JP2002284966A - 難燃性カチオン重合性樹脂組成物 - Google Patents

難燃性カチオン重合性樹脂組成物

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JP2002284966A
JP2002284966A JP2001089903A JP2001089903A JP2002284966A JP 2002284966 A JP2002284966 A JP 2002284966A JP 2001089903 A JP2001089903 A JP 2001089903A JP 2001089903 A JP2001089903 A JP 2001089903A JP 2002284966 A JP2002284966 A JP 2002284966A
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metal hydroxide
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Susumu Motoori
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Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】難燃剤として環境に悪影響が考えられるハロゲ
ン類有機化合物を用いることなく難燃化し、保存安定性
に優れ、迅速に硬化し、硬化阻害のないカチオン重合性
樹脂組成物を提供する。 【解決手段】環境を汚染しない難燃剤としては水酸化ア
ルミニゥム、水酸化マグネシゥム等の金属水酸化物が知
られているが、これらはそのままではカチオン重合触媒
の強力な触媒阻害作用がある。本発明はあらかじめ表面
処理剤で金属水酸化物の表面処理を行うことで、カチオ
ン重合触媒に対する触媒阻害作用を防止しうることを見
出し、金属水酸化物を難燃剤として使用しうることを見
いだしたものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】BGA(ボ−ルグリッドアレ
イ)、CSP(チップスケ−ルパッケージ)やFCP
(フリップチップパッケージ)において半導体パッケー
ジを搭載するプリント基板の高密度化の要求はますます
強くなり、スルーホールはますます増加し、スルーホー
ルを埋める樹脂を難燃化しなければ、プリント板の耐燃
性の維持は、難燃性の基板及び難燃性ソルダーレジスト
を使用するだけでは困難になるに至った。さらに、環境
問題より難燃化剤にハロゲン類の化合物を使用しないで
スルーホール充填用樹脂を難燃性にすることは緊急な課
題となった。また半導体パッケージも環境に優しいもの
とするため難燃剤にハロゲン類の化合物を使用しない
で、難燃化することが求められている。
【0002】
【従来の技術】従来は、プリント基板自身に難燃剤とし
てのハロゲン化合物をある程度の量以上添加することに
より全体としての耐燃性を保持してきた。この場合は基
板自身の難燃性が高いことから、スルーホ−ル用コーテ
ィング樹脂は、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂にフイラ
ーとしてシリカを添加するだけで、特に難燃化を必要と
しなかった。最近、難燃剤のハロゲン化合物は環境への
悪影響から、ノンハロゲンタイプの開発が進んできた。
このタイプはハロゲン含有物に比較して基板自身の耐燃
性が弱く、従来タイプの穴埋め樹脂を使う限り、スルー
ホール数の増加とあいまってプリント板の耐燃性は著し
く低下してきた。
【0003】これに加えて、最近における電子部品の薄
型化や小型化への指向、集積度の増大などに伴って、半
導体装置用のプリント板の配線密度はますます高密度化
しており、スルーホール数も増加の一途である。このた
め、スルホール用穴埋め樹脂は勿論のこと、プリント基
板にコーティングして使用する樹脂の耐燃性も必須とな
ってきた。また、それらプリント回路基板に搭載する半
導体パッケージも同様な理由によりブロム化エポキシ樹
脂を使用しないで難燃化することが求められている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来のスルーホールコ
ーティング樹脂は、単独で耐燃性の必要はなく、特に必
要な場合でも臭素系難燃剤で対応可能であった。プリン
ト基板に搭載する各種電子部品を封止する樹脂において
も同様である。最近では、環境への配慮より臭素化エポ
キシ樹脂を使用せず、高品質で、高い難燃性を持った樹
脂の開発が強く求められるに至った。本発明はこれらの
状況の中、ハロゲンフリーであり、しかも耐熱性、電気
特性が良好で難燃性であり優れた硬化性の樹脂組成物を
提供することを目的としたものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は上述の事実に鑑
みてなされたもので、その目的とするところは、密着
性、耐熱性、耐湿性、柔軟性及び電気特性等に優れたエ
ポキシ樹脂又は/及びオキセタン環を有する樹脂、難燃
性を付与するための本発明の方法による処理をした金属
水酸化物フィラー及びカチオン重合性触媒からなる樹脂
組成物を提供することにある。
【0006】金属水酸化物は本発明の難燃剤として必須
成分であるが、金属水酸化物はそのままでは、そのアル
カリ性の性質によりカチオン重合触媒を失活させ、硬化
阻害を生じることは公知である。金属水酸化物を必要量
添加して、硬化阻害を無くすことを種々検討した結果、
金属水酸化物の表面を表面処理剤で完全に被覆し、カチ
オン重合触媒と金属水酸化物が直接に接触しなければ、
触媒の失活を防止し、優れた硬化速度を保持することを
見いだし、本発明を完成させるに至った。
【0007】すなわち、(A)エポキシ樹脂混合物及び
/またはオキセタン環を有する樹脂混合物、(B)オニ
ウム塩、鉄-アレーン錯体、スルホン酸エステルから選
ばれるカチオン重合触媒及び(C)平均粒子径が0.1〜8
0μmであり、あらかじめ一般式YRSiX3で表され
る表面処理剤で表面処理した金属水酸化物を必須成分と
してなる難燃性カチオン重合性樹脂組成物に関するもの
である。また、この組成物を用いてコーティングまたは
スルーホール穴埋めした回路基板及びこの組成物を用い
て封止した半導体パッケージもこの技術範囲に含まれ
る。
【0008】
【本発明の実施の形態】本発明において使用されるエポ
キシ樹脂(A)は、一分子中に少なくとも2個のエポキ
シ基を有し、エポキシ当量は、120〜1000のもの
が好ましい。ここで、請求項2の室温で液状とは20〜40
℃で流動性を有することをいう。また、室温で液体のエ
ポキシ樹脂と固体エポキシ樹脂の均一な混合物で、混合
後に室温で液状のものは、ここでいう室温で液状のエポ
キシ樹脂に包含される。
【0009】この様なエポキシ樹脂としては、ビスフェ
ノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ
樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、1,4−ブタンジオ
ール、1,6−ヘキサンジオール、ポリエチレングリコ
ール、ポリプロピレングリコール、トリメチロールプロ
パン等の多価アルコールのポリグリシジルエーテル、多
価フェノ−ルとエピクロルヒドリンとを縮合させて得ら
れるグリシジルエ−テル、ノボラック型フェノ−ル樹脂
とエピクロルヒドリンとを縮合させて得られるエポキシ
ノボラック樹脂、フタル酸、テトラヒドロフタル酸、ヘ
キサヒドロフタル酸、セバチン酸、ドデカン二酸等のポ
リカルボン酸のポリグリシジルエステル、グリシジルア
ミン型エポキシ樹脂、過酸化法によりエポキシ化したエ
ポキシ化ポリオレフィン、エポキシ化ポリブタジエン、
シクロヘキセンオキシド、脂環式エポキシ樹脂等が例示
される。これらエポキシ樹脂は2種類もしくはそれ以上
のエポキシ樹脂の混合物であってもよく、混合状態で室
温で液状であればより好ましい。なお、モノエポキシ化
合物を適宜併用することは差し支えなく、このモノエポ
キシ化合物としてはスチレンオキシド、シクロヘキセン
オキシド、プロピレンオキシド、メチルグリシジルエ−
テル、エチルグリシジルエ−テル、フェニルグリシジル
エ−テル、アリルグリシジルエ−テル、オクチレンオキ
シド、ドデセンオキシドなどが例示される。
【0010】本発明の組成のオキセタン環を有する樹脂
(A)は、1分子中に少なくとも2個のオキセタン環を有
していることが望ましい。そのよう樹脂の原料として、
1,4-ビス〔(3-エチル-3オキセタニルメトキシ)メチ
ル〕ベンゼン、1,4-ビス〔(3-エチル-3オキセタニル
メトキシ)メチル〕ヘキサン、4,4’-ビス[2-(3-オ
キセタニル)ブトキシメチル]ビフェニル、ビス{[エ
チル(3-オキセタニル)]メチル}エーテル、炭酸ビス
{[エチル(3-オキセタニル)]メチル}、アジピン酸
ビス{[エチル(3-オキセタニル)]エチル}、テレフ
タル酸ビス{〔エチル(3-オキセタニル)〕メチル}、
1,4-シクロヘキサンカルボン酸ビス{[エチル(3-オ
キセタニル)]メチル}が例示される。また、これらの
混合物であってもよい。なお、モノオキセタン環を有す
る化合物を適宜併用することは差し支えなく、そのよう
な化合物として、3-エチル-3-ヘキシルオキシメチルオ
キセタン、3-エチル-3-ベンジルオキシメチルオキセタ
ン、3-エチル-3-カルボキシルオキセタン、3-エチル-3-
ヒドロキシメチルオキセタンなどが例示される。
【0011】本発明においては、このような(A)成分
の1種または2種以上を選択して用いることにより、組
成物の粘度を用途に合致させ、硬化して得られる接着
性、耐熱性、耐湿性等のバランスを良くすることができ
る。本発明においては硬化速度を速くするために上記し
た室温で液状であるエポキシ樹脂混合物及び/またはオ
キセタン環を有する樹脂混合物(A)100重量部のうち2
〜20部をポリオール及び/または酸無水物とすることが
出来る。ポリオールとしては、ポリエチレングリコー
ル、ポリプロピレングリコール、ポリエステルグリコー
ル等があげられる。
【0012】酸無水物としては、無水フタール酸、無水
テトラヒドロフタール酸、無水ヘキサヒドロフタール
酸、無水ピロメリット酸、無水ベンゾフェノンテトラカ
ルボン酸、無水メチルナジック酸、無水ナジック酸等が
あげられる。これらのポリオール及び酸無水物は2部以
下では重合促進の効果がなく、20部を超えると耐湿性、
耐熱性の性能が劣化する。
【0013】本発明に用いる(B)成分はオニウム塩、
鉄-アレーン錯体、スルホン酸エステルから選ばれるカ
チオン重合触媒である。(B)成分は加熱またはUV光
照射により(A)樹脂成分のエポキシ環及び/またはオ
キセタン環を開環重合させることで樹脂を速やかに硬化
させる。本発明に用いる(B)成分のオニウム塩は一般
式がジアリールヨードニウム塩Ar2+・X-、トリア
リールスルホニウム塩Ar3+・X-,トリアリールセ
レノニウム塩Ar3Se+・X- ,テトラアリールホスホ
ニウム塩Ar4+・X- で示される化合物である。アリ
ール(Ar)は1個または2個の置換基を有するベンゼン
環かまたは無置換ベンゼン環である。置換基は、メチ
ル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、オクチル、
デシル、ドデシル、テトラデシル、tert-ブチル基のよ
うな直鎖状または分岐状のアルキル基、シクロアルキル
のようなシクロアルキル基、フェニル、ナフチルのよう
なアリール基、トリル、キシリルのようなアルカリール
基、ベンジル、2−フェニルエチルのようなアラルキル
基、ビニル、アリル、ブテニルのようなアルケニル基の
ような1価の置換炭化水素基、メトキシ、エトキシ、プ
ロポキシ、tert-ブトキシ基のようなアルコキシル基、
ニトロ基、シアノ基、CH3CONH基が例示される。
対アニオンはSbF6 -、AsF6 -、PF6 -、BF4 -、C
lO4 -、CF3SO3 -、FSO3 -、F2PO2 - 及び[B
(C65 )]-が例示される。これらのオニウム塩のうち
ヨードニウム塩及びスルホニウム塩が優れた硬化性を示
すことから好ましく、対アニオンはPF6 - 及び[B(C
65 )]-が毒性が少なく、硬化性に優れる。
【0014】このような好ましいオニューム塩として、
ジフェニルトードニウム、フェニル(4-t-ブチルフェ
ニル)ヨードニウム、ジ(4-トリル)ヨードニウム、ジ
(4-ヒドロキシフェニル)ヨードニウム、 ジ(4-メト
キシフェニル)ヨードニウム、ジ(4-エトキシフェニ
ル)ヨードニウム、ジ(アセトキシフェニル)ヨードニ
ウム、(4-ヒドロキシフェニル)ベンジルヨードニウ
ム、ジ(4-クミル)ヨードニウム、(4-メトキシフェニ
ル)-1-ナフチルメチルヨードニウムなどのヨードニウ
ム;トリフェニルスルホニウム、ジフェニル(4-t-ブ
チルフェニル)スルホニウム、トリトリルスルホニウ
ム、トリス(4-ヒドロキシフェニル)スルホニウム、
トリス(4-メトキシフェニル)スルホニウム、トリス
(4-エトキシフェニル)スルホニウム、トリス(アセト
キシフェニル)スルホニウム、メチル(4-ヒドロキシフ
ェニル)ベンジルスルホニウム、メチル(4-メトキシフ
ェニル)-1-ナフチルメチルスルホニウムなどのヘキサ
フロロホスへートの塩、テトラキス(ペンタフロロフェ
ニル)ボロンとの塩が好ましい。
【0015】
【化1】
【0016】本発明に用いる(B)成分の鉄-アレーン
錯体は上式で表されるものであり、Lはフェニル、ナフ
チル、及びアントラシルなどのアリール基、対アニオン
のXはSbF6 -、AsF6 -、PF6 -、BF4 -、CF3
3 -またはClO4 -が例示される。特に(η6-ベンゼ
ン)(η5-シクロペンタジエニル)鉄(II)[CpFe
Bz]+PF6 -で表されるヘキサフロロホスへートとの
塩が好ましい。本発明に用いる(B)成分のスルホン酸
エステルは、α-ヒドロキシメチルベンゾインスルホン
酸エステル、N−ヒドロキシイミドスルホネート、α-
スルホニトロキシケトン及びβ-スルホニトロキシケト
ンが例示される。これらのカチオン重合触媒は1種また
は2種以上を併用することは差し支えない。その使用量
は(A)樹脂100重量部に対して0.05〜8重量部である。
さらに好適には0.5〜6重量部であることが望ましい。
【0017】必要ならば、組成物はさらに、カチオン重
合触媒の速度を増大させるフリーラジカル・イニシエー
タを含むものでもよい。フリーラジカルは、カチオン重
合触媒の解離を促進して、酸を生成すると考えられる。
それらのフリーラジカル・イニシエータは、光で発生し
ても熱で発生してもよい。そのようなフリーラジカル・
イニシエータはクメンハイドロパーオキサイド、1,
1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイ
ドなどのハイドロパーオキサイド、ジ-tert-ブチルパー
オキサイド、ジクミルパーオキサイドのようなジアルキ
ルパーオキサイド、n-ブチル-4、4-ビス(t-ブチルパ
ーオキシ)バリラートのようなパーオキシケタール、t
-ブチルパーオキシベンゾエート、t-ブチルパーオキシ
アセテートのようなパーオキシエステルなどの有機過酸
化物が例示される。その使用量は(A)100重量部に対
して0.01〜1重量部である。
【0018】本発明に於いて金属水酸化物(C)は水酸
化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化ジルコニ
ウムが例示されるが、水酸化アルミニウムが難燃化剤と
して入手が容易で好適である。その平均粒子径が0.1〜8
0μmのものが使いうるが、0.5〜20μmの範囲が樹脂
組成物の作業性の点でより好適である。これらの金属水
酸化物はアルカリ性化合物であり、そのままで上述した
樹脂(A)およびカチオン重合触媒(B)混合物に添加
しても金属水酸化物がカチオン重合触媒を失活させ、樹
脂の硬化は全く起こらなくなる。これは金属水酸化物表
面にカチオン重合触媒が接触することによリ起こるる化
学反応のため、触媒が分解し失活することによる。一般
式YRSiX3で表される表面処理剤で、上述した金属
水酸化物(C)の表面を完全に被覆する事で触媒の分解
を防止し、失活を無くせることを見いだした。
【0019】一般式YRSiX3で表される表面処理剤
は、Xがメトキシ基、エトキシ基、アセトキシ基であ
り、YRがエチレン基、γ-グリシドキシプロピル基ま
たは3,4-エポキシシクロヘキシルエチル基から選ばれ
る処理剤である。なお、これらは樹脂に混合する充填剤
の表面処理剤として公知であり、一般的に使用されてい
るが、それらの場合は界面接着力の改善、耐湿性の改
善、機械強度の改善等を目的として使用している。この
ような処理剤として、3-グリシドキシプロピルトリメト
キシシラン、3-グリシドキシプロピル(メチル)ジメト
キシシラン、2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチ
ルトリメトキシシラン、2-(3,4-エポキシシクロヘキ
シル)エチル(メチル)ジメトキシシランなどが例示さ
れる。
【0020】本発明においては、表面処理剤の使用はカ
チオン重合触媒の失活防止であり、従来とは明らかに違
った目的のための技術である。金属水酸化物の表面を完
全に被覆する表面処理剤の理論量は、金属水酸化物の比
表面積/表面処理剤の最少被覆面積より求められる。触
媒の失活防止のためには、この理論量以上であることが
必須である。一方、理論量の20倍を超えて添加しても効
果に差はなく処理剤の無駄となる。より好ましくは理論
量〜理論量の10倍の範囲である。この際、処理の順序が
重要であり、金属水酸化物の表面処理を行ってからエポ
キシ樹脂及び硬化触媒を混合しないと触媒の失活防止の
効果はない。
【0021】金属水酸化物の比表面積は一般的な方法で
あるBET法で測定する。測定値は好適に計算の基礎数
値と出来る。表面処理剤の最少被覆面積は処理剤メーカ
ーの技術資料に明記されている。このようにして金属水
酸化物の表面を完全に被覆する処理剤の量は計算され
る。
【0022】以下に、金属水酸化物の表面処理の手順を
例示する。まず、計算より求めた量の1〜6倍の表面処理
剤に対して、その全量の2〜5倍の水、またはアルコール
水溶液(水/アルコールの比1/9が好ましい)に加え、完
全に分散するまで混合する。所定量のフィラーをヘンシ
ェルミキサーに入れ、フィラーを均一に撹拌しながら、
先に調合した表面処理剤溶液を徐々に添加する。表面処
理剤溶液を全量添加してから、さらに15〜30分間混合撹
拌した後、湿っているフィラーを取り出し、トレーに均
一に広げ、100〜150℃で1〜2時間乾燥する。これは処
理方法の一例であり、樹脂及び触媒とフイラーを混合す
る前に表面処理するのであれば、この例に限られるもの
ではない。
【0023】本発明において、表面処理剤はチタネート
系やアルミニウム系と併用する事が出来る。そのような
表面処理剤として、sec-プロポキシ(トリステアリ
ル)チタネート、tert-ブトキシ(トリス4-ラウリル
フェニルスルフォニル)チタネート、アセトアルコキシ
アルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムイソプ
ロピレート、アルミニウムトリス(エチルアセトアセテ
ート)が例示される。
【0024】本発明において、所期の特性を損なわない
範囲において、(C)成分以外のその他の充填剤の添加
も可能である。これらは周知であり、一般に使用されて
いるものであれば、特に限定はされない。充填剤の代表
的な例としては、シリカ、マイカ、タルク、酸化チタ
ン、二酸化珪素、酸化アルミニウム、窒化珪素、窒化硼
素、ガラス短繊維及び微粉末、中空ガラスなどの無機粉
末、シリコーンパウダーなどの有機粉末などがあげられ
る。
【0025】本発明において、難燃剤として燐化合物を
金属水酸化物と併用することができる。そのような隣化
合物として、トリメチルホスフェート、トリエチルフォ
スフェート、トリブチルフォスフェート、トリ-2-エチ
ルヘキシルフォスフェート、トリブトキシエチルフォス
フェート、トリフェニルフォスフェート、トリクレジル
フォスフェート、トリキレニルフォスフェート、クレジ
ルジフェニルフォスフェート、キシレニルジフェニルフ
ォスフェート、2-エチルヘキシルジフェニルフォスフェ
ート、トリス(2,6ジメチルフェニル)ホスフェート、
レゾルシンジフェニルフォスフェートなどのリン酸エス
テル、ポリリン酸アンモニウム、ポリリン酸アミド、赤
燐、リン酸グアニジン、ジアルキルヒドロキシメチルホ
スホネートなどの縮合リン酸エステルなどが例示される
が、特にこれらに限定されるものではない。これらは何
種類か併用して用いることもできる。これらの燐化合物
の添加量は樹脂(A)100重量部に対して、燐として1〜
7重量部である。
【0026】さらに、本発明の樹脂組成物に、必要に応
じて、着色剤、消泡剤、レベリング剤を必要量添加し、
流動性調整、ボイド防止、着色を行うこともよい。ま
た、 本発明の樹脂組成物をコーティングするさいの、
被着物に対する密着の向上を目的として3-グリシドキシ
プロピルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピル
(メチル)ジメトキシシランなどの表面処理剤を添加し
てもよい。本発明の樹脂組成物の使用目的によっては作
業を円滑に行うため、界面活性剤、内部離型剤、増感剤
等を添加してもよい。
【0027】本発明の樹脂組成物は、必要とする各成分
をライカイ機、ロール、ニ−ダーなどの混合装置を用い
て均一に混練することにより得られる。その混合順序は
(C)成分についての具体的方法は先に述べた通りであ
る。
【0028】本発明のカチオン重合性樹脂組成物は、通
常は触媒を失活させるアルカリ性金属水酸化物を難燃剤
として大量に含有して、なお光硬化及び熱硬化を可能と
したものである。しかも、光硬化、熱硬化においても短
時間で硬化が可能である。光硬化の場合、高圧水銀灯、
キセノンランプなどの光源により、500mj以上の照射
で硬化させることができる。また、光硬化によりBステ
ージ状態にした後、熱硬化により完全硬化させることも
できる。
【0029】本発明の組成物は、たとえばスクリーン印
刷で、スルーホールの充填や電子部品の封入を行い、高
圧水銀灯の光源により、500mj照射で硬化させ得る。
さらに必要であれば、加熱により後硬化を行うことも可
能である。
【0030】
【実施例】次に本発明を実施例、比較例に基づいて説明
するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるも
のではない。なお、実施例などの「部」の記載は特に断
らない限り重量基準である。実施例の(A)成分及び
(A)成分と混合出来るものとして次のものを使用し
た。 A1:3,4-エポキシシクロヘキシメチル-3,4-エポキ
シシクロヘキシルカルボキシレート A2:ビスフェノールF型エポキシ樹脂 A3:4,4’-ビス{2-(3-オキセタニル)ブトキシメ
チル}ビフェニル A4:1,4-ビス〔(3-エチル-3オキセタニルメトキ
シ)メチル〕ベンゼン A81:メチルテトラヒドロ無水フタル酸 A82:ポリカプロラクトントリオール
【0031】実施例の(B)成分及び(B)成分と混合
出来るものとして次のものを使用した。 B1:4,4−ビス(フェニルスルフォニオ)フェニル
スルフィド-ヘキサフロロホスフェート B2:4-トリル(4-クミル)ヨードニウム-テトラキス
(ペンタフロロフェニル)ボレート B3:(η6-ベンゼン)(η5-シクロペンタジエニル)
鉄(II)ヘキサフロロフォスフェート B101:ジクミルパーオキサイド
【0032】実施例の(C)成分として次のものを使用
した。 C1:平均粒子径8μm、BET法比表面積2.0m2/gの
水酸化アルミニウム100部に対して、3-グリシドキシプ
ロピルトリメトキシシラン表面処理剤(最少被覆面積320
m2/g)の量は次のように計算できる。 2 * 100 / 320 = 0.625 この計算量の約5倍である3部の3-グリシドキシプロピ
ルトリメトキシシランをアルコール水溶液(水/アルコ
ールの比を1/9とする)に加え、完全に分散するまで混
合する。準備したフィラーをヘンシェルミキサーに入れ
る。フィラーを均一に撹拌しながら、先に調合した表面
処理剤溶液を徐々に添加する。表面処理剤溶液を全量添
加してから、さらに30分間混合撹拌した。混合が終わっ
たら、湿っているフィラーを取り出し、トレーに均一に
広げ、120℃で2時間乾燥した。乾燥したものを使用に供
した。 C2:平均粒子径0.6μm、BET法比表面積8.0m2/g
の水酸化アルミニウム100部に対して、3-グリシドキシ
プロピルトリメトキシシラン7.2部でC1と同様の手順
で処理を行った。比表面積はC1の4倍であるから、水
酸化アルミの全表面を被覆する最少必要量は、2.5部と
計算できる。
【0033】このようにし処理した水酸化アルミニウム
を表1の樹脂組成に配合し、3本ロールにより混合した。
【0034】
【表1】
【0035】注1:3-グリシドキシプロピルトリメトキシ
シラン 注2:平均粒子径3.6μm、比表面積18m2/gの合成シリ
カ 注3:平均粒子径8μm、BET法比表面積2.0m2/gの水
酸化アルミニウムで、未処理のもの
【0036】これらの、樹脂組成物をフッ素樹脂基板
に、厚さ200μmに塗布し、高圧水銀灯を用いて、500m
jの紫外線を照射した後、150℃で30min.加熱して硬化
させた。ただし、比較例の1は、10倍の5000mjの紫外
線を照射し、150℃で1時間加熱しても全く硬化は起こら
なかった。樹脂組成物の物性は表2に示した。本発明の
顕著な効果が認められた。
【0037】
【表2】
【0038】
【発明の効果】本発明の樹脂組成物は硬化性及び保存安
定性に優れ、環境に優しい難燃化剤である水酸化アルミ
ニウムを使用して、高い難燃効果を現し、電気特性にも
優れ、信頼性が高くプリント基板のコーティング、ダイ
オード、IC、LSIなどの半導体の封止に広く有用で
ある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 71/00 C08L 71/00 Z H01L 23/29 H05K 3/28 C 23/31 H01L 23/30 R H05K 3/28 Fターム(参考) 4J002 CD01W CD02W CD04W CD05W CD06W CD08W CD13W CH02X CH03W DA059 DE078 DE098 DE138 DH049 EB117 EL136 EV297 EW047 EW049 EY017 FB098 FB138 FD138 FD139 FD14X FD146 FD157 GQ00 GQ01 GQ05 4M109 AA01 BA01 CA21 EA02 EB04 EB07 EC07 EC14 EC20 5E314 AA32 AA42 BB02 BB11 BB12 BB13 CC01 FF05 FF08 GG08 GG26

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)エポキシ樹脂混合物及び/またはオ
    キセタン環を有する樹脂混合物、(B)オニウム塩、鉄
    -アレーン錯体、スルホン酸エステルから選ばれるカチ
    オン重合触媒及び(C)平均粒子径が0.1〜80μmであ
    り、あらかじめ一般式YRSiX3で表される化合物で
    表面処理した金属水酸化物を必須成分としてなる難燃性
    カチオン重合性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】請求項1のエポキシ環を有する化合物が室
    温で液状であるエポキシ樹脂である、請求項1の組成
    物。
  3. 【請求項3】請求項1のオキセタン環を有する化合物が
    1,4-ビス〔(3-エチル-3オキセタニルメトキシ)メチ
    ル〕ベンゼン、1,4-ビス〔(3-エチル-3オキセタニル
    メトキシ)メチル〕ヘキサンまたは4,4’-ビス[2-(3
    -オキセタニル)ブトキシメチル]ビフェニルから選ば
    れる請求項1の組成物。
  4. 【請求項4】請求項1の一般式YRSiX3で表される表
    面処理剤が、Xがメトキシ基、エトキシ基またはアセト
    キシ基であり、YRがエチレン基、γ-グリシドキシプ
    ロピル基または3,4-エポキシシクロヘキシルエチルキ
    から選ばれる処理剤で処理した請求項1記載の金属水酸
    化物。
  5. 【請求項5】請求項1に於ける金属水酸化物が水酸化ア
    ルミニウムまたは水酸化マグネシウムであることを特徴
    とする請求項1の組成物。
  6. 【請求項6】金属水酸化物の表面処理を請求項4記載の
    処理剤で処理を行った後エポキシ樹脂及び硬化触媒を混
    合することを特徴とする請求項1の組成物であって、処
    理剤の量は無機充填剤の比表面積と処理剤の最小被覆面
    積より理論的に求められる最少必要量〜最少必要量の2
    0倍であることを特徴とする請求項1の組成物。
  7. 【請求項7】請求項1、2,3記載の樹脂(A)100重量部
    に硬化触媒(B)0.05〜8重量部及び金属水酸化物
    (C)20〜500重量部である請求項1の組成物。
  8. 【請求項8】請求項1、2,3、7記載の樹脂(A)100重
    量部のうち2〜20部がポリオール及び/または酸無水物で
    ある組成物。
  9. 【請求項9】請求項1〜8記載の組成物であって、耐燃助
    剤として燐化合物を樹脂(A)100重量部に対して燐成
    分として1〜7部を添加した組成物。
  10. 【請求項10】請求項7記載の組成物にさらに、フリー
    ・ラジカル・イニシエータを0.01〜1部を添加した組成
  11. 【請求項11】請求項1〜10記載の組成物を用いてコー
    ティングまたはスルーホール穴埋めしたプリント回路基
    板。
  12. 【請求項12】請求項1〜10記載の組成物を用いて封止
    した半導体パッケージ。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008285591A (ja) * 2007-05-17 2008-11-27 Nitto Denko Corp 光半導体素子封止用エポキシ樹脂組成物およびその硬化体ならびにそれを用いた光半導体装置
JP2012001690A (ja) * 2010-06-21 2012-01-05 Adeka Corp 光硬化性樹脂組成物
WO2021117396A1 (ja) * 2019-12-11 2021-06-17 株式会社スリーボンド カチオン硬化性組成物、硬化物および接合体
JP7481011B2 (ja) 2021-01-04 2024-05-10 協立化学産業株式会社 熱カチオン重合性樹脂組成物

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