JP2002278274A - 静電搬送装置・静電搬送方法・画像形成装置 - Google Patents

静電搬送装置・静電搬送方法・画像形成装置

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JP2002278274A
JP2002278274A JP2001080413A JP2001080413A JP2002278274A JP 2002278274 A JP2002278274 A JP 2002278274A JP 2001080413 A JP2001080413 A JP 2001080413A JP 2001080413 A JP2001080413 A JP 2001080413A JP 2002278274 A JP2002278274 A JP 2002278274A
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toner
common electrode
polarity
electrostatic
electrode
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Toshio Sakai
捷夫 酒井
Yoichiro Miyaguchi
耀一郎 宮口
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Ricoh Co Ltd
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Ricoh Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 トナーの帯電状態に拘らず静電搬送効率及び
現像寄与率を向上できるようにする。 【解決手段】 静電搬送装置は、感光体ドラム1の近傍
に位置し、複数の電極を有する搬送基板31を有してい
る。搬送基板31には主としてトナー搬送を行う領域5
5と、主としてトナーポンピングを行う領域56が存在
し、領域55には搬送基板31に対向するように共通電
極板70が設けられている。該共通電極板70には電源
72によりトナーの帯電極性と同極性の電圧が印加され
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】複写機、プリンタ、ファクシ
ミリ等の画像形成装置に用いられる現像手段としての静
電搬送装置及び静電搬送方法に関する。
【0002】
【従来の技術】像担持体上に形成された静電潜像をトナ
ー像として可視像化する現像方法の一つにTPM(To
ner−Phase−Match)静電搬送技術を用い
た静電搬送方式がある。この方式は、、複数の電極が所
定間隔で設けられた搬送基板の該電極群に時間的に変化
する電位を順次印加し、各電極間に交番電界を発生させ
て吸引力と反発力を交互に生じさせることによって帯電
トナーを搬送基板に沿って移動させるとともに、電気力
線によって像担持体方向に上昇・浮遊させて現像するも
のである。この静電搬送方式では、像担持体の静電潜像
面に対向しない部分では、電気力線は電極同士の間にお
いては強いが電極の中心付近では極めて弱い。このた
め、電極上にトナーが堆積し、堆積したトナーによって
静電搬送が阻害されるという問題があった。
【0003】この問題に対処すべく、特開平59−18
1369号公報には、像担持体と対向しない部位におい
て搬送基板に対向する電極板を設け、該対向電極板に、
例えば搬送基板上の電極群に印加する電位の半分の同極
性の電位を印加する構成が開示されている。このように
した場合、搬送基板の電極群の電位は対向電極板の電位
より高くなったり低くなったりし、その結果、トナーは
対向電極板に行ったり戻ったりしながら搬送基板に沿っ
て進行する。特に、各電極の中心付近にいたトナーが対
向電極板に移動するため、堆積トナーがほとんど存在し
なくなり、トナー搬送効率を上げることができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
構成においては、搬送中に搬送基板の電極の近傍を離れ
て空中に飛散し、浮遊するトナーが発生するという問題
があった。また、トナーはその全てが同一極性に帯電す
るとは限らず、逆極性に帯電するトナーも存在するが、
逆極性に帯電しているトナーは逆方向に搬送されて本来
の搬送を妨げるとともに、現像に寄与しないという問題
があった。
【0005】そこで、本発明は、トナーの帯電状態に拘
らず静電搬送効率及び現像寄与率を向上できる静電搬送
装置、静電搬送方法、該静電搬送装置を有する画像形成
装置の提供を、その目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1記載の発明では、複数の電極を備え像担持
体の近傍に設けられる搬送基板を有し、該電極群に時間
的に変化する電位を印加して帯電した画像形成用の粉末
(以下、トナーと称する。)を該搬送基板に沿って移動
させるとともに該像担持体方向へ移動させる静電搬送装
置において、上記電極群の少なくとも一部に対向するよ
うに共通電極が設けられ、該共通電極に上記トナーの帯
電極性と同極性の電圧を印加し、該共通電極に付着した
正規の帯電極性と異なる極性に帯電しているトナーに、
該共通電極より正規の帯電極性と同極性の電荷を注入し
て該トナーの帯電極性を反転させる、という構成を採っ
ている。
【0007】請求項2記載の発明では、請求項1記載の
静電搬送装置において、上記搬送基板上の電極の表面が
薄い絶縁層で覆われている、という構成を採っている。
【0008】請求項3記載の発明では、請求項1又は2
記載の静電搬送装置において、上記共通電極の表面が裸
である、という構成を採っている。
【0009】請求項4記載の発明では、請求項1乃至3
のうちの一つに記載の静電搬送装置において、上記トナ
ーが、中抵抗トナーである、という構成を採っている。
【0010】請求項5記載の発明では、請求項1乃至3
のうちの一つに記載の静電搬送装置において、上記トナ
ーが、島状電極トナーである、という構成を採ってい
る。
【0011】請求項6記載の発明では、請求項1乃至3
のうちの一つに記載の静電搬送装置において、上記トナ
ーが、整流性トナーである、という構成を採っている。
【0012】請求項7記載の発明では、請求項1乃至3
のうちの一つに記載の静電搬送装置において、上記トナ
ーが、導電性トナーである、という構成を採っている。
【0013】請求項8記載の発明では、像担持体上に形
成された静電潜像を静電搬送装置によりトナー像として
可視像化し、該トナー像を記録材に転写して画像形成を
行う画像形成装置において、上記静電搬送装置が、請求
項1乃至7のうちの一つに記載のものである、という構
成を採っている。
【0014】請求項9記載の発明では、搬送基板上に設
けられた電極群に時間的に変化する電位を印加して帯電
した画像形成用の粉末(以下、トナーと称する。)を該
搬送基板に沿って移動させるとともに該像担持体方向へ
移動させる静電搬送方法において、上記電極群の少なく
とも一部に対向するように共通電極が設け、該共通電極
に上記トナーの帯電極性と同極性の電圧を印加し、該共
通電極に付着した正規の帯電極性と異なる極性に帯電し
ているトナーに、該共通電極より正規の帯電極性と同極
性の電荷を注入して該トナーの帯電極性を反転させる、
という手順を採っている。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態を図に
基づいて説明する。まず、図1に基づいて、本実施形態
における画像形成装置としての複写機の概略構成及び動
作を説明する。像担持体としての感光体ドラム1は、時
計回り方向に回転駆動される。コンタクトガラス2上に
原稿を載置し、図示しないプリントスタートスイッチを
押すと、原稿照明光源3とミラー4とを含む走査光学系
5と、ミラー6,7を含む走査光学系8が移動して原稿
画像の読み取りが行われる。走査された原稿画像はレン
ズ9の後方に配置された画像読み取り素子10で画像信
号として読み込まれ、読み込まれた画像信号はデジタル
化されて画像処理される。画像処理された信号でレーザ
ーダイオード(LD)が駆動され、該レーザーダイオー
ド(LD)からのレーザー光はポリゴンミラー13で反
射した後、ミラー14を介して感光体ドラム1上に照射
される。感光体ドラム1は、帯電装置15によって一様
に帯電されており、レーザー光による書き込みにより感
光体ドラム1の表面に静電潜像が形成される。
【0016】感光体ドラム1表面の静電潜像は、現像手
段としての静電搬送装置16によって現像され、トナー
像として可視像化される。該トナー像は、給紙部17A
または17Bから給紙コロ18Aまたは18Bで給紙さ
れた転写紙(記録材)19に転写チャージャ20のコロ
ナ放電により転写される。トナー像を転写された転写紙
19は、分離チャージャ21により感光体ドラム1の表
面より分離される。そして搬送ベルト22によって搬送
され、定着ローラ対23の圧接部でトナー像を定着され
た後、機外の排紙トレイ24へと排紙される。転写後に
感光体ドラム1の表面に残留しているトナーはクリーニ
ング装置25によって除去され、感光体ドラム1の表面
に残留している電荷は除電ランプ26によって消去され
る。
【0017】次に、静電搬送装置16を図2乃至図5に
基づいて詳細に説明する。静電搬送装置16は、図2に
示すように、帯電したトナーを搬送面に沿って静電力で
一端部側へ搬送するとともに、感光体ドラム1の近傍で
トナーを静電力でポンピングさせる搬送基板31と、ト
ナーボックス32と、該トナーボックス32から搬送基
板31に帯電したトナーを送り込むフレキシブル搬送基
板33と、搬送基板31の一部に対向するように設けら
れた共通電極板70と、該共通電極板70にトナーの帯
電極性と同極性の電圧を印加する電源72と、トナーボ
ックス32に供給するトナーを帯電させる帯電ローラ3
4と、該帯電ローラ34の周面に接触する帯電ブレード
35と、トナー供給部36と、該トナー供給部36内の
トナーを攪拌するトナー供給スクリュー37と、搬送基
板31の一端部を外れたトナーを回収してトナーボック
ス32に戻すトナー回収部38と、後述する搬送基板3
1の電極に対してトナー搬送及びトナーポンピングのた
めの駆動波形(5〜100V程度)を印加する第1駆動
回路41、第2駆動回路42等を有している。感光体ド
ラム1と搬送基板31との間にはDC電源43より、現
像バイアス電圧であるDCバイアス(100〜200V
程度)が印加される。
【0018】搬送基板31は、図3に示すように、感光
体ドラム1の軸方向で該感光体ドラム1と略同じ幅を有
する支持基板51と、該支持基板51の上に設けられた
多数の電極52と、該電極52の表面を覆う薄肉の絶縁
層53と、該絶縁層53の表面に設けられた表面コート
層54を有している。各電極52は、図4に示すよう
に、感光体ドラム1の軸方向に延びており、感光体ドラ
ム1の軸方向と直交する搬送方向において所定の間隔で
配設されている。表面コート層54はトナーとの接触を
低減するために設けられている。支持基板51として
は、ガラス基板、樹脂基板あるいはセラミック基板等の
絶縁性材料からなる基板、あるいは、SUSなどの導電
性材料からなる基板にSiO2 等の絶縁膜を成膜したも
のを用いることができる。電極52は、支持基板51上
にAl、Ni−Cr等の導電性材料を0.1〜0.2μ
m厚で成膜し、これをフォトリソ技術等の半導体技術を
用いて電極形状にパターン化している。各電極52の間
隔はトナー径の2〜10倍であることが良好な搬送速度
と搬送量を確保するために好ましい。また、搬送方向に
おける電極52の幅はトナー径の1〜3倍であることが
良好な搬送速度と搬送量を確保するために好ましい。
【0019】絶縁層53としては、例えばSiO2 、S
iON、TiN、Ta25 などを厚さ0.1μm以下
で成膜して形成している。絶縁層53として比誘電率の
大きな材料を用いることによって、駆動電圧の低電圧化
を図ることができるとともに、粒子(トナー)の駆動反
跳と搬送速度が大きくなる。表面コート層54は、搬送
面と帯電トナー界面との接触抵抗の低減を図る機能を有
する膜であり、例えばPTFE、PFAなどのフッ素系
樹脂材料を0.1〜0.3μm厚でコートして形成して
いる。フレキシブル搬送基板33は、搬送基板31と基
本的構成は同様であるが、図5に示すように、支持基板
及び絶縁層を兼ねた絶縁性のFPC基板61に多数の電
極62を所定の間隔で配設し、FPC基板61の搬送面
側に表面コート層64を成膜したものである。
【0020】駆動電源としての第1駆動回路41は、図
5に示すように、搬送基板31の主としてトナー搬送を
行う領域55の3本の電極52,52,52を1セット
として、各電極52に複相(ここでは3相)のパルス状
駆動電圧(駆動波形)Va1、Vb1、Vc1をそれぞ
れ印加する。同じく駆動電源としての第2駆動回路42
は、搬送基板31の主としてトナーポンピングを行う領
域56の3本の電極52,52,52を1セットとし
て、各電極52に複相(ここでは3相)のパルス状駆動
電圧(駆動波形)Va2、Vb2、Vc2をそれぞれ印
加する。第1駆動回路41、第2駆動回路42によるパ
ルス状駆動電圧は、例えば6相としてもよい。
【0021】第1駆動回路41は、パルス状駆動電圧
(駆動波形)Va1、Vb1、Vc1を第1駆動周波数
f1で出力し、第2駆動回路42はパルス状駆動電圧
(駆動波形)Va2、Vb2、Vc2を第1駆動周波数
f1よりも高いトナーがポンピングを生じる第2駆動周
波数f2(f2>F1)で出力する。具体的には、第1
駆動周波数f1は1KHz〜20KHzの範囲内で、第
2駆動周波数f2は18KHz〜45KHzの範囲内
で、使用するトナー径の範囲、求める搬送速度、ポンピ
ングの程度などに応じて選択することが好ましい。
【0022】共通電極板70は、図5に示すように、搬
送基板31の主としてトナー搬送を行う領域55を覆う
ように設けられており、図示しないが、搬送基板31と
同様の支持基板と、該支持基板の搬送基板31との対向
面全体に設けられた電極を有している。
【0023】次に、図6乃至図8に基づいて、静電搬送
装置16によるトナーの搬送及びポンピング動作を説明
する。まず、図6に示すように、グランドGと正の電圧
+との間で変化するパルス状駆動波形Va、Vb、Vc
をタイミングをずらして印加する。このとき、図7に示
すように、搬送基板31上に負帯電したトナーTがあ
り、搬送基板31の連続した複数の電極52にで示す
ようにそれぞれ「G」、「G」、「+」、「G」、
「G」が印加されたとすると、トナーTは「+」の電極
52上に位置する。
【0024】次のタイミングで複数の電極52にはに
示すようにそれぞれ「+」、「G」、「G」、「+」、
「G」が印加され、トナーTには図中左側の「G」の電
極52との間で反発力が、右側の「+」の電極52との
間で吸引力がそれぞれ作用する。このため、トナーTは
「+」の電極52側に移動する。さらに次のタイミング
で複数の電極52にはに示すようにそれぞれ「G」、
「+」、「G」、「G」、「+」が印加され、トナーT
には同様に反発力吸引力が作用するので、トナーTはさ
らに「+」の電極52側に移動する。
【0025】このように電極52に印加する駆動波形の
電位を変化させて見かけ上駆動波形を移動させることに
よって、トナーTは「+」の電極52側に引かれながら
移動するので、搬送基板31の搬送面に沿ってトナーT
が搬送される。なお、正帯電トナーの場合には駆動波形
の変化パターンを逆にすることで搬送できる。
【0026】搬送基板31の電極52に印加するパルス
状駆動波形の駆動周波数を高くするに従って、トナーの
移動速度(搬送速度)も速くなるが、トナーTが「+」
の電極52に移動しようとするときにその電極52が
「G」に変化すると、トナーTはその電極52のさらに
次の電極52に移動しようとして飛び跳ねるポンピング
現象が発生する。実験によると、パルス状駆動波形の駆
動周波数が1KHz〜20KHzの範囲内ではトナーT
は主として搬送され、18KHz〜45KHzの範囲内
では、トナーTのポンピング現象が大きくなった。この
場合、駆動周波数の一部が重複しているのは、ポンピン
グ現象の発生がトナー粒径、駆動電圧などにも影響され
るためである。
【0027】本実施形態では、第1駆動回路41から搬
送基板31の主としてトナー搬送を行う領域55の電極
52,52,52・・・に対しては1KHz〜20KH
zの第1駆動周波数f1のパルス状駆動電圧(駆動波
形)Va1、Vb1、Vc1をそれぞれ印加することに
より、トナーTを搬送基板31の搬送面に沿って感光体
ドラム1の近傍に搬送する。第2駆動回路42から搬送
基板31の感光体ドラム1の近傍の領域56(現像部)
の電極52,52,52・・・に対しては18KHz〜
45KHzの第2駆動周波数f2のパルス状駆動電圧
(駆動波形)Va2、Vb2、Vc2をそれぞれ印加す
ることで、図8に示すように、感光体ドラム1の近傍で
トナーTをポンピングさせる。
【0028】ポンピングするトナーTの中には、トナー
Tの進行方向に対して逆反跳するトナーTもあるが、全
体として搬送方向にゆっくりと搬送される。実験による
と、ポンピングしているトナーは、50μm〜300μ
m程搬送基板31上でポンピング現象しているが、さら
に感光体ドラム1と搬送基板31との間のDCバイアス
により、ポンピングしているトナーが加速されて500
μm〜1mmまでポンピングが拡散することを確認して
いる。なお、図8では共通電極板70を省略している。
【0029】以上が本実施形態における静電搬送動作の
概要であるが、共通電極板70が無い構成では、搬送中
にトナーTが電極52の近傍を離れて空中に飛散し、浮
遊する場合がある。また、逆極性に帯電しているトナー
は逆方向に搬送され、現像に寄与せず、その結果画像濃
度が低下する場合がある。これらの問題を実験結果を踏
まえて以下に具体的に説明する。
【0030】(実験1)ガラス基板上に、幅10μm、
長さ50mmのネサ電極群を、電極間間隔20μmで3
00本形成して搬送基板を作製し、ネサ電極を3本ごと
に同一の電源につなげた。3つの電源を電源A,B,C
とする。試作の一成分現像器で、平均帯電量−15μC
/gに帯電させた平均粒径8.0μmの電子写真用乾式
トナーを、ガラス基板の一端に電極群の一部を覆うよう
に置き、電源A,B,Cの電圧を100μsecごと
に、300μsec周期で、それぞれ+100V、+1
00V、0V、+100V、0V、+100V、0V、
+100V、+100Vと切り替えたところ、トナーは
200mm/secの速度で搬送基板上を他端側へ移動
した。
【0031】トナーの移動状態を高速度カメラで撮影
し、スロー再生してトナーの動きを研究したところ、僅
かではあるが、一部のトナーが上方に飛散して浮遊する
のが確認された。飛散・浮遊トナーは、複写機やプリン
タの機内を汚し、誤動作や画像の汚れの原因になる。ま
た、機外に排出された場合は人間の健康にも悪影響を与
える可能性があるんどえ、排除しなければならない。従
来、各種の方法で浮遊トナーの回収が行われてきたが、
元から発生させないのが一番よい対策である。
【0032】かかる観点から、搬送基板から0.1mm
離してガラス板をおいた。これで飛散するトナーは防止
できたが、しばらく使っているとガラス板がトナーで真
っ黒になり、それが時々搬送基板上に落下してそこだけ
トナー搬送ができなくなり、スジ状にトナーの無い部分
ができることが確認された。そこで、ただのガラス板の
代わりに、片面にネサ電極を有するガラス板を共通電極
として、電極面を下向けにして、すなわち、搬送基板に
対向するようにして、同様に0.1mm離して置き、そ
こに−50Vを印加したところ、飛散浮遊トナーが大幅
に減少するのが確認された。
【0033】同一条件で行ったコンピュータシミュレー
ションの結果を、図9、図10に示す。図9は共通電極
が無い場合で、図10は共通電極があってそこに−50
Vを印加した場合である。但し、共通電極、搬送基板は
表示していない。共通電極が無い場合には実験電極74
から上空に向かって伸びている電気力線があるが、図1
0の場合には、電気力線は全て横に伸びていることが判
る。このため、実験電極74に加わる電圧が変化して、
実験電極74より浮いたトナーが上空に飛散浮遊するこ
となく、全て隣の実験電極74に移動できたものと思わ
れる。この場合、共通電極を置いたことだけでなく、そ
こにトナーの帯電極性と同極性の電圧である−50Vの
電圧を印加したことが重要である。上述の特開平59−
181369号公報に記載の技術の如く、電極に印加す
る電圧の中間の値、すなわち、同極性の+50Vを印加
した場合は、同公報に記載されているようにトナーは共
通電極に飛来する。
【0034】本実施形態では、上記実験結果に基づい
て、共通電極板70には、電源72によりトナーの帯電
極性と同極性の電圧−50Vが印加される。これによ
り、共通電極板70と搬送基板31間の空間には、負帯
電したトナーTを搬送基板31方向に戻す静電力を作用
させる向きの電界が形成される。従って、負帯電したト
ナーTが共通電極板70に飛来することが抑制される。
【0035】(実験2)実験1において、トナーの飛散
は減少したが、それでもなお長時間使用中には共通電極
がトナーで汚れるおが確認された。該トナーを集めてそ
の帯電量を測定したところ、+3.5μC/gであるこ
とが判った。すなわち、本来の帯電極性である負と逆の
正に帯電したトナーが共通電極に飛来した訳である。こ
れは、電気力線の向きから見ても当然の結果と言える。
また、この状況は、逆帯電したトナーを分離できたこと
を意味するが、やはり長い時間の間には、共通電極に堆
積してついには搬送基板に落下して静電搬送を乱すこと
になる。トナーの量が十分であれば、画像形成に寄与し
ない逆帯電トナーを排除しても画像濃度は確保できる
が、現像領域に搬送されるトナーの量が少ない場合に
は、全てのトナーを有効に使わないと目的とする画像濃
度が得られなくなる。
【0036】従って、100%のトナーが正規に、この
場合には負に帯電しているのが理想的である。しかしな
がら、乾式トナーの摩擦帯電メカニズムを考えるとそれ
は不可能に近い。ところが、共通電極に飛来して付着し
ていたトナーが時々、搬送基板に戻り、そのまま正規の
方向に搬送されていくのが観察された。この現象は+5
0Vの電圧を印加された共通電極に飛来して接触した正
帯電トナー(逆帯電トナー)に、共通電極により負電荷
が注入され、その帯電極性が正から負に反転したと考え
られる。この方法(装置)で逆帯電トナーを選別し、そ
の帯電極性を正規の極性に戻して搬送基板へ戻すことが
できれば、非常に効率的である。
【0037】そこで、各種のトナーで、電荷注入の様子
を観察した。その結果、通常の電子写真の乾式一成分、
及び二成分現像に使用されているいわゆる高抵抗トナー
では電荷注入は非常に起こりにくいが、中抵抗トナー、
整流性トナー、島状電極トナー及び導電性トナーでは低
電界且つ短時間で電荷注入が行われることが判った。特
に定義はないが、一般的に、1012Ωcm以上のトナー
を高抵抗トナー、108 〜1010Ωcmのトナーを中抵
抗トナーと呼んでいる。この場合の低電界は1.0e+
6V/mを指す。一般的に言えば高電界といえる。この
場合の短時間とは1秒以下である。見方によっては長時
間である。整流性トナーを除く他の3種類のトナーの場
合は、電極の表面をSiO2 の薄層(<0.1μm)で
オーバーコートしておかないと、搬送基板から電荷注入
が起きてトナーの帯電量が変化することも判った。当然
のことであるが、共通電極表面を絶縁層で覆うと電荷注
入が起こらないことも確認された。
【0038】本実施形態では上記実験結果に基づいて、
搬送基板31の電極52の表面に絶縁層53を設け、且
つ共通電極板70の電極表面は裸としている。島状電極
トナーとは、絶縁物質の表面に微小な導電性物質をそれ
ぞれ島状に多数備えた形状のトナーをいう。整流性トナ
ーとは、印加される電圧の範囲内で正又は負のどちらか
にしか帯電しないという特性(整流性)を示すトナーを
いう。
【0039】各トナーにおける電荷注入のメカニズムは
特開平9−314893号公報に記載されているのと同
様である。すなわち、導電性トナーと整流性トナーの場
合には、共通電極板70の電極から注入された電荷がト
ナーの表面を移動して搬送基板31側に移り、その状態
で該トナーが搬送基板31に向かって飛翔する(特開平
9−314893号公報の図8参照)。中抵抗トナーの
場合には、注入された電荷がトナーの表面を移動してい
る途中で飛翔が始まると考えられる。島状電極トナーの
場合には島状電極に注入された電荷は搬送基板31側に
移動できず、そのまま飛翔すると考えられる(特開平9
−314893号公報の図9参照)。
【0040】
【発明の効果】請求項1,8又は9記載の発明によれ
ば、電極群の少なくとも一部に対向するように共通電極
が設けられ、該共通電極にトナーの帯電極性と同極性の
電圧を印加し、該共通電極に付着した正規の帯電極性と
異なる極性に帯電しているトナーに、該共通電極より正
規の帯電極性と同極性の電荷を注入して該トナーの帯電
極性を反転させる構成としたので、逆極性に帯電したト
ナーによる正規帯電トナーの静電搬送阻害を抑制できる
ので、静電搬送効率を向上できるとともに、逆極性に帯
電したトナーによる無駄を抑制して現像寄与率を向上さ
せることができる。
【0041】請求項2又は8記載の発明によれば、搬送
基板上の電極の表面が薄い絶縁層で覆われている構成と
したので、搬送基板からの電荷注入を防止できる。
【0042】請求項3又は8記載の発明によれば、共通
電極の表面が裸である構成としたので、該共通電極から
の電荷注入を容易にすることができる。
【0043】請求項4又は8記載の発明によれば、トナ
ーとして中抵抗トナーを使用するので、共通電極からの
電荷注入を容易にすることができる。
【0044】請求項5又は8記載の発明によれば、トナ
ーとして島状電極トナーを使用するので、共通電極から
の電荷注入を容易にすることができる。
【0045】請求項6又は8記載の発明によれば、トナ
ーとして整流性トナーを使用するので、共通電極からの
電荷注入を容易にすることができる。
【0046】請求項7又は8記載の発明によれば、トナ
ーとして導電性トナーを使用するので、共通電極からの
電荷注入を容易にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る画像形成装置として
の複写機の概要正面図である。
【図2】静電搬送装置の概要正面図である。
【図3】搬送基板の概要断面図である。
【図4】搬送基板の概要平面図である。
【図5】搬送基板の電気的接続関係を示す図である。
【図6】駆動波形の印加に係るタイミングチャートであ
る。
【図7】トナーの静電搬送原理を示す図である。
【図8】トナーの静電搬送及びポンピング状態を示す図
である。
【図9】共通電極が無い場合の電気力線のシミュレーシ
ョン図である。
【図10】共通電極がある場合の電気力線のシミュレー
ション図である。
【符号の説明】
1 像担持体としての感光体ドラム 31 搬送基板 53 電極 70 共通電極としての共通電極板

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数の電極を備え像担持体の近傍に設けら
    れる搬送基板を有し、該電極群に時間的に変化する電位
    を印加して帯電した画像形成用の粉末(以下、トナーと
    称する。)を該搬送基板に沿って移動させるとともに該
    像担持体方向へ移動させる静電搬送装置において、 上記電極群の少なくとも一部に対向するように共通電極
    が設けられ、該共通電極に上記トナーの帯電極性と同極
    性の電圧を印加し、該共通電極に付着した正規の帯電極
    性と異なる極性に帯電しているトナーに、該共通電極よ
    り正規の帯電極性と同極性の電荷を注入して該トナーの
    帯電極性を反転させることを特徴とする静電搬送装置。
  2. 【請求項2】請求項1記載の静電搬送装置において、 上記搬送基板上の電極の表面が薄い絶縁層で覆われてい
    ることを特徴とする静電搬送装置。
  3. 【請求項3】請求項1又は2記載の静電搬送装置におい
    て、 上記共通電極の表面が裸であることを特徴とする静電搬
    送装置。
  4. 【請求項4】請求項1乃至3のうちの一つに記載の静電
    搬送装置において、 上記トナーが、中抵抗トナーであることを特徴とする静
    電搬送装置。
  5. 【請求項5】請求項1乃至3のうちの一つに記載の静電
    搬送装置において、 上記トナーが、島状電極トナーであることを特徴とする
    静電搬送装置。
  6. 【請求項6】請求項1乃至3のうちの一つに記載の静電
    搬送装置において、 上記トナーが、整流性トナーであることを特徴とする静
    電搬送装置。
  7. 【請求項7】請求項1乃至3のうちの一つに記載の静電
    搬送装置において、 上記トナーが、導電性トナーであることを特徴とする静
    電搬送装置。
  8. 【請求項8】像担持体上に形成された静電潜像を静電搬
    送装置によりトナー像として可視像化し、該トナー像を
    記録材に転写して画像形成を行う画像形成装置におい
    て、 上記静電搬送装置が、請求項1乃至7のうちの一つに記
    載のものであることを特徴とする画像形成装置。
  9. 【請求項9】搬送基板上に設けられた電極群に時間的に
    変化する電位を印加して帯電した画像形成用の粉末(以
    下、トナーと称する。)を該搬送基板に沿って移動させ
    るとともに該像担持体方向へ移動させる静電搬送方法に
    おいて、 上記電極群の少なくとも一部に対向するように共通電極
    が設け、該共通電極に上記トナーの帯電極性と同極性の
    電圧を印加し、該共通電極に付着した正規の帯電極性と
    異なる極性に帯電しているトナーに、該共通電極より正
    規の帯電極性と同極性の電荷を注入して該トナーの帯電
    極性を反転させることを特徴とする静電搬送方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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