JP2002285986A - タービン式燃料ポンプ及びインペラ - Google Patents

タービン式燃料ポンプ及びインペラ

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JP2002285986A
JP2002285986A JP2001086705A JP2001086705A JP2002285986A JP 2002285986 A JP2002285986 A JP 2002285986A JP 2001086705 A JP2001086705 A JP 2001086705A JP 2001086705 A JP2001086705 A JP 2001086705A JP 2002285986 A JP2002285986 A JP 2002285986A
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groove
fuel
pump
flow path
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Masaaki Konishi
正晃 小西
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 タービン式燃料ポンプにおいて、ポンプ流路
の終端部が連通された燃料吐出口付近における損失を抑
制し、燃料の流速即ち吐出流量を増加させると同時にイ
ンペラの駆動トルクを小さくして、ポンプ効率を上昇さ
せることである。 【解決手段】 タービン式燃料ポンプは、インペラ空間
31とC字形状のポンプ流路30とを有しポンプ流路の
終端部26b、36bが燃料吐出口29に連通されたケ
ーシング21と、ポンプ流路30を形成する一側溝部2
6側の端部42aが他側溝部33側の端部42bよりも
インペラの回転方向yにおいて後方となるように傾斜さ
せた複数の羽根片42を有するインペラ40と、インペ
ラを回転させるモータ15とを含む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両において燃料
タンク内の燃料を燃料噴射装置へ圧送するタービン式燃
料ポンプ及び該燃料ポンプに使用するインペラに関す
る。
【0002】
【従来の技術】自動車等の車両において、燃料タンク内
の燃料をキャブレター又は燃料噴射装置に圧送するため
に、タービン式燃料ポンプが使用されることがある。タ
ービン式燃料ポンプ(「ウエスコポンプ」と言うことも
ある)は、一般に、外周部に複数の羽根片及び羽根溝が
交互に形成された円板状のインペラと、該インペラに回
転可能に収納され、一部が切れた有端環状(C字形状)
のポンプ流路を持つケーシングと、該インペラを回転駆
動するモータとを含む。タービン式燃料ポンプの一種
に、インペラの複数の羽根片及び羽根溝がインペラの最
外周部(外周縁)に形成され、インペラのポンプ流路が
羽根片及び羽根溝の一側方、他側方及び外周側にそれぞ
れ位置する一側溝部、他側溝部及び中間溝部から成るも
のがある(例えば、特開平10−213089参照)。
そのような燃料ポンプの一例が図7から図9に示されて
いる。
【0003】図7及び図9に示すように、インペラ70
は一側面71a及び他側面71bを持つ本体72と、該
本体72の外周部に等ピッチで形成された複数の羽根溝
74と、該羽根溝74の形成により等ピッチで形成され
た複数の羽根片76とから成る。羽根片76及び羽根溝
74は、その長手方向がインペラ70の軸線と平行とな
るように、即ちインペラ70の一側面71a及び他側面
71bに対して垂直となるように形成されている。隣接
する羽根片76間には羽根溝74の底面に断面山形形状
の隔壁79が形成されている。
【0004】ケーシング75のケーシング本体76は円
形の底壁部77とその周りの周壁部78とから成り、底
壁部77の内側面の外周寄りに一方の側部溝79が、周
壁部78の内側に中間溝81がそれぞれ形成されてい
る。側部溝79及び中間溝81は、始端部(不図示)か
ら燃料吐出口86に連通された終端部(不図示)までC
字形状に延びている。ケーシング75の平板状のケーシ
ングカバー83は内側面の外周部に他方の側部溝84が
形成され、該側溝部84は燃料吸入口に連通された始端
部から終端部(何れも不図示)まで延びている。一対の
側部溝79、84とその間の中間溝81により始端部か
ら終端部までC字形状に延びるポンプ流路80が形成さ
れる。インペラ70をケーシング75に収納した状態で
は、各側部溝79、84及び中間溝81が羽根片76及
び羽根溝74を周囲から取り囲む。
【0005】燃料吸入口からポンプ流路80の始端部に
ある羽根溝74内に吸入された燃料は、回転するインペ
ラの羽根片76から円周方向の押出し力を受け、それに
伴い発生する遠心力により中間溝81に流れる。その
後、燃料は円周壁78に衝突して軸方向外向き(左右方
向)に分流し、側部溝79及び84の溝底面79a及び
84aに案内されて半径方向内向き及び軸方向内向きに
流れ、羽根溝74に戻る。この羽根溝74とポンプ流路
80との間の循環を繰り返しつつ、燃料はポンプ流路8
0内を始端部から終端部に向かって螺旋状に流れ、その
間に昇圧された後、終端部に連通した燃料吐出口86か
ら吐出される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、イン
ペラ70の羽根片76による燃料の押出し方向は円周方
向であるのに対して、ポンプ流路80の終端部から燃料
吐出口86への燃料の吐出方向は軸方向である。よっ
て、燃料は終端部の円周方向前面及び側部溝84a等に
より流れ方向を円周方向から軸方向にほぼ90度強制的
に変更される。そのため、燃料吐出口86付近でこの流
れ方向の急激な変更による損失が生じ、燃料の流速即ち
吐出流量が減少して、ポンプ効率が低下する。
【0007】本発明は上記事情を考慮してなされたもの
で、ポンプ流路の終端部が連通された燃料吐出口付近に
おける損失が抑制され、燃料の流速即ち吐出流量が増加
し、ポンプ効率が上昇するタービン式燃料ポンプ、及び
該燃料ポンプに使用するインペラを提供することを目的
とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本願発明者は、回転によ
り燃料に速度エネルギを付与する羽根片の延長(形成)
方向と、燃料吐出口の延長(形成)方向との関係に注目
して、本発明を完成した。
【0009】即ち、本願の第1発明にかかるタービン式
燃料ポンプは、外周及び両側方に開口する複数の羽根溝
を等ピッチで形成することにより形成された複数の羽根
片を有する円板状のインペラと;インペラを回転可能に
収納するインペラ空間と、複数の羽根片及び羽根溝の一
側方及び他側方にそれぞれ位置する一側溝部及び他側溝
部から少なくとも成るC字形状のポンプ流路と、ポンプ
流路の始端部において他側溝部に連通された燃料吸入口
及び終端部において一側溝部に連通された燃料吐出口と
を有するケーシングと;インペラを回転させ、燃料をポ
ンプ流路の始端部から終端部に送りながら複数の羽根溝
とポンプ流路との間でらせん状に循環させて昇圧させる
モータと;を含むタービン式燃料ポンプにおいて、イン
ペラの複数の羽根片を、インペラの回転軸線に対して、
一側溝部側の端部が他側溝部側の端部よりもインペラの
回転方向において後方となるように傾斜させたことを特
徴とする。
【0010】一方、本願の第2発明にかかるインペラ
は、外周面、一側面及び他側面に開口する複数の羽根溝
を等ピッチで形成することにより形成された複数の羽根
片を有し、複数の羽根片がケーシングのC字形状のポン
プ流路内に突出するようにかつ回転可能にケーシングに
収納される円板状のインぺラにおいて、複数の羽根片
を、インペラの回転軸線に対して、一側面側の端部が他
側面側の端部よりもインペラの回転方向において後方と
なるように傾斜させたことを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】次に、発明の実施の形態について
説明する。 <インペラ>円板形状を持つインペラは、本体と、該本
体の外周部に外周及び両側方に開口して円周方向に等し
いピッチで形成された複数の羽根溝と、該羽根溝の形成
により円周方向に等ピッチで形成され軸方向及び半径方
向に延びる複数の羽根片とを有する。羽根片は外周及び
側方に開口していれば良く、細かい形状、寸法は問わな
い。
【0012】全ての羽根片は、インペラの軸線に対し
て、一側面側の端部が他側面側の端部よりもインペラの
回転方向において後方となるように傾斜している。これ
により、燃料を円周方向に押す力成分が減少するととも
に、軸方向に押す力成分が発生し、ポンプ流路の終端部
における損失が減少して流速即ち吐出流量が増加し、ポ
ンプ効率が上昇する。 <ケーシング>ケーシングは、互いに対向する一対の側
壁と、その周りの円周壁とから成ることができる。ケー
シングは、インペラを収納するインペラ空間と、該イン
ペラ空間の周りに形成され複数の羽根片及び羽根溝を取
り囲むC字形状のポンプ流路とを有する。ポンプ流路
は、羽根片及び羽根溝の少なくとも一側方及び他側方に
それぞれ位置する一側溝部及び他側溝部とから成ること
ができ(いわゆる側流式)、また、一側溝部と他側溝部
との間に位置する中間溝部を含むことができ(いわゆる
円周流式)、この場合全体としてU字形状の半径方向断
面形状を持つ。
【0013】側流式の場合も円周流式の場合も、ポンプ
流路はその軸方向中間面に対して一側溝部と他側溝部と
が面対称な形状を持つことができる。但し、ポンプ流路
80の軸方向中間面iに対して燃料吸入口に連通された
側部溝84側と燃料吐出口86に連通された側部溝79
側とを考えた場合、羽根片76の傾斜により側溝部79
内の圧力の方が側部溝84内の圧力よりも高くなり易い
傾向がある。これにより、インペラ70は側部溝79内
の圧力により側部溝84側に押され、その他側面71b
がケーシングカバー84の内側面83aに押圧される。
【0014】その結果、他側面71bと内側面83aと
の間の摩擦によりインペラ70の駆動トルクが大きくな
るのみならず、その一側面71aとケーシング本体77
の内側面77aとの間にできた隙間を通して燃料が燃料
吐出口86側から燃料吸入側に漏れやすくなる(一般
に、隙間を漏れる燃料等流体の漏れ量は隙間の大きさの
三乗に比例する)。
【0015】これを回避するために、インペラ空間の軸
方向中間面がポンプ流路の軸方向中間面よりも他側溝部
側にずれていることが望ましい。これにより、インペラ
をケーシングに収納した状態で、羽根片の一側に区画さ
れる環状空間が他側に区画される環状空間よりも大きく
なり、一側溝部内の圧力の過度の上昇が抑制され、又は
一側部溝内の圧力と他側溝部の圧力とが均衡する。こう
して、インペラの他側面が他側溝部側のケーシングの内
側面に押圧される力を減少させることができる。
【0016】また、ポンプ流路はその軸方向中間面に対
して一側溝部の容積が他側溝部の容積よりも大きい形状
を持つことができる。この場合は、インペラ空間の軸方
向中間面がポンプ流路の軸方向中間面と一致しているこ
とが望ましい。これにより、インペラをケーシングに収
納した状態で、羽根片の一側に区画される環状空間が他
側に区画される環状空間よりも大きくなり、一側溝部内
の圧力の過度の上昇が抑制等され、一側溝部と他側溝部
とで圧力が均衡される。
【0017】
【実施例】以下、本発明の実施例を添付図面を基に説明
する。 (第1実施例の構成)タービン式燃料ポンプの全体図で
ある図1に示すように、燃料ポンプは筒状のハウジング
10と、該ハウジング内10に収容されたモータ部15
及びポンプ部20とから成る。ハウジング10は上端部
に燃料噴射装置に燃料を供給する燃料吐出部11が形成
され、下端は開口している。ハウジング10の中間部の
内周面に環状の永久磁石13が取り付けられ、その内側
にアーマチュア14が配置され、永久磁石及13及びア
ーマチュア14がモータ部15を構成する。アーマチュ
ア14から上方に突出した軸16aがハウジング10に
保持されたホルダ17により回転可能に支承され、下方
に突出した軸16bは次述するケーシング21により回
転可能に支承され、アーマチュア14は回転可能であ
る。
【0018】ポンプ部20はケーシング21とインペラ
40とに大別される。ケーシング21は上記アーマチュ
ア14の軸16bを支承する上側のケーシング本体22
と、燃料吸入通路18を持ちケーシング本体22に一体
化された下側のケーシングカバー35とから成る。ケー
シング21内には、外周部に複数の羽根片42及び羽根
溝44を持つインペラ40が配置されている。また、モ
ータ部15とポンプ部20との間にチャンバ19が形成
されている次に、ポンプ部20について図2から図5を
参照して説明する。図2に示すように、ケーシング21
のケーシング本体22は容器形状を有し、円形の底壁部
23とその周りの周壁部24とから成る。底壁部23の
内側面23aの外周部に所定形状の溝底面26aを持つ
一側部溝26が形成され、周壁部24の内側に該一側溝
部26に連続して中間溝部28が形成されている。図3
(a)に示すように、一側溝部26及び中間溝部28は
始端部26aから終端部26bまでC字形状に延び、終
端部26bにおいて燃料吐出口29に連通されている。
【0019】図2に戻って、ケーシングカバー35は平
板状を呈し、その内側面35aの外周部に上記一側部溝
26に対向して、所定形状の溝底面36aを持つ他側部
溝36が形成されている。図3(b)に示すように、他
側溝部36は、始端部36aから終端部36bまでC字
形状に延び、始端部36aにおいて燃料吸入口38に連
通されている。内側面35aと上記内側面23aとが一
定幅で円形状のインペラ空間31を形成する。インペラ
空間31の軸方向中間面nはポンプ流路30の軸方向中
間面mに対して距離Δだけ右側にずれている。このずれ
量Δはインペラ40の軸方向幅(厚さ)の200分の1
程度である。また、一側溝部26、他側溝部36及び中
間溝部28が断面U字形状で、円周方向において始端部
26a及び36aから終端部26b及び36bまで延び
るC字形状のポンプ流路30を形成する。
【0020】一方、図2及び図4に示すように、インペ
ラ40は円形の本体41と、その外周縁に円周方向にお
いて交互に形成された複数の羽根片42及び羽根溝44
とから成る。本体は一側面41aと他側面41bとを持
つ。複数の羽根片42は本体41の周囲に複数の羽根溝
44を等ピッチで形成することにより隔設され、矩形状
の薄板状で軸方向及び半径方向に延びている。隣接する
羽根片42間には羽根溝44の底面に断面山形形状の隔
壁47が形成されている。
【0021】複数の羽根片42及び羽根溝44は、イン
ペラ40の回転軸線xに対して、一側面41a側の端部
42a及び44aの方が他側面側41bの端部42b及
び44bよりも回転方向yにおいて後方(図4において
下方)となるように傾斜している。ここでは、全ての羽
根片42及び羽根溝44はその全長に亘ってかつ同一角
度(約8度)傾斜されており、互いに平行である。
【0022】インペラ40は一側面41aを内側面23
aに、他側面41bを内側面35aにそれぞれ案内され
て、インペラ空間31に回転可能に収納されている。そ
して、羽根片42及び羽根溝44の一側方及び他側方に
それぞれ一側溝部26及び他側溝部36が、外周側(半
径方向外方)に中間溝部28がそれぞれ位置して、羽根
片42及び羽根溝44を取り囲んでいる。但し、上述し
たように、インペラ空間31の中間面nはポンプ流路3
0の中間面mに対して右方に距離Δだけずれているの
で、一側溝部26のうち内羽根片42の左方に区画され
る環状空間32は、他側溝部36のうち羽根片42の右
方に区画される環状空間33よりも容積が大きくなって
いる。 (第1実施例の作動)タービン式燃料ポンプは、インペ
ラ40の回転により燃料に速度エネルギを与える。即
ち、図4において燃料吸入口38からポンプ流路30の
始端部にある羽根溝44内に吸入された燃料は、回転す
るインペラ40の回転軸線xに対して所定角度θ傾斜し
た羽根片42から円周方向に対して所定角度θを成す力
Fを受け、その円周方向成分F1に基づき発生する遠心
力により中間溝部28に流れる。力Fの軸方向成分F2
については後述する。その後、燃料は円周壁24に衝突
して軸方向外向き(左右方向)に分流し、一側部溝26
及び他側部溝36(正確には環状空間32及び33)内
に流入し、溝底面26a及び36aに案内されて半径方
向内向き及び軸方向内向きに流れ、羽根溝44に戻る。
燃料はこの羽根溝44とポンプ流路30との間の循環を
繰り返しつつ、ポンプ流路30内を始端部26a及び3
6aから終端部26b及び36bに向かって流れ、この
螺旋流れの間に昇圧される。その後、終端部26b及び
36bにおいて、溝底面36a及び円周方向の前面26
c、36cにより流れ方向をほぼ90度強制的に変更さ
れた後、燃料吐出口29から軸方向に吐出され、チャン
バ19に流入する。 (第1実施例の効果)以上詳述した実施例によれば以下
の効果が得られる。
【0023】第1に、燃料ポンプから吐出される燃料の
吐出流量が増大する。即ち、吐出流量はインペラ40の
回転速度即ち羽根片42の周速Vと、羽根溝44内の燃
料の円周方向の流速vとの関数で表わすことができる。
このうち、羽根片42の周速Vは回転軸から羽根片42
までの半径やインペラ40の回転数等により決まる。一
方、燃料の流速vは、羽根片42から燃料への押出し力
の伝達効率や燃料とポンプ流路30の内側壁と摩擦等に
より左右される。
【0024】ここで、羽根片42をインペラ40の回転
軸線xに対して、一側溝部26側が他側溝部36側より
も後方となるように傾斜させている。その結果、図4に
おいて、羽根片42から燃料に伝達される押出し力F
は、円周方向成分F1と、軸方向成分F2とに分解でき
る。円周方向成分F1は従来のように羽根片を傾斜させ
ていない場合に比べて小さく、そのため燃料が終端部2
6b及び36bにおいて円周方向の前面26c及び36
cに衝突する際の流速が従来よりも遅くなり、その分損
失が減少する。加えて、燃料は軸方向成分F2により燃
料吐出口29に向かう力が与えられる。その結果、終端
部26b及び36bの燃料が燃料吐出口29に向かう流
速が増加し、吐出流量が増加する。
【0025】この効果を確認すべく、ポンプ流路30の
直径が約31.3mm、幅が約4.37mm、インペラ
40の直径が約29.9mm、幅が約2.7mm、羽根
片42の個数が47の燃料ポンプを用い、ポンプ流路3
0内の燃料の圧力が300KMpの状態で、インペラ4
0の回転数と燃料吐出口29からの燃料の吐出流量との
関係を調べた。その結果を図5(a)に示す。これから
明らかなように、インペラ40の比較的低い回転数(5
000回/分)でも高い回転数(8000回/分)で
も、羽根片42を傾斜させた本発明の燃料ポンプの方
が、羽根片76を傾斜させない従来の燃料ポンプよりも
多量の燃料を吐出できることがわかる。
【0026】第2に、モータ部15によりインペラ40
を回転するのに必要な駆動トルクが小さくなる。即ち、
傾斜した羽根片42により多量の燃料が一側溝部26か
ら燃料吐出口29に向かって押し出されるが、インペラ
空間31の軸方向中間面nとポンプ流路30の軸方向中
間面mとのずれΔにより、環状空間32の方が環状空間
33よりも容積が大きい。よって、環状空間32と環状
空間33とで燃料の圧力の差が小さくなり又は圧力がほ
ぼ等しくなる。
【0027】尚、別途行ったポンプ流路の圧力分布の測
定試験によれば、従来のインペラ70を用いた燃料ポ
ンプでは側溝部79側及び84側に比較的大きな圧力が
ほぼ均等に生じること、本発明のインペラ40を用い
た燃料ポンプでもポンプ流路30が中間面mに対して対
称でインペラ空間31の中間面nがポンプ流路30の中
間面mと一致している(ずれていない)場合は一側溝部
26側の圧力が他側溝部33側よりも高くなること、及
び本発明のインペラ40を用いた燃料ポンプにおい
て、ポンプ流路30が中間面mに対して対称でインペラ
空間31の中間面nをポンプ流路30の中間面mからず
らした場合は、一側溝部26側及び他側溝部33側の圧
力が均衡ししかも従来の値よりも低くなること、が確認
されている。
【0028】上記一側溝部26側と他側溝部33側とが
従来よりも小さい圧力で均衡することにより、インペラ
40の他側面41bとケーシングカバー35の内側面3
5aとの摩擦が小さくなる。
【0029】この効果を確認すべく、ポンプ流路30の
直径が約31.3mm、幅が約4.37mm、インペラ
40の直径が約29.9mm、幅が約2.7mm、羽根
片42の個数が47の燃料ポンプを用いてインペラを回
転させるためのトルクを測定した。その結果を図5
(b)に示す。これから明らかなように、インペラ40
の比較的低い回転数でも高い回転数でも、羽根片42を
傾斜させた本発明の燃料ポンプの方が、羽根片76を傾
斜させない従来の燃料ポンプより駆動トルクが小さいこ
とがわかる。
【0030】また、一側溝部26側と他側溝部33側と
が小さい圧力で均衡することにより、インペラ40の一
側面41aとケーシング本体22の内側面23aとの間
に大きな隙間ができないので、この隙間を通して燃料吐
出口29から燃料吸入口38に燃料が漏れることが防止
される。
【0031】インペラ40の回転数と、燃料の吐出流量
×圧力とインペラ40の駆動トルク×回転速度との比で
評価されるポンプ効率との関係を図5(c)に示す。こ
れから明らかなように、インペラ40の比較的低い回転
数でも高い回転数でも、羽根片42を傾斜させた本発明
の燃料ポンプの方が、羽根片76を傾斜させない従来の
燃料ポンプよりポンプ効率が高いことがわかる。 (第2実施例)本発明の第2実施例の要部を図6に示
し、この第2実施例は上記第1実施例と比べて、ケーシ
ング21のポンプ流路50の構成が異なる。即ち、一側
溝部51、他側溝部52及び中間溝部53から成るポン
プ流路50がその軸方向中間面mに対して非対称に形成
されており、一側溝部51の容積(断面図で見れば断面
積)の方が他側溝部52の容積よりも大きくなってい
る。また、インペラ空間56の軸方向中間面nはポンプ
流路50の軸方向中間面mに一致している。その結果、
インペラ40の羽根片42の一側方(図6において左
方)に形成される環状空間57の方が他側方(図6にお
いて右方)に形成される環状空間58よりも容積が大き
くなっている。
【0032】第2実施例においてもインペラ40の傾斜
した羽根片42により一側部溝51側に他側溝部52側
よりも多量の燃料が押し出されるが、羽根片42の左方
にある環状空間57の方が右方にある環状空間58より
も大きい。よって、ポンプ流路50内の燃料の圧力は一
側溝部51側と他側溝部52側で均衡し、しかも従来よ
りは小さくなる。その結果、燃料ポンプの吐出流量が増
加し、インペラ40の駆動トルクが小さくできる等、上
記第1実施例と同様の効果が得られる。
【0033】
【発明の効果】以上述べてきたように、本発明のタービ
ン式燃料ポンプ及びインペラによれば、インペラの羽根
片を所定方向に傾斜させたことにより、ケーシングの燃
料吐出口付近における損失が抑制され、燃料の流速即ち
吐出流量が増加すると同時に、インペラの駆動トルクが
小さくなって、ポンプ効率が上昇する効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例によるタービン式燃料ポン
プを示す縦断面図である。
【図2】 図1における要部拡大図である。
【図3】 (a)は図2のケーシングを構成するケーシ
ング本体22の平面図、(b)はケーシングカバー35
の平面図である。
【図4】 図2のインペラ40の正面図である
【図5】 (a)(b)及び(c)は上記第1実施例の
効果を説明するグラフである。
【図6】 本発明の第2実施例の要部を示す図2に対応
する要部部断面図である。
【図7】 従来のインペラの要部を示す斜視図である。
【図8】 従来のインペラを含む燃料ポンプのポンプ部
を示す断面図である。
【図9】 上記従来のインペラの正面図である。
【符号の説明】
15:モータ部 20:ポンプ部 21:ケーシング 22:ケーシング
本体 26:一側溝部 28:中間溝部 29:燃料吐出口 30:ポンプ流路 31:インペラ空間 33:他側溝部 35:ケーシングカバー 40:インペラ 42:羽根片 44:羽根溝 m:ポンプ流路の軸方向中間面 n:インペラ空間
の軸方向中間面

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外周及び両側方に開口する複数の羽根溝
    を等ピッチで形成することにより形成された複数の羽根
    片を有する円板状のインペラと、 前記インペラを回転可能に収納するインペラ空間と、複
    数の前記羽根片及び前記羽根溝の一側方及び他側方にそ
    れぞれに位置する一側溝部及び他側溝部から少なくとも
    成るC字形状のポンプ流路と、該ポンプ流路の始端部に
    おいて該他側溝部に連通された燃料吸入口及び該ポンプ
    流路の終端部において該一側溝部に連通された燃料吐出
    口と、を有するケーシングと、 前記インペラを回転させ、燃料を前記ポンプ流路の前記
    始端部から前記終端部に送りながら複数の前記羽根溝と
    前記ポンプ流路との間でらせん状に循環させて昇圧させ
    るモータと、を含むタービン式燃料ポンプにおいて、 前記インペラの複数の前記羽根片を、該インペラの回転
    軸線に対して、前記一側溝部側の端部が前記他側溝部側
    の端部よりも該インペラの回転方向において後方となる
    ように傾斜させたことを特徴とするタービン式燃料ポン
    プ。
  2. 【請求項2】 前記ケーシングの前記ポンプ流路は、そ
    の軸方向中間面に対して前記一側溝部側と他側溝部側と
    で圧力が均衡している請求項1記載のタービン式燃料ポ
    ンプ。
  3. 【請求項3】 前記ケーシングの前記ポンプ流路はその
    軸方向中間面に対して面対称な形状を持ち、前記インペ
    ラ空間の軸方向中間面は該ポンプ流路の該軸方向中間面
    よりも前記他側溝部側にずれている請求項2記載のター
    ビン式燃料ポンプ。
  4. 【請求項4】 前記ケーシングの前記ポンプ流路はその
    軸方向中間面に対して前記一側溝部の容積が前記他側溝
    部の容積よりも大きい形状を持ち、前記インペラ空間の
    軸方向中間面は該ポンプ流路の軸方向中間面と同一面上
    にある請求項2記載のタービン式燃料ポンプ。
  5. 【請求項5】 前記ポンプ流路はさらに、前記一側溝部
    と前記他側溝部との間に位置する中間溝部を含む請求項
    1記載のタービン式燃料ポンプ。
  6. 【請求項6】 外周面、一側面及び他側面に開口する複
    数の羽根溝を等ピッチで形成することにより形成された
    複数の羽根片を有し、複数の該羽根片がケーシングのC
    字形状のポンプ流路内に突出するようにかつ回転可能に
    該ケーシングに収納される円板状のインぺラにおいて、 複数の前記羽根片を、該インペラの軸線に対して、前記
    一側面側の端部が前記他側面側の端部よりも該インペラ
    の回転方向において後方となるように傾斜させたことを
    特徴とするインペラ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006161600A (ja) * 2004-12-03 2006-06-22 Mitsubishi Electric Corp 円周流ポンプ
US7156610B2 (en) 2003-07-28 2007-01-02 Hyundam Industrial Co., Ltd. Turbine type electric fuel pump for automobile

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