JP2002285378A - 電気亜鉛合金めっき金属板 - Google Patents

電気亜鉛合金めっき金属板

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JP2002285378A
JP2002285378A JP2001085167A JP2001085167A JP2002285378A JP 2002285378 A JP2002285378 A JP 2002285378A JP 2001085167 A JP2001085167 A JP 2001085167A JP 2001085167 A JP2001085167 A JP 2001085167A JP 2002285378 A JP2002285378 A JP 2002285378A
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corrosion resistance
zinc alloy
coating
resistance
steel sheet
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Kazuya Ishii
一也 石井
Masaya Kimoto
雅也 木本
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Nippon Steel Corp
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Sumitomo Metal Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 塗装性、加工性、スポット溶接性、耐低温衝
撃剥離性、裸耐食性さらには塗装後の端面耐食性が総合
的に極めて優れた電気亜鉛合金めっき鋼板を確実に提供
する。 【解決手段】 少なくとも片面に電気亜鉛合金めっき皮
膜を備えた電気亜鉛合金めっき金属板である。この電気
亜鉛合金めっき皮膜は、総量で0.01〜10%のデキストリ
ンおよび/またはデキストラン、0.01〜10%のCo、およ
び200ppm以下のPbを含有し、残部が実質的にZnからなる
とともに、目付け量が5〜200g/m2 である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電気亜鉛合金めっ
き金属板に関する。具体的には、本発明は、自動車車体
等の材料として用いるのに好適な、塗装性、加工性、ス
ポット溶接性、耐低温衝撃剥離性、裸耐食性(耐穴あき
性)さらには塗装後の端面耐食性がいずれも極めて優れ
た、例えば電気亜鉛合金めっき鋼板等の電気亜鉛合金め
っき金属板に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば自動車、家電製品さらには建材等
の多様な分野において、各種の表面処理金属板が利用さ
れてきた。近年、かかる表面処理金属板に対する防錆能
力向上の要求が一段と高まっている。例えば自動車車体
用表面処理鋼板に関しては、冬季に融雪用岩塩を散布す
る寒冷地における10年耐孔あき腐食や5年耐外面錆を保
証し得る高耐食性が要求されている。また、これらの高
耐食性以外にも、低温環境下 (−50℃〜0℃) での石跳
ね等に対する耐食性 (耐低温衝撃剥離性) や、塗膜疵付
き部や端面の耐食性 (塗装後耐食性) も要求されてい
る。このように、自動車車体用表面処理鋼板は特に過酷
な腐食環境で使用されることから、これまでにも各種の
表面処理鋼板が積極的に適用されており、現在、Zn系ま
たはZn−Fe系、Zn−Ni系等のZn系合金めっき皮膜を有す
るZn系合金めっき鋼板が、防錆鋼板として最も一般的に
利用されている。
【0003】しかし、このZn系合金めっき鋼板でも、ま
すます過酷となる腐食環境において要求される耐食性を
十分に満足するためには、めっき付着量を増大せざるを
得ない状況にあり、耐食性に関して需要家の要望を十分
に満足できないだけでなく、製造コストの上昇も著しい
ものとなっている。
【0004】これまでにも、Zn系合金めっき鋼板の耐食
性を向上させるために様々な提案がなされている。例え
ば、特公昭58−15554 号公報には厚目付合金化溶融亜鉛
めっき鋼板のリン酸塩化成処理性や電着塗装性を向上さ
せるためにFe系フラッシュめっきからなる上層を設け、
塗膜密着性を向上することにより間接的に高耐食性を図
った複層めっき鋼板が提案されている。しかし、この複
層めっき鋼板では、鋼板自体の裸耐食性を直接的かつ抜
本的に改善することはできず、また塗装後の耐食性の向
上も僅かである。このため、複層めっき鋼板の耐食性は
基本的には下層であるZn系めっき層の特性およびその付
着量に依存するところが大きい。その結果、成形性や溶
接性さらには耐低温衝撃剥離性が不足してしまう。
【0005】そこで、本出願人は先に特開平10−88393
号公報により、0.01〜10質量% (以下、本明細書におい
ては特にことわりがない限り「%」は「質量%」を意味
するものとする) のC、H、Oからなる高分子有機物と
0.01〜10%のCoとを含有し、残部が実質的にZnからなる
とともに付着量が5〜100g/m2 のめっき皮膜を少なくと
も片面に備えた耐食性に優れた複合亜鉛合金めっき鋼板
を提案した。
【0006】すなわち、塗装後端面耐食性は、基本的に
はめっき皮膜の犠牲防食能により確保されるため、めっ
き皮膜中に亜鉛のη相を存在させる必要がある。これに
対し、裸耐食性はめっき皮膜の合金化により改善され
る。さらに、塗膜の密着性も塗装後端面耐食性の重要な
因子となるため、良好な塗装性(化成処理性)が必要と
なる。この塗装性は、化成処理時のめっき表面の反応性
によって決定される。一方、成形性においては、めっき
表面の硬質化による摺動特性の向上が、溶接性において
は、めっき表面の電気特性、すなわち接触抵抗(表面硬
度)の上昇が有効である。これは、めっき層に一定量の
Coを共析させることにより実現される。したがって、こ
の提案にかかる複合亜鉛合金めっき鋼板は、デキストリ
ンあるいはまたデキストランを添加した浴によりめっき
されて、めっき皮膜がCoとデキストリンおよび/または
デキストリンとをともに含有するため、加工性やスポッ
ト溶接性さらには耐低温衝撃剥離性がいずれも良好であ
って、さらに過酷な腐食環境にも十分耐え得る高度な耐
食性を有する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、特開平
10−88393 号公報により提案された複合亜鉛合金めっき
鋼板のさらなる性能向上を図るべく鋭意検討を重ねた結
果、実際に電気めっき設備を用いてこの複合亜鉛合金め
っき鋼板を製造すると、意外にも、得られた複合亜鉛合
金めっき鋼板の一部の耐食性が不充分な場合があること
が判明した。
【0008】確かに、特開平10−88393 号公報により提
案された複合亜鉛合金めっき鋼板の大部分は加工性やス
ポット溶接性さらには耐低温衝撃剥離性がいずれも良好
であって、さらに過酷な腐食環境にも十分耐え得る高度
な耐食性を有するのであるが、一部に耐食性が不足する
ものがある。
【0009】このため、前述した寒冷地における10年耐
孔あき腐食や5年耐外面錆を保証するには、これら一部
についても耐食性の不足を完全に解消することが不可欠
である。
【0010】本発明の目的は、塗装性、加工性、スポッ
ト溶接性、耐低温衝撃剥離性、裸耐食性(耐穴あき性)
さらには塗装後の端面耐食性が総合的に極めて優れた、
電気亜鉛合金めっき鋼板等の電気亜鉛合金めっき金属板
を確実に提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するため鋭意検討を重ねた結果、めっき皮膜に含
有される鉛不純物が耐食性に悪影響を及ぼしていること
を新規に知見した。
【0012】この鉛不純物は、電気亜鉛合金めっき鋼板
の製造では、原料薬品に含まれる不純物あるいは鉛を使
用した陽極材料からの溶出等によって、めっき皮膜に混
入するが、本発明者らの知見によれば、めっき皮膜への
鉛の混入量を200ppm以下に抑制することにより、耐食性
の不足を完全に解消することができる。
【0013】本発明は、少なくとも片面に電気亜鉛合金
めっき皮膜を備えた電気亜鉛合金めっき金属板であっ
て、この電気亜鉛合金めっき皮膜が、総計で0.01〜10%
のデキストリンおよび/またはデキストラン、0.01〜10
%のCo、および200ppm以下のPbを含有し、残部が実質的
にZnからなるとともに、目付け量が5〜200g/m2 である
ことを特徴とする電気亜鉛合金めっき金属板である。
【0014】この本発明にかかる電気亜鉛合金めっき金
属板としては電気亜鉛合金めっき鋼板が例示されるが、
この電気亜鉛合金めっき鋼板は、塗装性、加工性、スポ
ット溶接性、耐低温衝撃剥離性、裸耐食性(耐穴あき
性)さらには塗装後の端面耐食性が総合的に極めて優れ
ており、前述した10年耐孔あき腐食や5年耐外面錆を十
分に保証し得ることから、例えば自動車車体の内面また
は外面に好適に用いることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明にかかる電気亜鉛合
金めっき金属板の実施の形態を、詳細に説明する。な
お、以降の説明では、電気亜鉛合金めっき金属板が電気
亜鉛合金めっき鋼板である場合を例にとる。
【0016】母材 本実施の形態では、電気亜鉛合金めっき鋼板の母材とし
て通常の冷延鋼板を用いた。これにより、製造コストの
上昇を抑制することができる。しかしながら、自動車車
体の軽量化を図る必要性が高い場合等には、本実施の形
態とは異なり、使用目的や使用部位に応じて母材として
アルミニウム合金板等の他の適当な金属板を用いること
も可能である。
【0017】めっき皮膜 本実施の形態の電気亜鉛合金めっき鋼板は、この母材に
電気めっき法によりめっき皮膜が形成される。
【0018】めっき皮膜は、母材の片面または両面に形
成される。めっき皮膜中には、塗装後端面耐食性を良好
に保つために、亜鉛のη相が存在する。このη相は、周
知のように、X線回折測定により確認することができ
る。
【0019】また、めっき皮膜は、裸耐食性(耐穴あき
性)を良好に保つために、合金元素として、Coを0.01〜
10%含有する。Co含有量が0.01%未満であると、純亜鉛
めっきに比較して裸耐食性の改善効果が事実上消失し、
一方、Co含有量が10%を超えるとめっき皮膜中から純亜
鉛のη相が消失し、上述した犠牲防食能が低下し、塗装
後端面耐食性を確保できなくなる。そこで、本実施の形
態では、Co含有量は0.01%以上10%以下と限定する。同
様の観点および経済性の両面から、Co含有量の上限は2
%であることが望ましく、下限は0.4 %であることが望
ましい。
【0020】このη相は、展性があり鋼板やアルミニウ
ム合金板と結晶学的に整合性を保つため、母材との密着
力に優れ、良好な耐低温衝撃剥離性も実現されるととも
に、良好な成形性およびスポット溶接性も確保される。
【0021】また、めっき皮膜は、裸耐食性(耐穴あき
性)さらには塗装後の端面耐食性を確保するために、デ
キストリンまたはデキストランのうちの少なくとも一方
を、0.01〜10%含有する。デキストリンおよび/または
デキストランの含有量の総量が0.01%未満であるとかか
る効果を事実上得ることができず、一方、含有量が10%
を超えるとめっき作業が困難になるうえ、耐食性も損な
われる。そこで、本実施の形態では、デキストリンまた
はデキストランのうちの少なくとも一方の含有量を0.01
%以上10%以下と限定する。同様の観点および経済性の
面から、デキストリンまたはデキストランのうちの少な
くとも一方の含有量の上限は10%であることが望まし
く、下限は0.1 %であることが望ましい。
【0022】また、めっき皮膜に含有される鉛不純物
は、耐食性に悪影響を及ぼすことから、その含有量は20
0ppm以下に抑制する。すなわち、鉛不純物は、原料薬品
に含まれる不純物あるいは陽極材料からの溶出等によっ
て、めっき皮膜に不可避的に混入するが、めっき皮膜へ
の鉛の混入量を200ppm以下に抑制することにより、耐食
性の不足を完全に解消することができる。そこで、本発
明では、めっき皮膜に含有される鉛不純物の含有量は20
0ppm以下に抑制する。
【0023】なお、鉛の混入量を200ppm以下に抑制する
には、めっき条件を適宜制御するかまたは周知慣用のめ
っき浴中鉛の不純物除去法を適用すればよい。さらに、
本実施の形態の電気亜鉛合金めっき鋼板においても、そ
の耐食性は基本的には目付け量 (付着量) に依存すると
ころが大きい。めっき皮膜の目付け量が5g/m2未満であ
ると防錆効果が不十分となり、一方、目付け量が200g/m
2 を超えると電気亜鉛合金めっき鋼板の製造コストが嵩
み、低コストを要求される電気亜鉛合金めっき鋼板とし
て実用上大きな問題となる。そこで、本実施の形態で
は、目付量は5g/m2以上200g/m2 以下と限定する。同様
の観点から、目付量の上限は5g/m2であることが望まし
く、目付量の下限は100g/m2 であることが望ましい。
【0024】本実施の形態の電気亜鉛合金めっき鋼板に
おけるめっき皮膜の上記以外の組成は、Znおよび不純物
である。このように構成される本実施の形態の電気亜鉛
合金めっき鋼板は、電気めっき法により製造される。
【0025】電気めっき法 この電気めっきを行うための電気めっき浴は、例えば硫
酸塩浴や塩化物浴等の酸性浴、あるいは例えばシアン化
物浴等のアルカリ性浴の何れであってもよいが、酸性
浴、とりわけ硫酸塩浴を用いるほうが、金属塩が沈殿し
難いことと経済性の面から望ましい。
【0026】電気めっきは、めっき浴にデキストリンま
たデキストランの少なくとも一方を0.01%以上10%以下
添加する以外は、常法に従って行えばよい。電気めっき
条件は、めっき皮膜のめっき付着量:5g/m2以上200g/m
2 以下、Co含有量:0.01%以上10%以下、Pb:200ppm以
下、残部:実質的にZnとなるように、めっき浴に合金元
素を硫酸塩、酢酸塩、炭酸塩、モリブデン酸塩、次亜リ
ン酸塩、有機金属塩として添加すればよい。
【0027】このようにして製造される本実施の形態の
電気亜鉛合金めっき鋼板は、塗装性、加工性、スポット
溶接性、耐低温衝撃剥離性、裸耐食性(耐穴あき性)さ
らには塗装後の端面耐食性が総合的に極めて優れてお
り、前述した10年耐孔あき腐食や5年耐外面錆を十分に
保証し得ることから、例えば自動車車体の内面または外
面に好適に用いることができる。
【0028】
【実施例】さらに、本発明を実施例を参照しながら詳細
に説明する。通常の冷延鋼板を母材として、下記のめっ
き条件で電気めっきを行うことにより、電気亜鉛合金め
っき鋼板を製造した。なお、めっき浴には酢酸鉛を添加
して、めっき皮膜に含有される鉛量を調整した。
【0029】[めっき条件] ZnSO4 ・7H2O : 20〜40% CoSO4 ・7H2O : 10〜40% Na2SO4 : 5〜10% デキストリン : 0.001 〜10% pH : 1〜4 浴温 : 40〜65℃ 電流密度 : 20〜150 A/dm2 液流速 : 0.5 〜4m/sec
【0030】得られた電気亜鉛合金めっき鋼板にクロメ
ート処理および有機被覆を行うことにより、有機薄膜複
装めっき鋼板の試料とした。なお、クロメート処理には
市販の塗布型クロメート処理液を用いた。また、有機皮
膜の形成には、ビスフェノールA型エポキシ樹脂65質量
部、フェノール樹脂型硬化剤15質量部、乾性シリカ15質
量部および潤滑成分5質量部をシクロヘキサノンに溶解
し、NV(不揮発成分)を20%に調製した樹脂液を用
いた。
【0031】これらの試料について、裸耐食性(耐穴あ
き性)試験と、塗装後端面耐食性試験と、耐低温衝撃剥
離性試験と、成形加工性試験と、溶接性試験とを行っ
た。以下、これらの試験の内容を簡単に説明する。
【0032】[裸耐食性(耐穴あき性)試験]塩水噴霧
(5%−NaCl、35℃,7時間)→乾燥(50℃、2時間)
→湿潤(相対湿度RH:85%、50℃、15時間)の腐食サイ
クル試験を300 サイクル行った後、腐食生成物を除去し
て腐食深さを測定し、最大腐食深さを下記3段階に区分
して評価した。
【0033】 ○:ブリスター幅が0.2mm 未満 △:ブリスター幅が0.2mm 以上0.6mm 以下 ×:ブリスター幅が0.6mm 超
【0034】[塗装後端面耐食性試験]70mm×150mmの
大きさの試験片の端面カエリが板厚の10%となるように
金型のクリアランスを調整してプレス打ち抜きを行い、
打ち抜いた試験片を脱脂剤FC4336(日本パーカライジン
グ社製)を用いて脱脂し、PZT (日本パーカライジング
社製)で表面調整した後、PB−L3080 (日本パーカライ
ジング社製)を用いて化成処理を行い、次いで、U −80
(日本ペイント社製)で膜厚が20±1μmのカチオン電
着塗装を行い、175 ℃で25分間焼き付けた。その後、自
動車用アルキッド系塗料の中塗り(40μm)および焼き
付けと、メラミン・ポリエステル系塗料の上塗り(40μ
m)および焼き付けとを行って、自動車車体と同様の総
合塗装を行った。この試験片を上記の腐食サイクル試験
に供した。
【0035】評価は、腐食サイクル試験を60サイクル行
った後、端面の赤錆発生面積率を下記5段階に区分して
評価した。 ◎:赤錆発生なし ○:5%以下 △:5%超10%以下 ×:10%超30%以下 ××:30%超
【0036】[耐低温衝撃剥離性試験]塗装後端面耐食
性試験と同様の塗装を施し、これを供試台上にセットし
て、−40℃の低温条件下でダイヤモンド粒(直径約3m
m)を時速120km/h の速度で10箇所衝突させる試験を行
い、次に耐食性暴露試験を行なった。すなわち、一か月
に一回の頻度で30分間3%NaCl水溶液に浸漬し、その後
工業地帯環境にある屋外に暴露し、5年間にわたって継
続して行った。
【0037】評価は、衝突点での塗膜ブリスターの最大
径を下記4段階に区分して行った。 × : ブリスタ−幅が5mm以上 △ : ブリスタ−幅が3mm以上5mm未満 ○ : ブリスタ−幅が1mm以上3mm未満 ◎ : ブリスタ−幅が1mm未満
【0038】[成形加工性試験] (加工性)めっき鋼板から直径90mmの円盤状のブランク
を採取し、径90mm、深さ28mmの円筒状に深絞り成形し、
その側壁面のめっき皮膜に粘着テープを貼付した後に剥
離させる試験を行い、その際の剥離量を目視調査して判
定することによって評価した。
【0039】5:全く剥離なし 4:剥離片の付着しているテープ面積率が10%未満 3:同じく10%以上30%未満 2:同じく30%以上50%未満 1:同じく50%以上 (成形性)この深絞り成形時の母材破断の有無(有:
×、無:○)により、評価した。
【0040】[溶接性評価法]下記条件で連続してスポ
ッット溶接を行うことにより、溶接性を評価した。 電流:27000A 加圧力:30kgf 通電時間:6サイクル(60Hz) 電極形状:ドーム形 溶接方法:1点/2秒で20点連続打点溶接後に40秒間以
上休止するというサイクルを繰り返す。100 点毎にn=
3のせん断試験片を採取し、引張試験後にナゲット直径
を測定し、ナゲット直径が4t0.5(t:mmで表示した鋼板
厚) 以下となるまでの打点回数を求め、下記基準に基づ
いて評価した。
【0041】判定基準:◎:2000点以上 ○:1500点以上2000点未満 △:1000点以上1500点未満 ×:1000点未満 結果を表1にまとめて示す。
【0042】
【表1】
【0043】試料No.1〜試料No.18 は本発明で規定する
条件を全て満足する本発明例であり、試料No.19 〜試料
No.45 は本発明で規定する条件の少なくとも一つを満足
しない比較例である。
【0044】試料No.1〜試料No.18 は、本発明で規定す
る条件を全て満足するため、裸耐食性、塗装後端面耐食
性、耐低温衝撃剥離性、加工性、成形性および溶接性が
いずれも極めて優れており、前述した10年耐孔あき腐食
や5年耐外面錆を十分に保証することができる。このた
め、試料No.1〜試料No.18 の電気亜鉛合金めっき鋼板
は、例えば自動車車体の内面または外面に好適である。
【0045】これに対し、試料No.19 〜試料No.27 は、
いずれも、めっき皮膜の目付量 (Zn付着量) が本発明で
規定する範囲の下限を下回っているため、裸耐食性およ
び塗装後端面耐食性がともに劣化した。
【0046】試料No.28 〜試料No.30 は、いずれも、Co
含有量が本発明で規定する範囲の下限を下回っているた
め、裸耐食性および塗装後端面耐食性がともに劣化し
た。試料No.31 〜試料No.33 は、いずれも、Co含有量が
本発明で規定する範囲の上限を上回っているため、塗装
後端面耐食性、耐低温衝撃剥離性および加工性がいずれ
も劣化した。
【0047】試料No.34 〜試料No.36 は、いずれも、デ
キストリン含有量が本発明で規定する範囲の下限を下回
っているため、裸耐食性または塗装後端面耐食性が劣化
した。
【0048】さらに、試料No.37 〜試料No.45 は、いず
れも、Pb含有量が本発明で規定する範囲の上限を上回っ
ているため、裸耐食性および塗装後端面耐食性が劣化し
た。
【0049】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明によ
り、塗装性、加工性、スポット溶接性、耐低温衝撃剥離
性、裸耐食性(耐穴あき性)さらには塗装後の端面耐食
性が総合的に極めて優れた、例えば電気亜鉛合金めっき
鋼板等の電気亜鉛合金めっき金属板を確実に提供するこ
とができた。
【0050】このため、自動車車体用表面処理鋼板に要
求される、寒冷地における10年耐孔あき腐食や5年耐外
面錆を十分に保証することができる。かかる効果を有す
る本発明の意義は極めて著しい。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4K023 AB29 BA06 BA12 BA21 BA29 CA09 CB42 4K024 AA17 AA20 BA03 BB02 BC01 DB04 GA01 GA04 GA07 GA11 GA14

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも片面に電気亜鉛合金めっき皮
    膜を備えた電気亜鉛合金めっき金属板であって、 該電気亜鉛合金めっき皮膜は、総量で0.01〜10質量%の
    デキストリンおよび/またはデキストラン、0.01〜10質
    量%のCo、および200ppm以下のPbを含有し、残部が実質
    的にZnからなるとともに、目付け量が5〜200g/m2 であ
    ることを特徴とする電気亜鉛合金めっき金属板。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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EP2169235A2 (en) 2008-09-29 2010-03-31 Aisin Seiki Kabushiki Kaisha Hydraulic pump

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