JP2002281515A - 撮像光学系および撮像装置 - Google Patents
撮像光学系および撮像装置Info
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Abstract
層膜からなるIRカットフィルタが関与して画面内に赤
く色付いたゴーストが発生する。 【解決手段】 多層膜からなる赤外カットフィルタ21
と、波長による選択的な透過性を有するカラーフィルタ
6と、撮像素子7とを有する撮像光学系において、カラ
ーフィルタ(61)を580nmから650nmの波長
域において透過率のピークを有するものとし、赤外カッ
トフィルタにおける600nm以上の波長域での透過率
が波長増加方向にて初めて50%となる波長の近傍域に
おいて、赤外カットフィルタの透過率よりもカラーフィ
ルタの透過率が低くなるようにする。
Description
等の2次元固体撮像素子を使用するデジタルスチルカメ
ラあるいはビデオカメラ等の撮像装置に用いられる撮像
光学系に関するものである。
次元的に画素が等ピッチで並べられている固体撮像素子
を含む撮像光学系が多用されている。
構成を示している。これらの図において、31は撮影レ
ンズであり、32は光学ローパスフィルタである。光学
ローパスフィルタ32の撮影レンズ側の表面には、多層
膜からなるIR(赤外)カットコート38が形成されて
おり、この光学ローパスフィルタ32はIRカットフィ
ルタを兼ねている。
り、この撮像素子37における撮影レンズ側には、撮影
レンズ側から撮像素子側に向かって順に、オンチップマ
イクロレンズ35とカラーフィルタ36とが配置されて
いる。なお、これら撮像素子37、オンチップマイクロ
レンズ35およびカラーフィルタ36はパッケージ33
およびセンサカバーガラス34によって密閉されてい
る。
て、撮影レンズ31に入射した撮影光は撮影レンズ31
で集光作用を受け、オンチップマイクロレンズ35によ
って撮像素子37の個々の受光部(画素)に向けてさら
に集光される。そして、カラーフィルタ36で個々の受
光部に対する色光に分光されて撮像素子37の各受光部
に効率良く入射する。
に、撮像素子37の各々の受光部に対して設けられた、
赤透過フィルタ(R)61,緑透過フィルタ(G)62
および青透過フィルタ(B)63から構成されている。
各フィルタ61〜63には、波長に応じて選択的に光を
透過する物質が設けられている。このため、各々の受光
部には、原色フィルタではRGBに分光された色光とな
って入射する。なお、図5に示すように、カラーフィル
タ36は、ベイヤ方式のカラーフィルタ配列がなされて
いる。
学系は、通常の撮影条件においては問題なく使われてい
るが、逆光時や光源が画面内に存在する場合には、IR
カットコート38が関与して画面内に赤く色付いた違和
感のあるゴーストが発生し、画像の品位を損ねるという
欠点がある。
するゴーストである。すなわち、夜景撮影において画面
内に電燈のような強い光源がある場合に、撮像素子37
に向かう光101の一部が光学ローパスフィルタ32の
表面のIRカットコート38で反射し、撮影レンズ31
内のいずれかのレンズ面で反射してさらにIRカットコ
ート38を透過し、ゴースト光となって撮像素子37に
入射するものである。
ついて説明する。IRカットコート38は図7に示すよ
うな分光透過率を持っているが、反射時の分光反射率は
100%から分光透過率を引いた値となり、ちょうど5
0%のラインを中心に上下反転したような分光特性とな
る。
をプロットしたものを示す。この図に示すように、IR
カットコート38の透過率がほぼ100%に近く特性が
フラットな可視光領域と、透過率がほぼ0%に近い紫外
および赤外領域では上記式で計算されるゴースト光の強
度は極めて小さい。
過率が50%となる波長では、反射率も50%なので、
上記式で計算されるゴースト光の強度は25%と極めて
大きな値となる。
カラーフィルタ36を透過して撮像素子37の受光部に
入射すると、短波長側の強度の大きな光はカラーフィル
タ36での透過率が低いため、ゴースト光の強度は極め
て小さくなる。
過フィルタ61が赤外側の透過を阻止しないため、赤外
光の透過率が高くなり、ゴースト光の強度が極めて大き
くなる。そして、この結果、赤色を帯びた強いゴースト
となって撮像されてしまう。
称の位置に、銀塩写真では見られない赤い違和感のある
ゴーストが現れることになる。
光路で発生するゴーストである。すなわち、夜景撮影に
おいて電燈のような強い光源がある場合に、撮像素子3
7に向かう光102の一部がオンチップマイクロレンズ
35の表面で反射し、続いて光学ローパスフィルタ32
の表面のIRカットコート38で反射し、さらにIRカ
ットコート38を透過してゴースト光となって撮像素子
37に入射するものである。
レンズが規則的に並んだ構造を持っているため、オンチ
ップマイクロレンズ35の表面で反射した光は、反射と
同時に回折も起こし、回折パターンを呈する。
ート38と撮影レンズ31のレンズ面とでの相互反射に
よる赤い色を帯びたゴーストと同じ理由で赤く色付く。
従って、このオンチップマイクロレンズ35とIRカッ
トコート38が関与するゴーストは、赤色を帯びた回折
パターン模様を有するものとして光源の回りに発生し、
銀塩写真では見られない赤い違和感のあるゴーストにな
る。
な反射タイプのもののほか、吸収タイプのものもあり、
吸収タイプのものを用いれば、このようなゴーストの発
生をなくすることは可能である。
ルタは反射タイプのものに比べて光軸方向厚さが厚く、
撮像装置の小型化を図る上で好ましくないという問題が
ある。
ィルタを用いながらも上記のようなゴーストの発生を低
減させ、逆光時等の撮影においても高い品位の撮影画像
が得られるようにした撮像光学系を提供することを目的
としている。
め、本願第1の発明では、多層膜からなる赤外カットフ
ィルタと、波長による選択的な透過性を有するカラーフ
ィルタと、撮像素子とを有する撮像光学系において、カ
ラーフィルタを580nmから650nmの波長域にお
いて透過率のピークを有するものとし、赤外カットフィ
ルタにおける600nm以上の波長域での透過率が波長
増加方向にて初めて50%となる波長の近傍域におい
て、赤外カットフィルタの透過率よりもカラーフィルタ
の透過率が低くなるようにしている。
る赤外カットフィルタと、波長による選択的な透過性を
有するカラーフィルタと、撮像素子とを有する撮像光学
系において、カラーフィルタを580nmから650n
mの波長域において透過率のピークを有するものとし、
赤外カットフィルタにおける600nm以上の波長域で
の透過率が波長増加方向にて初めて50%となる波長を
λD50 とし、カラーフィルタにおける600nm以上の
波長域での透過率が波長増加方向にて初めて25%より
低くなる波長をλR25 としたときに、カラーフィルタ
および赤外カットフィルタのそれぞれの分光特性が、 λR25 <λD50 …(1) を満足するようにしている。
カットフィルタ面での撮影光の反射によるゴースト(例
えば、赤外カットフィルタ面と撮影レンズのレンズ面で
の相互反射によるゴーストや赤外カットフィルタ面と撮
像素子上のマイクロレンズ表面との相互反射によるゴー
スト)をカラーフィルタで低減させることが可能であ
る。
性を設定することにより、上記ゴーストを十分に目立ち
にくいレベルにまで低減させることが可能となる。つま
り、λR25 がλD50 よりも大きくなると、上記ゴース
トを低減させることはできるが、ゴーストが目立ち易く
なる可能性がある。
nm以上の波長域での透過率が波長増加方向にて初めて
50%となる波長λD50 が、 650nm<λD50 <780nm …(2) を満足するようにするとよい。
波長側になると、赤色の光量が少なくなり、色再現性に
問題を生ずるようになる。一方、上限値を超えて長波長
側になると、カラーフィルタの透過率が再び増加する領
域になるため、赤外光によるかぶりを生ずるようにな
る。
明の第1実施形態である撮像光学系の構成を示してい
る。これらの図において、1は撮影レンズであり、2は
光学ローパスフィルタである。光学ローパスフィルタ2
の撮影レンズ側の表面には、多層膜からなるIR(赤
外)カットコート21が形成されており、この光学ロー
パスフィルタ2はIRカットフィルタを兼ねている。
射タイプのIRカットフィルタであり、一般に厚い吸収
タイプのIRカットフィルタを用いる場合に比べて、I
Rカットフィルタの配置スペースを小さくすることがで
き、本実施形態の撮像光学系ひいてはこれを搭載する撮
像装置の小型化を図ることができる。
り、この撮像素子7における撮影レンズ側には、撮影レ
ンズ側から撮像素子側に向かって順に、オンチップマイ
クロレンズ5とカラーフィルタ6とが配置されている。
なお、これら撮像素子7、オンチップマイクロレンズ5
およびカラーフィルタ6はパッケージ3およびセンサカ
バーガラス4によって密閉されている。
て、撮影レンズ1に入射した撮影光は撮影レンズ1で集
光作用を受け、オンチップマイクロレンズ5によって撮
像素子7の個々の受光部(画素)に向けてさらに集光さ
れる。そして、カラーフィルタ6で個々の受光部に対す
る色光に分光されて撮像素子7の各受光部に効率良く入
射する。
のと同じものであり、撮像素子7の各々の受光部に、波
長に応じて選択的に光を透過する物質が設けられて構成
されており、赤透過フィルタ(R)61、緑透過フィル
タ(G)62および青透過フィルタ(B)63がある。
このため、各々の受光部には、原色フィルタではRGB
に分光された色光となって入射する。
21とカラーフィルタ6の分光特性を示している。26
はIRカットコート21、68は赤透過フィルタ61、
66は緑透過フィルタ62、65は青透過フィルタ63
の分光特性である。
カットコート21の分光特性を、600nm以上の波長
域での透過率が初めてピーク値の50%となる波長、す
なわち半値を持つ波長λD50 を675nmにするよう設
定されている。
に対する透過領域である赤色透過フィルタ61における
600nm以上の波長域での透過率が初めてピーク値の
25%となる波長λR25 を670nmに設定している。
ば、630nmから750nmの範囲)での赤色透過フ
ィルタ61の透過率がIRカットコート21の透過率よ
りも低くなっている。
D50 (=675nm)におけるIRカットコート21と
撮影レンズ1のレンズ面での相互反射による赤い色を帯
びたゴースト光の強度は入射光の25%であるが、赤色
透過フィルタ61の透過率がほぼ25%なので、撮像素
子7で受光されるゴースト光の強度は入射光の6%と実
質的には目立たない強度になる。図8には、点線10
5′により本実施形態におけるゴースト光の強度分布を
示している。
カットコート21を用いているため、例えば厚みを持っ
た平行平板で発生する球面収差、非点収差、色収差を少
なくすることができ、高画質を保つことができる。特
に、銀塩用の一眼レフレックスカメラと交換レンズを共
用するデジタル一眼レフレックスカメラではこの効果が
大きい。
パスフィルタ2の表面に形成しているので、IRカット
フィルタを設けるために部材数が増加することがなく、
コストアップが極めて少なく、安価な撮像光学系および
撮像装置を実現することができる。
収タイプとで比べた場合、カラーフィルタ6がコーティ
ングタイプの透過反射タイプであると、カラーフィルタ
6への光の入射角度によって反射光の分光特性が変化す
るため、結果的にゴーストが生じてしまうという可能性
がある。従って、カラーフィルタ6は波長による選択的
な透過吸収性を有するものがより好ましい。以下の実施
形態でも同様である。
して、λR25 に対してλD50 を第1実施形態のものより
もさらに長波長側に寄せ、IRカットコート21におけ
る600nm以上の波長域での透過率が初めてピーク値
の50%となる波長、すなわち半値を持つ波長λD50 を
700nmに、カラーフィルタ6のうち原色の赤色に対
する透過領域である赤色透過フィルタ61における60
0nm以上の波長域での透過率が初めてピーク値の25
%となる波長λR25 を670nmに設定してもよい。
タ61の透過率がIRカットコート21の透過率よりも
低くなっている。
撮影レンズ1のレンズ面での相互反射による赤い色を帯
びたゴースト光の強度は入射光の25%であるが、赤色
透過フィルタ61の透過率がほぼ5%なので、撮像素子
7で受光されるゴースト光の強度は入射光の1%とな
り、上記第1実施形態の場合よりもさらにゴーストが目
立たなくなる。
形態において、IRカットコート21を構成する多層膜
は、所望の分光特性を得ようとすると30層〜40層と
いう膨大な膜構成になるが、これを2つの面に分離すれ
ば、それぞれの膜の層数を15〜20層程度に減らすこ
とができる。本実施形態によれば、膜の総数自体に変化
はないが、片面は20層程度と薄くできるので、片面が
40層の場合に比べて膜同士の密着性がよくなる。
ートに対しても適用することができる。
形態では、IRカットコート21を撮像素子7の近傍に
配置された光学ローパスフィルタ2の撮影レンズ側の表
面に形成した場合について説明したが、IRカットフィ
ルタの位置は、これに限らず、撮像素子7の近傍或いは
交換レンズ式カメラのマウント部近傍に別途設けられた
透明な平行平板の表面や、センサカバーガラス4の表面
であってもよい。
形態では、カラーフィルタ6が原色フィルタの場合につ
いて説明したが、補色フィルタとしてもよい。
ち、580nm<λ<650nmの波長域において透過
率のピーク値を有しているカラーフィルタは、Mおよび
Yのカラーフィルタである。
およびIRカットコートの分光特性を上記(1)式や
(2)式の条件を満たすように定めればよい。
形態においては、反射タイプのIRカットフィルタのみ
を用いた場合について説明したが、吸収タイプのIRカ
ットフィルタを補助的に使用してもよい。これにより、
さらにゴースト低減効果が改善される。
タの厚さを標準的な厚さより薄くしてもよい。
2の発明によれば、赤外カットフィルタ面での撮影光の
反射に起因するゴーストをカラーフィルタで低減させる
ことができる。したがって、逆光撮影時や画面内に光源
があるような場合でも、高品位な撮影画像を得ることが
できる。
性を設定することにより、上記ゴーストを十分に目立ち
にくいレベルにまで低減させることができる。
nm以上の波長域での透過率が波長増加方向にて初めて
50%となる波長λD50 が上記(2)式を満足するよう
にすれば、色再現性に問題が請じたり、赤外光によるか
ぶりを生じたりすることを防止することができる。
図である。
ラーフィルタの分光特性を示す図である。
を説明する図である。
を説明する図である。
を示す図である。
光特性を示す図である。
分光特性を示す図である。
ゴーストの光強度の分布を示す図である。
0)
をプロットしたものを示す(実線105)。この図に示
すように、IRカットコート38の透過率がほぼ100
%に近く特性がフラットな可視光領域と、透過率がほぼ
0%に近い紫外および赤外領域では上記式で計算される
ゴースト光の強度は極めて小さい。
て、撮影レンズ1に入射した撮影光100は撮影レンズ
1で集光作用を受け、オンチップマイクロレンズ5によ
って撮像素子7の個々の受光部(画素)に向けてさらに
集光される。そして、カラーフィルタ6で個々の受光部
に対する色光に分光されて撮像素子7の各受光部に効率
良く入射する。
形態において、IRカットコート21を構成する多層膜
は、所望の分光特性を得ようとすると30層〜40層と
いう膨大な膜構成になるが、これを2つの面(光学ロー
パスフィルタ2の両面)に分離すれば、それぞれの膜の
層数を15〜20層程度に減らすことができる。本実施
形態によれば、膜の総数自体に変化はないが、片面は2
0層程度と薄くできるので、片面が40層の場合に比べ
て膜同士の密着性がよくなる。
nm以上の波長域での透過率が波長増加方向にて初めて
50%となる波長λD50 が上記(2)式を満足するよう
にすれば、色再現性に問題が生じたり、赤外光によるか
ぶりを生じたりすることを防止することができる。
Claims (6)
- 【請求項1】 多層膜からなる赤外カットフィルタと、
波長による選択的な透過性を有するカラーフィルタと、
撮像素子とを有する撮像光学系であって、 前記カラーフィルタが、580nmから650nmの波
長域において透過率のピークを有しており、 前記赤外カットフィルタにおける600nm以上の波長
域での透過率が波長増加方向にて初めて50%となる波
長の近傍域において、この赤外カットフィルタの透過率
よりも前記カラーフィルタの透過率が低いことを特徴と
する撮像光学系。 - 【請求項2】 前記近傍域が、少なくとも630nmか
ら750nmの範囲を含むことを特徴とする請求項1に
記載の撮像光学系。 - 【請求項3】 多層膜からなる赤外カットフィルタと、
波長による選択的な透過性を有するカラーフィルタと、
撮像素子とを有する撮像光学系であって、 前記カラーフィルタが、580nmから650nmの波
長域において透過率のピークを有しており、 前記赤外カットフィルタにおける600nm以上の波長
域での透過率が波長増加方向にて初めて50%となる波
長をλD50 とし、前記カラーフィルタにおける600n
m以上の波長域での透過率が波長増加方向にて初めて2
5%より低くなる波長をλR25 としたとき、 前記カラーフィルタおよび前記赤外カットフィルタのそ
れぞれの分光特性が、 λR25 <λD50 を満足することを特徴とする撮像光学系。 - 【請求項4】 前記カラーフィルタは、原色フィルタで
あることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載
の撮像光学系。 - 【請求項5】 前記赤外カットフィルタにおける600
nm以上の波長域での透過率が波長増加方向にて初めて
50%となる波長λD50 が、 650nm<λD50 <780nm を満足することを特徴とする請求項1から4のいずれか
に記載の撮像光学系。 - 【請求項6】 請求項1から5のいずれかに記載の撮像
光学系を有することを特徴とする撮像装置。
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