写効率測定方法)市販の負帯電型非磁
性一成分現像方式のプリンターを用いて、ベタ画像(縦
100mm×横20mm)を現像し、感光体上のベタ画
像が転写部を50%通過したところで、プリンターを停
止させる。その後、感光体上の未転写画像(ベタ)・転
写後の未定着ベタ画像をそれぞれテープ(30mm×2
0mm)にて完全に剥離し、未転写画像のトナー量と転
写後のトナー量とを測定し、下記の式より転写効率
(%)を算出した。得られた評価結果を表8に示す。 転写効率=100−(転写後のトナー量/未転写画像の
トナー量×100)
【0120】さらに、OHP透過性については、以下に
示すOHP鮮明度の評価方法によって評価した。 (OHP鮮明度の評価方法)OHPシート上にカラート
ナーによる未定着画像を形成し、別に用意した定着試験
器により未定着画像の定着を行った。ヒートロール温度
160℃、90mm/秒のスピードで、リコーイマジオ
DA−250のヒートロール(オイルレス型)に通して
定着を行った。上記手順で作成したOHPシート上に、
クロで印刷されたOHPシートを置き、オーバーヘッド
プロジェクターにてスクリーンに投影し、文字の鮮明度
を目視で評価した。評価結果は、「○」は標準よりやや
良、「◎」はさらに良、として表8に示した。
【0121】
【表8】
【0122】表7及び表8に示した結果より、本発明の
実施例のトナーは、低温定着性、カブリ、解像性、階調
性、転写効率に優れていることが確認された。また、表
5及び表6から造粒性にも優れていることが判る。更に
表8からはOHP透過性についても優れていることが判
る。
【0123】
【発明の効果】以上に説明したように本発明の静電荷像
現像用トナーは、アルコール成分として脂肪族系多価ア
ルコールを主体とするポリエステル樹脂を使用し、球形
〜略球形の形状とすることにより、高濃度の着色剤、離
型剤をトナーの表面に露出することなく含有することが
でき、かつ小粒径化がなされることにより、低温定着
性、カブリ、転写効率、解像性、階調性に優れたものと
なる。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくともポリエステル樹脂を含有する
    静電荷像現像用トナーであって、前記ポリエステル樹脂
    が、(A)2価以上の多塩基酸及び/又は酸無水物及び
    /又はこれらの低級アルキルエステルから選ばれる多塩
    基酸化合物、及び、(B)全アルコール成分に対して7
    0モル%以上の脂肪族多価アルコールを含む2価以上の
    多価アルコールを反応させて得られるポリエステル樹脂
    を含有し、下記<数式1>で定義される前記静電荷像現
    像用トナーの平均円形度が0.97以上であることを特
    徴とする静電荷像現像用トナー。 <数式1> 平均円形度=(粒子投影面積と同じ面積の円の周長)/
    (粒子投影像の周長)
  2. 【請求項2】 前記多塩基酸化合物がナフタレンジカル
    ボン酸及び/又はその酸無水物及び/又はその低級アル
    キルエステルを全酸成分に対し5モル%以上の比率で含
    有することを特徴とする請求項1記載の静電荷像現像用
    トナー。
  3. 【請求項3】 前記脂肪族多価アルコールが1,4−シ
    クロヘキサンジメタノールを全アルコール成分に対し5
    モル%以上の比率で含有することを特徴とする請求項1
    又は2のいずれかに記載の静電荷像現像用トナー。
  4. 【請求項4】 前記ポリエステル樹脂の酸価が1〜30
    KOHmg/gであることを特徴とする請求項1、2又
    は3のいずれかに記載の静電荷像現像用トナー。
  5. 【請求項5】 更に、離型剤を含有することを特徴とす
    る請求項1、2、3又は4のいずれかに記載の静電荷像
    現像用トナー。
  6. 【請求項6】 前記離型剤が高級脂肪酸エステル化合物
    及び/又は脂肪族アルコール化合物を含有することを特
    徴とする請求項1、2、3、4又は5のいずれかに記載
    の静電荷像現像用トナー。
  7. 【請求項7】 少なくともポリエステル樹脂を含有する
    トナー用原料を塩基の存在下に水性媒体と混合させるこ
    とにより、前記水性媒体中に前記ポリエステル樹脂を含
    有する樹脂粒子の懸濁液を製造し、次いで前記樹脂粒子
    を前記懸濁液から分離する工程を含む静電荷像現像用ト
    ナーの製造方法であり、前記ポリエステル樹脂が、
    (A)2価以上の多塩基酸及び/又は酸無水物及び/又
    はこれらの低級アルキルエステルから選ばれる多塩基酸
    化合物、及び、(B)全アルコール成分に対して70モ
    ル%以上の脂肪族多価アルコールを含む2価以上の多価
    アルコールを反応させて得られるポリエステル樹脂を含
    有することを特徴とする静電荷像現像用トナーの製造方
    法。
  8. 【請求項8】 前記樹脂粒子の懸濁液を製造する工程に
    おいて、更に転相促進剤を添加することを特徴とする請
    求項7記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
  9. 【請求項9】 前記転相促進剤がアルコール系溶剤であ
    ることを特徴とする請求項8記載の静電荷像現像用トナ
    ーの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004286807A (ja) * 2003-03-19 2004-10-14 Ricoh Co Ltd 静電荷像現像用トナー

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