JP2002283236A - プラスチックレンズ研削液配給システム - Google Patents

プラスチックレンズ研削液配給システム

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JP2002283236A
JP2002283236A JP2001086648A JP2001086648A JP2002283236A JP 2002283236 A JP2002283236 A JP 2002283236A JP 2001086648 A JP2001086648 A JP 2001086648A JP 2001086648 A JP2001086648 A JP 2001086648A JP 2002283236 A JP2002283236 A JP 2002283236A
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grinding
liquid
tank
grinding fluid
plastic lens
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JP2001086648A
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Yoshio Morino
義男 森野
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Original Assignee
MEGANE DRUG CO Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 プラスチックレンズの研削加工機を複数稼働
させるところに研削液を供給する研削液配給システムを
提供することであり、特に複数のレンズ加工機から自動
的に研削粉を収集して効率よく処理する研削液配給シス
テムを提供することにある。 【解決手段】 複数の研削加工機21に対して共通の研
削液槽1と遠心分離機3を備え、研削液槽1には研削加
工機21毎に対応する吸い込みポンプ14と独立した研
削液供給配管15を備え、研削加工機21のドレン配管
25は複数の研削加工機21の廃液口に並列に接続して
排液を遠心分離機3に集めて研削粉を遠心力で分離して
減量処理し、遠心分離機3の溢流液を研削液槽11に戻
して再利用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プラスチックレン
ズの研削加工で発生する研削粉の処理システムに関し、
特に1つのタンクから複数のレンズ加工機に対して研削
液を供給する場合に用いることができる研削粉処理シス
テムに関する。
【0002】
【従来の技術】メガネを製作するには円形のプラスチッ
クレンズからメガネ枠やデザインに合わせて削り出し加
工を行う。研削加工では工具の保護、加工の能率確保等
のため、研削部を研削液で洗いながら研削を行う。従
来、眼鏡店でレンズ加工を行う場合は、ごく少数の研削
機を使用すればよく、また機械の稼働率も高くはなかっ
たため、単機毎に研削液槽を設けて運転すれば足りた。
研削液槽の上澄みをポンプで吸い上げて研削機の研削部
に注ぎ、発生した研削粉を研削液で洗い流して研削液槽
に搬送し槽底に沈殿させる。研削液には界面活性剤等を
含ませて、削り粉の洗い流しを容易にしまた削り粉を研
削液中に懸濁して搬送を容易にする。
【0003】大粒の研削粉は研削液槽の底に沈殿する
が、細かい研削粉は容易に沈殿しない。分離しない研削
粉が研削液中に大量に含まれるようになると泡が発生す
る。泡が研削液に混ざると加工能率が低下したり研削液
の冷却能力が低下したりする。また、このような状態で
研削液を使用し続けると研削液槽の液面が泡で覆われ、
さらに使用を続けると泡が研削液循環槽から溢れ出し
て、周辺機器の汚染による作業効率の悪化、臭気の発生
等を引き起こす。研削液槽の水面上に発生した泡が乾燥
すると、泡に付いた研削粉が固い殻となって研削液に混
ざり、研削機の研削性能を低下させる。さらに、乾燥し
かけた研削粉が粘る汚泥となって壁に付いたり、溢れた
泡が乾いて研削粉が粉塵化し、周囲に散乱して作業環境
を悪化させる。
【0004】したがって、泡がある程度蓄積すると一旦
加工機の運転を中断して研削液の循環を止め、泡が自然
に消滅するのを待たなければならない。さらに研削液中
の削り粉微粒子が増えると、泡の発生が著しく早くな
り、加工機を頻繁に停止しなければならなくなる。この
ため適当な間隔で研削液槽から古い研削液を捨てて新し
い研削液に交換する必要がある。従来ほぼ1日毎に研削
液を交換していた。
【0005】廃棄する研削液には研削粉が混ざってい
る。研削粉には色々な化学薬品が含まれているので適切
な処理を行う必要がある。発生した研削液を全量廃棄処
理するのでは総量が大きくなるので経済的でない。一
方、レンズ用プラスチックは比重が水に近くさらに界面
活性剤で懸濁されているため、水から分離することが難
しい。
【0006】たとえばタンクに入れて長時間静置し沈殿
を待って上澄みを捨て、沈殿物を乾燥させる方法があ
る。しかし、沈殿物は水との親和性がよいためフィルタ
などで水切りしても数日かかるので処理能率が低く、ま
た作業場のスペースを必要とする。なお、熱をかけて乾
燥する方法は、材料に含まれるイオウなどの物質の影響
で悪臭が発生し、作業環境を悪化させるので採用しがた
い。
【0007】消泡剤を投入して泡の発生を抑制する方法
もある。研削液に消泡剤を投入した直後は泡の発生が抑
制されるが、消泡能力が消費されれば直に再発泡が起こ
り消泡剤による抑制効果を持続させるのは困難であっ
た。さらに、研削液に消泡剤を投入すると研削液のノル
マルヘキサン抽出物含有量(鉱油類含有量)が上昇し、
そのまま排出すると環境に悪影響を与えるため、使用済
研削液に対して排出前処理を行う必要が生じる。
【0008】近年、店頭で受けたメガネの注文を集約し
て販売店チェーンの専門工場やレンズメーカでメガネを
製造するケースも多くなってきた。このような量産加工
場では、各機台毎の研削液の状況を把握しておいて適宜
に研削液を交換し、溜まった大量の研削液排液を処理し
研削粉を分離して廃棄処分する。このように研削機毎に
研削液システムが独立しているシステムは能率的でなく
コストを増大させる要因になる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明が解決
しようとする課題は、プラスチックレンズの研削加工機
を複数稼働させるところに研削液を供給する研削液配給
システムを提供することであり、特に複数のレンズ加工
機から自動的に研削粉を収集して効率よく処理する研削
液配給システムを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明のプラスチックレンズ研削液配給システム
は、複数の研削加工機に対して共通の研削液槽と遠心分
離機を備える。研削液槽には研削加工機毎に対応する吸
い込みポンプと独立した研削液供給配管を備え、研削加
工機のドレン配管は複数の研削加工機の廃液口に並列に
接続して排液を遠心分離機に供給し、遠心分離機の溢流
液を研削液槽に戻すようにしたことを特徴とする。な
お、遠心分離機を2基以上備えて、1基の遠心分離機で
遠心分離した研削粉を除去するときには他の遠心分離機
を運転するようにして連続操業が可能なようにしてもよ
い。
【0011】本発明の研削液配給システムは、複数の研
削加工機で排出される使用済の研削液をドレン配管で集
約して遠心分離機を通して研削液槽に戻す。研削液槽の
研削液は再び各個の研削加工機に搬送されて研削加工部
に注がれて冷却と研削粉の搬出をする。研削加工機から
排出される使用済研削液には研削粉が含まれている。特
にプラスチックレンズ加工で発生する研削粉は、比重が
水に近いため水との分離が難しいが、遠心分離機の高速
回転を利用することによりよく分離して回転筒の内壁に
押し付けられて残る。液分は研削粉より軽いため、回転
軸付近の開口から筐体内に溢流してくるので、これを研
削液槽に搬送する。
【0012】遠心分離機を用いた分離法は、貯槽内に静
置する場合と比較すると遙かに分離効率がよい。したが
って、研削液槽に溜まる循環液中の研削粉濃度は直ぐに
は上昇しないので研削液としての能力は長期にわたり維
持される。遠心分離機は高価であるが、多数台に共通し
て利用する場合には機台当たりのコストが低下するた
め、経済的に受け入れ可能である。研削液槽から各研削
加工機には、それぞれ独立の研削液ポンプと供給配管が
設けられているので、休止している機台やレンズをセッ
トしたり外したりしている機台については研削液の供給
を停止することができる。
【0013】また、遠心分離機を複数設けて交代に運転
するようにした場合は、第1の遠心分離機中に研削粉が
溜まった時には、第2の遠心分離機の運転に切り替えた
上で、第1の遠心分離機の運転を停止し、回転筒に溜ま
った研削粉を取り出して廃棄処理する。このようにすれ
ば、複数機台に共有した研削液供給装置の連続運転が可
能である。
【0014】プラスチックレンズの研削粉は疎水性を有
するので、研削加工部で発生する研削粉をきれいに洗い
流して遠心分離機に搬送させるために、研削液には界面
活性剤が添加されている。このため、遠心分離機によっ
て研削粉を分離しても、極く細かい研削粉が研削液中に
懸濁して残ることになる。研削液中に含有される細かな
研削粉の量が大きくなってくると、研削液に泡が発生し
やすくなる。特に研削液槽に流し込むときに空気を巻き
込んで泡が発生する。この泡は作業環境に悪い作用を及
ぼすので、泡の発生を抑えることが好ましい。
【0015】本発明の研削液配給システムは、研削液槽
に冷却装置を備えるようにしてもよい。研削液の温度が
低いほど発泡が起こりにくくなるので、研削液槽を冷却
することにより研削液の寿命を延ばすことができる。ま
た、冷却すると研削液の臭気も抑えられる。冷却装置
は、保冷水槽と銅管パイプと小型のポンプで構成するこ
とができる。保冷水槽は断熱材で形成した水槽で、氷水
を入れる。銅管パイプは保冷水槽とポンプと研削液槽内
を通る循環路を形成するように配管する。ポンプで氷水
を銅管パイプに流し、研削液槽の研削液と熱交換させて
保冷水槽に戻す。保冷水槽の氷が溶けたときには氷塊を
補充する。このような冷却装置は、極めて簡便で維持費
も安い。
【0016】また、研削液槽で大量に泡が発生するよう
になる前に研削液を交換して新しくする必要がある。本
発明ので研削液配給システムでは、さらに排液処理装置
を備え、研削液槽に排水配管を設けて、研削液槽の排液
をポンプで排液処理装置に排出できるようにして、効率
よく研削粉処理を行うようにすることができる。排液処
理装置は、凝集槽と袋状フィルタと濾過槽から構成する
ことができる。凝集槽は研削液槽の排液を受け入れて凝
集沈殿させる。このとき凝集剤を添加して沈殿を促進す
るようにしてもよい。凝集槽でできた上澄み液は、濾過
槽に供給される。濾過槽は内部に活性炭とイオン交換樹
脂を層にして重ねたもので、液中の臭い成分を除去し水
質を調整し、下水に放出することができるようにする。
【0017】上澄み液を取り去った後の汚泥状になった
研削粉は凝集層の底から袋状フィルタ中に落とし入れ
る。袋状フィルタは汚泥中の水分を絞り出して、袋の中
に残る研削粉の含水率を下げる。このとき袋状フィルタ
に振動を与えると、脱水能力が飛躍的に増大し、研削粉
中の水分量が著しく減少する。脱水した研削粉が入った
袋状フィルタは、適当なところで自然乾燥すればさらに
水分率が減少して廃棄物処理のコストが低減する。袋状
フィルタで潤出した液は濾過水タンクに貯めて、適当な
排水処理をした後に放出する。
【0018】本発明の研削液配給システムは、多数機台
の研削加工機を稼働させるメガネレンズ集中加工工場に
おいて、研削液供給装置を研削加工機毎に設ける代わり
に、多数機台に共通の研削液配給システムを設けるもの
である。単機毎に設けたシステムでは高い研削粉脱水能
力を持たせることが難しいのに対して、多数機台を1基
のシステムで担当するため、高度な脱水装置を利用する
ことができ、研削液の寿命が延びると共に、研削粉の処
理が容易になり、廃棄物による環境に対する悪影響を抑
制することができる。
【0019】本発明の研削液配給システムは研削液の処
理を集合して行うことから、遠心分離機を用いて研削粉
を能率よく研削液から分離し、また適当な量の研削粉を
集めて高度な脱水を行うため、廃棄すべき研削粉の容量
が減少して廃棄物処理のコストが低減し、また廃液とな
る研削液も高度な調整を施し水質基準を満たすようにし
てから下水路などに放出することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明のプラスチックレン
ズ研削液配給システムを実施例に基づき図面を用いて詳
細に説明する。図1は本実施例の研削液配給システムの
プロセスフロー図、図2は本実施例に用いる研削粉脱水
装置の断面図、図3は本実施例に使用する研削液処理装
置の斜視図、図4は本実施例に使用する冷却装置のブロ
ック図である。
【0021】本実施例の研削液配給システムは、図1に
示すように、研削液槽1と、複数の研削加工機21を備
える加工装置2と、遠心分離機3で構成される。研削液
槽1は、液槽11がバブルフェンス12で2つに仕切ら
れており、一方に集液パイプ13が、他方に加工機と同
じ数の送液ポンプ14が配設されている。集液パイプ1
3は遠心分離機3の液溜めから分離後の研削液を集めて
液槽11に貯める。
【0022】液槽11に貯められた研削液41は界面活
性剤を含むので、微細な研削粉が大量に含まれるときに
は空気を巻き込んで発泡し易くなる。液槽11内で研削
液が発泡して液面上に泡が浮かぶようになっても、バブ
ルフェンス12で阻止されるので送液ポンプ14が設備
されている領域には泡が進入しにくい。送液ポンプ14
は、液槽11内の研削液を吸い上げ、供給配管15を介
して対応する加工機21に送る。送液ポンプ14の運転
は加工機21の機側から制御することができる。
【0023】加工機21では、レンズ玉押さえ具23で
プラスチックレンズ24を把持し、ダイヤモンド紛を表
面に分散固定した回転砥石22を用い、プログラムに従
って徐々に削り出して正しい形状に整形する。この間、
研削液を加工部に注ぎかけて加工に伴い発生する熱をさ
まし、発生する研削粉を排液管25に搬出する。排液管
25は、複数ある研削加工機21の排出口に接続されて
いて、各機台から流下する研削液を集めて遠心分離機3
に搬送する。
【0024】遠心分離機3は筐体31内の回転軸32で
回転する回転筒33が設けられている。回転筒33は、
内側に着脱可能な内張袋34を装着し軸部分に開口を有
する蓋35を固定して、固定筒36の中で高速回転す
る。使用済の研削液は蓋35の開口から供給される。研
削粉の比重は1.1程度と水より重いので、研削粉42
が遠心力で回転筒33の外周壁に押し付けられて沈積
し、液分は上澄みとなって開口から溢流する。
【0025】上澄み液は液槽11に流れ込んで、送液ポ
ンプ14で再び加工装置2に研削液として送られる。な
お、研削液41に含まれた細かい研削粉の内、遠心分離
機3によっても取り切れなかった分は研削液槽1に混入
し、研削液に含まれて再循環する。このような研削粉の
一部は、研削液槽1に長時間滞留する間に液から分離し
て研削粉汚泥43となって液槽11の底に溜まる。
【0026】遠心分離機3の内張袋34に研削粉が貯ま
ると、新しい研削粉を捕獲することができなくなるの
で、運転を停止して蓋35をとり研削粉が詰まった内張
袋34を外し、新しい袋をセットしてから運転を再開す
る。内張袋34は、変形させることにより研削粉42が
容易に型くずれして袋から離れるように、ゴムなど弾性
のあるもので形成されている。なお、遠心分離機3を複
数備えて交代で運転できるようにしておくと、内張袋3
4を取り替えるため停止する前に、待機していた遠心分
離機を始動して交代させることにより、研削液配給シス
テムを停止させず連続運転することができる。
【0027】遠心分離機3で分離した研削粉は、水分を
多量に含有しているため、そのままの状態で廃棄すると
処理コストが嵩むので好ましくない。そこで、脱水処理
して処理重量を減少させるようにした。図2は、本実施
例で使用した研削粉脱水装置の1例を表した断面図であ
る。図2の研削粉脱水装置5では、研削粉回収容器51
の中心に筒形フィルタ52をセットし、架台53の上に
載置してある。筒形フィルタ52の奥まで届く排出管5
4が真空配管56に繋がるトラップ55に接続されてい
る。トラップ55には、底に溜まった液を排出する配管
57が設けられている。架台53には振動モータ58が
設置されていて、研削粉回収容器51に振動を与えるこ
とができるようになっている。
【0028】遠心分離機3から取り外した内張袋34の
中身を研削粉回収容器51の中に空けると、含まれた液
分が筒形フィルタ52の中に浸潤してきて溜まるので、
適当な間隔で真空装置を運転してトラップ55に排出す
る。簡単に分離する液分はある程度の時間で全て排出さ
れ、その後は間隙水として研削粉内に保留される水分が
残り、簡単に潤出してこなくなる。
【0029】そこで、振動モータ58を運転して研削粉
回収容器51に適当な振動を与えると、水分を放出して
固くなった研削粉が流動化してさらに水分を放出するよ
うになる。こうして放出された水分は筒形フィルタ52
が直ちに濾し取ってフィルタ内に溜めるので、これを真
空で吸い上げて排出する。このような処理を行うことに
より、研削粉は間隙水まで放出して減量する。その後研
削粉回収容器51から筒形フィルタ52を抜き取って、
研削粉が詰まったまま処理場に搬送することができる。
【0030】また、研削液配給システムの研削液は、使
用回数が増えるにつれて泡が発生し易くなるので、適当
な間隔で運転を停止して入れ替える。研削液槽11の底
には汚水処理装置に通じる排泄管16が設けられてい
る。排泄管16にはバルブ18と汚水ポンプ17が設け
られていて、寿命の終わった研削液41を研削粉汚泥4
3と一緒に汚水処理装置に排出することができる。
【0031】図3は、本実施例で使用する汚水処理装置
の1例を示す斜視図である。汚水処理装置6は、架台フ
レーム61の上段に凝集槽62を備え、研削液槽11の
底に付いた汚水ポンプ17の排出口に繋がる配管63か
ら排出される研削液を受け入れる。研削液には界面活性
剤の作用を滅殺するため凝集剤を投入して凝集沈殿を促
進させることが好ましい。硫酸アルミニウムなどの凝集
剤を使用するときは、水酸化カルシウムなどの中和剤を
投入して酸度を調整することが好ましい。凝集槽62の
側壁には排水処理槽65に繋がる1次排水管64が設け
られ、底には汚泥排出管70が設けられている。
【0032】受け入れた研削液は凝集剤を投入して静置
すると、凝集槽62の底に凝集した研削粉がヘドロ状の
汚泥として溜まり、その上に上澄み液ができる。1次排
水管64のバルブを開いて上澄み液を排水処理槽65に
排出した後で、汚泥排出管70のバルブを開いて、残り
の底液を汚泥と共に汚泥処理部に落下させる。排水処理
槽65には、オイルキャッチャー66を備え、内部には
図中一部切り欠いて示すように、活性炭の層67とイオ
ン交換樹脂の層68を形成してある。また、底には2次
排水管69が設けられている。排水処理層65に集めた
上澄み液は、オイルキャッチャー66で水面に浮かぶ油
分を除去し、活性炭層67とイオン交換樹脂層68で色
や臭いの成分を除去して水質基準を満たすようにした後
に、2次排水管69から下水に放出される。
【0033】一方、汚泥処理部は、フィルタ袋71と水
受けトレー72と濾過水容器74からなる。フィルタ袋
71は、フィルタ生地を上が開いた袋の形に縫製したも
ので、吊り下げ紐が付けられている。下げ紐を2本の棒
に掛けてフィルタ袋71を吊し、棒を架台フレーム61
の梁に載せ、汚泥排出管70の真下に開口がくるように
してフィルタ袋71の口を開き、その開口内に汚泥を落
とす。
【0034】フィルタ袋71を静置すると、研削粉に含
みきれない液分が簡単に分離し、フィルタ地を通してフ
ィルタ袋71の表面に浸み出して水受けトレー72に滴
下し、水受けトレー72の底に付けられた傾斜に導かれ
てドレーン配管73に集まり、濾過水容器74に落ちて
貯まる。フィルタ袋71は、汚泥を入れた状態で十分脱
水が進むまで放置する。しかし、分離しやすい液分を出
し切ると後は分離しにくい間隙水が残るので、放置して
おいても液分が出て来にくくなる。
【0035】発明者等の研究によれば、フィルタ袋71
を振動させると研削粉の脱水を促進する上で著しい効果
があることが分かっている。すなわち、フィルタ袋71
を振動させると研削粉に絡む間隙水が分離して研削粉が
液状化し水分が研削粉の表面に出てくるが、分離した水
分はそのままフィルタ地を透過して水受けトレー72に
滴下するので、フィルタ袋71内部の研削粉は一方的に
脱水することになる。なお、布製のフィルタを用いる
と、研削粉が減容するにつれてフィルタ地が変形して研
削粉の外形に馴染み、常にフィルタ有効面積を最大の状
態に維持するので、より効率の高い濾過ができる。
【0036】そこで、本実施例でも、図示していないが
架台フレーム61に振動モータを固定して、フィルタ袋
71を振動させるようにしてある。一通りの脱水が終了
して簡単に分離できる水分が抜けた後で、振動モータの
電源を入れてフィルタ袋71を振動させると極めて短時
間で脱水が進行し、さわっても研削粉が指に付かない程
度に乾燥する。このようにして脱水した研削粉は、余分
の水分が含まれず、運搬費の軽減や埋立容積の低減など
が達成され、経済的に廃棄物処理をすることができる。
【0037】なお、研削液の温度が低いほど発泡が起こ
りにくくなり、臭気も弱くなるので、研削液槽を冷却す
ることが好ましい。僅かに数℃の冷却でも大きな効果が
ある。本実施例では、簡単な冷却装置を利用することに
より、研削液槽11内の研削液41の昇温を防ぐように
した。図4は、本実施例に使用した冷却装置のブロック
図である。冷却装置8は保冷水槽81と銅管パイプ82
と小型のポンプ83で構成する。
【0038】保冷水槽81は断熱材で形成した水槽で、
入れた氷水45の温度が上昇しないようにする。銅管パ
イプ82は保冷水槽81とポンプ83と研削液槽11を
通る循環路を形成するように配管される。銅は熱伝達係
数が高いので、研削液槽11内の銅管パイプ82は研削
液41と循環する氷水との間の格好の熱交換器となる。
ポンプ83で氷水を銅管パイプ82に流し、研削液槽1
1の研削液41と熱交換させて保冷水槽81に戻す。保
冷水槽81の氷46が溶けたときには氷塊を補充する。
なお、冷却水45は研削液41に混ざることがないの
で、製氷機で製造した氷を直接保冷水槽81に投入して
もよい。このような冷却装置は、極めて簡便で安価であ
り運転費も安い。
【0039】
【発明の効果】以上詳細に説明した通り、本発明のプラ
スチックレンズ研削液配給システムによれば、複数のプ
ラスチックレンズ研削機を稼働させるメガネレンズ加工
工場において研削液を集合して管理し、高能率に研削粉
の分離および脱水ができ、また廃棄研削液の処分をする
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の研削液配給システムの1実施例に関す
るプロセスフロー図である。
【図2】本実施例に用いる研削粉脱水装置の断面図であ
る。
【図3】本実施例に使用する研削液処理装置の斜視図で
ある。
【図4】本実施例に用いる冷却装置のブロック図であ
る。
【符号の説明】
1 研削液槽、2 加工装置、3 遠心分離機、5 研
削粉脱水装置、6 汚水処理装置、8 冷却装置、11
液槽、12 バブルフェンス、13 集液パイプ、1
4 送液ポンプ、15 供給配管、21 研削加工機、
22 回転砥石、23 レンズ玉押さえ具、24 プラ
スチックレンズ、25 排液管、31筐体、32 回転
軸、33 回転筒、34 内張袋、35 蓋、36 固
定筒、41 研削液、42 研削粉、43 研削粉汚
泥、45 氷水、46 氷、51研削粉回収容器、52
筒形フィルタ、53 架台、54 排出管、55 ト
ラップ、56 真空配管、57 排出配管、58 振動
モータ、61 架台フレーム、62 凝集槽、64 1
次排水管、65 排水処理槽、66 オイルキャッチャ
ー、67 活性炭層、68 交換樹脂層、69 2次排
水管、70 汚泥排出管、71 フィルタ袋、72 水
受けトレー、73 ドレーン配管、74濾過水容器、8
1 保冷水槽、82 銅管パイプ、83 ポンプ

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プラスチックレンズを研削する複数の研
    削加工機を備え、該複数の研削加工機に対して共通の研
    削液槽と共通の遠心分離機を備え、前記研削液槽には前
    記研削加工機毎に対応する吸い込みポンプを備え、該吸
    い込みポンプと該研削加工機との間にそれぞれ独立した
    供給配管を備え、前記複数の研削加工機の廃液口に並列
    に接続され前記遠心分離機に接続されたドレン配管を備
    え、該遠心分離機の溢流液を前記研削液槽に導く配管を
    備えて、前記研削液槽から各研削加工機に研削液を供給
    し、該研削加工機から排液を集約して前記遠心分離機に
    供給し、該遠心分離機の溢流液を前記研削液槽に戻すこ
    とを特徴とするプラスチックレンズ研削液配給システ
    ム。
  2. 【請求項2】 前記遠心分離機が2個並列に接続され、
    一方の遠心分離機に蓄積した研削粉を処理する間は他方
    の遠心分離機に切り替えて運転を継続することができる
    ようにしたことを特徴とする請求項1記載のプラスチッ
    クレンズ研削液配給システム。
  3. 【請求項3】 前記研削液槽に冷却装置を備えることを
    特徴とする請求項1または2記載のプラスチックレンズ
    研削液配給システム。
  4. 【請求項4】 前記冷却装置が保冷水槽に接続された銅
    管を槽内に導き入れたもので、保冷水槽中で製造した氷
    水を該銅管中に循環させるものである請求項3記載のプ
    ラスチックレンズ研削液配給システム。
  5. 【請求項5】 さらに排液処理装置を備え、前記研削液
    槽の底にポンプに繋がる排水配管を設けて、該研削液槽
    の排液を前記排液処理装置に排出できるようにしたこと
    を特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のプラス
    チックレンズ研削液配給システム。
  6. 【請求項6】 前記排液処理装置が凝集槽と袋状フィル
    タと濾過槽を備え、凝集槽で凝集沈殿した上澄み液を濾
    過槽に供給して濾過処理すると共に、底部に溜まった汚
    泥を袋状フィルタに受けてさらに液を分離するようにす
    るものであることを特徴とする請求項5記載のプラスチ
    ックレンズ研削液配給システム。
  7. 【請求項7】 前記袋状フィルタに振動を与えて汚泥の
    水分分離を促進させることを特徴とする請求項6記載の
    プラスチックレンズ研削液配給システム。
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