JP2002286675A - マイクロヒータ及びその製造方法とガスセンサ - Google Patents
マイクロヒータ及びその製造方法とガスセンサInfo
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 空気伝導により放出される熱の影響を防ぐこ
とができるマイクロヒータ及びその製造方法とガスセン
サを提供すること。 【解決手段】 マイクロヒータ1は、下部に空洞7が形
成された支持基板2と、支持基板2により支持され、熱
絶縁体3,4で形成されたダイアフラム5と、ダイアフ
ラム5上に形成されたヒータ6と、支持基板2の下面に
接合された密閉用部材16とからなり、空洞7内は空洞
7外より減圧されている。
とができるマイクロヒータ及びその製造方法とガスセン
サを提供すること。 【解決手段】 マイクロヒータ1は、下部に空洞7が形
成された支持基板2と、支持基板2により支持され、熱
絶縁体3,4で形成されたダイアフラム5と、ダイアフ
ラム5上に形成されたヒータ6と、支持基板2の下面に
接合された密閉用部材16とからなり、空洞7内は空洞
7外より減圧されている。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、マイクロヒータ及
びその製造方法と、該マイクロヒータを使用するガスセ
ンサに関する。
びその製造方法と、該マイクロヒータを使用するガスセ
ンサに関する。
【0002】
【従来の技術】従来のマイクロヒータは、特開平9−2
64862号公報等に開示されている。図5は、従来の
マイクロヒータの構造例を示す。マイクロヒータ1は、
シリコン基板2を異方性エッチングすることによって形
成された空洞7上に形成された、シリコン酸化物層2及
びシリコン窒化物層3からなるダイアフラム4と、ダイ
アフラム4上に形成されたヒータ6とを備えている。ヒ
ータ6の両端には、電極8が形成されている。
64862号公報等に開示されている。図5は、従来の
マイクロヒータの構造例を示す。マイクロヒータ1は、
シリコン基板2を異方性エッチングすることによって形
成された空洞7上に形成された、シリコン酸化物層2及
びシリコン窒化物層3からなるダイアフラム4と、ダイ
アフラム4上に形成されたヒータ6とを備えている。ヒ
ータ6の両端には、電極8が形成されている。
【0003】図6は、図5のマイクロヒータ1を用いた
ガスセンサの構造例を示す。ガスセンサ10は、ヒータ
6上に形成されたガス感応部11を追加具備したマイク
ロヒータ1のシリコン基板2の下面を、台座13に接合
すると共に、リード線12の一方の端部を電極8にボン
ディング法で接合しかつリード線12の他方の端部を台
座13を貫通して固定されたリード端子14に接合して
いる。
ガスセンサの構造例を示す。ガスセンサ10は、ヒータ
6上に形成されたガス感応部11を追加具備したマイク
ロヒータ1のシリコン基板2の下面を、台座13に接合
すると共に、リード線12の一方の端部を電極8にボン
ディング法で接合しかつリード線12の他方の端部を台
座13を貫通して固定されたリード端子14に接合して
いる。
【0004】上述のマイクロヒータ1またはマイクロヒ
ータ1を使用したガスセンサ10を使用する際、ダイア
フラム5上に形成したヒータ6を高温で駆動する場合、
その消費電力を決定する因子は、1)ダイアフラム構造
体(すなわち、ダイアフラム5の薄膜)を伝導し、シリ
コン基板2に流れる熱と、2)空気を介して放出する熱
と、3)輻射による熱である。
ータ1を使用したガスセンサ10を使用する際、ダイア
フラム5上に形成したヒータ6を高温で駆動する場合、
その消費電力を決定する因子は、1)ダイアフラム構造
体(すなわち、ダイアフラム5の薄膜)を伝導し、シリ
コン基板2に流れる熱と、2)空気を介して放出する熱
と、3)輻射による熱である。
【0005】従来の構造は、因子1)に着目したもので
あり、シリコン基板2の下部に空洞7を設けてダイアフ
ラム5構造を形成することで、シリコン基板2への熱伝
導を防いでいる。
あり、シリコン基板2の下部に空洞7を設けてダイアフ
ラム5構造を形成することで、シリコン基板2への熱伝
導を防いでいる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上述の構造
は、シリコン基板2に流れる熱量を最小化するのには有
効であるが、上述のその他の因子に対しては、抑制する
手段となっていない。すなわち、空洞7内には空気が存
在し、ヒータ6からの熱は、ダイアフラム5と空洞7内
の空気を介して放出され、消費電力に影響を及ぼすこと
となる。
は、シリコン基板2に流れる熱量を最小化するのには有
効であるが、上述のその他の因子に対しては、抑制する
手段となっていない。すなわち、空洞7内には空気が存
在し、ヒータ6からの熱は、ダイアフラム5と空洞7内
の空気を介して放出され、消費電力に影響を及ぼすこと
となる。
【0007】そこで、本発明は、上記のような問題点に
着目し、空気伝導により放出される熱の影響を防ぐこと
ができるマイクロヒータ及びその製造方法とガスセンサ
を提供することを課題とする。
着目し、空気伝導により放出される熱の影響を防ぐこと
ができるマイクロヒータ及びその製造方法とガスセンサ
を提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
になされた請求項1記載の発明は、下部に空洞が形成さ
れた支持基板と、上記支持基板により支持され、熱絶縁
体で形成されたダイアフラムと、前記ダイアフラム上に
形成されたヒータと、前記支持基板の下面に接合された
密閉用部材とからなり、上記空洞内は、上記空洞外より
減圧されていることを特徴とするマイクロヒータに存す
る。
になされた請求項1記載の発明は、下部に空洞が形成さ
れた支持基板と、上記支持基板により支持され、熱絶縁
体で形成されたダイアフラムと、前記ダイアフラム上に
形成されたヒータと、前記支持基板の下面に接合された
密閉用部材とからなり、上記空洞内は、上記空洞外より
減圧されていることを特徴とするマイクロヒータに存す
る。
【0009】請求項1記載の発明によれば、マイクロヒ
ータは、下部に空洞が形成された支持基板と、支持基板
により支持され、熱絶縁体で形成されたダイアフラム
と、ダイアフラム上に形成されたヒータと、支持基板の
下面に接合された密閉用部材とからなり、空洞内は、空
洞外より減圧されている。
ータは、下部に空洞が形成された支持基板と、支持基板
により支持され、熱絶縁体で形成されたダイアフラム
と、ダイアフラム上に形成されたヒータと、支持基板の
下面に接合された密閉用部材とからなり、空洞内は、空
洞外より減圧されている。
【0010】上記課題を解決するためになされた請求項
2記載の発明は、前記空洞内はほぼ真空状態に維持され
ていることを特徴とする請求項1記載のマイクロヒータ
に存する。
2記載の発明は、前記空洞内はほぼ真空状態に維持され
ていることを特徴とする請求項1記載のマイクロヒータ
に存する。
【0011】請求項2記載の発明によれば、空洞内はほ
ぼ真空状態に維持されている。
ぼ真空状態に維持されている。
【0012】上記課題を解決するためになされた請求項
3記載の発明は、前記空洞内は真空度1torr以下に
維持されていることを特徴とする請求項2記載のマイク
ロヒータに存する。
3記載の発明は、前記空洞内は真空度1torr以下に
維持されていることを特徴とする請求項2記載のマイク
ロヒータに存する。
【0013】請求項3記載の発明によれば、空洞内は真
空度1torr以下に維持されている。
空度1torr以下に維持されている。
【0014】上記課題を解決するためになされた請求項
4記載の発明は、前記密閉用部材はガラス基板からなる
ことを特徴とする請求項1記載のマイクロヒータに存す
る。
4記載の発明は、前記密閉用部材はガラス基板からなる
ことを特徴とする請求項1記載のマイクロヒータに存す
る。
【0015】請求項4記載の発明によれば、密閉用部材
はガラス基板からなる。
はガラス基板からなる。
【0016】上記課題を解決するためになされた請求項
5記載の発明は、シリコン基板上にシリコン酸化物層を
形成するステップと、上記シリコン酸化物層上にシリコ
ン窒化物層を形成するステップと、上記シリコン窒化物
層上にヒータを形成するステップと、上記シリコン基板
の下面の所定領域を上記シリコン酸化物層までエッチン
グして空洞を形成すると共に、上記シリコン酸化物層及
び上記シリコン窒化物層からなる熱絶縁体でダイアフラ
ムを形成するステップと、上記空洞がほぼ真空状態で密
閉されるように、上記シリコン基板の下面を密閉用部材
に接合するステップと、からなるマイクロヒータの製造
方法に存する。
5記載の発明は、シリコン基板上にシリコン酸化物層を
形成するステップと、上記シリコン酸化物層上にシリコ
ン窒化物層を形成するステップと、上記シリコン窒化物
層上にヒータを形成するステップと、上記シリコン基板
の下面の所定領域を上記シリコン酸化物層までエッチン
グして空洞を形成すると共に、上記シリコン酸化物層及
び上記シリコン窒化物層からなる熱絶縁体でダイアフラ
ムを形成するステップと、上記空洞がほぼ真空状態で密
閉されるように、上記シリコン基板の下面を密閉用部材
に接合するステップと、からなるマイクロヒータの製造
方法に存する。
【0017】請求項5記載の発明によれば、マイクロヒ
ータの製造方法は、シリコン基板上にシリコン酸化物層
を形成するステップと、シリコン酸化物層上にシリコン
窒化物層を形成するステップと、シリコン窒化物層上に
ヒータを形成するステップと、シリコン基板の下面の所
定領域をシリコン酸化物層までエッチングして空洞を形
成すると共に、シリコン酸化物層及びシリコン窒化物層
からなる熱絶縁体でダイアフラムを形成するステップ
と、空洞がほぼ真空状態で密閉されるように、シリコン
基板の下面を密閉用部材に接合するステップとからな
る。
ータの製造方法は、シリコン基板上にシリコン酸化物層
を形成するステップと、シリコン酸化物層上にシリコン
窒化物層を形成するステップと、シリコン窒化物層上に
ヒータを形成するステップと、シリコン基板の下面の所
定領域をシリコン酸化物層までエッチングして空洞を形
成すると共に、シリコン酸化物層及びシリコン窒化物層
からなる熱絶縁体でダイアフラムを形成するステップ
と、空洞がほぼ真空状態で密閉されるように、シリコン
基板の下面を密閉用部材に接合するステップとからな
る。
【0018】上記課題を解決するためになされた請求項
6記載の発明は、請求項1〜4のいずれか1項に記載の
マイクロヒータを用いたことを特徴とするガスセンサに
存する。
6記載の発明は、請求項1〜4のいずれか1項に記載の
マイクロヒータを用いたことを特徴とするガスセンサに
存する。
【0019】請求項6記載の発明によれば、ガスセンサ
は、請求項1〜4のいずれか1項に記載のマイクロヒー
タを用いている。
は、請求項1〜4のいずれか1項に記載のマイクロヒー
タを用いている。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して説明する。
て図面を参照して説明する。
【0021】図1は、本発明によるマイクロヒータの実
施の形態を示す図であり、(a)は平面図、(b)は平
面図のX−X線断面図を示す。要約すれば、図1のマイ
クロヒータ1は、図5に示すマイクロヒータと同一構成
を有し、さらに追加的に、支持基板としてのシリコン基
板2の下部に密閉用部材としてのガラス基板16を接合
し、シリコン基板2とガラス基板16の間の空洞7内を
空洞7外より減圧した構造(好適には、ほぼ真空状態
(たとえば、真空度1torr以下)に維持した構造)
を特徴とする。
施の形態を示す図であり、(a)は平面図、(b)は平
面図のX−X線断面図を示す。要約すれば、図1のマイ
クロヒータ1は、図5に示すマイクロヒータと同一構成
を有し、さらに追加的に、支持基板としてのシリコン基
板2の下部に密閉用部材としてのガラス基板16を接合
し、シリコン基板2とガラス基板16の間の空洞7内を
空洞7外より減圧した構造(好適には、ほぼ真空状態
(たとえば、真空度1torr以下)に維持した構造)
を特徴とする。
【0022】以下、詳述すると、マイクロヒータ1は、
シリコン基板2を異方性エッチングすることによって形
成された空洞7上に形成された、シリコン酸化物(すな
わち、SiO2 )層2及びシリコン窒化物(すなわち、
Si3 N4 )層3からなる熱絶縁体で形成されたダイア
フラム4と、ダイアフラム4上に形成されたヒータ6と
を備えている。ヒータ6は、中央部に細い薄膜抵抗を多
数回折り曲げることにより形成され、その両端には、電
極8が形成されている。シリコン基板2の下部には密閉
用部材としてのガラス基板16が接合され、シリコン基
板2の下部に形成された空洞7は、ガラス基板16によ
って密閉され、空洞7内は、空洞7外の大気圧より減圧
した状態(好適には、ほぼ真空状態(たとえば、真空度
1torr以下))に維持されている。
シリコン基板2を異方性エッチングすることによって形
成された空洞7上に形成された、シリコン酸化物(すな
わち、SiO2 )層2及びシリコン窒化物(すなわち、
Si3 N4 )層3からなる熱絶縁体で形成されたダイア
フラム4と、ダイアフラム4上に形成されたヒータ6と
を備えている。ヒータ6は、中央部に細い薄膜抵抗を多
数回折り曲げることにより形成され、その両端には、電
極8が形成されている。シリコン基板2の下部には密閉
用部材としてのガラス基板16が接合され、シリコン基
板2の下部に形成された空洞7は、ガラス基板16によ
って密閉され、空洞7内は、空洞7外の大気圧より減圧
した状態(好適には、ほぼ真空状態(たとえば、真空度
1torr以下))に維持されている。
【0023】次に、図2は、図1のマイクロヒータを製
造する方法を説明する工程(ステップ)順に示した断面
図である。これらの断面図は、図1(a)におけるマイ
クロヒータ1のX−X線断面を示す。まず、図2(a)
に示すように、シリコン基板2の利用面にシリコン酸化
物(SiO2 )層3を形成し、次に図2(b)に示すよ
うに、その上にシリコン窒化物(Si3 N4 )層4を形
成する。
造する方法を説明する工程(ステップ)順に示した断面
図である。これらの断面図は、図1(a)におけるマイ
クロヒータ1のX−X線断面を示す。まず、図2(a)
に示すように、シリコン基板2の利用面にシリコン酸化
物(SiO2 )層3を形成し、次に図2(b)に示すよ
うに、その上にシリコン窒化物(Si3 N4 )層4を形
成する。
【0024】次に、図2(c)に示すように、リフトオ
フ法を用いてヒータ6を形成する。より詳細には、リフ
トオフ法を用いるヒータ6の形成は、次のように行う。
まず、シリコン窒化物層4の表面にホトレジストを塗布
し、ヒータ6のパターンを有するマスクで露光し、現像
してホトレジストのパターンを形成する。
フ法を用いてヒータ6を形成する。より詳細には、リフ
トオフ法を用いるヒータ6の形成は、次のように行う。
まず、シリコン窒化物層4の表面にホトレジストを塗布
し、ヒータ6のパターンを有するマスクで露光し、現像
してホトレジストのパターンを形成する。
【0025】図中、上方からTiとPtを順次被着して
Ti−Pt二層構造(またはPt単層構造)の薄膜抵抗
を形成し、ホトレジストを溶解してホトレジストの上の
Ti−Pt層(またはPt単層膜)をホトレジストと共
に除去し、ホトレジストのなかった部分のみにヒータ6
を残す。
Ti−Pt二層構造(またはPt単層構造)の薄膜抵抗
を形成し、ホトレジストを溶解してホトレジストの上の
Ti−Pt層(またはPt単層膜)をホトレジストと共
に除去し、ホトレジストのなかった部分のみにヒータ6
を残す。
【0026】これにより、中央部に薄膜抵抗を多数回折
り曲げて形成したヒータ6と、このヒータ6の両端から
引き出される電極8が、シリコン窒化物層4の上に形成
されることとなる。
り曲げて形成したヒータ6と、このヒータ6の両端から
引き出される電極8が、シリコン窒化物層4の上に形成
されることとなる。
【0027】次に、図2(d)に示すように、シリコン
基板2の下面にマスクを設け、シリコン基板2をシリコ
ン酸化物層3の下面まで異方性エッチングして空洞7を
形成することにより、シリコン酸化物層3及びシリコン
窒化物層4からなる熱絶縁体でダイアフラム5を形成す
る。これにより、ヒータ6は、形成されたダイアフラム
5上に位置することになる。
基板2の下面にマスクを設け、シリコン基板2をシリコ
ン酸化物層3の下面まで異方性エッチングして空洞7を
形成することにより、シリコン酸化物層3及びシリコン
窒化物層4からなる熱絶縁体でダイアフラム5を形成す
る。これにより、ヒータ6は、形成されたダイアフラム
5上に位置することになる。
【0028】次に、図2(e)に示すように、シリコン
基板2の下面に、シリコン基板2の空洞7が密閉される
ように、シリコン基板の下面外形寸法と一致した寸法を
有する、密閉用部材としてのガラス基板16を接合する
ことにより、マイクロヒータ1が完成する。この接合工
程は、たとえば、減圧室内で、室内の気圧が室外の気圧
より減圧された状態(好適には、ほぼ真空(たとえば、
真空度1torr以下)に保たれた状態)の下で、ロボ
ット作業で実行される。それにより、空洞7内は、空洞
7外より減圧された状態(好適には、ほぼ真空状態(た
とえば、真空度1torr以下))に維持される。
基板2の下面に、シリコン基板2の空洞7が密閉される
ように、シリコン基板の下面外形寸法と一致した寸法を
有する、密閉用部材としてのガラス基板16を接合する
ことにより、マイクロヒータ1が完成する。この接合工
程は、たとえば、減圧室内で、室内の気圧が室外の気圧
より減圧された状態(好適には、ほぼ真空(たとえば、
真空度1torr以下)に保たれた状態)の下で、ロボ
ット作業で実行される。それにより、空洞7内は、空洞
7外より減圧された状態(好適には、ほぼ真空状態(た
とえば、真空度1torr以下))に維持される。
【0029】次に、図3は、図1のマイクロヒータ1を
用いた本発明のガスセンサの構造を示す略図である。ガ
スセンサ10は、ヒータ6上に形成されたガス感応部1
1を追加具備したマイクロヒータ1のガラス基板2の下
面を、台座13に接合すると共に、リード線12の一方
の端部を電極8にボンディング法で接合しかつリード線
12の他方の端部を台座13を貫通して固定されたリー
ド端子14に接合している。
用いた本発明のガスセンサの構造を示す略図である。ガ
スセンサ10は、ヒータ6上に形成されたガス感応部1
1を追加具備したマイクロヒータ1のガラス基板2の下
面を、台座13に接合すると共に、リード線12の一方
の端部を電極8にボンディング法で接合しかつリード線
12の他方の端部を台座13を貫通して固定されたリー
ド端子14に接合している。
【0030】ガスセンサ10をCOガスセンサとして作
成する場合は、ガス感応部11は、たとえば、Rh粉末
5%とアルミナ粉末95%とアルミナ系バインダと水と
を混合してペーストを作り、このペーストをヒータ6上
に形成した保護層(図示しない)に塗布し、約700℃
で焼成して作る。
成する場合は、ガス感応部11は、たとえば、Rh粉末
5%とアルミナ粉末95%とアルミナ系バインダと水と
を混合してペーストを作り、このペーストをヒータ6上
に形成した保護層(図示しない)に塗布し、約700℃
で焼成して作る。
【0031】以上のように、マイクロヒータ1またはガ
スセンサ10の空洞7内は、空洞7外より減圧された状
態に維持されているので、ヒータ6からダイアフラム
5、空洞7内の空気を介する熱の放出が減少し、ヒータ
6を加熱するための消費電力が軽減される。空洞7内を
好適にほぼ真空状態(たとえば、真空度1torr以
下)にした場合には、ダイアフラム5、空洞7を介する
熱の放出がほとんど防がれる。
スセンサ10の空洞7内は、空洞7外より減圧された状
態に維持されているので、ヒータ6からダイアフラム
5、空洞7内の空気を介する熱の放出が減少し、ヒータ
6を加熱するための消費電力が軽減される。空洞7内を
好適にほぼ真空状態(たとえば、真空度1torr以
下)にした場合には、ダイアフラム5、空洞7を介する
熱の放出がほとんど防がれる。
【0032】図4は、本発明によるマイクロヒータの消
費電力対ヒータ温度の特性グラフを示す。図4におい
て、本発明にしたがって空洞7内を空洞7外より減圧し
た構造を有するマイクロヒータ1(図1)の特性曲線A
(真空度25torr)および特性曲線B(真空度1t
orr以下)は、図1のマイクロヒータ1と同一のヒー
タ形状、同一のダイアフラム形状でガラス基板16がな
く空洞7内に空気が存在する状態(真空度760tor
r)の構造を有する従来のマイクロヒータ(図5)の特
性曲線Cと比べて、同じヒータ温度を得るのに少ない消
費電力になっていることがわかる。特に、特性曲線Bと
特性曲線Cを比較した場合、特性曲線B羽、特性曲線C
よりも約33%の低消費電力化になっていることがわか
る。
費電力対ヒータ温度の特性グラフを示す。図4におい
て、本発明にしたがって空洞7内を空洞7外より減圧し
た構造を有するマイクロヒータ1(図1)の特性曲線A
(真空度25torr)および特性曲線B(真空度1t
orr以下)は、図1のマイクロヒータ1と同一のヒー
タ形状、同一のダイアフラム形状でガラス基板16がな
く空洞7内に空気が存在する状態(真空度760tor
r)の構造を有する従来のマイクロヒータ(図5)の特
性曲線Cと比べて、同じヒータ温度を得るのに少ない消
費電力になっていることがわかる。特に、特性曲線Bと
特性曲線Cを比較した場合、特性曲線B羽、特性曲線C
よりも約33%の低消費電力化になっていることがわか
る。
【0033】以上の通り、本発明の実施の形態について
説明したが、本発明はこれに限らず、種々の変形、応用
が可能である。
説明したが、本発明はこれに限らず、種々の変形、応用
が可能である。
【0034】たとえば、上述の実施の形態では、密閉用
部材としてガラス基板を使用しているが、これに代え
て、シリコン基板またはパッケージ等を密閉用部材とし
て用いても良い。
部材としてガラス基板を使用しているが、これに代え
て、シリコン基板またはパッケージ等を密閉用部材とし
て用いても良い。
【0035】また、本発明の構造は、シリコンマイクロ
マシニングを利用したデバイスのうち、ヒータを有する
ガスセンサに有効である。たとえば、接触燃焼式ガスセ
ンサ、半導体式ガスセンサ、熱線式ガスセンサ、固体電
解質センサ等に滴用可能である。また、見かけ上、熱容
量が減少するので、温度センサに適応した場合も有効で
ある。
マシニングを利用したデバイスのうち、ヒータを有する
ガスセンサに有効である。たとえば、接触燃焼式ガスセ
ンサ、半導体式ガスセンサ、熱線式ガスセンサ、固体電
解質センサ等に滴用可能である。また、見かけ上、熱容
量が減少するので、温度センサに適応した場合も有効で
ある。
【0036】
【発明の効果】請求項1記載の発明に係るマイクロヒー
タによれば、ヒータからダイアフラム、空洞を介する熱
の放出が減少し、ヒータを加熱するための消費電力が軽
減される。
タによれば、ヒータからダイアフラム、空洞を介する熱
の放出が減少し、ヒータを加熱するための消費電力が軽
減される。
【0037】請求項2記載の発明に係るマイクロヒータ
によれば、ヒータからダイアフラム、空洞を介する熱の
放出がほとんど防がれ、ヒータを加熱するための消費電
力が軽減される。
によれば、ヒータからダイアフラム、空洞を介する熱の
放出がほとんど防がれ、ヒータを加熱するための消費電
力が軽減される。
【0038】請求項3記載の発明に係るマイクロヒータ
によれば、空洞内を真空度1torr以下の状態にして
いるので、ヒータからダイアフラム、空洞を介する熱の
放出がほとんど防がれ、ヒータを加熱するための消費電
力が軽減される。
によれば、空洞内を真空度1torr以下の状態にして
いるので、ヒータからダイアフラム、空洞を介する熱の
放出がほとんど防がれ、ヒータを加熱するための消費電
力が軽減される。
【0039】請求項4記載の発明に係るマイクロヒータ
によれば、密閉用部材としてガラス基板を使用して、空
洞内をほぼ真空状態に維持することができる。
によれば、密閉用部材としてガラス基板を使用して、空
洞内をほぼ真空状態に維持することができる。
【0040】請求項5記載の発明に係るマイクロヒータ
の製造方法によれば、ヒータからダイアフラム、空洞を
介する熱の放出が減少し、ヒータを加熱するための消費
電力が軽減されるマイクロヒータが得られる。
の製造方法によれば、ヒータからダイアフラム、空洞を
介する熱の放出が減少し、ヒータを加熱するための消費
電力が軽減されるマイクロヒータが得られる。
【0041】請求項6記載の発明に係るガスセンサによ
れば、ヒータからダイアフラム、空洞を介する熱の放出
が減少し、ヒータを加熱するための消費電力が軽減され
る。
れば、ヒータからダイアフラム、空洞を介する熱の放出
が減少し、ヒータを加熱するための消費電力が軽減され
る。
【図1】本発明によるマイクロヒータの実施の形態を示
す図であり、(a)は平面図、(b)は平面図のX−X
線断面図を示す。
す図であり、(a)は平面図、(b)は平面図のX−X
線断面図を示す。
【図2】(a)〜(e)は、図1のマイクロヒータを製
造する方法を説明する工程(ステップ)順に示した断面
図である。
造する方法を説明する工程(ステップ)順に示した断面
図である。
【図3】図1のマイクロヒータ1を用いた本発明のガス
センサの構造を示す略図である。
センサの構造を示す略図である。
【図4】本発明によるマイクロヒータの消費電力対ヒー
タ温度の特性グラフを示す。
タ温度の特性グラフを示す。
【図5】従来のマイクロヒータの構造例を示し、(a)
は平面図、(b)は平面図のX−X線断面図である。
は平面図、(b)は平面図のX−X線断面図である。
【図6】図5のマイクロヒータを用いた従来のガスセン
サの構造例を示す略図である。
サの構造例を示す略図である。
1 マイクロヒータ 2 シリコン基板(支持基板) 3 シリコン酸化物層(熱絶縁体の一部) 4 シリコン窒化物層(熱絶縁体の一部) 5 ダイアフラム 6 ヒータ 7 空洞 8 電極 10 ガスセンサ 11 ガス感応部 12 リード線 13 台座 14 リード端子 16 ガラス基板(密閉用部材)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 豊田 和弘 静岡県裾野市御宿1500 矢崎総業株式会社 内 (72)発明者 石原 裕己 静岡県裾野市御宿1500 矢崎総業株式会社 内 Fターム(参考) 2G004 BB04 BF04 BJ03 BJ10 BL08 BM04 BM07 2G046 AA11 BA01 BB02 BE03 BF01 DB04 DB05 EA07 EA11 2G060 AA01 AB08 AE19 AF07 AG10 BA03 BB02 BB09 HB05 HB06 JA01
Claims (6)
- 【請求項1】 下部に空洞が形成された支持基板と、 上記支持基板により支持され、熱絶縁体で形成されたダ
イアフラムと、 上記ダイアフラム上に形成されたヒータと、 上記支持基板の下面に接合された密閉用部材とからな
り、 上記空洞内は、上記空洞外より減圧されていることを特
徴とするマイクロヒータ。 - 【請求項2】 前記空洞内はほぼ真空状態に維持されて
いることを特徴とする請求項1記載のマイクロヒータ。 - 【請求項3】 前記空洞内は真空度1torr以下に維
持されていることを特徴とする請求項2記載のマイクロ
ヒータ。 - 【請求項4】 前記密閉用部材はガラス基板からなるこ
とを特徴とする請求項1記載のマイクロヒータ。 - 【請求項5】 シリコン基板上にシリコン酸化物層を形
成するステップと、 上記シリコン酸化物層上にシリコン窒化物層を形成する
ステップと、 上記シリコン窒化物層上にヒータを形成するステップ
と、 上記シリコン基板の下面の所定領域を上記シリコン酸化
物層までエッチングして空洞を形成すると共に、上記シ
リコン酸化物層及び上記シリコン窒化物層からなる熱絶
縁体でダイアフラムを形成するステップと、 上記空洞がほぼ真空状態で密閉されるように、上記シリ
コン基板の下面を密閉用部材に接合するステップと、か
らなるマイクロヒータの製造方法。 - 【請求項6】 請求項1〜4のいずれか1項に記載のマ
イクロヒータを用いたことを特徴とするガスセンサ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001083589A JP2002286675A (ja) | 2001-03-22 | 2001-03-22 | マイクロヒータ及びその製造方法とガスセンサ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001083589A JP2002286675A (ja) | 2001-03-22 | 2001-03-22 | マイクロヒータ及びその製造方法とガスセンサ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002286675A true JP2002286675A (ja) | 2002-10-03 |
Family
ID=18939383
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001083589A Abandoned JP2002286675A (ja) | 2001-03-22 | 2001-03-22 | マイクロヒータ及びその製造方法とガスセンサ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2002286675A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100508189B1 (ko) * | 2002-10-25 | 2005-08-17 | 전자부품연구원 | 마이크로 가스센서 및 그의 제조방법 |
KR100777192B1 (ko) | 2006-06-02 | 2007-11-16 | 호서대학교 산학협력단 | 가스센서용 마이크로 히터 제조방법 및 그에 의해 제조된마이크로히터 |
JP2011106921A (ja) * | 2009-11-16 | 2011-06-02 | Kyocera Corp | ガスセンサ用基板、ガスセンサ用パッケージ、およびガスセンサ |
US7963147B2 (en) | 2006-12-07 | 2011-06-21 | Electronics And Telecommunications Research Institute | Micro gas sensor and method for manufacturing the same |
-
2001
- 2001-03-22 JP JP2001083589A patent/JP2002286675A/ja not_active Abandoned
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100508189B1 (ko) * | 2002-10-25 | 2005-08-17 | 전자부품연구원 | 마이크로 가스센서 및 그의 제조방법 |
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US7963147B2 (en) | 2006-12-07 | 2011-06-21 | Electronics And Telecommunications Research Institute | Micro gas sensor and method for manufacturing the same |
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A762 | Written abandonment of application |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A762 Effective date: 20051024 |