JP2002283495A - 製氷機、冷凍庫、冷蔵庫用防食塗料塗装ステンレス鋼板 - Google Patents

製氷機、冷凍庫、冷蔵庫用防食塗料塗装ステンレス鋼板

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JP2002283495A
JP2002283495A JP2001084270A JP2001084270A JP2002283495A JP 2002283495 A JP2002283495 A JP 2002283495A JP 2001084270 A JP2001084270 A JP 2001084270A JP 2001084270 A JP2001084270 A JP 2001084270A JP 2002283495 A JP2002283495 A JP 2002283495A
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Toshie Taomoto
敏江 垰本
Shingo Yonezawa
信吾 米澤
Hiroshi Tsuburaya
浩 圓谷
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Nippon Steel Nisshin Co Ltd
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Nisshin Steel Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 防錆顔料の溶出速度がコントロールされた防
食塗料を庫内側の面に形成することにより、加工性、密
着性等の特性を損なうことなく、耐食性を改善した製氷
機、冷凍庫、冷蔵庫用防食塗料塗装ステンレス鋼板を提
供する。 【構成】 ステンレス鋼板の片面に透明フッ素樹脂塗膜
を形成し、他面に防錆顔料を含むエポキシ樹脂塗膜を形
成した塗装ステンレス鋼板であって、塗膜純水浸漬10
0時間当たりの防錆顔料溶出量が3.0〜20.0mg
/m2であるエポキシ樹脂塗膜を2〜12μmの乾燥膜
厚で形成した防食塗料塗装ステンレス鋼板。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、製氷機や冷凍機の外板
に代表されるような,外気と機器あるいは設備との温度
勾配により結露が発生し、結露水に環境から溶け込んだ
腐食性イオンが腐食を促進する環境に使用される金属板
に関する。
【0002】
【従来の技術】製氷機や冷凍機、冷蔵庫は、耐食性、耐
久性および清潔感のある綺麗な外観が好まれることか
ら、外板にステンレス鋼板が使用されてきた。近年で
は、指紋や汚れの付着を防止する目的で、フッ素樹脂や
アクリル樹脂を用いたクリア塗装が外面に施される傾向
が進んでいる。また、外板を成形加工した後の塗装工程
を省略する目的で、予め塗装が施されたいわゆるプレコ
ート鋼板の採用が拡大している。したがって、ポストコ
ート鋼板では要求されなかった、塗膜の加工性、密着性
が要求されるようになり、それらを配慮した塗装前処
理、塗膜設計が進んでいる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】製氷機や冷凍庫、冷蔵
庫の外板は、外気温と庫内温度との差から結露を生じ易
く、庫内の水分や食品から発散するガス、付着した食品
や調味料等が結露水に溶解して、容易に腐食性環境を形
成する。さらに、これらの機器の運転が間断サイクルで
あったり、製氷・注水のサイクルが繰り返されるパター
ンであることにより、あるいは扉の開け閉めで庫内の温
度が変化することによって、結露の発生状況についても
生成と乾燥が繰り返すことが特徴である。この乾湿の繰
り返しの環境は、結露水中の腐食性イオンの濃縮を促
し、その過程でpHが低下する厳しい強酸性の腐食環境
になっている。クリア塗装を施したステンレス鋼板で
も、庫内側の面には特別な防食を施していないため、い
かに耐食性の高いステンレス鋼板といえども、腐食の進
行は避けられない。
【0004】本発明は、このような問題を解消すべく案
出されたものであり、防錆顔料の溶出速度がコントロー
ルされた防食塗料を庫内側の面に形成することにより、
加工性、密着性等の特性を損なうことなく、耐食性を改
善した製氷機、冷凍庫、冷蔵庫用防食塗料塗装ステンレ
ス鋼板を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の製氷機、冷凍
庫、冷蔵庫用防食塗料塗装ステンレス鋼板は、その目的
を達成するため、ステンレス鋼板の片面に透明フッ素樹
脂塗膜を形成し、他面に防錆顔料を含むエポキシ樹脂塗
膜を形成した塗装ステンレス鋼板であって、塗膜純水浸
漬100時間当たりの防錆顔料溶出量が3.0〜20.
0mg/m2であるエポキシ樹脂塗膜を2〜12μmの
乾燥膜厚で形成したものである。
【0006】
【作用】製氷機や冷凍機、冷蔵庫の外板の庫内側には、
表面で結露の生成・消失が繰り返され、雰囲気に含まれ
るガスや漏洩した食品が結露水に溶け込んで次第に濃縮
されることによって、酸性の腐食環境が形成される。そ
して結露水に含まれる塩素イオンが塗装ステンレス鋼板
に重大な影響を及ぼす。ステンレス鋼板の表面に存在す
る不動態皮膜は、塩素イオン存在下では容易に破壊され
腐食を引き起こすため、耐食性を改善するためには、こ
のような腐食性イオンの遮蔽が不可欠である。遮蔽方法
としては有機物での被覆が挙げられるが、フィルムラミ
ネートのような厚膜による被覆では経済性に劣り、ま
た、数μm程度の塗装を施した場合には、外板の成形加
工に伴う塗膜のキズ、ワレの発生や、取り扱い時のキズ
付きは避けられず、鋼素地が露出して腐食の起点になる
という欠点がある。
【0007】本発明者等は、塗膜キズ付き部および塗膜
ワレ発生部の耐食性を改善するため、塗膜の顔料成分お
よび樹脂成分に関して鋭意検討を行った結果、塗膜から
の防錆顔料溶出量が前記塗膜欠陥部の鋼素地耐食性に多
大な影響を及ぼすことを見出した。一般に、防錆顔料
は、その溶出成分が露出金属の表面を覆って不溶性のバ
リアー皮膜を形成することにより、金属の腐食を防止す
る働きを有する。本発明防食塗料塗装ステンレス鋼板の
使用対象である製氷機、冷凍機、冷蔵庫では、酸性、高
塩素イオン濃度の厳しい腐食環境になり、防錆顔料の溶
出により形成された皮膜もわずかずつ溶解するため、防
錆顔料は皮膜保持に要する適当量が持続的に溶出する必
要がある。
【0008】皮膜保持に必要な量以上の過剰な防錆顔料
の溶出は供給源の早期の枯渇を意味し、長期にわたる耐
食性の維持はできなくなる。また皮膜保持以上の過剰な
防錆顔料の溶出は、塗膜欠陥部に限らず健全部において
も進行する。このため、塗膜から防錆顔料が溶け出した
跡の皮膜は緻密性が低下しており、腐食性因子が鋼素地
へ到達することを容易にし、塗膜欠陥のない部分におい
ても腐食発生を引き起こす要因となる。他方、防錆顔料
溶出量が十分でないと、塗膜欠陥部の素地金属を覆うの
に十分な被膜形成材料が供給されないため、バリアー被
膜としての連続性が得られず、防食効果が劣る原因とな
る。
【0009】耐食性の評価と防錆顔料の溶出量の関係を
調査した結果、溶出量の指標として水の100時間の接
触によって溶出する量が3.0〜20.0mg/m2
ある塗膜が、腐食性因子として塩素イオンの存在する酸
性の環境で、ステンレス基材の防食作用が優れることを
見出した。製氷機、冷凍庫、冷蔵庫の外板にプレコート
ステンレス鋼板を成形加工して使用する際、塗膜のキズ
および加工による塗膜ワレの形状は、幅が1mm以下の
線状である。溶出量が3.0mg/m2未満では、塗膜
欠陥部の塗膜壁面から溶出する顔料が少なく、線状の露
出金属上に連続したバリアー被膜を形成することはでき
ない。
【0010】また、20.0mg/m2を超える場合に
は、塗膜欠陥部の線状露出金属上に十分なバリアー皮膜
は形成されるが、塗膜平坦部表面からの防錆顔料の溶出
が急激に進行して塗膜の緻密性が低下し、塗膜の腐食性
因子侵入のバリアー機能が低下するため長期にわたる耐
食性は得られない。本発明で規定する溶出量にすると、
塗膜欠陥部の露出金属をバリアー皮膜が覆い、塗膜平坦
部の緻密性も保持されるため、良好な長期耐食性をステ
ンレス基材に付与することができ、製氷機、冷凍庫、冷
蔵庫の外板に使用しても十分な耐食性を5年を超えるよ
うな長期間にわたって維持することができる。
【0011】塗膜からの顔料の溶出量をコントロールす
るために、塗膜のマトリックスを構成する樹脂としてエ
ポキシ系のものを使用する。顔料の溶出を抑制するため
にはある程度緻密な三次元網目構造を構成している樹脂
を使用することが好ましい。ポリエステル樹脂は網目が
粗であり、また顔料に結びつく官能基の数も少ないた
め、顔料の固定が不十分で、顔料が溶け出し易い樹脂で
ある。一方、エポキシ樹脂は、分子量がポリエステル樹
脂に比較して小さく、架橋密度も高いため、防錆顔料は
樹脂の網目に緩やかに固定され、溶出は徐々に進行す
る。
【0012】エポキシ樹脂は、塗膜の加工性に特に優れ
るものではないが、金属との密着性に優れている樹脂で
ある。前述したように、塗膜欠陥部の耐食性を良好にす
るためには、優れた塗膜密着性が不可欠である。加工に
よって、塗膜にワレが生じても塗膜密着性が良好であれ
ばすきまが形成されないため、隙間腐食の発生が抑制さ
れ、露出金属の表面には塗膜から溶出した防錆顔料がバ
リアー皮膜を形成し、耐食性が保たれる。また、エポキ
シ樹脂は、耐酸性にも優れており、防食塗膜を構成する
樹脂として最適である。
【0013】防錆顔料としては、クロム酸塩等が使用さ
れるが、その添加量は塗膜に含有させた後の溶出量に影
響を及ぼす。したがって、塗料樹脂の種類、防錆顔料の
種類に応じてその最適添加量を設定しなければならな
い。例えば、塗膜構成樹脂にメラミン硬化剤で架橋させ
たエピビス型エポキシ樹脂を用い、防錆顔料にSrCr
4を用いた塗料の場合、防錆顔料添加量が2PWC%
で溶出量は2.9mg/m2、10PWC%で11.4
mg/m2、20PWC%で17.8mg/m2と変化す
る。塗料樹脂の種類、防錆顔料の種類にもよるが、防錆
顔料の添加量が少なすぎると、防錆効果が発揮できず、
また、防錆顔料の含有量が多くなると、防錆顔料自身の
吸水性が影響し、塗膜自体の耐水性が低下する。さらに
過剰な含有は、塗膜加工性、塗膜凝集力も低下させる。
このような点を考慮すると、防錆顔料添加量は、2〜4
0PWC%程度の範囲で調整することが好ましい。この
範囲にすると、塗料樹脂の種類、防錆顔料の種類にもよ
るが、塗膜純水浸漬100時間当たりの防錆顔料溶出量
を3.0〜20.0mg/m2の範囲に調整することが
できる。
【0014】次に塗膜厚と塗膜密着性との関係を調査し
た。その結果、塗膜密着性を阻害しない塗膜厚は最大1
2μmであった。塗膜厚が12μmを超えると塗膜の柔
軟性が低下するため、曲げ加工部で基材との界面付近に
生じる塗膜内の剪断応力が吸収できなくなり、基材との
結合を断ち切ることにより剪断応力を開放しようとする
ため、塗膜剥離が生じると考えられる。そして、塗膜剥
離部で隙間が形成され、腐食発生につながる。また、最
少塗膜厚は、腐食性イオン遮蔽能力の点から2μm以上
必要である。
【0015】
【実施の態様】本発明の防食塗料塗装ステンレス鋼板
は、具体的には次のような態様で製造される。基材とし
てのステンレス鋼板は、オーステナイト系、フェライト
系、マルテンサイト系、二相系のいずれも使用できる。
基材表面には、良好な塗膜密着性を持たせるために両面
とも前処理を施すことが好ましい。前処理としては、例
えばステンレス鋼板の表面を清浄化するアルカリ脱脂、
界面活性剤を用いた脱脂、あるいは表面の活性化を促す
酸洗を行うことが好ましい。
【0016】より優れた塗膜密着性を得るためには、そ
の後、クロメート処理を行うことが好ましい。クロメー
ト処理としては反応型、塗布型の何れでも良いが、塗膜
密着性および耐食性を考慮すると塗布型クロメート処理
が好ましい。クロメート処理に先立って、リン酸塩処理
あるいはNiまたはCo置換析出型表面調整処理を施し
ても良い。クロメート処理では、全Cr付着量が5〜4
0mg/m2になるように調整することが好ましい。全
Cr付着量が5mg/m2に満たないと、十分な塗膜密
着性が得られず、クロメート処理を行った意味がない。
逆に、40mg/m2を超える全Cr付着量では、折り
曲げ等の変形を受けた部分でクロメート処理皮膜の凝集
破壊が生じ易くなり、塗膜密着性をかえって低下させる
ことになる。
【0017】クロメート処理されたステンレス鋼板の片
面に、透明フッ素樹脂塗料が塗布される。透明フッ素樹
脂塗料としては、顔料を含まないポリフッ化ビニリデン
樹脂およびアクリル樹脂の混合塗料が使用される。この
混合塗料は、ポリフッ化ビニリデン樹脂の特性を活かし
ており、作業性がよく、連続性、可撓性、塗膜密着性等
の性能を塗膜に付与することができるので、ステンレス
鋼板の耐久性とバランスが取れ、プレコート鋼板製造の
際の工業塗装にも適する。フッ素クリア樹脂塗料には、
潤滑剤としてポリテトラフルオロエチレン粉末、塗膜硬
度を向上させる骨材としてセラミックス繊維を添加する
こともできる。
【0018】もう一方の面に塗装する防食塗料は、エポ
キシ樹脂、硬化剤、および防錆顔料、必要に応じて体質
顔料、着色顔料を配合して調整される。エポキシ樹脂と
しては、主成分樹脂としてエピクロルヒドリン−ビスフ
ェノールA縮合物からなるエポキシ樹脂(エピビス型エ
ポキシ樹脂)を用い、硬化剤としてメラミン、ウレタ
ン、尿素樹脂、イソシアネートを単独あるいは複合して
用いた樹脂が好ましい。主成分樹脂としては、種々の樹
脂で変性させたエポキシ樹脂、例えば脂肪酸変性エポキ
シ樹脂、ウレタン変性エポキシ樹脂、フェノール変性エ
ポキシ樹脂、熱硬化アクリル変性エポキシ樹脂、さらに
はエポキシ樹脂とポリエステル樹脂を重合したエポキシ
変性ポリエステル樹脂等を使用することもできる。
【0019】防錆顔料としては、クロム酸塩を使用する
ことが好ましい。クロム酸塩としては、K2O・4Zn
O・4CrO4・3H2O(ジンククロメート)、SrC
rO4、CaCrO4等が挙げられる。その他にも、モリ
ブデン酸塩やリン酸モリブデン酸塩、ポリリン酸アルミ
ニウム、カルシウム処理シリカ等が使用できるが、防食
性の観点からは、上記クロム酸系のものを使用すること
が好ましい。その含有量は前記したように、塗膜塗料の
種類、防錆顔料の種類により、塗膜に形成された後の溶
出量が所定の値になるように設定される。
【0020】透明フッ素樹脂塗料および防食塗料の塗
布、焼付けは、連続塗装ラインにおいて同時に行うこと
ができる。透明フッ素樹脂塗料は乾燥膜厚が5〜30μ
mとなる塗布量で塗布され、防食塗料は乾燥膜厚が2〜
12μmになる塗布量で塗布される。また、塗膜のキズ
付きが懸念され、塗膜硬度が要求される場合には、水冷
の後、80〜140℃で1〜5分間の再加熱処理を行っ
てポリフッ化ビニリデン樹脂のβ型結晶の生成を促進し
てもよい。塗料塗布の後、常法にしたがって到達板温2
40〜260℃で1〜2分加熱して焼き付ける。焼付け
後、ポリフッ化ビニリデン樹脂のα型結晶の成長を抑制
するため、水冷等によって160℃/分以上の冷却速度
で70℃以下の温度まで冷却する。このようにして、片
面透明フッ素樹脂塗装、片面防錆塗装を施したステンレ
ス鋼板を製造し、これを成形加工して製氷機、冷凍機、
冷蔵庫の外板に使用する。
【0021】
【実施例】板厚0.5mmのSUS430ステンレス鋼
板をアルカリ脱脂した後、水洗、Ni置換析出型表面調
整、水洗、乾燥の工程を経て塗布型クロメート処理を施
し、100℃で乾燥した。塗布型クロメート処理では、
全Cr付着量が20mg/m2のクロメート皮膜を形成
した。クロメート処理されたステンレス鋼板の表面に、
ロールコーターを用いて、ポリテトラフルオロエチレン
樹脂粉末を5PWC%分散させたポリフッ化ビニリデン
樹脂/アクリル樹脂(重量比8/2)の混合樹脂塗料を
塗布した。続いて、もう一方の面には、表1に示した樹
脂系を主樹脂/硬化剤(重量比85/15)の比率で混
合し、防錆顔料を2〜40PWC%、TiO2を20P
WC%、硫酸バリウムを12PWC%含有させた塗料を
ロールコーターにて塗布した。
【0022】その後、250℃×1分間で焼付け乾燥
し、直ちに水冷して膜厚15μmの透明フッ素樹脂塗膜
と、膜厚2〜12μmの防食塗膜をそれぞれの面に形成
した。比較のため、本発明で規定した防錆顔料溶出量、
塗膜構成樹脂を満足しない防食塗料を用い、膜厚を変化
させて実施例と同じ条件下で防食塗膜をステンレス鋼板
の一方の表面に形成した。
【0023】
【0024】なお、表1中に示した防錆顔料溶出量は、
次の方法で調査した。防錆顔料溶出量の調査 試験片を50×50mmに切り出し、清浄なポリテトラ
フルオロエチレン樹脂製の容器内に静置し、純水50m
lを注いだ。25℃に保った恒温槽に100時間放置
し、防錆顔料を溶出させた。溶出液は誘導結合高周波プ
ラズマ発光分光分析装置を用いて、液中のCrO4 2-
MoO4 2-濃度を測定し、試験片1m2当たりの防錆顔料
の溶出量に換算した。
【0025】各透明フッ素樹脂塗料および防食塗料が塗
装された試験片を切り出し、次の各試験に供した。塗膜密着性試験 JIS K5600「塗料一般試験方法 第5部 塗膜
の機械的性質」に準拠し、防食塗膜を外板にして180
度密着折り曲げした後、塗膜面に粘着テープを貼り付
け、瞬間的に引き剥がした。テープ剥離後に塗膜の付着
状態を観察し、塗膜剥離面積を%で評価した。
【0026】耐食性 防食塗装面を試験面として、一部の切断端面を残して端
面をシールし、クロスカットおよび180度密着折り曲
げを施した試験片を複合サイクル腐食試験に供した。製
氷機庫内環境の特徴である塩素イオン濃化と乾湿繰り返
しを再現させるために、1サイクルを、35℃塩水噴霧
2時間、50℃乾燥1時間、50℃湿潤2時間、50℃
乾燥1時間とした。1000時間(167サイクル)試
験後に試験片を取り出し、切断端面からの塗膜フクレ最
大幅、クロスカットからの塗膜フクレ最大幅、密着曲げ
部の赤錆発生率を%で評価した。
【0027】
【0028】表2の結果に見られるように、本発明にし
たがった防食塗料塗装ステンレス鋼板はいずれも良好な
塗膜密着性、耐食性を示した。これに対し、ポリエステ
ル系樹脂を使用した塗料を用いた場合(比較例試験番号
6、7)や、塗膜厚が本発明で規定した範囲を外れる比
較例(比較例試験番号3、4)では、塗膜密着性が劣
り、そのため折り曲げ部の耐食性も劣っていた。防錆顔
料の溶出量が本発明で規定した範囲を外れる比較例(比
較例試験番号2、5)では、溶出量が少ないとバリアー
皮膜の形成が不十分となるため耐食性に劣り、また溶出
量が過剰すぎると長期耐食性が得られなかった。
【0029】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明の製氷
機、冷凍庫、冷蔵庫用防食塗料塗装ステンレス鋼板は、
防食塗料からの防錆顔料の溶出量を適切な範囲にコント
ロールすることにより、持続的なバリアー皮膜の形成を
可能とし、長期の耐食性を有する。また、ステンレス鋼
板特有のすきま腐食を回避するためには、良好な塗膜密
着性を有することが重要であり、塗膜厚を2〜12μ
m、塗膜構成樹脂をエポキシ系樹脂に規定することによ
り実現できる。このようにして得られた防食塗膜を有す
る製氷機、冷凍庫、冷蔵庫用防食塗料塗装ステンレス鋼
板は、表側の透明フッ素樹脂塗膜の美麗な外観や耐汚染
性を活かしながら、裏側の面が過酷な腐食環境に曝され
る製氷機や冷凍庫、冷蔵庫の外板として最適な材料とな
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B05D 7/24 B05D 7/24 302U B32B 15/18 B32B 15/18 C23C 22/24 C23C 22/24 (72)発明者 圓谷 浩 千葉県市川市高谷新町7番1号 日新製鋼 株式会社技術研究所内 Fターム(参考) 4D075 AE24 CA33 DB04 DC18 EA43 EB16 EB17 EB22 EB33 EB35 EB38 EC02 EC03 4F100 AA22 AB04A AK17B AK53C BA03 BA07 BA10B BA10C CA02 CA15 CA15C EH46 EJ69 GB48 JA20C JB02 JK06 JL01 JM02C JN01B YY00C 4K026 AA04 AA22 BA03 BA06 BB06 CA20 EB08 EB11

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ステンレス鋼板の片面に透明フッ素樹脂
    塗膜を形成し、他面に防錆顔料を含むエポキシ樹脂塗膜
    を形成した塗装ステンレス鋼板であって、塗膜純水浸漬
    100時間当たりの防錆顔料溶出量が3.0〜20.0
    mg/m2であるエポキシ樹脂塗膜を2〜12μmの乾
    燥膜厚で形成したことを特徴とする製氷機、冷凍庫、冷
    蔵庫用防食塗料塗装ステンレス鋼板。
JP2001084270A 2001-03-23 2001-03-23 製氷機、冷凍庫、冷蔵庫用防食塗料塗装ステンレス鋼板 Withdrawn JP2002283495A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008189965A (ja) * 2007-02-02 2008-08-21 Nisshin Steel Co Ltd 塗装鋼板
JP2018020486A (ja) * 2016-08-03 2018-02-08 三菱重工業株式会社 防食塗膜構造

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008189965A (ja) * 2007-02-02 2008-08-21 Nisshin Steel Co Ltd 塗装鋼板
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