JP2002283995A - 乗降補助装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ホームドア及び乗降補助装置を備えたプラッ
トホームにおいて、乗降補助装置上カバーのホームドア
より先端部（プラットホーム先端寄り）及びステップに
乗降客検出用のマット状荷重検出素材を備えると段差が
生じ、乗降客が躓く可能性がある。 【解決手段】 上カバーの車両側端部に蝶番機構を介し
て取り付けられ、ステップ前進時にはほぼ水平、ステッ
プ後退時は上カバー先端から蝶番機構を介して垂直にス
テップ出口を塞ぐ形状の前カバーを備え、マット状荷重
検出素材を、上カバーのホームドアよりも先端部（プラ
ットホーム先端寄り）及び前カバーの踏面となる部分に
備える。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、ホームドアを備え
たプラットホームに使用する乗降補助装置の改良に関す
るものである。

【０００２】

【従来の技術】近年、プラットホームにホームドアを設
ける駅が増えている。新幹線のような高速列車が通過す
る駅では風圧による事故を防止する目的でホームドアが
設置されている。また、首都圏のように人口集中が著し
く、ラッシュ時のように混雑極まりない状況にあるとこ
ろではプラットホームからの転落事故も増えているた
め、そのような事故を防止するためにホームドアが設け
られている。一方、鉄道車両の停車駅が曲線部分にかか
っている所ではプラットホーム端と車両の乗降口間が拡
がっており、乗降客が線路に落ちる危険もはらんでいる
ため、乗降補助装置を用いる駅が増えつつある。

【０００３】図３は、このような駅のプラットホームに
設置されるホームドアシステム及び乗降補助装置の一例
を示している。図中、１はプラットホーム、２は乗降補
助装置の収納部、３はステップ、４および６はマット状
荷重検出素材である。５は上カバー、７はホームドア、
８はホームドア用の戸袋、９は車両、10は車両側のドア
である。なお、ステップ駆動機構については本発明と直
接関係する部分ではないので本図では省略している。ホ
ームドア、ホームドアを収納する戸袋、ホーム柵等は建
築限界の制約からプラットホーム先端より数１０センチ
メートル奥まった位置に設置される。

【０００４】図４はマット状荷重検出素材４および６の
詳細を示す。図中、21及び22はプリント基板であり、導
電部であるプリント箔が対向するように配置されてい
る。23は弾力性のあるクッション材、24は水平を保つた
めの板材である。25は荷重を受ける板材であり、ポリウ
レタン等が使用される。26は一般的には板材25と同様の
材質の板材が使用されるが、板材24が強度、耐候性その
他の性能を満たすときは省略されることもある。図４中
の右側の図は、荷重を受けたときの状態を示しており、
クッション材23が圧縮されて対向するプリント基板21と
22が密着し、表面のプリント箔が接触している。図５
は、荷重を検出するときの機能ブロック図であり、図中
のスイッチで示す部分が対向するプリント箔に相当す
る。

【０００５】マット状荷重検出素材４はステップ３の上
に乗降客が載っている場合にステップ３を引っ込めると
乗降客が線路上に落下する可能性があるため、そのよう
な不具合を防止するために取り付けられるものである。
また、マット状荷重検出素材６はホームドア７が閉じて
いるときにホームドアからプラットホーム先端寄りに乗
降客が取り残されていることのないよう、すなわち、ホ
ームドアからプラットホーム先端寄りに乗降客が取り残
されているときにはホームドアを閉じないようにするた
めのものである。乗降客を検出する方法として、発光素
子と受光素子を組み合わせて使用する方法も考えられる
が、図３中の点線で示す領域は車両限界及び建築限界の
制約から構造物を設置することができず、従って発光素
子と受光素子を取り付けるのが容易ではないためマット
状荷重検出素材を用いるものである。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】ところで、図３に示す
従来技術の方法では図に示す如くマット状荷重検出素材
４と６の間に段差があり、そのため乗降客が躓づく可能
性があった。本発明は、このような不具合を解消するた
めになされたものである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明においては、次の
ようにして上記課題を解決する。すなわち、ホームドア
とホームドアを収納する戸袋を備えたホームドア・シス
テムと組み合わせて使用し、停車車両の乗降口に対応す
るプラットホーム上の上記ホームドアの下方に配置さ
れ、上面がプラットホーム面に一致するように設置され
る乗降補助装置において、ステップ及びステップ駆動機
構を収納する収納部、該収納部の上カバー、該上カバー
の車両側端部に蝶番機構を介して取り付けられ、ステッ
プ前進時にはほぼ水平、ステップ後退時は上カバー先端
から蝶番機構を介して垂直にステップ出口を塞ぐ形状の
前カバーを備え、対向するプリント基板の導電部同士が
クッション材によりギャップを保ち、荷重により導電部
同士が接触することにより荷重検出を行うマット状荷重
検出素材を、前記上カバーのホームドアよりも先端部
（プラットホーム先端寄り）及び前カバーの踏面となる
部分に備えて構成する。

【０００８】

【発明の実施の形態】図１は、本発明による乗降補助装
置の実施例であり、図１（ａ）はステップが収納部２内
に収納されている状態、図１（ｂ）はステップ３が車両
に向かって出っ張っている状態を表す。図中、11は一端
が上カバーに取り付けられた蝶番、12は該蝶番の他の一
端に取り付けられた前カバー、13は前カバー12の上側に
取り付けられたマット状荷重検出素材である。図３の場
合と異なり、ステップ３にはマット状荷重検出素材が取
り付けられていない。なお、図３と同一符号部分は同一
機能、同一構成部分である。

【０００９】いま、ステップが収納部内に収納されてい
る状態からステップ駆動機構（図示せず）の作用により
車両に向かって前方に押し出されるとステップ先端が前
カバー12に当たり、蝶番を支点として前カバーを時計方
向に回転させ、その結果、図１（ｂ）の如く、前カバー
12をほぼ水平状態にする。このようにすることにより、
上カバー５上に設けられたマット状荷重検出素材６の表
面とマット状荷重検出素材13の表面の間に段差がなくな
り、躓づくという不具合が解消される。車両が出発する
ときにはステップ３がステップ駆動機構（図示せず）の
作用により後退し、収納部内に収納されて図１（ａ）の
状態に戻る。この状態では前カバーが収納部前面の開口
部を覆うことになり、従って、雨や雪が収納部内に入り
込むのを防ぐ役割も果たす。以上の説明では蝶番機構と
して独立した蝶番11を使用したが、図２は蝶番機構とし
て独立した蝶番を使用することなく、上カバー５及び前
カバー12にピン14を貫通して蝶番機構とするものであ
り、この場合も本発明の一例であることは言うまでもな
い。なお、図２においてはマット状荷重検出素材13及び
６は図を省略している。

【００１０】

【発明の効果】以上説明したように、本発明においては
以下の効果を得ることができる。 （１）ホームドアから車両の入口までの間でマット状荷
重検出素材の段差がなくなり、乗降客が段差に躓くとい
う不具合が解消される。 （２）ステップが収納部内に収納されているときには前
カバーが収納部前面の開口部を塞ぐ構造となり、雨や雪
が収納部内に入り込むのを防ぐ役割も果たす。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明による乗降補助装置の実施例を示す図で
ある。

【図２】本発明の他の実施例である。

【図３】従来の乗降補助装置の実施例である。

【図４】従来、及び本発明で用いるマット状荷重検出素
材の構造図の一例である。

【図５】マット状荷重検出部材の機能ブロック図であ
る。

【符号の説明】

１ プラットホーム ２ 収納部 ３ ステップ ４、６、13 マット状荷重検出素材 ５ 上カバー ７ ホームドア ８ 戸袋 ９ 車両 10 車両側ドア 11 蝶番 12 前カバー 14 ピン

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ホームドアとホームドアを収納する戸袋
   とを備えたホームドア・システムと組み合わせて使用
   し、停車車両の乗降口に対応するプラットホーム上の上
   記ホームドアの下方に配置され、上面がプラットホーム
   面に一致するように設置される乗降補助装置において、
   ステップ及びステップ駆動機構を収納する収納部、該収
   納部の上カバー、該上カバーの車両側端部に蝶番機構を
   介して取り付けられ、ステップ前進時にはほぼ水平、ス
   テップ後退時は上カバー先端から蝶番機構を介して垂直
   にステップ出口を塞ぐ形状の前カバーを備え、対向する
   プリント基板の導電部同士がクッション材によりギャッ
   プを保ち、荷重により導電部同士が接触することにより
   荷重検出を行うマット状荷重検出素材を、前記上カバー
   のホームドアよりも先端部（プラットホーム先端寄り）
   及び前カバーの踏面となる部分に備えたことを特徴とす
   る乗降補助装置。