JP2002278074A - フォトレジスト用二軸配向ポリエステルフィルム - Google Patents

フォトレジスト用二軸配向ポリエステルフィルム

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JP2002278074A JP2001073864A JP2001073864A JP2002278074A JP 2002278074 A JP2002278074 A JP 2002278074A JP 2001073864 A JP2001073864 A JP 2001073864A JP 2001073864 A JP2001073864 A JP 2001073864A JP 2002278074 A JP2002278074 A JP 2002278074A
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oriented polyester
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Koji Kubo
耕司 久保
Kinji Hasegawa
欣治 長谷川
Kyoko Ozawa
恭子 小澤
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Teijin Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 凹凸形状を有する基盤に対し優れた基盤追従
性を示し、解像度に優れたフォトレジストフィルムの支
持体層に用いるポリエステルフィルムを提供する。 【解決手段】 エチレンテレフタレートを主たる繰り返
し単位とし、融点が210〜250℃であり、平均粒径
が0.001〜0.1μmの一次粒子の凝集体であって
平均二次粒径が0.3〜3μm、細孔容積が0.5〜
2.0ml/gである多孔質シリカ粒子を10〜500
ppm含有する共重合ポリエステルからなるポリエステ
ルフィルムであって、フィルムの面配向係数が0.08
〜0.16であり、フィルムの片面または両面に易滑層
を設けることを特徴とするフォトレジスト用二軸配向ポ
リエステルフィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はフォトレジスト用二
軸配向ポリエステルフィルムに関し、さらに詳しくは基
板形状追従性および解像度に優れたフォトレジストフィ
ルムの支持体層に用いるポリエステルフィルムに関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来から、印刷配線回路板の製造等にお
いて、フォトレジストフィルムが広く用いられている。
フォトレジストフィルムは通常、支持体層/フォトレジ
スト層/保護層からなる積層構造体である。支持体層と
しては、機械的特性、光学的特性、耐薬品性、寸法安定
性、平面性等に優れたポリエステルフィルムが主に使用
されている。フォトレジスト層は感光性樹脂からなる層
であり、また、保護層としてはポリエチレンフィルムや
ポリエステルフィルムが用いられている。
【0003】フォトレジストフィルムの使用方法を簡単
に説明すると、まず保護層を剥し、露出したフォトレジ
スト層を基板に貼り付けた導電性基材の上に密着させ
る。導電性基材は一般的には銅板である。次にフォトレ
ジストフィルムの支持体層側に、回路が印刷されたガラ
ス板を密着させ、当該ガラス板側から光を照射する。ガ
ラス板に印刷された回路の画像で透明な部分を光が通
り、フォトレジスト層の感光性樹脂は、かかる露光が行
われた部分のみ反応する。次いでガラス板と支持体層を
取り除き、フォトレジスト層の未露光部分を適当な溶剤
等を用いて除去する。さらに、酸等を用いてエッチング
を行えば、フォトレジスト層が除去されて露出した導電
性基材部分が除去される。しかる後、露光、反応したフ
ォトレジスト層を適当な方法で除去すれば、基板上に導
電性基材層が回路として形成される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、最近、基板上
に形成された導電性基材層の既設の回路の上に絶縁層を
設け、この絶縁層の上にさらに導電性基材層の別の回路
を形成させること(いわゆる回路の積層化)が頻繁に行
われている。この回路の積層化は、既設の回路を形成さ
せた基板の上に絶縁層/導電性基材層を積層し、この導
電性基材層の上にさらにフォトレジスト層/支持体層を
密着させた後、導電性基材層の別の回路を前述の方法に
より形成させることにより行われる。ところが、回路の
積層化を行うときに、積層した絶縁層/導電性基材層の
表面が既設の回路の凹凸に影響された凹凸形状になって
おり、この上にさらに密着させるフォトレジスト層/支
持体層がこの凹凸形状に追従した形状で密着しないと新
たに設けた回路が部分的に欠落する等の問題が生じる。
【0005】また、最近は導電性基材の回路が細くな
り、その間隔も狭くなってきており、画像形成の再現性
や高度の解像度が要求されている。このため、支持体層
として用いられるポリエステルフィルムに対しても、高
度な品質が要求されるようになった。即ち、支持体とし
て用いられるポリエステルフィルムは、透明性が高く、
フィルムヘーズが低いことが必要である。フォトレジス
トフィルムにおいて、フォトレジスト層を露光する場
合、前述の通り光は支持体を通ることになる。従って、
支持体層の透明度が低いとフォトレジスト層が十分に露
光されなかったり、また、光の散乱により解像度が悪化
するなどの問題が生じる。
【0006】これらの課題に対して、本発明者らは、特
定の組成を有するポリエステルからなり、平均粒径2.
5μm以下の滑剤を含有し、フィルムの面配向係数を特
定の範囲としたポリエステルフィルムを提案してきた
(特開平9−304937号公報)。
【0007】しかしながら、近年、携帯電話などの電子
機器の小型化がますます進むなかで、電子回路の細線化
に伴い、更なる解像度の向上が必要となってきている。
【0008】解像度を向上させる方法として、例えば特
開平7−333853号公報に、少なくとも片側の最外
層に、平均粒径0.01〜3.0μmの粒子(球状また
は不定形シリカ粒子、球状架橋高分子粒子など)を含有
し、該最外層表面のRaが0.005μm以上、Rtが
1.5μm未満であり、かつフィルムヘーズが1.5%
以下であるフォトレジスト用二軸配向積層ポリエステル
フィルムが開示されている。しかしながら、このポリエ
ステルフィルムは、十分な取扱性が得られる程度まで微
粒子を添加すると、フィルム製膜時にボイドが発生し、
その結果、解像度が低下するという問題が生じる。
【0009】本発明は、かかる従来技術の問題点を解消
し、優れた基板形状追従性を有しつつ解像度を向上させ
たポリエステルフィルムを提供することを課題とするも
のである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、従来の球状または
不定形粒子に代えて1次粒子が凝集して形成される凝集
粒子を特定量含有する特定のポリエステルからなり、フ
ィルムの少なくとも片面に易滑性の層を設けたポリエス
テルフィルムが優れた特性を有することを見出し、本発
明に至った。
【0011】すなわち、本発明は、エチレンテレフタレ
ートを主たる繰り返し単位とし、融点が210〜250
℃であり、平均粒径が0.001〜0.1μmの一次粒
子の凝集体であって平均二次粒径が0.3〜3μm、細
孔容積が0.5〜2.0ml/gである多孔質シリカ粒
子を10〜500ppm含有する共重合ポリエステルか
らなるポリエステルフィルムであって、フィルムの面配
向係数が0.08〜0.16であり、フィルムの片面ま
たは両面に易滑層を設けることを特徴とするフォトレジ
スト用二軸配向ポリエステルフィルムである。
【0012】また、該ポリエステルフィルムのフィルム
の縦方向および横方向のL5値はそれぞれ1〜55g/
mmであることが好ましく、ヘーズ値は3%以下である
ことが好ましく、またフィルム表面の表面粗さ(Ra)
は15nm以下であることが好ましい。さらには、フィ
ルム中のアンチモン量が全酸成分1mol当り10mm
ol以下であることが好ましい。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明における共重合ポリエステ
ルは、エチレンテレフタレートを主たる繰り返し単位と
する共重合ポリエステル、すなわち、テレフタル酸ある
いはそのエステル形成性誘導体からなるジカルボン酸成
分、エチレングリコールあるいはそのエステル形成性誘
導体からなるジオール成分および共重合成分を重縮合反
応させて得られる共重合ポリエステルである。
【0014】共重合成分はジカルボン酸成分でもジオー
ル成分でもよい。ジカルボン酸成分としてはイソフタル
酸、フタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸等の如
き芳香族ジカルボン酸、アジピン酸、アゼライン酸、セ
バシン酸、デカンジカルボン酸等の如き脂肪族ジカルボ
ン酸、シクロヘキサンジカルボン酸の如き脂環族ジカル
ボン酸等が例示でき、またジオール成分としては1,4
−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ジエチ
レングリコール等の如き脂肪族ジオール、1,4−シク
ロヘキサンジメタノールの如き脂環族ジオール、ビスフ
ェノールAの如き芳香族ジオールが例示できる。これら
は単独または二種以上を使用することができる。
【0015】共重合成分の割合は、その種類にもよる
が、結果としてポリマー融点が210〜250℃、好ま
しくは215〜235℃の範囲になる割合である。融点
が210℃未満では、ポリマーの結晶性が小さすぎて得
られたフィルムがブロッキングをおこし生産に適さない
うえ、フィルムの機械的強度も劣る。一方、融点が25
0℃を超えると、ポリマーの結晶性が大きすぎてフォト
レジストフィルムに用いた際の基板形状追従性が損なわ
れる。
【0016】ここで、共重合ポリエステルの融点測定
は、Du Pont Instruments 910
DSCを用い、昇温速度20℃/分で融解ピークを求
める方法による。なおサンプル量は20mgとする。
【0017】また、本発明における共重合ポリエステル
の固有粘度(オルトクロロフェノール、35℃)は0.
52〜1.50であることが好ましく、さらに好ましく
は0.57〜1.00、特に好ましくは0.60〜0.
80である。この固有粘度が0.52未満の場合には耐
衝撃性が不足することがあり好ましくない。他方、固有
粘度が1.50を超える場合には、基板形状追従性が損
なわれることがある。
【0018】本発明における共重合ポリエステルは、そ
の製法によって限定されることはない。例えば、テレフ
タル酸、エチレングリコールおよび共重合成分をエステ
ル化反応させ、ついで得られた反応生成物を目的とする
重合度になるまで重縮合反応させて共重合ポリエステル
とする方法、あるいはテレフタル酸ジメチルエステル、
エチレングリコールおよび共重合成分をエステル交換反
応させ、ついで得られた反応生成物を目的とする重合度
になるまで重縮合反応させて共重合ポリエステルとする
方法を好ましく挙げることができる。また、上記の方法
(溶融重合)により得られた共重合ポリエステルは、必
要に応じて固相状態での重合方法(固相重合)により、
さらに重合度の高いポリマーとすることができる。
【0019】ポリエステルの製造においては、必要に応
じて、酸化防止剤、熱安定剤、粘度調整剤、可塑剤、色
相改良剤、滑剤、核剤、紫外線吸収剤などの添加剤を加
えることができる。
【0020】前記重縮合反応に使用する触媒としては、
アンチモン化合物(Sb化合物)、チタン化合物(Ti
化合物)、ゲルマニウム化合物(Ge化合物)などを用
いることができるが、アンチモン化合物を重縮合触媒と
して用いた場合には、アンチモン量が全酸成分1mol
当り10mmol以下であることが、透明性を向上させ
るうえで好ましい。さらには重縮合触媒としては、チタ
ン化合物、ゲルマニウム化合物を用いることが、フィル
ムの透明性に優れる点でさらに好ましい。チタン化合物
としては、例えばチタンテトラブトキシド、酢酸チタン
などが好ましく挙げられる。また、ゲルマニウム化合物
としては、(イ)無定形酸化ゲルマニウム、(ロ)微細
な結晶性酸化ゲルマニウム、(ハ)酸化ゲルマニウムを
アルカリ金属またはアルカリ土類金属もしくはそれらの
化合物の存在下にグリコールに溶解した溶液、(ニ)酸
化ゲルマニウムを水に溶解した溶液などが好ましく挙げ
られる。
【0021】また、本発明の共重合ポリエステルは、凝
集粒子である多孔質シリカ粒子を含有していることが必
要である。従来の球状または不定形シリカ粒子を含有し
ていると、フィルムの製造工程において、延伸により粒
子の近傍に空隙(ボイド)が生じ、その結果製造された
フィルムの透明性が低下し、フォトレジスト法によって
電子回路を形成させる工程で感光性樹脂が回路パターン
通りに反応硬化しない問題が生じるので好ましくない。
【0022】この多孔質シリカ粒子を構成する一次粒子
の平均粒径は、0.001〜0.1μmの範囲にある必
要がある。一次粒子の平均粒径が0.001μm未満で
はスラリー段階で解砕により極微細粒子が生成し、これ
が粗大な凝集体を形成して、解像度悪化の原因となるた
め不適当である。一方、一次粒子の平均粒径が0.1μ
mを超えると、粒子の多孔性が失われ、ボイド抑制効果
が消失し、フィルムの透明性が低下する。
【0023】さらに、前記多孔質シリカ粒子は、細孔容
積が0.5〜2.0ml/g、好ましくは0.6〜1.
8ml/gの範囲にあることが必要である。この細孔容
積が0.5ml/g未満では、粒子の多孔質性が失わ
れ、ボイド抑制効果が消失し、フィルムの透明性が低下
する。一方、細孔容積が2.0ml/gより大きいと、
解砕により凝集が起こり易く、粗大な凝集体を形成し
て、解像度悪化の原因となる。
【0024】ここで、多孔質シリカ粒子の細孔容積は、
カンタクローム社製オートソーブ―1を使用し、定容法
を用いた窒素吸着測定により、粉体の空隙が窒素によ
り、充填されていると仮定して相対圧力=0.998に
おける窒素吸着量から粉体の細孔容積を求める。
【0025】前記多孔質シリカ粒子の一次粒子の凝集体
である粒子の平均粒径、すなわち平均二次粒径は0.3
〜3μmである必要があり、さらには0.4〜2μmの
範囲内にあることが好ましい。多孔質シリカ粒子の平均
粒径が0.3μm未満であると、フィルムの巻取性を確
保するために添加量を増やす必要があり、結果としてフ
ィルムの透明度を低下させるため好ましくない。一方、
平均粒径が3μmを超えると、粗大な凝集体が増加し
て、解像度悪化の原因となる。
【0026】ここで、一次粒子の平均粒径は、シリカ粉
体を個々の粒子ができるだけ重ならないように散在せし
め、金スパッター装置によりこの表面に金属蒸着膜を厚
み20〜30nmで形成せしめ、走査型電子顕微鏡にて
10000〜30000倍で観察し、日本レギュレータ
ー(株)製ルーゼックス500にて画像処理し、100
個の粒子から平均粒径を求める。また、平均二次粒径
は、遠心沈降式粒度分布測定装置で測定した等価球形分
布における積算体積分率50%の直径を平均二次粒径と
する。
【0027】また、前記多孔質シリカ粒子の添加量は、
10〜500ppm、好ましくは10〜300ppm、
さらに好ましくは15〜100ppmである。10pp
m未満であると、フィルムの巻取性が確保できず、一方
500ppmを超えると、フィルムの透明性が損なわれ
る。
【0028】また、本発明で用いる多孔質シリカ粒子
は、凝集粒子を形成するが、本発明のポリエステルフィ
ルムは、大きさが50μm以上の粗大凝集粒子数が10
個/m 2以下、好ましくは5個/m2以下、さらに好まし
くは3個/m2以下であることが望ましい。50μm以
上の粗大凝集粒子が多くなりすぎると、解像度悪化の原
因となることがある。
【0029】そして本発明のポリエステルフィルムは、
フィルムの面配向係数が0.08〜0.16であること
が必要である。フィルムの面配向係数は0.10〜0.
15であることがさらに好ましい。
【0030】フィルムの面配向係数が0.08未満であ
ると、フィルムの機械的強度が不足し、表面に凹凸を有
する基板に貼りつけた際にピンホールが生じる。一方、
面配向係数が0.16を超えると、フィルムの基板形状
追従性が劣り、回路に欠陥が生ずる。 ここで、面配向係数とは以下の式により定義されるもの
である。 f=[(nx+ny)/2]−nz
【0031】上記式において、fは面配向係数、nx、
nyおよびnzは、それぞれフィルムの横方向、縦方向
および厚さ方向の屈折率である。
【0032】なお、屈折率はアッベの屈折計の接眼側に
偏光板アナライザーを取り付け、単色光NaD線で屈折
率を測定する。マウント液はヨウ化メチレンを用い、測
定温度は25℃である。
【0033】上記面配向係数をを有するフィルムを得る
には、例えば共重合ポリエステルを別々に溶融して押し
出しし、急冷して未延伸フィルムを作り、この未延伸フ
ィルムを二軸延伸する際に延伸温度を85〜145℃、
縦方向および横方向の延伸倍率を2.6〜4.0倍と
し、必要に応じて二軸延伸した後のフィルムを150〜
210℃で熱固定することにより得ることができる。
【0034】上記二軸延伸は、未延伸フィルムを縦方向
または横方向に延伸して一軸延伸フィルムとし、次いで
この一軸フィルムを横方向または縦方向に延伸すること
による逐次二軸延伸法であってもよく、あるいは未延伸
フィルムを縦方向および横方向に同時に延伸する同時二
軸延伸法であっても良い。また二軸延伸フィルムは必要
に応じて縦方向および/または横方向にさらに延伸する
ことができる。
【0035】また、本発明のポリエステルフィルムは、
フィルムの縦方向および横方向のL5値がそれぞれ1〜
55g/mmであることが好ましく、縦方向および横方
向のL5値の平均値が1〜45g/mmであることがさ
らに好ましい。フィルムの縦方向および横方向のL5値
が上記の範囲であると、回路の積層化を行う際にフォト
レジストフィルムが既設の回路の凹凸形状に追従した形
状で密着するため新たに設けた回路に部分的に欠落等が
生じず好ましい。
【0036】尚、上記のL5値は、100℃にてフィル
ム(10mm幅の短冊型試料)の引張試験をチャック間
隔10cm、引張速度10cm/分の条件で行い、試料
が5%の伸びを示した時の荷重を試料の幅で除し得られ
た値(g/mm)である。
【0037】上記のL5値を有するフィルムは、前記の
面配向係数を有する二軸延伸フィルムと同様の延伸条件
により得ることができるが、特に本発明におけるポリエ
ステルからなる未延伸フィルムを二軸延伸する際に、延
伸温度を100〜145℃、縦方向および横方向の延伸
倍率を3.0〜3.6倍とし、必要に応じて二軸延伸し
た後のフィルムを170〜190℃で熱固定し、延伸後
のフィルムの肉厚を5〜50μm、特に10〜30μm
とすることにより得ることができる。
【0038】本発明のポリエステルフィルムの片面また
は両面には、易滑層を設けることが必要である。易滑層
の組成は特定されないが、例えば、(A)ガラス転移点
が20〜80℃であり、基−SO3M(ここで、Mは−
SO3と同等量の金属原子、アンモニウム基またはホス
ホニウム基を示す)を有するジカルボン酸成分0.1〜
20モル%、その他のジカルボン酸成分80〜99.9
モル%およびジオール成分を重縮合反応させて得られる
共重合ポリエステル、(B)ガラス転移点が25〜70
℃のアクリル系樹脂、および(C)滑剤としての微粒
子、を主成分としてなる塗膜を挙げることができる。こ
の膜厚は5〜200nmが好ましく、特に10〜150
nmが好ましい。易滑性の塗膜を形成させる方法は特に
限定されないが、縦延伸後にフィルムの片面または両面
にリバースコーターを用いて塗工する方法が好ましく例
示できる。
【0039】本発明のポリエステルフィルムのヘーズ値
は3%以下であることが好ましく、2%以下であること
がさらに好ましい。ヘーズ値が3%を超えると、解像度
悪化の原因となることがある。ここで、ヘーズ値はJI
S−K7105に準じ、日本精密光学(株)製の積分球
式ヘーズメーターにより測定した。
【0040】本発明のポリエステルフィルムにおいて
は、フィルムの表面粗さ(Ra)を15nm以下、好ま
しくは2〜13nm、さらに好ましくは4〜12nmと
することが、解像度を向上させる上で好ましい。ここで
表面粗さ(Ra)は、JIS−B0601に準じて求め
た中心線平均粗さである。
【0041】本発明のポリエステルフィルムは、好まし
くは厚みが3〜75μmである。さらに4〜50μm、
特に5〜30μmであることが好ましい。厚みが3μm
未満では加工時に破れなどが生じ易くなり、一方75μ
mを超えるものは過剰品質であって不経済であるだけで
なく、解像度が低下することがある。
【0042】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに説明す
る。なお、実施例中の特性は下記の方法で測定した。
【0043】1.面配向係数 アッベの屈折計の接眼側に偏光板アナライザーを取り付
け、マウント液にヨウ化メチレンを用い、測定温度25
℃にて単色光NaD線で、フィルム面の横方向屈折率
(nx)、縦方向屈折率(ny)および厚さ方向屈折率
(nz)屈折率を測定し、下記式により面配向係数
(f)を求めた。f=[(nx+ny)/2]−nz
【0044】2.L5値 東洋ボールドウイン(株)製・テンシロン万能型引張試
験機に恒温槽を取り付け、100℃にてフィルム(10
mm幅の短冊型試料)の引張試験をチャック間隔10c
m、引張速度10cm/分の条件で行い、試料が5%の
伸びを示した時の荷重を試料の幅で除し得られた値をL
5値(g/mm)とした。
【0045】3.基盤形状追従性および耐ピンホール性
の評価 フィルムを、幅20μm、深さ5μm、長さ5mmの溝
が10μmの間隔で平行に刻まれている、100℃に加
熱された銅板の表面にラミネートし、このフィルムをラ
ミネートした銅板について以下の観察を顕微鏡により行
い、各々下記の基準で評価した。 (1) 基盤形状追従性 ○:銅板に刻まれた溝の底面からフィルムの銅板側表面
までの距離(『浮き』)が0.1μm以下である。(基
盤形状追従性良好) ×:銅板に刻まれた溝の底面からフィルムの銅板側表面
までの距離(『浮き』)が0.1μmを超えるものであ
る。(基盤形状追従性不良) (2) 耐ピンホール性 ○:銅板の溝部分を被覆しているフィルムに直径が0.
1μm以上のピンホールが認められない。(耐ピンホー
ル性良好) ×:銅板の溝部分を被覆しているフィルムに直径が0.
1μm以上のピンホールが認めらる。(耐ピンホール性
不良)
【0046】4.フォトレジストフィルムの実用性評価 フィルムの易滑層を有しない側の表面にフォトレジスト
層を設け、その上に保護層としてポリエチレンフィルム
を積層してフォトレジストフィルムを作製した。得られ
たフォトレジストフィルムを用いて、ライン幅25μ
m、ライン間のスペース25μmのプリント回路の作製
を行った。即ち、ガラス繊維含有エポキシ樹脂基盤上に
設けられた銅板に、保護層を剥離したフォトレジストフ
ィルムのフォトレジスト層面を密着させた。次に、フォ
トレジストフィルムの上に、回路が印刷されたガラス板
を密着させ、当該ガラス板側から紫外線の露光を行っ
た。しかる後フォトレジストフィルムを剥離し、洗浄、
エッチング等、一連の現像操作を行って回路を作製し
た。かくして得られた回路を目視あるいは顕微鏡を使っ
て観察し、その結果によりフォトレジストフィルムの実
用性評価を下記の基準で行った。 (1) 解像度 ○:極めて高度な解像度を有し、鮮明な回路が認められ
た。(解像度良好) △:鮮明度がやや劣り、線が太くなるなどの現象が見ら
れる(解像度やや良好) ×:解像度が劣り、高密度の回路には使用できない。
(解像度不良) (2) 回路の耐欠陥性 ○:回路に欠落が認められない。(回路の耐欠陥性良
好) △:まれに回路の欠落が認められる。(回路の耐欠陥性
やや良好) ×:回路の欠落があり実用上支障がある。(回路の耐欠
陥性不良)
【0047】[実施例1〜5および比較例1〜4]表1
に示す共重合成分を表1に示す割合で共重合した共重合
ポリエチレンテレフタレート(二酸化ゲルマニウムを重
縮合触媒として用い、固有粘度0.64で、一次粒子の
平均粒径が0.05μmの粒子の凝集体であり、細孔容
積が1.3ml/g、平均二次粒径1.5μmの多孔質
シリカ粒子を80ppm含有)を、常法により乾燥し、
ダイから押出して、急冷固化して未延伸フィルムを得
た。次いで、この未延伸フィルムを表1に示す温度およ
び倍率で縦延伸した後、フィルムの片面に易滑性塗剤と
して下記の塗液を乾燥横延伸後20nmになるように塗
布し、続いてステンターに供給して表1に示す温度およ
び倍率で横延伸し、さらに180℃で熱固定して二軸延
伸フィルムを得た。 塗液:テレフタル酸−イソフタル酸−5−Naスルホイ
ソフタル酸(全ジカルボン酸の2モル%を占める)−テ
トラメチレングリコール−ビスフェノールAエチレンオ
キシド付加体(ビスフェノールAに対し、2〜6等量の
エチレンオキシドを付加)共重合体P(Tg=25℃)
を40重量部、メタクリル酸メチル−アクリル酸エチル
−メタクリル酸2−ヒドロキシエチル−N−メチロール
アクリルアミド共重合体Sを40重量部、架橋アクリル
フィラー(40nm径)を10重量部、エチレンオキシ
ド−プロピレンオキシド共重合体を10重量部含む4%
濃度水溶液。
【0048】得られたフィルムの厚みは12μmであっ
た。またフィルムの表面粗さ(Ra)は6nmであっ
た。
【0049】ポリエステルフィルムの面配向係数、L5
値、ヘーズ、および評価結果を表2に示す。
【0050】
【表1】
【0051】
【表2】
【0052】[比較例5〜7]実施例2において、共重
合ポリエステルに多孔質シリカの代わりに含有させる不
活性粒子を表3に示すとおり変更して、二軸延伸ポリエ
ステルフィルムを得た。得られたフィルムの厚みは実施
例2と同じであり、フィルムの面配向係数、L5値も実
施例2と同じであった。評価結果を表4に示す。
【0053】
【表3】
【0054】
【表4】
【0055】[実施例6〜11および比較例8〜13]
実施例2において、共重合ポリエステルに含有させる多
孔質シリカの一次粒子平均粒径、細孔容積、平均二次粒
径、添加量を表5に示すとおり変更し、二軸延伸フィル
ムを得た。得られたフィルムの厚みは実施例2と同じで
あり、フィルムの面配向係数、L5値も実施例2と同じ
であった。評価結果を表6に示す。
【0056】
【表5】
【0057】
【表6】
【0058】表2、表4、表6の結果から明らかなよう
に、実施例のフィルムは、基盤形状追従性、耐ピンホー
ル性、解像度、回路の耐欠陥性の全てに対して優れてい
る。
【0059】[比較例14]実施例2において、易滑層
を設けずにサンプルを作成したところ、ハンドリング性
が極めて悪く、実用に耐えうるものではなかった。
【0060】
【発明の効果】本発明のポリエステルフィルムを微細な
凹凸を有する基盤に回路を設けるためのフォトレジスト
フィルムの支持体層として用いた場合、その凹凸に対し
て極めて優れた基盤追従性を示し、かつ微細な回路の欠
陥発生を防止することができ、その工業的価値が非常に
大きい。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G03F 7/004 512 G03F 7/004 512 Fターム(参考) 2H025 AA02 AA18 AB11 AB15 DA19 DA20 DA40 4F006 AA35 AB35 AB43 AB72 BA09 CA08 EA06 4F100 AA20A AA20H AK42A AK42K AL01A AR00B AR00C BA03 BA06 BA10B BA10C CA23A DD07 DE01A DE01H EJ38 GB90 JA04A JA20A JK02 JK08 JK16B JK16C JN08 YY00 YY00A 4J002 CF061 DJ016 FA096 FD176

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エチレンテレフタレートを主たる繰り返
    し単位とし、融点が210〜250℃であり、平均粒径
    が0.001〜0.1μmの一次粒子の凝集体であって
    平均二次粒径が0.3〜3μm、細孔容積が0.5〜
    2.0ml/gである多孔質シリカ粒子を10〜500
    ppm含有する共重合ポリエステルからなるポリエステ
    ルフィルムであって、フィルムの面配向係数が0.08
    〜0.16であり、フィルムの片面または両面に易滑層
    を設けることを特徴とするフォトレジスト用二軸配向ポ
    リエステルフィルム。
  2. 【請求項2】 フィルムの縦方向および横方向のL5値
    がそれぞれ1〜55g/mmである請求項1に記載のフ
    ォトレジスト用二軸配向ポリエステルフィルム。
  3. 【請求項3】 フィルムのヘーズ値が3%以下である請
    求項1または2に記載のフォトレジスト用二軸配向ポリ
    エステルフィルム。
  4. 【請求項4】 フィルム表面の表面粗さ(Ra)が15
    nm以下である請求項1〜3のいずれかに記載のフォト
    レジスト用二軸配向ポリエステルフィルム。
  5. 【請求項5】 フィルム中のアンチモン量が全酸成分1
    mol当り10mmol以下である請求項1〜4記載の
    いずれかに記載のフォトレジスト用二軸配向ポリエステ
    ルフィルム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2003057484A1 (fr) * 2001-12-28 2003-07-17 Teijin Dupont Films Japan Limited Film stratifie
JP2012096411A (ja) * 2010-10-29 2012-05-24 Dainippon Printing Co Ltd ポリエステル樹脂組成物の積層体

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