JP2002284847A - エポキシ樹脂組成物及びその硬化物 - Google Patents

エポキシ樹脂組成物及びその硬化物

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Abstract

(57)【要約】 【課題】流動性に優れて、且つ硬化物において優れた耐
熱性を有し、電気電子部品用絶縁材料(高信頼性半導体
封止材料など)及び積層板(プリント配線板、ビルドア
ップ基板など)やCFRPを始めとする各種複合材料、
接着剤、塗料等に有用な材料を提供すること。 【解決手段】共役ジエン基を有するエポキシ樹脂及び/
又はエポキシ樹脂硬化剤と、ケトン基に隣接する不飽和
基を有する化合物を必須成分とするエポキシ樹脂組成物
を調製し、この組成物を硬化させることによる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は高信頼性半導体封止
用を始めとする電気・電子部品絶縁材料用、及び積層板
(プリント配線板、ビルドアップ基板)やCFRP(炭
素繊維強化プラスチック)、光学材料を始めとする各種
複合材料、接着剤、塗料等に有用なエポキシ樹脂組成物
及びその硬化物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】エポキシ樹脂組成物は作業性及びその硬
化物の優れた電気特性、耐熱性、接着性、耐湿性(耐水
性)等により電気・電子部品、構造用材料、接着剤、塗
料等の分野で幅広く用いられている。
【0003】しかし、近年電気・電子分野においてはそ
の発展に伴い、樹脂組成物の高純度化をはじめ耐湿性、
密着性、誘電特性、フィラーを高充填させるための低粘
度化、成型サイクルを短くするための反応性のアップ等
の諸特性の一層の向上が求められている。又、構造材と
しては航空宇宙材料、レジャー・スポーツ器具用途など
において軽量で機械物性の優れた材料が求められてい
る。これらの要求に対し、エポキシ樹脂組成物について
多くの提案がなされてはいるが、未だ充分とはいえな
い。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、その組成物
に於いて流動性が良好であり、硬化物では高耐熱性を発
現させることにより、電気電子部品用絶縁材料(高信頼
性半導体封止材料など)及び積層板(プリント配線板、
ビルドアップ基板など)やCFRPを始めとする各種複
合材料、接着剤、塗料等に有用な材料を提供する。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは前記課題を
解決するため鋭意研究の結果、本発明を完成した。即
ち、本発明は、(1)共役ジエン基を有するエポキシ樹
脂及び/又はエポキシ樹脂硬化剤と、ケトン基に隣接す
る不飽和基を有する化合物を必須成分とするエポキシ樹
脂組成物(2)共役ジエン基を有する化合物が、式
(1) (式中、Yはグリシジルエーテル基、ジグリシジルアミ
ノ基、水酸基又はアミノ基を示す。m、nは0〜6の整
数を示す。Xは酸素原子、硫黄原子又は炭素数1〜6に
炭化水素残基を示す。Rは、水素原子、炭素数1〜10
の炭化水素基又はハロゲン原子を示す。lは平均値を示
し、0〜20の実数を示す。m、nは0〜6の整数を示
す。)で表される化合物である前記(1)記載のエポキ
シ樹脂組成物、(3)ケトン基に隣接する不飽和基を1
分子中に2個以上有する化合物を含む前記(1)〜
(2)記載のエポキシ樹脂組成物、(4)ケトン基に隣
接する不飽和基を有する化合物が、分子中にアミノ基、
水酸基及び酸無水物基からなる群から選ばれる1種以上
を有する前記(1)〜(3)記載のエポキシ樹脂組成
物、(5)前記(1)〜(4)に記載のエポキシ樹脂組
成物の硬化物、(6)前記(1)〜(4)に記載のエポ
キシ樹脂組成物で封止した半導体装置に関する。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明のエポキシ樹脂組成
物について説明する。本発明のエポキシ樹脂組成物にお
いて使用する共役ジエン基を有するエポキシ樹脂又はエ
ポキシ樹脂硬化剤(以下、単に共役ジエン基を有する化
合物という)としては、共役ジエン基とグリシジル基を
有するエポキシ樹脂や共役ジエン基及び水酸基やアミノ
基等のグリシジルエーテル基と硬化反応を起こし得る官
能基を有するエポキシ樹脂硬化剤であれば特に限定され
ず例えば前記(1)の化合物を始め、下記式(2)〜
(6)
【0007】
【化2】
【0008】(式(2)〜(6)中、Yはグリシジルエ
ーテル基、ジグリシジルアミノ基、水酸基又はアミノ基
を示す。m、nは0〜9の整数を示す。Xは酸素原子、
硫黄原子、炭素数1〜6の炭化水素残基を示す。Rは水
素原子、炭素数1〜10の炭化水素残基、ハロゲン原子
を示す。)で表される化合物などが挙げられるがこれら
に限定されることはなく、単独でも2種以上併用しても
良い。本発明においては、これら共役ジエン基を有する
化合物のうち式(1)で表される化合物が好ましい。
尚、式(1)及び(6)において、炭素数1〜6の炭化
水素残基としては、−CH−、−CH−CH−、
−CH(CH)−CH−、−CH(CH)−
CH(CH)−等が挙げられる。また、式(1)に
おいて、Xとしては、酸素原子、硫黄原子、−CH
又は−CH−CH−が好ましく、Rとしてはメチル
基、ブチル基、フェニル基又はプロペニル基が好まし
く、mとしては1〜2が好ましく、nとしては1〜3が
好ましい。
【0009】本発明のエポキシ樹脂組成物において用い
られ得るケトン基に隣接する不飽和基を有する化合物と
しては、ベンゾキノン類、ナフトキノン類、アントラキ
ノン類、フェニルマレイミド、ヒドロキシフェニルマレ
イミド、N,N’−エチレンビスマレイミド、N,N’
−ヘキサメチレンビスマレイミド、N,N’−フェニレ
ンビスマレイミド、4,4’−ビスマレイミドジフェニ
ルメタン、4,4’−ビスマレイミドジフェニルプロパ
ン、4,4’−ビスマレイミドジフェニルスルホン、ア
ニリン類・アルデヒド類重縮合物のアミノ基と無水マレ
イン酸を縮合脱水したマレイミド樹脂、アニリン類・芳
香族ジメタノール類重縮合物のアミノ基と無水マレイン
酸を縮合脱水したマレイミド樹脂、無水マレイン酸、無
水イタコン酸、無水シトラコン酸等が挙げられるがこれ
らに限定されることはなく、これらは単独で用いてもよ
く、2種以上を併用してもよい。これらケトン基に隣接
する不飽和基を有する化合物のうち、ケトン基に隣接す
る不飽和基が2個以上有する化合物やケトン基に隣接す
る不飽和基とアミノ基、フェノール性水酸基及び酸無水
物基の3種からなる群から選ばれる1種以上を共に有す
る化合物が好ましい。
【0010】共役ジエン基を有する化合物とケトン基に
隣接する不飽和基を有する化合物の使用量は、共役ジエ
ン基1モルに対し、不飽和基が通常0.01〜3モル、
好ましくは0.03〜2モルの範囲である。
【0011】共役ジエン基を有する化合物とケトン基に
隣接する不飽和基を有する化合物とは、ディールスアル
ダー反応によりお互いに無触媒で例えば硬化物中で下記
式(A)〜(C)
【0012】
【化3】
【0013】の様に結合することが可能であるため、硬
化前及び硬化中は各成分の相溶性が向上し、硬化後は架
橋密度が高くなり耐熱性の向上につながる。
【0014】また特開平1−188518に記載のエポ
キシ樹脂組成物のように、エポキシ樹脂組成物の低粘度
化の目的でフェニルマレイミドを含有させた場合、組成
物硬化後にマレイミドが他の成分と結合せずに硬化体中
に残存するため、この硬化物を使用した製品を使用中に
徐々にブリードアウトしてくる可能性がある。しかし、
本発明のエポキシ樹脂組成物の様に共役ジエン基を有す
る化合物を含有していれば、前述の例のように構造中に
取り込まれて、ブリードアウトを防ぐことが可能とな
る。また、フェニルマレイミド以外にも、ナフトキノン
類なども低粘度化の目的で使用しうる。
【0015】本発明のエポキシ樹脂組成物においては、
共役ジエン基を有さないエポキシ樹脂も含有させること
ができ、その具体例としてはビスフェノール類(ビスフ
ェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、ビ
フェノール、ビスフェノールAD等)、フェノール類と
各種アルデヒド(ホルムアルデヒド、アセトアルデヒ
ド、アルキルアルデヒド、ベンズアルデヒド、アルキル
置換ベンズアルデヒド、ヒドロキシベンズアルデヒド、
ナフトアルデヒド、グルタルアルデヒド、フタルアルデ
ヒド、クロトンアルデヒド、シンナムアルデヒド、フル
フラール、チオフェンカルボキシアルデヒド等)との重
縮合物、フェノール類と各種ジエン化合物(ジシクロペ
ンタジエン、テルペン類、ビニルシクロヘキセン、ノル
ボルナジエン、ビニルノルボルネン、テトラヒドロイン
デン、ジビニルベンゼン、ジビニルビフェニル、ジイソ
プロペニルビフェニル、ブタジエン、イソプレン等)と
の重合物、フェノール類とケトン類(アセトン、メチル
エチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセトフェノ
ン、ベンゾフェノン等)との重縮合物、フェノール類と
芳香族ジメタノール類(ベンゼンジメタノール、α,
α,α’,α’−ベンゼンジメタノール、ビフェニルジ
メタノール、α,α,α’,α’−ビフェニルジメタノ
ール等)との重縮合物、フェノール類と芳香族ジクロロ
メチル類(α,α’−ジクロロキシレン、ビスクロロメ
チルビフェニル等)との重縮合物、ビスフェノール類と
各種アルデヒドの重縮合物、アルコール類等をグリシジ
ルエーテル化したグリシジルエーテル系エポキシ樹脂、
前記グリシジルエーテル系エポキシ樹脂のハロゲン化
物、脂環式エポキシ樹脂、グリシジルアミン系エポキシ
樹脂、グリシジルエステル系エポキシ樹脂等が挙げられ
るが、通常用いられるエポキシ樹脂であればこれらに限
定されるものではない。これらは単独で用いてもよく、
2種以上を用いてもよい。
【0016】本発明のエポキシ樹脂組成物においては、
共役ジエン基を有さないエポキシ樹脂硬化剤も含有させ
ることができ、その具体例としては、例えばアミン系化
合物、酸無水物系化合物、アミド系化合物、フェノール
系化合物などが挙げられる。用いうる硬化剤の具体例と
しては、ジアミノジフェニルメタン、ジエチレントリア
ミン、トリエチレンテトラミン、ジアミノジフェニルス
ルホン、イソホロンジアミン、ジシアンジアミド、リノ
レン酸の2量体とエチレンジアミンとより合成されるポ
リアミド樹脂、無水フタル酸、無水トリメリット酸、無
水ピロメリット酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチル
テトラヒドロ無水フタル酸、無水メチルナジック酸、ヘ
キサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタ
ル酸、ビスフェノール類(ビスフェノールA、ビスフェ
ノールF、ビスフェノールS、ビフェノール、ビスフェ
ノールAD等)、フェノール類(フェノール、アルキル
置換フェノール、芳香族置換フェノール、ナフトール、
アルキル置換ナフトール、ジヒドロキシベンゼン、アル
キル置換ジヒドロキシベンゼン、ジヒドロキシナフタレ
ン等)と各種アルデヒド(ホルムアルデヒド、アセトア
ルデヒド、アルキルアルデヒド、ベンズアルデヒド、ア
ルキル置換ベンズアルデヒド、ヒドロキシベンズアルデ
ヒド、ナフトアルデヒド、グルタルアルデヒド、フタル
アルデヒド、クロトンアルデヒド、シンナムアルデヒ
ド、フルフラール、チオフェンカルボキシアルデヒド
等)との重縮合物、フェノール類と各種ジエン化合物
(ジシクロペンタジエン、テルペン類、ビニルシクロヘ
キセン、ノルボルナジエン、ビニルノルボルネン、テト
ラヒドロインデン、ジビニルベンゼン、ジビニルビフェ
ニル、ジイソプロペニルビフェニル、ブタジエン、イソ
プレン等)との重合物、フェノール類とケトン類(アセ
トン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、
アセトフェノン、ベンゾフェノン等)との重縮合物、フ
ェノール類と芳香族ジメタノール類(ベンゼンジメタノ
ール、α,α,α’,α’−ベンゼンジメタノール、ビ
フェニルジメタノール、α,α,α’,α’−ビフェニ
ルジメタノール等)との重縮合物、フェノール類と芳香
族ジクロロメチル類(α,α’−ジクロロキシレン、ビ
スクロロメチルビフェニル等)との重縮合物、ビスフェ
ノール類と各種アルデヒドの重縮合物、及びこれらの変
性物やハロゲン化物、イミダゾ−ル、BF−アミン錯
体、グアニジン誘導体、ジシアンジアミドなどが挙げら
れるがこれらに限定されることはない。 これらは単独
で用いてもよく、2種以上を用いてもよい。通常 エポ
キシ樹脂硬化剤は、1当量に対しエポキシ樹脂が0.5
〜1.5当量となる割合で使用するのが好ましい。
【0017】本発明のエポキシ樹脂組成物は、必要に応
じて、エポキシ樹脂の硬化促進剤として一般的に用いら
れるものを含有させても良い。用いうる硬化促進剤の具
体例としては、2−メチルイミダゾール、2−エチルイ
ミダゾール等のイミダゾール系化合物、三フッ化ホウ素
錯体、トリフェニルホスフィン、トリオクチルホスフィ
ン、トリシクロヘキシルホスフィン、トリフェニルホス
フィン・トリフェニルボラン、テトラフェニルホスホニ
ウム・テトラフェニルボレート等のリン系化合物、三級
アミン化合物などが挙げられ、その使用量はエポキシ樹
脂100重量部に対して通常0.01〜15重量部、好
ましくは0.1〜10重量部である。
【0018】本発明のエポキシ樹脂組成物にマレイミド
化合物や無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラ
コン酸等を含有させる場合、エポキシ樹脂硬化促進剤の
他に、有機過酸化物やアゾ化合物等のラジカル重合開始
剤を使用して上記化合物の不飽和基の一部をラジカル重
合させても良い。この場合の重合開始剤はエポキシ樹脂
樹脂組成物中の樹脂分100重量部に対して通常0.0
1〜10重量部となる割合で使用する。これらは単独で
用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
【0019】又、本発明のエポキシ樹脂組成物にマレイ
ミド化合物を含有させる場合、光ラジカル開始剤や光カ
チオン開始剤等を用いることにより、不飽和基の一部を
光によって重合させることも可能となる。
【0020】更に本発明のエポキシ樹脂組成物には、必
要に応じて種々の添加剤を配合することが出来る。用い
うる添加剤の具体例としては、ポリブタジエン及びこの
変性物、アクリロニトリル共重合体の変性物、シアネー
トエステル樹脂、インデン樹脂、ポリフェニレンエーテ
ル、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリイミド、フッ素
樹脂、シリコーンゲル、シリコーンオイル、並びにシリ
カ、アルミナ、炭酸カルシウム、石英粉、アルミニウム
粉末、グラファイト、タルク、クレー、酸化鉄、酸化チ
タン、窒化アルミニウム、アスベスト、マイカ、ガラス
粉末、ガラス繊維、ガラス不織布又はカーボン繊維等の
無機充填材、シランカップリング剤のような充填材の表
面処理剤、離型剤、カーボンブラック、フタロシアニン
ブルー、フタロシアニングリーン等の着色剤、臭素化エ
ポキシ樹脂などの難燃剤が挙げられる。
【0021】本発明のエポキシ樹脂組成物は、上記各成
分を上記したような割合で均一に混合することにより得
られる。混合は必要により上記各成分の軟化点より20
〜100℃程度高い温度で加熱溶融することに依って行
うことが出来る。
【0022】エポキシ樹脂組成物の各成分を溶剤等に均
一に分散又は溶解させることにより、混合することもで
きる。この場合の溶媒は特に限定されないが、用いうる
具体例としては、メチルエチルケトン、メチルイソブチ
ルケトン、トルエン、キシレン、ジオキサン、ジメチル
ホルムアミド、アルコール類、グリコール類等が挙げら
れる。これら溶媒は樹脂分100重量部に対して通常5
〜300重量部、好ましくは10〜150重量部が用い
られる。
【0023】本発明の硬化物は、上記のエポキシ樹素組
成物を、通常室温〜250℃で30秒〜50時間処理す
ることにより得られる。又、エポキシ樹脂組成物の成分
を溶剤等に均一に分散又は溶解させ、溶媒を除去した後
に前記のような条件で硬化させることもできる。又、樹
脂組成物が光ラジカル開始剤や光カチオン開始剤等を含
有する場合は主に紫外線を照射することによって硬化さ
せることもできる。その後、前記条件で熱処理を加える
方が好ましい。
【0024】本発明の半導体装置は前記の本発明のエポ
キシ樹脂組成物で封止されたもの等の本発明のエポキシ
樹脂組成物の硬化物を有する。半導体装置としては、例
えばDIP(デュアルインラインパッケージ)、QFP
(クワッドフラットパッケージ)、BGA(ボールグリ
ッドアレイ)、CSP(チップサイズパッケージ)、S
OP(スモールアウトラインパッケージ)、TSOP
(シンスモールアウトラインパッケージ)、TQFP
(シンクワッドフラットパッケージ)等が挙げられる。
また、本発明のエポキシ樹脂組成物は一般的なワニスの
調製、含浸、乾燥、プリプレグ化、積層硬化により積層
板とする事ができる。プリプレグを作成する一般的な方
法としては、本発明のエポキシ樹脂において必須の成分
及び必要に応じて他の成分と溶剤を所定の割合で配合し
てワニスとする。ついでガラスクロスなどにワニスを含
浸させた後、乾燥して樹脂量40〜60重量%のプリプ
レグを得る。積層板はプリプレグを所定枚積層してプレ
ス中で加熱加圧硬化をおこなうことにより得ることがで
きる。更に、最近ではビルドアップタイプのプリント配
線板が最先端分野で使用されているが、これはコア材と
呼ばれる板の上に、本発明のエポキシ樹脂において必須
の成分及び必要に応じて他の成分と溶剤を所定の割合で
配合したワニスを塗布、乾燥、銅箔接着及び硬化、エッ
チングによる回路形成、を繰り返すことにより作成した
り、銅箔の表面にワニスを塗布、乾燥したもの(樹脂付
き銅箔)をコア材に接着及び硬化後、回路形成し、更に
その上に樹脂付き銅箔を接着及び硬化、回路形成を繰り
返すことなどにより得ることができる。
【0025】
【実施例】以下本発明を実施例により更に詳細に説明す
る。尚、本発明はこれら実施例に限定されるものではな
い。
【0026】実施例1〜8、比較例1 表1に示す重量割合で配合した混合物を、2軸ロールで
混練後、粉砕、タブレット化後、スパイラルフローを以
下の条件で測定した。 ・スパイラルフロー 金型:EMMI−1−66に準拠したもの 金型温度:170℃ トランスファー圧力:6.86MPa/cm また、前記のタブレットをトランスファー成形により樹
脂成形体に調整し、160℃で2時間、更に180℃で
8時間で硬化させたものについて、以下の測定を行っ
た。 ・ガラス転移温度:TMA法(真空理工(株)製 TM
−7000) 昇温速度 2℃/min
【0027】
【表1】
【0028】
【表2】
【0029】尚、表1,2中の略号は下記の物を示す。 ECN:o−クレゾールノボラックエポキシ樹脂(日本
化薬(株)製、商品名;EOCN−1020、エポキシ
当量200g/eq、軟化点62℃) TPP:トリフェニルホスフィン FPR:前記式(1)においてYが水酸基、Rは全て水
素原子、Xが酸素原子、l=1.9、m=1を示す化合
物(水酸基当量152g/eq、軟化点82℃) HQ:ハイドロキノン HPMI:N−4−ヒドロキシフェニルマレイミド MAH:無水マレイン酸 BMI:4,4’−ビスマレイミドジフェニルメタン PMI:フェニルマレイミド EFPR:前記式(1)においてYがグリシジルエーテ
ル基、Rは全て水素原子、Xが酸素原子、l=1.9、
m=1を示す化合物(エポキシ当量233g/eq、軟化点
63℃) PN:フェノールノボラック(軟化点84℃、水酸基当
量105g/eq) XYLOK:フェノールとp−キシリレングリコールと
の重縮合物(軟化点72℃、水酸基当量172g/eq) TPM:フェノールとサリチルアルデヒドの重縮合物
(軟化点110℃、水酸基当量97g/eq)
【0030】
【発明の効果】本発明のエポキシ樹脂組成物は、流動性
に優れ、且つ硬化後の耐熱性に優れている為、電気電子
部品用絶縁材料(高信頼性半導体封止材料など)及び積
層板(プリント配線板、ビルドアップ基板など)やCF
RPを始めとする各種複合材料、接着剤、塗料等幅広い
分野に有用な材料を提供することができる。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】共役ジエン基を有するエポキシ樹脂及び/
    又はエポキシ樹脂硬化剤と、ケトン基に隣接する不飽和
    基を有する化合物を必須成分とするエポキシ樹脂組成
    物。
  2. 【請求項2】共役ジエン基を有する化合物が、式(1) 【化1】 (式中、Yはグリシジルエーテル基、ジグリシジルアミ
    ノ基、水酸基又はアミノ基を示す。m、nは0〜6の整
    数を示す。Xは酸素原子、硫黄原子又は炭素数1〜6の
    炭化水素残基を示す。Rは、水素原子、炭素数1〜10
    の炭化水素基又はハロゲン原子を示す。lは平均値を示
    し、0〜20の実数を示す。m、nは0〜6の整数を示
    す。)で表される化合物である請求項1記載のエポキシ
    樹脂組成物。
  3. 【請求項3】ケトン基に隣接する不飽和基を1分子中に
    2個以上有する化合物を含む請求項1〜2のいずれか1
    項記載のエポキシ樹脂組成物。
  4. 【請求項4】ケトン基に隣接する不飽和基を有する化合
    物が、分子中にアミノ基、水酸基及び酸無水物基からな
    る群から選ばれる1種以上を有する請求項1〜3のいず
    れか1項記載のエポキシ樹脂組成物。
  5. 【請求項5】請求項1〜4のいずれか1項に記載のエポ
    キシ樹脂組成物の硬化物。
  6. 【請求項6】請求項1〜4のいずれか1項に記載のエポ
    キシ樹脂組成物で封止した半導体装置。
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