JP2002285470A - 繊維処理剤 - Google Patents

繊維処理剤

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JP2002285470A
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隆文 黄野
Akira Moroi
昭 茂呂居
Fumio Matsukawa
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Abstract

(57)【要約】 【課題】従来の繊維処理剤を用いると、帯電防止が図れ
ても、繊維の艶や滑りが悪かったり、繊維がきしんだ
り、ボリュームがコントロールできなくなる等の課題が
あった。 【解決手段】繊維処理剤の組成物が、流動パラフィン
0.8〜2.5重量部、第4級アンモニウム塩型カチオ
ン活性剤2.0〜5.5重量部及びポリオキシエチレン
型非イオン活性剤1.0〜3.5重量部で形成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ウィッグ、ヘアピ
ース、ブレード、エクステンションへアー等の頭髪装飾
用等に用いられる塩化ビニル系樹脂繊維の製造中の静電
気発生を防止させる一方、該塩化ビニル系樹脂繊維製の
頭飾製品が備える開繊性の効果を損なわず、ボリューム
をコントロールすることのできる繊維処理剤に関する。
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、人工毛髪繊維を頭飾製品に加工す
る場合、その表面に処理剤を付着させて、様々な要求品
質に対応する技術が開示されている(特公平6―477
87号公報や特開2000―119972号公報参
照)。
【0003】一方、塩化ビニル系樹脂繊維は、吸湿性が
ないために導電性が悪く摩擦による静電気の発生・蓄積
が大きく静電気の障害が起こりやすい。このため、塩化
ビニル系樹脂繊維の製造工程において、様々な繊維処理
剤を繊維表面に塗布して吸湿させ導電度を向上させるこ
とにより、帯電防止する方法が知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の繊維処
理剤を用いると、帯電防止が図れても、繊維の艶や滑り
が悪かったり、繊維がきしんだり、ボリュームがコント
ロールできなくなる等の課題があった。
【0005】本発明の目的は、塩化ビニル系樹脂繊維で
あっても、繊維の艶や滑りが良く、繊維がきしまず、ボ
リュームに優れた繊維処理剤を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するべく、鋭意研究を重ねた結果、繊維処理剤を
流動パラフィン、第4級アンモニウム塩型カチオン活性
剤及びポリオキシエチレン型非イオン活性剤を配合した
ものにすることにより、繊維の艶や滑りがよく、繊維が
きしまず、ボリュームをコントロールできることを見出
し、本発明を完成させた。
【0007】
【発明の実施の形態】すなわち、本発明は、流動パラフ
ィン0.8〜2.5重量部、第4級アンモニウム塩型カ
チオン活性剤2.0〜5.5重量部及びポリオキシエチ
レン型非イオン活性剤1.0〜3.5重量部を有する繊
維処理剤である。
【0008】本発明に係る繊維処理剤に上記流動パラフ
ィンを採用したのは、塩化ビニル系樹脂繊維に艶、滑り
を与えるためである。該流動パラフィンの配合比は、あ
まりに少ないと艶や滑りが生じず、あまりに多いとボリ
ューム感がかけてしまうため、0.8〜2.5重量部が
よい。
【0009】本発明に係る繊維処理剤に上記第4級アン
モニウム塩型カチオン活性剤を採用したのは、ポリ塩化
ビニル系樹脂繊維に帯電防止機能を与えるためである。
該第4級アンモニウム塩型カチオン活性剤の配合比は、
あまりに少ないと帯電防止効果が発揮されず、あまりに
多いと繊維がきしんでしまうため、2.0〜5.5重量
部がよい。
【0010】本発明に係る繊維処理剤に上記ポリオキシ
エチレン型非イオン活性剤を採用したのは、水と相溶性
の悪い流動パラフィンを溶解させるための乳化剤として
である。該ポリオキシエチレン型非イオン活性剤の配合
比は、あまりに少ないと流動パラフィンが水溶化せず組
成物が分離したままであり、あまりに多いとボリューム
感が損なわれるため、1.0〜3.5重量部がよい。
【0011】上記配合の繊維処理剤の配合に、アルキル
アルキレートを配合しても良い。これは、塩化ビニル系
樹脂繊維に艶、滑りを与える流動パラフィンの作用を補
完するためである。該アルキルアルキレートの配合する
場合には、3.0〜8.0重量部がよい。
【0012】本発明にあっては、繊維処理剤の組成に影
響を与えない範囲でシリコーン等の消泡剤、香料等を添
加することができる。
【0013】繊維処理剤を塩化ビニル系樹脂繊維に付着
させる方法は、該繊維に液体を塗布する従来公知の手段
を採用できる。例えば繊維にその表面に液体を付着させ
たロールを繊維に巻き付けさせる手段、繊維処理剤を貯
めた液体槽に該繊維を浸す手段、刷毛を介して該繊維処
理剤を付着させる手段等がある。
【0014】本発明にかかる繊維処理剤の機能が発揮さ
れる塩化ビニル系樹脂繊維は、ウィッグ、ヘアピース、
ブレード、エクステンンョンヘアー等の頭髪装飾用等に
用いられるものである。
【0015】
【実施例】以下、本発明にかかる実施例を、表1を参照
しながら、比較例と比較しつつ詳細に説明する。表1の
数値は全て重量部を示す。表1は、各実施例、各比較例
における繊維処理剤の主要組成物の配合比とその特性値
を示したものである。
【0016】
【表1】
【0017】表1の帯電性は、JIS L 1094に
準拠して摩擦帯電圧測定されたものであり、0以下―1
5V以上を○、−15V未満を×とした。表1の分離
は、上記組成物を混練しても、均一化しなかった場合を
×、した場合を○とした。
【0018】表1における艶・滑りは、かつら処理業者
5名が各評価項目について各々5点満点の評価を行っ
た。、25点満点中、0〜9点を×、10〜14点を
△、15〜19点を○、20〜25点を◎とした。○及
び◎が良い測定結果である。また、表1のボリューム
は、長さ20cmに切ったマルチ繊維を容積100ml
の箱に入れその嵩比重にて評価を行った。嵩比重が大き
いほどボリュームがなく、嵩比重が小さいほどボリュー
ムがあり、その評価は、次の5段階とした。具体的に
は、嵩比重0.740g/ml以上0.770g/ml
未満を「1」、0.710g/ml以上0.740g/
ml未満を「2」、0.680g/ml以上0.710
g/ml未満を「3」、0.650g/ml以上0.6
80g/ml未満を「4」、0.620g/ml以上
0.650g/ml未満を「5」とし、「3」を良しと
した。
【0019】実施例及び各比較例にかかる繊維処理剤
は、溶融紡糸法による塩化ビニル系樹脂繊維製造工程で
の延伸が終了した後、ロール転写法によって塗布された
ものである。該塩化ビニル系樹脂繊維は、その後、アニ
ール(熱処理)された。表1の特性値における評価は該
アニール後に行った。
【0020】比較例1が示すように、流動パラフィンの
配合比が少ないと、繊維の艶及び滑りが不足し、比較例
2が示すように、流動パラフィンの配合比が多いと、繊
維がべとついてボリュームが少なかった。
【0021】比較例3が示すように、第4級アンモニウ
ム塩型カチオン活性剤の配合比が少ないと、帯電防止効
果が現れず、比較例4が示すように、第4級アンモニウ
ム塩型カチオン活性剤の配合比が多いと、繊維がきしん
でしまった。
【0022】比較例5が示すように、ポリオキシエチレ
ン型非イオン活性剤の配合比が少ないと、処理剤が均一
化せず分離したままであり、比較例6が示すように、ポ
リオキシエチレン型非イオン活性剤の配合比が多いと、
ボリュームが少なかった。
【0023】実施例2が示すように、流動パラフィンに
アルキルアルキレートを追加しても、実施例1と同様な
効果を得ることができた。
【0024】
【発明の効果】以上のように、本発明にかかる繊維処理
剤は、流動パラフィン0.8〜2.5重量部、第4級ア
ンモニウム塩型カチオン活性剤2.0〜5.5重量部及
びポリオキシエチレン型非イオン活性剤1.0〜3.5
重量部を有し、これにより塩化ビニル系樹脂繊維の繊維
の艶や滑りに優れ、繊維のきしみがなく、繊維のボリュ
ームをコントロールすることができた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松川 不三夫 神奈川県鎌倉市台2丁目13番1号 東洋化 学株式会社内 Fターム(参考) 4L033 AA05 AB01 AC02 AC06 AC09 BA01 BA14 BA86

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 流動パラフィン0.8〜2.5重量部、
    第4級アンモニウム塩型カチオン活性剤2.0〜5.5
    重量部及びポリオキシエチレン型非イオン活性剤1.0
    〜3.5重量部を有する繊維処理剤。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011184831A (ja) * 2010-03-10 2011-09-22 Denki Kagaku Kogyo Kk 繊維処理剤、人工毛髪用繊維及び頭飾品
KR20230039606A (ko) 2020-08-12 2023-03-21 덴카 주식회사 인공 모발용 섬유 및 그의 제조 방법, 및 두발 장식품
KR20230039602A (ko) 2020-08-12 2023-03-21 덴카 주식회사 인공 모발용 섬유 및 두발 장식품
KR20240126045A (ko) 2021-12-28 2024-08-20 덴카 주식회사 모발용 섬유 및 그 제조 방법, 섬유 처리제, 그리고 두발 장식품

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JP7503639B2 (ja) 2020-08-12 2024-06-20 デンカ株式会社 人工毛髪用繊維及びその製造方法、並びに、頭髪装飾品
KR20240126045A (ko) 2021-12-28 2024-08-20 덴카 주식회사 모발용 섬유 및 그 제조 방법, 섬유 처리제, 그리고 두발 장식품

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